JP2016123390A - 揮散性薬剤含有立体構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】揮散性を有する揮散性薬剤を含有させた樹脂組成物から構成される立体構造体であり、立体構造体は棒状体、板状体、及びこれらの湾曲体、屈曲体又はひねり体で構成され、棒状体と板状体を組み合わせて形成される揮散性薬剤含有立体構造体。
【選択図】図4
Description
さらに、棒状体と板状体を組み合わせることで、空気の流れが少ない環境においても、薬剤の揮散量を低減させることなく、防虫効果を発揮することができる。
また、立体構造となるので、容器と接する揮散性薬剤含有立体構造体の部分を減らすことができ、容器の内壁と接触することで生じる揮散性薬剤の揮散量低下や容器の汚染を抑制することが可能となる。
前記揮散性薬剤は、常温で揮散性を有する薬剤であり、常温において有効成分が揮散するものであれば、特に限定されるものではなく、防虫剤、忌避剤、芳香剤、消臭剤、防黴剤、抗菌剤などを用いることができる。
次に、前記の立体構造体を構成する樹脂組成物について説明する。
この樹脂組成物は、樹脂に揮散性薬剤を含有させた組成物であり、かつ、含有する前記揮散性薬剤を揮散することが可能な組成物である。
また、ポリオレフィン系共重合体とオレフィンの単独重合体との含有比率を調整して混合したポリマーブレンドを用いることもできるし、必要に応じてスチレン系エラストマー等の他の高分子化合物を含有させることもできる。
なお、前記カルボン酸エステルとは、不飽和カルボン酸エステル又はカルボン酸ビニルエステルを意味する。
なお、本発明の揮散性薬剤含有立体構造体は、ネット形状と較べて強固であり、製造工程において容器への収納をスムーズに行えるというメリットも有する。
次に、前記樹脂組成物を成形した立体構造体について説明する。
この立体構造体は、棒状体、板状体、及びこれらの湾曲体、屈曲体又はひねり体で構成され、棒状体と板状体を組み合わせて形成される。
まず、図1の各図に示す立体構造体11aは、前記棒状体12aを格子状に配し、この交差部に、前記板状体を湾曲された湾曲体13aを配した構造体である。図1の各図に示す湾曲体13aは、S字状に湾曲させたものである。この立体構造体11aの最小厚みは、格子状に配された棒状体12aの部分の厚みであり、最大厚みは、板状体の湾曲体13aの部分の厚みである。
この仕切り板16cは、図3(a)〜(c)に示すように、格子状に形成されると、立体構造体の表面積をより増やすことができる。
この核枠の形状は、方形に限らず、三角形、五角形等の多角形、真円形状、楕円形状等任意の形状のものを採用することができる。
この屈曲体15cを用いることにより、直線状の棒状体を用いることに比べ、所定の体積内に存在する棒状体の表面積を多く取ることができ、揮散性薬剤の揮散量をより多くすることが可能となる。これらの中でも、矩形波からなる波状体を用いると、揮散性薬剤含有立体構造体としたき、所定の体積内において、全体の表面積をより大きくすることができ、より効率的となる。
前記の頂部において交差する屈曲体の数は、2本であってもよいが、3本や4本であってもよく、5本以上であってもよい。
この補強材19cは、具体的には、頂部含有面に含まれる少なくとも2つの頂部同士を接合する直線状の棒状体からなる。この頂部含有面とは、前記立体構造体を構成する面であって、頂部が配される面をいう。
この補強材19cを配した立体構造体の具体例としては、図4(a)に示す立体構造体11d、すなわち、一方の頂部含有面に含まれる頂部から、これに近接し、かつ、異なる屈曲体15cの4つの頂部に向かって、前記補強材19cを配して接合した構造体があげられる。
この突状体18c、18c’の形状としては、三角柱、四角柱、五角柱等の多角柱状、真円柱、楕円柱等の円柱状、三角錐、四角錐、五角錐等の多角錐状、真円錐、楕円錐等の円錐柱状等、任意の形状を用いることができる。
この板状体や棒状体は、図5の各図に限定されるものではなく、上記の他の例で示した板状体や棒状体と同様のものを使用できる。
この立体構造体の最小厚みは、板状体20e、20e’、20e”の部分の厚みであり、最大厚みは、棒状体12eの部分の厚みである。
図4(a)〜(h)に示す立体構造体から形成される揮散性薬剤含有立体構造体を用いて実験を行った。
まず、揮散性薬剤としてトランスフルトリン(住友化学(株)製)50重量部、ホワイトカーボン(EVONIK社製:カープレックス#80、平均粒子径:15μm)18重量部、エチレン−ビニルアセテート共重合体(東ソー(株)製:ウルトラセン710、共重合体中のビニルアセテートの含有率:28%)20重量部、及びLDPE(旭化成(株)製:サンテックLDM6520)12重量部を120〜140℃で混練し、ペレット状マスターバッチを製造した。
次いで、得られたペレット100重量部と前記LDPE300重量部を120〜140℃で混練後、得られた樹脂組成物を射出成形し、接合などを行い、図4(a)〜(h)に示す立体構造体からなる揮散性薬剤含有立体構造体(10g)を得た。
この揮散性薬剤含有立体構造体全体の大きさを、95mm×160mm×12mmとした。この揮散性薬剤含有立体構造体の表面積は42200mm2であった。
得られた揮散性薬剤含有立体構造体を室内に吊るし、25℃、風速0.5mの条件下で、揮散性薬剤の揮散量ならびに揮散時間を測定した。揮散量ならびに揮散時間の測定方法は、揮散性薬剤含有立体構造体の重量を経時的に測定することによって行った。
その結果、揮散時間はおよそ200日で、全期間を通じた平均の揮散量は5.8mg/日であった。
実施例1で得られた樹脂組成物を射出成形し、筒状で網目がひし形状のネット(4.8g)を得た。このネットは、外径0.7mmの太さを有して、網目が4mm×4mmであり、筒状を平らに押さえた時の全体の大きさは80mm×150mm(切断して、一面に広げたときの広さは、160mm×150mmに相当)と、実施例1の大きさの約2倍であった。この揮散性薬剤含有立体構造体の表面積は20400mm2であった。
得られたネットを、実施例1と同様にして揮散性薬剤の揮散量ならびに揮散時間を測定した。
その結果、揮散時間はおよそ200日であったが、全期間を通じた平均の揮散量は2.9mg/日で、本発明の揮散性薬剤含有立体構造体と同等の揮散量を得るためには、かなりの程度ネットを大きくしたり、あるいは重量を重くしたりする必要があり、製品設計上困難を伴うことが予想された。
前記の通り、実施例1の揮散性薬剤含有立体構造体の揮散量は、比較例1の揮散量に比べ約2倍で、その揮散量の増大は表面積の対比から予想される以上に顕著であること、更に、容器と接する構造体の部分を減らすことによって、容器の内壁と接触することで生じる揮散性薬剤の揮散量低下や容器の汚染も抑制できることが明確となった。
揮散性薬剤として、メトフルトリン(住友化学(株)製:エミネンス)を用い、立体構造体を特許第5547350号公報に示される立体構造体(図6)とした以外は、実施例1に記載の方法にしたがって、揮散性薬剤含有立体構造体を製造した。
この揮散性薬剤含有立体構造体を室内に吊るし、下記の3つの風速の条件で、風を薬剤揮散体に当てて、30日間の揮散性薬剤メトフルトリンの揮散量を重量の減量にて測定し、単位時間当たりの揮散量(mg/h、mg/日)を算出した。その結果を表1に示す。
(1)25℃、風速0.1m/sの条件下、
(2)25℃、風速0.5m/sの条件下、
(3)25℃、風速1.0m/sの条件下。
立体構造体として図1、図2、図4に示す立体構造体とした以外は、参考例1と同様にして、揮散性薬剤含有立体構造体を製造し、各風速条件下での揮散性薬剤の揮散量(mg/h、mg/日)を算出した。その結果を表1に示す。
メトフルトリンの防虫効果が発現するのに必要な最低の揮散量は0.03mg/h以上であり、実施例2〜4は、弱い風速(0.1m/s)での揮散量は、参考例1(0.03mg/h)よりも高く、空気の流れが少ない環境においても薬剤の揮散量を低減させることなく、防虫効果が期待された。また、風速が1.0m/sでも、参考例1と同等の揮散量であり、風の多い場所でも効果を発揮できる揮散量であった。
以上のことから、棒状体、板状体、及びこれらの湾曲体、屈曲体又はひねり体で構成され、棒状体と板状体を組み合わせて形成される揮散性薬剤含有立体構造体は、環境条件に左右されず防虫効果を期待できる。
12a、12b、12e 棒状体
13a 湾曲体
14b 筒状体
15c 屈曲体
16c 仕切り板
17c、17c’、17c”、17d 枠体
18c、18c’ 突状体
19c 補強材
20e、20e’、20e” 板状体
21 壁体
Claims (8)
- 揮散性を有する揮散性薬剤を含有させた樹脂組成物から構成される立体構造体であり、
前記立体構造体は棒状体、板状体、及びこれらの湾曲体、屈曲体又はひねり体で構成され、棒状体と板状体を組み合わせて形成される揮散性薬剤含有立体構造体。 - 正面から見たときの隠蔽率が5%以上50%以下、側面からみたときの隠蔽率が50%以上100%以下である請求項1に記載の揮散性薬剤含有立体構造体。
- 前記立体構造体の最大厚みと最小厚みとの比、最大厚み/最小厚みが1以上30以下である請求項1又は2に記載の揮散性薬剤含有立体構造体。
- 前記棒状体を格子状に配し、この交差部に、前記板状体を湾曲された湾曲体を配した請求項1〜3のいずれか1項に記載の揮散性薬剤含有立体構造体。
- 前記棒状体を格子状に配し、この交差部の一部に、筒状体を配した請求項1〜3のいずれか1項に記載の揮散性薬剤含有立体構造体。
- 前記板状体を多角形状、円形状、又は楕円形状に構成して、外周壁とし、
その内部に、前記立体構造体を正面から見たとき、正面から背面にかけて貫通した貫通孔を有するように、仕切り板を設け、
前記外周壁に、この立体構造体の外方に向かって前記棒状体を取り付けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の揮散性薬剤含有立体構造体。 - 前記棒状体を屈曲させた屈曲体を格子状に組み、これを枠体に取り付けて構造体を構成すると共に、前記立体構造体の外方に向かって前記棒状体を取り付けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の揮散性薬剤含有立体構造体。
- 前記板状体の面に前記棒状体を配した請求項1〜3のいずれか1項に記載の揮散性薬剤含有立体構造体。
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