JP6029238B2 - 飛翔害虫防除効力増強剤及びこれを用いた飛翔害虫防除方法 - Google Patents
飛翔害虫防除効力増強剤及びこれを用いた飛翔害虫防除方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6029238B2 JP6029238B2 JP2013085332A JP2013085332A JP6029238B2 JP 6029238 B2 JP6029238 B2 JP 6029238B2 JP 2013085332 A JP2013085332 A JP 2013085332A JP 2013085332 A JP2013085332 A JP 2013085332A JP 6029238 B2 JP6029238 B2 JP 6029238B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pest control
- ether
- flying
- glycol
- flying pest
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Catching Or Destruction (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
特許文献1には、粉末状の蚊取線香を液状の接着剤に溶かしてこれを網戸の網に塗りつけるような方法が記載されているが、抽象的な提案に留まっている。一方、特許文献2は、施用時に薬剤が網戸に効率よく付着し、網戸の網目を通過する比率が減少するような組成物を提供することを目的としたものであるが、防除効果が必ずしも十分でなく、また、網戸に塗布された組成物が埃りなどの汚れの付着を招き、逆に不快感を与えたり、防除効果が低下してしまうという問題があった。
(1) 一般式[化1]で表されるグリコールエーテル化合物であって、かつ、少なくともシフルトリンを含む1種以上のピレスロイド系化合物を害虫防除成分として0.01〜3.0w/v%、ノニオン系及び/又はアニオン系の界面活性剤を0.1〜10w/v%と、更に溶剤としての水を80〜99.5w/v%を含有する飛翔害虫防除用組成物に、前記グリコールエーテル化合物を0.1〜10w/v%配合する飛翔害虫防除効力増強剤。
[化1]
[式中、nは1〜2の整数を表わす。R1は炭素数が1〜7のアルキル基(但し、nが1の整数の場合、炭素数が3〜7のアルキル基)、アリル基、フェニル基及びベンジル基のいずれかを表わし、R2は水素原子又はメチル基を示す。]
(2) 前記一般式[化1]で表されるグリコールエーテル化合物が、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル及びジエチレングリコールモノベンジルエーテルから選ばれる1種以上である(1)に記載の飛翔害虫防除効力増強剤。
(3) 前記飛翔害虫防除用組成物が、網戸処理用である(1)又は(2)に記載の飛翔害虫防除効力増強剤。
(4) (1)ないし(3)のいずれか1に記載の飛翔害虫防除効力増強剤が配合された前記飛翔害虫防除用組成物を家屋の防除対象物に処理することを特徴とする飛翔害虫防除方法。
かかる害虫防除成分は処理後網戸等の防除対象物に残存し、飛来した害虫が触れると殺虫効果を奏するが、エムペントリン、トランスフルトリン、メトフルトリンやプロフルトリン等の揮散性の高い成分を配合すれば、処理面から徐々に揮散して環境空間に殺虫成分バリヤーを形成し、害虫の予防的防除を期待することも可能である。
特にシフルトリンは、0.01〜1.0w/v%程度用いることで、本発明の飛翔害虫防除効力増強剤との効力増強が顕著に認められ、より好ましいことが判った。
なお、上記害虫防除成分のなかには、その不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、これらの各々やそれらの任意の混合物の使用も本発明に含まれるのは勿論である。
ここで、グリコールエーテル化合物としては、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル(フェニルグリコール)、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(フェニルジグリコール)、プロピレングリコールモノフェニルエーテル(PGMP)、エチレングリコールモノベンジルエーテル(ベンジルグリコール)及びジエチレングリコールモノベンジルエーテル(ベンジルジグリコール)から選ばれる1種以上があげられるが、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル及びジエチレングリコールモノベンジルエーテルが性能的に好ましく、なかんずくジエチレングリコールモノフェニルエーテルが好適である。
この場合のグリコールエーテル系化合物の配合量は0.1〜10w/v%程度が好ましい。0.1w/v%未満であると所望の防除効力増強効果が得られないことがある一方、10w/v%を超えると、上述の製剤安定化効果が相殺されるばかりか、問題を生じかねず好ましくない。
ノニオン系及び/又はアニオン系の界面活性剤は、害虫防除成分を水に可溶化するために配合され、その配合量は、害虫防除成分の物理化学的性状によっても左右されるが0.1〜10w/v%程度が好ましい。
帯電防止成分としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン系界面活性剤、シリコン系界面活性剤などがあげられるが、アニオン系界面活性剤が好ましく、なかでもポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテルリン酸塩が本発明の趣旨に好適に合致する。POEのモル数は5〜30程度、アルキル基の炭素数は10〜20程度が適当であり、リン酸塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩があげられる。
帯電防止成分の配合は、埃などの汚れが網戸に付着するのを低減し、防除効果の低下防止に効果的であるとともに、当然のことながら、汚れによる不快感を軽減し、網戸の清掃の省力化にも役立つものである。
加えて、トリエタノールアミン等のpH調整剤を配合し、液剤中のpHを5〜7に調整することもできる。pHがこの範囲を外れると害虫防除成分の安定性に影響を及ぼす懸念を生じる。
例えば、広角ノズル付きのトリガースプレータイプを用いれば、一度の操作で網戸の広い範囲を処理することが可能となり便利である。
この組成物は製剤の性状安定性に優れ、室温保存6ケ月後にても白濁や結晶析出を認めなかった。また、得られた飛翔害虫防除製品の20mLを、一戸建て家屋の網戸2m2に処理したところ、2ケ月にわたり網戸に止まっている虫は観察されず、高い害虫駆除効果を示した。
(1)害虫の防除効果
25×25cmに裁断した網戸用ネットに供試飛翔害虫防除用組成物を10mL/m2の割合で処理し、巾着状のカゴにして埃がたつ屋外に並べ、試験開始時、1ヵ月後、及び2ヵ月後に、カゴ内にアカイエカ雌成虫20匹を放虫した。放虫してから60分後に供試虫をカゴから清潔なプラスチック製容器に移し、24時間後の致死虫数を観察して致死率を算出した。
(2)製剤の性状安定性
組成物を室温で6ケ月間保存し、白濁や結晶析出の有無を調べた。結果は、全く変化のないもの(◎)、ごく僅かに認められるもの(○)、僅かに認められるもの(△)、かなり認められるもの(×)で示した。
これに対し、グリコールエーテル化合物を配合しない比較例1、並びに本発明の範囲にあたらないグリコールエーテル化合物やピロリドン系溶剤を用いた比較例2〜5の場合、害虫防除効果が劣り、製剤の性状安定性も不良であった。また、害虫防除成分としてシフルトリンではなくシフェノトリンを用いた場合には、本発明が特定するグリコールエーテル化合物を配合したとしても害虫防除効果の増強はほとんど認められず、本発明の有用性は明らかである。
Claims (4)
- 一般式[化1]で表されるグリコールエーテル化合物であって、かつ、少なくともシフルトリンを含む1種以上のピレスロイド系化合物を害虫防除成分として0.01〜3.0w/v%、ノニオン系及び/又はアニオン系の界面活性剤を0.1〜10w/v%と、更に溶剤としての水を80〜99.5w/v%を含有する飛翔害虫防除用組成物に、前記グリコールエーテル化合物を0.1〜10w/v%配合することを特徴とする飛翔害虫防除効力増強剤。
[化1]
[式中、nは1〜2の整数を表わす。R1は炭素数が1〜7のアルキル基(但し、nが1の整数の場合、炭素数が3〜7のアルキル基)、アリル基、フェニル基及びベンジル基のいずれかを表わし、R2は水素原子又はメチル基を示す。] - 前記一般式[化1]で表されるグリコールエーテル化合物が、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル及びジエチレングリコールモノベンジルエーテルから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の飛翔害虫防除効力増強剤。
- 前記飛翔害虫防除用組成物が、網戸処理用であることを特徴とする請求項1又は2に記載の飛翔害虫防除効力増強剤。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の飛翔害虫防除効力増強剤が配合された前記飛翔害虫防除用組成物を家屋の防除対象物に処理することを特徴とする飛翔害虫防除方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013085332A JP6029238B2 (ja) | 2013-04-16 | 2013-04-16 | 飛翔害虫防除効力増強剤及びこれを用いた飛翔害虫防除方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013085332A JP6029238B2 (ja) | 2013-04-16 | 2013-04-16 | 飛翔害虫防除効力増強剤及びこれを用いた飛翔害虫防除方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014205647A JP2014205647A (ja) | 2014-10-30 |
JP6029238B2 true JP6029238B2 (ja) | 2016-11-24 |
Family
ID=52119545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013085332A Active JP6029238B2 (ja) | 2013-04-16 | 2013-04-16 | 飛翔害虫防除効力増強剤及びこれを用いた飛翔害虫防除方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6029238B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6602710B2 (ja) * | 2016-03-28 | 2019-11-06 | 住友化学園芸株式会社 | 農園芸用殺カイガラムシ上科昆虫組成物 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5428818A (en) * | 1977-08-05 | 1979-03-03 | Fumakilla Ltd | Method of enhancing effect of pesticide smoked in short time |
DE3517707A1 (de) * | 1985-05-17 | 1986-11-20 | Bayer Ag, 5090 Leverkusen | Verfahren zum freihalten von stall- und weidetieren von fliegen |
JPH03287504A (ja) * | 1990-04-03 | 1991-12-18 | Sankyo Co Ltd | パイプ散布による有害生物防除用乳剤組成物及びその散布用パイプ |
JP3115137B2 (ja) * | 1992-11-19 | 2000-12-04 | 北興化学工業株式会社 | 殺虫効力増強剤およびそれを含む液状殺虫製剤 |
JP2001199808A (ja) * | 2000-01-12 | 2001-07-24 | Dainippon Jochugiku Co Ltd | 効力増強剤、及びこれを用いた害虫防除剤組成物 |
PE20020945A1 (es) * | 2001-02-08 | 2002-11-19 | Schering Plough Ltd | Composiciones parasiticidas para el control de ectoparasitos |
JP2003192505A (ja) * | 2001-12-26 | 2003-07-09 | Nippon Kayaku Co Ltd | 液状組成物 |
JP5283368B2 (ja) * | 2007-11-21 | 2013-09-04 | 大日本除蟲菊株式会社 | 網戸用害虫防除剤 |
JP5459755B2 (ja) * | 2008-09-30 | 2014-04-02 | 住化エンビロサイエンス株式会社 | 害虫駆除剤 |
JP2012126655A (ja) * | 2010-12-13 | 2012-07-05 | Sumika Enviro-Science Co Ltd | 殺生物製剤 |
-
2013
- 2013-04-16 JP JP2013085332A patent/JP6029238B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014205647A (ja) | 2014-10-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2011063576A (ja) | 害虫、ダニ防除方法 | |
BRPI0609976A2 (pt) | concentrado pesticida, produto pronto-para-uso, método para usar o produto, e, processo para produzir um concentrado pesticida | |
JP6718568B1 (ja) | 害虫、ダニ防除方法、及び害虫、ダニ防除用エアゾール | |
JP2014019674A (ja) | 飛翔害虫防除方法 | |
JP5483324B2 (ja) | 害虫の飛来防止方法 | |
JP2018076383A (ja) | 害虫防除用エアゾール、及びこれを用いた害虫防除方法 | |
JP5253191B2 (ja) | ゴキブリ用エアゾール剤 | |
JP6086646B2 (ja) | トコジラミの防除方法 | |
JP6075730B2 (ja) | ハチ防除用塗布型エアゾール剤、及びこれを用いたハチの営巣行動防止方法 | |
JP5253187B2 (ja) | クモの造網阻止エアゾール剤 | |
JP2014005271A (ja) | 害虫防除用マイクロエマルジョン組成物及びこれを用いた害虫防除用製品 | |
JP2014152132A (ja) | 鱗翅目飛翔害虫防除用エアゾール剤 | |
JP5283368B2 (ja) | 網戸用害虫防除剤 | |
JP5761967B2 (ja) | クモ用卵のう処理剤 | |
JP6029238B2 (ja) | 飛翔害虫防除効力増強剤及びこれを用いた飛翔害虫防除方法 | |
JP6996940B2 (ja) | 匍匐害虫防除用エアゾール剤、及びこれを用いた匍匐害虫防除方法 | |
JP7033869B2 (ja) | アリ防除剤 | |
JP4703172B2 (ja) | 屋外用一液性水性エアゾール剤 | |
JP5924926B2 (ja) | ガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾール | |
JP6824016B2 (ja) | 屋外で用いる飛翔害虫防除用エアゾール、及び屋外で用いる飛翔害虫防除用エアゾールの防除効力増強方法 | |
US12075781B2 (en) | Ready-to-use barrier and knockdown pesticides | |
JP7055880B2 (ja) | 害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法 | |
US20230189812A1 (en) | Ready-to-use barrier and knockdown pesticides | |
JP2024036902A (ja) | 屋内塵性ダニ類防除用組成物、屋内塵性ダニ類防除用エアゾール、及びこれらの処方設計方法 | |
JPWO2019035471A1 (ja) | 害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160303 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160810 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160823 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160914 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161012 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161017 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6029238 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |