JP2005160469A - 薬剤揮散装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンプルで使いやすい薬剤残量表示機能を備えた薬剤揮散装置の提供。
【課題の解決手段】薬剤を担体に担持してなる薬剤担持体を備え、遠心力及び/又はファンによる風力に基づいて前記薬剤担持体から薬剤を揮散させる薬剤揮散装置において、昇華性物質を通気性成型体に封入するとともに、これを前記薬剤担持体に近接して設置し、前記昇華性物質の昇華消失状態を目視することによって、前記薬剤担持体の使用終点を認知できるように構成した薬剤揮散装置。
【選択図】図2







Description

本発明は、薬剤担持体を備え、遠心力及び/又はファンによる風力に基づいて、薬剤を揮散させる薬剤揮散装置の改良に関するものである。
害虫、例えば蚊や蚋などを駆除するために、薬剤を閉鎖空間(室内や自動車の車内、アウトドアスポーツにおけるテント内など)全体に揮散、放出させる薬剤揮散方法として、熱エネルギーを利用した蚊取線香や電気蚊取マット、液体式電気蚊取(リキッド)が一般的であるが、常温でファン等の風力を利用して薬剤を揮散、放出させる方法も実用化されている。後者の方法は必ずしも交流電源を必要とせず、持ち運びが可能であることから携帯用として有用であり、本発明者らも特開2001−247406号公報において、薬剤含浸担体を収納するカートリッジをモーターで回転させ薬剤をより効率的に揮散、放出させる薬剤揮散方法を開示した。
しかしながら、特開2001−247406号公報に開示のものを含め、従来のファン式薬剤揮散装置は、薬剤含浸担体を収納するカートリッジの使用期限を知らせる機能が十分満足のいくものとは言えない。例えば、薬剤含浸担体に有効成分量と連動する色素などを配合して色の変化を利用する方法があるが、終点が不明瞭であるし、またカートリッジの使用期限と乾電池の寿命を同一に設定する方法にしても、乾電池の性能が多岐にわたることから一致させることは難しい。
最近、液晶表示を用いた製品が市販されているが、電気的制御機構を必要とするため装置が複雑で、コスト高を余儀なくされている。
ところで、薬剤残量表示のインジケーターとして昇華性物質を利用する提案はいくつか知られている。例えば、特開平7−149601号公報には、常温揮散性防虫薬剤と昇華性物質とを組み合わせた錠剤を、通気性材料からなる包装容器内に収納し、昇華性物質の消失状態によって防虫薬剤の残存状態を認知し得ることが記載されている。しかし、この提案の防虫剤は、タンス等で静置して使用した際、昇華性物質の消失が気温等の環境条件によって著しく左右されるという問題を有する。このため、昇華性物質のインジケーターへの応用は、明瞭な終点表示が要求されない防虫剤に留まっているのが現状である。
特開2001−247406号公報 特開平7−149601号公報
本発明は、シンプルで使いやすい薬剤残量表示機能を備えた薬剤揮散装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、次のような構成を採用する。
(1)薬剤を担体に担持してなる薬剤担持体を備え、遠心力及び/又はファンによる風力に基づいて前記薬剤担持体から薬剤を揮散させる薬剤揮散装置において、昇華性物質を通気性成型体に封入するとともに、これを前記薬剤担持体に近接して設置し、前記昇華性物質の昇華消失状態を目視することによって、前記薬剤担持体の使用終点を認知できるように構成した薬剤揮散装置。
(2)昇華性物質が、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン、又はアダマンタンである(1)記載の薬剤揮散装置。
(3)昇華性物質が着色されている(1)又は(2)記載の薬剤揮散装置。
(4)薬剤が、一般式(I)
Figure 2005160469
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種である(1)ないし(3)のいずれか記載の薬剤揮散装置。
(5)担体が、上下両側面にメッシュ状の薬剤保持繊維層を有し、その両層間において両層を支持連結している支持連結用繊維層を配置した三次元の立体繊維構造体である(1)ないし(4)のいずれか記載の薬剤揮散装置。
(6)担体が、粒状もしくは略粒状で、その平均外径が2mm〜8mmのセルロース製ビーズである(1)ないし(4)のいずれか記載の薬剤揮散装置。
本発明の薬剤揮散装置は、薬剤の揮散が効率的で優れた殺虫効力を奏するとともに、シンプルで使いやすい薬剤残量表示機能を備えるので、その実用性は極めて高い。
本発明で用いられる薬剤としては、揮散性に優れた殺虫成分、殺ダニ成分、忌避成分、抗菌成分、消臭成分、芳香成分等があげられる。殺虫成分としては、エムペントリンやテフラメトリンの外、特に、一般式(I)
Figure 2005160469
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた常温揮散性殺虫成分が好適である。これらの化合物は、従来のアレスリン、フラメトリン及びプラレトリンに比べて蒸気圧が高く、蚊、ハエ、ブユ、ユスリカなどの害虫に対する殺虫効力も優れている。なお、化合物の酸成分において、不斉炭素に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合、それらの各々や任意の混合物も本発明に包含されることはもちろんである。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Aと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Bと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Cと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Dと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Eと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Fと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Gと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Hと称す)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Iと称す)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Jと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−ビニルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Kと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Lと称す)、又は4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Mと称す)をあげることができる。
また、他の薬剤としては、例えばディート、ジメチルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の忌避成分、ヒノキチオール、テトラヒドロリナロール、オイゲノール、シトロネロール、アリルイソチオシアネート等の抗菌成分、オレンジ油、レモン油、ライム油、ユズ油、ラベンダー油、ペパーミント油、ユーカリ油、ジャスミン油、檜油、緑茶精油、リモネン、α−ピネン、リナロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、アミルシンナミックアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンジルアセテート等の芳香成分等があげられる。
前記薬剤は各種担体に担持されるが、その材質としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレンなどの合成繊維担体、紙、パルプ、ビスコースなどのセルロース系担体、エチレン−酢酸ビニール系樹脂、オレフィンポリマーなどの合成樹脂担体、ケイ酸カルシウムなどの無機質担体などがあげられる。なかでも、ポリエステル、ナイロン等を素材とする三次元の立体繊維構造体、例えば、上下両側面にメッシュ状の薬剤保持繊維層を有し、その両層間において両層を支持連結している支持連結用繊維層を配置したものは、薬剤保持能及び揮散性能がともに優れ、本発明で用いる担体として好適である。ここで上下両側のメッシュの単位は、同一形状でも異なっていてもよく、例えば、上側のメッシュの単位形状よりも、下側のメッシュの単位形状の方が小さな場合を包摂している。また、天然由来の紙、パルプ、ビスコースなどのセルロース系担体を、平均外径が2mm〜8mm程度の粒状もしくは略粒状に形成したものも好ましく、特に発泡セルロースビーズ[商品名:ビスコパール(レンゴー株式会社製)]が使いやすい。
本発明では、前記担体(通常0.5〜3g、好ましくは1〜2g)に対する薬剤担持量は、20〜600mg、好ましくは30〜200mgが適当である。薬剤の担持量が20mgより少ないと、効力(特に殺虫効力)の持続性に不足を生じる場合がある。一方、担持量の最大量は担体の保持能等を考慮して600mg以下が好ましい。
薬剤の担持に際しては、必要に応じ溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤などを用い、また従来から知られている各種担持手段を採用することができる。更に、薬剤担持体に、安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合してもよい。
本発明では、前記薬剤担持体が変形しやすい形状の場合や、薬剤に手指が触れるのを防止するために、薬剤担持体をカートリッジ(保護ケース)に収納して用いるのがよい。カートリッジの形状や大きさは任意に決定することができ、例えば、薬剤担持体が回転するタイプの薬剤揮散装置では、薬剤担持体の上下両側面をそれぞれ上側部分及び下側部分によって囲み、外側周囲を複数個の保持枠によって囲み、かつ中心位置にある軸受が回転駆動装置の回転軸と嵌合し得るカートリッジがあげられる。ここで、保持枠の形状や数は特に限定されている訳ではないが、設計上の便宜をも考慮し、例えば上下両側には板状、また周囲には断面が丸形、三角形又は四角形状のものを複数個設けるのが適当である。また、形状を断面矩形の環状中空構造体とし、側面に開口スリットを多数並設したり、ネットを固定したりして通気部を設けたカートリッジも好適にも用いられる。
薬剤担持体が回転しないタイプの薬剤揮散装置では、回転駆動装置の回転軸と嵌合し得る前記軸受を必ずしも必要としないことはもちろんである。
本発明の薬剤揮散装置は、前記薬剤担持体に遠心力及び/又はファンによる風力を作用させて薬剤を揮散させるものである。薬剤担持体が回転するタイプの薬剤揮散装置の場合、例えばカートリッジの内周面の内側にシロッコファンを一体的に装填し、遠心力にファンによる風力を付与する構成を採用するのが好ましい。一方、薬剤担持体が回転しないタイプの薬剤揮散装置では、シロッコファンや軸流ファンなどが典型的に使用される。
更に、前記カートリッジの周囲に、スリット状、メッシュ状などの保護バーを装着し、手指などがカートリッジに触れないような構成を好適に採用することができ、この際に前記カートリッジを収納する薬剤揮散装置の一部に前記保護バーの機能を持たせてもよい。
本発明で回転駆動装置として用いるモーターの仕様は、DC1.5V〜6.0V駆動で、500〜2000rpmの回転数を与えるものが適当である。また、電源としては、装置のシンプル化から乾電池駆動が好ましいが、100V交流電源と共用可能にしたり、太陽電池を用いた構成にすることもできる。100V交流電源を利用する場合、ACアダプターを用いて電圧ドロップ、整流した後モーター用電源回路に供給される。ACアダプターは、薬剤揮散装置に内蔵してもよいが、コンセントプラグと一体化すると、プラグと薬剤揮散装置間の電源コードを軽量化できるというメリットを有する。
本発明は、昇華性物質を通気性成型体に封入するとともに、これを前記薬剤担持体に近接して設置し、前記昇華性物質の昇華消失状態を目視することによって、薬剤担持体の使用終点を認知できるようにしたことに特徴を有する。すなわち、電気的制御機構を必要とする液晶表示器に替えて、安価で使いやすく、しかも薬剤担持体の使用終点をほぼ正確に認知できる表示機能を備えた薬剤揮散装置を提供しようとするものである。
昇華性物質としては、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン[商品名:サンサブリ(小川香料株式会社製)]、トリシクロドデカン[商品名:アイサワーD(出光石油化学株式会社製)]、2−ヒドロキシカンファー(慣用名:ボルネオール)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(慣用名:ネオペンチルグリコール)、アダマンタンなどがあげられる。なかでも、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンやアダマンタンが使いやすい。
前記昇華性物質は、板状、棒状、円盤状など各種形状の錠剤に成形したのち、例えば穿孔を設けて通気性が付与されたプラスチック成型体に封入される。この際、表示機能性の点から、昇華性物質は着色されるのが好ましく、昇華性物質の封入量は100mg〜2.0g程度の範囲が適当である。120時間用、240時間用、360時間用など各種用途に応じてプラスチック成型体の通気性を適宜選択し、薬剤担持体に近接して設置すればよい。
プラスチックの材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリアミド(PA)、ポリアセタール、ポリカーボネート、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどがあげられるがこれらに限定されない。昇華性物質を吸着しない点で、ポリエステル、ポリアミドなどが好ましいが、昇華性に支障を来たさない限りにおいて、例えばシーラントとしてポリエチレン、ポリプロピレン使用しても構わない。
プラスチック成型体は、プラスチックフィルムから形成されるのが製造上有利であり、その設置方法としては、例えば、板状の通気性プラスチックフィルム成型体をカートリッジの上面に装填したり、あるいは円盤状の通気性プラスチックフィルム成型体をドーナツ状カートリッジの中央中空部に装填する方式などがあるが、もちろんこれらに限定されない。
本発明は、遠心力及び/又はファンによる風力が作用する状況下での昇華性物質の消失速度が、静置状態における消失速度よりも安定して格段に高いことを利用したものである。すなわち、昇華性物質の消失速度は、モーターの使用期間にほぼ相関するので、昇華性物質の完全な消失をもって薬剤揮散装置の使用終了時点を知らしめることが可能となる。また、薬剤残量表示機能が薬剤担持体とセットになっているため、乾電池の電池残量と無関係に、薬剤担持体を取替えて新たに使用できるという利点を有する。
本発明の薬剤揮散装置は、シンプルで操作が簡単なことを特徴とするが、もちろん製造性やコスト面で許す限り種々の機能を付加しても構わない。
例えば、モーターの駆動と休止のサイクルを繰り返し、薬剤を間欠的に揮散せしめるようにしてもよいし、スイッチオンを示すパイロットランプを別途装填してもよい。
こうして得られた本発明の薬剤揮散装置は、薬剤担持体に作用する遠心力及び/又はファンによる風力に基づき、薬剤を効率的に揮散、放出させ、屋内又は屋外において、蚊や蚋、ハエ、ユスリカなどの各種害虫、あるいはイガ、カツオブシムシなどの衣料害虫に対してすぐれた殺虫、防虫効果を奏する。そして、薬剤担持体に近接して設置した昇華性物質の昇華消失状態を目視するだけで簡単に薬剤担持体の使用終点を認知できるので、極めて有用かつ実用的である。
次に、具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明の薬剤揮散装置を更に詳細に説明する。
図1は本発明の薬剤揮散装置(薬剤担持体が回転するタイプ)の一例の断面図を示す。
薬剤揮散装置1は、薬剤担持体2を収納するカートリッジ3(断面矩形の環状中空構造体で、側面に高さ方向ほぼ全長に幅2mmの開口スリットを3mmおきに具備)とこの内側に配設されたシロッコファン41と、これを回転させて薬剤担持体2に担持させた薬剤を揮散させるモーター5と、電源としての乾電池6を備えている。モーター5を回転させると、遠心力とシロッコファン41による風力が生じ、上面吸気口7から流入した空気はカートリッジ3の内部を通り開口スリットから排気口8を経て流出するが、この空気の流れにのって薬剤担持体2に担持させた薬剤は空中に放散される。
実施例1では、120時間用として、化合物H[4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]50mgを、平均外径が約3mmの粒状発泡セルロースビーズ[商品名:ビスコパール(レンゴー株式会社製)]1.0gに担持させて得られた薬剤担持体2を、外径6.5cm、内径4cm、高さ2cmの環状カートリッジ3に収納した。そして、環状カートリッジ3の上面には、薬剤残量表示器として、青色に着色した板状のサンサブリ400mgを厚さ30μのポリエステルフィルム(1mm2あたりφ0.4mmの孔を穿ち通気性を付与)に収納してなる成型体9を装填した。なお、モーター5として回転数が1200rpm仕様のものを用い、乾電池6は1.5Vの単3電池1個を使用した。
本薬剤揮散装置1にカートリッジ3を装着後スイッチをオンにし、腰に下げて6時間庭仕事に従事した。使用中、蚊やブユに悩まされることがなく、十分な防虫効果が認められた。また、使用経過とともに青色のサンサブリが徐々に減少し、延べ約120時間使用時点で全て消失した。本薬剤揮散装置1は、操作が簡便で薬剤残量表示機能もわかりやすく、極めて実用的であった。
図2は本発明の薬剤揮散装置(薬剤担持体が回転しないタイプ)の一例の断面図を示す。
実施例2では、上下両側に、撚糸状態のポリエステル繊維を用いて二次元のメッシュ状の
薬剤保持繊維層を編成し、当該両側間にナイロン繊維からなる支持連結用繊維層を配置し、全体として上下方向の厚みが3.5mm、外径が4.5cmで、中央部(内径2.0cm)をくり抜いた円盤状の担体を作製した。
実施例1で用いた薬剤の替わりに、化合物A[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート]70mgを担持させ、240時間用の薬剤担持体2とした。青色に着色した外径1.5cmの円盤状のアダマンタン錠剤400mgを通気性ポリエステルフィルムに収納し、この成型体9を薬剤担持体2の中央中空部に装填した後、カートリッジ3に入れた。このカートリッジ3を、軸流ファン42の上方に設置するとともに、実施例1と同様にモーター5や乾電池6を装填して本発明の薬剤揮散装置1を構成した。
本薬剤揮散装置1を犬小屋内にて吊り下げ、1日あたり8時間作動させ、当該作動を約30日間継続したところ、蚊やブユに対して安定した殺虫効力を発揮し、犬は害虫に悩まされることはなかった。また、使用経過とともに青色のアダマンタン錠剤が徐々に減少し、延べ約240時間使用時点で全て消失したので、薬剤担持体2の使用終点を明瞭に認知することができた。
実施例1に準じ、薬剤担持体2を収納するファン付きカートリッジ(断面矩形の環状中空構造体)3と、乾電池6で駆動するモーター5を備えた240時間用の各種薬剤揮散装置を作製し、性能試験を行った。なお、殺虫効力は、dl,d−シス/トランス−アレスリン(ピナミンフォルテ)を含有する蚊取マットを発熱体放熱板温度160℃の条件で蒸散させた時の初期仰転効果を1.00として相対有効比で示した。
Figure 2005160469
本発明の薬剤揮散装置は、240時間の長期にわたり優れた殺虫効力を保持し、昇華性物質の消失によって使用終点を容易に認知することができ、薬剤残量表示機能としてもすぐれていた。
これに対し、比較例1のように、電気的制御機構による液晶表示を具備したものは、終点の表示は正確であるが装置が複雑でコスト高が免れなかった。一方、比較例2の如く、薬剤担持体中の薬剤残量と連動する染料を使用し、色の変化を終点表示に利用するタイプは、240時間後の時点で色調の幅があり、不明瞭であった。従って、本発明の有用性が確認された。
本発明の薬剤揮散装置の一例(薬剤担持体が回転するタイプ)の断面図を示す。 本発明の薬剤揮散装置の一例(薬剤担持体が回転しないタイプ)の断面図を示す。
符号の説明
1:薬剤揮散装置
2:薬剤担持体
3:カートリッジ
41:シロッコファン
42:軸流ファン
5:モーター
6:乾電池
7:吸気口
8:排気口
9:プラスチックフィルム成型体

Claims (6)

  1. 薬剤を担体に担持してなる薬剤担持体を備え、遠心力及び/又はファンによる風力に基づいて前記薬剤担持体から薬剤を揮散させる薬剤揮散装置において、昇華性物質を通気性成型体に封入するとともに、これを前記薬剤担持体に近接して設置し、前記昇華性物質の昇華消失状態を目視することによって、前記薬剤担持体の使用終点を認知できるように構成したことを特徴とする薬剤揮散装置。
  2. 昇華性物質が、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン、又はアダマンタンであることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散装置。
  3. 昇華性物質が着色されていることを特徴とする請求項1又は2記載の薬剤揮散装置。
  4. 薬剤が、一般式(I)
    Figure 2005160469
    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の薬剤揮散装置。
  5. 担体が、上下両側面にメッシュ状の薬剤保持繊維層を有し、その両層間において両層を支持連結している支持連結用繊維層を配置した三次元の立体繊維構造体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の薬剤揮散装置。
  6. 担体が、粒状もしくは略粒状で、その平均外径が2mm〜8mmのセルロース製ビーズであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の薬剤揮散装置。













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