JP7110026B2 - 巣から逃散させる害虫駆除方法および害虫駆除剤 - Google Patents
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Description
その防除方法としては、殺虫活性成分を含有する液剤またはエアゾール剤を、シロアリ類、ハチ類、アリ類に直接噴霧して駆除するタイプのものが主流である(例えば、特許文献1~2等)。
しかしながら、液剤またはエアゾール剤は、噴霧されたシロアリ類、ハチ類、アリ類を駆除することができるものの、巣の中にいる多くのシロアリ類、ハチ類、アリ類を駆除することはできず、再度被害が発生することを抑止できない。
このような状況から、シロアリ類、ハチ類、アリ類など社会性昆虫に対して、優れた駆除効果を発揮し、被害を抑止する薬剤の開発が望まれている。中でも、社会性昆虫の巣は、例えば、女王アリのような生殖能を有する生殖虫が巣に残るとすぐに再度構築されてしまうので、巣に生息する全てのシロアリ類、ハチ類、アリ類など社会性昆虫を駆除できる方法や薬剤の提供が待たれている。
1.下記成分(A)と成分(B)を含有する組成物を害虫の巣に施用し、害虫を巣から逃散させることを特徴とする害虫駆除方法。
(A)炭素数4~18の脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸またはその塩
(B)ピレトリン
2.害虫が社会性昆虫であることを特徴とする、1.に記載の害虫駆除方法。
3.逃散する害虫に生殖能を有する生殖虫が含まれていることを特徴とする、1.または2.に記載の害虫駆除方法。
4.下記成分(A)と成分(B)を含有することを特徴とする、巣から逃散させる用途の害虫駆除剤。
(A)炭素数4~18の脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸またはその塩
(B)ピレトリン
しかも、本発明の害虫駆除方法または害虫駆除剤は、駆除効果の持続性にも優れるものであるから、長期的な駆除効果を得ることができる。
さらに、本発明の害虫駆除方法または害虫駆除剤は、植物を枯殺する恐れがないため、噴霧または散布処理した場所の植物に対して安全性が高いという特徴を有するものである。
<害虫について>
本発明における駆除対象となる害虫は、ヒトの生活環境に被害を与える昆虫を意味する。特に、女王を頂点とする階層のある集団を形成する昆虫、一般には社会性昆虫と呼称される昆虫が、本発明の駆除対象として適している。中でも、シロアリ類、ハチ類、アリ類が本発明の駆除対象としてより適しており、アリ類は特に適している。
また、本発明において、「巣から逃散させる」とは、巣の中に存在する全ての害虫が巣から逃亡し巣を放棄すること、すなわち、巣に戻り生活を再開することが無いことを意味する。巣の中に存在する全ての害虫であるから、その中には、当然、女王のような生殖能を有する生殖虫も含まれる。
シロアリ類は、例えば、ムカシシロアリ科、オオシロアリ科、レイビシロアリ科、シュウカクシロアリ科、ミゾガシラシロアリ科、ノコギリシロアリ科、シロアリ科に属する等翅目昆虫をいう。具体的には、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリ、ダイコクシロアリ、タイワンシロアリ、コウシュンシロアリ、サツマシロアリ、ナカジマシロアリ、カタンシロアリ、コダマシロアリ、クシモトシロアリ、オオシロアリ、コウシュウイエシロアリ、アマミシロアリ、キアシシロアリ、カンモンシロアリ、タカサゴシロアリ、ニトベシロアリ、ムシャシロアリ等のほか、イースタンサブテラニアンターマイト、ウエスタンサブテラニアンターマイト、ダークサザンサブテラニアンターマイト、アリッドランドサブテラニアンターマイト、デザートサブテラニアンターマイト、およびネバダダンプウッドターマイト等を挙げることができる。
ハチ類は、スズメバチ亜科(Vespinae)およびアシナガバチ亜科(Polistinae)に属する膜翅目害虫をいう。スズメバチ亜科に属するハチとしては、例えば、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、チャイロスズメバチ、クロスズメバチ、シダクロスズメバチ、ヤドリスズメバチなどを挙げることができる。また、アシナガバチ亜科に属するハチとしては、例えば、キアシナガバチ、セグロアシナガバチ、フタモンアシナガバチ、トガリフタモンアシナガバチ、ヤマトアシナガバチ、キボシアシナガバチ、コアシナガバチ、ヤエヤマアシナガバチ、ムモンホソアシナガバチ、ヒメホソアシナガバチなどの土着種を挙げることができる。これら土着種に加えて、対馬や北九州市に侵入したツマアカスズメバチも挙げることができる。この他、アリガタバチ類、クマバチ、ベッコウバチ、ジガバチ、ドロバチ等の膜翅目害虫に属するものも含まれる。
アリ類は、ハチ目・スズメバチ上科・アリ科に属する昆虫をいう。例えば、イエヒメアリ、ヒメアリ、キイロヒメアリ、クロヒメアリ、トビイロケアリ、コトビイロケアリ、ハヤシトビイロケアリ、キイロシリアゲアリ、トビイロシリアゲアリ、ハリブトシリアゲアリ、オオシワアリ、トビイロシワアリ、シワアリ、オオハリアリ、メクラハリアリ、トゲアリ、クロオオアリ、ムネアカオオアリ、サムライアリ、クロヤマアリ、アカヤマアリ、クロクサアリ、アメイロアリ、アミメアリ、ウメマツアリ、シワクシケアリ、エゾクシケアリ、オオズアリ、オオズアカアリ、アズマオオズアカアリ、アシナガアリ、クロナガアリ、ムネボソアリ、トフシアリ、ルリアリ、アルゼンチンアリ、ヒアリ、アカカミアリ等を挙げることができる。
本発明の害虫駆除方法または害虫駆除剤の有効成分の1つである成分(A)は、炭素数4~18の脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸またはその塩である。炭素数4~18の脂肪酸は、直鎖状でもよく分岐鎖状でもよく、飽和脂肪酸でもよく不飽和脂肪酸でもよい。具体的には、例えば、酪酸(炭素数4)、吉草酸(炭素数5)、カプロン酸(炭素数6)、ヘプタン酸(炭素数7)、カプリル酸(炭素数8)、ノナン酸(炭素数9)、カプリン酸(炭素数10)、2-エチルヘキサン酸(炭素数8)、イソノナン酸(炭素数9)、ラウリン酸(炭素数12)、ミリスチン酸(炭素数14)、パルミチン酸(炭素数16)、リノレン酸(炭素数18)、リノール酸(炭素数18)等が挙げられる。その塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられ、これらの塩は単体として害虫駆除剤中に加えてもよいが、脂肪酸と対応する中和剤とを別々に加えて害虫駆除剤中で塩を形成させてもよい。例えば、脂肪酸と、中和剤としてトリエタノールアミンまたは水酸化ナトリウムを別々に加えて、トリエタノールアミン塩またはナトリウム塩として使用することができる。本発明において、中和剤としては、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、アンモニア、水酸化カリウムが好適である。
本発明の成分(A)としては、中でも炭素数6~14の脂肪酸が好ましく、炭素数8~10の脂肪酸がより好ましく、ノナン酸が特に好ましい。
本発明の害虫駆除方法または害虫駆除剤において、有効成分である成分(A)として炭素数8~10の脂肪酸を使用する場合には、液剤では、有効成分である成分(A)を組成物または害虫駆除剤全体の0.01重量%以上3重量%以下の範囲で含有することが好ましく、中でも、0.05重量%以上2重量%以下の範囲がより好ましく、0.1重量%以上1.5重量%以下の範囲が特に好ましい。粒剤、エアゾール剤では、有効成分である成分(A)を組成物または害虫駆除剤全体の0.01重量%以上5重量%以下の範囲で含有することが、施用場所での薬害を抑制できる点において好ましく、中でも、0.05重量%以上4重量%以下の範囲がより好ましく、0.1重量%以上3重量%以下の範囲が特に好ましい。また、有効成分である成分(A)として炭素数4~7もしくは11~18の脂肪酸を使用する場合には、製剤型に関わらず、有効成分である成分(A)を組成物または害虫駆除剤全体の、0.01重量%以上20重量%以下の範囲で含有することが好ましく、0.1重量%以上10重量%以下の範囲とすることがより好ましい。
本発明の害虫駆除方法または害虫駆除剤の有効成分の1つである成分(B)は、ピレトリンである。ピレトリンは、ピレトリンIとピレトリンIIがあり、ピレトリンI(Pyrethrin I)は 、化学名が(1R,3R)-2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 (1S)-2-メチル-4-オキソ-3-(2Z)-2,4-ペンタジエニル-2-シクロペンテン-1-イルエステルの化合物であり、ピレトリンII(Pyrethrin II) は 、化学名が (1R,3R)-3-[(1E)-3-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-1-プロペニル]-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸 (1S)-2-メチル-4-オキソ-3-(2Z)-2,4-ペンタジエニル-2-シクロペンテン-1-イルエステルの化合物である。本発明の成分(B)としては、ピレトリンIとピレトリンIIの何れか1つでも、または混合物の何れでもよい。
中でも、本発明の成分(B)としては、天然ピレトリンが入手容易であることからも好適である。天然ピレトリンは、ピレトリンI、ピレトリンII、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンIおよびジャスモリンIIを含有する除虫菊の抽出成分であり、除虫菊抽出エキス(ピレトリンエキス)として市販されている。本発明の成分(B)として天然ピレトリンを使用する場合には、その使用量は総ピレトリン量として、組成物または害虫駆除剤全体の0.001重量%以上1重量%以下の範囲で含有することが好ましく、中でも上限値が0.5重量%以下がより好ましく、0.1重量%以下が特に好ましい。
成分(A)と成分(B)の重量比率としては、成分(A)に対する成分(B)の重量比率が0.001~1の範囲にあることが好ましく、0.005~0.5の範囲にあることがより好ましく、0.008~0.2の範囲にあることが特に好ましい。
製剤化する際に使用できる液体担体としては、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等)、エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸エチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、芳香族または脂肪族炭化水素類(キシレン、トルエン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタン、ケロシン、軽油、ヘキサン、シクロヘキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、ヘテロ環系溶剤(スルホラン、γ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-オクチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン)、酸アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等)、炭酸アルキリデン類(炭酸プロピレン等)、植物油(大豆油、綿実油等)、植物精油(オレンジ油、ヒソップ油、レモン油等)、および水が挙げられる。水としては、水道水、イオン交換水、蒸留水、ろ過処理した水、滅菌処理した水、地下水等が用いられる。
エアゾール剤に使用される噴射剤としては、公知のものを広く使用することができ、例えば液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、(HFO、HFC等の)代替フロン、炭酸ガス、窒素ガス等を挙げることができる。これらの中でもLPG、ジメチルエーテルを用いるのが好ましい。このエアゾール剤とする場合においては、噴射剤量が全体の30~95容量%、特に50~90容量%とし、原液(成分(A)、(B)以外に、界面活性剤、液体担体等の総量)が全体の70~5容量%、特に50~10容量%とすることができる。
凍結防止剤としては、例えば、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチルセロソルブ、ブチルカルビトール、3-メチル-メトキシブタノール等が挙げられる。
消泡剤としては、例えばアンチフォームE-20(シリコーンエマルジョン、花王株式会社、商品名)、アンチフォームC(東レ・ダウコーニング株式会社、商品名)、アンチフォームCエマルション(東レ・ダウコーニング株式会社、商品名)、ロードシル454(ソルベイ社、商品名)、ロードシルアンチフォーム432(ソルベイ社、商品名)、TSA730(株式会社タナック、商品名)、TSA731(株式会社タナック、商品名)、TSA732(株式会社タナック、商品名)、YMA6509(株式会社タナック、商品名)等のシリコーン系消泡剤、フルオウェットPL80(クラリアント社、商品名)等のフッ素系消泡剤が挙げられる。
防腐剤としては、例えばバイオホープおよびバイオホープL(化学名:有機窒素硫黄系複合物、有機臭素系化合物)、ベストサイド-750(化学名:イソチアゾリン系化合物、2.5~6.0%)、プリベントールD2(化学名:ベンジルアルコールモノ(ポリ)ヘミホルマル)、PROXEL GXL(S)(化学名:1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、20%)、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム等が挙げられる。
酸化防止剤としては、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(トミノックスTT、株式会社エーピーアイコーポレーション、商品名/IRGANOX1010またはIRGANOX1010EDS、チバ・ジャパン社、商品名)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシ・アニソール(BHA)、没食子酸プロピル、およびビタミンE、混合トコフェロール、α-トコフェロール、エトキシキンおよびアスコルビン酸等が挙げられる。
本発明の害虫駆除方法における組成物や本発明の害虫駆除剤は、害虫の巣に施用することにより、巣の中に存在する害虫を全て巣から逃散させるという効果を発揮する。逃散する害虫の中には、女王のような生殖能を有する生殖虫も含まれる。このため、本発明の害虫駆除方法または害虫駆除剤によれば、害虫が逃散した後の巣が再度構築されることがないため、極めて良好な駆除効果を得ることができる。
また、本発明における有効成分(A)および(B)は、天然由来成分であるため、環境や人畜に対する負荷が低減されており、しかも、植物を枯殺する恐れがないため、施用した場所の園芸植物等に対しても安全性が高いという特徴を有する。
本発明の害虫駆除方法および害虫駆除剤の試験検体例を示す。なお、実施例において、特に明記しない限り、部は重量部を意味する。
なお、試験検体に含まれる本発明の成分(A)、(B)以外の成分が、本発明の効果に影響を及ぼさないことを別途確認した。
(1)試験検体の調製1(粉粒剤)
実施例1
ノナン酸(炭素数9)2.5重量部、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(表1中では、界面活性剤と記載する。)1.4重量部および精製水20重量部を使用して水溶液を作製した。ゼオライト56.1重量部に前記水溶液を添加して混合剤1を調製した。
50%ピレトリンエキス0.05重量部およびセバシン酸ジオクチル0.6重量部を混合し、これにベントナイトを、上記混合剤1と混合剤2を混合して全量が100重量部となるように添加して、混合剤2を調製した。
上記混合剤1と混合剤2を混合して、実施例1の試験検体を調製した。
実施例2、3および比較例1~3は、下記表1に示した配合で、実施例1と同様にしてそれぞれの試験検体を得た。
(2)試験検体の調製2(エアゾール剤)
実施例4
原液:ノナン酸2.5w/v%、50%ピレトリンエキス0.05w/v%および1号灯油(ネオチオゾール、三光化学工業株式会社製)適量により全量を100mLとする。
噴射剤:LPG(0.29MPa、25℃)100mLとする。
この原液90mLをエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部を取り付け、該バルブ部を通じて前記噴射剤360mLを充填し、実施例4のエアゾール剤試験検体を得た。
実施例5および比較例4~6は、下記表2に示した配合で、実施例4と同様にしてそれぞれの試験検体を得た。
<粉粒剤を使用した試験方法>
試験検体10gを、巣穴を中心とした周囲(直径約25cmの円状)に均一に散布し、試験検体処理後10分間、巣穴から逃散する害虫の様子を確認した。
<エアゾール剤を使用した試験方法>
巣穴を中心とした周囲(直径約25cmの円状)に試験検体を2秒間(原液換算で0.5g、0.67mL)均一に散布し、試験検体処理後10分間、巣穴から逃散する害虫の様子を確認した。
<評価方法>
巣からの逃散効果は、目視により下記評価基準に従い3段階で評価した。
[評価基準]
「◎」:巣穴から女王アリを含む50頭以上のアリが逃散した
「△」:巣穴から女王アリを含まない50頭以下のアリが逃散した
「×」:巣穴からアリが逃散しなかった
上記評価基準において、「◎」が本発明の害虫駆除方法や本発明の害虫駆除剤として実用性があると判断した。
上記試験検体の組成と評価結果をまとめ、粉粒剤に関するものを表1に、エアゾール剤に関するものを表2に示した。
また、実施例1~5の試験検体を散布する前と、散布した後の巣穴に出入りする、1分間あたりのアリの頭数を計測したところ、試験検体散布前は約25頭/分であったのに対し、試験検体散布直後、1日後、25日後すべてにおいて、巣穴に出入りするアリは確認されず、アリが巣に戻り生活を再開することはなかった。このことからも、本発明の害虫駆除方法または害虫駆除剤は、駆除効果の持続性にも優れるものであることが確認された。
さらに、試験検体が散布された植物が枯殺されることはなく、薬害がないことも確認された。
以上の結果より、本発明の成分(A)と成分(B)を含有する害虫駆除剤は、害虫の巣に施用することにより、女王のような生殖能を有する生殖虫も含めた害虫を巣から逃散させ得ることができ、かつ、駆除効果の持続性にも優れることが明らかとなった。
さらに、本発明の害虫駆除方法または害虫駆除剤は、植物を枯殺する恐れがないため、噴霧または散布処理した場所の植物に対して安全性が高いという特徴を有するものである。
Claims (3)
- 下記成分(A)と成分(B)を含有する組成物をアリ類の巣に施用し、アリ類を巣から逃散させることを特徴とするアリ類駆除方法。
(A)ノナン酸またはその塩
(B)ピレトリン - 逃散するアリ類に生殖能を有する生殖虫が含まれていることを特徴とする、請求項1に記載のアリ類駆除方法。
- 下記成分(A)と成分(B)を含有することを特徴とする、巣から逃散させる用途のアリ類駆除剤。
(A)ノナン酸またはその塩
(B)ピレトリン
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