JPH04208202A - 薬剤組成物 - Google Patents

薬剤組成物

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JPH04208202A
JPH04208202A JP2330739A JP33073990A JPH04208202A JP H04208202 A JPH04208202 A JP H04208202A JP 2330739 A JP2330739 A JP 2330739A JP 33073990 A JP33073990 A JP 33073990A JP H04208202 A JPH04208202 A JP H04208202A
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山本 志延
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、薬剤組成物に関し、さらに詳しくは、揮散性
薬剤、固化剤及び昇華性物質を含有し、薬液の離液、そ
れによる汚染等の問題もなく、薬剤を長期間に亘って安
定して揮散でき、殺虫、防虫、防菌、防黴、消臭・芳香
等の所望の効能を有効に発揮できる揮散性薬剤組成物に
関する。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕殺虫剤、
忌避剤、防虫剤、香料、防°菌・防黴剤等の薬剤原体を
含有した昇華性薬剤において、ナフタリン、バラジクロ
ルベンゼン、カンファー等の昇華性基材を用いた製剤が
あるが、これら製剤の形態は、基材間隙に薬剤が吸着さ
れる構造となっている。このため、薬剤含有量が少なく
、十分な薬効を得られないという欠点や、また錠剤等を
成形する際に、基材が薬剤に溶解する場合、結着性、成
形性等に問題が生じ、更に、保管時や使用時の環境変化
によって離液し、それにより周囲を汚染するなど、大き
な問題となっている。これらのことから、高濃度に薬剤
を含浸させることが困難であった。
また、昇華性抽料と薬剤の両者間には揮散速度に差があ
り、特にバラジクロルベンゼン等の揮散速度の速い昇華
剤を暴利に用いた場合、薬剤よりも暴利である昇華剤か
先に消失するため、液状の薬剤だけが残り、汚染等の問
題が生じる。
このような場合、薬剤の揮散速度に合わせて昇華剤を選
定すべきであるが、単体の昇華剤たけでは種類も少なく
、適切な選定は困難である。
また、2種あるいはそれ以上の昇華剤を混合する方法が
考えられるが、例えばバラジクロルベンゼンとナフタリ
ン、またバラジクロルベンゼンとカンファー等の組合せ
の場合、混合・成形によって融点降下現象を生じ、その
ため、混合成形後長期間放置すると室温においても液化
して汚染の原因となり、問題の解決にはならない。
また、製剤表面に薬剤が浮き上がったり、安定した揮散
が得られない等の問題もある。
これらの欠点を改良するために、多孔性の粉体等を添加
したものもみられる。これにより、昇華性物質の間隙に
吸着していた薬剤は、主として多孔性粉体に吸着される
形態となる。しかし使用後において多孔性粉体か残り、
昇華性製剤の使用後消失するという特徴を失ってしまう
また、残渣による汚染などの心配もある。更に、一般に
軽量な多孔性粉体の割合が増すと、錠剤等を製造する際
に比重差によってブレンド性が悪くなり、薬剤の分散性
にも影響を与え、安定した効力が得られなくなったり、
分散不良により打錠等の成形が困難となり、成形時の強
度も弱くなる等好ましくない。また、多孔性粉体の多く
は、湿度等の影響を受は易く、離液による汚染の原因と
もなる等、問題も多いものである。
一方、揮散性液状薬剤をゲル化して固形化する方法は、
消臭・芳香剤の分野で用いられており、このような固形
消臭・芳香剤のゲル化剤としては、一般に寒天、カラギ
ーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガムなどが
用いられている。しかしながら、このようなゲル芳香剤
タイプは、水ベースであるため揮散性か極めて高く、短
期間のうちに揮散してしまうので、長期間に亘って継続
使用されるべき薬剤としては不適当である。また、ゲル
化剤としては水ゲル化剤(例えば住友化学(株)製スミ
カゲルN−100など)もあるが、油溶性の薬剤を水溶
性にする際には多量の界面活性剤を使用する必要がある
ためゲル化しにくくなる。
従って、本発明の目的は、前記したような昇華性薬剤の
欠点もなく、薬剤を長期間に亘って安定して揮散でき、
殺虫、防虫、防菌、防黴、消臭・芳香等の所望の効能を
有効に発揮できる薬剤組成物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、前記目的を達成するために、(A)揮
散性薬剤、 (B)1.2−ヒドロキシステアリン酸、ジベンジリデ
ンソルビトール、N−アシルアミノ酸エステル、N−ア
シルアミノ酸アミド、N−アシルアミノ酸アミン塩及び
金属セッケンからなる群から選ばれた少なくとも1種の
固化剤、及び(C)昇華性物質 を含有することを特徴とする薬剤組成物が提供される。
〔発明の作用及び態様〕
本発明の薬剤組成物は、薬剤成分が固化剤によりゲル化
し、このケル化物質か昇華性物質の中に分散した状態の
薬剤を形成していると考えられる。
すなわち、本発明に用いられる固化剤は、油状液中で温
度変化、すなわち油温の低下によりゲル組成物の分子運
動が緩やかになり、分子配列を成して繊維状となり、水
素結合等により相互が3次元的に絡まり、流動性を失っ
て網目状の会合体を形成し、この分子配列の内部に浦を
保持できるため、固化温度以」二になるまで溶解するこ
とがない。従って、このような固化剤と油性成分である
揮散性薬剤を混合溶解し、これに昇華性物質を混合し、
ゲル化、成形すること= 6− により、薬剤成分が固化剤によりゲル化した状態で昇華
性物質の中に分散している状態となると考えられる。そ
の結果、薬剤の分散性に優れ、比較的に多星の薬剤を含
有でき、成形物の強度も充分であり、また固化剤が油固
化剤であるため、水分の影響もうけず、輸送・保管・使
用時の温度に耐え、離液等がおこらない安定な製剤が得
られる。
また、本発明の薬剤組成物においては、ゲル化した薬剤
成分と昇華性物質が各々バランスを保ちながら製剤表面
から揮散し、薬剤成分の安定した揮散が得られる。
すなわち、薬剤成分を固化剤の水素結合により分子配列
内部に保持しているため、薬剤成分の揮散抑制効果を有
し、更に、昇華性物質の間にゲル化した薬剤成分が分散
しているため、昇華性物質の昇華を防げ、昇華性物質お
よび薬剤成分の揮散を抑制・調整できる。
この揮散の抑制・調整は、固化剤の種類、添加濃度およ
び昇華性物質の種類により、任意に例えば、固化剤の添
加量は、薬剤成分の量以下で十分であり、薬剤成分に対
し0.1〜20w/w%程度が好ましい。これは昇華性
物質を含めた薬剤組成物全体に対しては、極微量に相当
する。このため、薬剤組成物中の固化剤の量は極微量で
あり1.薬剤施用中及び施用後における固形残渣が極微
量で殆んど認められず、環境汚染がない。
ところで、昇華性物質を単独で打錠成形して錠剤をつく
ると、保管・使用時に錠剤と錠剤が融着したり、表面に
ウィスカーが発生したりする。しかし、本発明の薬剤組
成物においては、昇華性物質の間隙にゲル化した薬剤が
入り込んでいるため互いの敵心が防止され、また表面に
もゲル化した薬剤が含まれるためウィスカーの発生も防
がれ、安定した所期の効果を持続し、美観を損なうこと
がない。
なお、バラジクロルベンゼン、ナフタリン、ショウノウ
等の昇華性物質は、人畜に対する有害性および環境汚染
が問題とされており、今後も規制される方向にあると考
えられるが、本発明においては、昇華性物質に常温て揮
散性のある薬剤を高濃度に含浸させることが可能となり
、揮散速度も固化剤の濃度により調節でき、昇華性物質
の使用量及び揮散量を極度に減少できるとともに、薬剤
成分の揮散性及び効力を向上させることができる。
本発明で用いる固化剤は、1.2−ヒドロキシステアリ
ン酸、ジベンジリデンソルビトール、N−アシルアミノ
酸エステル、N−アシルアミノ酸アミド、N−アシルア
ミノ酸アミン塩及び金属セッケンからなる群から選ばれ
る。
N−アシルアミノ酸エステルとしては、N−ラウロイル
グルタミン酸ジ−ラウリルエステル、N2 ・N6−ジ
カプロイルリジンラウリルエステル、N2 ・N6−ジ
ステアロイルリジンオクチルエステル、N−バルミトイ
ル−ε−アミノカプロン酸ラウリルエステル等が挙げら
れる。
N−アシルアミノ酸アミドとしては、N2 ・N6−ジ
カプロイルリジンラウリルアミド、N−カプロイル−グ
リシンステアリルアミド、N−カプロイル−グルタミン
酸ジラウリルアミド、N−ステアロイルグリシンラウリ
ルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジラウリルアミ
ド、N−ラウロイルグルタミン酸ジ・ブチルアミド、N
−ラウロイルグルタミン酸ステアリルアミド、N−ラウ
ロイルグルタミン酸ジオクチルアミド等が挙げられる。
N−アシルアミノ酸アミン塩として、N2 ・N6−ジ
カプリロイルリジンステアリルアミン塩、N−ラウロイ
ルバリンラウリルアミン塩、N2・N6−シラウロイル
リジンステアリルア ′ミン塩等が挙げられる。
金属セッケンとしては、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸リチウム、オレイン酸鉛、オレイン酸カドミ
ウム、バルミチン酸亜鉛、パルミチン酸アルミニウム、
ラウリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム等が挙げら
れる。
多孔性物質を薬剤保持体として添加し、錠剤を成形した
場合と本発明のように薬剤を予じめ固化剤によってゲル
化させたものと昇華性物質を成形した場合の初期成形品
については、表面上の差は少いが、1ケ月・3ケ月経過
したものについては、表面状態の差が明らかであり、多
孔性物質を添加して成形したものは、昇華性物質の昇華
した割合とほぼ同等の割合で多孔性物質の析出がみられ
る。しかし同化剤を用いて成形したものは、錠剤に対し
て固化剤の量が極端に少量であり、また昇華性物質が昇
華しても析出などはおこらず、薄膜のような形で残るた
め、表面の状態は非常に滑沢性に富んでおり、汚染等の
心配もない。
また、本発明に於いて成形基材に適用できる昇華性物質
としては、例えば、2,4.6−ドリイソプロビルー1
.3.5−トリオキサン(サンサブリ)、シクロデカン
、トリシクロ[5,2,1,02・6]デカン、バラジ
クロルペンゾール、ナフタリン、樟脳、アダマンタン、
エンド−トリメチルノルボルナン、トリメチルノルボル
ナン、ノルボルナン、ジメチルフマレート、アセトンオ
キシム、アルミカルバマート、ブチルカルバマート、パ
ラブチルアルデヒド、クロラールアンモニア、クロロア
セトアニリド、クロロクレゾール、シクロへキザノンオ
キシム、ジアセトアミド、ジクロロアセトン、ジクロロ
ベンゼン、ジクロロペンタン、ジハイドロキンヘキサン
、ジメチルキノン−1・、ジメチルキノン、エチルクロ
トニックアシッド、フルフラールオキシム、安息香酸な
どが挙げられる。
薬剤成分としては、以下の各種物質等が挙げられる。
防虫剤・忌避剤としては、1.3.5−1リオキサン、
P−メチルベンジルアルコール、トリイソプロピル−8
−トリオキサン、1・り第三ブチル−8−トリオキサン
、リナロール、アネトール、メントール、ケイ皮アルデ
ヒド、チモール、オイゲノール、2−イソプロピル−5
−メチルフェノール、アセトキンム、g−カルボン、サ
フロール、ントロネロール、桂皮酸、チグリン酸、安息
香酸、安息香酸エチル、β−ピネンオキンド、ベルベノ
ン、アセトイン、タロロブロバノール、トリンクレン、
カンフエン、アンゲリカラクトン、メントン、クロロブ
タノール、]、、]1,2.2−テトラメチループロパ
ン誘導体N5N−ジエチルm−トルアミド(以下DET
という)、ジ−n−ブチルサクシネート、ジ−n−プロ
ピルイソシンコメロネート、テトラメチルチウラムジサ
ルファイト、グアニジン、ナフタレンクレゾール、シク
ロへキシミド、ジンクジメチルジチオカーバメイト、シ
クロヘキシルアミン、N−N−ジメチルスルフェニルジ
チオカルバメート、2,6−シメチルーオクタジエンー
(2,6)−α1(8)、0.0−ジエチル5−2−エ
チルチオエチルジチオフォスフェート、0.0−ジメチ
ル5−2=イソプロピルチオエチルジチオホスフエート
、r−フロラローゼ、4−(メチルチオ)−3゜5−キ
シリルN−メチルカーバメート、4−アミノピリジンア
ンスラキノン、テトラメチルチラウムジサルファイド、
ジアリルジスルフィド、0− (2,2−ジクロルビニ
ル) −〇、O−ジメチルポスフェイI・、2.3,4
.5.6−ペンタフルオロベンジル、2,2−ジクロロ
プロパン−1−カルホキシレート、エンペンスリン等が
挙げられる。
防菌・防黴剤としては、2−ピリジルチオールオキサイ
ドナトリウム、アリルメタノール−モノ(ポリ)−へミ
フォルマル、N−(2−ヒドロキシプロピル)−アミノ
メタノール、]。
]2−ベンズイソチアゾリンー3−オンヘキサヒドロ−
1,3,5−トリス(2−ヒドロキンエチル)−3−4
リアジン、0−フェニールフェノール、2−クロロ−4
−フェニールフェノール、2,4.6−トリクロルフエ
ノール、パラクロロメタキシレノール、イソプロピルメ
チルフェノール、α−ブロムシンナムアルデヒド等か挙
げられる。
殺ダニ剤として、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル
、フタル酸ジブチル、N、N−ジエチル−m−トルアミ
ド等が挙げられる。
また、アレスリン、ピレトリン、フタルスリン、レスメ
トリン、ペルメトリン、フエノトリン、サイフエノトリ
ン、フェンフルスリン、プラレスリン、エンペンスリン
等のピレスロイド系殺虫剤、フェニトロチオン、DDV
P、ジクロルボス、マラソン、ダイアジノン、フェンチ
オン、ピリダフェンチオン、ブロモフォス等の有機リン
系殺虫剤、プロポクスル、メトキサシアシン、カルバリ
ル、エチオフェンカーブ等のカーバメート系殺虫剤など
の各種殺虫剤も適用することができる。
本発明における薬剤組成物には、通常用いられている効
力増強剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、溶剤、消臭剤、
香料、着色剤等の各種添加剤を任意に添加することがで
きる。また増量剤、滑剤として有機及び無機粉体を添加
することもできる。
有機及び無機粉体としては、クレー、ゼオライト、シリ
カ、ケイソウ土、アルミナ、タルク、デンプン、結晶セ
ルロース、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、
炭酸マグネシウム、活性炭等が挙げられる。上記粉体を
少量添加することにより、成形時の表面がより滑沢性に
富み、見ためも美しい。また、製造性、作業性も向上す
る。
また各種固体・液体薬剤の溶剤、増量剤、揮発・調整用
溶剤の例として以下の物が挙げられる。例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル等のアルコール類:ノルマルヘキサン、シクロヘキサ
ン、灯油、ナフサ、n−パラフィン、イソパラフィン、
芳香族系等の石油系溶剤;アセトン等のケトン類;3−
メチル−3−メトキシブタノール;エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル
、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノプロビルエーテル、ジエチレング
リコールモノイソプロビルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル、グ
リコール類;シリコン系溶剤;アラキン酸メチル、アラ
キン酸エチル、アラキン酸イソプロピル、アラキン酸n
−ブチル、アラキン酸イソブチル、アラキン酸オクトチ
ル、リーセン、ベヘニン酸メチル、ベヘニン酸エチル、
ベヘニン酸イソプロピル、ベヘニン酸n−ブチル、ベヘ
ニン酸イソブチル、セサメツクス、リノール酸エチル、
リノール酸エチル、リブノセリン酸イソプロピル、オレ
イン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロ
ピル、オレイン酸n−ブチル、オレイン酸イソブチル、
オレイン酸ペンチル、スルフォキサイド、リノール酸エ
チル、リノール酸メチル、リノール酸イソプロピル、リ
ノール酸n−ブチル、リノール酸イソブチル、リノール
酸エチル、リルン酸ブチル、オクタクロロジプロピルエ
ーテル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、ステ
アリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸イ
ソプロピル、ステアリン酸n−7’チル、ステアリン酸
イソブチル、チオシアノ酢酸イソボニル、ラウリン酸オ
クチル、ミリスチン酸n−ブチル、ミリスチン酸イソブ
チル、ミリスチン酸オクチル、アルファ[2−(2−ブ
トキシエトキシ)エトキシ] −4,5−メチレン2−
プロピルトルエン、パルミチン酸メチル、パルミチン酸
エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸n−
ブチル、パルミチン酸イソブチル、パルミチン酸オクチ
ル等を例示しうるが、これらのものに限定されものでは
ない。
本発明に係る薬剤は、次の如き製法例により製造される
。すなわち、殺虫剤・忌避剤等の薬剤成分に固化剤を加
え、加熱、撹拌、溶剤添加等により均−溶解又はゲル化
させ、次に昇華性物質を混入し、混合物を打錠、顆粒化
又は粉末化することにより得られる。また、薬剤成分、
固化剤及び昇華性物質を計量混合し、同様に製造する方
法等も実施でき、成形方法としては、溶解押出、射出、
打錠等各種方法が適用できる。
また、使用において、従来公知の剤型に適用でき、薬剤
を錠剤、顆粒剤、粉剤等としてそのまま、あるいは不織
布、紙、フィルム等の通気性包材や通気性の各種容器に
入れて使用でき、ハエ、蚊、ゴキブリ等の誘引剤、忌避
剤、殺虫剤;イガ、コイガ、ジュラタンガ、ヒメマルカ
ツオブシムシ、ヒメカツオブシムシ等の衣料用防虫剤、
忌避剤;イエダニ、ツツガムシ、メダニ、ヒヨウヒダニ
等の駆除剤;モグラ、ネズミ、ヘビ、ムカデ、ヤスデ等
の駆除剤;各種香料を用いた芳香剤:揮散性防錆剤・防
黴剤・防菌剤等として利用できる。
また、自然蒸散に限定されず、ファン式、加熱式等の強
制蒸散製剤、トイレ等の水流による芳香・消臭・洗浄用
の流失製剤にも利用できる。
加熱式においては、抵抗発熱体、PTC発熱体等を用い
て加熱し、例えば薬剤を30〜100℃にて加熱して芳
香剤を長期にわたって揮散させたり、30〜200°C
程度に殺虫剤を加熱して長短期に揮散させることができ
る。この場合、昇華性物質は、加熱時昇華するものであ
ればより好ましく、安息香酸、ザリチル酸、ニコチン酸
等が利用できる。
〔実 施 例〕
以下、実施例及び比較例を示して本発明について具体的
に説明するか、本発明が下記実施例に限定されるもので
ないことはもとよりである。
実施例1〜8及び比較例1〜3 表−1に示す処方により、昇華性錠剤を打錠成形し、打
錠時の成形性及び安定性を確認した。
なお、固化剤としてN−ラウロイル−し−グルタミン酸
−α、γ−n−ブチルアミドをDEETにあらかじめ溶
解して用いた。分析方法としては、各処方の混合粉末5
gをはかりこみ、DEETの含有量をガスクロマトグラ
フィー法により定量した。また、錠剤の場合も、同様に
1錠(約5g)中のディート含有量を定量し、打錠後の
残存率を求めた。計算式を以下に示す。
打錠後の残存率(%) −[錠剤1錠中のDEET量/混合粉5g中のDEET
量コ×100 また、成形性は以下の如く判定した。
○・・全く液だれなし。
△・・・錠剤表面に薬剤が滲んでいる。
×・・・打鍵機より薬剤が漏れる。
上記結果から明らかなように、本発明の揮散性錠剤の場
合、薬剤成分(D E E T)が固化剤により保持さ
れるため、液たれがおこらず、すべての薬剤成分が錠剤
中に含まれた状態で安定している。
それに対し、固化剤を添加しない場合(比較例1〜3)
は、昇華性物質の間隙に薬剤成分がはいりこんだ状態で
あるため、打錠時に圧力がかかると、薬剤成分か押し出
され、薬剤成分のロスか非常に大きい。また、錠剤表面
にも薬剤成分かにしみでるため、設置面への汚染の心配
がある。
実施例9〜13及び比較例4〜8 以下の処方により各成分を溶解・混合し、30mmφ、
10g/錠に成形した錠剤を25°Cに各一定期間放置
した後、表面状態の確認を行ない、各錠剤における表面
に出た残渣の重量測定を行なった。また、残渣を取り除
いた錠剤の重量減少もmll定した。結果を表−2に示
す。
残渣量の測定ニ一定期間放置した錠剤をハケではらい、
はらい落ちたもの の重量を測定する。3ケ月目 の重量は前回の重量の総和と した。
表面状態の確認:以下の如く判定した。
O・・・全く粉体の付着がない。
△・・・粉体が錠剤の一部表面に付着 X・・・粉体が錠剤の表面全体に付着。
錠剤の重量減少:残渣量の測定を終えた錠剤の重量を経
時的に測定する。
3ケ月目の重量減少は、前 回との総和とした。
実施例9            W/W%ナフタリン
          94.712−ヒドロキシステア
リン酸 0.3エムペンスリン        5 実施例10 パラジクロルベンゼン     94.8N−ラウロイ
ル−し−グルタミン 0.2酸−α、γ−ジーn−ブチ
ルアミド = 23 一 実施例11 ショウノウ          94.9N−ラウロイ
ル−し−グルタミン 0.1酸−α、γ−ジーn−ブチ
ルアミド リモネン           5 実施例12 アダマンタン         88.812−ヒドロ
キシステアリン酸 0.20−フェニールフェノール 
  1′ 灯油             10 実施例13 トリイソプロピル−8−トリオキサン 96.7 12−ヒドロキシステアリン酸 0,3ヒノキチオール
        3 比較例4 ナフタリン          85 ケイソウ±          10 エムペンスリン         5 比較例5 バラジクロルベンゼン     75 ゼオライト           20デイート   
           5比較例6 ショウノウ          80 多孔性セラミツク       15 リモネン           5 比較例7 アダマンタン         84 活性白土           5 0−フェニールフェノール   1 灯油             10 比較例8 トリイソプロピル−3−1−リオキサンシリカフラワー
        10 ヒノキチオール        3 表−2 督 上記結果から明らかなように、本発明の揮散性錠剤の場
合、表面状態に優れ、また残渣の量も殆どなかった。 
   、 試験例1 表−3に示す処方により、脂肪族炭化水素系溶剤をゲル
化させ1.昇華性物質と混合し成形した錠剤(10g/
錠)を25℃に各一定期開放置した後、重量減少を各々
5錠づつ測定し、1錠の平均を求めた。その結果を表−
3に併せて示す。なお、使用した合剤は次のとおりであ
る。
昇華性物質:ナフタリン 同化剤  :N−ラウロイル−し−グルタミン酸−α、
γ−ジーn−ブチル アミド 表−3に示すように、脂肪族炭化水素系の溶剤をゲル化
し、昇華性物質と混合し成形する場合、ゲル状物質の割
合か増すほど昇華性物質の昇華速度が抑制される。従っ
て、昇華性物質は、脂肪族炭化水素系溶剤が揮散するこ
とにより昇華性物質が消失するため、製剤のインジケー
ターとなる。またこれらの溶剤にとける薬剤成分の揮散
抑制も可能となる。また、極微量の薬剤成分を混合成形
する場合、薬剤成分を溶剤により薄め、製造性をあげる
ことが可能となる。
実施例14 昇華剤としてナフタリン、忌避香料としてユーカリ油及
び固化剤を下記表−4に示す処方にて混合し、28丁φ
、10g/錠の錠剤を成形し、揮散量試験を行なった。
試験は、25℃、75%R,H1の環境に12ケ月間放
置し、1ケ月毎における錠剤中のユーカリ油残存量をガ
スクロマトグラフィー法により各々5錠づつ測定し、1
錠の平均値を算出した。結果を表−5に示す。
表−5 下記表−5に示す結果から明らかなように、固化剤濃度
が増加するにつれて忌避剤等の薬剤成分を保持する力が
強くなり、揮散を抑制し、  □長期揮散が可能となる
。このため、固化剤の′a1度、添加量を調整すること
により、揮散持続期  1間の調節ができ、さらには、
昇華性物質と薬剤  1成分の揮散バランスを調節する
こともできる。  1実施例15〜17及び比較例9〜
12     1昇華性物質としてナフタリン、忌避薬
剤とし  lてカッシャオイルを用い、固化剤等を添加
し、下記表−6に示す処方にて混合し、28IIIII
φ、10g/錠の錠剤を成形し、揮散量試験を行った。
試験は、25℃、75%R,H,の環境下に3ケ月間放
置し、1ケ月毎の錠剤の重量減少量を測定し、各保存日
数における1日当たりの重量減少量を算出し、揮散量と
した。結果を表−7に示す。また、実施例15、比較例
9,12[ [ 表−7 比較例12のように、揮散速度が非常に速い錠剤の場合
、初期の段階で大部分の薬剤が揮散してしまう。また、
多孔性物質に保持させた場合(比較例9〜11)も、初
期に多量の薬剤が揮散し、後半は揮散量が落ちるため、
揮散パターンとしては保持体無添加(比較例12)の場
合と同じ傾向となる。それに対して、固化剤を用いて予
じめ固化させた場合は、初期段階で薬剤の揮散が抑制さ
れ、後半においても揮散量がまた、昇華性物質とのエン
ドポイントも固化剤濃度の調節により調整することがで
きる。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の薬剤組成物は、薬剤成分が同化
剤により固化した状態で昇華性物質の中に分散している
ため、以下のような効果・利点が得られる。
イ)薬剤の離液等が起こらず、安定しており、また使用
後に残渣も殆ど生じないため、周囲環境を汚染すること
がない。
口)薬剤成分及び昇華性物質の揮散を抑制、調整するこ
とができるため、これらのエンドポイントをほぼ同時期
に合致させることができると共に、長期間に亘って安定
して、かつ有効に薬剤成分を揮散させることができる。
ハ)薬剤成分の分散性に優れ、比較的に多量の薬剤を含
有できる。
二)昇華性物質の使用量及び揮散量を減少でき、安全性
に優れ、また環境汚染の問題も少ない。
ホ)成形物の安定性、強度に優れ、また成形物同士の融
着やウィスカーの発生もなく、製品外観に優れている。
本発明の他の効果・利点は、当業者にとって本明細書の
記載内容から容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例15、比較例9.12で製造された各
揮散性錠剤の揮散量の経時的変化を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)(A)揮散性薬剤、 (B)1,2−ヒドロキシステアリン酸、ジベンジリデ
    ンソルビトール、N−アシルアミノ酸エステル、N−ア
    シルアミノ酸アミド、N−アシルアミノ酸アミン塩及び
    金属セッケンからなる群から選ばれた少なくとも1種の
    固化剤、及び(C)昇華性物質 を含有することを特徴とする薬剤組成物。
  2. (2)昇華性物質が、パラジクロルベンゼン、ナフタリ
    ン、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリ
    オキサン、シクロデカン、トリシクロデカン、アダマン
    タン、ノルボルナン及びその誘導体、ジメチルフマレー
    ト及び樟脳から選ばれたものである請求項1記載の薬剤
    組成物。
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