JP5553503B2 - 薬剤揮散体および薬剤揮散体を用いた防虫方法 - Google Patents

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本発明は、蚊、ブユ等の飛翔害虫を駆除および忌避するための薬剤揮散体およびこの薬剤揮散体を用いた防虫方法に係り、更に詳しくは、薬剤揮散体から防虫剤を自然に揮散させる場合において、防虫剤の揮散量を一定の範囲に維持させることによって、使用期間中に安定した防虫効果を発現させる発明に関するものである。
従来から、常温揮散性の防虫剤を空気中に揮散させることによって、防虫や忌避を行う防虫剤は知られており、例えば、特許文献1に記載の防虫剤が開示されている。
また、特許文献2には、常温揮散性の防虫剤を揮散させるために、電動式のファンを備え、このファンの起こす風によって、防虫剤を空気中に揮散させる防虫剤が開示されている。
さらに、近年、使用期間中における防虫剤の均一な空気中への揮散を実現するために、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂に防虫剤を練り込んで防虫剤を保持させた担体を用いた薬剤揮散体が開発されており、例えば、特許文献3に記載の薬剤揮散体が開示されている。
特開2001−200239号公報
特開平7−111850号公報
特開2001−279033号公報
しかしながら、特許文献1に記載の薬剤揮散体は、撚り糸に防虫剤を含浸させたものを用いていることから、使用の初期段階においては、十分な量の殺虫成分が大気中に揮散するものの、使用するに従って空気中に揮散する防虫剤の量が少なくなり、殺虫効果が低下してしまうという課題があった。
特に、このタイプの薬剤揮散体は、薬剤揮散体に当たる風によって防虫剤の揮散量が大きく変化することになることから、風の強い場所に置いた場合には、すぐに防虫剤が揮散してしまい、防虫効果の持続性に欠けてしまうという課題があった。
また、特許文献2に記載の薬剤揮散体については、電動式のファンによって風を発生させ、防虫剤を揮散させる構造になっていることから、電池などの電力を必要とするため薬剤揮散体全体の構造が複雑になり、コストも高くなるという課題があった。
さらに、特許文献3に記載の練り込みタイプの薬剤揮散体においては、構造上上記の含浸タイプの薬剤揮散体に比べて揮散制御が可能であるが、特許文献3においては一部の形状が示されているのみであり、長期的にどのようにして安定した揮散性能を実現するかについての開示はされていなかった。
ここで、特許文献3に使用される薬剤揮散体においては、実用性の観点から防虫効果を30〜120日の間持続させておく必要があるが、上記したように特許文献3には、そのための具体的な技術情報が開示されていない。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、電動式のファンなど複雑な構造を有することなく、簡便な構造で防虫剤の空気中への揮散量を一定の範囲に維持し、安定した防虫性能を実現する薬剤揮散体および薬剤揮散体を用いた防虫方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る薬剤揮散体は、蒸気圧が25℃において0.001Pa以上である常温揮散性防虫剤を保持させた担体を略直方体状の開口部を有する薬剤容器の内部に収納した薬剤揮散体であって、担体が、ポリオレフィン系樹脂からなる線径が0.1〜2mmの樹脂メッシュに常温揮散性防虫剤を2〜12重量%保持させたものであり、かつ担体が薬剤容器の内容積に対して0.01〜10体積%となるように収納されたものであり、さらに前記薬剤容器の全表面積に対する前記開口部の面積10〜50%とし、加えて開口部を通過する風速を0.1〜3m/秒とすることにより、常温揮散性防虫剤を30〜120日で50%以上揮散させる構成にしてある。
また、本発明の請求項2に係る防虫方法は、請求項1に記載の薬剤揮散体を用いる構成にしてある。
そして、本発明の請求項3および請求項5に係る薬剤揮散体及び薬剤揮散体を用いた防虫方法は、常温揮散性防虫剤が常温揮散性ピレスロイド系防虫剤である構成にしてある。
さらに、本発明の請求項4および請求項6に係る薬剤揮散体及び薬剤揮散体を用いた防虫方法は、常温揮散性ピレスロイド系防虫剤がトランスフルトリン、メトフルトリン、エンペントリン及びプロフルトリンのうち少なくとも1種からなる薬剤を用いたものである構成にしてある。
本発明において、使用される防虫剤としては、常温において揮散する性質を持つものであり、空気中に揮散するものであれば特に限定されないが、より強力な効果を発揮させるためには、ピレスロイド系の防虫剤を用いることが好ましく、さらに、これらの中でも揮散性能の点から、トランスフルトリン、メトフルトリン、エンペントリン及びプロフルトリンを用いることが好ましい。
なお、これらの防虫剤については、一種のみを用いてもよいし、必要に応じて二種類以上の防虫剤を混合して練り込んで用いてもよい。
また、本発明において、使用される防虫剤は、25℃において0.001Pa以上の蒸気圧を有するものである必要がある。その理由は防虫剤が25℃において0.001Pa以上の蒸気圧を有するものでなければ、防虫に必要な有効成分量に達しないからである。
なお、蒸気圧の上限としては、特に限定されないが、0.1Paを超えると使用期間中に安定した揮散が達成できないことから、0.001Pa以上0.1Pa以下、より好ましくは、0.001Pa以上0.03Pa以下であることが好ましい。
本発明において、使用する防虫剤を保持させた担体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンーメチルメタクリレート共重合体やエチレンーアクリル酸共重合体等のカルボン酸エステルの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等のポリオレフィン樹脂を用い、これらの樹脂に上記した防虫剤を練り込んで成形することによって作製したものを用いる。
本発明において、使用される担体の形状としては、後述する風速や揮散効率などの点から、メッシュ形状にする必要があり、メッシュの線径は、同じく揮散効率の点から0.1〜2mmの範囲にする必要がある。また、メッシュの網目の大きさは0.005〜1cm2であることが好ましい。
担体に保持される常温揮散性の防虫剤の配合量は使用する薬剤の種類、使用環境、使用条件などによって変動することから、特に限定されるものではないが、防虫に必要な有効成分量を確保するため、また防虫剤を練り込んだ後の成型を容易にするため、さらに担体表面に防虫剤成分がブリードしてべたつきを起こすことを防止するためには、2〜12重量%の範囲にすることが好ましい。
すなわち、防虫剤の配合量が2重量%未満の場合には、防虫に必要な有効成分量を確保することが困難となり、一方、防虫剤の配合量が12重量%を超える場合には、防虫剤を練り込んだ後の成型が困難となり、さらに担体表面に防虫剤成分がブリードしてべたつきを起こしやすくなることになる。
ここで、通常、防虫剤の有効成分含量は30〜700mg程度で約30〜120日程度の使用量として例示される。
また、有効成分含量を設定するに当たっては、使用する有効成分の種類により異なるものの、例えば、メトフルトリンを使用した場合では、揮散をさせた場合に必要な最低の有効成分揮散量は0.03mg/Hr以上であり、トランスフルトリンでは0.06mg/Hr以上であり、プロフルトリンでは0.03mg/Hr以上であることから、30日における有効成分含量についてはメトフルトリンでは30〜250mg、トランスフルトリンでは60〜500mg、プロフロトリンでは30〜300mgの範囲で設定すればよいことになる。
なお、本発明で用いる薬剤には、他の共力剤や忌避剤等も同時に使用可能であり、例えば、共力剤としては、オクタクロロジプロピルエーテル(商品名S−421)、イソボルニルチオシアナアセテート(商品名IBTA)、N−オクチルビシクロヘプテンカルボキシイミド(商品名サイネピリン222)、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(商品名サイネピリン500)が挙げられ、忌避剤としては、N,N−ジエチル−m−トルアミド(商品名ディート)、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、2−エチル−1,3−へキサンジオール、1,4,4a,5a,6,9,9a,9b−オクタヒドロジベンゾフラン−4a−カルバルデヒド等が挙げられる。
また、本発明で用いる常温揮散性薬剤はいずれも十分な安定性を有しているが、さらに安定性を高めるため、酸化防止剤等の安定剤を添加することも可能であり、例えば、2,2´−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4´−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、BHT、BHA、3,5−ジーt−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、メルカプトベンズイミダゾール等を用いることができる。
さらに、紫外線吸収阻害剤としてパラアミノ安息香酸類、桂皮酸類、サリチル酸類、ベンゾフェノン類及びベンゾトリアゾール類などの紫外線吸収剤を用いることにより、保管時、使用時の耐光性を一段と向上させることができる。
本発明において、薬剤揮散体を収納する薬剤容器は、防虫剤を安定的に揮散できるものであれば、特に形状や大きさには限定されないが、揮散効率の点から、開口部の面積が薬剤容器の全表面積に対し、10〜50%の範囲となるようにする必要がある。
なお、開口部の面積が上記の範囲であれば、開口部が薬剤容器の正面・背面にあるものだけでなく側面や上面・下面に開口あるものでも構わない。
ここで、薬剤容器としては、例えば、平面シート状のプラスチック部材を折り曲げたものが挙げられる。この場合、薬剤容器は上記折り曲げた部材の2つを一組として用い、それぞれの部材の折り曲げ面が重なり合うように組み立てられる。なお、平面シート状のプラスチック部材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド等種々のプラスチック材料が使用可能であるが、強度やその性質を考慮すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを用いた方が好ましい。
また、本発明のプラスチック部材の厚みは、種々のものが使用可能であるが、担体の形状やその揮散性能との関係、経済性などから、0.05〜2mmのものが好ましい。
さらに、上記折り曲げた部材の折り曲げ面の端部には切り目を入れた舌片部を設けて、折返し立上げ可能なようにフック部を延設することもできる。なお、この場合には、背面上方には前記フック部が折り込まれるための収納窓を設けていてもよい。これによって、各種の使用方法に応じた使い方が可能となる。
また、ここで示したフック部の先端部分を上記の薬剤容器の、例えば上面部分に係止すると、屋外で使用の場合には薬剤容器が風などで飛ばされたり、屋内で吊るした場合には使用時に誤って落下するなどの問題がなくなり、使用したい場所で確実な効果を期待することができる。
また、本発明で用いられる薬剤容器としては、プラスチックの一体成形品を使用することも可能である。この場合の使用部材の材料としては、上記シート部材を使用した場合と同様にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド等種々のプラスチック材料が使用可能であるが、強度やその性質を考慮して、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを用いた方が好ましい。
また、本発明のプラスチック部材の厚みは、種々のものが使用可能であるが、担体の形状やその揮散性能との関係、経済性などから、0.05〜2mmのものが好ましい。
ここでいうプラスチックの一体成形品とは、通常の射出成形または真空成形で成形したもの等であれば成形方法は問わないが、上面と下面、正面と背面をヒンジを用いて一体としたり、嵌合することによって一体とすれば、製造工程が簡略化でき、より好適である。また、この場合の薬剤容器の上面部分には立上げ可能にフック部が設けられているとより効果的に使用することができる。
ここで示したフック部の先端部分を、使用時に上記の薬剤容器の一部、例えば上面に設けた開口部や凹部に係止できる構成にすると、屋外で使用の場合には薬剤容器が風などで飛ばされたり、屋内で吊るした場合には使用時に誤って落下するなどの問題がなくなり、使用したい場所で確実な効果を期待することができる。また、薬剤容器のどの部分に係止するかは、製造する際に適宜選択する事項ではあるが、フック部が設けられている面と同一面上に係止すれば、使用時の移動などを制限できるので好ましい。
本発明において、薬剤容器の全内容積に対する防虫剤を保持させた担体の体積の容器内容積に対する割合については、防虫剤が空気中に均一に揮散されるように形成されていれば、特に限定されないが、揮散性能の点を考慮して、防虫剤を保持させた担体が薬剤容器の全内容積に対して、0.01〜10%の割合になるようにすることが好ましい。
ここで、防虫剤を保持させた担体の収納状態については、特に限定されず、防虫剤を保持させた担体の内容量を上記範囲にするために、防虫剤を保持させた担体を折り曲げたり、重ね合わせたりすることもできる。
本発明において、薬剤揮散体中の防虫剤を空気中に均一に揮散されるためには、薬剤揮散体の構造を上記のものにすることに加え、薬剤揮散体を通過させる風の風速を0.1〜3mの範囲のものとする必要がある。
かかる風速の風を薬剤揮散体に通過させることによって、防虫剤の空気中への安定した揮散を実現でき、30〜120日という実用に適した期間において担体に保持させた防虫剤を安定して空気中に揮散させることができるのである。
ここで、担体に保持させた防虫剤の50%以上を揮散させることができれば、防虫効果の観点から有効な薬剤揮散体となる。
なお、上記の風速を実現できれば、電動式のファンを用いて発生させた風を用いてもよい。
本発明に係る薬剤揮散体および薬剤揮散体を用いた防虫方法は、蒸気圧が25℃において0.001Pa以上である常温揮散性防虫剤を保持させた担体を略直方体状の開口部を有する薬剤容器の内部に収納した薬剤揮散体であって、常温揮散性防虫剤を保持させた担体がポリオレフィン系樹脂からなる樹脂メッシュであり、かつ、樹脂メッシュの線径が0.1〜2mmであり、薬剤容器の全表面積に対する開口部の面積が10〜50%である薬剤揮散体を用い、開口部を通過する風速を0.1〜3m/秒とすることにより、常温揮散性防虫剤を0.5〜15mg/日揮散させるように構成している。
従って、30〜120日という実用に適した期間において担体に保持させた防虫剤の50%以上を空気中に揮散させることができ、使用期間中に安定した防虫効果を発現させることができる。
また、風の強い場合においても防虫剤が一定量揮散することから、含浸タイプのものに比べ、安定した殺虫効果を実現することができる。
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施例は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
表1に示すように、ポリエチレン樹脂にメトフルトリンを練り込んだ後、線径を0.4mmにしてメッシュ状に成形した、防虫剤を保持させた担体を作製した。次に、担体378mm3を略直方体状に成形した長さ150mm×幅90mm×厚み20mmのポリエステル製の薬剤容器に収納して薬剤揮散体を作製した。
そして、上記にて作製した薬剤揮散体を25m3の部屋(床面積10m2×高さ2.5m)に置き、容器に通過させる風速を1m/秒にして防虫剤を30日間揮散させた後、防虫剤の揮散率を担体の重量変化または溶剤にアセトンを用いたソックスレー抽出法によって測定した。
防虫剤成分、担体のメッシュの線径、風速、防虫剤を保持させた担体の薬剤容器の内容量に対する割合を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にして、防虫剤の揮散率を測定した。
防虫剤成分、担体のメッシュの線径、風速、防虫剤を保持させた担体の薬剤容器の内容量に対する割合を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にして、防虫剤の揮散率を測定した。
防虫剤成分、担体のメッシュの線径、風速、防虫剤を保持させた担体の薬剤容器の内容量に対する割合を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にして、防虫剤の揮散率を測定した。
防虫剤成分、担体のメッシュの線径、風速、防虫剤を保持させた担体の薬剤容器の内容量に対する割合を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にして、防虫剤の揮散率を測定した。
比較例1、2
メッシュの線径の効果を検証するために、実施例1にて作製した担体のメッシュの線径を、比較例1においては3mmに、比較例2においては0.05mmにした以外は、防虫剤成分の蒸気圧、風速などを適正範囲にし、実施例1と同様にして防虫剤の揮散率を測定した。
比較例3
練り込む防虫剤成分の蒸気圧の効果を検証するために、防虫剤に25℃における蒸気圧が0.00002Paであるフェノトリンを用いた以外は、担体のメッシュの線径、風速などを適正範囲にし、実施例1と同様にして防虫剤の揮散率を測定した。
比較例4、5
薬剤揮散体に通過させる風速の効果を検証するために、実施例1にて作製した薬剤揮散体に通過させる風速を、比較例4においては0.03m/秒に、比較例5においては5m/秒にした以外は、防虫剤成分の蒸気圧、担体のメッシュの線径などを適正範囲にし、実施例1と同様にして防虫剤の揮散率を測定した。
比較例6
防虫剤を保持させた担体の体積の容器内容積に対する割合の効果を検証するために、実施例1にて作製した防虫剤を保持させた担体の体積の容器内容積に対する割合を15%にした以外は、防虫剤成分の蒸気圧、担体のメッシュの線径、薬剤揮散体に通過させる風速を適正範囲にし、実施例1と同様にして防虫剤の揮散率を測定した。
Figure 0005553503
試験の結果を表1に示すが、表1から本発明の薬剤揮散体と薬剤揮散体を用いた防虫方法は、30〜120日という実用に適した期間において担体に保持させた防虫剤の50%以上を空気中に揮散することから、安定した殺虫効果を持続することがわかった。
これに対し、比較例1、2の薬剤揮散体は、メッシュの線径を適正範囲外にしていることから、メッシュの線径が太い比較例1においては30日経過時においても防虫剤成分が全体の25%しか揮散しておらず、メッシュの線径が細い比較例2においては10日経過時において既に防虫剤成分の95%が揮散してしまっていることから、安定した殺虫効果が持続しないことがわかった。
また、比較例3の薬剤揮散体は、練り込む防虫剤の蒸気圧を適正範囲外にしたものを使用していることから、メッシュの線径や風速が適正範囲内にあっても60日経過時において防虫剤成分が6%しか揮散しておらず、安定した殺虫効果が持続しないことがわかった。
また、比較例4、5の薬剤揮散体は、通過させる風速を適正範囲外にしていることから、風速が低い比較例4においては120日経過時においても防虫剤成分が25%しか揮散しておらず、風速が高い比較例5においては20日経過時において既に防虫剤成分の79%が揮散してしまっていることから、安定した殺虫効果が持続しないことがわかった。
さらに、比較例6の薬剤揮散体は、薬剤容器の全内容積に対する防虫剤を保持させた担体の体積を適正範囲外にしていることから、30日経過時においても防虫剤成分が10%しか揮散しておらず、防虫剤成分が多くなっているにもかかわらず安定した殺虫効果が得られないことがわかった。
本発明は、蚊、ブユ等の飛翔害虫を駆除および忌避するための薬剤揮散体およびこの薬剤揮散体を用いた防虫方法に用いることができる。

Claims (6)

  1. 蒸気圧が25℃において0.001Pa以上である常温揮散性防虫剤を保持させた担体を略直方体状の開口部を有する薬剤容器の内部に収納した薬剤揮散体であって、
    前記担体が、ポリオレフィン系樹脂からなる線径が0.1〜2mmの樹脂メッシュに前記常温揮散性防虫剤を2〜12重量%保持させたものであり、
    かつ前記担体が前記薬剤容器の内容積に対して0.01〜10体積%となるように収納されたものであり、
    さらに前記薬剤容器の全表面積に対する前記開口部の面積10〜50%とし、
    加えて前記開口部を通過する風速を0.1〜3m/秒とすることにより、
    前記常温揮散性防虫剤を30〜120日で50%以上揮散させることを特徴とする薬剤揮散体。
  2. 請求項1に記載の薬剤揮散体を用いることを特徴とする防虫方法。
  3. 常温揮散性防虫剤が常温揮散性ピレスロイド系防虫剤であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤揮散体。
  4. 常温揮散性ピレスロイド系防虫剤がトランスフルトリン、メトフルトリン、エンペントリン及びプロフルトリンのうち少なくとも1種からなる薬剤を用いたものであることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の薬剤揮散体。
  5. 常温揮散性防虫剤が常温揮散性ピレスロイド系防虫剤であることを特徴とする請求項2に記載の薬剤揮散体を用いた防虫方法。
  6. 常温揮散性ピレスロイド系防虫剤がトランスフルトリン、メトフルトリン、エンペントリン及びプロフルトリンのうち少なくとも1種からなる薬剤を用いたものであることを特徴とする請求項2または請求項5に記載の薬剤揮散体を用いた防虫方法。
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