JP6075730B2 - ハチ防除用塗布型エアゾール剤、及びこれを用いたハチの営巣行動防止方法 - Google Patents

ハチ防除用塗布型エアゾール剤、及びこれを用いたハチの営巣行動防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハチ防除用塗布型エアゾール剤、及びこれを用いたハチの営巣行動防止方法に関するものである。
近年、都市周辺の丘陵地帯等の宅地化が進み、害虫のなかでもハチに関する問合せや苦情が増えている。ハチは日本で約3000種類が知られているが、そのうち、刺咬性の強いハチは約20種類で、これらによる人的被害の増大に伴いエアゾール剤等のハチ防除用製品が多く市販されている。
従来から、ハチの駆除に際しては、速効性を有する薬剤が求められ、例えば、特開平1−299202号公報(特許文献1)において、2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)シクロペンタ−2−エニル クリサンマートを有効成分とするハチ駆除剤が提案された。また、特開2009−173608号公報(特許文献2)は、一層速効性に優れたハチ防除用組成物として、メトフルトリンとテトラメトリンを有効成分とした組成物を開示するが、いずれも、そのハチに対する防除効果は満足のいくものではない。
ところで、ハチの巣の撤去作業においては、多数のハチの駆除が必要な場合や、スズメバチのような攻撃性の強いハチと対峙せざるを得ないといった、危険性を伴う作業場面も想定されうる。従って、それらの危険性を回避するためにも、ハチの巣内、もしくはハチの営巣が想定される場所にあらかじめ処理可能な、ハチの営巣防除用製剤の開発が切望されていた。
そこで、本発明者らは、特願2012−187426(特許文献3)において、有用なハチの営巣防除用エアゾール剤、即ち、「(a)難揮散性ピレスロイド系殺虫成分、(b)ハチの営巣防除用成分として沸点が180℃以上の高級脂肪酸エステル化合物、及び(c)炭素数12〜18の飽和脂肪族炭化水素系溶剤を含有するエアゾール原液と、(d)噴射剤とからなるエアゾール剤において、前記(a)難揮散性ピレスロイド系殺虫成分と、前記(b)沸点が180℃以上の高級脂肪酸エステル化合物との配合比率(a)/(b)が、1/5〜1/50質量比であるハチの営巣防除用エアゾール剤。」を提案した。特許文献3は、エアゾール剤の処方に着目したものであるが、本発明者らは更に鋭意検討を進めた結果、エアゾール剤の物性面の最適化も重要であることを知見し、本発明を完成するに至ったものである。
特開平1−299202号公報 特開2009−173608号公報 特願2012−187426
本発明は、屋外の対象物に噴射塗布することによって、ハチの営巣行動防止に効果的なハチ防除用塗布型エアゾール剤、及びこれを用いたハチの営巣行動防止方法を提供することを課題とする。
本発明者らの鋭意検討の結果、本発明は、以下の構成が上記目的を達成するために優れた効果を奏することを見出したものである。
(1) (a)ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種としてシフルトリンを含む害虫防除成分0.01〜3.0w/v%と、
(b)粘度が5mPa・s(20℃)以上である脂肪酸エステル系溶剤(炭素数の総数が15〜22の範囲)及びグリコールエーテル系溶剤から選ばれる1種又は2種以上の有機溶剤〜50w/v%とを含むエアゾール原液50〜80容量%と、
(c)噴射剤20〜50容量%とからなり、
屋外の対象物に噴射塗布される塗布型エアゾール剤であって、
(d)20cm離れた対象面に噴射塗布した時の噴射力が25gf(25℃)以上で、かつ
噴霧粒子の体積積算10%粒子径が20〜70μm(25℃)であるハチ防除用塗布型エアゾール剤を用いたハチの営巣行動防止方法。
(2) (1)に記載のハチ防除用塗布型エアゾール剤を、屋外の対象物に噴射塗布することを特徴とするハチの営巣行動防止方法。
(3) ハチの巣を含む木質系の対象物に噴射塗布することを特徴とする(2)に記載のハチの営巣行動防止方法。
本発明のハチ防除用塗布型エアゾール剤、及びこれを用いたハチの営巣行動防止方法は、屋外の対象物に噴射塗布することによって、害虫防除、特にハチの営巣行動防止に効果的なのでその実用性は極めて高い。
本発明のハチ防除用塗布型エアゾール剤においては、害虫防除成分として、(a)ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種を使用する。
ここで、ピレスロイド系殺虫成分としては、シフルトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、レスメトリン、フタルスリン、トラロメトリン、ビフェントリン、イミプロトリン、シペルメトリン、及びエトフェンプロックス等を例示できるが、長期間にわたる防除効果の必要性を考慮すると、特にシフルトリンが好ましい。
これらピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種を含む害虫防除成分の配合量は、エアゾール原液中に0.01〜3.0w/v%、好ましくは0.1〜1.0w/v%が適当である。0.01w/v%未満では十分な防除効果が得られないし、一方、3.0w/v%を超えても格別メリットは得られない。尚、ピレスロイド系化合物の酸成分やアルコール部分において、不斉炭素に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合、これらの各々や任意の混合物も本発明に包含されることは勿論である。
なお、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、上記したピレスロイド系殺虫成分に加えて、他の害虫防除成分を配合することが出来る。例えば、エムペントリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、テラレスリン、アレスリン、プラレトリン、ピレトリン等の幾分揮散性のピレスロイド系殺虫成分、ジノテフラン等のネオニコチノイド系殺虫成分、フェニトロチオン等の有機リン系殺虫成分、シラフルオフェン等のケイ素系殺虫成分、プロポクスル等のカーバメート系殺虫成分を例示できるが、これに限定されない。また、ハチやハチの巣に対する直接噴射処理に際しては、速効性の殺虫成分の併用が効果的であり、かかる殺虫成分としては、フタルスリン、プラレトリンやイミプロトリン等が代表的である。
本発明のハチ防除用塗布型エアゾール剤は、エアゾール原液中に、(b)粘度が5mPa・s(20℃)以上である有機溶剤を2〜50w/v%、好ましくは5〜30w/v%含有することに特徴を有する。
本発明者らは、ハチの習性を徹底的に観察しつつ、ハチの営巣行動を防止するためにハチ防除用塗布型エアゾール剤について鋭意検討を行った。
その結果、ハチが屋外で営巣しそうな場所や、既に巣柄の周囲に小さな巣が形成された初期段階のものに対し本発明の塗布型エアゾール剤を噴霧塗布することによって、ハチの営巣行動を抑止させ巣の拡大を防止できた。また、この噴霧処理により巣内のハチの駆除だけでなく、駆除を逃れたハチが巣に回帰しなくなる現象も観察され、効率的な防除を実現できることが確認されたのである。
ハチの巣の表面構造は、主に木材等の素材を唾液と混ぜ、薄く引き延ばしたものから形成されているので、噴霧塗布されるハチ防除薬剤は木質系の対象物の表面にある程度留まり内部への吸収が速すぎないことが好ましい。
本発明者らは、かかる条件をクリアするにあたっては、エアゾール原液の粘度よりはむしろ、配合される特定の有機溶剤の粘度が大きく関連することを知見し、「粘度が5mPa・s(20℃)以上である有機溶剤をエアゾール原液中に2〜50w/v%、好ましくは5〜30w/v%配合すること」を規定したのである。
このような有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤及びグリコールエーテル系溶剤から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、具体的には、ミリスチン酸イソプロピル[6.6mPa・s(20℃)]、パルミチン酸イソプロピル[10mPa・s(20℃)]、ステアリン酸ブチル[7.7mPa・s(30℃)]、オレイン酸メチル[5.5mPa・s(25℃)]、オレイン酸イソブチル[9.0mPa・s(20℃)]、ラウリン酸ヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル[7.5mPa・s(20℃)]、ジエチレングリコールモノブチルエーテル[6.5mPa・s(20℃)]、トリエチレングリコールモノブチルエーテル[8.1mPa・s(20℃)]、エチレングリコールモノフェニルエーテル[30.5mPa・s(20℃)]、エチレングリコールモノベンジルエーテル[12.0mPa・s(20℃)]、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル[7.4mPa・s(20℃)]、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル[8.2mPa・s(20℃)]等があげられるが、これらに限定されない。なかでも、炭素数の総数が15〜22の範囲のミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸イソブチル等の高級脂肪酸エステルが好適である。
なお、粘度が5mPa・s(20℃)未満である有機溶剤、例えば、炭素数が12〜14主体のノルマルパラフィン系炭化水素(製品名:ネオチオゾール、アイソゾール、DA−1等)、炭素数が14〜16主体のイソパラフィン系炭化水素(製品名:IPソルベント2028等)や炭素数が2〜4の低級アルコール系溶剤(エタノール、イソプロピルアルコール等)を必要に応じて配合してもよいことは勿論である。
本発明で用いるエアゾール原液は、更に水を配合して水性エアゾール剤としてもよく、この場合、必要に応じて適宜、界面活性剤もしくは可溶化剤が添加される。このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル類等のエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類等の脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、脂肪酸のポリアルカロールアミド等の非イオン系界面活性剤や、例えば、ポリオキシエチレン(POE)スチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼン硫酸塩等のアニオン系界面活性剤があげられる。
エアゾール原液には、更に、殺ダニ剤、カビ類、菌類等を対象とした防カビ剤、抗菌剤や殺菌剤、あるいは、安定剤、消臭剤、帯電防止剤、消泡剤、香料(害虫忌避香料を含む)、賦形剤等を適宜配合してももちろん構わない。殺ダニ剤としては、5−クロロ−2−トリフルオロメタンスルホンアミド安息香酸メチル、サリチル酸フェニル、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート等があり、一方、防カビ剤、抗菌剤や殺菌剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、トリホリン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、オルト−フェニルフェノール等を例示できる。
本発明のハチ防除用塗布型エアゾール剤は、エアゾール原液50〜80容量%と、(c)噴射剤20〜50容量%とから構成される。(c)噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、圧縮ガス(窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等)、あるいはこれらの混合ガスが用いられる。なお、LPG主体の噴射剤を使用する場合のLPGの内圧は、後記する噴射塗布した時の噴射力や噴霧粒子の体積積算10%粒子径等の要件を考慮すると、0.27〜0.71MPa(20℃)の範囲が一般的であるが、例えば、窒素ガスを加えて内圧を調整するような場合は0.27〜0.39MPa(20℃)の範囲のものが適している。
本発明では、本エアゾール剤が屋根裏や軒下など手の届きにくい所にも使用されるため、(d)20cm離れた対象面に噴射塗布した時の噴射力が25gf(25℃)以上に規定される。また、木質系の対象物への付着性を考慮して、噴霧粒子の体積積算10%粒子径は20〜70μm、好ましくは30〜60μm(25℃)に設定されるが、前述の有機溶剤の粘度とともに、ハチ防除用塗布型エアゾール剤の開発に際し重要な検討要件に該当する。10%粒子径が20μm未満であると噴霧粒子が飛散しやすく対象物への付着効率が減じ、一方、70μmを超える場合、噴霧粒子の到達距離が短くなるので好ましくない。
本エアゾール剤が充填される容器は、その使用場面、使用目的等に応じて、適宜バルブ、噴口、ノズル等の形状を選択すればよい。
こうして得られた本発明のハチ防除用塗布型エアゾール剤は、初期段階のハチの巣をはじめ、ハチが出入りする周辺や営巣しそうな場所、例えば、屋根裏、軒下、屋根瓦の下、木の枝、樹木の空隙などに噴霧塗布すればよく、目安として50〜250mL/m2程度が適当である。そして、本発明によれば、1〜3ケ月にわたり、生活環境周りでのハチの営巣行動を防止し、更に、既に造られている巣に対しては直接噴射処理して巣内のハチを駆除せしめるとともに、駆除を逃れたハチについても巣に回帰するのを防止できるので極めて実用的である。
本発明の対象となるハチ類としては、フタモンアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、コガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、チャイロスズメバチなどがあげられるが、これらに限定されない。また、本剤は、(a)ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種を含む害虫防除成分の配合に基づき、各種の蚊類、ユスリカ類、イエバエ、チョウバエ、ショウジョウバエ等のコバエ類などの飛翔害虫、ゴキブリ類、アリ類等の匍匐害虫にも優れた殺虫効果を示し、広範囲な適用が可能である。
次に具体的な実施例に基づき、本発明のハチ防除用塗布型エアゾール剤、及びこれを用いたハチの営巣行動防止方法について更に詳細に説明する。
(a)ピレスロイド系殺虫成分としてのシフルトリン0.33w/v%とd−T80−フタルスリン0.09w/v%、(b)ミリスチン酸イソプロピル[粘度:6.6mPa・s(20℃)]7.0w/v%を含有し、残部をノルマルパラフィン系溶剤(製品名:DA−1)とするエアゾール原液を調製した。このエアゾール原液350mLをエアゾール容器に入れ、(c)噴射剤として液化石油ガス主体で内圧調整用に少量の窒素ガスを加えた150mL(エアゾール原液/噴射剤比率:70/30)を加圧充填して本発明のハチ防除用塗布型エアゾール剤を得た。
このエアゾール剤は、(d)20cm離れた対象面に噴射塗布した時の噴射力が46gf(25℃)で、噴霧粒子の体積積算10%粒子径は41μm(25℃)であった。
一戸建て木質家屋の軒下に造られていたコガタスズメバチの初期段階の巣及びその周囲を目がけてこのエアゾール剤を約200mL噴射した。巣内のコガタスズメバチは速やかに致死し、駆除を逃れたハチもこの巣に回帰することがなく、更に2ケ月以上にわたり付近でコガタスズメバチの営巣行動が観察されることもなかった。
実施例1に準じて表1に示す各種ハチ防除用塗布型エアゾール剤を調製し、下記に示す試験を行った。試験結果を表2に示す。なお実施例2,6,7,9については、参考例として示す。
(1)速効性試験
セグロアシナガバチに対し1.5mの距離から各種供試エアゾール剤を2秒間直接噴射し、ノックダウンするまでの時間を計測した。
(2)営巣行動防止効果試験
セグロアシナガバチが営巣行動を始めた初期段階の巣に各種供試エアゾール剤を処理し、所定期間経過後に営巣の進行状況を観察した。結果は、営巣が殆ど進んでいないもの:○、僅かに進んだもの:△、大きく進んだもの:×、で示した。

試験の結果、本発明のハチ防除用塗布型エアゾール剤、即ち、(a)ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種を含む害虫防除成分0.01〜3.0w/v%と、(b)粘度が5mPa・s(20℃)以上である有機溶剤2〜50w/v%とを含むエアゾール原液50〜80容量%と、(c)噴射剤20〜50容量%とからなり、(d)20cm離れた対象面に噴射塗布した時の噴射力が25gf(25℃)以上で、かつ噴霧粒子の体積積算10%粒子径が20〜70μm(25℃)である塗布型エアゾール剤は、ハチ類に対する優れた速効性と長期間にわたる営巣行動防止効果を示した。なお、粘度が5mPa・s(20℃)以上である有機溶剤としては、炭素数の総数が15〜22の範囲である脂肪酸エステル系溶剤が好ましい傾向が認められた。
これに対し、比較例1や比較例2に示すように、粘度が5mPa・s(20℃)以上である有機溶剤を含有しない場合や、配合しても2w/v%未満のエアゾール剤(比較例3)は営巣行動防止効果が劣った。また、当該有機溶剤を50w/v%を超えて配合しても(比較例4)、配合量に相応して営巣行動防止効果が向上せず、むしろ速効性の点で影響を生じる懸念があった。更に、比較例5〜比較例7の如く、エアゾール原液/噴射剤配合比率、噴射力、体積積算10%粒子径の項目で本発明の範囲を外れるエアゾール剤も、噴霧粒子が飛散しやすかったり、あるいは噴霧粒子の到達距離が短かったりして本発明の目的に合致しなかった。
正面が開口した幅70cm×奥行き45cm×高さ100cmの木製箱を8個準備した。その内の4個を処理区とし、その内面に供試薬剤(実施例2で供した本発明1、3、4、及び5)を各々75mL/mの割合で噴霧塗布した。一方、残りの4個は何も処理せず無処理区とした。それらをハチ類が多く生息する野外に2m間隔で併設し、設置後1ヶ月間放置した。その結果、無処理区にはフタモンアシナガバチの巣が合計5個観察されたのに対し、処理区ではハチの巣は見られなかった。
本発明のハチ防除用塗布型エアゾール剤、及びこれを用いたハチの営巣行動防止方法は、ハチ以外の広範な害虫駆除を目的として利用することが可能である。

Claims (3)

  1. (a)ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種としてシフルトリンを含む害虫防除成分0.01〜3.0w/v%と、
    (b)粘度が5mPa・s(20℃)以上である脂肪酸エステル系溶剤(炭素数の総数が15〜22の範囲)及びグリコールエーテル系溶剤から選ばれる1種又は2種以上の有機溶剤〜50w/v%とを含むエアゾール原液50〜80容量%と、
    (c)噴射剤20〜50容量%とからなり、
    屋外の対象物に噴射塗布される塗布型エアゾール剤であって、
    (d)20cm離れた対象面に噴射塗布した時の噴射力が25gf(25℃)以上で、かつ
    噴霧粒子の体積積算10%粒子径が20〜70μm(25℃)であるハチ防除用塗布型エアゾール剤を用いることを特徴とするハチの営巣行動防止方法。
  2. 請求項1に記載のハチ防除用塗布型エアゾール剤を、屋外の対象物に噴射塗布することを特徴とするハチの営巣行動防止方法。
  3. ハチの巣を含む木質系の対象物に噴射塗布することを特徴とする請求項に記載のハチの営巣行動防止方法。
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