JP5137591B2 - 薬剤揮散体 - Google Patents

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本発明は、蚊、ブユ等の飛翔害虫を駆除及び忌避するために揮散性薬剤を効果的に揮散させる薬剤揮散体に関するものである。
従来から、揮散性薬剤を揮散するための揮散方法が種々知られている。これらの例としては、(1)有効成分を溶剤等に溶解し、これに吸液芯に吸液させ、この芯を加熱して有効成分を蒸散させ効果を得る方法や、(2)薬剤を含浸させた担体をファンとともにモーターで回転させ、その遠心力で薬剤を揮散し効果を得る方法、さらには、(3)薬剤を含浸させたろ紙状の紙から自然下に有効成分を揮散させ効果を得る方法等が開示されている。
しかしながら、(1)や(2)の方法では薬剤を揮散させるための手段として電力や電池を使用するため、使用場所に制限があったり、電池を使用するためコストが掛かるという問題があった。また、(3)のろ紙状の紙から有効成分を揮散させる方法では、十分な効力を得るためには大きな薬剤含浸体が必要であるが、使用する側からは、コンパクトに使用したいといった要望がある。また、手に触れる状態で使用されたり、容器を使用した場合にはその構造が複雑なため強度不足になったり、容器材料が複数個となり、コストが高くなるといった問題点があった。特許文献1には、飛行昆虫を駆除するための駆虫製品として、トランスフルトリン、プラレスリン、テフルスリン、エスビオスリン等の活性駆虫成分を含浸した基質を使用し活性駆虫成分が受動拡散するような形態で置かれた製品の発明が開示されているが、具体的な形状と揮散効率について十分な検討が加えられているわけではない。
また、特許文献2には、揮散成分を効率的に放出せしめて揮散成分の効能を初期から充分に発揮させる方法として揮散成分保持担体ならびに揮散成分保持材が開示されているが、長期的な揮散効率に関する開示はなく、一部の形状が示されているのみである。
特表平11−504627号公報 特開2006−16474号公報
本発明は、常温揮散性薬剤を含有する担体を薬剤容器の内部に収納した薬剤揮散体であって、前記薬剤容器は、組み立てが容易であり、部材が少なく、揮散性能及び吊り下げ強度に優れ、また、常温揮散性薬剤を含有する担体が大きくならずコンパクトに収納可能であり、通常室温にて吊り下げだけでなく、置き型タイプとしても使用可能な薬剤揮散体を提供する目的でなされたものである。
本発明による薬剤揮散体は、以下の通りに開示される。
(1)トランスフルトリン、メトフルトリン及びプロフルトリンから選択された1種又は2種のピレスロイド系常温揮散性薬剤を含有する網状筒型の担体を略直方体状の薬剤容器の内部に収納した薬剤揮散体であって、前記略直方体状の薬剤容器は、少なくとも正面及び背面、並びに二側面に開口部を有し、その正面及び背面の開口部の面積(A1及びA2)はそれぞれ正面及び背面の面積全体の10〜50%で、また二側面の開口部の面積(B1及びB2)はそれぞれ側面の面積全体の5〜30%であり、かつ、前記正面及び背面の開口部の面積(A1及びA2)と二側面の開口部の面積(B1及びB2)の比率[(B1及びB2)/(A1及びA2)]を0.005〜0.3の範囲に設定し、加えて、上方にはフック部が設けられている薬剤揮散体であって

前記略直方体状の薬剤容器は、平面シート状プラスチック部材を折り曲げ、一側面及び上面と下面で折り曲げ面が重なり合うように組み立てられるとともに、一方の折り曲げ面の端部に設けた舌片部が他方の折り曲げ面の折り曲げ線に沿った切込み部に嵌入されることにより開閉可能に形成されており、しかも上面の折り曲げ面の舌片部には切り目を入れて折返し立ち上げ可能にフック部が延設されていることを特徴とする薬剤揮散体。
トランスフルトリン、メトフルトリン及びプロフルトリンから選択された1種又は2種のピレスロイド系常温揮散性薬剤を含有する網状筒型の担体を略直方体状の薬剤容器の内部に収納した薬剤揮散体であって、前記略直方体状の薬剤容器は、少なくとも正面及び背面、並びに二側面に開口部を有し、その正面及び背面の開口部の面積(A1及びA2)はそれぞれ正面及び背面の面積全体の10〜50%で、また二側面の開口部の面積(B1及びB2)はそれぞれ側面の面積全体の5〜30%であり、かつ、前記正面及び背面の開口部の面積(A1及びA2)と二側面の開口部の面積(B1及びB2)の比率[(B1及びB2)/(A1及びA2)]を0.005〜0.3の範囲に設定し、加えて、上方にはフック部が設けられている薬剤揮散体であって
前記略直方体状の薬剤容器は、一体プラスチック成型品であり、上面付近には立上げ可能にフック部が設けられていることを特徴とする薬剤揮散体。
)使用に際して立上げた前記フック部の先端部分が、前記略直方体状の薬剤容器の一部に係止される構成となしたことを特徴とする()に記載の薬剤揮散体。
本発明は、常温揮散性薬剤を含有する担体を薬剤容器の内部に収納した薬剤揮散体であって、前記薬剤容器は、組み立てが容易であり、部材が少なく、揮散性能及び吊り下げ強度に優れ、また、常温揮散性薬剤を含有する担体が大きくならずコンパクトに収納可能であり、通常室温にて吊り下げだけでなく、置き型タイプとしても使用可能な薬剤揮散体を提供するもので、その実用性は極めて高い。
本発明では、組み立てが容易であり、部材が少なく、コンパクトな薬剤容器の内部に、常温揮散性薬剤を含有する担体が収納して用いられる。
本発明で用いられる担体は、含浸又は練り込みにより揮散性薬剤を保持させたもので、担体の形状としては網状筒型が採用される。網状筒型の形状の担体は、筒状であるため形状が大きくなりすぎ、コンパクトに使用する事が困難であり、また、揮散が多くなりすぎるため、所定の期間を持たせる事が出来ないという欠点があった。しかるに、本発明では、特定の薬剤容器に収納することにより、担体の揮散性能を適正ならしめ、揮散の持続安定性をも達成可能としたものである。
この網状筒型担体の材質は、通常の紙、繊維、樹脂などいずれも使用可能であり、特に限定はされないものの、樹脂材料は柔軟性に富むうえに多くの薬剤量を含浸させることが出来、薬剤の徐放性を制御出来るなどの点から好ましい。特に、ポリエチレンを用いた樹脂は柔軟性に富む上、有効成分の保持に適しているなど、最も好適に使用可能である。さらに、この網状筒型の担体の網目の間隔や網目の直径等は特に限定はされないものの、網目の間隔は、その揮散性能の面から0.1mm〜10mmがより好ましく、さらには0.5mm〜5mmが最も好ましい。また網目の直径は、0.05mm〜3mmが好ましく、さらには、0.1mm〜2mmが最も好ましい。
略直方体状の薬剤容器は、担体に含まれる揮散性薬剤を揮散させるための開口部を有している。この開口部について説明すると、略直方体状の正面及び背面の開口部の面積は、それぞれ正面全体及び背面全体に対して、10〜50%に設定され、また、略直方体状の側面部分については、その開口部の面積が揮散性能全体に対して、大きな影響を及ぼす事が認められ、試験の結果、各側面の開口面積は各々の側面全体に対する開口率として5〜30%、好ましくは10〜25%であることを必須とした。さらに、この正面及び背面の開口部の面積(A1及びA2)に対する二側面の開口部の面積(B1及びB2)の比率[(B1+B2)/(A1+A2)]の数値は0.005〜0.3であり、前記開口率とともに係る面積比率を採用すれば、コンパクトであっても通気性が十分な薬剤容器が提供され、内部に収納された担体から揮散性薬剤は必要かつ十分な揮散量を揮散しえるものである。
また、この開口部分は、前記正面及び背面、ならびに二側面以外の残りの面、すなわち、上面や下面にも設置することが可能であり、その開口率は二側面と同様に5〜30%であることが好ましく、その場合には置き型で使用された場合でも側面の開口部での十分な開口面積を確保する事が可能となる。
なお、本発明におけるA1及びA2とは、略直方体状容器のそれぞれ正面及び背面の開口部分を表わす。ここでいう正面とは、略直方体状で示される6面のうち、最も面積の大きな2つの面のうちの一方の面で、また、背面とは、最も面積の大きな2つの面のうちの残りの面を示すものである。さらに、本発明でいうB1及びB2とは吊り下げて使用する場合における正面と背面を除く、残り二側面のそれぞれの開口部分を示すものである。
本発明で用いる常温揮散性薬剤としては、ピレスロイド系薬剤であれば、各種の薬剤が使用可能であるが、トランスフルトリン(商品名バイオスリン)、メトフルトリン(商品名エミネンス)又はプロフルトリン(商品名フェアリテール)が効果の面からより好ましい。これらの3種の薬剤を1種のみで用いることも可能であるが、2種以上を混合して用いていてもよい。さらに、これらの中では、その揮散性及び効力の点から、少なくとも使用する薬剤の1種としてメトフルトリンを使用する事が望まれる。また、これらのピレスロイド系薬剤には、各種の立体・幾何異性体が考えられるが、これらの異性体のいずれを用いる事も可能である。
担体に保持される常温揮散性薬剤の薬剤量は、使用される条件の温度の変化や、使用場所での風等の使用条件によって変動し、使用される薬剤の種類により最適な使用量も変化するため、特に限定されるものではないが、本形状の薬剤揮散体を用いる場合であれば、通常、有効成分含量は30mg〜500mg程度で約10日〜60日程度の使用量として例示される。
有効成分含量を設定するに当たっては、使用する有効成分の種類により異なるものの、例えば、メトフルトリンを使用した場合では、揮散をさせた場合に必要な最低の有効成分揮散量0.03mg/Hr以上、トランスフルトリンでは、0.06mg/Hr以上、プロフルトリンでは、0.03mg/Hr以上とし、30日用における有効成分含量をメトフルトリンでは30mg〜250mg、トランスフルトリンでは、60mg〜500mg、プロフロトリンでは、30mg〜300mgの範囲で設定すればよい。
本発明で用いられる略直方体状の薬剤容器としては、平面シート状プラスチック部材を折り曲げたものが示される。この場合、一側面及び上面と下面で折り曲げ面が重なり合うように組み立てられる。ここでいう平面シート状プラスチック部材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド等種々のプラスチック材料が使用可能であるが、強度やその性質を考慮して、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好適である。また、本発明のプラスチック部材の厚みは、種々のものが使用可能であるが、前記担体の形やその揮散性能との関係、経済性などから、0.05mm〜2mmのものが最も好ましく、使用される。さらに、上面の折り曲げ面の端部に設けた舌片部には切り目を入れて折返し立上げ可能にフック部が延設される。なお、背面上方には前記フック部が折り込まれるための収納窓が設けられていてもよい。これによって、各種の使用方法が応じた使い方が可能となり、種々の使用方法に適用可能となる。
また、ここで示したフック部の先端部分を前記の略直方体状容器の、例えば上面部分に係止すると、屋外で使用の場合には、略直方体状容器が風などで飛ばされたりとか、屋内で吊るした場合には使用時誤って落としたりするとかの問題がなくなり、使用したい場所で確実な効果を期待出来、より好適である。
また、本発明で用いられる略直方体状の薬剤容器としては、一体プラスチック成型品を使用することも可能である。この場合の使用部材の材料としては、前記シート部材を使用した場合と同様にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド等種々のプラスチック材料が使用可能であるが、強度やその性質を考慮して、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好適である。また、本発明のプラスチック部材の厚みは、種々のものが使用可能であるが、前記担体の形やその揮散性能との関係、経済性などから、0.05mm〜2mmのものが最も好ましく、使用される。
ここでいう一体プラスチック成型品とは、通常の射出成型又は真空成型で成型したもの等であれば形式は問わないが、上面と下面、正面と背面の成型品をヒンジを用いて一体としたり、嵌合することによって一体とすれば、製造工程が簡略化出来、より好適である。
また、この場合の薬剤容器の上面部分には立上げ可能にフック部が設けられているとより効果的に使用可能である。
ここで示したフック部の先端部分を、使用時に前記の略直方体状容器の一部、例えば上面に設けた開口部や凹部に係止できる構成にすると、屋外で使用の場合には、略直方体状容器が風などで飛ばされたり、屋内で吊るした場合に使用時誤って落としたりとの問題がなく、使用したい場所で確実な効果を期待出来、より好適である。また、略直方体状容器のどの部分に係止するかは、製造する際に適宜選択する事項ではあるが、フック部が設けられている面と同一面上に係止すれば、使用時の移動などを制限できるのでより好ましい。
また、本発明で用いる薬剤には、他の共力剤や忌避剤等も同時に使用可能であり、以下の化合物が例示される。
共力剤としては、オクタクロロジプロピルエーテル(商品名S−421)、イソボルニルチオシアナアセテート(商品名IBTA)、N−オクチルビシクロヘプテンカルボキシイミド(商品名サイネピリン222)、(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(商品名サイネピリン500)があげられ、また忌避剤としては、N,N−ジエチル−m−トルアミド(商品名ディート)、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、2−エチル−1,3−へキサンジオール、1,4,4a,5a,6,9,9a,9b−オクタヒドロジベンゾフラン−4a−カルバルデヒド等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明で用いる常温揮散性薬剤はいずれも十分な安定性を有しているが、さらに安定性を高めるため、酸化防止剤等の安定剤を添加することも可能である。これら酸化防止剤に関しては、2,2´−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4´−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、BHT、BHA、3,5−ジーt−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、メルカブトベンズイミダゾール等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
さらに、紫外線吸収阻害剤としてパラアミノ安息香酸類、桂皮酸類、サリチル酸類、ベンゾフェノン類及びベンゾトリアゾール類などの紫外線吸収剤を用いることにより、保管時、使用時の耐光性を一段と向上させることができる。
本発明の薬剤揮散体は、リビングや和室、玄関などの室内、倉庫、飲食店、キャンプなどにおけるアカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカなどの蚊類、ブユ、ユスリカ類、ハエ類、チョウバエ類、イガ類などに実用的な殺虫効果及び忌避効果を有するものである。また、使用場所の中では、室内と室外を隔てる窓やベランダ等の場所に使用すれば、屋外から屋内へのこれら害虫の侵入を効果的に防ぐことが出来るという利点を有する。なお、その際には、本薬剤揮散体は裏面上部に収納されているフック部をカーテンレール等に引っ掛けたり、また引っ掛ける場所がない場合には、部屋に置いた形でも使用する事は可能である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
図1は、透明の薬剤容器1にメトフルトリン100mgを含有する網状筒型担体2(長さ80mm×筒径60mm)に収納した状態での参考正面図である。薬剤容器1はポリエステル製の略直方体状薬剤容器(長さ150mm×幅90mm×厚み20mm)であって、薬剤容器の開口部3があり、側面部分は舌片部4で、下面部は舌片部5で係止されている。フック部6は背面部に設置されている。薬剤容器の正面及び背面の開口率が35%、側面の開口率が16%であった。
比較例
メトフルトリン100mgを含有する紙状担体(長さ80mm×筒径60mm)をポリエステル製の略直方体状薬剤容器(長さ150mm×幅90mm×厚み20mm)に入れ、供試薬剤揮散体を得た。なお、薬剤容器は、正面及び背面の開口率が10%、側面の開口率が5%であった。
効力試験
8畳(33m3)の部屋に実施例1で試作した供試薬剤揮散体を置き、25℃で風を循環させながら、アカエイカ雌成虫100匹を放ち、その後の経時的なノックダウン数を2時間後まで観察し、プロビット法によりKT50を求めた。KT50の値により、以下の通り評価した。
KT50値にて評価 ○:40分以下、△:40分から80分 ×:80分以上
Figure 0005137591

試験の結果、本発明の薬剤揮散体は、内部に揮散性薬剤を入れた薬剤容器の形状が確実に保持され、実用性にも優れていた。また、効力の面でも、初期から安定した効力を持続した。
これに対し、比較例1及び比較例2に示す通り、シート状の担体を用いたものでは初期からやや効力が低く、末期にかけて効力は明らかに低下した。また、網状筒型の担体を用いた比較例3の場合でも側面の所定の開口面積が確保されていないと同様に効力の低下を招いた。更に、板状プラスチックの担体を用いた比較例4では、形状が保持が困難で、しかも正面と背面の開口面積が不足し、明らかに効力が低かった。また比較例5のように正面と背面並びに二側面の開口面積を所定以上に設定すると初期の効力は高いものの、効力の持続性が得られなかった。従って、担体の形状として、網状筒型を採用し、正面及び背面並びに二側面に所定の開口面積を設定して初めて、高い効力を長期に渡り持続出来ることが確認された。
ポリエステル一体成型品で、正面及び背面、二側面に加えて上面にも開口部を有し、上面付近にはヒンジ部を介して立上げ可能なフック部を備えた略直方体状薬剤容器(長さ150mm×幅90mm×厚み20mm)を作製した。これに、メトフルトリン100mgを含有する網状筒状担体(長さ80mm×筒径60mm)を入れ、本発明の薬剤揮散体を得た。なお、薬剤容器に設けた開口部の開口率は、それぞれ正面及び背面が30%、側面が15%、上面が5%であった。
本品のフック部を立上げ、ベランダにて洗濯物干し竿に掛けた後、その先端部を薬剤容器の上面開口部に係入して使用した。約30日間にわたり、本品は各種飛翔害虫の室内侵入を防止し、また薬剤容器が風などで吹き飛ばされることもなかったので、利便性にすぐれるとともに極めて実用的であった。
本発明は、蚊、ブユ等の飛翔害虫を駆除及び忌避するために揮散性薬剤を効果的に揮散させる薬剤揮散体に関するもので種々の分野で実用化が可能である。
本発明の透明薬剤容器を用いた薬剤揮散体の正面図の一例である。
符号の説明
1.薬剤容器
2.網状筒型の担体
3.薬剤容器の開口部
4.舌片部
5.舌片部
6.フック部

Claims (3)

  1. トランスフルトリン、メトフルトリン及びプロフルトリンから選択された1種又は2種のピレスロイド系常温揮散性薬剤を含有する網状筒型の担体を略直方体状の薬剤容器の内部に収納した薬剤揮散体であって、
    前記略直方体状の薬剤容器は、少なくとも正面及び背面、並びに二側面に開口部を有し、その正面及び背面の開口部の面積(A1及びA2)はそれぞれ正面及び背面の面積全体の10〜50%で、また二側面の開口部の面積(B1及びB2)はそれぞれ側面の面積全体の5〜30%であり、
    かつ、前記正面及び背面の開口部の面積(A1及びA2)と二側面の開口部の面積(B1及びB2)の比率[(B1及びB2)/(A1及びA2)]を0.005〜0.3の範囲に設定し、
    加えて、上方にはフック部が設けられている薬剤揮散体であって、
    前記略直方体状の薬剤容器は、平面シート状プラスチック部材を折り曲げ、一側面及び上面と下面で折り曲げ面が重なり合うように組み立てられるとともに、一方の折り曲げ面の端部に設けた舌片部が他方の折り曲げ面の折り曲げ線に沿った切込み部に嵌入されることにより開閉可能に形成されており、しかも上面の折り曲げ面の舌片部には切り目を入れて折返し立ち上げ可能にフック部が延設されていることを特徴とする薬剤揮散体。
  2. トランスフルトリン、メトフルトリン及びプロフルトリンから選択された1種又は2種のピレスロイド系常温揮散性薬剤を含有する網状筒型の担体を略直方体状の薬剤容器の内部に収納した薬剤揮散体であって、
    前記略直方体状の薬剤容器は、少なくとも正面及び背面、並びに二側面に開口部を有し、その正面及び背面の開口部の面積(A1及びA2)はそれぞれ正面及び背面の面積全体の10〜50%で、また二側面の開口部の面積(B1及びB2)はそれぞれ側面の面積全体の5〜30%であり、
    かつ、前記正面及び背面の開口部の面積(A1及びA2)と二側面の開口部の面積(B1及びB2)の比率[(B1及びB2)/(A1及びA2)]を0.005〜0.3の範囲に設定し、
    加えて、上方にはフック部が設けられている薬剤揮散体であって、
    前記略直方体状の薬剤容器は、一体プラスチック成型品であり、上面付近には立上げ可能にフック部が設けられていることを特徴とする薬剤揮散体。
  3. 使用に際して立上げた前記フック部の先端部分が、前記略直方体状の薬剤容器の一部に係止される構成となしたことを特徴とする請求項に記載の薬剤揮散体。
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