JP2004065261A - 間欠式薬剤揮散装置及びこれを用いた害虫防除方法 - Google Patents

間欠式薬剤揮散装置及びこれを用いた害虫防除方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遠心力の作用、好ましくは遠心力とファンによる風力のダブル効果によって、薬剤を効率的に揮散、放出させ、かつ揮散薬剤を有効活用できる薬剤揮散装置、ならびにこれを用いた害虫防除方法の提供。
【課題の解決手段】平均外径が2〜8mmの粒状もしくは略粒状の吸液性担体に25℃における蒸気圧が1〜100mPaの常温揮散性ピレスロイド系薬剤を60〜1300mg含浸させた薬剤含浸体を、側面に通気部を有するカートリッジに収納し、該カートリッジを500〜2000rpmの速度で所定時間回転させ前記薬剤含浸体に作用する遠心力により該薬剤を25m3以下の空間に揮散させた後、該回転を所定時間休止させるサイクルを繰り返し、該薬剤を間欠的に揮散せしめるようになした間欠式薬剤揮散装置、及びこれを用いた害虫防除方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、間欠式薬剤揮散装置及びこれを用いた害虫防除方法に関するものである。
害虫、例えば蚊や蚋などを駆除するために、薬剤を閉鎖空間(建築物や自動車の室内、アウトドアスポーツにおけるテント内など)全体に揮散、放出させる薬剤揮散方法として、熱エネルギーを利用した蚊取線香や電気蚊取マット、液体式電気蚊取(リキッド)が一般的である。一方、電源として電池を用い、常温で薬剤含浸体にファン等の風をあてて薬剤を揮散、放出させる送風式薬剤揮散装置も、携帯用として実用化されている。しかしながら、後者の送風式薬剤揮散装置のうち、薬剤含浸体を装置に固定しファンの風力のみで薬剤を揮散させるものは揮散が十分効率的とはいえない。
そこで、本発明者らは、特開2001−247406号公報において、薬剤含浸体を収納するカートリッジをモーターで回転させ、この遠心力の作用、好ましくはこの遠心力とファンによる風力によって、薬剤を一層効率的に揮散、放出させる薬剤揮散方法を開示した。この方式は、薬剤含浸体の揮散効率を飛躍的に向上させたが、これを含め、従来の送風式薬剤揮散装置は、全て薬剤を連続的に揮散、放出させる設計のため、比較的狭い空間では有効薬剤濃度を超えて揮散が継続し不経済なケースも見受けられた。
また、特開平11−308955号公報には、送風休止期間を送風期間よりも10倍以上長くした間欠式の害虫防除装置が開示されているが、薬剤保持体は固定タイプであり、前述のとおり効率的な揮散性能が期待できないものである。
特開2001−247406号公報 特開平11−308955号公報
本発明は、遠心力の作用、好ましくは遠心力とファンによる風力のダブル効果によって薬剤を効率的に揮散、放出させ、かつ揮散薬剤を有効活用できる薬剤揮散装置、ならびにこれを用いた害虫防除方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは、薬剤含浸体を収納するカートリッジをモーターで回転させ、この遠心力の作用、好ましくはこの遠心力とファンによる風力のダブル効果によって、薬剤を効率的に揮散、放出させる薬剤揮散方式を駆使する一方、薬剤を有効利用するために、モーターの回転と休止を繰り返し該薬剤を間欠的に揮散せしめることによって、目的の間欠式薬剤揮散装置、及びこれを用いた害虫防除方法が得られることを知見し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するために、次のような構成を採用する。
(1)平均外径が2〜8mmの粒状もしくは略粒状の吸液性担体に25℃における蒸気圧が1〜100mPaの常温揮散性ピレスロイド系薬剤を60〜1300mg含浸させた薬剤含浸体を、側面に通気部を有するカートリッジに収納し、該カートリッジを500〜2000rpmの速度で所定時間回転させ前記薬剤含浸体に作用する遠心力により該薬剤を25m3以下の空間に揮散させた後、該回転を所定時間休止させるサイクルを繰り返し、該薬剤を間欠的に揮散せしめるようになした間欠式薬剤揮散装置。
(2)カートリッジの内周側にファンを一体的に装てんし、遠心力とファンによる風力によって、常温揮散性ピレスロイド系薬剤を揮散せしめるようになした(1)記載の間欠式薬剤揮散装置。
(3)常温揮散性ピレスロイド系薬剤が、エムペントリン、テフラメトリン及び一般式(I)
Figure 2004065261


(式中、X及びYは同一又は相異なって水素原子、メチル基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を表し、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上である(1)又は(2)記載の間欠式薬剤揮散装置。
(4)平均外径が2〜8mmの粒状もしくは略粒状の吸液性担体に25℃における蒸気圧が1〜100mPaの常温揮散性ピレスロイド系薬剤を60〜1300mg含浸させた薬剤含浸体を、側面に通気部を有するカートリッジに収納し、該カートリッジを500〜2000rpmの速度で所定時間回転させ前記薬剤含浸体に作用する遠心力により該薬剤を25m3以下の空間に揮散させた後、該回転を所定時間休止させるサイクルを繰り返し、該薬剤を間欠的に揮散せしめるようになした間欠式薬剤揮散装置を前記空間で施用する害虫防除方法。
本発明の間欠式薬剤揮散装置は、薬剤含浸体を収納するカートリッジをモーターで回転させ、この遠心力の作用、好ましくはこの遠心力とファンによる風力のダブル効果によって、薬剤を効率的に揮散、放出させる一方、モーターの回転と休止を繰り返し間欠的に揮散を制御するので薬剤の有効利用が可能となる。そして、これを用いた本発明の害虫防除方法によれば、洋服タンスやクローゼットなどのイガ、カツオブシムシなどの衣料害虫、また屋内の蚊や蚋、ハエ、ユスリカなどの各種害虫に対してすぐれた殺虫、防虫効果が得られるので、極めて有用かつ実用的である。
本発明の間欠式薬剤揮散装置は、屋内使用を主用途とし、特に安定した薬剤揮散性能と経済性の確保を重視してACアダプターを用い交流電源を優先的に使用するが、交流電源が得られない場面では乾電池の使用も可能とした設計になっている。もちろん、電源として乾電池のみを使用する方式を採用してもよいが、装置の構成がシンプルとなる反面、通常3〜6ケ月にわたる使用期間中、消費者が乾電池を取替えなくてもよいように仕様を設計する必要がある。
かかる状況のもとで、本発明の間欠式薬剤揮散装置には、薬剤含浸体を収納するカートリッジが備えられ、これを回転させて前記薬剤を揮散せしめる方式を採用する。
薬剤含浸体の材質としては吸液性担体が用いられ、例えば紙、パルプ、ビスコースなどのセルロース系担体、エチレン−酢酸ビニール系樹脂、オレフィンポリマーなどの合成樹脂担体、ケイ酸カルシウムなどの無機質担体などがあげられる。なかでも、天然由来の紙、パルプ、ビスコースなどのセルロース系担体が好ましく、これらを粒状もしくは略粒状で、その平均外径が2mm〜8mm程度となるように形成したものが使用される。特に、発泡セルロースビーズ[商品名:ビスコパール(レンゴー株式会社製)]が使いやすく、薬剤含浸量を高めた材質のものも入手可能である。
本発明で用いられる薬剤としては、25℃における蒸気圧が1〜100mPaの常温揮散性ピレスロイド系薬剤が用いられ、このような薬剤としては、例えば、エムペントリン、テフラメトリン及び一般式(I)
Figure 2004065261


(式中、X及びYは同一又は相異なって水素原子、メチル基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を表し、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物を例示することができる。
 一般式(I)で表される化合物の具体例としては、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Aと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Bと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Cと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Dと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Eと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Fと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Gと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Hと称す)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Iと称す)、又は4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Jと称す)をあげることができる。これらの化合物は一種類を使用してもよいし、又は二種類以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。なお、一般式(I)で表される化合物には、その不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、これらの各々やそれらの任意の混合物の使用も本発明に含まれるのは勿論である。
本発明では、カートリッジあたり、前記吸液性担体(通常1〜3g、好ましくは1〜2g)に前述の薬剤を全体で60〜1300mg、好ましくは60〜600mg含浸させる。薬剤の含浸量が60mgより少ないと、殺虫効力の持続性に不足を生じる場合がある。一方、含浸量の最大量は吸液性担体の吸液能から1300mg以下であり、薬剤揮散性等を考慮して600mg以下が好ましい。
薬剤の含浸に際しては、必要に応じ溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤などを用い、また従来から知られている各種含浸手段を採用することができる。更に、前記薬剤含浸体に、安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合してもよく、また薬剤組成物に、揮散性能に支障をきたさない程度において、揮散性の高い他の殺虫、忌避成分(例えば、ヒノキチオール、カルボン、サフロール、シトロネロール、ケイ皮アルデヒドなどの防虫香料など)、殺ダニ剤、防薇剤、殺菌剤、消臭剤などを添加して多目的組成物とすることもできる。
本発明で使用するカートリッジは側面に通気部を有する。その設置方法としては、例えば開口スリットを多数並設する方法や、並設したホルダーにネットを固定して構成する方法などがあるがこれらに限定されるものではない。但し、薬剤の凝縮が揮散性能に影響を及ぼさないよう充分な通気性を確保すると同時に、薬剤含浸体の散逸を防止するために、開口スリットの場合、スリット幅を1mm以上でかつ薬剤含浸体の平均外径の0.7倍以下とするのが好ましい。一方ネットの場合、線間距離は、例えば1mm以上でかつ薬剤含浸体の平均外径の0.7倍以下に設定するのがよい。
前記カートリッジの形状や大きさは、薬剤含浸体収納部の構造を考慮して任意に決定することができる。本発明の間欠式薬剤揮散布装置は、前記薬剤含浸体に遠心力が作用して薬剤の揮散効率を高めえるものであるが、例えばカートリッジの内周側にファンを装てんして、ファンによる風力を付与する構成を採用するのが好ましい。前記カートリッジの周囲に、スリット状、メッシュ状などの保護バーを装着し、指などが回転するカートリッジに触れないような構成を好適に採用することができ、この際に前記カートリッジを収納する薬剤揮散装置の一部に前記保護バーの機能を持たせてもよい。また、使用前に、カートリッジに収納した薬剤含浸体から薬剤が揮散することを防止するため、カートリッジの通気部に遮蔽部材(例えば、シールテープなど)を貼付してもよく、かかる遮蔽部材は、通常使用直前に剥離される。
本発明で用いるモーターの仕様は、DC2.0V〜6.0V駆動で、500〜2000rpmの回転数を与えるものであり、例えば100Vの交流電源は、ACアダプターを用いて電圧ドロップ、整流した後モーター用電源回路に供給される。ACアダプターは、間欠式薬剤揮散装置に内蔵してもよいが、コンセントプラグと一体化すると、プラグと薬剤揮散装置間の電源コードを軽量化できるというメリットを有する。また、電源コードの先端プラグを薬剤揮散装置のコネクターと取り外し可能に構成することもできる。
本発明では、ファン(送風機構)を装てんするのが好ましく、その形状や大きさは特に限定されないが、揮散性能の点からシロッコファンが好適である。そして、カートリッジを回転させる本発明の方式では、カートリッジの内周側にシロッコファンを配設するとともにこれらを一体化させたものが成型上有利である。
本発明の間欠式薬剤揮散装置は、所定時間回転させ前記薬剤含浸体に作用する遠心力により該薬剤を25m3以下、好ましくは15m3以下の空間に揮散させた後、該回転を所定時間休止させるサイクルを繰り返し、該薬剤を間欠的に揮散せしめるようになしたことに特徴を有する。
 すなわち、モーターを回転させて処理空間が有効薬剤濃度に達した後は、回転を休止させても有効薬剤濃度に近い値を維持できることによるものである。所定の回転時間と所定の休止時間は、薬剤揮散装置が使用される場所、用途などによって適宜設定することができ、例えば1日に1時間オン/23時間オフ、3時間オン/21時間オフ、12時間に30分オン/11.5時間オフ、1時間に10分オン/50分オフなどで行うことができる。
本発明の間欠式薬剤揮散装置には、上記間欠揮散のプログラムを制御するCPU(中央処理装置)やメモリーを内蔵し、更に液晶による目視可能な(1)薬剤残量表示機能、(2)乾電池の残量表示機能を備えるのが好ましい。
薬剤残量表示機能の制御方式としては種々可能であり、例えば所定量以上の電圧下でモーターが作動する際に固有の周波パルスを発振するRC発振回路を内蔵し、この発振パルスの感知とこれに基づくモーター作動時間の計測、ならびに薬剤残量への変換を制御する方式を採用することができる。通常、メモリーを備え、タイマーのデータは電源を切っても消失しないように保存される。また、カートリッジの取替え後にリセットスイッチを押せば、モーター作動時間の計測プログラムがリセットされる。
薬剤残量液晶表示器の形状や表示デザインも任意で、例えばカートリッジの種別に対応した個数の棒状の液晶表示器を設けてもよいし、一個の液晶表示器で切り替え可能に表示するようにしてもよい。
本発明の間欠式薬剤揮散装置では、モーター、CPU、メモリー、液晶表示器用電源として、例えばAC100VにACアダプターを介し半波整流、電圧ドロップ、抵抗、コンデンサー等により作成した3.0〜6.0Vの直流電源、あるいは3.0〜6.0Vの乾電池を用いるが、好ましくは、AC/DC判別回路を内蔵し、AC電源から作成した直流電源を優先的に使用する。このため、例えばACアダプターの先端プラグが薬剤揮散装置のコネクターに接続されると同時に、乾電池からの電源供給が遮断される回路を配設しうる。ここで、モーター作動用電圧を例えば2.0V〜3.0Vとした場合のCPUの制御プログラムを例示すると以下の如くである。
(1)AC電源の場合:乾電池の未使用表示(又full表示)の制御、カートリッジの種別の識別とその液晶表示の制御、薬剤残量表示機能の制御、間欠揮散のプログラム制御、
(2)乾電池電源の場合:乾電池の残量電圧の計測とその液晶表示の制御(2.0V未満の場合警告表示)、カートリッジの種別の識別とその液晶表示の制御、薬剤残量表示機能の制御、間欠揮散のプログラム制御。
なお、乾電池の残量電圧については、電圧低下判別回路を内蔵し、CPUが電圧の認識と計測を行うようにすればよい。そして、その液晶表示器の形状や表示デザインは何ら限定されず、前述の薬剤残量液晶表示器と一体化されていても別体であっても構わない。
こうして得られた本発明の間欠式薬剤揮散装置は、薬剤含浸体を収納するカートリッジをモーターで回転させ、この遠心力の作用、好ましくはこの遠心力とファンによる風力のダブル効果によって、薬剤を効率的に揮散、放出させる一方、モーターの回転と休止を繰り返し間欠的に揮散を制御するので薬剤の有効利用が可能となる。そして、これを用いた本発明の害虫防除方法によれば、洋服タンスやクローゼットなどのイガ、カツオブシムシなどの衣料害虫、また屋内の蚊や蚋、ハエ、ユスリカなどの各種害虫に対してすぐれた殺虫、防虫効果が得られるので、極めて有用かつ実用的である。
次に、具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明の間欠式薬剤揮散装置、及びこれを用いた害虫防除方法を更に詳細に説明する。
 図1は本発明の間欠式薬剤揮散装置の一例の斜視図を、図2はその断面図を示す。
 間欠式薬剤揮散装置1は、薬剤含浸体2を収納する環状カートリッジ3とこの内側に配設されたシロッコファン4と、これらを回転させて薬剤含浸体2に含浸させた薬剤を揮散させるモーター5を備えている。モーター5を回転させると、遠心力とシロッコファン4による風力が生じ、上面吸気口6から流入した空気はカートリッジ3の内部を通り開口スリット(図示せず)から排気口7を経て流出するが、この空気の流れにのって薬剤含浸体2に含浸させた薬剤は空中に放散される。間欠式薬剤揮散装置1は、電源としてACアダプター8を介する交流電源(電源コード9及びコネクター10に接続)と乾電池11を両用し、外表面には電源スイッチ12、目視可能な棒状タイプの薬剤残量液晶表示器13や乾電池残量液晶表示器14、リセットスイッチ15が付設されている。これらはCPU用電源回路基盤16やモーター用電源回路基盤17に接続し制御される。また、モーター用電源回路基盤17には、モーター5の回転のオン/オフを制御するプログラムが組み込まれている。
本実施例では、6ケ月用として、化合物B[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]150mgを、平均外径が約3mmの粒状発泡セルロースビーズ[商品名:ビスコパール(レンゴー株式会社製)]1.2gに含浸させて得られた薬剤含浸体2を、外径6.5cm、内径4cm、高さ2cmの環状カートリッジ3に収納した。なお、環状カートリッジ3は、側面に高さ方向ほぼ全長に幅2mmの開口スリットを3mmおきに備えている。
また、本実施例の間欠式薬剤揮散装置1は、モーター作動用電源がDC3.0Vで、薬剤残量液晶表示器13がカートリッジの有効使用時間として6ケ月を示し、モーター5の回転数が1400rpm仕様のものを用いた。
本間欠式薬剤揮散装置1に6ケ月用カートリッジ3を装填し、6m3のクローゼットで使用した。ACアダプター8を100V電源に接続して電源スイッチ12をオンにしたところ、モーター5が「回転3時間オン/21時間オフ」の制御プログラムに従って作動した。
本間欠式薬剤揮散装置1は、遠心力の作用とファンによる風力のダブル効果でクローゼット内の薬剤拡散性にすぐれ、間欠的な揮散にもかかわらず6ケ月にわたりイガ、コイガ、カツオブシムシなどの衣料害虫の防除に有効で、薬剤の使用を効率的に節約できるというメリットが大きかった。更に、6ケ月後、棒状の液晶が「残量0日」を示し表示機能としても優れていた。
実施例1の粒状薬剤含浸体2の替わりに、化合物G[4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート]180mgを、平均外径が約5mmの粒状ケイ酸カルシウムビーズ3.5gに含浸させて得られた薬剤含浸体2[3ケ月用]を、実施例1で用いた仕様の環状カートリッジ3に収納した。またモーター作動用電源の電圧を6.0Vとした以外は、薬剤残量液晶表示器13や、モーター5の仕様は実施例1と同様にして本発明の間欠式薬剤揮散装置1を得た。
ACアダプターを使用せず、本間欠式薬剤揮散装置1にカートリッジ3を装填後、15m3のゴミ置き室の壁にセットした。電源スイッチ12をオンにしたところ、モーター5が「回転10分オン/50分オフ」の制御プログラムに従って作動した。モーター5の回転開始直後に、薬剤残量液晶表示器13が「3ケ月用」を識別表示した。また、乾電池残量液晶表示器14も作動し、「5.6V」であることを表示した。本間欠式薬剤揮散装置1は、制御プログラムどおり効率的に薬剤を揮散させ、このゴミ置き室では3ケ月間にわたり、イエバエ、コバエなどのハエ類、蚊、ユスリカなどの害虫の発生を見ることはなかった。また、3ケ月後に液晶表示器13がはっきりとカートリッジ3の交換時期を示したので、新しいカートリッジ3を入れ替えリセットスイッチ15を押して使用を継続した。
実施例1の粒状薬剤含浸体2の替わりに、化合物E[4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]200mgを、平均外径が約3mmの粒状発泡セルロースビーズ[商品名:ビスコパール(レンゴー株式会社製)]1.2gに含浸させて薬剤含浸体2を得た。この薬剤含浸体2を、外径6.5cm、内径4cm、高さ1cmの環状カートリッジ3(内側にシロッコファンを装てんせず)に収納し、乾電池11(単3電池2個:3V)のみでモーターを作動させるタイプの本発明の間欠式薬剤揮散装置1を得た。
本間欠式薬剤揮散装置1は、「回転30分オン/11.5時間オフ」の制御プログラムに従って作動した。9m3のクローゼットで使用したところ、モーターの作動時間はほぼ6ケ月間で、この間衣料害虫の防除に有効であった。
実施例1及び実施例2に準じ、モーター作動用電源がDC3.0Vで、薬剤残量液晶表示器13がカートリッジの有効使用時間として6ケ月間を示す各種薬剤揮散装置を作製した。なお、乾電池11を用いる場合は、単3電池2個(計3V)とした。
6m3のクローゼットで6ケ月間使用し、定期的に衣類上にイガ幼虫を放飼して薬剤揮散装置の食害防止効果を調べた。結果は、○、△、×で評価し、併せて表1に示した。
Figure 2004065261

本発明の間欠式薬剤揮散装置は、6ケ月間の長期にわたり優れた防虫効力を保持し、例えば本発明例3と比較例2及び3の対比から、間欠揮散によっても約1/4の薬剤量で連続揮散の場合と同等の防虫効力を得ることができ、極めて効率的かつ経済的であった。
これに対し、比較例1のように蒸気圧が1mPa未満の有効成分では本発明の薬剤揮散システムに合致せず、比較例4の如く薬剤含浸量が60mgより少ないと防虫効力が長期間持続しなかった。また、比較例5及び6に示されるように、薬剤含浸体の担体外径が2mm未満であると粒状物がカートリッジから散逸する恐れがあるばかりでなく防虫効力の持続性が劣り、一方8mmより大きいと薬剤の担体内部から表面への移行性が悪く揮散性能に影響があった。更に、比較例7及び8から明らかなように、カートリッジの回転数が500rpm未満の場合、揮散効率が低く、一方2000rpmを超えるとモーターの耐久性に問題を生じ好ましくなかった。次に比較例9ないし11では、カートリッジを回転させず薬剤含浸体を固定した従来型の薬剤揮散装置について間欠揮散の効果を調べた。その結果、ファンの風力だけでは連続揮散でも薬剤の揮散効率が劣り、間欠揮散によって含浸薬剤量の低減化を図ることはできなかった。
本発明の間欠式薬剤揮散装置は、薬剤含浸体を収納するカートリッジをモーターで回転させ、この遠心力の作用、好ましくはこの遠心力とファンによる風力のダブル効果によって、薬剤を効率的に揮散、放出させる一方、モーターの回転と休止を繰り返し間欠的に揮散を制御するので薬剤の有効利用が可能となる。従って、洋服タンスやクローゼットなどのイガ、カツオブシムシなどの衣料害虫、また屋内の蚊や蚋、ハエ、ユスリカなどの各種害虫に対する殺虫、防虫用以外の用途でも実用化が可能である。
本発明の間欠式薬剤揮散装置の一例の斜視図を示す。 その断面図を示す。
符号の説明
1:薬剤揮散装置、
2:薬剤含浸体、
3:カートリッジ、
4:シロッコファン、
5:モーター、
6:吸気口、
7:排気口、
8:ACアダプター、
9:電源コード、
10:コネクター、
11:乾電池、
12:電源スイッチ、
13:薬剤残量液晶表示器、
14:乾電池残量液晶表示器、
15:リセットスイッチ、
16:CPU用電源回路基盤、
17:モーター用電源回路基盤、

Claims (4)

  1. 平均外径が2〜8mmの粒状もしくは略粒状の吸液性担体に、25℃における蒸気圧が1〜100mPaの常温揮散性ピレスロイド系薬剤を60〜1300mg含浸させた薬剤含浸体を、側面に通気部を有するカートリッジに収納し、該カートリッジを500〜2000rpmの速度で所定時間回転させ前記薬剤含浸体に作用する遠心力により該薬剤を25m3以下の空間に揮散させた後、該回転を所定時間休止させるサイクルを繰り返し、該薬剤を間欠的に揮散せしめるようになしたことを特徴とする間欠式薬剤揮散装置。
  2. カートリッジの内周側にファンを一体的に装てんし、遠心力とファンによる風力によって、常温揮散性ピレスロイド系薬剤を揮散せしめるようになしたことを特徴とする請求項1に記載の間欠式薬剤揮散装置。
  3. 常温揮散性ピレスロイド系薬剤が、エムペントリン、テフラメトリン及び一般式(I)
    Figure 2004065261


    (式中、X及びYは同一又は相異なって水素原子、メチル基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を表し、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の間欠式薬剤揮散装置。
  4. 平均外径が2〜8mmの粒状もしくは略粒状の吸液性担体に、25℃における蒸気圧が1〜100mPaの常温揮散性ピレスロイド系薬剤を60〜1300mg含浸させた薬剤含浸体を、側面に通気部を有するカートリッジに収納し、該カートリッジを500〜2000rpmの速度で所定時間回転させ前記薬剤含浸体に作用する遠心力により該薬剤を25m3以下の空間に揮散させた後、該回転を所定時間休止させるサイクルを繰り返し、該薬剤を間欠的に揮散せしめるようになした間欠式薬剤揮散装置を前記空間で施用することを特徴とする害虫防除方法。
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