JP2004065261A - 間欠式薬剤揮散装置及びこれを用いた害虫防除方法 - Google Patents
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Abstract
【課題の解決手段】平均外径が2〜8mmの粒状もしくは略粒状の吸液性担体に25℃における蒸気圧が1〜100mPaの常温揮散性ピレスロイド系薬剤を60〜1300mg含浸させた薬剤含浸体を、側面に通気部を有するカートリッジに収納し、該カートリッジを500〜2000rpmの速度で所定時間回転させ前記薬剤含浸体に作用する遠心力により該薬剤を25m3以下の空間に揮散させた後、該回転を所定時間休止させるサイクルを繰り返し、該薬剤を間欠的に揮散せしめるようになした間欠式薬剤揮散装置、及びこれを用いた害虫防除方法。
【選択図】図1
Description
また、特開平11−308955号公報には、送風休止期間を送風期間よりも10倍以上長くした間欠式の害虫防除装置が開示されているが、薬剤保持体は固定タイプであり、前述のとおり効率的な揮散性能が期待できないものである。
(1)平均外径が2〜8mmの粒状もしくは略粒状の吸液性担体に25℃における蒸気圧が1〜100mPaの常温揮散性ピレスロイド系薬剤を60〜1300mg含浸させた薬剤含浸体を、側面に通気部を有するカートリッジに収納し、該カートリッジを500〜2000rpmの速度で所定時間回転させ前記薬剤含浸体に作用する遠心力により該薬剤を25m3以下の空間に揮散させた後、該回転を所定時間休止させるサイクルを繰り返し、該薬剤を間欠的に揮散せしめるようになした間欠式薬剤揮散装置。
(2)カートリッジの内周側にファンを一体的に装てんし、遠心力とファンによる風力によって、常温揮散性ピレスロイド系薬剤を揮散せしめるようになした(1)記載の間欠式薬剤揮散装置。
(3)常温揮散性ピレスロイド系薬剤が、エムペントリン、テフラメトリン及び一般式(I)
(式中、X及びYは同一又は相異なって水素原子、メチル基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を表し、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上である(1)又は(2)記載の間欠式薬剤揮散装置。
(4)平均外径が2〜8mmの粒状もしくは略粒状の吸液性担体に25℃における蒸気圧が1〜100mPaの常温揮散性ピレスロイド系薬剤を60〜1300mg含浸させた薬剤含浸体を、側面に通気部を有するカートリッジに収納し、該カートリッジを500〜2000rpmの速度で所定時間回転させ前記薬剤含浸体に作用する遠心力により該薬剤を25m3以下の空間に揮散させた後、該回転を所定時間休止させるサイクルを繰り返し、該薬剤を間欠的に揮散せしめるようになした間欠式薬剤揮散装置を前記空間で施用する害虫防除方法。
薬剤含浸体の材質としては吸液性担体が用いられ、例えば紙、パルプ、ビスコースなどのセルロース系担体、エチレン−酢酸ビニール系樹脂、オレフィンポリマーなどの合成樹脂担体、ケイ酸カルシウムなどの無機質担体などがあげられる。なかでも、天然由来の紙、パルプ、ビスコースなどのセルロース系担体が好ましく、これらを粒状もしくは略粒状で、その平均外径が2mm〜8mm程度となるように形成したものが使用される。特に、発泡セルロースビーズ[商品名:ビスコパール(レンゴー株式会社製)]が使いやすく、薬剤含浸量を高めた材質のものも入手可能である。
(式中、X及びYは同一又は相異なって水素原子、メチル基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を表し、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物を例示することができる。
薬剤の含浸に際しては、必要に応じ溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤などを用い、また従来から知られている各種含浸手段を採用することができる。更に、前記薬剤含浸体に、安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合してもよく、また薬剤組成物に、揮散性能に支障をきたさない程度において、揮散性の高い他の殺虫、忌避成分(例えば、ヒノキチオール、カルボン、サフロール、シトロネロール、ケイ皮アルデヒドなどの防虫香料など)、殺ダニ剤、防薇剤、殺菌剤、消臭剤などを添加して多目的組成物とすることもできる。
すなわち、モーターを回転させて処理空間が有効薬剤濃度に達した後は、回転を休止させても有効薬剤濃度に近い値を維持できることによるものである。所定の回転時間と所定の休止時間は、薬剤揮散装置が使用される場所、用途などによって適宜設定することができ、例えば1日に1時間オン/23時間オフ、3時間オン/21時間オフ、12時間に30分オン/11.5時間オフ、1時間に10分オン/50分オフなどで行うことができる。
薬剤残量表示機能の制御方式としては種々可能であり、例えば所定量以上の電圧下でモーターが作動する際に固有の周波パルスを発振するRC発振回路を内蔵し、この発振パルスの感知とこれに基づくモーター作動時間の計測、ならびに薬剤残量への変換を制御する方式を採用することができる。通常、メモリーを備え、タイマーのデータは電源を切っても消失しないように保存される。また、カートリッジの取替え後にリセットスイッチを押せば、モーター作動時間の計測プログラムがリセットされる。
薬剤残量液晶表示器の形状や表示デザインも任意で、例えばカートリッジの種別に対応した個数の棒状の液晶表示器を設けてもよいし、一個の液晶表示器で切り替え可能に表示するようにしてもよい。
(1)AC電源の場合:乾電池の未使用表示(又full表示)の制御、カートリッジの種別の識別とその液晶表示の制御、薬剤残量表示機能の制御、間欠揮散のプログラム制御、
(2)乾電池電源の場合:乾電池の残量電圧の計測とその液晶表示の制御(2.0V未満の場合警告表示)、カートリッジの種別の識別とその液晶表示の制御、薬剤残量表示機能の制御、間欠揮散のプログラム制御。
なお、乾電池の残量電圧については、電圧低下判別回路を内蔵し、CPUが電圧の認識と計測を行うようにすればよい。そして、その液晶表示器の形状や表示デザインは何ら限定されず、前述の薬剤残量液晶表示器と一体化されていても別体であっても構わない。
間欠式薬剤揮散装置1は、薬剤含浸体2を収納する環状カートリッジ3とこの内側に配設されたシロッコファン4と、これらを回転させて薬剤含浸体2に含浸させた薬剤を揮散させるモーター5を備えている。モーター5を回転させると、遠心力とシロッコファン4による風力が生じ、上面吸気口6から流入した空気はカートリッジ3の内部を通り開口スリット(図示せず)から排気口7を経て流出するが、この空気の流れにのって薬剤含浸体2に含浸させた薬剤は空中に放散される。間欠式薬剤揮散装置1は、電源としてACアダプター8を介する交流電源(電源コード9及びコネクター10に接続)と乾電池11を両用し、外表面には電源スイッチ12、目視可能な棒状タイプの薬剤残量液晶表示器13や乾電池残量液晶表示器14、リセットスイッチ15が付設されている。これらはCPU用電源回路基盤16やモーター用電源回路基盤17に接続し制御される。また、モーター用電源回路基盤17には、モーター5の回転のオン/オフを制御するプログラムが組み込まれている。
また、本実施例の間欠式薬剤揮散装置1は、モーター作動用電源がDC3.0Vで、薬剤残量液晶表示器13がカートリッジの有効使用時間として6ケ月を示し、モーター5の回転数が1400rpm仕様のものを用いた。
本間欠式薬剤揮散装置1は、遠心力の作用とファンによる風力のダブル効果でクローゼット内の薬剤拡散性にすぐれ、間欠的な揮散にもかかわらず6ケ月にわたりイガ、コイガ、カツオブシムシなどの衣料害虫の防除に有効で、薬剤の使用を効率的に節約できるというメリットが大きかった。更に、6ケ月後、棒状の液晶が「残量0日」を示し表示機能としても優れていた。
本間欠式薬剤揮散装置1は、「回転30分オン/11.5時間オフ」の制御プログラムに従って作動した。9m3のクローゼットで使用したところ、モーターの作動時間はほぼ6ケ月間で、この間衣料害虫の防除に有効であった。
6m3のクローゼットで6ケ月間使用し、定期的に衣類上にイガ幼虫を放飼して薬剤揮散装置の食害防止効果を調べた。結果は、○、△、×で評価し、併せて表1に示した。
これに対し、比較例1のように蒸気圧が1mPa未満の有効成分では本発明の薬剤揮散システムに合致せず、比較例4の如く薬剤含浸量が60mgより少ないと防虫効力が長期間持続しなかった。また、比較例5及び6に示されるように、薬剤含浸体の担体外径が2mm未満であると粒状物がカートリッジから散逸する恐れがあるばかりでなく防虫効力の持続性が劣り、一方8mmより大きいと薬剤の担体内部から表面への移行性が悪く揮散性能に影響があった。更に、比較例7及び8から明らかなように、カートリッジの回転数が500rpm未満の場合、揮散効率が低く、一方2000rpmを超えるとモーターの耐久性に問題を生じ好ましくなかった。次に比較例9ないし11では、カートリッジを回転させず薬剤含浸体を固定した従来型の薬剤揮散装置について間欠揮散の効果を調べた。その結果、ファンの風力だけでは連続揮散でも薬剤の揮散効率が劣り、間欠揮散によって含浸薬剤量の低減化を図ることはできなかった。
2:薬剤含浸体、
3:カートリッジ、
4:シロッコファン、
5:モーター、
6:吸気口、
7:排気口、
8:ACアダプター、
9:電源コード、
10:コネクター、
11:乾電池、
12:電源スイッチ、
13:薬剤残量液晶表示器、
14:乾電池残量液晶表示器、
15:リセットスイッチ、
16:CPU用電源回路基盤、
17:モーター用電源回路基盤、
Claims (4)
- 平均外径が2〜8mmの粒状もしくは略粒状の吸液性担体に、25℃における蒸気圧が1〜100mPaの常温揮散性ピレスロイド系薬剤を60〜1300mg含浸させた薬剤含浸体を、側面に通気部を有するカートリッジに収納し、該カートリッジを500〜2000rpmの速度で所定時間回転させ前記薬剤含浸体に作用する遠心力により該薬剤を25m3以下の空間に揮散させた後、該回転を所定時間休止させるサイクルを繰り返し、該薬剤を間欠的に揮散せしめるようになしたことを特徴とする間欠式薬剤揮散装置。
- カートリッジの内周側にファンを一体的に装てんし、遠心力とファンによる風力によって、常温揮散性ピレスロイド系薬剤を揮散せしめるようになしたことを特徴とする請求項1に記載の間欠式薬剤揮散装置。
- 平均外径が2〜8mmの粒状もしくは略粒状の吸液性担体に、25℃における蒸気圧が1〜100mPaの常温揮散性ピレスロイド系薬剤を60〜1300mg含浸させた薬剤含浸体を、側面に通気部を有するカートリッジに収納し、該カートリッジを500〜2000rpmの速度で所定時間回転させ前記薬剤含浸体に作用する遠心力により該薬剤を25m3以下の空間に揮散させた後、該回転を所定時間休止させるサイクルを繰り返し、該薬剤を間欠的に揮散せしめるようになした間欠式薬剤揮散装置を前記空間で施用することを特徴とする害虫防除方法。
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JP2006325585A (ja) * | 2005-04-25 | 2006-12-07 | Earth Chem Corp Ltd | 蒸散材、吸血害虫の吸血前行動低下剤および蒸散方法 |
JP2016026495A (ja) * | 2015-09-16 | 2016-02-18 | 大日本除蟲菊株式会社 | ゴキブリ侵入防止用薬剤揮散装置 |
WO2016070306A1 (zh) * | 2014-11-03 | 2016-05-12 | 创天昱科技(深圳)有限公司 | 芳香油挥发装置 |
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2003
- 2003-07-25 JP JP2003279500A patent/JP2004065261A/ja active Pending
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