JPWO2020095809A1 - 衣料害虫防除組成物、並びに、当該組成物を用いた衣料消臭方法及び衣料防虫消臭方法 - Google Patents

衣料害虫防除組成物、並びに、当該組成物を用いた衣料消臭方法及び衣料防虫消臭方法 Download PDF

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Abstract

防虫機能を果たすとともに衣類に付着する悪臭を持続的に消臭可能な衣料害虫防除組成物を提供する。
防虫成分と香料成分とを含有する衣料害虫防除組成物であって、香料成分は、衣料に付着した悪臭を消臭する消臭機能を有し、防虫成分は、香料成分の消臭機能を持続させる持続機能を有する。防虫成分は、エンペントリン、及び/又はプロフルトリンであり、香料成分は、ベンゼン環、安息香酸エステル構造、又はサリチル酸エステル構造に由来する電子共役部以外の電子共役部を有さず、炭素数が6〜18であり、分子量が98〜270であり、炭素原子、水素原子、及び酸素原子を有し、硫黄原子、窒素原子、及びハロゲン原子を有さない化合物である。

Description

本発明は、防虫成分と香料成分とを含有する衣料害虫防除組成物、及び当該組成物を用いた衣料消臭方法に関する。さらに、本発明は、衣料に対して防虫処理と消臭処理とを同時に行う衣料防虫消臭方法に関する。
衣料害虫から繊維製品を保護するため、様々な衣料害虫防除製品が開発され、実用化されている。例えば、常温揮散性を有するピレスロイド系防虫成分に代えて、香料成分を有効成分とする衣料害虫防除製品が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1の衣料害虫防除製品は、酢酸エステル化合物、アリルエステル化合物等の香料成分を吸水性ポリマーに保持させたものであり、長期に亘って有効成分の揮散性を維持することで、タンス、引き出し、クローゼット、衣料収納箱等の収納空間で衣料害虫の幼虫を致死させ、優れた摂食阻害効果を発揮することができる。
特開2015−117231号公報
衣類は、着用中に汗臭、加齢臭、タバコ臭等の生活臭が付着することがある。そのため、衣類の管理では、衣料害虫の防除に加えて、衣類に付着する悪臭を消臭することが望まれる。例えば、外衣等は、連日使用することが多いため、クローゼット等の収納空間から取り出す際に、前日に衣類に付着した生活臭が不快感をもたらす虞があり、収納中に悪臭を持続的に消臭できることが望まれる。
特許文献1の衣料害虫防除製品は、香料成分を有効成分としていることで消臭機能が期待されるが、衣料害虫に対する防虫機能を主眼として香料成分となる化合物が選択されており、衣類特有の悪臭に対する消臭機能については、検討の余地がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、防虫機能を果たすとともに衣類に付着する悪臭を持続的に消臭可能な衣料害虫防除組成物、及び当該組成物を用いた衣料消臭方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、一回の処理で衣料に防虫効果と持続的な消臭効果とを同時に付与可能な衣料防虫消臭方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る衣料害虫防除組成物の特徴構成は、
防虫成分と香料成分とを含有する衣料害虫防除組成物であって、
前記香料成分は、衣料に付着した悪臭を消臭する消臭機能を有し、
前記防虫成分は、前記香料成分の消臭機能を持続させる持続機能を有することにある。
本構成の衣料害虫防除組成物は、本発明者らが、様々な衣料害虫防除組成物を調製して種々試験を繰り返す中で、特定の防虫成分が香料成分の消臭機能を持続させる持続機能を有することを新たに見出したことにより、完成するに至ったものである。本構成の衣料害虫防除組成物によれば、香料成分が衣料に付着した悪臭を消臭する消臭機能を有し、防虫成分が香料成分の消臭機能を持続させる持続機能を有することにより、防虫成分が衣料害虫に対する防虫機能を果たすととともに、香料成分による消臭機能を長期に亘って持続させて衣類に付着する悪臭を持続的に消臭することができる。そのため、本発明の衣料害虫防除組成物を衣類の収納空間に処理しておくことで、収納中に香料成分による消臭機能が持続し、収納空間から衣類を取り出す際に不快感が生じることを防ぐことができる。
本発明に係る衣料害虫防除組成物において、
前記防虫成分は、エンペントリン、及び/又はプロフルトリンであり、
前記香料成分は、ベンゼン環、安息香酸エステル構造、又はサリチル酸エステル構造に由来する電子共役部以外の電子共役部を有さず、炭素数が6〜18であり、分子量が98〜270であり、炭素原子、水素原子、及び酸素原子を有し、硫黄原子、窒素原子、及びハロゲン原子を有さない化合物であることが好ましい。
本構成の衣料害虫防除組成物によれば、上記の特定の防虫成分と香料成分とを組み合わせることによって、防虫成分と香料成分との相乗効果により、香料成分による消臭機能を長期に亘って持続させることができる。
本発明に係る衣料害虫防除組成物において、
前記香料成分は、シス−3−ヘキセノール、ジヒドロミルセノール、エチルリナロール、リナロール 、ゲラニオール、テトラヒドロゲラニオール、テルピネオール、フェニルエチルアルコール、ヘリオナール、リリアール、安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、シス−3−ヘキセニルサリチレート、ジヒドロジャスモン酸メチル、リナリルアセテート、ラズベリーケトン、ガラクソリド、エチレンブラシレート、及びシクロペンタデカノリドからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
本構成の衣料害虫防除組成物によれば、上記の香料成分を含有することにより、防虫成分と香料成分との相乗効果が大きくなり、消臭機能の持続性を向上させることができる。
本発明に係る衣料害虫防除組成物において、
前記香料成分の含有量が1〜20質量%であることが好ましい。
本構成の衣料害虫防除組成物によれば、香料成分の含有量が適切な範囲にあるため、例えば、衣料害虫防除組成物を含浸させた担体を衣類の収納空間に設置し、収納空間内に衣料害虫防除組成物を揮散させた場合に、衣類に付着する悪臭を芳香によってマスクして、十分な消臭性を得ることができる。
本発明に係る衣料害虫防除組成物において、
前記香料成分(a)と前記防虫成分(b)との配合比(a/b)が、重量比として、0.1〜2.0であることが好ましい。
本構成の衣料害虫防除組成物によれば、配合比が適切な範囲にあるため、防虫成分による衣料害虫に対する防虫機能を十分に発揮しつつ、防虫成分と香料成分との相乗効果を十分に発揮することができ、香料成分による消臭機能を長期に亘って持続させることができる。
上記課題を解決するための本発明に係る衣料消臭方法の特徴構成は、
前記の何れか一つに記載の衣料害虫防除組成物を用いた衣料消臭方法であって、
前記衣料害虫防除組成物を含浸させた担体を衣料の収納空間に設置し、前記担体から前記衣料害虫防除組成物を揮散させることにある。
本構成の衣料消臭方法によれば、前記の何れか一つに記載の衣料害虫防除組成物を収納空間において揮散させることで、防虫成分による防虫機能が得られるととともに、防虫成分と香料成分との相乗効果により、香料成分による消臭機能が長期に亘って持続する。そのため、本発明の衣料消臭方法を実施することで、収納中に香料成分による消臭機能が持続し、収納空間から衣類を取り出す際に不快感が生じることを防ぐことができる。
上記課題を解決するための本発明に係る衣料防虫消臭方法の特徴構成は、
衣料に対して防虫処理と消臭処理とを同時に行う衣料防虫消臭方法であって、
収納空間内に処理対象の衣料を防虫成分と香料成分とを含有する衣料害虫防除組成物とともに収納する収納工程と、
前記衣料に十分な防虫効果及び消臭効果が付与されるように、前記収納空間内に前記衣料害虫防除組成物を揮散させる揮散工程と、
を包含することにある。
本構成の衣料防虫消臭方法によれば、収納空間内に処理対象の衣料を防虫成分と香料成分とを含有する衣料害虫防除組成物とともに収納し、さらに、衣料に十分な防虫効果及び消臭効果が付与されるように、収納空間内に衣料害虫防除組成物を揮散させることで、一回の処理で衣料に防虫効果と持続的な消臭効果とを同時に付与することができる。そして、本発明の衣料防虫消臭方法によって処理された衣料は、防虫成分と香料成分との相乗効果により、香料成分による消臭機能が長期に亘って持続するため、例えば、一日中外出するような場合であっても、不快な害虫が寄り付かず、かつ臭いも気にならずに長時間快適に活動することができる。
以下、本発明の衣料害虫防除組成物、及び衣料消臭方法について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態に記載される構成に限定されることを意図しない。
<衣料害虫防除組成物>
本発明の衣料害虫防除組成物は、衣料に付着した悪臭を消臭する消臭機能を有する香料成分と、防虫機能に加えて香料成分の消臭機能を持続させる持続機能を有する防虫成分とを含有する。
本発明の衣料害虫防除組成物の主成分の一つである防虫成分としては、香料成分の消臭機能を持続させる持続機能を有するものが使用される。具体的には、エンペントリン、プロフルトリン、及びp−メンタン−3,8−ジオール等が挙げられ、好ましい防虫成分は、エンペントリン、及び/又はプロフルトリンである。なお、以降の説明では、好ましい防虫成分であるエンペントリン、及びプロフルトリンを使用した実施形態について述べる。エンペントリン、及びプロフルトリンは、常温揮散性を有するピレスロイド系防虫成分であり、衣料害虫であるイガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシやシミ類に対して、特にイガ、又はコイガの幼虫に対して高い防除効果を有する。このように、エンペントリン、及びプロフルトリンは、従来は防虫剤として使用されていたが、本発明者らが、エンペントリン、及びプロフルトリンを含有する様々な衣料害虫防除組成物を調製する中で、エンペントリン、及びプロフルトリンが、後述する特定の香料成分の消臭機能を持続させる持続機能を有することを新たに見出した。本発明の衣料害虫防除組成物は、衣料害虫防除組成物を含浸させた担持体を衣類の収納空間へ設置することで、収納空間内に防虫成分を揮散させて衣料害虫を防除しつつ、収納中の衣類に付着した悪臭の消臭を長期に亘って持続させることができる。衣料害虫防除組成物中の防虫成分の含有量は、10〜80質量%であることが好ましい。このような範囲であれば、衣料害虫防除組成物を含浸させた担持体を収納空間内に設置することで、衣料害虫に対する防虫効果を発揮しつつ、後述する特定の香料成分との相乗効果を奏して、消臭機能の持続性を向上することができる。防虫成分の含有量が10質量%未満である場合、衣料害虫に対する防虫効果や、香料成分との相乗効果による消臭機能の持続性が不十分となる虞がある。防虫成分の含有量が80質量%を超える場合、実用上必要な防虫効果が得られる量を超えて防虫成分を配合することになり、経済的に不利である。
本発明の衣料害虫防除組成物の主成分の一つである香料成分としては、ベンゼン環、安息香酸エステル構造、又はサリチル酸エステル構造に由来する電子共役部以外の電子共役部を有さず、炭素数が6〜18であり、分子量が98〜270であり、炭素原子、水素原子、及び酸素原子を有し、硫黄原子、窒素原子、及びハロゲン原子を有さない化合物が使用される。このような化合物は、衣類に付着した悪臭(汗臭、ミドル脂臭、加齢臭、タバコ臭、及び調理臭)を芳香によってマスクする優れた消臭機能を有するとともに、本発明において防虫成分として使用されるエンペントリン、及びプロフルトリンとの相乗効果により、その消臭機能を長時間に亘って持続させることができる。このような化合物としては、下記式(1):
Figure 2020095809
で示されるシス−3−ヘキセノール(以下、「化合物A」と称する。)、下記式(2):
Figure 2020095809
で示されるジヒドロミルセノール(以下、「化合物B」と称する。)、下記式(3):
Figure 2020095809
で示されるエチルリナロール(以下、「化合物C」と称する。)、下記式(4):
Figure 2020095809
で示されるリナロール(以下、「化合物D」と称する。)、下記式(5):
Figure 2020095809
で示されるゲラニオール(以下、「化合物E」と称する。)、下記式(6):
Figure 2020095809
で示されるテトラヒドロゲラニオール(以下、「化合物F」と称する。)、下記式(7):
Figure 2020095809
で示されるテルピネオール(以下、「化合物G」と称する。)、下記式(8):
Figure 2020095809
で示されるフェニルエチルアルコール(以下、「化合物H」と称する。)、下記式(9):
Figure 2020095809
で示されるヘリオナール(以下、「化合物I」と称する。)、下記式(10):
Figure 2020095809
で示されるリリアール(以下、「化合物J」と称する。)、下記式(11):
Figure 2020095809
で示される安息香酸ベンジル(以下、「化合物K」と称する。)、下記式(12):
Figure 2020095809
で示されるサリチル酸ベンジル(以下、「化合物L」と称する。)、下記式(13):
Figure 2020095809
で示されるシス−3−ヘキセニルサリチレート(以下、「化合物M」と称する。)、下記式(14):
Figure 2020095809
で示されるジヒドロジャスモン酸メチル(以下、「化合物N」と称する。)、下記式(15):
Figure 2020095809
で示されるリナリルアセテート(以下、「化合物O」と称する。)、下記式(16):
Figure 2020095809
で示されるラズベリーケトン(以下、「化合物P」と称する。)、下記式(17):
Figure 2020095809
で示されるガラクソリド(以下、「化合物Q」と称する。)、下記式(18):
Figure 2020095809
で示されるエチレンブラシレート(以下、「化合物R」と称する。)、下記式(19):
Figure 2020095809
で示されるシクロペンタデカノリド(以下、「化合物S」と称する。)等が挙げられる。
上記の化合物A〜Sは、単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。香料成分の含有量は、1〜20質量%が好ましい。香料成分の含有量がこのような範囲であれば、例えば、本発明の衣料害虫防除組成物を含浸させた担体を衣類の収納空間に設置し、或いは本発明の衣料害虫防除組成物を含むエアゾール等の噴射製品を衣類の収納空間内に直接噴射し、収納空間内に衣料害虫防除組成物を揮散させた場合に、収容中の衣類に付着した悪臭をマスクして、十分な消臭性を得ることができる。香料成分の含有量が1質量%未満である場合、収納空間内に衣料害虫防除組成物を揮散させた場合の消臭性が不足する虞がある。香料成分の含有量が20質量%を超える場合、衣料害虫防除組成物がべたつき易くなる。
本発明の衣料害虫防除組成物において、香料成分(a)と防虫成分(b)との配合比(a/b)は、重量比として、0.1〜2.0に調整することが好ましい。配合比(a/b)がこのような範囲であれば、防虫成分と香料成分との相乗効果が大きくなり、香料成分による消臭機能が長期に亘って持続する。配合比(a/b)が0.1未満である場合、及び配合比(a/b)が2.0を超える場合、防虫成分と香料成分との相乗効果を十分に発揮することができない虞がある。
本発明の衣料害虫防除組成物は、上記成分に加え、カビ類や菌類等を対象とした防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤、酸化防止剤等を適宜配合することもできる。防カビ剤、抗菌剤、及び殺菌剤としては、ヒノキチオール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、トリホリン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、オルト−フェニルフェノール等が挙げられる。
本発明の衣料害虫防除組成物は、上掲の各成分を適切な重量比で配合し、さらに溶剤を添加して各成分の濃度が適切となるように調整される。溶剤としては、ノルマルパラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、炭素数が2〜3の低級アルコール、炭素数の総数が16〜20の高級脂肪酸エステル等の使用が好ましい。
<衣料害虫防除製品>
本発明の衣料害虫防除組成物の好ましい製品形態は、衣料害虫防除組成物を含浸させた固形担体を、通気性ケース等の容器に収容した衣料害虫防除製品である。固形担体としては、繊維質担体(パルプ、リンター、レーヨン等)、セルロール又は再生セルロール製のビーズ及び発泡体、無機多孔質担体(ケイ酸塩、シリカ、ゼオライト等)、昇華性担体(トリオキサン、アダマンタン等)が挙げられる。繊維質担体を使用する場合、厚さ1〜3mm程度のマット状又はシート状のものが好ましい。また、別の衣料害虫防除組成物の製品形態として、ハンドスプレーやエアゾール等の噴射製品を採用することも可能である。特に、定量噴射バルブを備えたエアゾール容器に本発明の衣料害虫防除組成物と噴射剤とを封入したエアゾール製品が使い勝手が良い。噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等を使用することができる。液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等が挙げられる。液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等が挙げられる。液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等が挙げられる。
<衣料消臭方法>
本発明の衣料消臭方法の好ましい態様は、本発明の衣料害虫防除組成物を含浸させた担体を衣料の収納空間に設置し、担体から衣料害虫防除組成物を揮散させるものであり、例えば、上述の衣料害虫防除製品を含浸させた固形担体を用いて実施することができる。また、本発明の衣料消臭方法の別の態様は、本発明の衣料害虫防除組成物を衣料の収納空間に直接付与して揮散させるものであり、例えば、上述のエアゾール製品を用いて実施することができる。具体的には、衣料害虫防除製品が固形担体である場合、この固形担体をクローゼット等の衣類の収納空間に設置する。収容空間内に設置した固形担体から本発明の衣料害虫防除組成物が揮散することで、収容中の衣類には優れた防虫機能、及び持続的な消臭機能が付与される。衣料害虫防除製品がエアゾール製品である場合、クローゼット等の衣類の収納空間内に衣料害虫防除組成物を直接噴射する。その後、直ちに収納空間を閉鎖すると、衣料害虫防除組成物が収容空間内に揮散して充満し、収容中の衣類には優れた防虫機能、及び持続的な消臭機能が付与される。このように、本発明の衣料消臭方法によれば、収容空間において衣料害虫を防除しつつ、収容中の衣類に付着した悪臭を消臭することができる。
<衣料防虫消臭方法>
本発明の衣料防虫消臭方法は、収納空間内に処理対象の衣料を防虫成分と香料成分とを含有する衣料害虫防除組成物とともに収納する収納工程と、衣料に十分な防虫効果及び消臭効果が付与されるように、収納空間内に衣料害虫防除組成物を揮散させる揮散工程とを実行するものである。本発明の衣料防虫消臭方法は、基本的な工程(操作)は上述の衣料消臭方法と同様であるが、揮散工程において、衣料に十分な防虫効果及び消臭効果が付与されるように、例えば、収納空間を閉鎖した状態で衣料害虫防除組成物を一日以上揮散させればよい。その際、例えば、衣料のうち特に臭いが気になる箇所(例えば、脇下、首回り、脚周辺部など)を裏返しにするなどして露出させることで、念入りに揮散処理を行うことで、衣料に効果的な防虫効果と持続的な消臭効果とを同時に付与することができる。このように、本発明の衣料防虫消臭方法を実施すれば、一回の処理で衣料に防虫効果と持続的な消臭効果とを同時に付与することができる。そして、本発明の衣料防虫消臭方法によって処理された衣料は、後述する防虫成分と香料成分との相乗効果により、香料成分による消臭機能が長期に亘って持続するため、例えば、一日中外出するような場合であっても、不快な害虫が寄り付かず、かつ臭いも気にならずに長時間快適に活動することができる。
本発明に係る衣料害虫防除組成物は、防虫成分に特定の香料成分を組み合わせることによって、防虫成分と香料成分との相乗効果により、香料成分による消臭機能を長期に亘って持続させることができる。消臭機能の持続期間は、防虫成分と香料成分との組み合わせ、両成分の配合割合、衣料害虫防除組成物の使用条件等により異なるが、おおよそ一日程度、消臭機能を持続させることは十分に可能である。このため、この衣料害虫防除組成物を用いて実行される本発明の衣料消臭方法に従って、衣料害虫防除組成物を収納空間内に揮散させれば、例えば、24時間程度衣類を収納する場合に、収納中の衣類に対する消臭機能が持続し、収納空間から衣類を取り出す際に衣類に付着した悪臭により不快感が生じることを防ぐことができる。
本発明の衣料害虫防除組成物について、消臭機能の持続性を確認するため、本発明の特徴構成を備えた衣料害虫防除組成物(実施例1〜59)を準備し、消臭機能確認試験を実施した。また、比較のため、本発明の特徴構成を備えていない衣料害虫防除組成物(比較例1〜56)を準備し、同様の消臭機能確認試験を実施した。なお、実施例1〜59、及び比較例1〜56では重量の単位として「g」が示されているが、任意の倍率でスケールアップが可能である。すなわち、単位「g」は、「重量部」と読み替えることができる。
<実施例1〜21>
防虫成分としてエンペントリンを使用する下記の処方1により、衣料害虫防除組成物(実施例1〜21)を調製した。実施例1〜19の衣料害虫防除組成物においては、化合物A〜Sを香料成分として使用した。実施例20の衣料害虫防除組成物においては、化合物B、H、L、N、及びQを等量ずつ混合した調合香料(以下、「調合香料1」と称する。)を香料成分として使用した。実施例21の衣料害虫防除組成物においては、化合物L、N、Q、β−ダマスコン、及びカシュメランを等量ずつ混合した調合香料(以下、「調合香料2」と称する。)を香料成分として使用した。
処方1:
香料成分を15g(15質量%)、エンペントリンを70g(70質量%)、並びに、溶剤としてデオトミゾールを残分(バランス)混合し、全量100gに調製した。処方1において、香料成分(a)と防虫成分(b)との配合比(a/b)は、重量比として、0.21である。
<実施例22〜27>
防虫成分としてエンペントリンを使用する下記の処方2により、衣料害虫防除組成物(実施例22〜27)を調製した。実施例22〜27の衣料害虫防除組成物においては、化合物B、H、L、N、Q、及び調合香料1を香料成分として使用した。
処方2:
香料成分を15g(15質量%)、エンペントリンを30g(30質量%)、並びに、溶剤としてデオトミゾールを残分(バランス)混合し、全量100gに調製した。処方2において、香料成分(a)と防虫成分(b)との配合比(a/b)は、重量比として、0.50である。
<実施例28〜32>
防虫成分としてエンペントリンを使用する下記の処方3により、衣料害虫防除組成物(実施例28〜32)を調製した。実施例28〜32の衣料害虫防除組成物においては、化合物B、H、L、N、及びQを香料成分として使用した。
処方3:
香料成分を15g(15質量%)、エンペントリンを15g(15質量%)、並びに、溶剤としてデオトミゾールを残分(バランス)混合し、全量100gに調製した。処方3において、香料成分(a)と防虫成分(b)との配合比(a/b)は、重量比として、1.00である。
<実施例33〜53>
防虫成分としてプロフルトリンを使用する下記の処方4により、衣料害虫防除組成物(実施例33〜53)を調製した。実施例33〜53の衣料害虫防除組成物においては、化合物A〜S、調合香料1、及び調合香料2を香料成分として使用した。
処方4:
香料成分を15g(15質量%)、プロフルトリンを35g(35質量%)、並びに、溶剤としてデオトミゾールを残分(バランス)混合し、全量100gに調製した。処方4において、香料成分(a)と防虫成分(b)との配合比(a/b)は、重量比として、0.43である。
<実施例54〜59>
防虫成分としてプロフルトリンを使用する下記の処方5により、衣料害虫防除組成物(実施例54〜59)を調製した。実施例54〜59の衣料害虫防除組成物においては、化合物B、H、L、N、Q、及び調合香料1を香料成分として使用した。
処方5:
香料成分を15g(15質量%)、プロフルトリンを15g(15質量%)、並びに、溶剤としてデオトミゾールを残分(バランス)混合し、全量100gに調製した。処方5において、香料成分(a)と防虫成分(b)との配合比(a/b)は、重量比として、1.00である。
<比較例1〜21>
防虫成分を配合しない下記の処方6により、衣料害虫防除組成物(比較例1〜21)を調製した。比較例1〜21の衣料害虫防除組成物においては、化合物A〜S、調合香料1、及び調合香料2を香料成分として使用した。
処方6:
香料成分を15g(0.5質量%)、溶剤としてデオトミゾールを残分(バランス)混合し、全量100gに調製した。
<比較例22>
防虫成分としてエンペントリンを使用する下記の処方7により、衣料害虫防除組成物(比較例22)を調製した。比較例22の衣料害虫防除組成物においては、香料成分を配合していない。
処方7:
エンペントリンを70g(70質量%)、溶剤としてデオトミゾールを残分(バランス)混合し、全量100gに調製した。処方7において、香料成分(a)と防虫成分(b)との配合比(a/b)は、重量比として、0.00である。
<比較例23>
防虫成分としてプロフルトリンを使用する下記の処方8により、衣料害虫防除組成物(比較例23)を調製した。比較例23の衣料害虫防除組成物においては、香料成分を配合していない。
処方8:
プロフルトリンを35g(35質量%)、溶剤としてデオトミゾールを残分(バランス)混合し、全量100gに調製した。処方8において、香料成分(a)と防虫成分(b)との配合比(a/b)は、重量比として、0.00である。
<比較例24〜34>
防虫成分としてエンペントリンを使用する処方1により、衣料害虫防除組成物(比較例24〜34)を調製した。比較例24〜34の衣料害虫防除組成物においては、ベンゼン環、安息香酸エステル構造、又はサリチル酸エステル構造に由来する電子共役部以外の電子共役部を有する化合物を香料成分として使用した。具体的には、比較例24の衣料害虫防除組成物においては、下記式(20):
Figure 2020095809
で示されるクマリン(以下、「化合物C1」と称する。)を香料成分として使用した。
比較例25の衣料害虫防除組成物においては、下記式(21):
Figure 2020095809
で示されるβ-ヨノン(以下、「化合物C2」と称する。)を香料成分として使用した。
比較例26の衣料害虫防除組成物においては、下記式(22):
Figure 2020095809
で示されるβ-ダマスコン(以下、「化合物C3」と称する。)を香料成分として使用した。
比較例27の衣料害虫防除組成物においては、下記式(23):
Figure 2020095809
で示されるダマセノン(以下、「化合物C4」と称する。)を香料成分として使用した。
比較例28の衣料害虫防除組成物においては、下記式(24):
Figure 2020095809
で示されるシトラール(以下、「化合物C5」と称する。)を香料成分として使用した。
比較例29の衣料害虫防除組成物においては、下記式(25):
Figure 2020095809
で示されるシンナムアルデヒド(以下、「化合物C6」と称する。)を香料成分として使用した。
比較例30の衣料害虫防除組成物においては、下記式(26):
Figure 2020095809
で示されるカリクソール(以下、「化合物C7」と称する。)を香料成分として使用した。
比較例31の衣料害虫防除組成物においては、下記式(27):
Figure 2020095809
で示されるカシュメラン(以下、「化合物C8」と称する。)を香料成分として使用した。
比較例32の衣料害虫防除組成物においては、下記式(28):
Figure 2020095809
で示されるマルトール(以下、「化合物C9」と称する。)を香料成分として使用した。
比較例33の衣料害虫防除組成物においては、下記式(29):
Figure 2020095809
で示されるカルボン(以下、「化合物C10」と称する。)を香料成分として使用した。
比較例34の衣料害虫防除組成物においては、下記式(30):
Figure 2020095809
で示されるファルネセン(以下、「化合物C11」と称する。)を香料成分として使用した。
<比較例35〜45>
防虫成分としてプロフルトリンを使用する処方4により、衣料害虫防除組成物(比較例35〜45)を調製した。比較例35〜45の衣料害虫防除組成物においては、ベンゼン環、安息香酸エステル構造、又はサリチル酸エステル構造に由来する電子共役部以外の電子共役部を有する化合物C1〜C11を香料成分として使用した。
<比較例46〜56>
防虫成分を配合しない処方6により、衣料害虫防除組成物(比較例46〜56)を調製した。比較例46〜56の衣料害虫防除組成物においては、ベンゼン環、安息香酸エステル構造、又はサリチル酸エステル構造に由来する電子共役部以外の電子共役部を有する化合物C1〜C11を香料成分として使用した。
実施例1〜59、及び比較例1〜56の衣料害虫防除組成物の処方、及び香料成分を表1、2に示す。
Figure 2020095809
Figure 2020095809
[消臭機能確認試験]
汗臭、ミドル脂臭、加齢臭、タバコ臭、及び調理臭に対する消臭機能確認試験を実施した。供試体として、実施例1〜59、及び比較例1〜56の試験溶液を15mg分注したものを用いた。汗臭については、直径9cmの試験濾紙に、アンモニア水(ナカライテスク株式会社製)のエタノール溶液をスプレーバイアルにて適量噴霧したものを悪臭処理サンプルとした。ミドル脂臭については、直径9cmの試験濾紙に、ジアセチル(ナカライテスク株式会社製)のエタノール溶液をスプレーバイアルにて適量噴霧したものを悪臭処理サンプルとした。加齢臭については、直径9cmの試験濾紙に、2−ノネナール(東京化成工業株式会社製)のエタノール溶液をスプレーバイアルにて適量噴霧したものを悪臭処理サンプルとした。タバコ臭については、密閉小空間でタバコの煙を直径9cmの試験濾紙に暴露処理したものを悪臭処理サンプルとした。調理臭については、密閉小空間で牛脂を燃やして、その煙を直径9cmの試験濾紙に暴露処理したものを悪臭処理サンプルとした。
消臭機能確認試験では、容量13.5Lのステンレス製の円筒内に悪臭処理サンプルを吊るし、悪臭処理サンプル設置から1時間経過後に、悪臭処理サンプルに並べて供試体を吊るした。供試体の設置から1時間後、及び24時間後に、ステンレス製の内の臭気を評価した。臭気の評価は以下の5段階臭気強度表示法で5人のテスターにより評価し、平均点を求めた。平均点0以上2未満を○、2以上3未満を△、3以上4以下を×とした。
0:香りを感じない
1:かすかに感じる
2:弱く感じる
3:明らかに感じる
4:強く感じる
汗臭に対する消臭機能確認試験の結果を表3〜5に示す。
Figure 2020095809
Figure 2020095809
Figure 2020095809
ミドル脂臭に対する消臭機能確認試験の結果を表6〜8に示す。
Figure 2020095809
Figure 2020095809
Figure 2020095809
加齢臭に対する消臭機能確認試験の結果を表9〜11に示す。
Figure 2020095809
Figure 2020095809
Figure 2020095809
タバコ臭に対する消臭機能確認試験の結果を表12〜14に示す。
Figure 2020095809
Figure 2020095809
Figure 2020095809
調理臭に対する消臭機能確認試験の結果を表15〜17に示す。
Figure 2020095809
Figure 2020095809
Figure 2020095809
消臭機能確認試験の結果、本発明の特徴構成を備えた衣料害虫防除組成物は、防虫成分としてエンペントリンを含有する実施例1〜32、及び防虫成分としてプロフルトリンを含有する実施例33〜59の何れであっても、汗臭、ミドル脂臭、加齢臭、タバコ臭、及び調理臭に対して、供試体の設置から24時間後も優れた消臭性を示した。このことから、本発明の特徴構成を備えた衣料害虫防除組成物を、収納空間内に揮散させることで、収納中の衣類に対する消臭機能が24時間程度持続し、収納空間から衣類を取り出す際に衣類に付着した悪臭により不快感が生じることを防ぐことができると考えられる。
一方、防虫成分を含有していない比較例1〜21の衣料害虫防除組成物は、防虫成分としてエンペントリンを含有する実施例1〜32、及び防虫成分としてプロフルトリンを含有する実施例33〜59と、同一の香料成分を含有しているが、汗臭、ミドル脂臭、加齢臭、タバコ臭、及び調理臭の何れに対しても、供試体の設置から1時間後であっても臭気が感じられ、供試体の設置から24時間後には消臭性を示さなかった。
比較例22の衣料害虫防除組成物は、実施例1〜32と同様に防虫成分としてエンペントリンを含有しており、比較例23の衣料害虫防除組成物は、実施例33〜59と同様に防虫成分としてプロフルトリンを含有しているが、比較例22及び23は何れも香料成分を含有していない。このような比較例22及び23の衣料害虫防除組成物は、汗臭、ミドル脂臭、加齢臭、タバコ臭、及び調理臭の何れに対しても消臭性を示さなかった。このことから、防虫成分であるエンペントリン、及びプロフルトリンは単独では消臭性を有していないことが確認された。防虫成分であるエンペントリン、及びプロフルトリンが単独では消臭性を有していないにもかかわらず、比較例1〜21の衣料害虫防除組成物と比較して、これらに防虫成分を配合しただけの実施例1〜59の衣料害虫防除組成物において消臭機能が長時間持続したのは、防虫成分が本発明において規定する特定の香料成分と何らかの相乗効果を奏するためと考えられる。
また、ベンゼン環、安息香酸エステル構造、又はサリチル酸エステル構造に由来する電子共役部以外の電子共役部を有する化合物を香料成分として使用した比較例24〜56は、汗臭、ミドル脂臭、加齢臭、タバコ臭、及び調理臭の何れに対しても、供試体の設置から1時間後であっても臭気が感じられ、供試体の設置から24時間後には消臭性を示さなかった。防虫成分としてエンペントリンを含有する場合(比較例24〜34)、及び防虫成分としてプロフルトリンを含有する場合(比較例35〜45)でも、消臭機能が長時間持続しなかったのは、本発明において規定する特定の香料成分を使用していないために、防虫成分と香料成分との相乗効果が得られなかったためと考えられる。
以上の結果から、本発明の特徴構成を備えた衣料害虫防除組成物(実施例1〜59)は、特定の防虫成分と特定の香料成分との組み合わせにより、防虫成分と香料成分との相乗効果が得られ、香料成分による消臭機能が長時間に亘って持続することが確認された。
本発明の衣料害虫防除組成物、及び衣料消臭方法は、衣類に付着した悪臭を消臭するために使用されるものであり、繊維製品の消臭に利用可能である。さらに、本発明の衣料防虫消臭方法は、繊維製品に対する防虫及び消臭に利用可能である。

Claims (7)

  1. 防虫成分と香料成分とを含有する衣料害虫防除組成物であって、
    前記香料成分は、衣料に付着した悪臭を消臭する消臭機能を有し、
    前記防虫成分は、前記香料成分の消臭機能を持続させる持続機能を有する衣料害虫防除組成物。
  2. 前記防虫成分は、エンペントリン、及び/又はプロフルトリンであり、
    前記香料成分は、ベンゼン環、安息香酸エステル構造、又はサリチル酸エステル構造に由来する電子共役部以外の電子共役部を有さず、炭素数が6〜18であり、分子量が98〜270であり、炭素原子、水素原子、及び酸素原子を有し、硫黄原子、窒素原子、及びハロゲン原子を有さない化合物である請求項1に記載の衣料害虫防除組成物。
  3. 前記香料成分は、シス−3−ヘキセノール、ジヒドロミルセノール、エチルリナロール、リナロール、ゲラニオール、テトラヒドロゲラニオール、テルピネオール、フェニルエチルアルコール、ヘリオナール、リリアール、安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、シス−3−ヘキセニルサリチレート、ジヒドロジャスモン酸メチル、リナリルアセテート、ラズベリーケトン、ガラクソリド、エチレンブラシレート、及びシクロペンタデカノリドからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1又は2に記載の衣料害虫防除組成物。
  4. 前記香料成分の含有量が1〜20質量%である請求項1〜3の何れか一項に記載の衣料害虫防除組成物。
  5. 前記香料成分(a)と前記防虫成分(b)との配合比(a/b)が、重量比として、0.1〜2.0である請求項1〜4の何れか一項に記載の衣料害虫防除組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の衣料害虫防除組成物を用いた衣料消臭方法であって、
    前記衣料害虫防除組成物を含浸させた担体を衣料の収納空間に設置し、前記担体から前記衣料害虫防除組成物を揮散させる衣料消臭方法。
  7. 衣料に対して防虫処理と消臭処理とを同時に行う衣料防虫消臭方法であって、
    収納空間内に処理対象の衣料を防虫成分と香料成分とを含有する衣料害虫防除組成物とともに収納する収納工程と、
    前記衣料に十分な防虫効果及び消臭効果が付与されるように、前記収納空間内に前記衣料害虫防除組成物を揮散させる揮散工程と、
    を包含する衣料防虫消臭方法。
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