JP6325943B2 - 害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、及びこれを用いた害虫の徘徊行動阻止方法 - Google Patents

害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、及びこれを用いた害虫の徘徊行動阻止方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6325943B2
JP6325943B2 JP2014164145A JP2014164145A JP6325943B2 JP 6325943 B2 JP6325943 B2 JP 6325943B2 JP 2014164145 A JP2014164145 A JP 2014164145A JP 2014164145 A JP2014164145 A JP 2014164145A JP 6325943 B2 JP6325943 B2 JP 6325943B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aerosol
pest
insect pest
preventing insect
preventing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014164145A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016040232A (ja
Inventor
悠耶 原田
悠耶 原田
洋子 小林
洋子 小林
さやか 寺口
さやか 寺口
知幸 引土
知幸 引土
中山 幸治
幸治 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainihon Jochugiku Co Ltd
Original Assignee
Dainihon Jochugiku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainihon Jochugiku Co Ltd filed Critical Dainihon Jochugiku Co Ltd
Priority to JP2014164145A priority Critical patent/JP6325943B2/ja
Publication of JP2016040232A publication Critical patent/JP2016040232A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6325943B2 publication Critical patent/JP6325943B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、及びこれを用いた害虫の徘徊行動阻止方法に関するものである。
従来から、殺虫成分を使用した害虫防除用エアゾール剤が広く知られているが、これら殺虫成分を配合した場合、殺虫薬液が人体に対して多少なりとも悪影響を与えることは避けられず、例えば、食品や食器類等が置かれている台所付近で使用した場合、噴射された殺虫薬液が食品や食器類等に付着してしまうといった問題が生じる。また、赤ん坊や小児が居る居室内で使用した場合には殺虫薬液が赤ん坊や小児にかかってしまうことも考慮されるため、それらのリスクを回避するために、害虫防除用エアゾールの使用場所について制限されているのが実情であった。
そこで近年、それらのリスクを回避するために、殺虫薬液を用いた害虫防除用エアゾール剤の替りに、人体に対する安全性のリスクを軽減する方法として冷却効果を利用した害虫防除用エアゾール剤が提案されてきた。例えば、特許文献1では、ジメチルエーテルと水とを含有した害虫行動阻害剤を害虫に付着することで、害虫を冷却して害虫の行動を停止させるエアゾール剤が提案されている。
また、特許文献2では、HFC152a、HFO1234yf及びHFO1234ze等の代替フロンを有効成分とし、その噴射作用兼冷却作用によって害虫の行動阻害効果を謳った害虫駆除用エアゾール剤が開示され、代替フロンを使用することで、火気に対する安全性が改善されるとしている。更に、特許文献3は、ジメチルエーテル又はハイドロフルオロオレフィンと、その冷却作用持続剤としてミリスチン酸アルキルエステルとを配合した殺虫エアゾール組成物を開示するが、それに基づく殺虫効果は必ずしも十分とは言えない。
ところで、炭素数2〜3の低級アルコールの害虫に対する作用としては、特許文献4に冷却作用を示す液状物質としての記載があり、また特許文献5では、密閉容器内で揮散させることにより衣料害虫に対し防虫効果を示す旨開示されている。しかしながら、これらの作用は到底実用レベルとは言い難く、噴射剤の冷却作用と組合わせて害虫の行動阻害効果を達成しようとする試みは想起され得ない状況であった。
特開2004−168948号公報 特開2009−227662号公報 特開2013−253029号公報 特開2001−190204号公報 特開昭62−26201号公報
従来技術の課題をあげれば、特許文献1にあっては害虫の行動阻害成分として水を含有するので、本文献の害虫行動阻害剤を収納する耐圧容器において、容器の腐食等を防止するため、通常のスチール製が使用しにくく、高価なアルミ製を使用する必要が生じるのでエアゾール製品自体が高価になってしまうという問題がある。
一方、特許文献2、及び特許文献3では、高価なフロンガスを使用する為、内容処方自体が高価なものにならざるを得ず、この場合も製品自体が高価なものにならざるを得なかった。
本発明者らは、害虫麻酔剤としての炭素数2〜3の低級アルコールと冷却剤としての液化ガスとを特定の容量比率で含有するエアゾールを昆虫に接触させた場合に、両成分の相乗的作用に基づき、害虫の徘徊行動を阻止するうえで優れた効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の構成が上記目的を達成するために優れた効果を奏することを見出したものである。
(1)実質的に殺虫成分を含まず、かつ害虫麻酔剤として炭素数2〜3の低級アルコールをエアゾール原液当たり70質量%以上含有するエアゾール原液と冷却剤としての液化ガスとを、容量比で50:50〜15:85の比率で含有し、
前記液化ガスが、ジメチルエーテル、液化石油ガス及びハイドロフルオロオレフィンからなる群より選ばれる1種または2種以上であり、
前記エアゾール原液は、一般式(I)
−O−(CH CH O) −H (I)
(式中、R は炭素数が10〜16のアルキル基を表し、nは1〜7の平均モル数を示す)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物を含有する害虫の徘徊行動阻止用エアゾール。
(2)前記エアゾール原液と液化ガスとを、容量比で40:60〜20:80の比率で含有する(1)に記載の害虫の徘徊行動阻止用エアゾール
(3)前記液化ガスの少なくとも1種がジメチルエーテルである(1)又は(2)に記載の害虫の徘徊行動阻止用エアゾール
(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載の害虫の徘徊行動阻止用エアゾールを、20cm離れた対象面での噴射力が3gf以上(25℃)で、かつその時の体積積算10%噴霧粒子径が15〜40μm(25℃)となるように噴霧処理する害虫の徘徊行動阻止方法。
(5)対象害虫が匍匐害虫であることを特徴とする、(4)に記載の害虫の徘徊行動阻止方法。
本発明の害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、及びそれを用いた害虫の徘徊行動阻止方法は、害虫の徘徊行動阻止効果に優れるだけでなく、殺虫成分を使用しないので使用者に対する安全性の面で優れているほか、速乾性で噴霧処理面に濡れが残らず、しかも原材料でのコスト低減化にも配慮しているので極めて実用的である。
本発明の害虫徘徊行動阻止用エアゾールは、害虫麻酔剤として炭素数2〜3の低級アルコールをエアゾール原液当たり70質量%以上含有するエアゾール原液と冷却剤としての液化ガスとを、容量比で50:50〜15:85の比率で含有することに特徴を有する。
炭素数2〜3の低級アルコールとしては、エタノール、イソプロピルアルコール及びノルマルプロピルアルコールを例示できるが、これらの低級アルコールと液化ガスとを特定の比率で配合することによって、害虫の徘徊行動を極めて特異的に阻止できることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明では、炭素数2〜3の低級アルコールをエアゾール原液当たり70質量%以上含有するエアゾール原液と液化ガスとの配合比率は、容量比で50:50〜15:85、より好ましくは40:60〜20:80に特定される。上記エアゾール原液の容量比が50容量%を超えると、液化ガスによる冷却効果が低下するため、速効性が悪くなり、逆に上記エアゾール原液の容量比が15%未満では、上記低級アルコールの害虫麻酔剤としての作用が低下してこれに基づく致死効果に支障をきたすので好ましくない。
よって、本発明のエアゾールにおいては、低級アルコールをエアゾール原液当たり70質量%以上含有するエアゾール原液と液化ガスとを上記容量比の範囲に特定することによって、その相乗作用が効果的に達成されるのである。
また、このエアゾール原液当たりの上記低級アルコールの濃度は、より高い方がより効果的であることが確認できた。この点から、低級アルコールの濃度は、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは、95質量%以上が例示される。
本発明のエアゾールに適用される液化ガスとしては、一般的にエアゾール剤に使用されているジメチルエーテル(DME)、液化石油ガス(LPG)に加え、近年、エアゾール用噴射剤として開発されたフロンガス(HFC152a等のフッ化炭化水素ガス、及びHFO1234yf、HFO1234ze等のハイドロフルオロオレフィンガス)が挙げられ、これらの液化ガスは、単独でも、また混合ガスとしても使用可能である。なかでも、冷却効果に優れたジメチルエーテルが好ましく、これの単独か、もしくは、安全性やコスト面等を考慮して、ジメチルエーテルに他の液化ガスを配合した混合ガスの使用が好適である。
本発明のエアゾールには、更に、一般式(I)
−O−(CHCHO)−H (I)
(式中、Rは炭素数が10〜16のアルキル基を表し、nは1〜7の平均モル数を示す)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物を配合するのが好ましい。
ここで、一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物のアルキル基としては、炭素数10のデシル基、11のウンデシル基、12のラウリル(ドデシル)基、13のトリデシル基、14のミリスチル基、15のペンタデシル基、16のパルミチル(ヘキサデシル)基又はこれらが任意に混合したアルキル基が挙げられ、一方、オキシエチレン基の平均モル数としては1〜7、好ましくは1〜5が適当である。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物は、殺虫成分を含有する水性製剤、例えば乳剤を調製する際の乳化剤として汎用されている化合物であるが、害虫麻酔剤としての低級アルコールと冷却剤としての液化ガスとを組合わせてエアゾールを調製した場合に、害虫の徘徊行動阻止効果を顕著に増強させるという知見は全く新規なものである。
一般式(I)で表される化合物例としては、例えば以下のものが挙げられる(以降、[ ]内の略号で示す。なお、ブラウノンELシリーズは、青木油脂工業株式会社の製品名であり、ノニオンシリーズは日油株式会社の製品名である。
・エチレングリコールドデシルエーテル:和光純薬工業製試薬[N−1]
・ブラウノンEL−1502.2:POE(2.2)ラウリルエーテル[N−2]
・ブラウノンEL−1505:POE(5)ラウリルエーテル[N−3]
・ブラウノンEL−1507:POE(7)ラウリルエーテル[N−4]
・ノニオンT−203:POE(3)トリデシルエーテル[N−5]
・ノニオンM−203:POE(3)ミリスチルエーテル[N−6]
これらのポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物の配合量は、防除対象とする害虫の種類にもよるが、エアゾール原液当たり0.001〜10w/v%程度が好ましく、更には、0.01〜5w/v%がより好ましい。0.001w/v%未満では所望の効果が得られず、一方、10w/v%以上配合することは、製剤の物性に影響を及ぼす可能性がある。
本発明で規定される炭素数2〜3の低級アルコールは溶剤としての作用をも有するものであるが、本発明の効果を阻害しない限りにおいて他種溶剤も使用可能である。かかる溶剤としては、水の外、n−パラフィン、イソパラフィン等の炭化水素系溶剤、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール類やグリコールエーテル類、ケトン系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
また、本発明は、実質的に殺虫成分を含有するものではないが、発明の趣旨に支障を来さない限り、同様に前記各成分に加え、害虫忌避剤、抗菌剤や殺菌剤、防黴剤、安定化剤、消臭剤等を配合してもよい。
害虫忌避剤としては、害虫に対して忌避作用あるいは吸血阻害作用を有する合成あるいは天然の各種化合物があげられる。例えば、ディート、3−(N−n−ブチル−N−アセチル)アミノプロピオン酸エチルエステル、1−メチルプロピル 2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシラート、p−メンタンー3,8−ジオール、シトロネラール、シトロネロール、シトラール、リナロール、テルピネオール、メントール、αーピネン、ゲラニオール等を例示でき、更に天然物としては、桂皮、シトロネラ、レモングラス、ベルガモット、ユーカリ、レモンユーカリなどから採れる精油、抽出物などが挙げられる。
抗菌剤や殺菌剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の第4級アンモニウム塩やイソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、トリホリン、2−メルカプトベンゾチアゾール等を、また、防黴剤としては、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ヒノキチオール、チモール、テトラヒドロリナロール等を例示できる。
本発明における対象害虫としては、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、ヤマトゴキブリ等のゴキブリ類、アリ類、ムカデ類、クモ類やトコジラミ等の匍匐害虫の他、イエバエ、ヒメイエバエ、ノミバエ、ギンバエ等のハエ類、アカイエカ、ヒトスジシマカ等のカ類、ショウジョウバエ、チョウバエ、キノコバエ等のコバエ類やハチ類等の飛翔害虫に対してももちろん有効である。なかんずく、ゴキブリ類、アリ類、ムカデ類、クモ類やトコジラミ等の匍匐害虫に対して有用である。
また、本発明では、殺虫薬剤を使用していないことから、薬剤抵抗性をもった害虫に対しても同様に効果を発揮することが可能である。
本発明の害虫の徘徊行動阻止用エアゾールにおいては、その徘徊行動阻止効果をより高めるために、20cm離れた対象面に噴射処理した時の噴射力を3gf以上(25℃)、好ましくは5gf以上とし、かつその時の体積積算10%噴霧粒子径を15〜40μm(25℃)に設計するのが好適である。
噴射力が3gf未満では噴射の勢いが弱いために、害虫に塗布した際の冷却効果が低下する傾向が認められる。また、体積積算10%噴霧粒子径が15μm未満の場合、微細粒子の比率が多くなって害虫への付着効率が低下し、一方、40μmを超えると、逆に噴霧粒子が粗くなりすぎるために、噴霧された粒子が害虫に到達する前に床面に落下してしまう傾向が強くなり好ましくない。
かかるエアゾールを調製するにあたっては、上記噴射特性を満足すべく、適宜、噴射バルブや噴射ボタンなどを選定すればよい。
このように、本発明は、噴射力と噴霧粒子径を上記の範囲内に設定することによって、低級アルコールと液化ガスとの混合粒子が害虫により効果的に付着し、害虫の徘徊行動をより効率的に阻止する方法をも提供する。
こうして得られた本発明に係る害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、及びこれを用いた害虫の徘徊行動阻止方法は、効力が優れているだけでなく、殺虫成分を全く使用しないことから人体に対する安全性が高い。そして、床や壁等に内容液が付着しても乾燥後は跡に残らないので床や壁等を汚すことがなく、極めて有用かつ実用的なものである。
次に具体的な実施例ならびに試験例に基づき、本発明の害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、及びこれを用いた害虫の徘徊行動阻止方法について更に詳細に説明する。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物ブラウノンEL−1502.2[N−2]1.0w/v%をエタノールに混合溶解してエアゾール原液を調製した。このエアゾール原液90mLとジメチルエーテル210mL〔エアゾール原液/液化ガス比率が30/70(容量比)〕をエアゾール容器に加圧充填し、本発明の害虫の徘徊行動阻止用エアゾールを作製した。このエアゾール剤の噴射距離20cmにおける噴射力は6.1gf(25℃)で、かつその時の体積積算10%噴霧粒子径は29μm(25℃)であった。
このエアゾールを用い、台所で見かけたクロゴキブリに対して直撃噴霧処理したところ、クロゴキブリは直ちにノックダウンし、徘徊行動を阻止するとともにその後蘇生することはなかった。
実施例1に準じて、表1に示す各種エアゾールを調製し、下記に示す試験を行った。
(1)ゴキブリに対する効力試験
直径9cmの円筒状のシリンダーにクロゴキブリ1頭を放し自由に活動できる条件とし、そこに供試エアゾールを40cmの距離から2秒間噴霧した。徘徊行動阻止効果の指標としてノックダウンに至るまでの時間を観察し、KT50値を算出した。その後72時間放置して致死効果についても調べた。試験は10回行い、その平均を結果として表2に示した。
(2)処理面の濡れ
供試エアゾールを直径10cmの濾紙に40cmの距離から2秒間噴霧し、濾紙の濡れ状態と、乾くまでの時間を観察した。試験は5回行い、その平均を結果として表2に示した。
試験の結果、本発明の害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、即ち、害虫麻酔剤として炭素数2〜3の低級アルコールをエアゾール原液当たり95質量%以上含有するエアゾール原液と冷却剤としての液化ガスとを、容量比で50:50〜15:85、好ましくは、40:60〜20:80の特定の比率で含有するエアゾールは、両成分の相乗効果に基づき、速やかなノックダウン効果と高い致死効果を示し、ゴキブリに対して優れた徘徊行動阻止効果を奏することが確認された。
なお、その徘徊行動阻止効果は、液化ガスの少なくとも1種がジメチルエーテル(DME)であるのが好ましく、また、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物(オキシエチレン基の平均モル数が1〜7で、アルキル基の炭素数が10〜16)を配合することによっても向上することが認められた。更に、エアゾールの噴射力は3gf以上(25℃)で、かつその時の体積積算10%噴霧粒子径は15〜40μm(25℃)となるように設計されるのがより効果的であった。
これに対して、エアゾール原液と液化ガスの容量比率が本発明の範囲を外れる場合(比較例1及び2)や、炭素数が2〜3以外のアルコールを用いた比較例3は十分な徘徊行動阻止効果を奏しえなかった。
更に、従来の殺虫エアゾール(比較例4)は、当然のことながら高い徘徊行動阻止効果を示すものの、殺虫成分を含有することによる安全性に対する懸念が拭えず、また噴霧面の濡れ状態がしばらく残り、本発明エアゾールと較べると速乾性と言えなかった。
(1)ゴキブリに対する効力試験
実施例1に準じて供試薬剤を調製し、下記試験方法で効力試験を行った結果を表2に示した。
直径9cmの円筒状のシリンダーにワモンゴキブリ1頭を放ち、そこに供試薬剤を40cmの距離から薬剤を噴霧した後(約2秒)、円筒を取り除き、供試昆虫がKDした時間を観察し、KT50値を算出した。また徘徊行動阻止効果の指標として、試験開始から3分間供試昆虫が移動した距離を計測した。3分後に供試昆虫を清潔な容器に回収し、3日後に致死虫を計数して致死率を算出した。なおこの移動距離はKDして仰向けになったまま移動した距離および3分以内に回復して移動した距離も含めて計測した。
本発明の害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、及びこれを用いた害虫の徘徊行動阻止方法は、害虫駆除以外の用途としても須らく利用することが可能である。

Claims (5)

  1. 実質的に殺虫成分を含まず、かつ害虫麻酔剤として炭素数2〜3の低級アルコールをエアゾール原液当たり70質量%以上含有するエアゾール原液と冷却剤としての液化ガスとを、容量比で50:50〜15:85の比率で含有し、
    前記液化ガスが、ジメチルエーテル、液化石油ガス及びハイドロフルオロオレフィンからなる群より選ばれる1種または2種以上であり、
    前記エアゾール原液は、一般式(I)
    −O−(CH CH O) −H (I)
    (式中、R は炭素数が10〜16のアルキル基を表し、nは1〜7の平均モル数を示す)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物を含有することを特徴とする、害虫の徘徊行動阻止用エアゾール。
  2. 前記エアゾール原液と液化ガスとを、容量比で40:60〜20:80の比率で含有することを特徴とする、請求項1に記載の害虫の徘徊行動阻止用エアゾール。
  3. 前記液化ガスの少なくとも1種がジメチルエーテルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の害虫の徘徊行動阻止用エアゾール。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の害虫の徘徊行動阻止用エアゾールを、20cm離れた対象面での噴射力が3gf以上(25℃)で、かつその時の体積積算10%噴霧粒子径が15〜40μm(25℃)となるように噴霧処理することを特徴とする、害虫の徘徊行動阻止方法。
  5. 対象害虫が匍匐害虫であることを特徴とする、請求項4に記載の害虫の徘徊行動阻止方法。
JP2014164145A 2014-08-12 2014-08-12 害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、及びこれを用いた害虫の徘徊行動阻止方法 Active JP6325943B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014164145A JP6325943B2 (ja) 2014-08-12 2014-08-12 害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、及びこれを用いた害虫の徘徊行動阻止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014164145A JP6325943B2 (ja) 2014-08-12 2014-08-12 害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、及びこれを用いた害虫の徘徊行動阻止方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016040232A JP2016040232A (ja) 2016-03-24
JP6325943B2 true JP6325943B2 (ja) 2018-05-16

Family

ID=55540753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014164145A Active JP6325943B2 (ja) 2014-08-12 2014-08-12 害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、及びこれを用いた害虫の徘徊行動阻止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6325943B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7097692B2 (ja) * 2016-12-19 2022-07-08 アース製薬株式会社 害虫防除エアゾール装置
JP2021050198A (ja) * 2019-09-17 2021-04-01 花王株式会社 飛翔害虫駆除用組成物及び飛翔害虫駆除用スプレー

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3347518B2 (ja) * 1995-03-20 2002-11-20 大日本除蟲菊株式会社 塗布用エアゾール殺虫剤ならびにこれを用いた殺虫方法
JP2000342154A (ja) * 1999-06-01 2000-12-12 Hajime Asaoka 害虫類の捕獲用スプレイ及びその捕獲方法
JP2001190204A (ja) * 2000-01-17 2001-07-17 Earth Chem Corp Ltd 害虫駆除方法
JP4402348B2 (ja) * 2002-11-21 2010-01-20 株式会社ダイゾー エアゾール組成物
JP5586157B2 (ja) * 2008-02-25 2014-09-10 フマキラー株式会社 害虫駆除用エアゾール
JP5517496B2 (ja) * 2009-06-05 2014-06-11 大日本除蟲菊株式会社 害虫防除方法
JP6370022B2 (ja) * 2012-08-03 2018-08-08 フマキラー株式会社 殺虫エアゾール用組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016040232A (ja) 2016-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6034658B2 (ja) 衣類害虫防除方法
JP5840477B2 (ja) アリ防除剤
JP7117418B2 (ja) アリ忌避組成物、及びこれを用いたアリ忌避製品
JP2011063576A (ja) 害虫、ダニ防除方法
JP6718568B1 (ja) 害虫、ダニ防除方法、及び害虫、ダニ防除用エアゾール
JP2014019674A (ja) 飛翔害虫防除方法
TW201400016A (zh) 害蟲防除劑
JP6681420B2 (ja) 蚊類防除用エアゾール、及びこれを用いた蚊類の防除方法
JP6086646B2 (ja) トコジラミの防除方法
JP2021042254A (ja) 害虫忌避剤、及び害虫忌避製品
JP6420545B2 (ja) 害虫防除用エアゾール、及びこれを用いた害虫防除方法
JP5956123B2 (ja) スプレー式飛翔害虫忌避剤
JP5253191B2 (ja) ゴキブリ用エアゾール剤
JP6325943B2 (ja) 害虫の徘徊行動阻止用エアゾール、及びこれを用いた害虫の徘徊行動阻止方法
JP2023171839A (ja) 害虫、ダニ防除方法、及び害虫、ダニ防除用エアゾール
JP5934583B2 (ja) 害虫を殺虫するための組成物
CN111034716A (zh) 一种常温挥发型杀虫喷雾剂组合物及其应用
JP4627634B2 (ja) 屋内塵性ダニ忌避剤
JP2014205648A (ja) マダニ忌避効力増強剤、及びこれを配合したマダニ忌避組成物を用いるマダニ忌避方法
JP2014181195A (ja) マダニ忌避効力増強剤、及びこれを配合したマダニ忌避組成物を用いるマダニ忌避方法
JP6029238B2 (ja) 飛翔害虫防除効力増強剤及びこれを用いた飛翔害虫防除方法
JP6378047B2 (ja) 衣料用防虫剤
JP2014185087A (ja) 衣料害虫の侵入阻害剤および摂食阻害剤
JP7055880B2 (ja) 害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法
JP2012180297A (ja) ボウフラ駆除組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180410

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6325943

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250