JPWO2006030882A1 - 薬剤揮散装置 - Google Patents

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勝田 純郎
純郎 勝田
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Abstract

メッシュ状薬剤保持繊維と、他の薬剤保持繊維との配置に基づき、薬剤保持機能を有するだけではなく、薬剤揮散効果を向上し得るような薬剤保持体を有している薬剤揮散装置の構成を提供することを課題とし、繊維を素材とする薬剤保持体1を回転駆動装置によって回転させる薬剤揮散装置であって、薬剤保持体1の上下両側面に、二次元方向に規則的に配列されているメッシュ状薬剤保持繊維2を配置すると共に、各メッシュの単位を形成している上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維2との間において、曲げ弾性を有することによって、上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維2を所定の間隔を以って支持し、かつ連結している支持連結用薬剤保持繊維3を複数本配置したことによる薬剤保持体1を採用したことに基づき、前記課題を達成することができる薬剤揮散装置。

Description

本発明は、二次元のメッシュ形状による薬剤保持繊維を有し、かつ回転可能な薬剤保持体を構成要素としている薬剤揮散装置に関するものである。
本出願人の出願である特開2001−247406号公報においては、粒状の薬剤含浸体を収納するカートリッジをモーターで回転させ、その遠心力とファンによる風力によって薬剤を効率的に揮散、放出させる薬剤揮散方法が提唱されている。当該方法による構成は、揮散性能や害虫防除効果に優れ極めて有用性の高いものであるが、薬剤含浸体を収納する回転体としてのカートリッジを必要とし、特に洋服タンスやクローゼットなどの衣料防虫用途として構造がシンプルとは言えないという難点があった。
このような状態を考慮し、出願人は、回転に際し、通気が可能である空隙を有している板状体に薬剤を含浸させ、単数又は複数の当該板状体の薬剤保持体によって形成された回転体に対する回転駆動装置を設けたことによる薬剤揮散装置による構成を先願として既に御庁に出願している(特願2003−102369号出願、及び当該出願を基礎とする特許法第41条第1項の優先権主張に基づく特願2004−095479号出願)。
上記先願発明は、特開2001−247406号発明に比し、簡単な構成であり、かつ簡便な使用ができるという点において優れている。
上記先願発明における回転の対象物である板状体の薬剤保持体においては、三次元方向にメッシュ状態を形成している構成をも包摂しており、このような構成による薬剤保持体は、通気性に優れている。
但し、前記薬剤保持体においては、一方では通気性に優れていることだけでなく、更に効率的な薬剤揮散効果が向上することが要請されている。
他社出願である特開2001−200239号公報においては、撚糸からなるネットを複数枚重畳したことによる薬剤保持体の構成が開示されており、一枚のネットによる構成よりも、薬剤の保持量、及び揮散量において一枚のネットの場合よりも優れていることが記載されている。
しかしながら、前記構成においても、精々薬剤保持量、及び薬剤揮散量によってネットの枚数に比例した効果が得られているだけであって、ネットによる薬剤保持繊維と、他の薬剤保持繊維との間によって形成される積層構成に基づき、特に薬剤揮散機能を向上させるような基本的技術思想が開示されている訳ではない。
本発明は、メッシュ状薬剤保持繊維と、他の薬剤保持繊維との配置に基づき、薬剤保持機能を有するだけでなく、薬剤揮散効果を向上し得るような薬剤保持体を有している薬剤揮散装置の構成を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明の基本構成は、
(1)繊維を素材とする薬剤保持体を回転駆動装置によって回転させる薬剤揮散装置であって、薬剤保持体の上下両側面に、二次元方向に規則的なメッシュ形状の薬剤保持繊維(以下「メッシュ状薬剤保持繊維」と略称する。)を配置すると共に、各メッシュの単位を形成している上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維との間において、曲げ弾性を有することによって、上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維を所定の間隔を以って支持し、かつ連結している薬剤保持繊維(以下「支持連結用薬剤保持繊維」と略称する。)を複数本配置したことによる薬剤保持体を採用したことに基づく薬剤揮散装置、
(2)メッシュ状薬剤保持繊維が撚糸状態であることを特徴とする前記(1)記載の薬剤揮散装置、
(3)支持連結用薬剤保持繊維が、上下方向に略並行に配列されることによって柱構造を形成していることを特徴とする前記(1)、(2)記載の薬剤揮散装置、
(4)支持連結用薬剤保持繊維が、上下方向の斜方向に交差した状態に配列されることによって、筋違構造を形成していることを特徴とする前記(1)、(2)記載の薬剤揮散装置、
(5)筋違構造が、上下両側において対応しているメッシュ単位において、左右前後方向を基準として、同一側に位置している辺又は頂点同士を連結するように形成されていることを特徴とする前記(4)記載の薬剤揮散装置。
(6)筋違構造が、上下両側に対応しているメッシュ単位において、左右前後方向を基準として、反対側に位置している辺又は頂点同士を連結するように形成されていることを特徴とする前記(4)記載の薬剤揮散装置、
(7)支持連結用薬剤保持繊維が、上下方向に略並行に配置されることによって柱構造を形成すると共に、上下方向の斜方向に交差した状態に配列されることによって筋違構造を形成していることを特徴とする前記(1)、(2)記載の薬剤揮散装置、
(8)筋違構造が、上下両側において対応しているメッシュ単位において、左右前後方向を基準として、同一側に位置している辺又は頂点同士を連結するように形成されていることを特徴とする前記(7)記載の薬剤揮散装置、
(9)筋違構造が、上下両側に対応しているメッシュ単位において、左右前後方向を基準として、反対側に位置している辺又は頂点同士を連結するように形成されていることを特徴とする前記(7)記載の薬剤揮散装置、
(10)上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維間に、当該メッシュよりも小さな隙間を有し、かつ両側のメッシュ状薬剤保持繊維と接続している小隙間薬剤保持繊維を配置していることを特徴とする前記(1)記載の薬剤揮散装置、
(11)上下両側面に配置されたメッシュ状薬剤保持繊維とその間に配置された支持連結用薬剤保持繊維による薬剤保持体を複数枚重畳したことを特徴とする前記(1)記載の薬剤揮散装置、
(12)両側のメッシュ状薬剤保持繊維間の距離が1.0mm〜10.0mmであることを特徴とする前記(3)記載の薬剤揮散装置、
(13)薬剤保持体の上下両側面をそれぞれ上側部分及び下側部分によって囲み、外側周囲を複数個の保持枠によって囲み、かつ中心位置にある軸受が、回転駆動装置の回転軸と嵌合し得る保護ケースによって薬剤保持体を収納していることを特徴とする前記(1)記載の薬剤揮散装置、
からなる。
図1は、本発明の薬剤保持体の基本構成を示しており、(a)は上側からの平面図であり、(b)は当該平面図の特定位置における上下方向の断面図であり、(c)は下側からの平面図である。
図2、本発明において、上下両側の各メッシュの単位形状が相違している実施形態の構成を示しており、(a)は上側からの平面図であり、(b)は当該平面図の特定位置における上下方向の断面図であり、(c)は下側からの平面図である。
図3は、前記(3)の構成を示しており、(a)は平面図であり、(b)は当該平面図の特定位置における上下方向の断面図である。
図4は、前記(5)の構成のうち、辺同士を筋違構造によって連結した場合を示しており、(a)は平面図であり、(b)は当該平面図の特定位置における上下方向の断面図である。
図5は、前記(5)の構成のうち、頂点同士を筋違構造によって連結した場合を示しており、(a)は平面図であり、(b)は当該平面図の特定位置における上下方向の断面図である。
図6は、前記(6)の構成のうち、辺同士を筋違構造によって連結した場合を示しており、(a)は平面図であり、(b)は当該平面図の特定位置における上下方向の断面図である。
図7は、前記(6)の構成のうち、頂点同士を筋違構造によって連結した場合を示しており、(a)は平面図であり、(b)は当該平面図の特定位置における上下方向の断面図である。
図8は、前記(8)の構成のうち、辺同士、及び頂点同士を筋違構造によって連結した場合を示しており、(a)は平面図であり、(b)は当該平面図の特定位置における上下方向の断面図である。
図9は、前記(9)の構成のうち、辺同士、及び頂点同士を筋違構造によって連結した場合を示しており、(a)は平面図であり、(b)は当該平面図の特定位置における上下方向の断面図である。
図10は、前記(10)の構成を示す断面図である(尚、支持連結用薬剤保持繊維としては、図3に示すような柱構造による支持連結用薬剤保持繊維の場合を示している。)。
図11は、薬剤保持体が収納される保護ケースにつき、薬剤保持体の上側に位置している蓋部分と薬剤保持体の下側に位置している薬剤保持体保持部分とに分解した斜視図である。
発明の効果
本発明による薬剤揮散装置においては、メッシュ状薬剤保持繊維と、他の薬剤保持繊維との配置に基づき、薬剤保持機能を有するだけではなく、薬剤揮散効果を向上し得ることによって、極めて有用であり、しかも、構造がシンプルであるため、製造コストにおいても、極めて有利である。
本発明においては、図1(a)、(b)、(c)に示すように、回転駆動装置の駆動対象として
上下両側に配置されているメッシュ状薬剤保持繊維2+上下両側の間に配置されている支持連結用薬剤保持繊維3
による基本構成単位としている薬剤保持体1を採用していることを基本構成としている。
図1(a)、(c)においては、メッシュ状薬剤保持繊維2のメッシュ形状として、六角形の場合を示しているが、当該メッシュ形状は、矩形、三角形など他の形状をも採用し得るのは、当然である。
図1(a)、(b)、(c)では、上下両側のメッシュの単位が水平方向において略同一位置を形成し、かつ上下両側のメッシュの単位が同一形状である場合を示しているが、本発明の実施形態においては、そのような場合だけでなく、上下両側のメッシュの単位が水平方向に所定幅を以って偏差した状態にて(ずれた状態にて)配列される場合、及び上下両側のメッシュの単位形状が相互に相違している場合(例えば、一方のメッシュの単位形状が六角形状であるのに対し、他方のメッシュの形状が矩形である場合、及び同一形状であっても、例えば、上側のメッシュの単位形状よりも、下側のメッシュの単位形状の方が小さな場合)をも包摂している。
尚、前記のように、上下両側のメッシュの単位形状が相違している場合は、図2(a)、(b)、(c)に示すとおりである。
図1(b)においては、支持連結用薬剤保持繊維3として、上下方向の繊維、及び当該上下方向と斜交する繊維をそれぞれ採用しているが、支持連結用薬剤保持繊維3の支持連結形状は、このような形態に限定される訳ではなく、要するに、各メッシュの単位を形成している上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維2を、複数本の状態にて、曲げ弾性を以って支持し、かつ連結するのであれば、如何なる方向による形態であっても良い(尚、典型的な実施形態は、図3、図4、図5、図6、図7に即して後述するとおりである。)。
前記基本構成単位においては、メッシュ状薬剤保持繊維2の回転方向後側には各メッシュ状薬剤保持繊維2の回転移動に伴って、負圧の発生を伴う乱流が生じており、当該負圧の発生に伴って、支持連結用薬剤保持繊維3の隙間領域から横方向並びに上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維2の側に向かう気流が発生し、支持連結用薬剤保持繊維3において、毛細管現象に基づいて保持されている薬剤がメッシュ状薬剤保持繊維2側に移動することによって、揮散効果が助長され、かつ回転に基づく遠心力による揮散効果に付加されるものと考えられる(前記の負圧の発生、及び気流の発生以外に良好な揮散効果の根拠を想定することができない。)。
このような揮散効果は、例えば、後述する実施例3の〔表1〕に示すように、単にメッシュ状薬剤保持繊維2のみ、又は2枚の重畳によるメッシュ状薬剤保持繊維2を回転させた場合の揮散効果よりも、前記結合構成のほうが、揮散効果が大幅に良好であることによって確認されるが、前記乱流の発生及び負圧の具体的なメカニズムについては、完全に解明されている訳ではない。
二次元方向のメッシュ状薬剤保持繊維2において、良好な保持機能を有するためには、当該繊維を前記(2)記載のように撚糸状態とし、しかも撚糸を構成する糸の数を大きくすることによって、毛細管現象に基づき、薬剤の保持を可能とするような隙間を形成するとよい。
前記メッシュ状薬剤保持繊維2、及び支持連結用薬剤保持繊維3を構成する素材としては、薬剤の安定性に影響のないもので、揮散が一定で持続性が良好なものが好ましく、例えば、天然繊維の木綿、麻、羊毛、絹等、またレーヨン等の半合成繊維、合成繊維のポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド等、無機繊維のガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維等が使用可能である。
支持連結用薬剤保持繊維3は、各メッシュ形状の構成単位にてメッシュ状薬剤保持繊維2と結合していることから、水平方向において、微細な隙間を構成しており、当該隙間において毛細管現象に基づいて薬剤を保持する機能を有している。
したがって、支持連結用薬剤保持繊維3間の隙間は、前記毛細管現象による保持機能が生ずる程度であることを必要としている。
支持連結用薬剤保持繊維3の典型例としては、前記(3)に記載し、かつ図3に示すように、支持連結用薬剤保持繊維3が、上下方向に略並行に配列され、柱構造を形成していることによる実施形態は、比較的構成がシンプルであり、かつ製造が容易という点において長所を有している。
これに対し、前記(4)に記載する筋違構成の場合には、図4、図5に示すように、筋違構造が、上下両側において対応しているメッシュ単位において、左右前後方向を基準として、同一側に位置している辺又は頂点同士を連結するように形成されていることを特徴とする前記(5)による構成、更には、図6、図7に示すように、筋違構造が、上下両側に対応しているメッシュ単位において、左右前後方向を基準として、反対側に位置している辺又は頂点同士を連結するように形成されていることを特徴とする前記(6)による構成を典型例として実現されるが、このような構成においては、建築構造物の斜方向の補強梁と同じような機能を発揮し、上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維2と、その間の支持連結用薬剤保持繊維3とが、強固に結合することができると共に、繊維が斜方向を形成することによって、薬剤保持機能をも兼用し得るという長所を有している。
前記(7)による構成は、前記(3)の構成と前記(4)の構成とを組み合わせていることから、図8に示すように、前記(5)に対応する前記(8)による構成(尚、図8は、辺同士、及び頂点同士をそれぞれ連結する筋違構造を採用している。)、更には、図9に示すように、前記(6)に対応する前記(9)による構成(尚、図9は、辺同士の一部と頂点同士の一部とを連結し合った構成を示す。)を典型例として実現されるが、このような構成においては、前記(3)の構成、及び前記(4)の構成の長所を援用し、上下方向の保持状態を更に一層強固な状態にすると共に、薬剤保持機能をも兼用し得る点に特徴を有している。
前記(4)の構成は、前記(5)、(6)による構成に限定される訳ではなく、同様に、前記(7)の構成は、前記(8)、(9)による構成に限定される訳ではない。
前記(5)に関する図4、5、前記(6)に関する図6、7、前記(8)に関する図8、前記(9)に関する図9においては、各辺は辺同士、頂点は頂点同士を連結させているが、前記(4)及び前記(7)の構成は、このような構成に限定される訳ではなく、各辺と各頂点を連結する構成も当然実現可能であり、かつそのような連結状態においても、前記のような長所を発揮することが可能である。
尚、図3、4、5、6、7、8、9においては、上下両側の各メッシュ形状が同一であり、かつ同一方向に位置していることから、図1、図2の各(c)の下側平面図を省略した。
支持連結用薬剤保持繊維3の実施形態は、前記(3)、(4)の場合だけでなく、例えば、上下方向ランダムな配列による実施形態もまた、採用可能である。
図3、4、5、6、7、8、9に示すように、本発明においては、薬剤保持体1とメッシュ状薬剤保持繊維2+支持連結用薬剤保持繊維3のみにて形成することが可能であるが、このような実施形態以外に、前記(10)に記載し、かつ図10に示すように、上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維2間に、当該メッシュよりも小さな隙間を有し、かつ両側のメッシュ状薬剤保持繊維2と接続している小隙間薬剤保持繊維5を配置していることによる実施形態も採用することができる。
前記(10)の実施形態においては、薬剤保持機能を増大させることが可能となるが、当該実施形態においては、小隙間薬剤保持繊維5の隙間を介して、上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維2の側に空気が移動し、揮散効果が発揮されることになる。
本発明においては、上下両側に配置されているメッシュ状薬剤保持繊維2+上下両側の間に配置されている支持連結用薬剤保持繊維3による構成単位をベースとして、薬剤保持体1が形成されているが、図1に示すように、前記の構成単位を単位数の状態にて採用する実施形態だけでなく、前記(11)に記載するように、上下両側面に配置されたメッシュ状薬剤保持繊維2とその間に配置された支持連結用薬剤保持繊維3による薬剤保持体1を複数枚重畳したことによる実施形態も採用することができる。
前記(11)記載の実施形態においては、積層構成に基づいて、十分な薬剤保持機能を発揮することが可能となる。
上下両側に配置されているメッシュ状薬剤保持繊維2+上下両側の間に配置されている支持連結用薬剤保持繊維3による構成単位の上下幅は、メッシュ状薬剤保持繊維2の各単位の面積、及び支持連結用薬剤保持繊維3の水平方向における密度によって左右され、各単位のメッシュ形状の面積が大きく、かつ支持連結用薬剤保持繊維3の密度が小さい程、距離を大きく設定することになるが、通常1.0〜10.0mmの範囲内に設定することが多い。
薬剤保持体1の形状は特に限定されず、円盤状、ドーナツ状、歯車状、扇風機状など、目的に応じて適宜決定すればよい。本発明は小型の薬剤揮散装置に適用される薬剤保持体1を意図しているため、例えば、円盤状であれば、外径3〜5cm程度による規格が使用上便宜である。
本発明で用いる薬剤としては、揮散性を有する殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤、芳香剤、消臭剤などがあげられる。
殺虫剤のなかでは、常温揮散性ピレスロイド系薬剤が好適で、このような薬剤としては、一般式(I)
Figure 2006030882
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物を例示することができる。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Aと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Bと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Cと称す)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Dと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Eと称す)などがあげられるが、これらに限定されるものではない。一般式(I)で表される化合物は一種類を使用してもよいし、又は二種類以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。尚、一般式(I)で表される化合物には、その不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、これらの各々やそれらの任意の混合物の使用も本発明に含まれるのは勿論である。
薬剤保持体1において保持する薬剤量は、薬剤の種類、有効期間、及び薬剤保持体1の大きさ等にもよるが、例えば前記の常温揮散性ピレスロイド系薬剤の場合には、20〜400mg程度に設定するのが適当である。
薬剤を保持させるに際しては、必要に応じ溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤などを用い、また従来から知られている各種手段を採用することができる。更に薬剤に安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合することも可能である。
回転駆動装置としては、通常交流電源又は直流電源に基づくモーターを採用し、回転速度としては、500〜2000rpmとすると良い。
前記回転速度の範囲を採用する根拠としては、500rpm未満の場合には、薬剤の揮散性能が劣化し、他方、2000rpmを超えると、回転中に薬剤が保持体1から飛散する危険性が生じることを挙げることができる。
以下、実施例に従って説明する。
実施例は、図11に示すように、薬剤保持体1の上下両側面をそれぞれ上側部分及び下側部分によって囲み、外側周囲を複数個の保持枠41によって囲み、かつ中心位置において、回転駆動装置の回転軸と嵌合し得る保護ケース4によって薬剤保持体1を収納していることを特徴としている。
実施例においては、薬剤保持体1が、保護ケース4によって上下両側及び周囲から囲まれた状態にて収納され、かつ保護ケース4が、回転駆動装置の回転軸と嵌合することから、回転時には、保護ケース4と薬剤保持体1とは、一体となって回転することになる。
保護ケース4を採用することは、薬剤保持体1が変形し易い形状であって、単独では、回転駆動装置の回転軸の支持によって、安定した回転が得られない場合に好都合であると共に、薬剤に手指が触れるのを防止するという機能を発揮することができる。
保持枠41の形状や数は特に限定されている訳ではないが、設計上の便宜をも考慮し、例えば上下両側には板状、また周囲には断面が丸形、三角形又は四角形状のものを複数個設けるのが適当である。
薬剤保持体1を保護ケース4に収納するにあたっては、薬剤を保持させた後収納することも当然可能であるが、薬剤保持前の薬剤保持体1を保護ケース4に入れ蓋部材を外した状態で薬剤を分注し、蓋部材を閉める方法が製造上便宜である。
このような薬剤保持体1を保護ケース4に収納した実施例に即した実験結果を、以下のとおり説明する。
〔実験例1〕
上下両側に、撚糸状態のポリエステル繊維を用いて二次元のメッシュ状薬剤保持繊維2を編成し、当該両側間にポリエステル繊維からなる支持連結用薬剤保持繊維3(上下幅:3mm)を図6に示すような前記(6)の構成による筋違構造に基づいて配置し、全体として上下方向の厚みが4.0mmで、外形が4.0cmの円盤状の薬剤保持体1を作製した。
薬剤保持体1は、ポリカーボネート製の保護ケース4(外形5.0cm、厚さ8mm)に収納され、保護ケース4は、周囲の保持枠41において略丸形の断面を採用した。
このような薬剤保持体1において、化合物C[4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]40mgをケロシンに溶解した薬液を、前記薬剤保持体1に保持させ、保護ケース4に収納後、1200rpmの回転速度にて、120時間作動させた。
上記作動において、薬剤保持体1から薬剤が飛散することはなく、約120時間にわたり蚊の防除に有効であった。
〔実験例2〕
撚糸状態のポリエステル繊維を用いて二次元のメッシュ状薬剤保持繊維2を編成し、この下側にナイロン繊維からなる支持連結用薬剤保持繊維3(上下幅:2.5mm)を図8に示す前記(8)の構成に基づき、柱構造と筋違構造とを重畳した状態にて配置し、全体として、上下方向の厚みが4.2mmで、外径が4.5cmの円盤状の薬剤保持体1を作製した。
実験例1で用いた薬剤の替わりに、化合物A[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート]70mgを保持させ、240時間用とした。
この薬剤保持体1を実験例1の保護ケース4に収納し、1400rpmの回転速度にて犬小屋内にて吊り下げ、1日あたり8時間作動させ、当該作動を約30日間継続した。
このような作動の継続において、薬剤揮散装置は、蚊、ユスリカなどの害虫に対して安定した殺虫効力を発揮し、犬は害虫に悩まされることはなかった。
〔実験例3〕
実験例1に準じ、図8に示す前記(8)の構成による各種薬剤保持体1とこれを各種保護ケース4に収納したうえで、1200回転速度にて6畳の部屋で作動させ、開始直後、及び120時間後に、蚊成虫に対する殺虫効力を調べた。殺虫効力試験は、作動中の6畳の部屋でアカイエカ♀成虫約100匹を放ち、2時間暴露させ蚊に対するノックダウン効力を調べ、KT50値を求めた。対照例として、支持連結用薬剤保持繊維3(表中、Mと略称)を編成せずメッシュ状薬剤保持繊維2(表中、上側をF、下側をBと略称)のみで構成した薬剤保持体1(対照例1)、及びメッシュ状薬剤保持繊維2を別体で2枚併置した場合(対照例2)を採用した。
Figure 2006030882
試験の結果、本発明による薬剤揮散装置は、120時間の長期にわたり優れた殺虫効力を安定して保持することが判明した。薬剤保持体1としては、前記(11)に記載するような複数枚併置の場合には、薬剤揮散効果においても優れていることが認められた。
但し、前記複数枚併置の場合には、薬剤保持体1の厚さが増大する傾向にあることから、製造上、及び取扱上の便宜を考慮し、設計上の配慮を行うことが必要である。
一方、メッシュ状薬剤保持繊維2のみで構成した薬剤保持体1(対照例1)、及びメッシュ状薬剤保持繊維2を別体で2枚併置した場合(対照例2)は、本発明品に比し、薬剤保持性能並びに薬剤揮散性能ともに悪く、殺虫効力が明白に劣っていることが判明し、これによって、上下両側に配置されているメッシュ状薬剤保持繊維2+上下両側の間に配置されている支持連結用薬剤保持繊維3の結合による薬剤揮散機能上の効果が存在することを確認することができる。
本発明の薬剤揮散装置は、薬剤を効率的に揮散、放出させるので、有効成分を適宜選択したうえで、例えば芳香、消臭、抗菌用途など、害虫防除以外の分野でも実用化が可能である。

Claims (13)

  1. 繊維を素材とする薬剤保持体を回転駆動装置によって回転させる薬剤揮散装置であって、薬剤保持体の上下両側面に、二次元方向に規則的なメッシュ形状の薬剤保持繊維(以下「メッシュ状薬剤保持繊維」と略称する。)を配置すると共に、各メッシュの単位を形成している上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維との間において、曲げ弾性を有することによって、上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維を所定の間隔を以って支持し、かつ連結している薬剤保持繊維(以下「支持連結用薬剤保持繊維」と略称する。)を複数本配置したことによる薬剤保持体を採用したことに基づく薬剤揮散装置。
  2. メッシュ状薬剤保持繊維が撚糸状態であることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散装置。
  3. 支持連結用薬剤保持繊維が、上下方向に略並行に配列されることによって柱構造を形成していることを特徴とする請求項1、2記載の薬剤揮散装置。
  4. 支持連結用薬剤保持繊維が、上下方向の斜方向に交差した状態に配列されることによって筋違構造を形成していることを特徴とする請求項1、2記載の薬剤揮散装置。
  5. 筋違構造が、上下両側において対応しているメッシュ単位において、左右前後方向を基準として、同一側に位置している辺又は頂点同士を連結するように形成されていることを特徴とする請求項4記載の薬剤揮散装置。
  6. 筋違構造が、上下両側に対応しているメッシュ単位において、左右前後方向を基準として、反対側に位置している辺又は頂点同士を連結するように形成されていることを特徴とする請求項4記載の薬剤揮散装置。
  7. 支持連結用薬剤保持繊維が、上下方向に略並行に配置されることによって柱構造を形成すると共に、上下方向の斜方向に交差した状態に配列されることによって筋違構造を形成していることを特徴とする請求項1、2記載の薬剤揮散装置。
  8. 筋違構造が、上下両側において対応しているメッシュ単位において、左右前後方向を基準として、同一側に位置している辺又は頂点同士を連結するように形成されていることを特徴とする請求項7記載の薬剤揮散装置。
  9. 筋違構造が、上下両側に対応しているメッシュ単位において、左右前後方向を基準として、反対側に位置している辺又は頂点同士を連結するように形成されていることを特徴とする請求項7記載の薬剤揮散装置。
  10. 上下両側のメッシュ状薬剤保持繊維間に、当該メッシュよりも小さな隙間を有し、かつ両側のメッシュ状薬剤保持繊維と接続している小隙間薬剤保持繊維を配置していることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散装置。
  11. 上下両側面に配置されたメッシュ状薬剤保持繊維とその間に配置された支持連結用薬剤保持繊維による薬剤保持体を複数枚重畳したことを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散装置。
  12. 両側のメッシュ状薬剤保持繊維間の距離が1.0mm〜10.0mmであることを特徴とする請求項3記載の薬剤揮散装置。
  13. 薬剤保持体の上下両側面をそれぞれ上側部分及び下側部分によって囲み、外側周囲を複数個の保持枠によって囲み、かつ中心位置にある軸受が、回転駆動装置の回転軸と嵌合し得る保護ケースによって薬剤保持体を収納していることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散装置。
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