JP7229922B2 - 害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法 - Google Patents

害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7229922B2
JP7229922B2 JP2019536787A JP2019536787A JP7229922B2 JP 7229922 B2 JP7229922 B2 JP 7229922B2 JP 2019536787 A JP2019536787 A JP 2019536787A JP 2019536787 A JP2019536787 A JP 2019536787A JP 7229922 B2 JP7229922 B2 JP 7229922B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aerosol
pest control
pyrethroid insecticidal
insecticidal component
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019536787A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019035471A1 (ja
Inventor
洋子 小林
一史 三好
由美 川尻
幸治 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainihon Jochugiku Co Ltd
Original Assignee
Dainihon Jochugiku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainihon Jochugiku Co Ltd filed Critical Dainihon Jochugiku Co Ltd
Publication of JPWO2019035471A1 publication Critical patent/JPWO2019035471A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7229922B2 publication Critical patent/JP7229922B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01MCATCHING, TRAPPING OR SCARING OF ANIMALS; APPARATUS FOR THE DESTRUCTION OF NOXIOUS ANIMALS OR NOXIOUS PLANTS
    • A01M7/00Special adaptations or arrangements of liquid-spraying apparatus for purposes covered by this subclass
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N25/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
    • A01N25/02Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests containing liquids as carriers, diluents or solvents
    • A01N25/04Dispersions, emulsions, suspoemulsions, suspension concentrates or gels
    • A01N25/06Aerosols
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N31/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing organic oxygen or sulfur compounds
    • A01N31/02Acyclic compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N37/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing organic compounds containing a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most two bonds to halogen, e.g. carboxylic acids
    • A01N37/02Saturated carboxylic acids or thio analogues thereof; Derivatives thereof
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Insects & Arthropods (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

本発明は、倒立噴射可能な噴射ボタンを備えた耐圧容器にエアゾール原液と圧縮ガスとを充填してなる害虫防除用エアゾール剤に関する。さらに、本発明は、ピレスロイド系殺虫成分に対する感受性が低下した害虫を防除する害虫防除方法に関する。
一般に、屋外で使用される害虫防除用エアゾール剤は、使用法により、(1)屋外空間を飛翔する害虫をめがけて噴霧する直撃タイプ、(2)木の茂みや葉の裏または物陰に隠れている害虫の防除を目的として、植物体または物陰、あるいはその近傍一体空間に噴霧するタイプ、(3)外壁、窓ガラス、地面等の固相表面にエアゾール殺虫剤を予め噴霧塗布しておき、害虫を待ち伏せるタイプに分類される。基本的には、(1)の直撃タイプは速効性を必要とするため、速効的なピレスロイド系殺虫成分であるフタルスリン等が汎用される。一方、(3)の待ち伏せタイプでは、残効性が求められることから、蒸気圧が低く揮散性の乏しい殺虫成分を使用することが多い。
これに対し、近年、アウトドアライフと称して余暇を屋外(テラス、ベランダ等を含む)で過ごしたり、家庭園芸や庭仕事等に携わる人が増加している。それに伴い、木の茂みや物陰等の近辺で害虫、特にヤブ蚊に代表される蚊類に悩まされる機会が多くなり、上記(2)のタイプの害虫防除用エアゾール剤を求めるニーズが高まっている。
上記(2)のタイプに関連して、比較的蒸気圧の高い殺虫成分を含有する水性エアゾール剤を害虫が飛翔する環境の固相面上に散布し、殺虫成分バリアを形成して飛翔害虫から人を予防的に防除しようとする試みがある。例えば、特許文献1(特許第4703172号公報)には、常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分、炭素数1~3の低級アルコール、炭素数3~6のグリコール、及び水を含むエアゾール原液30~70容量%と、ジメチルエーテルを含む噴射剤30~70容量%とからなり、当該エアゾール原液のpHが5~7である屋外用一液性水性エアゾール剤を、テントの布一面に噴霧塗布したところ、テントの周囲にピレスロイド系殺虫成分のバリアを形成し、10時間以上にわたって飛翔害虫のテント内への進入が阻止されたことが記載されている。しかしながら、特許文献1のエアゾール剤は、噴射剤としてVOCを使用していることから、環境面において検討課題を残していた。
また、特許文献2(特開2010-161957号公報)は、常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を含有し、噴射剤として圧縮ガスを充填してなるエアゾール剤を、その平均噴霧粒子径が50~150μmで、かつ処理対象面に前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が0.5mg/m以上になるように噴霧して、この処理対象面上方に前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分のバリア空間を形成し、害虫のこの空間への侵入を6時間以上にわたり阻止するようになした害虫の侵入阻止方法を開示する。この特許文献2の技術は、特許文献1と比べると噴射剤としてジメチルエーテルの替わりに圧縮ガスを使用している点で環境に配慮がなされていると言える。そして、特許文献2には、前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の揮散調整剤として配合される炭素数3~6のグリコールが、前記ピレスロイド系殺虫成分の処理対象面への付着性を向上させるのに有用である旨が記載されている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のいずれにおいても、それらの害虫に対する防除効果を確認する試験(ここで防除効果とは、殺虫効果、忌避効果、侵入阻止効果等を含む広義の概念)は、ピレスロイド系殺虫成分に対する感受性が低下していない害虫を対象としたものに限られ、感受性が低下した害虫、特に蚊類に対しては何ら言及されていなかった。
特許第4703172号公報 特開2010-161957号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を含有するエアゾール剤をテラスやベランダ等の屋外の処理対象物に噴射後、この処理対象物の上方に前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分のバリア空間を形成して害虫防除効果を発揮する害虫防除用エアゾール剤において、処理対象面への付着性やバリア空間の効果的な形成に優れるとともに、ピレスロイド系殺虫成分に対する感受性が低下した害虫、特に蚊類に対して有効な屋外用の害虫防除用エアゾール剤、及び当該害虫防除用エアゾール剤を用いた害虫防除方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成が上記目的を達成するために優れた効果を奏することを見出したものである。
(1)倒立噴射可能な噴射ボタンを備えた耐圧容器にエアゾール原液と圧縮ガスとを充填してなる害虫防除用エアゾール剤であって、
前記エアゾール原液は、
(a)30℃における蒸気圧が2×10-4~1×10-2mmHgである常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を0.01~3.0質量%、
(b)前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の感受性低下対処助剤として、沸点が200~350℃である炭素数が3~6のグリコール及び/又は沸点が200~350℃である高級脂肪酸エステルを1.0~15質量%、
(c)炭素数が1~3の低級アルコールを30~70質量%、並びに
(d)水を残部質量%
含有する害虫防除用エアゾール剤。
(2)前記噴射ボタンから、前記エアゾール原液を前記圧縮ガスとともに屋外の処理対象物に前記(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が0.5~20mg/mとなるように倒立噴射したとき、前記エアゾール原液の60質量%以上が前記処理対象物の表面に付着し、
さらに、前記表面から、前記エアゾール原液に含まれる前記(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分が前記(b)感受性低下対処助剤とともに3時間以上にわたり揮散するように構成されている(1)に記載の害虫防除用エアゾール剤。
(3)ピレスロイド系殺虫成分に対する感受性が低下した害虫を防除対象とする(1)又は(2)に記載の害虫防除用エアゾール剤。
(4)前記害虫は、蚊類である(3)に記載の害虫防除用エアゾール剤。
(5)前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分は、トランスフルトリン、メトフルトリン、及びプロフルトリンからなる群から選択される少なくとも一種である(1)~(4)の何れか一つに記載の害虫防除用エアゾール剤。
(6)前記感受性低下対処助剤は、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、及びラウリン酸ヘキシルからなる群から選択される少なくとも一種である(1)~(5)の何れか一つに記載の害虫防除用エアゾール剤。
(7)前記噴射ボタンから倒立噴射された前記エアゾール原液の平均粒子径は、70~160μmである(1)~(6)の何れか一つに記載の害虫防除用エアゾール剤。
(8)前記処理対象物は、屋外のテラスの床面、屋外のベランダの床面、屋外に設置されたビニルシートの表面、又は屋外地面である(2)~(7)の何れか一つに記載の害虫防除用エアゾール剤。
(9)ピレスロイド系殺虫成分に対する感受性が低下した害虫を防除する害虫防除方法であって、
(1)~(8)の何れか一つに記載の害虫防除用エアゾール剤を、屋外の処理対象物に前記(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が0.5~20mg/mとなるように倒立噴射する噴射工程と、
前記処理対象物の表面に付着した前記エアゾール原液に含まれる前記(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を前記(b)感受性低下対処助剤とともに、前記表面から3時間以上にわたり揮散させる揮散工程と、
を包含する害虫防除方法。
(10)前記害虫は、蚊類である(9)に記載の害虫防除方法。
本発明の害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法によれば、エアゾール原液として、(a)30℃における蒸気圧が2×10-4~1×10-2mmHgである常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を0.01~3.0質量%、(b)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の感受性低下対処助剤として、沸点が200~350℃である炭素数が3~6のグリコール及び/又は沸点が200~350℃である高級脂肪酸エステルを1.0~15質量%、(c)炭素数が1~3の低級アルコールを30~70質量%、並びに(d)水を残部質量%含有するものを使用し、噴射ボタンから、エアゾール原液を圧縮ガスとともに屋外の処理対象物に(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が0.5~20mg/mとなるように倒立噴射し、エアゾール原液の60質量%以上を処理対象物の表面に付着させると、その後、(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分が(b)感受性低下対処助剤とともに処理対象物の表面から揮散する際、3時間以上にわたって処理対象物の上方に害虫を防除するバリア空間が形成される。その結果、ピレスロイド系殺虫成分に対して感受性が高い害虫については勿論、ピレスロイド系殺虫成分に対して感受性が低下した害虫(特に、蚊類)に対しても、優れた防除効果を発揮することができる。
近年、ピレスロイド系殺虫成分に対し感受性が低下した蚊類等の害虫が世界の至る所で出現し、その防除対策が急務となっている。感受性の低下が害虫における代謝酵素の活性化に起因する場合、ピペロニルブトキサイドの配合が有効と言われているが、これに替わる有用な化合物は未だ提案されていない。本発明者らは、屋外用水性エアゾール剤が蚊類防除手段として広く浸透している現状を鑑み、先に挙げた特許文献1や特許文献2の技術を見直し、鋭意検討を重ねた。その結果、沸点が200~350℃である炭素数が3~6のグリコール及び/又は沸点が200~350℃である高級脂肪酸エステルが、ピレスロイド系殺虫成分に対する感受性が低下した害虫、特に蚊類に対して特異的に有効で、その作用を感受性低下対処助剤として活用できることを知見し、本発明を完成するに至ったものである。
本発明の害虫防除用エアゾール剤は、屋外用の水性エアゾール剤であり、エアゾール原液中に(a)30℃における蒸気圧が2×10-4~1×10-2mmHgである常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を0.01~3.0質量%、好ましくは0.08~0.17質量%含有する。ピレスロイド系殺虫成分としては、例えば、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、エムペントリン、フラメトリン、テラレスリン、ジメフルトリン、メパフルトリン、ヘプタフルトリン等が挙げられる。これらのうち、常温揮散性、害虫防除効力、安定性、化合物の入手性等を考慮すると、トランスフルトリン、メトフルトリン、及びプロフルトリンが好ましく、トランスフルトリンがより好ましい。上掲のピレスロイド系殺虫成分は、単独で使用してもよいし、複数種を混合した状態で使用してもよい。また、ピレスロイド系殺虫成分において、酸部分やアルコール部分に不斉炭素に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合、それら各々や任意の混合物も本発明で使用可能なピレスロイド系殺虫成分に含まれる。(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の含有量が0.01質量%未満の場合、害虫防除効力が劣る懸念があり、一方、3.0質量%を超えると水性エアゾール剤組成物の性状に支障を来す可能性がある。
本発明で用いる(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分は、種々の飛翔害虫又は匍匐害虫に対して、直撃効果及び接触効果を示す。さらに、噴射固相面(処理対象物)から常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分が徐々に揮散して固相面上方の環境空間に殺虫成分バリアを形成するので、飛翔害虫の予防的防除に効果的に寄与し得る。なお、本発明では、殺虫効果、ノックダウン効果、忌避効果、害虫侵入阻止効果等を総合的に含めて害虫防除効果と称することとする。
本発明の害虫防除用エアゾール剤は、害虫に対する直撃効果を期待する場面でこれを補強するために、(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分に加え、他の殺虫成分を適宜配合してもよい。そのような殺虫成分としては、フタルスリン、レスメトリン、シフルトリン、フェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アレスリン、プラレトリン、イミプロトリン、モンフルオロトリン、エトフェンプロックス等の難揮散性ピレスロイド系化合物、シラフルオフェン等のケイ素系化合物、ジクロルボス、フェニトロチオン等の有機リン系化合物、プロポクスル等のカーバメート系化合物、ジノテフラン、イミダクロプリド、クロチアニジン等のネオニコチノイド系化合物等が挙げられる。これらのうち、速効性と安全性の点から難揮散性ピレスロイド系化合物に該当するフタルスリン、プラレトリン、モンフルオロトリンが好ましく、これらの難揮散性ピレスロイド系化合物と(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分とを併用することが好ましい。
本発明の害虫防除用エアゾール剤は、(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分とともに、エアゾール原液中に(b)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の感受性低下対処助剤として、沸点が200~350℃である炭素数が3~6のグリコール及び/又は沸点が200~350℃である高級脂肪酸エステルを1.0~15質量%、好ましくは3.6~8.0質量%配合する。すなわち、本発明の目的に合致するグリコール化合物は、特許文献1や特許文献2に開示された揮散調整剤(害虫防除効果の持続性を高めているので一種の効力増強剤とも言える)としての役目ではなく、ピレスロイド系殺虫成分の感受性低下対処助剤として作用し得るものである。従来、ピレスロイド感受性の害虫に対し、その本来の殺虫効果を増強させる化合物を「効力増強剤」と称することが多いが、本明細書においては、感受性が低下した害虫を対象とした場合に防除効果の低下度合を軽減するような化合物を、従来の「効力増強剤」と区別し、「感受性低下対処助剤」と定義する。両者の作用メカニズムは明確に解明されているわけではないが、「効力増強剤」が必ずしも「感受性低下対処助剤」に該当するとは限らない。なお、感受性低下対処助剤の配合量が1.0質量%未満であると、害虫防除効果の低下度合を小さくする効果が乏しくなる。一方、15質量%を超えて配合しても害虫防除効果が頭打ちとなるばかりか、水性組成物としての性状に影響を及ぼす懸念がある。
本発明の害虫防除用エアゾール剤において、(b)感受性低下対処助剤として用いる炭素数が3~6のグリコールは、沸点が200~350℃であり、具体的には、1,3-ブチレングリコール(沸点:203℃)、1,4-ブチレングリコール(沸点:228℃)、ジプロピレングリコール(沸点:230℃)、1,2-ヘキサンジオール(沸点:223℃)、1,6-ヘキサンジオール(沸点:250℃)等が挙げられる。これらのグリコールは、単独で使用してもよいし、複数種を混合した状態で使用してもよい。なお、特許文献1や特許文献2で揮散調整剤として記載されていたプロピレングリコール(沸点:188℃)やエチレングリコール(沸点:197℃)は、「感受性低下対処助剤」としてはそれほど有効でないことが認められ、「効力増強剤」が必ずしも「感受性低下対処助剤」に該当しないことが判明した。
本発明の害虫防除用エアゾール剤に用いる(b)感受性低下対処助剤としては、沸点が200~350℃である高級脂肪酸エステルも有用である。かかる化合物としては、ミリスチン酸イソプロピル(沸点:320℃)、ミリスチン酸メチル(沸点:323℃)、ラウリン酸ヘキシル(沸点:332℃)、ラウリン酸イソプロピル(沸点:280℃)等が挙げられる。これらの高級脂肪酸エステルは、単独で使用してもよいし、複数種を混合した状態で使用してもよい。また、前述の炭素数が3~6のグリコールの一種以上と、高級脂肪酸エステルの一種以上とを混合して使用することも可能である。
本発明の害虫防除用エアゾール剤は、エアゾール原液中に溶剤として(c)炭素数が1~3の低級アルコール、好ましくはエタノールやイソプロパノール(IPA)が配合され、その配合量は30~70質量%、好ましくは46~61質量%に設定される。配合量が70質量%を超えると火気に対する安全性の点で問題を生じる懸念がある。一方、配合量が30質量%未満であるとエアゾール組成物の液性安定化の点で困難を伴う。なお、本発明の作用効果に支障を来たさない限りにおいて、他の溶剤、例えば,n-パラフィン、イソパラフィン等の炭化水素系溶剤、炭素数3~6のグリコールエーテル類、ケトン系溶剤等を使用することも可能である。低級アルコール類は、速乾性で処理対象面に付着後速やかに揮発するため、処理面がべたつくことがなく、噴射時や噴射直後に足が滑るという懸念を生じない。また、水を配合した水性処方化が容易な上、噴射剤として圧縮ガスを用いてエアゾール剤を調製したときに、噴霧後の平均粒子径を70~160μmに調整し易いというメリットも有する。
本発明の害虫防除用エアゾール剤は、火気に対する危険性や植物に対する薬害をできる限り低減させる観点から、エアゾール原液を(d)水で調製した水性化処方を採用する。(d)水の配合量は、エアゾール原液から、上述の(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分、(b)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の感受性低下対処助剤、及び(c)炭素数が1~3の低級アルコールを除いた残部の質量%とするが、30~70質量%程度が好ましい。また、本発明の害虫防除用エアゾール剤の特性を妨げない限りにおいて、可溶化助剤として若干量の非イオン系界面活性剤を添加することができる。このような、非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル類などのエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類などの脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、脂肪酸のポリアルカロールアミド等が挙げられる。
本発明の害虫防除用エアゾール剤は、前記各成分に加え、殺ダニ剤、忌避剤、カビ類、菌類等を対象とした防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤、安定剤、消臭剤、帯電防止剤、消泡剤、香料、賦形剤等を適宜配合することも可能である。殺ダニ剤としては、5-クロロ-2-トリフルオロメタンスルホンアミド安息香酸メチル、サリチル酸フェニル、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバメート等が挙げられる。忌避剤としては、ジエチルトルアミド、イカリジン、テルピネオールやゲラニオール等のテルペン系虫よけ香料等が挙げられる。防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(4-チアゾリル)ベンツイミダゾール、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、トリホリン、3-メチル-4-イソプロピルフェノール、オルト-フェニルフェノール等が挙げられる。
本発明の害虫防除用エアゾール剤は、上記したエアゾール原液と噴射剤を耐圧容器に充填して調製される。噴射剤としては、圧縮ガス(窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等)を好適に使用することができ、さらに、本発明の害虫防除用エアゾールの有用性を妨げない限り、液化石油ガス(LPG)やジメチルエーテル(DME)等の従来の噴射剤を併用することも可能である。圧縮ガスの中では、窒素ガスや炭酸ガスが使い易く、特に窒素ガスが好適である。噴射剤として圧縮ガスを使用すると、噴射処理時の霧の飛散及び付着効率を改善し、噴霧粒子径を粗くし、火気に対する安全性を高め、噴霧粒子の吸入危険性を軽減させることができる。液化石油ガス(LPG)やジメチルエーテル(DME)を併用した場合は、液性を安定化させることができる。さらに、本発明の害虫防除用エアゾール剤は、噴射後のエアゾール原液の平均粒子径を70~160μm程度に粗くすることによって、(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分と(b)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の感受性低下対処助剤とによるバリア空間が効率的に形成され、噴射後のエアゾール原液の平均粒子径が細かい場合よりも効果的に防除効果の増強に寄与し得ることが認められた。
本発明の害虫防除用エアゾール剤は、その用途、使用目的、対象害虫等に応じて、適宜バルブ、ボタン、噴口、ノズル等を設けることができるが、処理対象物が主に屋外の固相面(例えば、屋外のテラスやベランダの床面(木製又はコンクリート製)、屋外に設置されたビニルシートの表面、屋外地面など)であることを考慮して、倒立噴射可能な噴射ボタンが設けられる。この場合、噴射ボタンから、エアゾール原液を圧縮ガスとともに屋外の固相面に(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が0.5~20mg/mとなるように倒立噴射したとき、エアゾール原液の60質量%以上が固相面に付着し、さらに、固相面から、エアゾール原液に含まれる(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分が(b)感受性低下対処助剤とともに3時間以上にわたり揮散するように構成されている。
有効なバリア空間の形成には一定以上の処理面積が必要とされる。例えば、処理対象面が平坦な面である場合、処理面積は2m以上×2m以上(4m以上)とするのが好ましく、3m以上×3m以上(9m以上)がより好ましい。一方、ベランダの出入り口、窓を有するサッシあるいはテントの出入り口などの立設物に隣接して処理対象面が設定される場合、立設物に沿った処理対象面の幅を1.5m以上として噴射するのが好ましい。なお、バリア空間とは、環境条件によって変動し得るものであるが、処理対象面(噴霧される面)をゼロとして、そこから2~2.5m程度までの高さをカバーする空間と定義する。
本発明が適用される具体的な場面としては、上記したものを含め、テラスやベランダの出入り、洗濯物干し、玄関の出入り、庭先でのガーデニング等のアウトドアライフ、キャンプでのテントの出入り、野外バーベキュー、ピクニックでの昼食場面等が挙げられる。
本発明の害虫防除用エアゾール剤は、(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分と(b)感受性低下対処助剤との併用効果によって、屋外において、ピレスロイド感受性系統は勿論、感受性が低下した害虫、特に、アカイエカ、コガタアカイエカ、ネッタイイエカ、チカイエカ等のイエカ類、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ等のヤブカ類、ユスリカ類等の蚊類に対して実用的な防除効果を示すので極めて有用性が高い。なお、このような効果は、イエバエ類、チョウバエ類、ブユ類、アブ類、ヌカカ類、ハチ類、ヨコバイ類などの各種飛翔害虫や、アリ類、ダンゴムシ、ワラジムシなどの匍匐害虫に対しても少なからず認められるが、特に蚊類について特徴的である。
次に、本発明の害虫防除用エアゾール剤が、ピレスロイド系殺虫成分に対する感受性が低下した害虫に対して優れた防除効果を示すことを、実施例に基づいて説明する。
<実施例1>
200mL耐圧容器に、(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分としてのトランスフルトリンを0.22g(0.12質量%)、(b)感受性低下対処助剤としての1,3-ブチレングリコール(沸点:203℃)を8.0g(4.5質量%)、(c)エタノールを96g(約120mL,54質量%)含有する混合物を入れ、(d)水を加えて全量を200mL(178g)とした。該容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて窒素ガス約2gを加圧充填し、倒立噴射可能な噴射ボタンを装填して、実施例1の害虫防除用エアゾール剤とした。このエアゾール剤の内容物をバルブ部分から噴射したときの噴霧粒子の平均粒子径は94μmであった。
実施例1の害虫防除用エアゾール剤を、ベランダの出入り口に隣接した木製床面2m×3mに対し、トランスフルトリンとして約19mg(約3.2mg/m)が付着するように、約6秒間倒立噴射した。このとき、エアゾール剤のバルブ部から噴射される噴霧粒子の平均粒子径は、上記のとおり94μm程度で比較的粗いことから、噴霧粒子が処理対象物から大きく外れて飛散することがなく、その結果、噴霧粒子を吸入する虞は殆どなく、安全に噴霧処理を行うことができた。また、噴霧粒子は速乾性であり、処理床面で足が滑る心配もなかった。噴霧処理後、床面へのトランスフルトリンの付着量を分析し、噴霧粒子の付着効率を調べたところ、83%で非常に高いことが認められた。その後は、処理床面上方にトランスフルトリンと感受性低下対処助剤とによるバリア空間が効率的に形成され、ベランダでの洗濯物干し中にヒトスジシマカ等の害虫に悩まされることがなく、加えてベランダの出入り口から飛翔害虫が室内に侵入するのを8時間にわたって阻止できた。さらに、ピレスロイド系殺虫成分に対する感受性が低下したネッタイイエカの生息が付近に観察されているタイ国において同様な試験を実施したが、結果は同様で優れた防除効果が実証された。
<実施例2~9、比較例1~8>
実施例1に準じて表1に示す実施例2~9の各種エアゾール剤を調製し、下記に示す付着性試及び防除効力試験を行った。また、比較のため、表1に示す比較例1~8の各種エアゾール剤についても、実施例と同様の試験を行った。なお、表1の中にカッコ書きで示してある(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の含有量(質量%)、及び(b)感受性低下対処助剤の含有量(質量%)は、それらの比重を1.0と見なして算出したものである。
(1)処理対象面へのエアゾール原液の付着性試験
0.583mのガラス板(24cm×27cmのガラス板9枚)を床面に置き、上方50cmの距離から供試エアゾール剤を1秒間倒立噴射塗布した(実施例2については、参考として正立噴射塗布も実施)。ガラス板1枚分に付着したピレスロイド系殺虫成分量を分析後、全体面積あたりに換算し、噴射されたピレスロイド系殺虫成分量に対する付着率(%)を算出した。結果を表2に示す。
(2)蚊に対する防除効力試験
防除効力試験は半開放条件とした6畳居室にて実施した。具体的には、入り口の扉に20メッシュのネットを貼り付けて開放し、換気扇を作動させた(換気条件:約7.3回/hr)。上記(1)付着性試験に準じ、別室で各供試エアゾール剤を噴射塗布した0.583mのガラス板を所定時間保存後、試験居室の床面中央に設置した。そして、直ちに供試昆虫(ピレスロイド系殺虫成分に対して感受性を有する、又は感受性が低下したアカイエカ雌成虫)約100匹を放ち、試験者が処理ガラス板の周囲を歩きながら、経時的な両腕への降着数を数え、下記式により忌避率を求めた。結果を表2に示す。
忌避率(%)=[無処理区の飛来虫数-処理区の飛来虫数]/[無処理区の飛来虫数]×100
Figure 0007229922000001
*比較例7については、エアゾール原液100mLに噴射剤100mLを加えたものとした。従って、噴射剤の欄の( )内の数字は、エアゾール剤全体量に対する噴射剤比率(容量%)を示す。
Figure 0007229922000002
試験の結果、圧縮ガスとともに、(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を0.01~3.0質量%、(b)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の感受性低下対処助剤として、沸点が200~350℃である炭素数が3~6のグリコール及び/又は沸点が200~350℃である高級脂肪酸エステルを1.0~15質量%、(c)炭素数が1~3の低級アルコールを30~70質量%、並びに(d)水を残部質量%含有するエアゾール原液を倒立噴射可能な噴射ボタンを備えた耐圧容器に充填してなる本発明の害虫防除用エアゾール剤は、倒立噴射されたとき、エアゾール原液の60質量%以上が処理対象物の表面に付着し、しかもその後、(a)成分が(b)成分とともに処理対象物の表面の上方の空間に徐々に揮散し、ピレスロイド系殺虫成分に対して感受性のアカイエカは勿論、感受性が低下した系統のアカイエカに対しても、3時間以上、12時間にわたって優れた忌避効果が認められた。なお、実施例2の参考試験で示されるように、正立噴射によれば(a)成分と(b)成分の付着率の低下が避けられないので、倒立噴射可能なボタンの装填は必要と考えられた。なお、ピレスロイド系殺虫成分としては、実施例2、実施例8、実施例9、及び比較例8を参照して明らかなように、トランスフルトリン、メトフルトリン、及びプロフルトリンが本発明の目的に合致し、dl,d-T80-アレスリンは不適であった。なかでもトランスフルトリンの有用性が高く、ピレスロイド系殺虫成分に対して感受性が低下した系統のアカイエカに対しても、ピレスロイド感受性系統を対象とした場合と比べて防除効力の低下度合が小さく、これら蚊類を防除する上で極めて有効であることが確認された。また、比較例5、比較例6、及び比較例7が示すように、エタノールの配合量が70質量%を超えて過大な場合、溶剤として灯油を用いた場合、及び噴射剤として圧縮ガスではなくDMEを主体に用いた場合は、主に平均粒子径が小さくなったことに起因して処理対象物の表面への付着率が劣り、本発明の趣旨に適合しなかった。
さらに、(b)感受性低下対処助剤として配合される、沸点が200~350℃である炭素数が3~6のグリコール及び/又は沸点が200~350℃である高級脂肪酸エステルの効果も明らかとなった。即ち、実施例2、実施例4、実施例7、比較例3、及び比較例4の対比から、沸点が200~350℃の範囲にある1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、及び1,6-ヘキサンジオールは本発明の(b)感受性低下対処助剤に該当し、一方、特許文献1及び特許文献2において揮散調整剤として挙げられたプロピレングリコール(比較例3、沸点:188℃)、及びエチレングリコール(比較例4、沸点:197℃)は忌避効果の持続性には寄与するものの、(b)感受性低下対処助剤としての作用は十分と言えなかった。なお、沸点が200~350℃の範囲にあるグリコールであっても、比較例2のように15質量%を超えて配合された場合、感受性低下対処助剤としての作用が頭打ちとなるばかりか濃度に相応するメリットは得られなかった。このように、従来の揮散調整剤(広義の効力増強剤)が必ずしも「感受性低下対処助剤」に該当する訳ではなく、本発明者らが試行錯誤の上、目的に合致した試験を実際に行なったことにより、ある種の高級脂肪酸エステルについても今回初めて有用性が認められ、本発明で意図する「感受性低下対処助剤」となり得ることが判明した。
以上のとおり、本発明の害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法によれば、ピレスロイド系殺虫成分に対して感受性が高い害虫はもちろん、感受性が低下した害虫、特に蚊類に対しても有効なので極めて実用的である。
本発明の害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法は、屋外用途において好適に利用できるものであるが、屋内においても当然に利用可能であり、その他にも広範な害虫防除を目的として利用可能である。

Claims (7)

  1. 倒立噴射可能な噴射ボタンを備えた耐圧容器にエアゾール原液と圧縮ガスとを充填してなり、ピレスロイド系殺虫成分に対する感受性が低下した蚊類を防除するための害虫防除用エアゾール剤であって、
    前記エアゾール原液は、
    (a)30℃における蒸気圧が2×10-4~1×10-2mmHgである常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を0.01~3.0質量%、
    (b)前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の感受性低下対処助剤として、沸点が200~350℃である炭素数が3~6のグリコール及び/又は沸点が200~350℃である高級脂肪酸エステルを1.0~15質量%、
    (c)炭素数が1~3の低級アルコールを30~70質量%、並びに
    (d)水を残部質量%
    含有する害虫防除用エアゾール剤。
  2. 前記噴射ボタンから、前記エアゾール原液を前記圧縮ガスとともに屋外の処理対象物に前記(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が0.5~20mg/mとなるように倒立噴射したとき、前記エアゾール原液の60質量%以上が前記処理対象物の表面に付着し、
    さらに、前記表面から、前記エアゾール原液に含まれる前記(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分が前記(b)感受性低下対処助剤とともに3時間以上にわたり揮散するように構成されている請求項1に記載の害虫防除用エアゾール剤。
  3. 前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分は、トランスフルトリン、メトフルトリン、及びプロフルトリンからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の害虫防除用エアゾール剤。
  4. 前記感受性低下対処助剤は、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、及びラウリン酸ヘキシルからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1~3の何れか一項に記載の害虫防除用エアゾール剤。
  5. 前記噴射ボタンから倒立噴射された前記エアゾール原液の平均粒子径は、70~160μmである請求項1~4の何れか一項に記載の害虫防除用エアゾール剤。
  6. 前記処理対象物は、屋外のテラスの床面、屋外のベランダの床面、屋外に設置されたビニルシートの表面、又は屋外地面である請求項2~5の何れか一項に記載の害虫防除用エアゾール剤。
  7. ピレスロイド系殺虫成分に対する感受性が低下した蚊類を防除する害虫防除方法であって、
    請求項1~6の何れか一項に記載の害虫防除用エアゾール剤を、屋外の処理対象物に前記(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が0.5~20mg/mとなるように倒立噴射する噴射工程と、
    前記処理対象物の表面に付着した前記エアゾール原液に含まれる前記(a)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を前記(b)感受性低下対処助剤とともに、前記表面から3時間以上にわたり揮散させる揮散工程と、
    を包含する害虫防除方法。
JP2019536787A 2017-08-18 2018-08-16 害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法 Active JP7229922B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017157816 2017-08-18
JP2017157816 2017-08-18
PCT/JP2018/030403 WO2019035471A1 (ja) 2017-08-18 2018-08-16 害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019035471A1 JPWO2019035471A1 (ja) 2020-07-30
JP7229922B2 true JP7229922B2 (ja) 2023-02-28

Family

ID=65362193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019536787A Active JP7229922B2 (ja) 2017-08-18 2018-08-16 害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7229922B2 (ja)
WO (1) WO2019035471A1 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010161957A (ja) 2009-01-14 2010-07-29 Dainippon Jochugiku Co Ltd 害虫の侵入阻止方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008063242A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Fumakilla Ltd 衛生害虫駆除剤
JP5517122B2 (ja) * 2009-08-20 2014-06-11 大日本除蟲菊株式会社 害虫、ダニ防除方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010161957A (ja) 2009-01-14 2010-07-29 Dainippon Jochugiku Co Ltd 害虫の侵入阻止方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2019035471A1 (ja) 2020-07-30
WO2019035471A1 (ja) 2019-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5517496B2 (ja) 害虫防除方法
JP5517122B2 (ja) 害虫、ダニ防除方法
JP6718568B1 (ja) 害虫、ダニ防除方法、及び害虫、ダニ防除用エアゾール
JP6517984B2 (ja) 蚊類防除用エアゾール、及び蚊類防除方法
JP5483324B2 (ja) 害虫の飛来防止方法
JP6681420B2 (ja) 蚊類防除用エアゾール、及びこれを用いた蚊類の防除方法
JP6075730B2 (ja) ハチ防除用塗布型エアゾール剤、及びこれを用いたハチの営巣行動防止方法
JP6506892B2 (ja) 多足類害虫防除用エアゾール
JP2010161957A (ja) 害虫の侵入阻止方法
JP7229922B2 (ja) 害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法
JP4703172B2 (ja) 屋外用一液性水性エアゾール剤
JP6996940B2 (ja) 匍匐害虫防除用エアゾール剤、及びこれを用いた匍匐害虫防除方法
JP6824016B2 (ja) 屋外で用いる飛翔害虫防除用エアゾール、及び屋外で用いる飛翔害虫防除用エアゾールの防除効力増強方法
JP7055880B2 (ja) 害虫防除用エアゾール剤、及び害虫防除方法
WO2020166535A1 (ja) 蚊類防除用エアゾール、及び蚊類防除方法
JP7475894B2 (ja) クモの忌避空間形成剤
CN114828636A (zh) 爬行害虫防除方法及爬行害虫防除用气溶胶
TW201936052A (zh) 驅蚊噴劑

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7229922

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150