JP5924926B2 - ガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾール - Google Patents

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Description

本発明は、窓ガラスや網戸等の対象処理面に噴霧することで、屋外からの害虫の飛来を防止できるガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾールに関するものである。
害虫防除を目的としたエアゾールとしては、屋内の空間を飛翔する害虫、壁や床面を徘徊する害虫、あるいは屋外の植物体に生息する害虫等の対象害虫をめがけて噴霧する直撃タイプと、あらかじめ対象処理面に薬剤を噴霧塗布しておき、害虫を殺虫もしくは忌避させる待ち伏せタイプがある。後者の場合、ゴキブリ用途が多いが、窓ガラスや網戸等を対象処理面とした害虫防除剤も幾つか提案されている。
例えば、特許文献1(特許第4119647号)は、害虫防除成分、高級脂肪酸エステルである被膜形成成分、n−パラフィン系溶剤と噴射剤を共に充填してなるガラス面塗布用の飛来害虫侵入防止用エアゾール剤を開示し、ガラス窓、ショーウィンドー等のガラス面に噴き付けて用いたときに、ガラス面の透明性を損なわず、耐候性の高い被膜を形成することができ、長期間に亘って害虫の侵入阻止効果を維持できるとしている。
特許文献1では、残効性を必要とすることから蒸気圧が低く揮散性の乏しい殺虫成分を使用し、ガラス面に被膜を形成させることを必須としているが、無色透明の被膜といえどもガラス面に見苦しい縞模様を生じ、使用性の点で必ずしも満足のいくものとは言えなかった。
また、特許文献2(特許第4226126号公報)には、害虫防除成分を含み、噴射力が5g・f/20cm以下である網戸用スプレー、好ましくは、害虫防除成分を非イオン界面活性剤及び/又は脂肪酸エステルにより溶媒に可溶化又は溶解した網戸用スプレーが開示されている。
この網戸用スプレーは、ポンプ式もしくはエアゾール式のいずれであっても、その内容物が網戸の網目を余り通過することなく効率的に網戸に付着するようになし、網戸に対して優れた害虫忌避効果を付与させたもので、網戸への付着量を重視する結果、非イオン界面活性剤及び/又は脂肪酸エステルを必須とした。このため、ガラス窓等のガラス面に噴き付けて用いた場合、ガラス面の透明性を損ない、少なくともこのような使用場面には不適当であった。
本発明者らは、先の特許文献3(特開2011−121894号公報)において、ピレスロイド系殺虫成分と炭素数1〜3の低級アルコールを含有するエアゾール原液と液化ガスとからなり、ガラス面等の対象処理面に曇りや汚れを生じない害虫の飛来防止方法を開示した。この発明は、特に窓ガラスやショーウィンドー等の透明なガラス面への害虫の飛来防止に対して優れた方法を提供するものであるが、一方、網戸等に適用する場合においては、対象面に如何に効率よく薬液を付着させ得るかが製品設計上の重要なポイントとなることから、更なる改良を必要とした。
特許第4119647号 特許第4226126号 特開2011−121894号公報
本発明は、ガラス面に対して曇りや汚れを生じないのみならず、網戸等に対しても効率よく薬液を付着させることができ、よって、ガラス面と網戸等のいずれの対象処理面に対しても優れた害虫防除効果を奏し、しかも処理面の美観を維持可能な、ガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾールを提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成が上記目的を達成するために優れた効果を奏することを見出したものである。
(1)エアゾール全体量あたり0.01〜5.0w/v%のピレスロイド系殺虫成分と共に溶剤を含有するエアゾール原液と、ジメチルエーテル及び/又は液化石油ガスを含む噴射剤とからなるエアゾールであって、前記エアゾール原液と噴射剤の配合比率が20/80〜50/50容量比であり、かつ、前記溶剤として、酢酸n−ブチルを100としたときの蒸発速度が5〜20であるパラフィン系炭化水素に加え、更に芳香族系炭化水素を前記エアゾール原液に対し1.0〜8.0w/v%含有し、全体として、前記エアゾール原液に対し少なくとも90w/v%の溶剤を配合したことを特徴とする、ガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾール。
(2)前記芳香族系炭化水素が、230〜320℃の沸点を有するアルキルベンゼンであることを特徴とする(1)に記載のガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾール。
(3)前記ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種がシフルトリンであることを特徴とする(1)または(2)に記載のガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾール。
(4)25℃における噴射力が、6〜15gf/20cmであることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれか1項に記載のガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾール。
本発明のガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾールは、ガラス面に対して曇りや汚れを生じないのみならず、網戸等に対しても効率よく薬液を付着させることができ、よって、ガラス面と網戸等のいずれの対象処理面に対しても優れた害虫防除効果を奏し、しかも処理面の美観を維持可能なので極めて実用的である。
本発明で用いるピレスロイド系殺虫成分としては、シフルトリン、フェノトリン、ぺルメトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、トラロメトリン、フェンプロパトリン、エトフェンプロックス、アレスリン、プラレトリン、フラメトリン、フタルスリン、レスメトリン、イミプロトリン、エムペントリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン等があげられる。これらの化合物は、一種類を使用してもよいし、又は二種類以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。
通常、残効性を期待して常温で難揮散性であるシフルトリン、フェノトリン、ぺルメトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、トラロメトリン、フェンプロパトリン、エトフェンプロックスが好適に用いられ、なかんずく、少なくとも1種がシフルトリンであることが好ましい。
また、加えてフタルスリンやイミプロトリンのようなピレスロイド系殺虫成分を併用すれば、害虫に対する速効性を付与することができるし、他方、揮散性の高い成分、例えばエムペントリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリンを配合すれば、施用面から殺虫成分が徐々に揮散して環境空間に殺虫成分のバリアーを形成し、害虫の予防的防除を期待することも可能となる。
なお、上記ピレスロイド系殺虫成分には、その不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、これらの各々やそれらの任意の混合物の使用も本発明に含まれるのは勿論である。
エアゾール原液中に配合されるピレスロイド系殺虫成分の含有量は、使用目的や効果の持続期間等を考慮して適宜決定すればよいが、エアゾール全体量あたり0.01〜5.0w/v%程度が適当である。0.01w/v%未満であると所望の効果が得られないし、一方、5.0w/v%を超えるとエアゾール内容液の液性安定化の点で困難を伴う。
本発明で用いるエアゾール原液は、ピレスロイド系殺虫成分と共に溶剤として、酢酸n−ブチルを100としたときの蒸発速度が5〜20であるパラフィン系炭化水素をエアゾール原液に対し少なくとも90w/v%含むことを特徴とする。
従来、低級アルコールのような速乾性の溶剤は、ガラス面に対しては処理面に被膜を形成せず曇りや汚れを生じない点で好ましいとされたが、網戸等に適用した場合、所望の薬液量を効率よく付着させることが難しかった。一方、網戸等への薬液の付着性を向上させようとすると、界面活性剤や可溶化剤のような高粘性成分を配合したエアゾールが有利となるが、同じ薬液をガラス面に噴き付けた場合は、ガラス面の透明性を損なうという不具合が避けられなかった。
このように、ガラス面と網戸等の両者に対し、処理面の美観と薬液付着量の向上という相反する課題を同時に満足させ得る飛翔害虫防除用エアゾールの開発はこれまで困難とされてきたが、本発明者らは、特定の溶剤を採用することによって本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、本発明では、主たる溶剤として、酢酸n−ブチルを100としたときの蒸発速度が5〜20であるパラフィン系炭化水素を使用する。ここで、蒸発速度(Evaporation
Rate)とは「ASTM
D3539-87」にその試験法が規定されているように、酢酸n−ブチルを100としたときの各々の溶剤の蒸発速度を比較値としたものであり、蒸発速度の数値が大きいほど蒸発しやすい性質を示す。蒸発速度が5未満のパラフィン系炭化水素であると、ガラス処理面で溶剤の乾燥が遅いためにエアゾール原液が垂れて美観を著しく損ねてしまい、一方、蒸発速度が20を超えると、エアゾール原液の蒸発が速すぎるために防除効果に支障を来たす。
蒸発速度が5〜20であるパラフィン系炭化水素の具体例としては、IPソルベント2028(出光石油化学製、蒸発速度:5)、IPソルベント1620(出光石油化学製、蒸発速度:20)、アイソパーL(エクソンモービル製、蒸発速度:5)、アイソパーH(エクソンモービル製、蒸発速度:16)、アイソパーG(エクソンモービル製、蒸発速度:20)等があげられるがこれらに限定されない。
本発明のガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾールは、特に網戸等を処理する場面で薬液の付着性をより向上させるために、前記パラフィン系炭化水素に加え、補助溶剤として更に芳香族系炭化水素をエアゾール原液あたり1.0〜8.0w/v%配合させるのが好ましい。
芳香族系炭化水素の配合量が1.0w/v%未満であると薬液付着量の向上効果が乏しいし、一方、8.0w/v%を超えるとパラフィン系炭化水素の蒸発速度や液性等に影響を与えるので好ましくない。
かかる作用効果を奏する芳香族系炭化水素としては、230〜320℃の沸点を有するアルキルベンゼンが特に好適であり、アルケンL(新日本石油製)、アルケン56N(新日本石油製)、ソルベッソ200(エクソンモービル製)、フェニルキシリルエタン等を例示できる。
なお、本発明の作用効果に支障を来たさない限りにおいて、他の種類の溶剤、例えば、エタノール、イソプロパノール(IPA)やn−プロパノール(nPA)などの低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの炭素数3〜6のグリコール類やグリコールエーテル類、ケトン系溶剤、エステル系溶剤などを使用しても差し支えない。
前記エアゾール原液には、ピレスロイド系殺虫成分以外の殺虫成分、例えば、シラフルオフェン等のケイ素系化合物、ジクロルボス、フェニトロチオン等の有機リン系化合物、プロポクスル等のカーバメート系化合物、ジノテフラン、イミダクロプリド、クロチアニジン等のネオニコチノイド系化合物、その他のフィプロニル、インドキサカルブ等などを配合してもよく、また、害虫忌避剤、殺ダニ剤、カビ類、菌類等を対象とした防カビ剤、抗菌剤や殺菌剤を適宜配合してももちろん構わない。
害虫忌避剤としては、ディート、3−(N−n−ブチル−N−アセチル)アミノプロピオン酸エチルエステル[以降、IR3535と称す]、p−メンタン−3,8−ジオール、ジメチルフタレート、ユーカリプトール、α―ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、カンファー、リナロール、カランー3,4−ジオール等があげられ、殺ダニ剤としては、5−クロロ−2−トリフルオロメタンスルホンアミド安息香酸メチル、サリチル酸フェニル、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート等があり、一方、防カビ剤、抗菌剤や殺菌剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、トリホリン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、オルト−フェニルフェノール等を例示できる。
本発明の趣旨は、界面活性剤や可溶化剤のような高粘性成分の配合を極力抑えることにあるが、本発明の作用効果に支障を来たさない限りにおいて、ピレスロイド系殺虫成分の対象処理面への固定化助剤を配合してもよく、更に、安定剤、紫外線吸収剤、消臭剤、帯電防止剤、消泡剤、香料、あるいは賦形剤等を必要に応じて添加することができる。
固定化助剤としては、分枝飽和アルコールと炭素数14〜18の脂肪酸とから構成される高級脂肪酸エステル、例えば、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチルなどがあげられ、対象処理面上で被膜状とならないように散在化させ、ピレスロイド系殺虫成分の効力発現とその持続性アップに貢献し得る。
本発明では、噴射剤として、ジメチルエーテル(DME)及び/又は液化石油ガス(LPG)を使用し、通常LPGを主体としたものが使いやすい。
また、エアゾール原液と噴射剤の配合比率は20/80〜50/50容量比に規定し、対象処理面に噴霧被膜が形成されないように比較的微細な噴霧粒子を広範囲に噴霧する。噴射剤の配合比率が20/80容量比より多いと、噴霧粒子が対象処理面に付着せずに過度に飛散してしまう傾向が高くなり、一方、50/50容量比より少ないと、微細な噴霧粒子が得られなかったり、噴射力が不足する場合が生じ好ましくない。
これに対し、特許文献1(特許第4119647号)の飛来害虫侵入防止用エアゾール剤は、ガラス面への付着量を増大させ、処理面に被膜を形成させることを基本としているため、エアゾール原液と噴射ガスの配合比率は50/50〜80/20容量比でエアゾール原液の割合が高く、平均粒子径も大きくなっている。従って、本発明におけるエアゾール原液と液化ガスの配合比率や噴霧粒子径の大小は、特許文献1とは全く逆の構成になっており、本発明と特許文献1は別異な技術思想に基づくものである。
本発明のエアゾールは、比較的微細な噴霧粒子を広範囲に噴霧するために、25℃における噴射力を6〜15gf/20cmの範囲に設定するのが好ましい。かかる噴射力によれば、対象処理面がガラス面であっても網戸等であってもエアゾール内容液を効率よく付着させることが可能となる。
また、本エアゾールは、その用途、対象害虫等に応じて、適宜バルブ、噴口、ノズル等の形状を選択することができるが、広角ノズルを用いるか、あるいは複数個のノズルを組み合わせて用いると効果的である。
本発明は、こうして得られたエアゾールを、対象処理面にピレスロイド系殺虫成分として0.2mg/m2以上、好ましくは0.5〜50mg/m2になるように噴霧することによって、ガラス窓やショーウィンドー等のガラス面を対象処理面とした場合には、薬液による処理面の曇りや汚れを生じることがなく、一方、網戸やサッシ等を対象処理面とした場合であっても、薬液付着量が十分確保され、害虫のこれらの対象処理面への飛来を1ケ月以上の長期間に亘って防止できるので極めて実用的である。
本発明のガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾールの施用が有効な害虫としては、飛翔し、屋外において人に被害や不快感を与える害虫、例えば、アカイエカ、ヒトスジシマカ等の蚊類、ユスリカ類、イエバエ、チョウバエ、ブユ類、アブ類、ハチ類、ヨコバイ類などの各種飛翔害虫を例示できるが、もちろんこれらの害虫に限定されるものではない。なお、本エアゾールを施用した処理面は、飛翔害虫に対する飛来防止効果を示すのみならず、匍匐害虫、例えばアリ類、ダンゴムシ、ワラジムシなどの処理面への侵入を阻止できることも認められた。
つぎに具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明のガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾールを更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
エアゾール全体量あたりシフルトリンを0.10w/v%及びd−T80−フタルスリンを0.08w/v%と、エアゾール原液あたりアルケンL(新日本石油製)を4.5w/v%含み、かつ残部をIP−1620(出光石油化学製イソパラフィン系溶剤、蒸発速度:20)とするエアゾール原液135mLをエアゾール容器に入れた。該容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じてDME/LPG混合噴射剤315mLを加圧充填し、広角ノズルを装填して、本発明で用いるガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾールを得た。
面積が約6m2の窓ガラスに対し、前記エアゾールを噴射力9gf/20cmで、エアゾール原液として3mL/m2(シフルトリン:約10mg/m2、d−T80−フタルスリン:約8mg/m2)噴霧した。この対象処理面は、見苦しい曇りや汚れを生じないためにガラス面の透明性を損なうことがなく、しかも、蚊類、ユスリカ類、チョウバエ、ブユ類等の飛翔害虫の飛来を1ケ月以上の長期間に亘って防止できた。
また、1枚の面積が約2m2の網戸3枚に対し、同様に前記エアゾールをエアゾール原液として3mL/m2噴霧した。その結果、飛翔害虫の飛来を同じようにブロックし、網戸への薬液付着量が十分であったことを示した。更に、アリ類、ダンゴムシ、ワラジムシ等の匍匐害虫が網戸付近に近づいてくることもなかった。
実施例1に準じて表1に示す各種エアゾールを調製し、下記に示す試験を行った。結果を表2に示す。
(1)飛翔害虫の飛来防止効果
裏が林の一戸建て家屋の窓ガラス及び網戸に各種エアゾールを噴霧処理した。所定期間経過後、1時間の間に処理窓ガラスに飛来した飛翔害虫数を数え、下記式によって飛来防止率を求めた。

飛来防止率(%)=[無処理区の飛来数−処理区の飛来数]/無処理区の飛来数 ×100

(2)処理ガラス面の被膜形成並びに透明性
処理ガラス面につき被膜形成並びに透明性を観察し、結果を以下の基準に基づいて評価した。
・被膜形成:3(著しい)、2(中程度)、1(僅かにあり)、0(殆どなし)。
・透明性:3(影響なし)、2(僅かに減)、1(かなり減)、0(著しく減)。


試験の結果、本発明のガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾール、即ち、エアゾール全体量あたり0.01〜5.0w/v%のピレスロイド系殺虫成分と共に、蒸発速度が5〜20であるパラフィン系炭化水素と、好ましくは更に芳香族炭化水素系溶剤を含有するエアゾール原液と噴射剤とからなり、かつ前記エアゾール原液と噴射剤の配合比率が20/80〜50/50容量比であるエアゾールは、対象処理面が窓ガラス又は網戸のいずれであっても飛翔害虫の処理面への飛来を1ケ月以上の長期間に亘って防止した。しかも、処理面に噴霧被膜を形成しないために窓ガラスの透明性を殆ど損なわないことが認められた。なお、エアゾールの噴射力としては、6〜15gf/20cm程度が好ましいことも確認された。
これに対し、比較例1のように、ピレスロイド系殺虫成分の含有量が所定量より低いエアゾールを使用すると、当然のことながら飛来防止効果が得られなかった。溶剤として蒸発速度が20を超えるパラフィン系炭化水素を用いた比較例2は、エアゾール原液の蒸発が速すぎるために防除効果の低下を招き、一方、蒸発速度が5未満のエアゾール(比較例3)の場合、ガラス処理面でエアゾール原液が垂れて窓ガラスの透明性や美観を著しく損ね不適であった。また、エアゾール原液と噴射剤の配合比率が20/80〜50/50容量比の範囲を外れた場合、噴射剤比率が高すぎると(比較例4)、ある程度の被膜形成が避けられないことに加え、網戸への施用においては噴霧粒子の付着量不足に起因する飛来防止効果の低下が懸念された。このような傾向は、比較例5のようにエアゾール原液比率が低すぎる場合でも認められた。
本発明のガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾールは、屋外だけでなく広範な害虫駆除を目的として利用することが可能である。

Claims (4)

  1. エアゾール全体量あたり0.01〜5.0w/v%のピレスロイド系殺虫成分と共に溶剤を含有するエアゾール原液と、ジメチルエーテル及び/又は液化石油ガスを含む噴射剤とからなるエアゾールであって、前記エアゾール原液と噴射剤の配合比率が20/80〜50/50容量比であり、かつ、前記溶剤として、酢酸n−ブチルを100としたときの蒸発速度が5〜20であるパラフィン系炭化水素に加え、更に芳香族系炭化水素を前記エアゾール原液に対し1.0〜8.0w/v%含有し、全体として、前記エアゾール原液に対し少なくとも90w/v%の溶剤を配合したことを特徴とする、ガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾール。
  2. 前記芳香族系炭化水素が、230〜320℃の沸点を有するアルキルベンゼンであることを特徴とする請求項1に記載のガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾール。
  3. 前記ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種がシフルトリンであることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾール。
  4. 25℃における噴射力が、6〜15gf/20cmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のガラス面ならびに網戸用の飛翔害虫防除用エアゾール。
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