JP4488507B2 - 薬剤保持体 - Google Patents

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本発明は、ファンによる風力及び/又は回転に伴う遠心力に基づいて、揮散させる薬剤を保持し得る薬剤保持体に関するものである。
本出願人の出願である特開2001−247406号公報においては、モーターによる遠心力とファンによる風力によって揮散する薬剤を含浸している粒状の含浸体を収納しているカートリッジの構成を開示しているが、当該構成に基づく方法は、揮散性能や害虫防除効果に高い有用性を示すが、薬剤含浸体を収納するカートリッジを必要とし、特に洋服タンスやクローゼットなどの衣料防虫用途として構造がシンプルとは言えないという難点があった。
このような状態を考慮し、出願人は、回転に際し、通気が可能である空隙を有している板状体に薬剤を含浸させ、単数又は複数の当該板状体によって形成された回転体に対する回転駆動装置を設けたことによる薬剤揮散装置による構成を先願として既に御庁に出願している(特願2003−102369号出願、及び当該出願を基礎とする特許法第41条第1項の優先主張に基づく特願2004−095479号出願)。
上記先願発明において、薬剤を保持している板状体は、特開2001−247406号発明におけるカートリッジよりも、簡単な構成であり、かつ簡便な使用ができるという点において優れているが、薬剤保持機能を配慮するような構成は、特に採用されている訳ではない。
他方、ファンの風力によって揮散される薬剤を保持するための薬剤保持体として、例えば、特開2001−200239号公報においては、撚糸からなるネットを複数枚重畳したことによる薬剤保持体の構成が開示されており、一枚のネットによる構成よりも薬剤の保持量、及び揮散量において優れていることが記載されている。
しかしながら、前記構成においても、精々薬剤の保持量、及び揮散量によってネットの枚数に比例した効果が得られているだけであって、ネットによる薬剤保持繊維と、他の薬剤保持繊維との間によって形成される積層構成に基づき、特に薬剤揮散機能を向上させるような基本的技術思想が開示されている訳ではない。
特開2001−200239号公報 特開2001−247406号公報 特開2004−24161号公報
本発明は、ファンによる風力及び/又は回転に伴う遠心力に基づいて、揮散させる薬剤を保持し得る薬剤保持体であって、薬剤を保持している各繊維の協働によって、薬剤保持機能だけでなく、薬剤揮散効果を向上し得るような薬剤保持体の構成を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明の基本構成は、
(1)ファンによる風力及び/又は回転に伴う遠心力に基づいて、揮散させる薬剤を保持し得る薬剤保持体であって、上下両側面に、二次元方向に規則的なメッシュ形状の薬剤保持繊維(以下「メッシュ状薬剤保持繊維」と略称する。)を配置すると共に、各メッシュの単位を形成している上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維との間において、曲げ弾性を有することによって、上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維を所定の間隔を以って支持し、かつ連結している薬剤保持繊維(以下「支持連結用薬剤保持繊維」と略称する。)を複数本配置したことによる薬剤保持体であって、支持連結用薬剤保持繊維が、上下両側において対応しているメッシュの単位の反対側の辺を連結するように配列されることによって筋違構造を形成している薬剤保持体、
(2)メッシュ状薬剤保持繊維が撚糸状態であることを特徴とする前記(1)記載の薬剤保持体、
(3)上下両側面に配置されたメッシュ状薬剤保持繊維とその間に配置された支持連結用薬剤保持繊維による薬剤保持体を複数枚重畳したことを特徴とする前記(1)記載の薬剤保持体、
(4)回転中心位置に軸受を有し、かつ外側周囲を複数個の保持枠によって囲んだ状態にある保護ケースによって支持された状態にある前記(1)記載の薬剤保持体、
からなる。
本発明による薬剤保持体においては、メッシュ状薬剤保持繊維と、他の薬剤保持繊維との配置に基づき、薬剤保持機能を有するだけではなく、薬剤揮散効果を向上し得ることによって、極めて有用であり、しかも、構造がシンプルであるため、製造コストにおいても、極めて有利である。
本発明においては、図1(a)、(b)、(c)に示すように、ファンによる風力及び/又は回転に伴う遠心力に基づいて、揮散させる薬剤を保持し得る薬剤保持体1として
上下両側に配置されているメッシュ状薬剤保持繊維2+上下両側の間に配置されている支持連結用薬剤保持繊維3
を基本構成としている。
図1(a)、(c)においては、メッシュ状薬剤保持繊維2のメッシュ形状として、六角形の場合を示しているが、当該メッシュ形状は、矩形、三角形など他の形状をも採用し得るのは、当然である。
図1(a)、(b)、(c)では、上下両側のメッシュの単位が水平方向において略同一位置を形成し、かつ上下両側のメッシュの単位が同一形状である場合を示しているが、本発明の実施形態においては、そのような場合だけでなく、上下両側のメッシュの単位が水平方向に所定幅を以って偏差した状態にて(ずれた状態にて)配列される場合をも包摂している。
図1(a)、(b)、(c)に示すように、支持連結用薬剤保持繊維3は、上下両側において対応しているメッシュの単位の反対側の辺を連結するように配列されている。
このような筋違構造に基づいて、上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維2と、その間の支持連結用薬剤保持繊維3とが、強固に結合することができるという長所を有している。
本発明の薬剤保持体1は、メッシュ状薬剤保持繊維と、他の薬剤保持繊維との配置に基づき、薬剤保持機能を有するだけではなく、薬剤揮散効果を向上し得る。この両効果は、薬剤保持体1が静置タイプのファン式薬剤揮散装置であっても得られるが、薬剤保持体1を回転による遠心力を伴うタイプでは一層顕著となる。
本発明のメッシュ状薬剤保持繊維2においては、ファンによって生じた風又は回転によって生じた風と衝突する側と反対方向の側(風が通過していく側)の領域には、風の通過に伴って、負圧の発生を伴う乱流が生じており、当該負圧の発生に伴って、支持連結用薬剤保持繊維3の隙間領域から横方向並びに上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維2の側に向かう気流が発生し、支持連結用薬剤保持繊維3において、毛細管現象に基づいて保持されている薬剤がメッシュ状薬剤保持繊維2側に移動することによって、揮散効果が助長され、かつ回転に基づく遠心力による揮散効果に付加されるものと考えられる(前記の負圧の発生、及び気流の発生以外に良好な揮散効果の根拠を想定することができない。)。
このような揮散効果は、例えば、後述する実験例2の〔表1〕に示すように、単にメッシュ状薬剤保持繊維2のみ、又は2枚の重畳によるメッシュ状薬剤保持繊維2を回転させた場合の揮散効果よりも、前記結合構成のほうが、揮散効果が大幅に良好であることによって確認されるが、前記乱流の発生及び負圧の具体的なメカニズムについては、完全に解明されている訳ではない。
二次元方向のメッシュ状薬剤保持繊維2において、良好な保持機能を有するためには、当該繊維を前記(2)記載のように撚糸状態とし、しかも撚糸を構成する糸の数を大きくすることによって、毛細管現象に基づき、薬剤の保持を可能とするような隙間を形成するとよい。
前記メッシュ状薬剤保持繊維2、及び支持連結用薬剤保持繊維3を構成する素材としては、薬剤の安定性に影響のないもので、揮散が一定で持続性が良好なものが好ましく、例えば、天然繊維の木綿、麻、羊毛、絹等、またレーヨン等の半合成繊維、合成繊維のポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド等、無機繊維のガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維等が使用可能である。
支持連結用薬剤保持繊維3は、各メッシュ形状の構成単位にてメッシュ状薬剤保持繊維2と結合していることから、水平方向において、微細な隙間を構成しており、当該隙間において毛細管現象に基づいて薬剤を保持する機能を有している。
したがって、支持連結用薬剤保持繊維3間の隙間は、前記毛細管現象による保持機能が生ずる程度であることを必要としている。
本発明においては、上下両側に配置されているメッシュ状薬剤保持繊維2+上下両側の間に配置されている支持連結用薬剤保持繊維3による構成単位をベースとして、薬剤保持体1が形成されているが、図1に示すように、前記の構成単位を単位数の状態にて採用する実施形態だけでなく、前記(3)に記載するように、上下両側面に配置されたメッシュ状薬剤保持繊維2とその間に配置された支持連結用薬剤保持繊維3による薬剤保持体1を複数枚重畳したことによる実施形態も採用することができる。
前記(3)記載の実施形態においては、積層構成に基づいて、十分な薬剤保持機能を発揮することが可能となる。
上下両側に配置されているメッシュ状薬剤保持繊維2+上下両側の間に配置されている支持連結用薬剤保持繊維3による構成単位の上下幅は、メッシュ状薬剤保持繊維2の各単位の面積、及び支持連結用薬剤保持繊維3の水平方向における密度によって左右され、各単位のメッシュ形状の面積が大きく、かつ支持連結用薬剤保持繊維3の密度が小さい程、距離を大きく設定することになる。
薬剤保持体1の形状は特に限定されず、円盤状、ドーナツ状、歯車状、扇風機状など、目的に応じて適宜決定すればよい。本発明は小型の薬剤揮散装置に適用される薬剤保持体1を意図しているため、例えば、円盤状であれば、外径3〜5cm程度による規格が使用上便宜である。
本発明で用いる薬剤としては、揮散性を有する殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤、芳香剤、消臭剤などがあげられる。
殺虫剤のなかでは、常温揮散性ピレスロイド系薬剤が好適で、このような薬剤としては、一般式(I)
Figure 0004488507
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物を例示することができる。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Aと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Bと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Cと称す)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Dと称す)などがあげられるが、これらに限定されるものではない。一般式(I)で表される化合物は一種類を使用してもよいし、又は二種類以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。尚、一般式(I)で表される化合物には、その不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、これらの各々やそれらの任意の混合物の使用も本発明に含まれるのは勿論である。
薬剤保持体1において保持する薬剤量は、薬剤の種類、有効期間、及び薬剤保持体1の大きさ等にもよるが、例えば前記常温揮散性ピレスロイド系薬剤の場合には、20〜400mg程度に設定するのが適当である。
薬剤を保持させるに際しては、必要に応じ溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤などを用い、また従来から知られている各種手段を採用することができる。更に薬剤に安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合することも可能である。
回転駆動装置としては、通常交流電源又は直流電源に基づくモーターを採用し、回転速度としては、500〜2000rpmとすると良い。
前記回転速度の範囲を採用する根拠としては、500rpm未満の場合には、薬剤の揮散性能が劣化し、他方、2000rpmを超えると、例えば電池の消耗が激しいといった不都合を挙げることができる。
以下、実施例に従って説明する。
実施例1は、薬剤保持体1を回転させ、遠心力によって薬剤を揮散させる薬剤揮散装置に採用した場合を示しており、特に図2に示すように、薬剤保持体1の上下両側面をそれぞれ上側部分及び下側部分によって囲んだ状態にて支持し、外側周囲を複数個の保持枠41によって囲み、かつ中心位置において、回転駆動装置の回転軸と嵌合し得る保護ケース4によって薬剤保持体1を収納した状態にて回転させている。
即ち実施例1においては、薬剤保持体1が、保護ケース4によって上下両側及び周囲から囲まれた状態にて収納され、かつ保護ケース4が、回転駆動装置の回転軸と嵌合することから、回転時には、保護ケース4と薬剤保持体1とは、一体となって回転することになる。
保護ケース4を採用することは、薬剤保持体1が変形し易い形状であって、単独では、回転駆動装置の回転軸の支持によって、安定した回転が得られない場合に好都合であると共に、薬剤に手指が触れるのを防止するという機能を発揮することができる。
保持枠41の形状や数は特に限定されている訳ではないが、設計上の便宜をも考慮し、例えば上下両側には板状、また周囲には断面が丸形、三角形又は四角形状のものを複数個設けるのが適当である。
薬剤保持体1を保護ケース4に収納するにあたっては、薬剤を保持させた後収納することも当然可能であるが、薬剤保持前の薬剤保持体1を保護ケース4に入れ蓋部材を外した状態で薬剤を分注し、蓋部材を閉める方法が製造上便宜である。
このような薬剤保持体1を保護ケース4に収納した実施例1に即した実験結果を、以下のとおり説明する。
〔実験例1〕
上下両側に、撚糸状態のポリエステル繊維を用いて二次元のメッシュ状薬剤保持繊維2を編成し、当該両側間にポリエステル繊維からなる支持連結用薬剤保持繊維3(上下幅:3mm)を配置し、全体として上下方向の厚みが4.0mmで、外形が4.0cmの円盤状の薬剤保持体1を作製した。
薬剤保持体1は、ポリカーボネーと製の保護ケース4(外形5.0cm、厚さ8mm)に収納され、保護ケース4は、周囲の保持枠41において略丸形の断面を採用した。
このような薬剤保持体1において、化合物C[4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]40mgをケロシンに溶解した薬液を、前記薬剤保持体1に保持させ、保護ケース4に収納後、1200rpmの回転速度にて、120時間作動させた。
上記作動において、薬剤保持体1から薬剤が飛散することはなく、約120時間にわたり蚊の防除に有効であった。
〔実験例2〕
実験例1に準じ、各種薬剤保持体1とこれを各種保護ケース4に収納したうえで、1200回転速度にて6畳の部屋で作動させ、開始直後、及び120時間後に、蚊成虫に対する殺虫効力を調べた。殺虫効力試験は、作動中の6畳の部屋でアカイエカ♀成虫約100匹を放ち、2時間暴露させ蚊に対するノックダウン効力を調べ、KT50値を求めた。対照例として、支持連結用薬剤保持繊維3(表中、Mと略称)を編成せずメッシュ状薬剤保持繊維2(表中、上側をF、下側をBと略称)のみで構成した薬剤保持体1(対照例1)、及びメッシュ状薬剤保持繊維2を別体で2枚併置した場合(対照例2;特開2001−200239号公報に準じた薬剤保持体)を採用した。
Figure 0004488507
試験の結果、本発明による薬剤保持体1は、120時間の長期にわたり優れた殺虫効力を安定して保持することが判明した。薬剤保持体1としては、前記(3)に記載するような複数枚併置の場合には、薬剤揮散効果においても優れていることが認められた。
但し、前記複数枚併置の場合には、薬剤保持体1の厚さが増大する傾向にあることから、製造上、及び取扱上の便宜を考慮し、設計上の配慮を行うことが必要である。
一方、メッシュ状薬剤保持繊維2のみで構成した薬剤保持体1(対照例1)、及びメッシュ状薬剤保持繊維2を別体で2枚併置した場合(対照例2)は、本発明品に比し、薬剤保持性能並びに薬剤揮散機能ともに悪く、殺虫効力が明白に劣っていることが判明し、これによって、上下両側に配置されているメッシュ状薬剤保持繊維2+上下両側の間に配置されている支持連結用薬剤保持繊維3の結合による薬剤揮散機能上の効果が存在することを確認することができる。
実施例2は、薬剤保持体1を静置しファンの風力を利用して薬剤を揮散させる薬剤揮散装置に採用しているが、ファンの形状としては、図3に示すシロッコファン6や図4の軸流ファン7などが典型例として使用され、通常ファンに近接して薬剤保持体1が設置され、ファンが生起する気流にのって薬剤保持体1から薬剤が放散することになる。
このようなファン式薬剤揮散装置に薬剤保持体1を適用した実施例2に即した実験結果を、以下のとおり説明する。
〔実験例3〕
上下両側に、撚糸状態のポリエステル繊維を用いて二次元のメッシュ状薬剤保持繊維2を編成し、当該両側間にナイロン繊維からなる支持連結用薬剤保持繊維3(上下幅:2.5mm)を配置し、全体として、上下方向の厚みが3.5mmで、外径が4.5cmの円盤状の薬剤保持体1を作製した。
実験例1で用いた薬剤の替わりに、化合物A[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート]70mgを保持させ、240時間用とした。
この薬剤保持体1を図3又は図4の薬剤揮散装置に設置し、1400rpmの回転速度にて犬小屋内にて吊り下げ、1日あたり8時間作動させ、当該作動を約30日間継続した。
このような作動の継続において、いずれの薬剤揮散装置も、蚊、ユスリカなどの害虫に対して安定した殺虫効力を発揮し、犬は害虫に悩まされることはなかった。
〔実験例4〕
実験例3に準じ、各種薬剤保持体1を図3及び図4の薬剤揮散装置に設置したうえで、1600回転速度にて6畳の部屋で作動させ、実験例2と同様に、開始直後、及び120時間後に、蚊成虫に対する殺虫効力を調べた。対照例として、支持連結用薬剤保持繊維3(表中、Mと略称)を編成せずメッシュ状薬剤保持繊維2(表中、上側をF、下側をBと略称)のみで構成した薬剤保持体1(対照例1)、メッシュ状薬剤保持繊維2を別体で2枚併置した場合(対照例2;特開2001−200239号公報に準じた薬剤保持体)、及び板状体の不織布を用いた場合(対照例3)を採用した。
Figure 0004488507

試験の結果、本発明の薬剤保持体1によれば、薬剤保持体1が静置されるタイプの薬剤揮散装置に適用された場合でも、実験例2と同様、上下両側に配置されているメッシュ状薬剤保持繊維2+上下両側の間に配置されている支持連結用薬剤保持繊維3の結合による薬剤揮散機能上の効果が存在することを確認することができる。
本発明の薬剤保持体は、薬剤を効率的に揮散、放出させるので、有効成分を適宜選択したうえで、例えば芳香、消臭、抗菌用途など、害虫防除以外の分野でも実用化が可能である。
本発明の薬剤保持体の基本構成を示しており、(a)は上側からの平面図であり、(b)は当該平面図の特定位置における上下方向の断面図であり、(c)は下側からの平面図である。 薬剤保持体が収納される保護ケースにつき、薬剤保持体の上側に位置している蓋部分と薬剤保持体の下側に位置している薬剤保持体保持部分とに分解した斜視図である(尚、支持連結用薬剤保持繊維の図示を省略している。) 薬剤保持体がシロッコファンに近接して設置された場合の実施例における薬剤揮散装置の概略の分解斜視図である。 薬剤保持体が軸流ファンに近接して設置された場合の実施例における薬剤揮散装置の概略の分解斜視図である。
1 薬剤保持体
2 メッシュ状薬剤保持繊維
3 支持連結用薬剤保持繊維
4 保護ケース
41 保持枠
5 小隙間薬剤保持繊維
6 シロッコファン
7 軸流ファン

Claims (4)

  1. ファンによる風力及び/又は回転に伴う遠心力に基づいて、揮散させる薬剤を保持し得る薬剤保持体であって、上下両側面に、二次元方向に規則的なメッシュ形状の薬剤保持繊維(以下「メッシュ状薬剤保持繊維」と略称する。)を配置すると共に、各メッシュの単位を形成している上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維との間において、曲げ弾性を有することによって、上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維を所定の間隔を以って支持し、かつ連結している薬剤保持繊維(以下「支持連結用薬剤保持繊維」と略称する。)を複数本配置したことによる薬剤保持体であって、支持連結用薬剤保持繊維が、上下両側において対応しているメッシュの単位の反対側の辺を連結するように配列されることによって筋違構造を形成している薬剤保持体。
  2. メッシュ状薬剤保持繊維が撚糸状態であることを特徴とする請求項1記載の薬剤保持体。
  3. 上下両側面に配置されたメッシュ状薬剤保持繊維とその間に配置された支持連結用薬剤保持繊維による薬剤保持体を複数枚重畳したことを特徴とする請求項1記載の薬剤保持体。
  4. 回転中心位置に軸受を有し、かつ外側周囲を複数個の保持枠によって囲んだ状態にある保護ケースによって支持された状態にある請求項1記載の薬剤保持体。
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