JP2003189778A - 防虫剤容器 - Google Patents

防虫剤容器

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JP2003189778A
JP2003189778A JP2002260480A JP2002260480A JP2003189778A JP 2003189778 A JP2003189778 A JP 2003189778A JP 2002260480 A JP2002260480 A JP 2002260480A JP 2002260480 A JP2002260480 A JP 2002260480A JP 2003189778 A JP2003189778 A JP 2003189778A
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insect repellent
container
bag
oil
box
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JP2002260480A
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English (en)
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Mayumi Matsushita
真弓 松下
Ayumi Saito
あゆみ 齋藤
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Earth Corp
Original Assignee
Earth Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防虫剤を外部から遮蔽して衣服などに防虫剤
が直接接触するのを防止すると共に、薬剤成分の揮散性
を改善した防虫剤容器を提供することである。 【解決手段】 揮散性防虫剤を保持し薬剤成分を揮散さ
せる防虫剤保持体6(内袋)を、この防虫剤保持体6か
ら揮散した薬剤成分を吸着し再揮散させるための通気性
部材(例えば紙など)を少なくとも一部に設けた容器7
(外袋)内に収容した防虫剤容器1である。容器7は下
部のミシン目10にて底部を開封して開口部を形成する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内、衣類収納
庫、食物収納庫、畜舎、農園芸ハウス内などで害虫防除
のために使用される防虫剤容器に関する。
【従来の技術】
【0002】昇華及び揮発性蒸気により害虫を防除ない
し駆除するために使用される防虫剤は種々の形態で使用
されている。例えば、衣類用防虫剤の場合は、両面に通
気用開口部を設けたプラスチック容器内に防虫剤を収容
し、該容器を洋服ダンス内のバーに吊り下げるようにし
たものが一般に広く使用されている。
【0003】このような防虫剤容器にあっては、薬剤成
分の揮散量を多くするには、容器の両面に設けた開口部
の面積を大きくしなければならない。ところが、揮散性
を上げるために開口部の面積を大きくすると、防虫剤容
器を洋服ダンス内に吊り下げた場合、隣接する衣服に容
器内の防虫剤が接触して衣服を汚染するおそれがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、防虫
剤を外部から遮蔽して衣服などに防虫剤が直接接触する
のを防止すると共に、薬剤成分の揮散性を改善した防虫
剤容器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、紙などの通気性部材
を少なくとも一部に設けた容器内に防虫剤保持体を収容
するときは、防虫剤保持体から揮散した薬剤成分が前記
通気性部材に吸着され、該通気性部材から再揮散して効
力を発揮するため、防虫剤保持体が小さいものであって
も、あるいは防虫剤保持体から薬剤を揮散させる開口が
実質的にない場合であっても、通気性部材からの再揮散
効果によって揮散面積が広がり高い防虫効果が得られる
という新たな知見を見出し、本発明を完成するに至っ
た。なお、本発明においては、容器に開口部を設ける必
要はないが、必要に応じて必要最小限の範囲で容器の一
部に開口部を設けることは差し支えない。吊り下げ型の
防虫剤容器の場合は、防虫剤によって衣服などを汚染す
ることのないように容器の底部に開口部を設けるのが好
ましい。
【0006】すなわち、本発明の防虫剤容器は以下の構
成を有する。 (1) 揮散性防虫剤を保持した防虫剤保持体を、この防
虫剤保持体から揮散した薬剤成分を吸着し再揮散させる
ための通気性部材を少なくとも一部に設けた容器内に収
容したことを特徴とする防虫剤容器。 (2)前記通気性部材が紙である(1)記載の防虫剤容器。 (3) 前記容器は一部に開口部を有する(1)または(2)記載
の防虫剤容器。 (4) 前記開口部が容器の底面に設けられた、吊り下げ型
である(3)記載の防虫剤容器。
【0007】
【発明の実施の形態】(実施形態I)図1(a)および(b)
はそれぞれこの実施形態にかかる防虫剤容器を示す一部
破断正面図および側面図である。同図に示すように、こ
の防虫剤容器1は、内部に防虫剤2が収容された袋体3
からなり、この袋体3の上部には吊り下げ用のフック4
が設けられる。
【0008】袋体3は袋形の防虫剤保持体6(以下、内
袋6という)および袋形の容器7(以下、外袋7とい
う)とからなり、内袋6はカバー8で被覆されている。
内袋6は通気性シート材、例えば和紙などの紙、不織
布、織布、さらにメッシュ状シート材、多孔シート材な
どから構成され、内部に所定量の防虫剤2を収容した状
態で上部開口はシールされている。カバー8は、内袋6
から防虫剤2が揮散するのを阻止ないし抑制するもので
あって、非通気性シート材、例えば合成樹脂フィルム、
ラミネートフイルムなどで作られた、上部の開口した袋
の形態を有する。内袋6およびカバー8は、上部にフッ
ク4を設けた連結部11にて上部で挟着保持され、さら
に連結部11の外表面には外袋7の上部が取り付けられ
ている。
【0009】また、外袋7には、例えば紙、不織布、織
布などの通気性部材、特に和紙、洋紙などの紙が好適に
使用される。外袋7の両側面には、防虫剤2の厚みに対
応するために、図1(b)に示すように、中央部を縦に
谷折りしたまち9が形成されている。さらに、外袋7の
下部には、その全周にわたって切り離し用のミシン目1
0(開封手段)が形成される。なお、外袋7は紙、不織
布、織布などの通気性部材で作った箱体であってもよ
い。
【0010】<防虫剤容器1の製造>まず、内袋6内に
防虫剤2が収容される。防虫剤2としては、害虫の防
除、駆除、忌避などのために使用されている揮散性の薬
剤が使用可能である。防虫剤2の薬剤成分としては、例
えば有機リン系、カーバメート系、ピレスロイド系、ア
ミド系の各種殺虫剤、昆虫成長調節剤等が挙げられ、こ
れらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。使用可能な害虫防除剤の具体例を一般名あ
るいは商品名にて以下に示す。
【0011】ピレスロイド系殺虫剤としては、例えばピ
レトリン、アレスリン、dl・d−T80−アレスリ
ン、d・d−T80−アレスリン、バイオアレスリン、
フタルスリン、レスメトリン、d−T80−フラメトリ
ン、ペルメトリン、フェノトリン、フェンバレレート、
エスフェンバレレート、d・d−T80−プラレトリ
ン、テフルスリン、トランスフルトリン、シペルメトリ
ン、シフェノトリン、フェンプロパトリン、フェンフル
スリン、エムペントリン、テラレスリン、ネオピナミン
フォルテ、エトフェンプロックス、イミプロトリンなど
が挙げられる。有機リン系殺虫剤としては、例えば一般
名DDVP、ダイアジノン、スミチオン、バイテックス
等が挙げられる。カーバメート系殺虫剤としては、例え
ばプロポクサー、カルバリル等が挙げられる。さらに、
パラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳等の昇華性防
虫剤も使用可能である。
【0012】これらの防虫剤には、通常用いられている
害虫忌避剤、効力増強剤、揮散率向上剤等の各種添加剤
を任意に添加することができる。害虫忌避剤としては、
例えばN,N−ジエチル−m−トルアミド、2,3,4,5
−ビスブチレン−テトラヒドロフラール、ジ−n−プロ
ピルイソシンコメロネート、ジ−n−ブチルサクシネー
ト、2−ヒドロキシエチルオクチルサルファイド等を、
効力増強剤としては、例えばピペロニルブトキサイド、
N−プロピルイゾーム、MGK−264、サイネピリン
222、サイネピリン500、リーセン384、IBT
A、IBTE、S421等を、揮散率向上剤としては、
例えばフエネチルイソチオシアネート、ハイミツクス酸
ジメチル等がそれぞれ挙げられる。
【0013】その他の防虫剤として、テルペン類の化合
物、芳香族化合物、ヒノキ科植物体の精油、マツ科植物
体の精油、スギ科植物体の精油、クスノキ科植物体の精
油、ミカン科植物体の精油、フトモモ科植物体の精油、
シソ科植物体の精油、さらにヒノキ科、マツ科またはス
ギ科の植物体の抽出液(例えば有機溶媒抽出液等)、フ
ィトンチッド、ベーパースリン、テラレスリン、トラン
スフルトリン、DDVP、フェンフルスリン、およびこ
れらの異性体および誘導体等が挙げられる。
【0014】テルペン類の化合物としては、例えばα,
βピネン、α,β−テレピンオール、シドレン、シダロ
ール、カンフェン、カジネン、カンファー、リモネン、
シネオール、メントール、ジュージン、サビネン、ヒノ
キチオール、リナロール、リモネン、テルペンアルコー
ル類、テルペンエーテル類,テルペンクロライド類など
が挙げられる。芳香族化合物としては、例えばオイゲノ
ール、アネトール、サフロール、ヒノキオール、スギオ
ール、ヒノキフラボンなどが挙げられる。ヒノキ科植物
体の精油としては、例えばヒノキ油、シーダー油、レッ
ドシーダー油、ビャクシン油、アスナロ油、イトスギ
油、クロベ油、ヒバ油などが挙げられる。マツ科植物体
の精油としては、例えばアビエス油、テレピン油、米松
油などが挙げられる。スギ科植物体の精油としては、例
えばスギ油などが挙げられる。クスノキ科植物体の精油
としては、例えば樟脳油、芳樟、サッサフラス油などが
挙げられる。ミカン科植物体の精油としては、例えばレ
モン油、橙油、ベルガンモット油などが挙げられる。フ
トモモ科植物体の精油としては、例えば丁子油、ユーカ
リ油などが挙げられる。シソ科植物体の精油としては、
例えばハッカ油などが挙げられる。
【0015】また、防虫剤には、常温で揮散する種々の
芳香剤、消臭・防臭剤、殺菌剤、防黴剤等を併用しても
よい。芳香剤としては、例えばじゃ香、竜延香、アビエ
ス油、アルモンド油、ページル油、パーチ油、カヤブチ
油、シトロネラ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガーリ
ック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、レモン
油、レモングラス油、ナツメッグ油、ハッカ油、オレン
ジ油、テレピン油、セイジ油などの天然香料、ピネン、
リモネン、リナロール、ゲラニオール、シトロネラー
ル、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコ
ール、アネトール、オイゲノール、アルデヒド、シトラ
ール、シトロネラール、ワニリン、カルボン、ケトン、
メントン、アセトフェノン、クマリン、シネオール、エ
チルアセテート、オクチルアセテート、プロピオン酸ブ
チル、イソ酪酸イソプロピル、カプロン酸アリル、安息
香酸エチル、桂皮酸メチル、サリチル酸メチルなどの人
造香料などが挙げられる。
【0016】消臭・防臭剤としては、例えばラウリルメ
タアクリレート、ゲラニルクロトネート、ミリスチル酸
アセトフェノン、パラメチルアセトフェノン、ベンズア
ルデヒド、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、アミ
ルシンナミックアルデヒド、アニシックアルデヒド、ジ
フェニルオキサイド、安息香酸メチル、安息香酸エチ
ル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、ネオリ
ン、サフロール、緑茶エキス、シトロネラ油、レモング
ラス油などが挙げられる。
【0017】殺菌剤および/または防黴剤としては、例
えばイルガサンDP300、ビオゾール、ダウシルS−
13、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヒ
ノキチオール、プリベンドールA4、プリベンドール
3、チアベンダゾール(TBZ)、ジオキシンなどが
挙げられる。
【0018】これらの薬剤は、単独または複数を組み合
わせて用いてもよく、その使用量(濃度)は薬剤の種類
や揮散性等を考慮して、適宜、所望の効果を奏するよう
に決定すればよい。
【0019】さらに上記の薬剤には、例えば3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、3−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシアニソール、メルカプトベンズイミ
ダゾール、ジラウリル−チオ−ジ−プロピオネート、
2,2’−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−メ
チルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,
6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビ
ス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、フェ
ニル−β−ナフチルアミン、2−t−ブチル−4−メト
キシフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、α
−トコフェロール、アスコルビン酸、エリソルビン酸な
どの安定剤を適宜配合してもよい。
【0020】上記薬剤は溶液形態に調製された上で、そ
のまま使用するか、吸液性基材に含浸させて使用され
る。吸液性基材は、粉状ないし顆粒状の形態であっても
よく、マット、シート(不織布等)等の形態でも使用可
能である。また、上記薬剤はゲル形態でも使用すること
ができる。
【0021】前記溶液を調製するための溶剤としては、
例えば水、ナフテン、白灯油、パラフィン等の炭化水素
類、グリセリン、プロピレングリコール、メタノール、
イソプロパノール、1−オクタノール、1−ドデカノー
ル等のアルコール類、アセトン、アセトフェノン等のケ
トン類、ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル等のエーテル類、アジピン酸ジオクチ
ル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジエチル等のエステル
類、キシレン、クロルセン、クロロホルム、シリコーン
オイル等が挙げられる。
【0022】前記吸液性基材(担体)としては、例えば
動物性、植物性、鉱物性の天然繊維、合成繊維、半合成
繊維、再生繊維などからなるシート、マット、顆粒ない
し粉末;防虫成分を添加できる高分子化合物の成形体;
ケイ酸、カオリン、活性炭、ベントナイト、珪藻土、タ
ルク、炭酸カルシウム、陶磁器等の鉱物質粉末;木紛、
大豆紛、小麦粉、澱粉等の植物質粉末;シクロデキスト
リン等の包摂化合物等が挙げられる。さらに、トリシク
ロデカン、シクロドデカン、パラジクロロベンゼン、ナ
フタリン、樟脳、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,
5−トリオキサン、トリメチレンオルボルネン等の昇華
性担体を用い、上記薬剤成分を溶融混合、擂潰混合後、
成形して、昇華性防虫剤とすることもできる。
【0023】上記薬剤成分を含浸させた基材は、そのま
ま内袋6に充填してもよく、あるいは含浸後、溶剤をと
ばして内袋6に充填してもよい。しかるのち、内袋6の
開口部を接着、ヒートシールなどによりシールする。
【0024】このようにして防虫剤2を収容した内袋6
は、図2に示すように、カバー8内に収容される。この
状態で、内袋6およびカバー8はそれらの上縁を連結部
11の挟着片11aおよび11bで挟み込む。挟着片11
aおよび11bは固定部12,12によって互いに固定さ
れる。固定部12としては、例えば挟着片11aおよび
11bの対向面にそれぞれ設けた係止用突起と被係止用
凹部または孔部との組み合わせ、あるいはボスやピン止
め等による固定、さらにボルトとナットとの組み合わ
せ、クリップ等の把持具等が挙げられる。この固定部1
2,12により内袋6が挟着片11aおよび11b間に固
定される。
【0025】一方、カバー8は上部には切り欠き部13
が形成されているため、固定部12,12によって直接
固定されず、挟着片11aおよび11b間に挟着されてい
るだけである。このため、カバー8は単独で取り外し可
能である。そして、カバー8を取り外すための引っ張り
片14がカバー8の下部に設けられる。
【0026】このようにして連結部11により内袋6お
よび内袋用カバー8を連結した後、図3に示すように、
内袋6を収納したカバー8を外袋7に収容する。このと
き、防虫剤を含む内袋6の荷重が外袋7にかかると、外
袋7の下部に設けたミシン目10が破れるおそれがある
ため、内袋6の荷重が外袋7にかからないようにするこ
とが必要である。このため、外袋7の上部7aは連結部
11の表面に固定される。固定は、例えば接着剤を用い
る接着、ピン止め等の任意な手段が採用可能である。
【0027】このようにして得られた防虫剤容器1は、
フック4を取っ手にして自由に持ち運べると共に、商品
として陳列する場合にも、当該フック4を金具などに引
っ掛けて陳列することができる。なお、内袋および外袋
は上記の保持構造に限定されるものではなく、外袋の開
封時に内袋が落下しない限り、いかなる保持構造も採用
可能であり、例えば、内袋が外袋の内面に設けられたポ
ケットに収容保持されていてもよい。
【0028】<防虫剤容器1の使用>使用に際しては、
まず、図4(a)に示すように、バー等の引っ掛け具16
にフック4を引っ掛けて防虫剤容器1を吊り下げる。つ
いで、外袋7の下部のミシン目10を利用して、図4
(b)に示すように、外袋7の下側を切り離す(切り離し
片を符号17で示す)。しかるのち、内袋用カバー8を
下に引っ張って、図4(c)に示すように、内袋用カバー
8を引き抜き、内袋6を露出させる。
【0029】このため、通気性シート材から構成された
内袋6から揮散した防虫剤は、外袋7の底部に形成され
た開口18を経て下向きに拡散するようになる。一方、
外袋7は紙などの通気性部材で形成されているため、内
袋6から揮散した薬剤の一部は外袋7に一旦吸着され、
ついで外袋7から再揮散する。従って、外袋7の底部に
形成された開口部18から下方に揮散する薬剤成分と相
まって、高い害虫防除効果が発揮される。また、薬剤は
外袋7の全体から揮散するため、外袋7の開口面積に依
存しない。さらに、内袋6が小さくても、薬剤は外袋7
から再揮散するため、薬剤の揮散面積が広がるという利
点がある。なお、図1に示す外袋7は両側面にまち9を
有しているが、防虫剤入りの内袋を収容できる限り、ま
ち9を有しないものであっても使用可能である。
【0030】外袋7の下部に形成される切り離し用のミ
シン目10は図1に示すような形態に限定されるもので
はなく、例えば図5に示すようなミシン目23であって
もよい。このミシン目23は平行な2つの切りこみ線2
3a,23bによって下部を切り離し可能としたものであ
る。
【0031】(実施形態II)この実施形態にかかる防虫
剤容器は、図6に示すように、下部に切り離し用のミシ
ン目34を設けた箱形の容器33(以下、外箱33と略
称する)を使用したものである。外箱33は、前記実施
形態Iにおける外袋7と同様に、薬剤成分を吸着し再揮
散させることができる紙などの通気性部材で構成され
る。
【0032】図7に示すように、この外箱33は、上部
に内蓋35と外蓋36とが設けられており、それらを開
いて外箱33内に実施形態Iで使用したものと同じカバ
ー8付きの内袋6を収納する。ついで、内蓋35および
外蓋36の順に蓋をする。その際、内袋6の上部に設け
たフック4を、外蓋36の上部、例えば折曲線上に形成
したスリット39に挿通させておく。この状態で、内蓋
35の上面に外蓋36の折曲片36aを重ね合わせ、折
曲片36aの先端に設けた差込片37を内蓋35に設け
た差込穴38に差し込む。
【0033】このようにして、外箱33内にカバー8付
きの内袋6が収納され、外箱33上部のスリット39か
らフック4が突出した防虫剤容器が得られる。この防虫
剤容器はそのままフック4を利用して持ち運びや陳列な
どが可能である。また、使用時には外箱33下部のミシ
ン目34を切り開き、カバー8を取り除いて使用する。
その他は前記実施形態Iと同じであるため、同一符号を
付して説明を省略する。
【0034】この実施形態でも、内袋6から揮散した防
虫剤は、外箱33の底部に形成された開口を経て下向き
に拡散すると共に、内袋6から揮散した薬剤の一部は外
箱33に一旦吸着され、ついで外箱33から再揮散する
ため、高い害虫防除効果が発揮される。なお、折曲片3
6aに設けた差込片37および内蓋35に設けた差込穴
38は必ずしも必要なものではなく、内蓋35の上面に
折曲片36aを重ね合わせ、接着剤などで一体に接合し
てもよい。
【0035】(実施形態III)以上の実施形態では、使
用にあたって外袋7または外箱33の底部を開口させて
いたが、この実施形態にかかる防虫剤容器は、図8に示
すように、ミシン目等の開封手段を有しない容器40
(以下、外箱40という)に、箱形の防虫剤保持体41
(以下、内箱41という)を収容したものである。この
場合、外箱40は開口しないので、内箱41は揮散防止
のためのカバー等で密封されていない。従って、使用前
の揮散防止のために、外箱40を含めた全体を非通気性
部材で密封包装するか、あるいは内箱41のみを非通気
性部材で密封包装しておき、使用時にこの密封包装を解
いて内箱41を外箱40内に収納するなどする。
【0036】内箱41としては、前述の実施形態で示し
たような箱形または袋形のものが使用可能であり、上部
には外箱40から突出したフック42が取り付けられて
いる。また、外箱40は、前述の実施形態と同様に、内
箱41から揮散した薬剤成分を吸着し再揮散させ得る通
気性部材(例えば紙等)で作られている。従って、薬剤
の再揮散によって充分に高い防虫効果が得られる。
【0037】(実施形態VI)以上の実施形態は、いずれ
も吊り下げ型の防虫剤容器であったが、この実施形態に
かかる防虫剤容器は、図9に示すように、容器43(以
下、外箱43という)を床、机などの台48上に載置す
るようにしたものであり、内部に内箱44が収容されて
いる。
【0038】また、図10に示す防虫剤容器は、容器4
5(以下、外箱45という)内に内箱46が吊り下げ具
47で吊り下げられた形態を有し、外箱45を床、机な
どの台48上に載置するようにしたものである。内箱4
4,46としては、前述の実施形態で示したような箱形
の防虫剤保持体が使用可能であり、また袋形であっても
よい。また、外箱45は、実施形態Iにおける外袋7と
同様に、薬剤成分を吸着し再揮散させることができる紙
などの通気性部材で構成される。
【0039】本発明における防虫剤保持体は、上述した
ような箱形または袋形のもの以外に、吸液性基材に防虫
剤を含浸させた含浸体であってもよい。吸液性基材とし
ては、例えば無機質粉末、木質粉末、繊維、生分解性樹
脂等の埋め立てや焼却が容易な素材から作製されたもの
を使用するのが好ましく、具体的には、例えば無機質成
形物の他、前記木質粉末、繊維、生分解性樹脂粉末もし
くは繊維等の1種または2種以上をバインダーで所定形
状に固めたもの、さらに紙、フェルト、不織布、石綿等
が挙げられる。
【0040】上記無機質成形物の具体例としては磁気多
孔質、グラスファイバー、石綿等の無機繊維を石膏やベ
ントナイト等の結合剤で固めたものや、カオリン、活性
白土、タルク、ケイソウ土、クレー、パーライト、石
膏、ベントナイト、アルミナ、シリカ、アルミナシリ
カ、チタニウム、ガラス質火山岩焼成粉末、ガラス質火
山灰焼成粉末等の鉱物質粉末を、単体または木粉、炭
粉、活性炭等と共に、バインダー、例えばデキストリ
ン、でんぷん、アラビアゴム、合成糊、CMC等で固め
たものを例示できる。また、繊維としては、例えばパル
プ、綿、羊毛、絹などの天然繊維のほか、レーヨン、ア
セテート等の再生繊維や半合成繊維等が挙げられる。生
分解性樹脂としては、例えばポリグリコール酸、ポリ乳
酸、ポリ(β―ヒドロキシ酪酸)等が挙げられる。
【0041】吸液性基材は、前記素材にその総量の0.
5〜25重量%のバインダーを配合して製造される。押
し出し成形品の場合は、成形材料の混合物に水を加えて
練合後、押し出し成形し乾燥することにより製造され
る。また、吸液性基材には、上記無機質粉末、木質粉
末、繊維、生分解性樹脂およびバインダーの他に、必要
に応じてマカライトグリーン等の色素、ソルビン酸およ
びその塩類、デヒドロ酢酸等のカビ止め剤等を配合する
こともできる。
【0042】なお、吸液性基材の形状は特に限定される
ものではなく、棒状や細長片状のほか、球形、立方体形
等の種々の形状で使用することができる。また、本発明
における容器は少なくとも一部が通気性部材で構成され
ておればよく、従って他の部分が非通気性部材であって
もよい。さらに、本発明において、通気性部材を少なく
とも一部に設けた容器とは、容器全体が通気性部材で構
成されている形態のほか、例えば容器の片面のみ、ある
いは両面の一部のみが通気性部材で構成されているよう
な形態をいう。
【0043】(本発明の適用対象例)本発明の防虫剤容
器は、防除が要求される様々な害虫、例えばゴキブリ、
ハエ、蚊、ヌカカ、アブ、ノミ、ナンキンムシなどの衛
生害虫ないし吸血害虫、イガ、コイガなどの衣類害虫、
コクヌストモドキ、コクゾウムシなどの貯穀害虫、イエ
ダニ、ツメダニ、コナダニなどのダニ類、アリ、シロア
リ、ナメクジなどの防除に適用可能である。従って、本
発明の防虫剤容器は、様々な場所で使用可能であり、例
えば家庭内の居室、台所、食堂;畜舎、犬小屋、農園芸
ハウス;押入れ、タンス等の衣類等収納庫、食物収納庫
などで好適に使用することができる。
【0044】
【実施例】以下、試験例を挙げて本発明の防虫剤容器を
詳細に説明する。 試験例 (1)試験検体の調製 防虫剤(エンペントリン)800mgを含浸させたコー
スター紙(以下、含浸体という)を紙箱の中に紙箱内面
に接触しないように吊り下げ、40℃の恒温室にセット
し、5日目および3ヶ月目に回収し、含浸体を取り除い
た紙箱を試験検体とした。
【0045】(2)試験I 試験検体(紙箱)の上に羊毛布と衣類用害虫であるイガ
(若齢幼虫と30日令幼虫)とを入れたナイロンメッシ
ュの袋を直接置いて、試験検体と直接接触させた状態で
1週間後の供試虫の生死を観察し致死率を求めた。な
お、対照として未処理の紙箱を用いて同様にして試験し
た。試験結果を表1に示す。
【表1】
【0046】(2)試験II 試験検体(紙箱)の周囲に羊毛布とイガ(若齢幼虫と3
0日令幼虫)とを入れたナイロンメッシュの袋を設置し
て、試験検体と非接触の状態で1週間後の供試虫の生死
を観察し致死率を求めた。なお、対照として未処理の紙
箱を用いて同様にして試験した。試験結果を表2に示
す。
【表2】
【0047】(2)試験III 一斗缶(約18L缶)の密閉した空間内で試験IIと同様
の試験を実施した。試験結果を表3に示す。
【表3】 試験I〜IIIの結果から、含浸体から揮散した薬剤を吸
着した紙箱から薬剤が再揮散し、害虫の駆除ないし防除
が行われていることがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、防虫剤保持体から揮散
した薬剤成分が容器の少なくとも一部に設けられた通気
性部材に吸着され、ついで該通気性部材から再揮散して
効力を発揮するため、防虫剤を実質的に外部から遮蔽し
て衣服などに防虫剤が直接接触するのを防止できると共
に、防虫剤保持体よりも面積の大きな容器からの再揮散
効果によって薬剤の揮散面積が広がるため高い防虫効果
が得られるという効果がある。また、本発明において、
必要に応じて容器の一部に開口部を設ける場合は、上記
再揮散効果と相まって高い防虫効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)はそれぞれ本発明の実施形態Iに
かかる防虫剤容器を示す一部破断正面図および側面図で
ある。
【図2】防虫剤保持体およびこの保持体用カバーの連結
構造を示す分解斜視図である。
【図3】容器の連結構造を示す分解斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は防虫剤容器の使用手順を示す説明図
である。
【図5】本発明の実施形態Iにおける切り離し用ミシン
目の他の例を示す部分正面図である。
【図6】本発明の実施形態IIにかかる箱形の防虫剤容器
を示す斜視図である。
【図7】実施形態IIにかかる防虫剤容器の組み立て方法
を示す説明図である。図である。
【図8】本発明の実施形態IIIにかかる防虫剤容器を示
す断面図である。
【図9】実施形態IVにかかる防虫剤容器を示す断面図で
ある。
【図10】実施形態IVにかかる他の防虫剤容器を示す断
面図である。
【符号の説明】
1…防虫剤容器、2…防虫剤、4…フック、6…防虫剤
保持体(内袋)、7…容器(外袋)、8…カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B121 AA11 CA02 CA16 CA44 CA67 CC02 EA02 EA12 EA13 FA13 4H011 AC01 AC02 BA01 BB15 BC19 DA07 DB03 DD05 DD06 DF02 DH10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】揮散性防虫剤を保持した防虫剤保持体を、
    この防虫剤保持体から揮散した薬剤成分を吸着し再揮散
    させるための通気性部材を少なくとも一部に設けた容器
    内に収容したことを特徴とする防虫剤容器。
  2. 【請求項2】前記通気性部材が紙である請求項1記載の
    防虫剤容器。
  3. 【請求項3】前記容器の一部に開口部を有する請求項1
    または2記載の防虫剤容器。
  4. 【請求項4】前記開口部が容器の底面に設けられた、吊
    り下げ型である請求項3記載の防虫剤容器。
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