JP6034658B2 - 衣類害虫防除方法 - Google Patents

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Description

本発明は、衣類害虫防除方法に関し、更に詳しくは、衣類の収納空間に一定量噴霧されたピレスロイド系防虫成分及び芳香成分粒子を、クローゼット等に侵入もしくは生息する衣類害虫に効率よく接触させて高い防除効果を奏しうる衣類害虫防除方法に関するものである。
従来、屋内で使用されるエアゾール殺虫剤としては、使用法からみて、屋内の空間を飛翔する害虫、あるいは壁や床面を徘徊する害虫等の対象害虫をめがけて噴霧する直撃タイプと、あらかじめ害虫の通り道にエアゾール殺虫剤を噴霧塗布しておく待ち伏せタイプが知られていた。
一方、近年、比較的蒸気圧の高い殺虫成分が開発されるに伴い、これを含有するエアゾール殺虫剤を密閉空間で予め一定量施用し、気中に浮遊殺虫成分粒子を残存させて飛翔害虫を予防的に防除しようとする試みもある。例えば、特許文献1(特開2001−17055号公報)には、好ましくは常温揮散性ピレスロイドを用い、蒸気圧の高い溶媒を使用することによって処理薬剤の粒子径を微細化し、処理薬剤量の気中残存率を処理開始から3時間以上12時間未満の間において1%以上とするか、または処理開始から12時間以上24時間未満の間において0.5%以上にできるエアゾール殺虫剤が記載されている。そして、特許文献1によれば、噴霧粒子径が小さいほど処理薬剤量の気中残存率が高まり、殺虫効力が持続するので、このような噴霧粒子径を与えるエアゾール殺虫剤は、蚊等の飛翔害虫防除には有効としている。
なお、上記において空中に噴霧された処理薬剤粒子は、(A)気中に浮遊残存するか、(B)床や壁に付着するか、(C)Bの後に再揮散するか、もしくは(D)光等によって分解し消失する、のいずれかの挙動を辿ると考えられる。特許文献1のエアゾール殺虫剤は、処理薬剤粒子の(B)の比率を下げ、(A)の比率を高めようとするものである。
ところで、クローゼットや洋服タンスのような衣類収納空間用の衣類害虫防除方法としては、パラジクロルベンゼン等を用いた錠剤の外、常温揮散性ピレスロイド・エムペントリン等の防虫成分をマット原紙に含有させ、6ケ月から1年間にわたり防虫効果が持続するようになした防虫剤の使用が一般的であるが、防虫成分が収納空間に拡散するまでに幾分時間がかかり使用初期における防虫効果の発現が遅いという課題を有している。そこで、このような密閉小空間をエアゾールを用いて処理し、衣類害虫を防除しようとする提案もいくつかなされている。例えば、特許文献2(特開2003−73203号公報)は、殺虫成分のトランスフルトリン及び噴射剤を含有するエアゾール剤を衣類又は衣類の収納場所に噴霧する防虫方法を開示する。この特許文献2では、通常のエアゾール剤の使用方法に基づき衣類に薬液を噴霧するため、短期的であれ、相応の防虫効果を期待できるものの、噴霧量が過剰となりがちで、その結果。衣類にシミを生じたり安全性上の懸念が拭いきれない。
かかる状況を踏まえ、本発明者らは、前述の室内空間用に開発された定量噴霧タイプのエアゾールを衣類収納空間へ適用することを試み、衣類害虫の習性を観察しつつ検討を進めた。その結果、エアゾール組成物、噴射力や噴霧薬剤粒子等の要因を最適化することによって、防虫効果と使用面で効率化された衣類害虫防除方法を実現できることを知見し、本発明を完成するに至ったものである。
特開2001−17055号公報 特開2003−73203号公報
本発明の目的は、定量噴霧機能を備えたエアゾール剤を用い、一定量を衣類の収納空間に噴霧処理することによって、衣類害虫に対して高い防虫効果を奏し、しかも使用時期を明瞭に認識できる衣類害虫防除方法を提供することにある。
本発明は、以下の構成が上記目的を達成するために優れた効果を奏することを見出したものである。
(1)30℃における蒸気圧が2×10−4〜1×10−2mmHgであるピレスロイド系防虫成分及び沸点が200℃以上の芳香成分を含有するエアゾール原液と液化ガスとからなるエアゾール組成物を、定量噴霧機能を備えたエアゾールバルブを通して0.2〜1.0mLの範囲にある一定量を衣類の収納空間に噴霧処理する衣類害虫防除方法であって、噴射距離20cmにおける噴射力を3〜15gf/25℃とし、かつ、噴霧粒子の平均粒子径が17〜30μmであり、かつ前記芳香成分の匂いの持続期限を、前記ピレスロイド系防虫成分の有効期限に概略合致させた衣類害虫防除方法。
(2)前記エアゾール原液が、更に防黴成分を含有する(1)に記載の衣類害虫防除方法。
(3)0.35〜0.9mLの範囲にある一定量を衣類の収納空間に噴霧処理する(1)又は(2)に記載の衣類害虫防除方法。
(4)前記衣類の収納空間が、クローゼットである(1)ないし(3)のいずれか1に記載の衣類害虫防除方法。
本発明の衣類害虫防除方法によれば、定量噴霧機能を備えたエアゾール剤を用い、一定量を室内空間に噴霧処理することによって、衣類害虫に対して高い防虫効果を奏し、しかも使用時期を明瞭に認識できるので極めて実用的である。
本発明では、ピレスロイド系防虫成分及び沸点が200℃以上の芳香成分を含有するエアゾール原液と液化ガスとからなるエアゾール組成物を用いる。
ピレスロイド系防虫成分としては、メトフルトリン、プロフルトリン、トランスフルトリン、エムペントリン、テラレスリン、フラメトリン、フタルスリン、レスメトリン、フェノトリン、ぺルメトリン、シフェノトリン、アレスリン、プラレトリン、イミプロトリン、エトフェンプロックス等があげられ、好ましくは、30℃における蒸気圧が2×10−4〜1×10−2mmHgで常温揮散性を有する、メトフルトリン、プロフルトリン、トランスフルトリン、エムペントリン、テラレスリン、フラメトリン等を例示できる。なかんずく、蒸気圧や安定性、基礎殺虫効力等を考慮すると、メトフルトリン、プロフルトリン及びトランスフルトリンが好ましい。
30℃における蒸気圧が1×10−2mmHgを超えると揮散性が高すぎ、一方、2×10−4mmHg未満の場合は、殺虫薬剤粒子を気中に十分残留させることが困難となる場合が生ずるので好ましくない。
なお、ピレスロイド系殺虫成分の酸成分やアルコール部分において、不斉炭素に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合、それらの各々や任意の混合物も本発明に包含されることはもちろんである。
本発明は、これらピレスロイド系防虫成分とともに沸点が200℃以上の芳香成分を併用し、芳香成分の匂いの持続期限を、前記ピレスロイド系防虫成分の有効期限に概略合致させることによって、本発明で用いるエアゾール剤の使用時期を明瞭に認識可能としたものである。
沸点が200℃以上の芳香成分としては、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、p−tert−ペンチルシクロヘキシルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、ベンジルアセテート、フェニルエチルアセテート、スチラリルアセテート、アニシルアセテート、シンナミルアセテート、テルピニルアセテート、ジヒドロテルピニルアセテート、リナリルアセテート、エチルリナリルアセテート、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ネリルアセテート、ボルニルアセテート、イソボルニルアセテート、アリルヘプタノエート、アリルオクタノエート、アリルイソブチルオキシアセテート、アリルn−アミルオキシアセテート、アリルシクロヘキシルアセテート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、アリルフェノキシアセテート、テルピネオール、ゲラニオール、ジヒドロミルセノール、ボルネオール、メントール、シトロネロール、ネロール、リナロール、エチルリナロール、チモール、オイゲノール、及びp−メンタン−3,8−ジオール等があげられる。
更に、必要ならば、沸点が250℃以上で上記よりも持続性の高い芳香成分を配合し、芳香成分の匂いの持続期限を調整することもできる。かかる芳香成分としては、ガラクソリド、ムスクケトン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、エチレンブラシレート、メチルアトラレート、ヘキシルサリシレート、オレンジャークリスタル、アンブロキサン、キャシュメラン、カロン、ヘリオトロピン、インドールアロマ、インドール、メチルセドリルケトン、メチルβ−ナフチルケトン、メチルジヒドロジャスモネート、ローズフェノン、及び7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン等があげられるが、これらに限定されない。
上記芳香成分には、その揮散成分の持続補強剤として、20℃における蒸気圧が0.2〜20Paのグリコール及び/又はグリコールエーテルの1種又は2種以上を配合するのが好ましい。
その具体的代表例(20℃における蒸気圧を併記)としては、プロピレングリコール(10.7Pa)、ジプロピレングリコール(1.3Pa)、トリプロピレングリコール(0.67Pa)、ジエチレングリコール(3Pa)、トリエチレングリコール(1Pa)、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール(6.7Pa)、ベンジルグリコール(2.7Pa)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(3Pa)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテルがあげられ、なかんずく、ジプロピレングリコールが好適である。
更に、本発明では、上記芳香成分を含む種々精油類、例えば、ジャスミン油、ネロリ油、ペパーミント油、ベルガモット油、オレンジ油、ゼラニウム油、プチグレン油、レモン油、シトロネラ油、レモングラス油、シナモン油、ユーカリ油、レモンユーカリ油、タイム油等も適宜添加しても構わない。
かかる芳香成分は、比較的長期間にわたって芳香を醸し出すとともに、ある程度の防虫効果をも兼備するため、ピレスロイド系防虫成分と連動して、特に初期の防虫効果を補強する。その結果、本発明の構成は、使用の初期段階から終期段階に至るまで安定した防虫効果を奏し、より効率的な防虫効果が達成されるのである。なお、本発明では、ピレスロイド系防虫成分による駆除効果や忌避効果、並びに芳香成分による忌避効果を総合して防虫効果と称することとする。
しかも芳香成分が揮散して醸し出す芳香は、香りの付与と共に防虫効果の表示機能ともなり、芳香の消失までをエアゾール剤の使用による防虫効果の有効期間と見なせるので、使用者にとって分かり易いというメリットがある。
本発明の衣類害虫防除方法は、ピレスロイド系殺虫成分及び芳香成分が高濃度のエアゾール組成物を少量一定量噴霧するので、エアゾール原液中のピレスロイド系殺虫成分及び芳香成分の含有量も、それぞれ1.0〜30w/v%程度と高濃度となる。その調製に際し用いる溶剤としては、ピレスロイド系殺虫成分及び芳香成分の蒸気圧を考慮して炭素数が2〜3の低級アルコールが好ましく、エタノールやイソプロパノール(IPA)が一般的である。かかる低級アルコールは、速乾性で噴霧後速やかに揮発するので噴霧粒子を微細にし、ピレスロイド系殺虫成分及び芳香成分が空間で浮遊残留しやすくなる。
なお、エアゾール原液中のピレスロイド系殺虫成分含有量が1.0w/v%未満であると所望の防虫効果が得られないし、一方、30w/v%を超えるとエアゾール組成物の液性安定化の点で困難を伴う。芳香成分についても同様である。
本発明で用いるエアゾール原液には、衣類及び衣類収納空間の防黴を目的として、防黴剤が配合されるのが好ましい。防黴剤としては、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以降、防黴剤A)、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール(以降、防黴剤B)、p−クロロ−m−キシレノール、オルト−フェニルフェノール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、ヒノキチオール、チモール、テトラヒドロリナロール(以降、防黴剤C)等があげられ、エアゾール原液中に、0.5〜15w/v%程度配合されるのが好適である。
更に、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、前記ピレスロイド系防虫成分に加え、シラフルオフェン等のケイ素系化合物、ジクロルボス、フェニトロチオン等の有機リン系化合物、プロポクスル等のカーバメート系化合物、ジノテフランやイミダクロプリドのようなネオニコチノイド系化合物等を若干量配合してもよい。
また、溶剤としても、炭素数が2〜3の低級アルコールに加え、例えば、n−パラフィン、イソパラフィンなどの炭化水素系溶剤、炭素数3〜6のグリコールエーテル類、ケトン系溶剤、エステル系溶剤等を適宜添加可能である。
本発明で用いるエアゾール剤は少量噴霧で十分なので、敢えて火気に対する危険性に留意する必要はないが、できる限り低減させる観点から水性化処方を採用することもできる。この場合、水の量は20〜70v/v%程度が適当であり、噴霧粒子の噴霧パターンに支障を来たさない限りにおいて、可溶化助剤として若干量の非イオン系界面活性剤を添加してもよい。
非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル類などのエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類などの脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、脂肪酸のポリアルカロールアミドなどがあげられ、なかでも、エーテル類が適している。
本発明では、前記各成分に加え、殺ダニ剤、抗菌剤や殺菌剤、あるいは、安定化剤、帯電防止剤、消泡剤、賦形剤等を適宜配合してももちろん構わない。殺ダニ剤としては、5−クロロ−2−トリフルオロメタンスルホンアミド安息香酸メチル、サリチル酸フェニル、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート等があり、一方、抗菌剤や殺菌剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、テトラクロロイソフタロニトリル、トリホリン等を例示できる。
また、「緑の香り」と呼ばれる青葉アルコールや青葉アルデヒド配合の香料成分を配合して、リラックス効果を付与することもできる。
本発明の衣類害虫防除方法は、ピレスロイド系防虫成分及び芳香成分を含有するエアゾール原液と液化ガスとからなるエアゾール組成物を、衣類の収納空間で天井に向けて一回当たり0.2〜1.0mL、好ましくは0.35〜0.9mLの範囲にある一定量を噴霧し、イガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ等の衣類害虫の卵、幼虫、成虫の各ステージに対して薬剤粒子が効率的に接触するようになしたことに特徴を有する。
このために、本発明で用いるエアゾール剤は、噴射距離20cmにおける噴射力を3〜15gf/25℃とし、かつ、噴霧粒子の平均粒子径が5〜30μmであることを必須とする。
即ち、衣類害虫は通常衣類の陰に潜んでいるのであるが、クローゼット等のような密閉小空間で天井に向けて噴射された噴霧粒子が、気中に浮遊残存しつつ衣類の隙間に入り込むための最適な噴射力と噴霧粒子の平均粒子径を見出し、本発明を完成させたのである。
本発明者らの試験結果によれば、噴射力が3gf/25℃未満、もしくは15gf/25℃を超えると壁や衣類に付着する噴霧粒子の割合が増加する。この傾向は、噴霧粒子の平均粒子径が、5μm未満、もしくは30μmを超えても同様である。
なお、本発明が適用される密閉小空間では、噴霧直後において気中に浮遊残存する噴霧粒子の割合が高い方が好ましい。但し、30℃における蒸気圧が2×10−4〜1×10−2mmHgである常温揮散性のピレスロイド系防虫成分は、その噴霧粒子が壁や衣類に付着してもその一部は再揮散し、防虫効果の発現に寄与しうるので本発明に適していると言える。
本発明で用いるエアゾール組成物は、エアゾール原液と液化ガスとから構成されるが、エアゾール原液/液化ガス比率は10〜50/50〜90(容量比)が好適である。
エアゾール原液/液化ガス比率が10/90より小さく液化ガスが多すぎると、噴霧粒子が必要以上に微細となるし、一方、50/50を超えると、逆に噴霧粒子が速やかに沈降する傾向があるので好ましくない。
本発明で用いられる液化ガスとしては、液化石油ガス(LPG)やジメチルエーテル(DME)の他、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)やハイドロフルオロカーボン(HFC)等のフロンガスがあげられ、そのうちの一種または二種以上を適宜採用することができる。通常LPGを主体としたものが使いやすいが、HFOやHFC等の難燃性もしくは不燃性のフロンガスの場合は、火気に対する安全性に優れるという長所を備えている。なお、必要ならば圧力調整等の目的で、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等の圧縮ガスを添加しても構わない。
上記エアゾール剤は、衣類の収納空間で一定量噴霧処理するための定量噴霧用エアゾールバルブを備え、一回当たりの噴霧容量としては0.2〜1.0mL、好ましくは0.35〜0.9mLの一定量が適当である。そして、噴射距離20cmにおける噴射力が3〜15gf/25℃であれば、その用途、使用目的等に応じて、適宜噴口、ノズル、容器等の材質や形状を選択すればよい。
例えば、PET樹脂容器のような透明容器を使用することにより内容物の残量を目視可能にすることもできるし、一方、上から押して噴霧するボタンと斜め上方向きのノズルを備えた卓上タイプとしたり、小型容器の携帯用として設計することもできる。
本発明は、こうして得られたエアゾール剤を、ウォークインクローゼットを含む衣類の収納空間、好ましくはクローゼットや洋服タンス等で、天井に向けて一回当たり0.2〜1.0mL、好ましくは0.35〜0.9mLの範囲にある一定量を噴霧し、所定量の噴霧粒子を気中に浮遊残存させる一方、イガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ等の衣類害虫の卵、幼虫、成虫の各ステージに対して薬剤噴霧粒子が効率的に接触するようになしたものである。
本発明において気中に噴霧されるピレスロイド系防虫成分量は、0.5〜50mg/m程度が適当であり、1回の施用でその処理空間をおよそ1〜4週間にわたり衣類害虫に対して防除可能な雰囲気を提供する。しかも芳香の消失をもって、エアゾール剤の使用による防虫効果の有効期限を明瞭に認識できるので、本発明のメリットは極めて大きい。
つぎに具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明の衣類害虫防除方法を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
メトフルトリン4.0w/v%、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート1.1w/v%、テルピネオール2.0w/v%、ガラクソリド0.8w/v%、及び防黴剤A(2.4w/v%)をエタノールに溶解してエアゾール原液を調製した。このエアゾール原液22.5mLと液化石油ガス52.5mL[エアゾール原液/液化ガス比率:30/70(容量比)]を定量噴霧用エアゾールバルブ付きエアゾール容器に加圧充填して、本発明で用いる衣類害虫防除用エアゾール剤を得た。
このエアゾール剤を一定量(0.4mL)噴霧した時、噴射距離20cmにおける噴射力は6.5gfで、平均噴霧粒子径は14μmであった。
空間体積が約3mのクローゼット(上方にハンガーパイプを有し10着の衣類を吊下げ収納、その1着にイガによる虫食いを観察)内で、天井に向けて前記エアゾール剤を2回噴霧した。クローゼット内の芳香は1ケ月後に消失したが、この間イガによる新たな虫食いは発生せず、またクローゼット内が黴臭くなることもなかった。このように、芳香の消失をもって、本エアゾール剤の有効期限を明瞭に認識できたので、本発明の衣類害虫防除方法は、非常に実用性の高いものであった。
実施例1に準じて表1に示す各種エアゾール剤(有効期間:1ケ月)を調製し、下記に示す試験を行った。その試験結果を纏めて表2に示す。
(1)3m3のクローゼットでのコイガに対する防虫効果
実施例1と同様、10着の衣類を吊下げ収納した約3mのクローゼット内で、天井に向けて各エアゾール剤を2回噴霧した。供試虫としては、直径5cmの球型網カゴの中にウール布とコイガ30日令幼虫10匹、又は卵20匹を入れたものを用い、噴霧から所定期間経過後、これら供試虫を衣類の間に置いた。コイガ幼虫は7日間放置し、その間に仰転もしくは致死した虫数を数え、ノックダウン率(KD率)を求めた。一方、卵については、10日間放置後の孵化虫数を数え、孵化抑制率を算出した。

試験の結果、本発明の衣類害虫防除方法に基づき、ピレスロイド系防虫成分、好ましくは、30℃における蒸気圧が2×10−4〜1×10−2mmHgであるメトフルトリン、プロフルトリン及びトランスフルトリンから選ばれる1種以上と、沸点が200℃以上の芳香成分等を含有するエアゾール原液並びに液化ガスとからなるエアゾール組成物を用い、噴射距離20cmにおける噴射力を3〜15gf/25℃とし、かつ、噴霧粒子の平均粒子径を5〜30μmと成して一定量噴霧処理することにより、コイガ等の衣類害虫に対して、約1ケ月にわたり高い防虫効果を保持した。なお、防虫効果の期限は芳香の消失をもって認識できたので、実用性に優れることも確認できた。
これに対し、比較例1や比較例2のように、噴霧粒子の平均粒子径が所定の範囲を外れたり、また比較例3の如く、噴射力が3gf/25℃に達しない場合は、防虫効果が低かった。更に、沸点が200℃未満の芳香成分等を含有させた比較例4については、芳香が数日で消失してしまうため防虫効果の期限と合致せず、本発明の趣旨に適合しなかった。
本発明の衣類害虫防除方法は、衣類害虫用だけでなく広範な害虫駆除を目的として利用することが可能である。

Claims (4)

  1. 30℃における蒸気圧が2×10−4〜1×10−2mmHgであるピレスロイド系防虫成分及び沸点が200℃以上の芳香成分を含有するエアゾール原液と液化ガスとからなるエアゾール組成物を、定量噴霧機能を備えたエアゾールバルブを通して0.2〜1.0mLの範囲にある一定量を衣類の収納空間に噴霧処理する衣類害虫防除方法であって、噴射距離20cmにおける噴射力を3〜15gf/25℃とし、かつ、噴霧粒子の平均粒子径が17〜30μmであり、かつ前記芳香成分の匂いの持続期限を、前記ピレスロイド系防虫成分の有効期限に概略合致させたことを特徴とする衣類害虫防除方法。
  2. 前記エアゾール原液が、更に防黴成分を含有することを特徴とする請求項1に記載の衣類害虫防除方法。
  3. 0.35〜0.9mLの範囲にある一定量を衣類の収納空間に噴霧処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の衣類害虫防除方法。
  4. 前記衣類の収納空間が、クローゼットであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の衣類害虫防除方法。
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