JP2005160469A - 薬剤揮散装置 - Google Patents
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Abstract
【課題の解決手段】薬剤を担体に担持してなる薬剤担持体を備え、遠心力及び/又はファンによる風力に基づいて前記薬剤担持体から薬剤を揮散させる薬剤揮散装置において、昇華性物質を通気性成型体に封入するとともに、これを前記薬剤担持体に近接して設置し、前記昇華性物質の昇華消失状態を目視することによって、前記薬剤担持体の使用終点を認知できるように構成した薬剤揮散装置。
【選択図】図2
Description
最近、液晶表示を用いた製品が市販されているが、電気的制御機構を必要とするため装置が複雑で、コスト高を余儀なくされている。
(1)薬剤を担体に担持してなる薬剤担持体を備え、遠心力及び/又はファンによる風力に基づいて前記薬剤担持体から薬剤を揮散させる薬剤揮散装置において、昇華性物質を通気性成型体に封入するとともに、これを前記薬剤担持体に近接して設置し、前記昇華性物質の昇華消失状態を目視することによって、前記薬剤担持体の使用終点を認知できるように構成した薬剤揮散装置。
(2)昇華性物質が、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン、又はアダマンタンである(1)記載の薬剤揮散装置。
(3)昇華性物質が着色されている(1)又は(2)記載の薬剤揮散装置。
(4)薬剤が、一般式(I)
(5)担体が、上下両側面にメッシュ状の薬剤保持繊維層を有し、その両層間において両層を支持連結している支持連結用繊維層を配置した三次元の立体繊維構造体である(1)ないし(4)のいずれか記載の薬剤揮散装置。
(6)担体が、粒状もしくは略粒状で、その平均外径が2mm〜8mmのセルロース製ビーズである(1)ないし(4)のいずれか記載の薬剤揮散装置。
薬剤の担持に際しては、必要に応じ溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤などを用い、また従来から知られている各種担持手段を採用することができる。更に、薬剤担持体に、安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合してもよい。
薬剤担持体が回転しないタイプの薬剤揮散装置では、回転駆動装置の回転軸と嵌合し得る前記軸受を必ずしも必要としないことはもちろんである。
更に、前記カートリッジの周囲に、スリット状、メッシュ状などの保護バーを装着し、手指などがカートリッジに触れないような構成を好適に採用することができ、この際に前記カートリッジを収納する薬剤揮散装置の一部に前記保護バーの機能を持たせてもよい。
昇華性物質としては、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン[商品名:サンサブリ(小川香料株式会社製)]、トリシクロドデカン[商品名:アイサワーD(出光石油化学株式会社製)]、2−ヒドロキシカンファー(慣用名:ボルネオール)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(慣用名:ネオペンチルグリコール)、アダマンタンなどがあげられる。なかでも、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンやアダマンタンが使いやすい。
プラスチックの材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリアミド(PA)、ポリアセタール、ポリカーボネート、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどがあげられるがこれらに限定されない。昇華性物質を吸着しない点で、ポリエステル、ポリアミドなどが好ましいが、昇華性に支障を来たさない限りにおいて、例えばシーラントとしてポリエチレン、ポリプロピレン使用しても構わない。
例えば、モーターの駆動と休止のサイクルを繰り返し、薬剤を間欠的に揮散せしめるようにしてもよいし、スイッチオンを示すパイロットランプを別途装填してもよい。
こうして得られた本発明の薬剤揮散装置は、薬剤担持体に作用する遠心力及び/又はファンによる風力に基づき、薬剤を効率的に揮散、放出させ、屋内又は屋外において、蚊や蚋、ハエ、ユスリカなどの各種害虫、あるいはイガ、カツオブシムシなどの衣料害虫に対してすぐれた殺虫、防虫効果を奏する。そして、薬剤担持体に近接して設置した昇華性物質の昇華消失状態を目視するだけで簡単に薬剤担持体の使用終点を認知できるので、極めて有用かつ実用的である。
薬剤揮散装置1は、薬剤担持体2を収納するカートリッジ3(断面矩形の環状中空構造体で、側面に高さ方向ほぼ全長に幅2mmの開口スリットを3mmおきに具備)とこの内側に配設されたシロッコファン41と、これを回転させて薬剤担持体2に担持させた薬剤を揮散させるモーター5と、電源としての乾電池6を備えている。モーター5を回転させると、遠心力とシロッコファン41による風力が生じ、上面吸気口7から流入した空気はカートリッジ3の内部を通り開口スリットから排気口8を経て流出するが、この空気の流れにのって薬剤担持体2に担持させた薬剤は空中に放散される。
実施例2では、上下両側に、撚糸状態のポリエステル繊維を用いて二次元のメッシュ状の
薬剤保持繊維層を編成し、当該両側間にナイロン繊維からなる支持連結用繊維層を配置し、全体として上下方向の厚みが3.5mm、外径が4.5cmで、中央部(内径2.0cm)をくり抜いた円盤状の担体を作製した。
実施例1で用いた薬剤の替わりに、化合物A[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート]70mgを担持させ、240時間用の薬剤担持体2とした。青色に着色した外径1.5cmの円盤状のアダマンタン錠剤400mgを通気性ポリエステルフィルムに収納し、この成型体9を薬剤担持体2の中央中空部に装填した後、カートリッジ3に入れた。このカートリッジ3を、軸流ファン42の上方に設置するとともに、実施例1と同様にモーター5や乾電池6を装填して本発明の薬剤揮散装置1を構成した。
これに対し、比較例1のように、電気的制御機構による液晶表示を具備したものは、終点の表示は正確であるが装置が複雑でコスト高が免れなかった。一方、比較例2の如く、薬剤担持体中の薬剤残量と連動する染料を使用し、色の変化を終点表示に利用するタイプは、240時間後の時点で色調の幅があり、不明瞭であった。従って、本発明の有用性が確認された。
2:薬剤担持体
3:カートリッジ
41:シロッコファン
42:軸流ファン
5:モーター
6:乾電池
7:吸気口
8:排気口
9:プラスチックフィルム成型体
Claims (6)
- 薬剤を担体に担持してなる薬剤担持体を備え、遠心力及び/又はファンによる風力に基づいて前記薬剤担持体から薬剤を揮散させる薬剤揮散装置において、昇華性物質を通気性成型体に封入するとともに、これを前記薬剤担持体に近接して設置し、前記昇華性物質の昇華消失状態を目視することによって、前記薬剤担持体の使用終点を認知できるように構成したことを特徴とする薬剤揮散装置。
- 昇華性物質が、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン、又はアダマンタンであることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散装置。
- 昇華性物質が着色されていることを特徴とする請求項1又は2記載の薬剤揮散装置。
- 担体が、上下両側面にメッシュ状の薬剤保持繊維層を有し、その両層間において両層を支持連結している支持連結用繊維層を配置した三次元の立体繊維構造体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の薬剤揮散装置。
- 担体が、粒状もしくは略粒状で、その平均外径が2mm〜8mmのセルロース製ビーズであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の薬剤揮散装置。
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2004
- 2004-10-14 JP JP2004299536A patent/JP2005160469A/ja active Pending
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