JP5275848B2 - 薬剤揮散体および薬剤揮散体を用いた害虫の防虫方法 - Google Patents

薬剤揮散体および薬剤揮散体を用いた害虫の防虫方法 Download PDF

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Description

本発明は、蚊、ブユ等の飛翔害虫を駆除および忌避するための薬剤揮散体およびこの薬剤揮散体を用いた害虫の防虫方法に係り、更に詳しくは、2種以上の防虫剤成分の揮散速度を防虫剤成分に応じてコントロールすることによって、使用の初期段階から末期段階に至るまで安定した防虫効果を発現させることができる薬剤揮散体および薬剤揮散体を用いた害虫の防虫方法に関するものである。
従来から、常温揮散性の防虫剤を空気中に揮散させることによって、防虫や忌避を行う防虫剤は知られている。
例えば、特許文献1には、撚った糸で作成したネット状物に防虫剤成分を含浸させたものを複数枚用いた薬剤揮散体が開示されている。
また、特許文献2には、2種の防虫剤成分を同一の樹脂に混錬することによって作製した担体を用いた薬剤揮散体が開示されている。
特開2001−200239号公報 特開2009−7382号公報
しかしながら、特許文献1に記載の薬剤揮散体は、防虫剤成分を含浸したネット状物を複数用いていることから、より多くの防虫剤成分を含有させることができるという長所があるものの、防虫剤成分が撚った糸に含浸しているだけの状態で保持されていることから、防虫剤成分の揮散速度が速いという短所がある。従って、使用の初期段階においては強力な防虫効果を発現するものの、120日に至るような長期間の使用には耐えることができないという課題があった。
一方、特許文献2に記載の薬剤揮散体は、防虫剤成分が樹脂担体に混錬した状態で保持されていることから特許文献1に記載の薬剤揮散体に比べて、防虫剤成分の揮散速度を抑制することができるという特徴がある。
しかし、特許文献2に記載の薬剤揮散体は、2種類の防虫剤成分を同一の樹脂に混錬していることから、それぞれの防虫剤成分の特徴を十分に発現させることができないという課題があった。すなわち、蒸気圧(揮散性能)が異なる防虫剤成分を同一の樹脂に混錬してしまうと、例えば、蒸気圧の高い方の防虫剤成分は揮散するが、低い方の防虫剤成分はほとんど揮散しない場合や、逆に低い方の防虫剤成分は安定して揮散するが、高い方の防虫剤成分が揮散しすぎる場合などが起こる。また、2種類の防虫剤成分の配合割合によっては、蒸気圧の低い方の防虫剤成分によって、蒸気圧の高い方の防虫剤成分の揮散が阻害されてしまう場合があり、初期段階から末期段階に至るまで安定した防虫効果を発現させることが困難になるという課題があった。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、2種以上の防虫剤成分を使用しつつ、それぞれの防虫剤成分の揮散速度を防虫剤成分に応じてコントロールすることによって、使用の初期段階から末期段階に至るまで安定した防虫効果を発現させることができる薬剤揮散体および薬剤揮散体を用いた害虫の防虫方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る薬剤揮散体は、常温揮散性防虫剤を用いた薬剤揮散体において、2種以上の異なる常温揮散性防虫剤を、それぞれ異なる樹脂メッシュに0.5〜15重量%練り込むことによって保持させ、異なる樹脂メッシュを、開口部を少なくとも正面および背面にし、かつ、内部に異なる樹脂メッシュを区分けするための隔壁を設けない同一の容器に収納し、開口部に空気を通過させて、常温揮散体防虫剤の防虫成分を揮散させる構成にしてある。

本発明の請求項に係る薬剤揮散体は、開口部の容器に占める比率(開口率)が、容器の全表面積の10〜50%である構成にしてある。
本発明の請求項に係る薬剤揮散体は、常温揮散性防虫剤が、25℃における蒸気圧が0.001Pa以上の揮散性防虫剤である構成にしてある。
本発明の請求項に係る薬剤揮散体は、常温揮散性防虫剤が、常温揮散性ピレスロイド系防虫剤である構成にしてある。
本発明の請求項に係る薬剤揮散体は、常温揮散性防虫剤が、メトフルトリン、プロフルトリン、エンペントリン及びトランスフルトリンの少なくとも1種からなる薬剤を用いた構成にしてある。
本発明の請求項に係る害虫の防虫方法は、屋外または屋内において、請求項1〜に記載の薬剤揮散体の開口部に空気を通過させて、常温揮散性防虫剤の防虫成分を揮散させ、害虫に適用させる構成にしてある。
本発明において使用される防虫剤成分としては、常温において空気中に揮散する性質を有するものであれば特に限定されないが、25℃において0.001Pa以上の蒸気圧を有するものを用いることが好ましい。その理由は、防虫剤成分が25℃において0.001Pa以上の蒸気圧を有するものでなければ、防虫に必要な有効量に達しにくいからである。
なお、蒸気圧の上限としては、特に限定されないが、0.1Paを超えると使用期間中に安定した揮散が達成できないことから、0.001Pa以上0.1Pa以下、より好ましくは、0.001Pa以上0.03Pa以下であることが好ましい。
そして、より強力な防虫効果を発揮させるためには、ピレスロイド系の防虫剤成分を用いることが好ましく、さらに、これらの中でも揮散性能の点から、メトフルトリン、プロフルトリン、エンペントリン及びトランスフルトリンを用いることが好ましい。
なお、これらのピレスロイド系防虫剤については、各種の光学異性体または幾何異性体が存在するが、いずれの異性体類も使用することができる。
本発明においては、これら上記の防虫剤成分を2種以上用い、さらに、これらの防虫剤成分をそれぞれ異なる樹脂担体に保持することが必要である。
このような構成を有することによって、それぞれの防虫剤成分の揮散速度を各防虫剤成分に応じたものとすることができ、より効果的な防虫効果を発現させることができるのである。
本発明に使用される樹脂担体としては、担体の内部に混入された防虫剤成分が徐々に表面にブリードして揮散することができるものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂のようなポリオレフィン系樹脂、あるいはこれらにカルボン酸エステル等の単量体を重合させて成形したものが挙げられる。
ここでカルボン酸エステル等の単量体は、防虫剤成分の樹脂担体の表面からの揮散をコントロールするのに効果的なものであり、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル等が挙げられる。
なお、ポリオレフィン系樹脂に対するこれらのカルボン酸エステル単量体の配合比率は、一般に、カルボン酸エステル単量体配合比率が高くなるほど防虫剤成分のブリードの速度を遅らせる傾向があることから、使用する防虫剤成分の種類や含有量、あるいは使用目的等に応じて、ポリオレフィン系樹脂に対して1〜20質量%の範囲で適宜調整すればよい。
また、上記樹脂担体は、あらかじめカルボン酸エステル単量体を多く含有するポリオレフィン系共重合体とオレフィンの単独重合体を、その含有比率を調整して混合したポリマーブレンドを用いることもできるし、さらには必要に応じて、スチレン系熱エラストマー等の他の高分子化合物を含有させることもできる。
本発明における樹脂担体に防虫剤成分を保持させる方法としては、樹脂担体の内部に混入された防虫剤成分が徐々に樹脂担体の表面にブリードして揮散するように保持できる方法であれば特に限定されず、例えば、上記樹脂に防虫剤成分を練り込んで成形することによって保持させる方法などが挙げられる。
本発明において使用される樹脂担体の形状としては、防虫剤成分が樹脂担体の表面から自然に揮散する状態になっていれば特に限定されないが、揮散効率の点からメッシュ状にすることが好ましい。
ここで、メッシュのフィラメントの直径としては、同じく揮散効率の点から0.1〜2mmの範囲にすることが好ましい。
なお、フィラメントの直径は、防虫剤成分の種類や使用期間に応じて上記範囲内から適宜設定される。すなわち、蒸気圧が高い(揮散速度が速い)防虫剤成分の場合には、フィラメント直径を大きくすることによって揮散を抑制するように調整し、蒸気圧が低い(揮散速度が遅い)防虫剤成分の場合には、フィラメント直径を小さくすることによって揮散を促すように調整するのである。
また、メッシュの網目(目開き)の大きさ(開孔率)についても、揮散効率と通気性の点から40〜85%の範囲にすることが好ましく、さらには50〜75%にすることが好ましい。
一方、メッシュの網目の形状については特に限定されず、必要に応じて角形、ひし形、六角形など適宜設定することができる。
樹脂担体に保持される防虫剤成分の含有量は、使用する防虫剤成分の種類、使用環境、使用条件などによって変動することから、特に限定されるものではない。しかしながら、防虫効果に必要な有効成分量を確保し、また防虫剤成分を練り込んだ後の成形を容易にするため、さらに樹脂担体の表面に防虫剤成分が過剰にブリードしてべたつきを起こすことを防止するために、0.5〜15重量%の範囲にすることが好ましい。
すなわち、防虫剤成分の含有量が0.5重量%未満の場合には、防虫に必要な有効成分量を確保することが困難となり、一方、防虫剤成分の含有量が15重量%を超える場合には、防虫剤成分を練り込んだ後の成形が困難となり、さらに樹脂担体の表面に防虫剤成分が過剰にブリードしてべたつきを起こしやすくなることになる。
ここで、通常、各樹脂担体に配合される防虫剤成分の含有量は30〜600mg程度で約30〜120日程度の使用量として例示される。
また、含有量を設定するに当たっては、使用する防虫剤成分の種類により異なるものの、例えば、メトフルトリン単独を使用した場合では、防虫効果が発現するのに必要な最低の揮散量は0.03mg/hr以上であり、プロフルトリン単独では0.03mg/hr以上であり、トランスフルトリン単独では0.06mg/hr以上であることから、30日における含有量についてはメトフルトリンでは30〜500mg、プロフロトリンでは30〜300mg、トランスフルトリンでは60〜500mgの範囲で設定すればよいことになる。
なお、本発明で用いる防虫剤成分には、共力剤、忌避剤、抗菌剤、防黴剤、芳香剤、香料等も同時に使用可能である。
例えば、共力剤としては、オクタクロロジプロピルエーテル(商品名S−421)、イソボルニルチオシアノアセテート(商品名IBTA)、N−オクチルビシクロヘプテンカルボキシイミド(商品名サイネピリン222)、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ〔2,2,2〕オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(商品名サイネピリン500)が挙げられる。
忌避剤としては、N,N−ジエチル−m−トルアミド(商品名ディート)、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、2−エチル−1,3−へキサンジオール、1,4,4a,5a,6,9,9a,9b−オクタヒドロジベンゾフラン−4a−カルバルデヒド、p−メンタン−3,8−ジオール等が挙げられる。
抗菌剤としては、ヒノキチオール、テトラヒドロリナロール、オイゲノール、シトロネラール、アリルイソチオシアネート等が挙げられる。
防黴剤としては、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール等が挙げられる。
芳香剤としては、シトロネラ油、オレンジ油、レモン油、ライム油、ユズ油、ラベンダー油、ペパーミント油、ユーカリ油、ジャスミン油、檜油、緑茶精油、リモネン、α−ピネン、リナロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、アミルシンナミックアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンジルアセテート等が挙げられる。
香料としては、「緑の香り」と呼ばれる青葉アルコールや青葉アルデヒド配合の香料成分などが挙げられる。
さらに、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合してもよく、色彩を付加したり、タイムインジケーターを装着して使用終了時点を視認できるようにすれば、商品価値をより高めることができる。
また、本発明で用いる防虫剤成分は、いずれも十分な安定性を有しているが、さらに安定性を高めるため、酸化防止剤等の安定剤を添加することも可能であり、例えば、2,2´−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4´−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、BHT、BHA、メルカプトベンズイミダゾール等を用いることができる。
また、紫外線吸収阻害剤としてパラアミノ安息香酸類、桂皮酸類、サリチル酸類、ベンゾフェノン類及びベンゾトリアゾール類などの紫外線吸収剤を用いることにより、保管時、使用時の耐光性を一段と向上させることができる。
本発明において薬剤揮散体を収納する容器としては、防虫剤成分を安定的に揮散できるものであれば、特に形状や大きさには限定されないが、揮散効率の点から、開口部の容器に占める比率(開口率)が、容器の全表面積に対し、10〜50%の範囲となるようにすることが好ましい。
なお、開口部の面積が上記の範囲であれば、開口部が容器の正面、背面にあるものだけでなく側面や上面、下面に開口するものでもよく、また、開口部の形状についても特に限定されるものではない。
容器の形状についても特に限定されず、樹脂担体が円筒状であれば、これに対応させて容器も円筒状にしても構わないし、例えば、空気清浄機取付け用に適用するような場合には、容器を適宜簡略化し、樹脂担体を保持するだけで用いることもできる。
容器の構造としては、例えば、平面シート状のプラスチック部材を折り曲げたものが挙げられる。
この場合、容器は上記折り曲げた部材の2つを一組として用い、それぞれの部材の折り曲げ面が重なり合うように組み立てられる。
さらに、上記折り曲げた部材の折り曲げ面の端部には切り目を入れた舌片部を設けて、折り返し立上げが可能なようにフック部を延設することもできる。なお、この場合には、背面上方には前記フック部が折り込まれるための収納窓を設けていてもよい。これによって、各種の使用方法に応じた使い方が可能となる。
すなわち、ここで示したフック部の先端部分を上記の容器の、例えば上面部分に係止すると、屋外で使用の場合には容器が風などで飛ばされたり、屋内で吊るした場合には使用時に誤って落下するなどの問題がなくなり、使用したい場所で確実な効果を期待することができるのである。
また、容器の構造としては、プラスチックの一体成形品を使用することも可能である。
ここでいうプラスチックの一体成形品とは、通常の射出成形または真空成形で成形したもの等であれば成形方法は問わないが、上面と下面、正面と背面をヒンジを用いて一体としたり、嵌合したりすることによって一体とすれば、製造工程をより簡略化することができる。また、この場合、容器の上面部分には立上げ可能にフック部が設けられているとより効果的に使用することができる。
すなわち、ここで示したフック部の先端部分を使用時に上記の容器の一部、例えば上面に設けた開口部や凹部に係止できる構成にすると、屋外で使用の場合には容器が風などで飛ばされたり、屋内で吊るした場合には使用時に誤って落下するなどの問題がなくなり、使用したい場所で確実な効果を期待することができる。
また、容器のどの部分に係止するかは、製造する際に適宜選択する事項ではあるが、フック部が設けられている面と同一面上に係止すれば、使用時に容器が設置位置から移動してしまうことを防止することができるので好ましい。
これら平面シート状のプラスチック部材やプラスチックの一体成形品に用いられるプラスチックの材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン、ポリアミド等、種々のプラスチック材料が使用可能であるが、強度やその性質を考慮すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)を用いた方が好ましい。
また、これらのプラスチックの厚みは、種々のものが使用可能であるが、樹脂担体の形状やその揮散性能との関係、経済性などの点から、0.05〜2mmのものを使用することが好ましい。
本発明における防虫剤成分を保持した樹脂担体の容器への収納状態については、防虫剤成分が揮散するように収納されていれば、特に限定されるものではない。
ここで、樹脂担体の形状が上記の樹脂メッシュである場合には、通気性を有することから、各防虫剤成分が保持された複数の樹脂メッシュを重ねた状態で収納することもできるし、容器内において上下または左右に配列して収納することもできる。
また、本発明の薬剤揮散体は、一般的に薬剤非透過性フィルム袋に収容されて市販され、使用時に開袋して用いられる。ここで、薬剤非透過性フィルム袋の材質としては、ポリエステル(PET、PBTなど)、ポリアミド、ポリアセタール、ポリアクリルニトリルなどがあげられ、その肉厚は可撓性を損なわない範囲で決定される。なお、ヒートシール性を付与するために、これら薬剤非透過性フィルムの内面をポリエチレンやポリプロピレンフィルム等でラミネートすることもできる。
本発明の薬剤揮散体は、その設計仕様に応じて使用直後から120日間にわたり、リビングや和室、玄関などの室内、倉庫、飲食店、工場や作業場内部やその出入り口、鶏舎、豚舎等の畜舎、犬小屋、ウサギ小屋等のペット小屋やその周辺、浄化槽やマンホールの内部、キャンプなどにおけるテント内部やその出入り口、バーベキュー、釣り、ガーデニング等の野外活動場所やその周辺などで、アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカ等の蚊類、ブユ、ユスリカ類、ハエ類、チョウバエ類、イガ類等に対して優れた防虫効果及び忌避効果を奏する。また、室内と室外を隔てる窓やベランダ等の場所で、例えばそのフック部をカーテンレール等に引っ掛けたり、物干し竿に吊るして使用すれば、屋外から屋内へのこれら害虫の侵入を効果的に防ぐこともでき、極めて実用的である。
さらに、薬剤揮散体を円筒状に形成してペット犬のリード装着用としたり、適宜容器を簡略化して空気清浄機等の取付け用として用いることもできる。
本発明の請求項1に係る薬剤揮散体によれば、本発明は常温揮散性防虫剤を用いた薬剤揮散体において、2種以上の異なる常温揮散性防虫剤を、それぞれ異なる樹脂担体に保持させ、これらの樹脂担体を開口部を有する同一の容器に収納してなるように構成されている。
従って、2種以上の防虫剤成分の揮散速度を防虫剤成分に応じてコントロールすることができ、使用の初期段階から末期段階に至るまで安定した防虫効果を発現させることができる。
また、樹脂担体が、ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂メッシュであり、樹脂メッシュのフィラメントの直径が0.1〜2mmであるように構成されている。
従って、各樹脂担体に配合された各防虫剤成分の揮散速度をより細かくコントロールすることができることから、使用期間、使用状態に応じた防虫効果を発現させることができる。
本発明の請求項に係る薬剤揮散体によれば、開口部の容器に占める比率(開口率)が、容器の全表面積の10〜50%であるように構成されている。また、本発明の請求項に係る薬剤揮散体によれば、常温揮散性防虫剤が、25℃における蒸気圧が0.001Pa以上の揮散性防虫剤であるように構成されている。
従って、防虫剤成分をより安定して、屋外または屋内において揮散させることができる。

本発明の請求項に係る薬剤揮散体によれば、常温揮散性防虫剤が、常温揮散性ピレスロイド系防虫剤であるように構成されている。また、本発明の請求項に係る薬剤揮散体によれば、常温揮散性防虫剤が、メトフルトリン、プロフルトリン、エンペントリン及びトランスフルトリンの少なくとも1種からなる薬剤を用いたものであるように構成されている。
従って、蚊、ブユ等の飛翔害虫に対し、より強力な防虫効果を発現させることができる。
本発明の請求項に係る害虫の防虫方法によれば、屋外または屋内において、請求項1〜5のいずれか一項に記載の薬剤揮散体の開口部に空気を通過させて、常温揮散性防虫剤の防虫成分を揮散させ、害虫に適用させるように構成されている。
従って、薬剤揮散体の構造をより簡便なものにしつつ、屋外または屋内において使用の初期段階から末期段階に至るまで安定した防虫効果を発現させることができる。
次に、実施例と比較例とを対比させて、本発明の薬剤揮散体および薬剤揮散体を用いた害虫の防虫方法を説明する。尚、以下に述べる実施例は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
(実施例1)
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体[共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:8重量%]96.5重量%、メトフルトリン3.5重量%を溶融混練し、得られたペレット状混練物をネット成形用ダイスを介して押し出すことにより、一辺が約5mmの略六角形のネット(網を形成するフィラメントの直径:約1.0mm、開孔率:63%)で、幅約8cm、奥行約1cm、高さ約15cmの中空略直方形状の樹脂担体(重量5g、防虫剤成分の合計含有量:180mg)を得た。
また、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体[共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:9重量%]99.6重量%、プロフルトリン0.4重量%を溶融混練し、得られたペレット状混練物をネット成形用ダイスを介して押し出すことにより、一辺が約5mmの略六角形のネット(網を形成するフィラメントの直径:約1.5mm、開孔率:75%)で、幅約8cm、奥行約1cm、高さ約15cmの中空略直方形状の樹脂担体(重量5g、防虫剤成分の合計含有量:20mg)を得た。
これらの樹脂担体を、開口部(開口率38%)とフック部を備えたポリエステル製の一体成形品の容器(幅約9.5cm、奥行約2cm、高さ約17cm)に収納し、60日用の本発明の薬剤揮散体を作製した。
(実施例2〜8)
防虫剤成分の種類、含有量、フィラメントの直径、容器の開口率を、表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にして薬剤揮散体を作製した。
(比較例1)
防虫剤成分にメトフルトリンのみを使用した以外は、実施例1と同様にして薬剤揮散体を作製した。
(比較例2〜6)
防虫剤成分の種類、含有量、フィラメントの直径、容器の開口率を、表1に示すようにし、各防虫剤成分を同一樹脂に混錬した以外は、実施例1と同様にして薬剤揮散体を作製した。
(比較例7〜8)
防虫剤成分の種類、含有量、フィラメント、容器の開口率の直径を、表1に示すようにし、各防虫剤成分をエチレン−メタクリル酸メチル共重合体を成形して得た同一の略六角形のネットに塗布することによって薬剤揮散体を作製した。
そして、これらの薬剤担持体をそれぞれ密閉した25m3の部屋(室温:25℃)に吊るし、防虫剤成分を揮散させた。所定期間後、アカイエカ雌成虫50匹を放ち、時間の経過に伴う仰転数を数え、KT50値を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0005275848
試験の結果、表1から、実施例1〜8については、使用期間の初期段階から末期段階まで、安定した防虫効果が発現することがわかった。
また、実施例6〜8に示すように、フィラメントの直径、容器の開口率、含有量を調整することによって、使用期間や使用状態に応じた防虫効果が発現することがわかった。
次に、実施例1の薬剤揮散体をベランダの出入り口の直上に置いて使用したところ、設置直後から効果が発現し、その後60日間にわたり、ベランダで蚊や他の害虫に悩まされることがなかった。また、該害虫がベランダの出入り口から屋内へ侵入するのも防止でき、簡便な害虫防除手段として極めて実用的であることがわかった。
これに対し、比較例2、3については、対応する実施例1、2の薬剤揮散体に比べて防虫剤成分を同一の樹脂担体に保持させていることから、蒸気圧の高い方の防虫剤成分の揮散速度が早く、使用期間において安定した防虫効果が発現しなかった。特に、10日以降は、蒸気圧の高い方の防虫剤成分が少量しか残っていないため、防虫効果が著しく低下してしまった。
上記と同様に、比較例4についてはこれに対応する実施例3の薬剤揮散体に比べ、比較例5についてはこれに対応する実施例4の薬剤揮散体に比べ、使用期間において安定した防虫効果が発現しなかった。
また、比較例6については全ての防虫剤成分を同一の樹脂担体に混錬したことから、樹脂メッシュに押出成形をした段階で、樹脂担体の表面に防虫剤成分が過剰にブリードしてべたつきを起こしてしまい、薬剤揮散体を作製することができなかった。
さらに、防虫剤成分を塗布することによって樹脂担体に保持させた比較例7や比較例8の薬剤揮散体については、試験開始直後においては防虫効果が発現するものの、防虫剤成分の揮散速度が早いため、10日経過時点において既に防虫効果が発現しない場合があった。
本発明は、蚊、ブユ等の飛翔害虫を駆除および忌避するための薬剤揮散体およびこの薬剤揮散体を用いた防虫方法に用いることができる。

Claims (6)

  1. 常温揮散性防虫剤を用いた薬剤揮散体において、
    2種以上の異なる前記常温揮散性防虫剤を、
    それぞれ異なる樹脂メッシュに0.5〜15重量%練り込むことによって保持させ、
    前記異なる樹脂メッシュを、
    開口部を少なくとも正面および背面にし、かつ、内部に前記異なる樹脂メッシュを区分けするための隔壁を設けない同一の容器に収納し
    前記開口部に空気を通過させて、前記常温揮散体防虫剤の防虫成分を揮散させることを特徴とする薬剤揮散体。
  2. 前記開口部の前記容器に占める比率(開口率)が、
    前記容器の全表面積の10〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤揮散体。
  3. 前記常温揮散性防虫剤が、
    25℃における蒸気圧が0.001Pa以上の揮散性防虫剤であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薬剤揮散体。
  4. 前記常温揮散性防虫剤が、
    常温揮散性ピレスロイド系防虫剤であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の薬剤揮散体。
  5. 前記常温揮散性防虫剤が、
    メトフルトリン、プロフルトリン、エンペントリン及びトランスフルトリンの少なくとも1種からなる薬剤を用いたものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の薬剤揮散体。
  6. 屋外または屋内において、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の薬剤揮散体の前記開口部に空気を通過させて、
    前記常温揮散性防虫剤の防虫成分を揮散させ、害虫に適用させることを特徴とする害虫の防虫方法。
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