JP2011236136A - 衣料害虫の食害防止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然産の精油由来成分又は合成の香料成分を食害防止成分とする衣料害虫の食害防止剤であって、高い食害防止効果を奏する一方、人畜に対する安全性に優れ、しかもほのかな芳香性が使用感を高め得る衣料害虫の食害防止剤の提供。
【課題の解決手段】衣料害虫の食害防止成分として、(a)テルピネオールと、(b)一般式(I)

−CH−COO−CH−CH=CH(I)

(式中、Rは炭素数が4〜7のアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルメチル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、又は置換されても良いフェノキシ基を表わす。)で表わされる酢酸誘導体のアリルエステル化合物から選ばれる1種又は2種以上を含有する衣料害虫の食害防止剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、衣料害虫の食害防止剤に関するものである。
従来より、イガ類、カツオブシムシ類やシミ類等の衣料害虫から繊維製品を保護するため、主に、タンス、引き出し、クローゼットや衣類収納箱用として、様々な防虫剤が実用化されている。その有効成分としては、古くはp−ジクロロベンゼンやナフタレン等の昇華性防虫成分が使用されたが、安全性の問題や強い刺激臭が指摘され、近年、エムペントリンやプロフルトリン等の常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分が主流となっている。後者のピレスロイド系殺虫成分は、衣料害虫に対して微量で高い殺虫効力を奏し、無臭で、しかも安全性にも優れ有用性の高い有効成分であるが、処理空間に充満するまでに幾分時間がかかり、初期効果の改善が望まれている。また、最近、消費者のニーズが多様化し、無臭よりも幾分芳香性を有する防虫剤を使用して、処理空間や衣類への賦香を積極的に是とする傾向も見られるようになった。
かかる状況を背景として、防虫効果と芳香性を兼備した天然産の精油由来成分を防虫成分として用いる提案がいくつかなされている。例えば、特開平9−278621号公報(特許文献1)は、ハッカ油、レモン油、オレンジ油、シトロネロール、ケシ油から選ばれる揮発性防虫剤と、ヒバ油、ひのき油、カンファー、ピネンから選ばれる低揮発性防虫剤を組み合わせてなる防虫剤に係り、長期間にわたって優れた食害防止効果を示す旨記載しているが、その防虫効果は十分満足のいくものではない。
また、特許第4148552号公報(特許文献2)では、衣料害虫の増殖行為阻害剤の有効成分として、カルボン、アネトール及びリナロールの3種の混合物が開示されている。しかしながら、これについても、衣料害虫に対する効果は十分とは言えず、天然産の精油由来成分を食害防止成分とする衣料害虫の食害防止剤であって、実用性に十分優れたものは未だ知られていない。
特開平9−278621号公報 特許第4148552号公報
本発明は、天然産の精油由来成分又は合成の香料成分を食害防止成分とする衣料害虫の食害防止剤であって、高い食害防止効果を奏する一方、人畜に対する安全性に優れ、しかもほのかな芳香性が使用感を高め得る衣料害虫の食害防止剤を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成が上記目的を達成するために優れた効果を奏することを見出したものである。
(1)衣料害虫の食害防止成分として、(a)テルピネオールと、(b)一般式(I)

−CH−COO−CH−CH=CH(I)

(式中、Rは炭素数が4〜7のアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルメチル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、又は置換されても良いフェノキシ基を表わす。)で表わされる酢酸誘導体のアリルエステル化合物から選ばれる1種又は2種以上を含有する衣料害虫の食害防止剤。
(2)前記(b)一般式(I)で表わされる酢酸誘導体のアリルエステル化合物が、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸アリル、オクタン酸アリル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、イソアミルオキシ酢酸アリル、シクロヘキシルオキシ酢酸アリル、フェノキシ酢酸アリルである(1)記載の衣料害虫の食害防止剤。
(3)前記(a)テルピネオールと、(b)一般式(I)で表わされる酢酸誘導体のアリルエステル化合物の配合比が、50:1〜1:50である(1)又は(2)記載の衣料害虫の食害防止剤。
本発明の衣料害虫の食害防止剤は、天然産の精油由来成分又は合成の香料成分を食害防止成分とし、高い食害防止効果を奏する一方、人畜に対する安全性に優れ、しかもほのかな芳香性が使用感を高め得るので、その実用性は極めて高い。
本発明では、食害防止成分として、(a)テルピネオールと、(b)一般式(I)

−CH−COO−CH−CH=CH(I)

(式中、Rは炭素数が4〜7のアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルメチル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、又は置換されても良いフェノキシ基を表わす。)で表わされる酢酸誘導体のアリルエステル化合物から選ばれる1種又は2種以上が用いられる。
テルピネオールは、テレピン油、オレンジ油、ネロリ油、ゼラニウム油、ヒノキ油、レモン油などの天然精油に広く存在する。テルピネオールには、α−、β−、γ−の三つの異性体があるが、天然精油中に存在するのはα−体のみで、一方、市販合成品は、α−体を主体とし、β−及びγ−体と少量のテルピネン−1−オールを含むものが多い。本発明では、各異性体の単独であっても、任意の混合物であっても構わない。
なお、テルピネオールが飛翔害虫の忌避成分として有用であることは、例えば、特開平1−294601号公報などから公知である。
一般式(I)で表わされる酢酸誘導体のアリルエステル化合物としては、例えば、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸アリル、オクタン酸アリル、シクロヘキシル酢酸アリル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、イソブチルオキシ酢酸アリル、n−アミルオキシ酢酸アリル、イソアミルオキシ酢酸アリル(アリルアミルグリコレート)、イソヘキシルオキシ酢酸アリル、3−エチルアミルオキシ酢酸アリル、シクロペンチルオキシ酢酸アリル、シクロヘキシルオキシ酢酸アリル(シクロガルバネート)、フェノキシ酢酸アリルなどがあげられ、なかんずく、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸アリル、オクタン酸アリル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、イソアミルオキシ酢酸アリル、シクロヘキシルオキシ酢酸アリル、フェノキシ酢酸アリルは、食害防止効果が高く、かつ入手しやすいので好適である。
なお、当該酢酸誘導体のアリルエステル化合物は香料成分として公知であり、このうち、イソアミルオキシ酢酸アリルやシクロヘキシルオキシ酢酸アリルについては、特開2007−119375号公報に、飛翔害虫に対して忌避効果を奏する旨開示されている。
本発明者らは、飛翔害虫に対する忌避効果と衣料害虫に対する食害防止効果が全く別異の作用に基づくものと考え、テルピネオールと、一般式(I)で表わされる酢酸誘導体のアリルエステル化合物の組合わせを鋭意検討したところ、両化合物を併用することによって、衣料害虫に対する食害防止効果が相乗的に顕著に増強することを認め、本発明を完成するに至ったのである。
(a)テルピネオールと、(b)一般式(I)で表わされる酢酸誘導体のアリルエステル化合物の配合比は、高い相乗効果を奏しうる50:1〜1:50が好ましい。
上記の食害防止成分には、他の天然精油や天然もしくは合成香料、例えば、シトロネラール、シトラール、ノナナール、ゲラニオール、ネロール、ボルネオール、デカノール、シトロネロール、リナロール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ロジノール、メントール、p−メンタン−3,8−ジオール、チモール、メンタン、カンフェン、ピネン、リモネン、β−ヨノン、蟻酸ゲラニル、蟻酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸シトロネリル、酢酸ネリル、メチルサリシレート、シトロネラ油、シナモン油、ユーカリ油、レモンユーカリ油、ヒバ油、ラベンダー油、オレンジ油、グレープフルーツ油、シダーウッド油、ゼラニウム油、タイムホワイト油、ハッカ油などから選ばれた1種又は2種以上を配合してもよい。これらの中では、シトロネラール、シトラール、ゲラニオール、シトロネロール、リナロール、ジヒドロミルセノール、メントール、p−メンタン−3,8−ジオール、カンフェン、β−ヨノン、メチルサリシレート、シトロネラ油、シナモン油、ユーカリ油、レモンユーカリ油、ヒバ油が食害防止効果の点で好ましい。
本発明の衣料害虫の食害防止剤は、上記の(a)及び(b)を含む食害防止成分のみで構成しても構わないが、通常各種の成分を加えて種々の形態に調製される。そして、食害防止成分の食害防止剤全体量に対する比率は、食害防止剤の形態によっても異なるが、例えば液状のような場合、0.5〜5.0質量%程度に設定するのが好ましい。0.5質量%未満であると食害防止効果が十分でなく、一方5.0質量%を超えると匂いが強くなりすぎるので実用的でない。また、ゲル状体にあっては、食害防止成分の配合量は、0.5〜10質量%程度が適当である。
本発明の衣料害虫の食害防止剤は、食害防止効果と人畜に対する安全性に支障を来たさない限りにおいて、緑茶抽出物や柿抽出物のような植物由来の消臭成分や、香調の調整のために他の芳香成分を配合してもよい。例えば、「緑の香り」と呼ばれる青葉アルコールや青葉アルデヒド等を添加してリラックス効果を付与することができる。
また、常温揮散性のピレスロイド系殺虫成分、例えば、エムペントリン、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート[トランスフルトリン]、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート[プロフルトリン]、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート[メトフルトリン]などを添加すれば食害防止効果に加え、殺虫効果を付与させることも可能となる。
本発明の衣料害虫の食害防止剤は、使用場面のニーズに合わせて、液状、ゲル状、固形状、シート状など種々の形態を採用しうる。
液剤を調製するにあたっては、水のほか、エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール、プロピレングリコールのようなグリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル系水溶性有機溶剤、脂肪族もしくは芳香族炭化水素系溶剤や、界面活性剤、可溶化剤、分散剤が適宜用いられる。
また、ゲル状体の調製に用いられるゲル化剤としては、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、ゼラチン、オクチル酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸などがあげられる。
一方、パルプ、リンター、レーヨン等のセルロース製担体、ケイ酸塩、シリカ、ゼオライト等の無機多孔質担体、トリオキサン、アダマンタン等の昇華性担体に、食害防止成分を必要ならば溶剤等とともに含浸させて固形状、シート状、粒状等の食害防止剤を調製することができる。
なお、安定化剤、pH調整剤、着色剤などを適宜配合してもよいことはもちろんである。
次に、液状形態の食害防止剤について詳述する。
処方としては、食害防止成分を0.5〜5.0質量%、界面活性剤を3.0〜12質量%、低級アルコールやグリコール等の溶剤を2.0〜10質量%及び水を含有してなる水性液剤が好ましく、この食害防止剤は、吸液芯を介して吸液素材の蒸発部に導き食害防止成分を空間に放散させる方式や、スプレー方式、あるいは噴射剤を伴ってエアゾール方式に好適に適用される。
界面活性剤は、食害防止成分の安定性と放散性の点から、高級アルキルアミンオキサイド系界面活性剤と非イオン系界面活性剤が併用されるのが好ましい。
高級アルキルアミンオキサイド系界面活性剤としては、例えばラウリルアミンオキサイド、ステアリルアミンオキサイド、ラウリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイドなどがあげられ、一方、非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル)、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどを例示できる。
界面活性剤が3.0質量%未満であると食害防止成分の可溶化が劣り、12質量%を越えると食害防止成分の放散性に影響を及ぼす恐れがある。
溶剤としては、エタノール又はイソプロパノール、プロピレングリコール等が代表的で、例えばエタノールの場合、その配合量が2.0質量%未満であると高級アルキルアミンオキサイド系界面活性剤との相溶性が劣り、一方10質量%を超えると火気に対する危険性が増大し、消防法上の非危険物に該当しない場合が生ずる。
こうして得られた衣料害虫の食害防止剤は、例えば吸液芯を有する容器本体に充填され、吸液芯を介して食害防止成分を空間に放散させる方式に適用される。
ここで、容器本体は、その材質や構造に特に制限はなく、例えばプラスチック、ガラス、陶器製などがあげられる。内部の液量を視認できる透明ないし半透明のプラスチックあるいはガラス容器が好ましく、表面をダイアカットやボヘミアンカット状に加工してもよい。通常、容器本体の容量としては50ないし400mL程度のものが実用的である。そして、容器本体の底部は、液剤が残りなく吸い上げられるように、後記する吸液芯の当接部を幾分凹状に構成するのがよい。
この容器本体上部の開口部には吸液芯を保持する中栓が冠着される。中栓はプラスチック製が好ましく、また、開口部冠着位置から下方に向けて筒状に形成し吸液芯を挿入するようにすれば、吸液芯を確実に保持できるのでより好適である。
吸液芯は、食害防止剤に対して安定でかつ毛細管現象で水溶液を吸液するものであり、具体的な材質として例えばナイロン、ポリエステルなどのプラスチック繊維、天然繊維、木材などがあげられる。このうちプラスチック繊維又は天然繊維製フェルト吸液芯が使いやすく、外径3〜10mm程度の棒状もしくは撚芯状に形成して使用に供される。
通常、吸い上げた食害防止剤を放散させる蒸発部が吸液芯の上部に設けられる。蒸発部の構造はフェルトもしくはシート状であり、またその材質としては吸液芯の場合と同様、例えばナイロン、ポリエステルなどのプラスチック繊維、天然繊維、木材などを使用できる。このうちプラスチック繊維又は天然繊維製のフェルトもしくはシート状のものが好ましく、厚み2〜15mmで、表面積が10〜60cm2の略円形に成型し、これを吸液芯の頂面に当接するように配設すれば、吸い上げられた食害防止剤は吸液芯から蒸発部に移行し、ここから徐々に空中に放散する。蒸発部の表面積が10cm2未満であると蒸発量が低くなる傾向があるし、一方60cm2を超えると蒸発量過多となって持続性に問題を生じる場合がある。通常、食害防止剤の1日あたりの空中への蒸発量を0.5〜5mLとし、有効持続時間は3〜6ケ月程度に調整される。
また、蒸発部支持体を付設したり、蒸発部に指などが触れないように蒸発部をカバーするメッシュ状の蓋部材を備えるのが一般的である。
更に、インテリア性を付与するために、蒸発部支持体を介して布又はプラスチック製の造花やフィギュア等を装填してもよい。
衣料害虫の食害防止剤がゲル状体や固形状、シート状等の場合も常法に従って調製することができ、使用目的や使用場面に適した製剤(ファン式虫よけ器具、防虫カーテン等)に適用して食害防止成分を効率よく空間に放散させることができる。
このように、本発明の衣料害虫の食害防止剤は、タンスや引き出し、クローゼット、倉庫や押入れなどで、イガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、シミなどの衣料害虫に対して実用的な食害防止効果を奏することはもちろん、アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカなどの蚊類、蚋、ユスリカ類、ハエ類、チョウバエ類などの飛翔害虫に対しても実用的な防虫効果を奏するものである。そして、本発明の衣料害虫の食害防止剤によれば、3ケ月ないし6ケ月間の長期間にわたり、実用的な食害防止効果と同時に芳香感を満喫することができるのでその実用性は極めて高い。
次に具体的な実施例に基づき、本発明の衣料害虫の食害防止剤について更に詳細に説明する。
テルピネオールを0.15質量%、酢酸誘導体のアリルエステル化合物を0.75質量%(オクタン酸アリル:0.60質量%、シクロヘキシルプロピオン酸アリル:0.10質量%、イソアミルオキシ酢酸アリル:0.05質量%)、シトロネラールを0.10質量%、ラウリルアミンオキサイドを1.2質量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を1.6質量%、ポリオキシエチレンオレイルエーテルを3.0質量%、エタノールを7.0質量%、消臭剤としての緑茶抽出成分を1.0質量%、クエン酸を0.02質量%、及び精製水を85.18質量%を含有する本発明の衣料害虫の食害防止剤を調製した。なお、この食害防止剤におけるテルピネオールとアリルエステル化合物の配合比は1:5で、また、この水性製剤は消防法上の非危険物に該当した。
本発明の衣料害虫の食害防止剤130gを透明ポリエステル製容器本体に充填し、その上部開口部に外径7mmで棒状のフェルト製吸液芯を挿通した中栓を冠着させた。吸液芯の頂面に当接させて、厚さ5mm、直径5.2cmの円盤状のフェルト製蒸発部を取り付け、置型の防虫器具を作製した。
この防虫器具を容積が1800Lのクローゼットの中に置いて使用したところ、約6ケ月間にわたり芳香感を満喫できるとともに、収納衣類は衣料害虫の食害を受けることはなかった。
テルピネオールを1.2g、酢酸誘導体のアリルエステル化合物を0.3g(シクロヘキシルプロピオン酸アリル:0.2g、ヘプタン酸アリル:0.1g)、ユーカリ油を0.8gと4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートを0.1g含有する混合物に、ゲル化剤(オクチル酸アルミニウム)2.0g、ジエチレングリコールブチルエーテル1.0g、及びイソパラフィン系炭化水素114.6gを加え、ゲル状の衣料害虫の食害防止剤120gを調製した。
これをポリエステル製容器に充填し、40%の有孔面積を有する蓋部材を容器の上部開口部に取り付けて、ゲル状タイプの防虫器具を作製した。
この防虫器具は、実施例1と同様、書庫において、イガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、シミなどの衣料害虫による食害を防止することは勿論、蚊や蚋などの飛翔害虫に対する忌避効果にも優れた。
実施例1に準じて、表1に示す各種食害防止剤(但し、界面活性剤、溶剤、水の記載省略)を調製し、その0.5mLを直径3cmの濾紙に含浸、乾燥後、下記の食害防止効力試験を実施した。
[食害防止効力試験]
容量500mLのガラス瓶の底に供試濾紙を置き、その5cm上方に、30日令、平均体重30〜35mg/頭のイガ幼虫10頭と、羊毛試験布(2cm×2cm、40〜45mg)を入れたカゴを固定した。次に、ガラス瓶を密閉し、27℃、湿度65%の恒温恒湿室内に7日間放置したのち、羊毛試験布を取り出して食害率(食害量/元の重量×100)を測定するとともに、死虫率を求めた。結果を表2に示す。
試験の結果、本発明の衣料害虫の食害防止剤は、食害防止成分として配合したテルピネオールと酢酸誘導体のアリルエステル化合物の相乗効果に基づき、衣料害虫に対して優れた食害防止効果と殺虫効果を示すことが認められた。
これに対し、比較1ないし比較3に示すように、テルピネオール又は当該アリルエステル化合物単独の場合、食害防止効果は劣り、また、テルピネオールとカルボン(酢酸誘導体のアリルエステル化合物以外の食害防止成分)を組み合わせた比較4では、食害防止効果が相乗的に発現することはなかった。
本発明は、衣料用分野のみならず、広範囲な害虫防除分野で須らく利用可能である。

Claims (3)

  1. 衣料害虫の食害防止成分として、(a)テルピネオールと、(b)一般式(I)

    −CH−COO−CH−CH=CH(I)

    (式中、Rは炭素数が4〜7のアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルメチル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、又は置換されても良いフェノキシ基を表わす。)で表わされる酢酸誘導体のアリルエステル化合物から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする衣料害虫の食害防止剤。
  2. 前記(b)一般式(I)で表わされる酢酸誘導体のアリルエステル化合物が、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸アリル、オクタン酸アリル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、イソアミルオキシ酢酸アリル、シクロヘキシルオキシ酢酸アリル、フェノキシ酢酸アリルであることを特徴とする請求項1記載の衣料害虫の食害防止剤。
  3. 前記(a)テルピネオールと、(b)一般式(I)で表わされる酢酸誘導体のアリルエステル化合物の配合比が、50:1〜1:50であることを特徴とする請求項1又は2記載の衣料害虫の食害防止剤。
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