JP2010161957A - 害虫の侵入阻止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を含有するエアゾール剤をテラスやベランダ等にて噴霧し、屋外から室内への害虫の侵入を効果的に防止する害虫の侵入阻止方法の提供。
【課題の解決手段】常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を含有し、噴射剤として圧縮ガスを充填してなるエアゾール剤を、その平均噴霧粒子径が50〜150μで、かつ対象処理面に前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が0.5mg/m2以上になるように噴霧して、この対象処理面上方に前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分のバリア空間を形成し、害虫のこの空間への侵入を6時間以上にわたり阻止するようになした害虫の侵入阻止方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、害虫の侵入阻止方法に関するものである。
エアゾール殺虫剤には、使用法からみて、屋内の空間を飛翔する害虫、壁や床面を徘徊する害虫、あるいは屋外の植物体に生息する害虫等の対象害虫をめがけて噴霧する直撃タイプと、あらかじめ害虫の通り道にエアゾール殺虫剤を噴霧塗布しておく待ち伏せタイプがある。後者の場合、残効性を必要とすることから、蒸気圧が低く揮散性の乏しい殺虫成分を使用することが多い。
一方、比較的蒸気圧の高い殺虫成分を含有する薬剤担持体を害虫の飛翔する環境の固相面上に散布し、殺虫成分バリヤーを形成して飛翔害虫から人を予防的に防除しようとする試みもある。例えば、特開2002−234804号公報には、トランスフルトリン0.1重量%、灯油系溶剤4.78重量%、界面活性剤0.79重量%、水59.43重量%、液化石油ガス35重量%からなるエアゾール剤を、ヤブカの発生している屋外で、地面、塀、草木に対して噴霧塗布したところ、人に飛来したヤブカ数が抑えられたことが記載されている。
しかしながら、特開2002−234804号公報のエアゾール剤は、(1)二液性で使用前に振らなければならないこと、(2)殺虫成分バリヤーの持続効果が短いこと、(3)植物体に対して少なからず薬害が認められるなど、改善すべき課題が多い。
この特許文献1の改良発明として特開2006−117623号公報があげられ、この公報には溶剤として炭素数1〜3の低級アルコールを用い、ジメチルエーテル主体の噴射剤を使用することによって一液性エアゾール剤となし、上記(1)ないし(3)の課題が解決された旨記載されている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のいずれも、植物体への影響を懸念するような場面で比較的遠い距離から広範囲に噴霧する用法を意図したものであり、噴射距離を長くするために噴射剤として液化石油ガスやジメチルエーテルの使用がいわば必須であった。従って、これらのエアゾール剤をテラスやベランダ等にて噴霧する方法は、害虫の処理面上方空間のみならず屋外から室内への侵入をも防止するような用途には必ずしも満足のいくものとは言えなかった。
特開2002−234804号公報 特開2006−117623号公報
本発明は、常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を含むエアゾール剤をテラスやベランダ等にて噴霧することにより、害虫の噴霧処理面上方空間だけでなく屋外から室内への侵入も効果的に防止可能な害虫の侵入阻止方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成が上記目的を達成するために優れた効果を奏することを見出したものである。
(1)常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を含有し、噴射剤として圧縮ガスを充填してなるエアゾール剤を、その平均噴霧粒子径が50〜150μで、かつ対象処理面に前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が0.5mg/m2以上になるように噴霧して、この対象処理面上方に前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分のバリア空間を形成し、害虫のこの空間への侵入を6時間以上にわたり阻止するようになした害虫の侵入阻止方法。
(2)前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分が、エムペントリン及び一般式(I)
Figure 2010161957
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上である(1)記載の害虫の侵入阻止方法。
(3)前記エアゾール剤が、前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の揮散調整剤として、炭素数3〜6のグリコールを前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の20〜100倍量含有する(1)又は(2)記載の害虫の侵入阻止方法。
(4)前記エアゾール剤が、溶剤として炭素数が2ないし3の低級アルコールを含有する(1)ないし(3)のいずれか記載の害虫の侵入阻止方法。
本発明の害虫の侵入阻止方法によれば、常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を含むエアゾール剤をテラスやベランダ等にて噴霧することにより、害虫の噴霧処理面上方空間だけでなく屋外から室内への侵入も効果的に防止するので極めて実用的である。
本発明で用いられる常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分としては、エムペントリン及び一般式(I)
Figure 2010161957
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物があげられるが、これらに限定されない。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(トランスフルトリン)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(プロフルトリン)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(メトフルトリン)、4−メチキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Aと称す)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Bと称す)などがあげられる。一般式(I)で表される化合物は一種類を使用してもよいし、又は二種類以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。なお、一般式(I)で表される化合物には、その不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、これらの各々やそれらの任意の混合物の使用も本発明に含まれるのは勿論である。
かかる常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分は飛翔害虫や匍匐害虫に対して直撃効果も有するが、噴霧塗布面から徐々に揮散して環境空間に殺虫成分バリヤーを形成し、飛翔害虫や匍匐害虫の予防的防除に寄与するところが大きい。
エアゾール剤中に配合される殺虫成分の含有量は、使用目的や使用期間等を考慮して適宜決定すればよいが、エアゾール剤中に0.01〜3.0w/v%程度が適当である。0.01w/v%未満であると所望の効果が得られないし、一方、3.0w/v%を超えるとエアゾール内容液の液性安定化の点で困難を伴う。
本発明では、害虫に対する直撃効果を補強するために、前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分に加えて、フタルスリン、レスメトリン、シフルトリン、フェノトリン、ぺルメトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アレスリン、プラレトリン、フラメトリン、イミプロトリン、エトフェンプロックス等のピレスロイド系化合物、シラフルオフェン等のケイ素系化合物、ジクロルボス、フェニトロチオン等の有機リン系化合物、プロポクスル等のカーバメート系化合物などを配合してもよい。このうち、速効性と安全性の点からフタルスリンの併用が好ましい。
本発明で用いるエアゾール剤の溶剤としては、エタノールやイソプロパノール(IPA)等の炭素数が2ないし3の低級アルコールの使用が好ましいが、本発明の作用効果に支障を来たさない限りにおいて、他の溶剤、例えば、n−パラフィン、イソパラフィンなどの炭化水素系溶剤、炭素数3〜6のグリコールエーテル類、ケトン系溶剤、エステル系溶剤などを使用しても差し支えない。
前記低級アルコール類は、速乾性で速やかに揮発するため、処理面がべたつくことがなく噴霧時や噴霧直後に足が滑るという懸念を生じない。また、水を配合した水性処方化が容易なうえ、後記するように、噴射剤としての圧縮ガスとの相溶性もよく、エアゾール剤の平均噴霧粒子径を50〜150μに調整しやすいというメリットも有する。
前記低級アルコール類のエアゾール剤中の配合量は、20〜80v/v%の範囲で決定すればよいが、火気に対する安全性を考慮すると20〜60v/v%が好ましい。なお、20v/v%未満の場合、一般的に液性を一液に保つうえで問題を生じやすい。
本発明では、前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の揮散調整剤として、炭素数3〜6のグリコールを前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の20〜100倍量含有するのが好ましい。20倍量未満では揮散調整剤としての効果が乏しいし、一方100倍量を超えると、常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の揮散が過度に徐放化されたり、エアゾール内容液の液性を安定に保持するのが困難となる。
このようなグリコールとしては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコールなどがあげられるが、これらに限定されない。このうち、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコールが性能的に好適である。
かかる炭素数3〜6のグリコールは、常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の揮散を徐放化し、殺虫成分のバリヤー効果を持続させる。また、水性化処方の場合、界面活性剤の作用に準じてエアゾール剤内容液の可溶化安定性に寄与しうる。
本発明で用いるエアゾール剤は、火気に対する危険性をできる限り低減させる観点から水性化処方が好ましく、この場合、水の量は20〜78v/v%程度、好ましくは40〜78v/v%程度が適当であり、本発明の趣旨を妨げない限りにおいて、可溶化助剤として若干量の非イオン系界面活性剤を添加することができる。
非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル類などのエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類などの脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、脂肪酸のポリアルカロールアミドなどがあげられ、なかでも、エーテル類が適している。
本発明では、前記各成分に加え、殺ダニ剤、カビ類、菌類等を対象とした防カビ剤、抗菌剤や殺菌剤、あるいは、安定剤、消臭剤、帯電防止剤、消泡剤、香料、賦形剤等を適宜配合してももちろん構わない。殺ダニ剤としては、5−クロロ−2−トリフルオロメタンスルホンアミド安息香酸メチル、サリチル酸フェニル、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート等があり、一方、防カビ剤、抗菌剤や殺菌剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、トリホリン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、オルト−フェニルフェノール等を例示できる。
本発明で用いるエアゾール剤は、噴射剤として、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等の圧縮ガスを使用し、平均噴霧粒子径を50〜150μとなしたことに特徴を有する。圧縮ガスの使用は、噴霧処理時の霧の飛散、付着効率を改善し、噴霧粒子径を粗くし、また火気に対する安全性を高め、噴霧粒子の吸入危険性を軽減させる点で有利となる。更に、平均噴霧粒子径を50〜150μと粗くすることによって、前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分のバリア形成が、噴霧粒子径が細かい場合よりも効率的であり、その結果害虫の侵入防止効果が一層顕著になることが認められた。
なお、必要ならば噴射圧を調整するために、ジメチルエーテルや液化石油ガス(LPG)を混合しても構わない。
上記エアゾール剤は、その用途、使用目的、対象害虫等に応じて、適宜バルブ、噴口、ノズル等の形状を選択することができ、種々の実施の形態が可能である。例えば、テラスやベランダ等の床面に噴霧しやすい倒立仕様を採用したり、誤噴射の際誤って顔にかからないように噴口角を工夫したり、あるいはキャンプ場などのテントの周囲に対して広範囲に噴霧するために広角ノズルを採用すれば便利である。
本発明は、こうして得られたエアゾール剤を、対象処理面に前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が0.5mg/m2以上、好ましくは0.5〜50mg/m2になるように噴霧して、この対象処理面上方に常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分のバリア空間を形成し、害虫のこの空間への侵入を6時間以上にわたり阻止する害虫の侵入阻止方法を提供するものである。
噴霧の用法は、対象処理面とバリアを形成したい空間の性状に応じて決定すればよいが、有効なバリア空間の形成には一定以上の処理面積が必要とされる。例えば、対象処理面が平坦な場合、処理面積は3m以上×3m以上とするのが好ましく、2m×2mでは確実な害虫の侵入防止効果が得られず持続時間も短かくなる。
一方、ベランダの出入り口、窓を有するサッシあるいはテントの出入り口などの立設物に隣接して対象処理面が設定される場合、立設物に沿った処理面の幅を1.5m以上として噴霧するのが適当である。すなわち、例えば、3m以上(立設物に隣接する長さ部分)×1.5m以上(処理面の幅)を処理面積とすれば、十分な害虫の侵入防止効果を奏するが、2m×1mの処理面積では有効なバリア空間の形成に至らず満足のいく結果が得られない。
具体的な適用場面としては、テラス、ベランダの出入りや洗濯物干し、玄関の出入り、庭先でのガーデニングなどのアウトドアライフ、キャンプでのテントの出入り、野外バーベキュー、ピクニックでの昼食などがあげられるが、勿論これらに限定されない。なお、バリア空間とは、概ね処理面から2〜2.5m程度までの高さをいう。
本発明の害虫の侵入阻止方法が有効な害虫としては、飛翔し、屋外において人に被害や不快感を与える害虫、例えば、アカイエカ、ヒトスジシマカ等の蚊類、ユスリカ類、イエバエ、チョウバエ、ブユ類、アブ類、ハチ類、ヨコバイ類などの各種飛翔害虫のほか、アリ類、ダンゴムシ、ワラジムシなどの匍匐害虫があげられるが、これらの害虫に限定されるものではない。
つぎに具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明の害虫の侵入阻止方法を更に詳細に説明する。
エアゾール剤全体量に対してトランスフルトリン0.10w/v%、1,3−ブチレングリコール4.0w/v%、及び95%エタノール60v/v%を含有する混合物に水を加えて200mLとし、これをエアゾール容器に入れた。該容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて、窒素ガス約2gを加圧充填して、本発明で用いる水性タイプのエアゾール剤を得た。
このエアゾール剤の平均噴霧粒子径は90μであった。
ベランダの出入り口に隣接した床面3m×1.5mに対し、前記エアゾール剤を約6秒間噴霧し、トランスフルトリンとして約20mg(約4.4mg/m2)を噴霧塗布した。このエアゾール剤は噴霧粒子径が粗いために噴霧粒子が飛散せず、処理時に噴霧粒子を吸入する恐れが殆どないうえ、速乾性で処理床面で足が滑る心配もなかった。また、噴霧粒子の付着効率が高く、処理床面上方にトランスフルトリンのバリアが効率的に形成され、ベランダでの洗濯物干し中に害虫に悩まされることがなく、更にベランダの出入り口から飛翔害虫が室内に侵入するのを6時間以上にわたって阻止できた。
実施例1に準じて表1に示す各種エアゾール剤を調製し、下記に示す試験を行った。
(1)飛翔害虫の防除効果
キャンプ場に設営したテントの入り口付近に各種エアゾール剤を噴霧処理した。所定時間経過後に、テント内に侵入した飛翔害虫数を数え、下記式による侵入阻害率を80%以上保持する持続時間を求め、殺虫成分バリア効果の持続性を評価した。

侵入阻止率(%)=[無処理区の侵入数−処理区の侵入数]/無処理区の侵入数 ×100

(2)火気に対する安全性
日本家庭用殺虫剤工業会の評価基準に基づき、火炎長試験を行った。すなわち、火種に向かってエアゾール剤を噴射し、発生する火炎の長さを比較した。結果は、A(火炎長45cm未満)、B(火炎長45cm以上)で示した。
Figure 2010161957

試験の結果、常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を含有し、噴射剤として圧縮ガスを充填してなるエアゾール剤を用い、平均噴霧粒子径が50〜150μで、かつ前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が0.5mg/m2以上になるように噴霧することによって、6時間以上の害虫の侵入阻止効果が観察された。なお、溶剤としては、本発明1と本発明3の比較から明らかなように、炭素数が2ないし3の低級アルコールが灯油よりも好ましかった。また、常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の揮散調整剤として、炭素数3〜6のグリコールを配合することは、炭素数2のエチレングリコールを含むエアゾール剤(本発明7)よりも侵入阻止効果の持続性向上に効果的であった。
これに対し、比較例1のように、常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が少ない場合、持続時間は短くなった。比較例2や比較例3の如く、圧縮ガスの替わりに液化石油ガスやジメチルエーテルを用いるとともに噴霧粒子径を小さくすると、持続時間が短くなる傾向があり、火気に対する危険性も増大して本発明の目的に合致しなかった。更に、常温揮散性が乏しいピレスロイド系殺虫成分・フェノトリンを含有するエアゾール剤(比較例4)では、バリア空間が形成されず侵入阻止効果は全く認められなかった。
エアゾール剤全体量に対してメトフルトリン0.08w/v%、d−T80−フタールスリン0.10w/v%、1,3−ブチレングリコール2.0w/v%、及び95%エタノール60v/v%を含有する混合物に水を加えて200mLとし、実施例1と同様に窒素ガスを充填して、本発明で用いる水性タイプのエアゾール剤を得た。
このエアゾール剤の平均噴霧粒子径は120μであった。
ピクニックの昼食時、草むら面積3m×3mに対し、前記エアゾール剤を約6秒間、メトフルトリンとして約30mg(約3.3mg/m2)を噴霧した。処理区域の内側に2m×2mのビニールを敷いて約3時間にわたり昼食と休憩をとったところ、飛翔害虫が頭上で飛び回ることがなく、ビニールの端部にアリやダンゴムシ類が寄り付いてくることもなかった。
本発明の害虫の侵入阻止方法は、屋外だけでなく広範な害虫駆除を目的として利用することが可能である。

Claims (4)

  1. 常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を含有し、噴射剤として圧縮ガスを充填してなるエアゾール剤を、その平均噴霧粒子径が50〜150μで、かつ対象処理面に前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の処理量が0.5mg/m2以上になるように噴霧して、この対象処理面上方に前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分のバリア空間を形成し、害虫のこの空間への侵入を6時間以上にわたり阻止するようになしたことを特徴とする害虫の侵入阻止方法。
  2. 前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分が、エムペントリン及び一般式(I)
    Figure 2010161957
    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の害虫の侵入阻止方法。
  3. 前記エアゾール剤が、前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の揮散調整剤として、炭素数3〜6のグリコールを前記常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分の20〜100倍量含有することを特徴とする請求項1又は2記載の害虫の侵入阻止方法。
  4. 前記エアゾール剤が、溶剤として炭素数が2ないし3の低級アルコールを含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の害虫の侵入阻止方法。
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