JP2004229664A - 薬剤揮散用カートリッジ及び薬剤揮散装置 - Google Patents

薬剤揮散用カートリッジ及び薬剤揮散装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた殺虫効力の持続、高い安全性、良好な使用性などを実現し得る薬剤揮散用カートリッジ、および当該カートリッジに基づく薬剤揮散装置の構成を提供する。
【解決手段】 内周面および外周面にそれぞれ開口部が形成されている環状の中空構造体21、及び該中空構造体21の中心に位置している回転支持軸24と連結するための軸心部25を設け、かつ該軸心部25と該中空構造体21との間に複数のスポーク部27を架設し、該中空構造体21の内周面側に、該中空構造体21の内周面から外周面への気流の通過を促進するための複数の翼部26を突設したことに基づく薬剤揮散用カートリッジ2、及び当該薬剤揮散用カートリッジ2に粒状の薬剤含浸体3を収納したうえで、回転支持軸24を介してモータ4と接合したことにより、生産性の効率を改善すると共に、揮散効率の向上、揮散の持続性、使用範囲の広範化を実現すると共に、前記課題を解決することができる薬剤揮散装置。
【選択図】 図5

Description

本発明は、環状の中空構造体と翼部とを一体成形し、薬剤含浸体を収納した場合に、当該薬剤を揮散し得る薬剤揮散用カートリッジ、及び薬剤含浸体を収納した前記薬剤揮散用カートリッジを回転させ、回転により生じた遠心力、および空気の流れを利用して薬剤の揮散を促進して、該薬剤含浸体から一定の揮散速度で長時間連続して薬剤を揮散させることを可能とする薬剤揮散装置に関する。
害虫、例えば蚊、蚋等を駆除するために、薬剤を閉鎖空間(例えば、建築物や自動車の室内、テント内)の全体に揮散・放出させる薬剤揮散装置としては、蚊取線香、電気蚊取マット、液体式電気蚊取(リキッド)等から熱エネルギーを利用して薬剤を揮散させる装置が知られている。この種の薬剤揮散装置は一般的に、熱エネルギー源として直火または電気エネルギーを使用するが、安全性や十分な熱エネルギーを発生することができる電源の確保の理由から、利用するのが困難な場合がある。例えば、テント内等の直火の使用が危険でかつ電源が無い状況においては、薬剤を常温で十分に揮散・放出し得る装置を使用することが好ましい。
熱エネルギーを使用せずに常温で薬剤を揮散・放出させる装置は以前から提案されており、特に常温でファン等の風力を利用して薬剤を揮散・放出させる装置が知られている。この種の装置では、薬剤の揮散にファン等からの風力を利用することにより、薬剤(または薬剤含浸体)を単に放置して揮散させる場合と比較して、薬剤の揮散効率が大幅に向上することが期待される。
特開平10−191862号は、粒状の薬剤含浸体を静止した含浸体収納容器に収納し、これにファンからの風をあてて該薬剤含浸体を風力により攪拌しながら薬剤を揮散させる装置を開示している。
しかしながら、この装置では薬剤含浸体とファンとの距離が離れているため、弱い風が薬剤含浸体にあたることとなる。それ故この装置では、薬剤含浸体である粒状物から長期間にわたり一定揮散量で薬剤を揮散させることは困難であり、経時的に揮散薬量が減少する。
特開平5−68459号は、ガス透過性フィルムからなる膜部を有する袋もしくは容器または通気し得る微小孔を有する袋もしくは容器に揮散性薬剤を封入してなる拡散用材を用い、該拡散用材を回転させることにより、揮散性薬剤を気中に拡散させる装置を開示している。
しかし、当該装置において使用する拡散用材は揮散性薬剤全体から効率良く薬剤を揮散させることが難しく、従って、薬剤の揮散量が経時的に減少することは避けられない。
特開平5−68459号公報 特開平10−191862号公報
本発明は前記のような従来技術の薬剤揮散装置における問題を解決することを目的としており、熱エネルギーを使用せずに長期間、例えば10日間以上にわたる安定した薬剤の揮散が可能であり、その結果、経時的な揮散量の減少の防止、野外における適用可能性、優れた殺虫効力の持続、高い安全性、良好な使用性等の多くの利点を有する薬剤揮散用カートリッジ、及び当該カートリッジに基づく薬剤揮散装置を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究した結果、翼部を一体成形した環状の中空構造体中に薬剤含浸体を収納し、該中空構造体を回転させてその内周面から外周面への気流を起こし、それにより薬剤の揮散を促進させることによって、長期間(例えば、1日12時間の使用で30日間の期間)にわたる安定した揮散性能を奏し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、
(1).内周面および外周面にそれぞれ開口部が形成されている環状の中空構造体、及び該中空構造体の中心位置に、回転支持軸と連結するための軸心部を設け、かつ該軸心部と該中空構造体との間に複数のスポーク部を架設し、該中空構造体の内周面側に、該中空構造体の内周面から外周面への気流の通過を促進するための複数の翼部を突設したことに基づく薬剤揮散用カートリッジ。
(2).中空構造体において、粒状の薬剤含浸体を収納したことを特徴とする前記(1)による薬剤揮散用カートリッジ。
(3).前記(2)による薬剤揮散用カートリッジを、回転支持軸を介してモータと接続したことによる薬剤揮散装置。
また本発明は、
前記中空構造体が、これと係合する蓋部材とからなることを特徴とする前記(1)による薬剤揮散用カートリッジ、
前記開口部が、平行に形成された多数の開口スリットからなることを特徴とする前記(1)による薬剤揮散用カートリッジ、
前記翼部が、弧状もしくは彎曲した形状であることを特徴とする前記(1)による薬剤揮散用カートリッジ、
前記薬剤含浸体が、前記薬剤揮散用カートリッジ内に空隙率20〜70%で収納されていることを特徴とする前記(2)による薬剤揮散用カートリッジ、
前記薬剤含浸体が、一般式(I):
Figure 2004229664

[式中、XおよびYは、同一または異なって、水素原子、メチル基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基を表し、そしてZは、水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基またはプロパルギル基を表す。]で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物、またはそれらの混合物を含有することを特徴とする前記(2)記載の薬剤揮散用カートリッジ、
前記薬剤含浸体が、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレートおよび4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレートから選択される薬剤、またはそれらの混合物を含有することを特徴とする前記(2)による薬剤揮散用カートリッジ、
前記薬剤含浸体が、紙、パルプ、セルロース系担体もしくは合成樹脂担体、またはそれらの混合物を基材とすることを特徴とする前記(2)による薬剤揮散用カートリッジ、
モータの電源が電池であることを特徴とする前記(3)による薬剤揮散装置。
前記電源は交流電源を変換したことによる3.0〜6.0Vの直流電源であることを特徴とする前記(3)による薬剤揮散装置、
にも関するものである。
翼部が中空構造体と一体に成形されている本発明の薬剤揮散用カートリッジは、薬剤を収納する中空構造体と翼部とを別々の部材として構成した比較例の薬剤揮散用カートリッジとを対比した場合、当該比較例の薬剤揮散用カートリッジでは、個々の翼部を支持する環状の支持部(中空構造体の内周面部と似た構造のもの)が必要とされるのに対して、前記(1)による薬剤揮散用カートリッジでは、かような支持環部が不要となる。従って、当該カートリッジは翼部の長さをより長くすることができ、そのためより強い気流を発生させることが可能となり、また、翼部によって発生した気流を弱まることなしにそのまま薬剤含浸体に当ることが可能となる。これらの理由から、気流を発生するための翼部を中空構造体と一体に成形することは、揮散効率を向上するために役立つ。さらに、翼部と中空構造体との一体化は、翼部と中空構造体とを個々に製造しその後両者を組み立てる必要が無くなるので、生産性の点からも有利である。特に、翼部を別個に製造して中空構造体に組み付ける場合には、翼部が中空構造体の内周面に設けられた開口部を塞がないように注意する必要があり、組み付けは非常に煩わしい。しかしながら、中空構造体と翼部とを一体に成形する場合では、設計時の段階で開口部でない位置に翼部を設けることによって中空構造体の内周面の開口部を塞がないことが可能となり、この点からも生産性は大幅に向上する。
前記(2)による薬剤揮散用カートリッジでは、薬剤含浸体を収納した薬剤揮散用カートリッジは駆動手段で回転され、これにより遠心力が薬剤含浸体に作用しつつ、薬剤が常温で揮散する。この場合、薬剤含浸体に作用する遠心力に基づき、以下に例示するような種々の具体的な効果を奏し、薬剤の長期間にわたる安定した揮散に貢献する。
1)薬剤含浸体は予め薬剤揮散用カートリッジ内に好適な状態で収納されている。しかしながら、個々の薬剤含浸体は固定されていないので、薬剤揮散用カートリッジに衝撃が加わったり薬剤揮散用カートリッジを動かした場合に薬剤含浸体が移動し、薬剤揮散用カートリッジ内での薬剤含浸体の収納状態が変化する。しかし、使用に際して遠心力が薬剤含浸体に作用すると、それによって薬剤含浸体は薬剤揮散用カートリッジの外周面側に押圧され、好適な収納状態が再生される。
2)薬剤揮散用カートリッジへの遠心力の作用を解除すると、個々の薬剤含浸体は薬剤揮散用カートリッジの回転または移動によりある程度自由に移動して、その位置を変化させる。従って、薬剤揮散用カートリッジへ遠心力を作用させたり解除したりすることによって個々薬剤含浸体を移動させ、あたかも薬剤含浸体を攪拌したような効果を奏することができる。
3)薬剤含浸体に遠心力を作用させると、薬剤含浸体の内部の薬剤が遠心力により表面に押し出され、かつ薬剤揮散用カートリッジの回転により生じる気流によってその蒸散が促進されるので、薬剤含浸体の内部の薬剤を効果的に蒸散させることができる。
前記(3)による薬剤揮散装置は、非加熱で気流により薬剤含浸体からの薬剤の揮散を
促進する方式なので、使用に際して火傷の心配がなく、また長期間にわたってほぼ一定量の薬剤を安定して揮散することができ、従来に無い優れた殺虫効力を長期間にわたり維持する。しかも安全性、使用性等にも優れているため、蚊、ハエ等の衛生害虫、ブユ、ユスリカ、イガ、コイガ、カツオブシムシ等の不快害虫、特に蚊の防除用途に極めて有用である。
また前記(3)による薬剤揮散装置は、小型・軽量な構成とすることができるので、屋
内や屋外をとわず適用可能であり、例えば、旅行先の室内やキャンプにおけるテント内での衛生害虫や不快害虫の防除に非常に役立つ。
前記(3)による薬剤揮散装置において使用される薬剤揮散用カートリッジの場合には、薬剤含浸体を収納する中空構造体と翼部が一体に成形されているので、より強い気流を発生させることおよび気流を弱まらずにそのまま薬剤含浸体に当ることが可能となり、これらは揮散効率の向上に寄与する。さらに、翼部と中空構造体とを個々に製造しその後両者を組み立てる必要が無くなり、また組立時の中空構造体と翼部との煩わしい位置決めを省くこともできるので、生産性の点からも大変に有利である。
前記(1)、(2)による薬剤揮散用カートリッジおよび(3)による薬剤揮散装置においては、何れも薬剤揮散用カートリッジにおいて遠心力が生ずることを基本的前提としている。
そして、前記遠心力の大きさは薬剤揮散用カートリッジの回転状態により決定される。例えば、遠心力の大きさは、重力加速度(9.8×102cm/s2)の1/1000〜100倍、具体的には9.8×10-1cm/s2〜9.8×104cm/s2であってよい。
前記(1)による薬剤揮散用カートリッジは、薬剤含浸体を収納するための中空部を有する環状の中空構造体からなる。該中空構造体の大きさは、所望の揮散量を得るために収納すべき薬剤含浸体の量によって変化する。また該薬剤揮散用カートリッジの形状は任意であるが、例えば中空構造体の断面が矩形であるものを用いることができる。
前記中空構造体は、環になった溝の形状を有する本体部材と、該溝の蓋となる蓋部材から構成することが、中空構造体の作製、中空構造体内への薬剤含浸体の収納等の面から好ましい。
前記(1)による薬剤揮散用カートリッジを構成する環状の中空構造体は、その外周面および内周面に開口部を有し、該開口部は薬剤を揮散させるための通気孔として作用する。該開口部は十分な通気性を有する限り任意に設計され得るが、開口部の総面積と薬剤揮散用カートリッジ周面の全面積との比率を、例えば1:10〜1:2に設定するのが好ましい。
開口部の形状は例えば、開口スリットまたはホルダーにネットを固定した構成であり得る。好ましいのは、平行に形成された多数の開口スリットである。
前記(1)による薬剤揮散用カートリッジには、中空構造体の内周面の開口部を塞がない位置に、該中空構造体の中心に向けて延びる翼部が一体に成形されている。そして該翼部は、薬剤揮散用カートリッジの回転により該中空構造体の内周面から外周面に向けた気流の通過を促進するような形状を有する。
前記翼部の長さについて特に制限は無いが、少なくとも5mm以上であることが好ましい。薬剤揮散用カートリッジの回転により発生する気流の強さはまた、その形状を変更することにより調節することができる。例えば、翼部を長くすればする程、生じる気流はより強くなる。また、翼部を弧状または彎曲した形状にすると、翼部はより多くの空気を中空構造体の外周面側へと送ることができる。
前記(1)による薬剤揮散用カートリッジを構成する中空構造体の環の中心には、薬剤揮散用カートリッジを回転するための駆動手段に接続された回転支持軸と、該回転支持軸と連結する軸心部が存在する。該軸心部は、薬剤揮散用カートリッジと回転支持軸とを緩み無く連結することができればいかなる構成でもあり得る。例えば、回転支持軸と緩み無く嵌合する円柱状の部材を使用することができる。
前記軸心部と前記中空構造体とを複数のスポーク部によって架設する。スポーク部の本数は任意であり、例えば2ないし4本、特に3または4本のスポーク部により中空構造体と軸心部とを結合することが好ましい。
前記(2)による薬剤揮散用カートリッジにおいては、前記(1)の薬剤揮散用カートリッジに通常の薬剤含浸体を収納しているが、使用前に前記(2)による薬剤揮散用カートリッジに収納した薬剤含浸体から薬剤が揮散することを防止する目的で、薬剤揮散用カートリッジの開口部にシールテープ等の遮蔽部材を貼付することが好ましい。該遮蔽部材は使用時に除去されなければならないので、簡単に剥離することができる粘着テープ等が好ましい。
前記(2)による薬剤揮散用カートリッジにおいて使用する薬剤含浸体はその形状について種々変化することができ、粒状、例えば、球状、楕円体状、卵状、円柱状、角柱状、棒状、円板状、角板状、不定形状等であってよい。
薬剤含浸体の寸法は、その飛散を防止する観点から、少なくとも前記(2)による薬剤揮散用カートリッジにおける外周面開口部および内周面開口部の寸法より大きいことが必要である。
特に好ましいのは、平均外径が3mm〜10mmでかつ前記開口部の寸法の1.3倍以上である粒状の薬剤含浸体である。このような寸法および形状の薬剤含浸体を採用すると、薬剤含浸体内部の薬剤が徐々に表面に移行し、長期間にわたり安定した揮散量を保持することが可能となる。これに対し、例えば平均外径が3mmより小さい薬剤含浸体では薬剤が速く揮散しすぎ、殺虫効力の持続性に問題が生じる。
前記薬剤含浸体は、前記薬剤揮散用カートリッジ内に空隙率[薬剤含浸体が充填されずに空隙として残っている内部容積の比率(%)]20%〜70%、好ましくは25%〜65%、特に好ましくは30%〜60%で収納される。空隙率が20%未満の場合には、薬剤揮散用カートリッジを通して空気が流れにくくなり、充分な薬剤揮散量を確保できない。反対に、空隙率が70%を超える場合には、薬剤揮散用カートリッジを通過する際に空気と薬剤含浸体とが接触する時間が短くなるので、充分な薬剤揮散量を確保できない。
前記薬剤含浸体は1時間当たりの揮散量を0.01〜0.6mgに調整することができ、かつこの薬量で十分な殺虫効力を奏し得る薬剤を含有することが好ましい。そのような薬剤としては、特に、揮散性ピレスロイド系殺虫剤を挙げることができる。該揮散性ピレスロイド系殺虫剤は、例えば、一般式(I):
Figure 2004229664

[式中、XおよびYは、同一または異なって、水素原子、メチル基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基を表し、そしてZは、水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基またはプロパルギル基を表す。]で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物である。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−
プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレートまたは4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが挙げられる。また、一般式(I)で表されるもの以外の化合物としては、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレートおよび4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレートが例示される。
なお上記した化合物は不斉炭素および二重結合を含み、光学異性体および幾何異性体が存在する。しかしながら、該異性体および異性体間での任意の混合物も、前記薬剤として使用し得るのは勿論である。
さらに、前記薬剤含浸体は、1種類の薬剤を含有してもよいし、または2種類以上の薬剤の混合物を含有しても良い。
一方、従来から加熱蒸散用殺虫剤の有効成分として使用されているアレスリン、プラレトリン等を本発明の薬剤揮散装置において使用することは、それらの常温での乏しい揮散性のために好ましくない。また、ピレスロイド系殺虫剤であっても、高い蒸気圧を示すエムペントリンのような薬剤は、有効な殺虫効力を発揮するために1時間当たり2mg以上の揮散量を必要とするので、同様に好ましくない。
前記薬剤含浸体は薬剤を60mg以上含有することが好ましい。薬剤の含有量が60mgより少ない場合には、殺虫効力の持続性に不足が生じる恐れがある。薬剤の含浸に際しては、所要により、溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤等を用いることができ、そして従来から知られている各種含浸手段を採用することができる。該薬剤含浸体は、薬剤の揮散に支障を来さない限りにおいて、安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤等を含有することができ、さらに、ヒノキチオール、カルボン、サフロール、シトロネロール、ケイ皮アルデヒド等の防虫香料のような揮散性の高い他の殺虫・忌避成分、殺ダニ剤、殺菌剤、消臭剤等を添加して多目的薬剤組成物とすることも可能である。
前記薬剤含浸体の材質としては、例えば紙、パルプ、ビスコース等のセルロース系担体、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、オレフィンボリマー等の合成樹脂担体、ケイ酸カルシウム等の無機質担体等が挙げられる。なかでも天然由来の紙、パルプ、セルロース系担体もしくは合成樹脂担体、またはそれらの混合物を基材とするのが好ましい。
前記(2)による薬剤揮散用カートリッジでは、寸法、形状、含有する薬剤、材質等の異なる多種類の薬剤含浸体を好適な比率で混合して、薬剤揮散用カートリッジに収納してもよい。揮散特性、効能等の異なる薬剤含浸体を同時に用いることにより、本発明の薬剤
揮散装置は、複合的な殺虫・防虫効果を達成し得る。
前記(3)による薬剤揮散装置において前記薬剤揮散用カートリッジを回転させる駆動手段は、モータおよび電源からなり、装置本体内に内蔵される。薬剤揮散装置の使用可能時間をより長くする観点から、該モータは省電力型であることが好ましい。例えば、電圧2.0〜3.0Vの電池により、500〜2000rpmの回転数を300時間以上持続可能なものが適している。また該電源は、乾電池等の電池、または交流電源を変換したことによる3.0〜6.0Vの直流電源であってよい。なお、より安定した薬剤揮散性能と経済性の確保を重視して交流電源を利用する場合でも、例えば屋外使用のための電池を併用できるようにした設計が好ましい。
前記(3)による薬剤揮散装置では、上述した各構成についての様々な要素、例えば、
薬剤揮散用カートリッジの寸法、薬剤揮散用カートリッジに設ける開口部の総面積、翼部の寸法および形状、薬剤揮散用カートリッジに収納する薬剤含浸体の量および充填率、薬剤含浸体が含有する薬剤の種類および量、薬剤含浸体の寸法および形状、薬剤揮散用カートリッジの回転速度等を変化させることにより、薬剤含浸体からの薬剤の揮散量および薬剤揮散の持続時間を任意に変化させることができる。薬剤含浸体から薬剤が1時間当たり0.01〜0.6mgの揮散量でかつ180時間以上にわたり揮散可能であるように構成される薬剤揮散装置は、実際の使用の面から特に好ましい。残量の表示方法についても適宜採用可能であり、例えば、液晶を用い棒状の大小で示したり、数個に分割された表示個数の減少で示したりすることができ、さらにカートリッジや電池の交換時期を明確にするため、終点で表示を点滅させるようにしてもよい。
以下に図面を参照して本発明の構成をより詳細に説明する。
図5は前記(1)、(2)による薬剤揮散用カートリッジ2を上側より図示する斜視図であり、図6は同じ薬剤揮散用カートリッジ2を下側より図示する斜視図であり、そして図7は同じ薬剤揮散用カートリッジ2を分解した状態で図示する斜視図である。
薬剤揮散用カートリッジ2は断面が矩形の環状の中空構造体21よりなり、装置本体1の受け凹部11に収め入れられ、そしてその中空構造体21内に薬剤含浸体3を収納する。該中空構造体21の寸法は、その中に収納すべき薬剤含浸体3の量、設けるべき翼部26の長さ等によって変化する。
また、薬剤揮散用カートリッジ2の外周面および内周面にはそれぞれ外周面開口部22と内周面開口部23が設けられている。外周面開口部22および内周面開口部23は共に平行に形成された多数のスリットであり、薬剤含浸体3中の薬剤が揮散する通気孔として働く。外周面開口部22および内周面開口部23の寸法を大きくすればする程、薬剤の揮散速度は大きくなる。
さらに、薬剤揮散用カートリッジ2の内周面には、薬剤揮散用カートリッジ2の環の中心に向けて延設された多数の翼部26が設けられている。これらの翼部26は、内周面開口部23を塞がないように薬剤揮散用カートリッジ2と一体に成形されており、その形状は彎曲した板状である。そして翼部24は、薬剤揮散用カートリッジ2を回転させることにより、該中空構造体21の内周面から外周面への気流の通過を促進する。
このように湾曲した板状の翼部26はより多くの空気を捉え、そしてより強い気流を送ることができる。
前記(1)、(2)による薬剤揮散用カートリッジ2は、中空構造体21の環の中心に軸心部25を有する。図示する態様において軸心部25は、回転支持軸24と緩み無く嵌合する円柱状の部材である。そして、軸心部25はスポーク部27によって中空構造体21と連結される。
前記(1)、(2)による薬剤揮散用カートリッジ2を、環となった溝の形状の本体部材28と、その溝の蓋となる蓋部材29とから構成すると、薬剤揮散用カートリッジ2の製造および中空構造体21内部への薬剤含浸体3の収納が容易になる。本体部材28と蓋部材29との係合は、例えば蓋部材29の表面に設けたリブによる嵌合によって為すことができるが、接着剤などを用いて双方を接着してもよい。
図1は前記(3)による薬剤揮散装置の一態様を図示する斜視図であり、図2は同じ薬
剤揮散装置を図示する正面図であり、図3は同じ薬剤揮散装置を図示する側面図であり、そして図4は図2のA−A’線断面を図示する模式図である。
図1〜図4において図示されるように、装置本体1の受け凹部11に収め入れられ、回転自在に支持された薬剤揮散用カートリッジ2は、その中に薬剤含浸体3を収納し、そして電池5によって駆動されるモータ4によって回転される。また、薬剤揮散用カートリッジ2は露出しないようにカバー6によって覆われるような構成が好ましい。
図1に示す実施態様の場合には、装置本体1は、受け凹部11に薬剤揮散用カートリッジ2を収め入れ、そしてモータ4および電池5からなる駆動手段を内蔵しているが、受け凹部11は、前記(3)による薬剤揮散装置において不可欠という訳ではない。装置本体1は、その表面に薬剤揮散用カートリッジ2の駆動/停止を制御するための電源スイッチ12を有し、さらに、薬剤の揮散を妨げないために開口部13を設けることが好ましい。
さらに、装置本体1の裏面(薬剤揮散用カートリッジが設けられる面と反対の面)にホルダー14を設けて衣服に装着したり、装置本体1の上部に設けられた吊下部15に紐を通して首から下げたりすると、薬剤揮散装置の携帯が大変容易になる。また携帯性の面から、装置本体1の寸法は可能な限り小さくすることが好ましい。
図4に図示されるように、薬剤含浸体3は薬剤揮散用カートリッジ2の中空構造体21内に収納される。薬剤含浸体3は中空構造体21内に必ずしも密に充填する必要はない。なぜならば、薬剤揮散用カートリッジ2の回転により生じる遠心力により、薬剤含浸体3が薬剤揮散用カートリッジ2の外周面側に押圧され、薬剤揮散用カートリッジ2の外周面近傍で薬剤含浸体3の密な充填状態が達成されるからである。
モータ4は薬剤揮散用カートリッジ2の下に位置し、モータ装着部16によって装置本体1に取り付けられている。モータ4は薬剤揮散用カートリッジ2の回転支持軸24と接続され、さらに回転支持軸24は薬剤揮散用カートリッジ2の軸心部25と連結する。モータ4と回転支持軸24、また回転支持軸24と軸心部25との連結は、モータ4の駆動時に滑りを起こさない程度に強固でなければならないが、薬剤含浸体3中の薬剤が消費され尽くしたために薬剤揮散用カートリッジ2を交換する際には、容易に薬剤揮散用カートリッジ2とモータ4とを分離できることが好ましい。
モータ4は装置本体1内に収納された電池5によって駆動される。寿命が尽きたときに電池5を交換するために、電池交換のための開口部を装置本体1に設けることが好ましい。
前記(3)による薬剤揮散装置は、使用時に薬剤揮散用カートリッジ2が高速で回転するので、薬剤揮散用カートリッジ2への指等の接近を防ぐために、装置本体1の受け凹部11に収め入れられ、そしてカバー6により覆われる。カバー6は薬剤の揮散を阻害せぬよう開口部61を備えるべきである。開口部61の寸法は可能な限り大きくすることが好ましく、開口部61の寸法の拡大によりカバー6の強度が低下する場合には、カバー6の表面に補強部62を設けることによって、カバー6の強度を確保しつつ開口部61の寸法を拡大することができる。
また、薬剤揮散用カートリッジ2の交換の際にカバーを開閉するための開閉スイッチ63を設けることが好ましい。
装置本体1、薬剤揮散用カートリッジ2およびカバー6の材質について特に制限はないが、生産性、成形性、価格、重量等の面から、プラスチック樹脂より作製することが好ましい。
以下の実施例および試験例により本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を説明するためのものであり、本発明をこれらに限定することを意図しない。
実施例1 中空構造体と翼部とを一体成形した前記(2)による薬剤揮散用カートリッジを用いる前記(3)による薬剤揮散装置の作製1
外径62mm、内径44mm、高さ13mmの外寸を有する断面が矩形の環状の中空構造体を作製した。該中空構造体の中空部は外径60mm、内径42mm、高さ11mmであり、容積は約15.8cm3であった。該中空構造体の外周面に、幅約2mmのスリット状の開口部を等間隔で40個設け、また内周面に、幅約2mmのスリット状の開口部を等間隔で24個設けた。さらに薬剤揮散用カートリッジの内周面に長さ約5mmの翼部を24個、一定の角度で傾けて一体成形して薬剤揮散用カートリッジとした。その結果、中空構造体の内壁から翼部の先端までの距離は7mmとなった。また、薬剤揮散用カートリッジの中心に円柱状の軸心部を設け、該軸心部は中空構造体と3本のスポーク部で連結した。
こうして作製した薬剤揮散用カートリッジを単3乾電池2個(計3.0V)により駆動するモータに取付けて薬剤揮散装置とし、以下の殺虫試験を行った。
実施例2 中空構造体と翼部とを一体成形した前記(2)による薬剤揮散用カートリッジを用いる前記(3)による薬剤揮散装置の作製2
交流電源をDC4.5Vに変換したことによる直流電源または単3乾電池2個(計3.0V)の直流電源のいずれにも使用可能とし、該電源によりモータを駆動せしめる構成の薬剤揮散装置とした。他の構成は実施例1と同様に作製した薬剤揮散用カートリッジと同様である。
比較例1 中空構造体と翼部とを別個に成形した薬剤揮散用カートリッジを用いる薬剤揮散装置の作製
実施例1と同じ寸法、並びに開口部を有する環状の中空構造体を作製した。翼部については、該中空構造体の内径とほぼ等しい外径を有し、軸心部および3本のスポーク部を備えるシロッコファンを別個に作製した。該シロッコファンを環状の中空構造体に挿入して薬剤揮散用カートリッジとした。その結果、中空構造体の内
壁から翼部の先端までの距離は7mmで実施例1の薬剤揮散用カートリッジと同じであったが、翼部の長さは4.0mmとなり、実施例1の前記(3)による薬剤揮散用カートリッジの翼部に比して1.0mm短くなった。
こうして作製した薬剤揮散用カートリッジを単3乾電池2個(計3.0V)により駆動するモータに取付けて比較例1の薬剤揮散装置とし、以下の殺虫試験を行った。
試験例
殺虫薬剤を、様々な薬剤含浸体材料に含浸させて薬剤含浸体を得た。この薬剤含浸体を薬剤揮散用カートリッジに収納し、実施例1および比較例1の薬剤揮散装置にて、1日12時間使用する条件下で、1日目、15日目および30日目に、薬剤揮散量測定および殺虫効力試験を行った。
殺虫効力試験は以下の手順に従う連続通気法で行った。
・殺虫効力試験手順
1. 内径20cm、高さ43cmのプラスチック製円筒を2段に重ね、その上に16メッシュの金網で上下を仕切った内径および高さが共に20cmの円筒(供試蚊を入れる場所)を載せ、さらに内径20cm、高さ20cmの円筒を載せる。
2. この4段重ねの円筒を台に載せ、台の中央(最下段の円筒の中)に薬剤揮散装置を置いて薬剤含浸体中の薬剤を揮散させる。
3. その後、上から2段目の円筒に供試蚊約20匹を放ち、時間の経過に伴う供試蚊の仰転数を観察する。
なお、殺虫効力は、dl,d−シス,トランス−アレスリン(ピナミンフォルテ)を含有する蚊取マットを発熱体放熱板温度160℃の条件で蒸散させたときの初期仰転効果を1.00として相対有効比で示した。
上記の試験を、殺虫薬剤およびその量、含浸体材料およびその粒径、薬剤揮散用カートリッジの空隙率、モータの回転数を様々に変化させて繰り返した。
試験の結果を表1および2に示す。
表中の「ビスコパール」とは、レンゴー株式会社製の粒状発泡セルロースビーズの商品名である。
また薬剤として使用した化合物A〜Lは以下のものを表す。
化合物A:2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート
化合物B:2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物C:4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート
化合物D:4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物E:4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物F:4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート
化合物G:4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物H:2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物I:4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート
化合物J:4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート
化合物K:4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート
実施例1の前記(3)による薬剤揮散装置での試験結果

Figure 2004229664
Figure 2004229664
表1に示すとおり、本発明の薬剤揮散装置によれば、薬剤の揮散量は30日間の長期間にわたり安定し、その間高い殺虫効力を保持することが認められた。即ち、実施例1のタイプの薬剤揮散用カートリッジを備えた前記(3)による薬剤揮散装置を使用すると、揮散量の経時変化がほとんどなく、30日間にわたって、殺虫効果はほぼ一定であり、優れた経時的安定性を有することが判る。
これに対し、表2に表されるように、薬剤含浸体を収納する中空構造体と翼部とを別個に成形した比較例1の薬剤揮散装置では、実施例1の前記(3)による薬剤揮散装置と比
較して、揮散効率について明らかに劣っていた。
本発明は、屋外、屋内における広範害虫駆除を目的として利用することが可能である。
図1は、前記(3)による薬剤揮散装置を図示する斜視図である。 図2は、前記(3)による薬剤揮散装置を図示する正面図である。 図3は、前記(3)による薬剤揮散装置を図示する側面図である。 図4は、図2のA−A’線断面を図示する模式図である。 図5は、前記(3)による薬剤揮散装置において使用する前記(1)、(2)の薬剤揮散用カートリッジを上側より図示する斜視図である。 図6は、前記(3)による薬剤揮散装置において使用する前記(1)、(2)の薬剤揮散用カートリッジを下側より図示する斜視図である。 図7は、前記(3)による薬剤揮散装置において使用する前記(1)、(2)の薬剤揮散用カートリッジを分解した状態で図示する斜視図である。
符号の説明
1 装置本体
11 受け凹部
12 電源スイッチ
13 開口部
14 ホルダー
15 吊下部
16 モータ装着部
2 薬剤揮散用カートリッジ
21 中空構造体
22 外周面開口部
23 内周面開口部
24 回転支持軸
25 軸心部
26 翼部
27 スポーク部
28 本体部材
29 蓋部材
3 薬剤含浸体
4 モータ
5 電池
6 カバー
61 開口部
62 補強部
63 開閉スイッチ

Claims (12)

  1. 内周面および外周面にそれぞれ開口部が形成されている環状の中空構造体、及び該中空構造体の中心位置に、回転支持軸と連結するための軸心部を設け、
    かつ該軸心部と該中空構造体との間に複数のスポーク部を架設し、
    該中空構造体の内周面側に、該中空構造体の内周面から外周面への気流の通過を促進するための複数の翼部を突設したことに基づく薬剤揮散用カートリッジ。
  2. 前記中空構造体が、本体部材と、これと係合する蓋部材とからなることを特徴とする、請求項1記載の薬剤揮散用カートリッジ。
  3. 前記開口部が、平行に形成された多数の開口スリットからなることを特徴とする、請求項1記載の薬剤揮散用カートリッジ。
  4. 前記翼部が、弧状もしくは彎曲した形状であることを特徴とする、請求項1記載の薬剤揮散用カートリッジ。
  5. 中空構造体において、粒状の薬剤含浸体を収納したことを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散用カートリッジ。
  6. 前記薬剤含浸体が、前記薬剤カートリッジ内に空隙率20〜70%で収納されていることを特徴とする、請求項5記載の薬剤揮散用カートリッジ。
  7. 前記薬剤含浸体が、一般式(I):
    Figure 2004229664

    [式中、XおよびYは、同一または異なって、水素原子、メチル基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基を表し、そしてZは、水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基またはプロパルギル基を表す。]で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物、またはそれらの混合物を含有することを特徴とする、請求項5記載の薬剤揮散用カートリッジ。
  8. 前記薬剤含浸体が、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート、4−メトキシメチル−2,3,5,6
    −テトラフルオロベンジル−クリサンテマート、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレートおよび4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレートから選択される薬剤、またはそれら
    の混合物を含有することを特徴とする、請求項5記載の薬剤揮散用カートリッジ。
  9. 前記薬剤含浸体が、紙、パルプ、セルロース系担体もしくは合成樹脂担体、またはそれらの混合物を基材とすることを特徴とする、請求項5記載の薬剤揮散用カートリッジ。
  10. 請求項5記載の薬剤揮散用カートリッジを、回転支持軸を介してモータと接続したことによる薬剤揮散装置。
  11. モータの電源が電池であることを特徴とする、請求項10記載の薬剤揮散装置。
  12. 前記電源が、交流電源を変換したことによる3.0〜6.0Vの直流電源であることを特徴とする、請求項10記載の薬剤揮散装置。
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