JPH107511A - 防虫防黴剤 - Google Patents
防虫防黴剤Info
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- JPH107511A JPH107511A JP8158790A JP15879096A JPH107511A JP H107511 A JPH107511 A JP H107511A JP 8158790 A JP8158790 A JP 8158790A JP 15879096 A JP15879096 A JP 15879096A JP H107511 A JPH107511 A JP H107511A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 防虫成分としてのエムペントリンと、防黴成
分として、テトラヒドロリナロール、リナロール、シト
ロネロール、ゲラニオール、α−テルピネオール、テル
ピネン−4−オール、ジヒドロミルセノール、ロリトー
ル、シトラール、シトロネラール、L−ペリラアルデヒ
ド及びトリベルタールから選ばれた1種または2種、特
にテトラヒドロリナロール、リナロール及びシトロネロ
ールから選ばれた1種または2種を含有する防虫防黴
剤。 【効果】 本発明の防虫防黴剤、特にテトラヒドロリナ
ロール、リナロール及びシトロネロールから選ばれた1
種または2種を配合したものは、エムペントリンの優れ
た殺虫活性を保持し、かつ防黴性能を兼備するととも
に、経時的に安定で衣類への着色シミの恐れがないの
で、その実用性は極めて高い。
分として、テトラヒドロリナロール、リナロール、シト
ロネロール、ゲラニオール、α−テルピネオール、テル
ピネン−4−オール、ジヒドロミルセノール、ロリトー
ル、シトラール、シトロネラール、L−ペリラアルデヒ
ド及びトリベルタールから選ばれた1種または2種、特
にテトラヒドロリナロール、リナロール及びシトロネロ
ールから選ばれた1種または2種を含有する防虫防黴
剤。 【効果】 本発明の防虫防黴剤、特にテトラヒドロリナ
ロール、リナロール及びシトロネロールから選ばれた1
種または2種を配合したものは、エムペントリンの優れ
た殺虫活性を保持し、かつ防黴性能を兼備するととも
に、経時的に安定で衣類への着色シミの恐れがないの
で、その実用性は極めて高い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エムペントリンを含有
する防虫防黴剤の改良に関するものである。
する防虫防黴剤の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】家庭内に生息する害虫、特にイガ、コイ
ガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシなど
の衣料害虫を防除するために種々の防虫剤が市販されて
いる。エムペントリンは、高い殺虫活性を有すると共
に、常温揮散性を示し、また衣料害虫に対する食害防止
効果は従来のパラジクロルベンゼン等に比べると低薬量
で十分なことから、防虫剤の有効成分として有用であ
る。ところで、タンスや引き出しの中で湿気が高くなる
と黴が生えやすくなることから防虫効果に加えて防黴性
能を兼備する製剤が要望されている。このため例えば、
2−フェニルフェノール、4−イソプロピル−3−メチ
ルフェノール、p−クロロ−m−キシレロール、チモー
ルなどのフェノール系防黴剤をエムペントリンに添加し
た製剤が市販され、また特開平6−298619号公報
にはヒノキチオールの使用が開示されている。しかしな
がら、前者のフェノール系防黴剤は、エムペントリンの
金属(特に銅系化合物)との反応性を助長する傾向があ
るため十分な防黴性能を示す量を配合しがたく、一方後
者のヒノキチオールについては経時安定性に問題があっ
たり、あるいは衣類に着色シミを生じる懸念があったり
して満足のいく防虫防黴剤が得られていないのが現状で
ある。
ガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシなど
の衣料害虫を防除するために種々の防虫剤が市販されて
いる。エムペントリンは、高い殺虫活性を有すると共
に、常温揮散性を示し、また衣料害虫に対する食害防止
効果は従来のパラジクロルベンゼン等に比べると低薬量
で十分なことから、防虫剤の有効成分として有用であ
る。ところで、タンスや引き出しの中で湿気が高くなる
と黴が生えやすくなることから防虫効果に加えて防黴性
能を兼備する製剤が要望されている。このため例えば、
2−フェニルフェノール、4−イソプロピル−3−メチ
ルフェノール、p−クロロ−m−キシレロール、チモー
ルなどのフェノール系防黴剤をエムペントリンに添加し
た製剤が市販され、また特開平6−298619号公報
にはヒノキチオールの使用が開示されている。しかしな
がら、前者のフェノール系防黴剤は、エムペントリンの
金属(特に銅系化合物)との反応性を助長する傾向があ
るため十分な防黴性能を示す量を配合しがたく、一方後
者のヒノキチオールについては経時安定性に問題があっ
たり、あるいは衣類に着色シミを生じる懸念があったり
して満足のいく防虫防黴剤が得られていないのが現状で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エムペント
リンの優れた殺虫活性を保持し、かつ防黴性能を兼備す
るとともに、経時的に安定で衣類への着色シミの恐れの
ない優れた防虫防黴剤を提供することを目的とする。
リンの優れた殺虫活性を保持し、かつ防黴性能を兼備す
るとともに、経時的に安定で衣類への着色シミの恐れの
ない優れた防虫防黴剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の防黴剤
を選択しエムペントリンと組み合わせることによって、
目的の防虫防黴剤が得られることを見いだし本発明を完
成した。
め、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の防黴剤
を選択しエムペントリンと組み合わせることによって、
目的の防虫防黴剤が得られることを見いだし本発明を完
成した。
【0005】すなわち、請求項1の発明は、防虫成分と
してのエムペントリンと、防黴成分として、テトラヒド
ロリナロール、リナロール、シトロネロール、ゲラニオ
ール、α−テルピネオール、テルピネン−4−オール、
ジヒドロミルセノール、ロリトール、シトラール、シト
ロネラール、L−ペリラアルデヒド及びトリベルタール
から選ばれた1種または2種を含有する防虫防黴剤に係
るものである。
してのエムペントリンと、防黴成分として、テトラヒド
ロリナロール、リナロール、シトロネロール、ゲラニオ
ール、α−テルピネオール、テルピネン−4−オール、
ジヒドロミルセノール、ロリトール、シトラール、シト
ロネラール、L−ペリラアルデヒド及びトリベルタール
から選ばれた1種または2種を含有する防虫防黴剤に係
るものである。
【0006】本発明で使用されるエムペントリンは、衣
料害虫に対して高い食害防止効果を有し、適用される製
剤の形態や配合量などは用途、目的に応じて適宜決定す
ることができる。例えば洋服タンス用としては、防虫成
分を含浸させたパルプ製マットをプラスチックケースに
収納したものが一般的で、容積600〜900l当たり
エムペントリンの使用量を300〜800mgとするの
が適当である。一方、タンスの引き出しや衣装ケース用
については、50lの引き出し当たりエムペントリンを
50〜200mg使用したパルプ製マット形態のほか、
ペレットを不織布で包納したタイプの製剤も有用であ
る。
料害虫に対して高い食害防止効果を有し、適用される製
剤の形態や配合量などは用途、目的に応じて適宜決定す
ることができる。例えば洋服タンス用としては、防虫成
分を含浸させたパルプ製マットをプラスチックケースに
収納したものが一般的で、容積600〜900l当たり
エムペントリンの使用量を300〜800mgとするの
が適当である。一方、タンスの引き出しや衣装ケース用
については、50lの引き出し当たりエムペントリンを
50〜200mg使用したパルプ製マット形態のほか、
ペレットを不織布で包納したタイプの製剤も有用であ
る。
【0007】また、本発明で用いられるテトラヒドロリ
ナロール、リナロール、シトロネロール、ゲラニオー
ル、α−テルピネオール、テルピネン−4−オール、ジ
ヒドロミルセノール、ロリトール、シトラール、シトロ
ネラール、L−ペリラアルデヒド及びトリベルタールは
テルペン系の化合物で、抗菌性を有するとの文献上の記
載があるものの防黴性についてはほとんど知られておら
ず、フェノール系の防黴剤やヒノキチオールなどに比べ
ると注目されていなかった。しかるに、本発明者らは種
々の化合物を防虫剤用途にスクリーニングした結果、上
記化合物、特にテトラヒドロリナロール、リナロールと
シトロネロールが、防黴性能にすぐれることはもちろ
ん、経時的劣化や衣類への汚染性が殆どないため、防虫
剤の如く長期間使用される製剤に最適であることを見い
だしたものである。そして、これらの防黴剤の配合量
も、エムペントリンと同様、使用目的に応じて任意に決
定することができる。
ナロール、リナロール、シトロネロール、ゲラニオー
ル、α−テルピネオール、テルピネン−4−オール、ジ
ヒドロミルセノール、ロリトール、シトラール、シトロ
ネラール、L−ペリラアルデヒド及びトリベルタールは
テルペン系の化合物で、抗菌性を有するとの文献上の記
載があるものの防黴性についてはほとんど知られておら
ず、フェノール系の防黴剤やヒノキチオールなどに比べ
ると注目されていなかった。しかるに、本発明者らは種
々の化合物を防虫剤用途にスクリーニングした結果、上
記化合物、特にテトラヒドロリナロール、リナロールと
シトロネロールが、防黴性能にすぐれることはもちろ
ん、経時的劣化や衣類への汚染性が殆どないため、防虫
剤の如く長期間使用される製剤に最適であることを見い
だしたものである。そして、これらの防黴剤の配合量
も、エムペントリンと同様、使用目的に応じて任意に決
定することができる。
【0008】本発明の防虫防黴剤には、発明の特性を損
なわない限り、適宜他の種類の揮散性薬剤、例えばアレ
スリン、フラメトリン、プラレトリン、テフラメトリ
ン、ベンフルスリン、フェンフルスリンなどのピレスロ
イド系殺虫剤、フェニトロチオン、ジクロルボスなどの
有機リン系殺虫剤、サフロール、ディートなどの忌避
剤、殺菌剤、消臭剤、香料、安定剤、色素、その他の助
剤を必要に応じて配合し効果のすぐれた多目的防虫防黴
剤とすることも可能である。
なわない限り、適宜他の種類の揮散性薬剤、例えばアレ
スリン、フラメトリン、プラレトリン、テフラメトリ
ン、ベンフルスリン、フェンフルスリンなどのピレスロ
イド系殺虫剤、フェニトロチオン、ジクロルボスなどの
有機リン系殺虫剤、サフロール、ディートなどの忌避
剤、殺菌剤、消臭剤、香料、安定剤、色素、その他の助
剤を必要に応じて配合し効果のすぐれた多目的防虫防黴
剤とすることも可能である。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、防黴剤として、特にテトラヒドロリナロール、リナ
ロール及びシトロネロールから選ばれた1種または2種
を用いたものである。
て、防黴剤として、特にテトラヒドロリナロール、リナ
ロール及びシトロネロールから選ばれた1種または2種
を用いたものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項2の構成におい
て、エムペントリンと、テトラヒドロリナロール、リナ
ロール及びシトロネロールから選ばれた1種または2種
の配合比を、1:0.02〜1:2としたものである。
て、エムペントリンと、テトラヒドロリナロール、リナ
ロール及びシトロネロールから選ばれた1種または2種
の配合比を、1:0.02〜1:2としたものである。
【0011】請求項4の発明は、請求項2または3の構
成において、エムペントリンと、テトラヒドロリナロー
ル、リナロール及びシトロネロールから選ばれた1種ま
たは2種をパルプ製マットに含浸させ、これをプラスチ
ックケースに収納したものである。
成において、エムペントリンと、テトラヒドロリナロー
ル、リナロール及びシトロネロールから選ばれた1種ま
たは2種をパルプ製マットに含浸させ、これをプラスチ
ックケースに収納したものである。
【0012】請求項5の発明は、請求項4の構成におい
て、プラスチックケースの材質としてポリエステルを選
択したものである。
て、プラスチックケースの材質としてポリエステルを選
択したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】請求項1の発明によると、エムペ
ントリンの優れた防虫効果と、テトラヒドロリナロー
ル、リナロール、シトロネロール、ゲラニオール、α−
テルピネオール、テルピネン−4−オール、ジヒドロミ
ルセノール、ロリトール、シトラール、シトロネラー
ル、L−ペリラアルデヒド及びトリベルタールから選ば
れた1種または2種のすぐれた防黴性能を兼備する防虫
防黴剤が提供される。形態としては、パルプ製マットを
プラスチックケースに収納したタイプ、ペレットを不織
布で包納したタイプ、あるいはシート状のものなど様々
なものがある。そして、洋服タンス用、引き出し・衣装
ケース用をはじめ、洋服カバー用、人形用など種々の用
途に応じて使い分けられ、通常約6ケ月間にわたり、イ
ガ、コイガ、カツオブシムシ、シミなどの衣料害虫によ
る食害と黴等による衣類の品質低下を防止するものであ
る。また、使用のエンドポイントを示すインジケーター
を装填するなど必要に応じて実用的機能を付与してもよ
いことはもちろんである。
ントリンの優れた防虫効果と、テトラヒドロリナロー
ル、リナロール、シトロネロール、ゲラニオール、α−
テルピネオール、テルピネン−4−オール、ジヒドロミ
ルセノール、ロリトール、シトラール、シトロネラー
ル、L−ペリラアルデヒド及びトリベルタールから選ば
れた1種または2種のすぐれた防黴性能を兼備する防虫
防黴剤が提供される。形態としては、パルプ製マットを
プラスチックケースに収納したタイプ、ペレットを不織
布で包納したタイプ、あるいはシート状のものなど様々
なものがある。そして、洋服タンス用、引き出し・衣装
ケース用をはじめ、洋服カバー用、人形用など種々の用
途に応じて使い分けられ、通常約6ケ月間にわたり、イ
ガ、コイガ、カツオブシムシ、シミなどの衣料害虫によ
る食害と黴等による衣類の品質低下を防止するものであ
る。また、使用のエンドポイントを示すインジケーター
を装填するなど必要に応じて実用的機能を付与してもよ
いことはもちろんである。
【0014】請求項2の発明によると、防黴剤として特
に有用なテトラヒドロリナロール、リナロール及びシト
ロネロールから選ばれた1種または2種を用いたので、
防虫、防黴効果に加え、経時的劣化や衣類への着色シミ
の恐れのないより優れた防虫防黴剤を得ることができ
る。
に有用なテトラヒドロリナロール、リナロール及びシト
ロネロールから選ばれた1種または2種を用いたので、
防虫、防黴効果に加え、経時的劣化や衣類への着色シミ
の恐れのないより優れた防虫防黴剤を得ることができ
る。
【0015】請求項3の発明によると、エムペントリン
と、テトラヒドロリナロール、リナロール及びシトロネ
ロールから選ばれた1種または2種の配合比を、相乗的
な防虫効果と防黴効果を期待できる1:0.02〜1:
2としたので極めて有用である。
と、テトラヒドロリナロール、リナロール及びシトロネ
ロールから選ばれた1種または2種の配合比を、相乗的
な防虫効果と防黴効果を期待できる1:0.02〜1:
2としたので極めて有用である。
【0016】請求項4の発明によると、成分をパルプ製
マットに含浸させ、これをプラスチックケースに収納す
る形態としたのでより実用的な防虫防黴剤が提供され
る。
マットに含浸させ、これをプラスチックケースに収納す
る形態としたのでより実用的な防虫防黴剤が提供され
る。
【0017】請求項5の発明によると、プラスチックケ
ースの材質として有効成分の吸着ロスのほとんどないポ
リエステルを選択したので一層有用な防虫防黴剤を得る
ことができる。
ースの材質として有効成分の吸着ロスのほとんどないポ
リエステルを選択したので一層有用な防虫防黴剤を得る
ことができる。
【0018】
【実施例】つぎに具体的実施例ならびに試験例に基づい
て、本発明の防虫防黴剤を更に詳細に説明する。
て、本発明の防虫防黴剤を更に詳細に説明する。
【0019】実施例1.縦22mm、横35mm、厚さ
2.8mmのパルプ製マットに、エムペントリンを60
mg、テトラヒドロリナロールを10mg、安定剤とし
てのヨシノックス425を4mg及び灯油を含む薬液を
含浸させ、このマットをポリエステル製ケースに収納し
て本発明の防虫防黴剤を得た。この防虫防黴剤を衣類の
詰まった衣装ケースに入れて使用したところ、6ケ月間
にわたり衣料害虫に対する防虫効果と防黴効果を保持
し、薬剤の経時変化に起因する臭いや衣類の汚染もなか
った。
2.8mmのパルプ製マットに、エムペントリンを60
mg、テトラヒドロリナロールを10mg、安定剤とし
てのヨシノックス425を4mg及び灯油を含む薬液を
含浸させ、このマットをポリエステル製ケースに収納し
て本発明の防虫防黴剤を得た。この防虫防黴剤を衣類の
詰まった衣装ケースに入れて使用したところ、6ケ月間
にわたり衣料害虫に対する防虫効果と防黴効果を保持
し、薬剤の経時変化に起因する臭いや衣類の汚染もなか
った。
【0020】実施例2.エチレン−酢酸ビニール共重合
体に、全体量に対して3.0%となるようなエムペント
リンと全体量に対して0.8%のリナロールを練り込ん
だのち、一個あたり0.05〜0.1gの重量のペレッ
トに成型した。このペレット4.0gを通気性のポリエ
ステル製不織布袋に封入し、更に6ケ月間の期間を示す
インジケーターを装填して、本発明の防虫防黴剤を得
た。この防虫防黴剤2個を引き出しに入れて使用したと
ころ、インジケーターの表示期間中、衣類はイガやカツ
オブシムシなどによる食害を受けることがなく、また黴
臭がこもることもなかった。
体に、全体量に対して3.0%となるようなエムペント
リンと全体量に対して0.8%のリナロールを練り込ん
だのち、一個あたり0.05〜0.1gの重量のペレッ
トに成型した。このペレット4.0gを通気性のポリエ
ステル製不織布袋に封入し、更に6ケ月間の期間を示す
インジケーターを装填して、本発明の防虫防黴剤を得
た。この防虫防黴剤2個を引き出しに入れて使用したと
ころ、インジケーターの表示期間中、衣類はイガやカツ
オブシムシなどによる食害を受けることがなく、また黴
臭がこもることもなかった。
【0021】試験例1.実施例1準じて表1に示す種々
のプラスチックケース入り防虫防黴剤を調製し、下記の
性能試験を実施した。表1にその結果も示す。 (1)食害防止試験 50l容量の衣装ケースに毛布を4枚敷き、その上に防
虫防黴剤を置いた。6ケ月後に防虫防黴剤を取りのぞ
き、替わりにイガ5頭を含む円筒シリンダーを置いて1
週間にわたり毛布に対する食害状況を観察した。なお、
食害状況の結果は次の基準で評価した。 〇;全く食害なし. △;極くわずかの食痕あり. ×;食害が認められる. (2)防黴試験 (1)の食害防止試験で用いた50l容量の衣装ケース
を湿度80%の部屋に保管し、6ケ月後に黴臭の有無を
観察した。結果は、殆ど認められないものから認められ
るものの順に、〇、△、×の記号で示した。 (3)銅変試験 (1)の食害防止試験で用いた50l容量の衣装ケース
に、真鍮でプリント印刷した包装紙を置き、その上に防
虫防黴剤を載せ、6ケ月後に包装紙に対する変色の発生
状況を観察した。結果は、〇、△、×の記号で示した。 (4)衣類の着色試験 (2)の銅変試験で用いた包装紙の替わりに白地の木綿
布を置き、6ケ月後に木綿布に対する変色の発生状況を
観察した。結果は、〇、△、×の記号で示した。 (5)使用中の経時変化試験 (1)の食害防止試験を兼用し、6ケ月後の時点で防黴
剤の経時変化に起因する異臭が生じていないかを調べ
た。結果は、殆ど認められないものから認められるもの
の順に、〇、△、×の記号で示した。
のプラスチックケース入り防虫防黴剤を調製し、下記の
性能試験を実施した。表1にその結果も示す。 (1)食害防止試験 50l容量の衣装ケースに毛布を4枚敷き、その上に防
虫防黴剤を置いた。6ケ月後に防虫防黴剤を取りのぞ
き、替わりにイガ5頭を含む円筒シリンダーを置いて1
週間にわたり毛布に対する食害状況を観察した。なお、
食害状況の結果は次の基準で評価した。 〇;全く食害なし. △;極くわずかの食痕あり. ×;食害が認められる. (2)防黴試験 (1)の食害防止試験で用いた50l容量の衣装ケース
を湿度80%の部屋に保管し、6ケ月後に黴臭の有無を
観察した。結果は、殆ど認められないものから認められ
るものの順に、〇、△、×の記号で示した。 (3)銅変試験 (1)の食害防止試験で用いた50l容量の衣装ケース
に、真鍮でプリント印刷した包装紙を置き、その上に防
虫防黴剤を載せ、6ケ月後に包装紙に対する変色の発生
状況を観察した。結果は、〇、△、×の記号で示した。 (4)衣類の着色試験 (2)の銅変試験で用いた包装紙の替わりに白地の木綿
布を置き、6ケ月後に木綿布に対する変色の発生状況を
観察した。結果は、〇、△、×の記号で示した。 (5)使用中の経時変化試験 (1)の食害防止試験を兼用し、6ケ月後の時点で防黴
剤の経時変化に起因する異臭が生じていないかを調べ
た。結果は、殆ど認められないものから認められるもの
の順に、〇、△、×の記号で示した。
【0022】
【表1】
【0023】試験の結果、本発明の防虫防黴剤は、高い
食害防止効果ならびに防黴効果を奏するとともに、エム
ペントリンの銅との反応性への影響、経時変化に起因す
る衣類の汚染、異臭などについても問題を生じなかっ
た。特にテトラヒドロリナロール、リナロール及びシト
ロネロールから選ばれた1種または2種を配合したもの
はすぐれたが、防黴剤の配合量がエムペントリンに対し
て0.02倍量未満では防黴効果がやや不足し、一方2
倍量を超えるとエムペントリンの揮散性に影響を及ぼし
た。これに対し、防黴剤としてチモールやp−クロロ−
m−キシレロールを用いた対照の防虫防黴剤(対照例1
および対照例2)は、エムペントリンの銅との反応性を
助長したり、経時変化で臭いが変質したりして好ましく
なかった。更に、天然香料系のヒノキチオール(対照例
3)は、衣類に着色を生じ、防虫防黴剤の如き長期間空
気に曝される製剤には不適当であることも明らかとなっ
た。
食害防止効果ならびに防黴効果を奏するとともに、エム
ペントリンの銅との反応性への影響、経時変化に起因す
る衣類の汚染、異臭などについても問題を生じなかっ
た。特にテトラヒドロリナロール、リナロール及びシト
ロネロールから選ばれた1種または2種を配合したもの
はすぐれたが、防黴剤の配合量がエムペントリンに対し
て0.02倍量未満では防黴効果がやや不足し、一方2
倍量を超えるとエムペントリンの揮散性に影響を及ぼし
た。これに対し、防黴剤としてチモールやp−クロロ−
m−キシレロールを用いた対照の防虫防黴剤(対照例1
および対照例2)は、エムペントリンの銅との反応性を
助長したり、経時変化で臭いが変質したりして好ましく
なかった。更に、天然香料系のヒノキチオール(対照例
3)は、衣類に着色を生じ、防虫防黴剤の如き長期間空
気に曝される製剤には不適当であることも明らかとなっ
た。
【0024】
【発明の効果】本発明の防虫防黴剤、特にテトラヒドロ
リナロール、リナロール及びシトロネロールから選ばれ
た1種または2種を配合したものは、エムペントリンの
優れた殺虫活性を保持し、かつ防黴性能を兼備するとと
もに、経時的に安定で衣類への着色シミの恐れがないの
で、その実用性は極めて高い。
リナロール、リナロール及びシトロネロールから選ばれ
た1種または2種を配合したものは、エムペントリンの
優れた殺虫活性を保持し、かつ防黴性能を兼備するとと
もに、経時的に安定で衣類への着色シミの恐れがないの
で、その実用性は極めて高い。
Claims (5)
- 【請求項1】 防虫成分としてのエムペントリンと、防
黴成分として、テトラヒドロリナロール、リナロール、
シトロネロール、ゲラニオール、α−テルピネオール、
テルピネン−4−オール、ジヒドロミルセノール、ロリ
トール、シトラール、シトロネラール、L−ペリラアル
デヒド及びトリベルタールから選ばれた1種または2種
を含有することを特徴とする防虫防黴剤。 - 【請求項2】 防黴成分がテトラヒドロリナロール、リ
ナロール及びシトロネロールから選ばれた1種または2
種であることを特徴とする請求項1記載の防虫防黴剤。 - 【請求項3】 エムペントリンと、テトラヒドロリナロ
ール、リナロール及びシトロネロールから選ばれた1種
または2種の配合比が、1:0.02〜1:2であるこ
とを特徴とする請求項2記載の防虫防黴剤。 - 【請求項4】 エムペントリンと、テトラヒドロリナロ
ール、リナロール及びシトロネロールから選ばれた1種
または2種をパルプ製マットに含浸させ、これをプラス
チックケースに収納してなることを特徴とする請求項2
または3に記載の防虫防黴剤。 - 【請求項5】 プラスチックケースがポリエステル製で
あることを特徴とする請求項4記載の防虫防黴剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8158790A JPH107511A (ja) | 1996-04-22 | 1996-05-15 | 防虫防黴剤 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2000198702A (ja) * | 1999-01-07 | 2000-07-18 | Fumakilla Ltd | 通気性容器収納型殺虫剤 |
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JP2003238321A (ja) * | 2002-02-08 | 2003-08-27 | Dainippon Jochugiku Co Ltd | 防虫、抗菌エアゾール剤 |
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1996
- 1996-05-15 JP JP8158790A patent/JPH107511A/ja active Pending
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JPWO2020095809A1 (ja) * | 2018-11-06 | 2021-09-02 | 大日本除蟲菊株式会社 | 衣料害虫防除組成物、並びに、当該組成物を用いた衣料消臭方法及び衣料防虫消臭方法 |
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