JP2001503499A - スポット型ディスクブレーキ用の保持ばね - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ディスクブレーキのブレーキ支持体（２）が車両のステアリングナックル（４）に一体化され、保持ばねがほぼ周方向に延びる少なくとも１本のばねアーム（５４，５６）を備え、このばねアームがケーシングとブレーキ支持体を互いに固定する、スポット型ディスクブレーキ、特に自動車用の一体化されたディスクブレーキのケーシングのための保持ばね（５２）に関する。予め組み立てられた状態で、加工しないでケーシング保持ばねをブレーキケーシングに取付け、その際外側のパッドを予め定めた位置に固定するために、ケーシング保持ばね（５２）はディスクブレーキの部分、特に外側のブレーキパッド（１６）に揺動可能に取付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 スポット型ディスクブレーキ用の保持ばね 本発明は、ディスクブレーキのブレーキ支持体が車両のステアリングナックル に一体化され、保持ばねがほぼ周方向に延びる少なくともｌ本のばねアームを備 え、このばねアームがケーシングとブレーキ支持体を互いに固定保持する、スポ ット型ディスクブレーキ、特に自動車用の一体化されたディスクブレーキのケー シングのための保持ばねに関する。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第３３３６３０２号公報により、スポット型デ ィスクブレーキのケーシングのための保持ばねが既に知られている。この保持ば ねはブレーキディスクに対してほぼ接線方向にかつブレーキパッドの背板に対し て平行に延びる脚を備えている。この脚の自由端部分はブレーキ支持体の２つの 支持部分の一方に弾性的に接触する。この場合、脚の自由端部分は少なくとも１ 本のアームを備えている。このアームはブレーキパッドの背板に固定連結されて いる。保持ばねは１本の線材部分によって形成され、Ｔ字の形をしている。この 場合、ばねの半径方向に延びるアームの、ブレーキディスク軸線寄りの下端は、 支持部分に支持された脚を備えている。この脚は２本のアームに対して平行に延 びている。このアームは半径方向アームの上端に連結されブレーキキャリパを支 持する。脚の長さは更に、弾性的なアームの自由端を越えて突出するように定め られている。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第４０２４４８４号公報により更に、スポット 型ディスクブレーキ、特にスライディングキャリパ型ブレーキのための浮動キャ リパが知られている。この浮動キャリパはブレーキ支持体に軸方向に摺動可能に 支承され、ケーシング保持ばねによってブレーキ支持体に対して固定保持されて いる。この場合、ケーシング保持ばねは操作装置から離れた浮動キャリヤの軸方 向外側の脚に取付けられ、ほぼブレーキディスクの方に延びるばねアームを備え ている。このばねアームは変形方向においてブレーキ支持体を押圧し、このブレ ーキ支持体と相対的に軸方向に摺動可能である。この場合、外側の脚部はその開 放端部に、少なくとも１個の突起を備えている。この開放端部には、ケーシング 保持ばねが浮動キャリパと相対的に軸方向に摺動しないように係合することによ って錠止されている。ケーシング保持ばねは更に、２個の固定アームを備え、中 央部分に対して曲げられ、曲げられた端部が浮動キャリパの軸外側の脚部の開口 に引掛けられている。 本発明の根底をなす課題は、ブレーキケーシングに固定するために加工する必 要がなく、予め組み立てた状態でキャリパに取付け可能であり、その際外側のブ レーキパッドを予想位置に固定することができ、それによってキャリパの搬送時 に部品が弛むことがない、冒頭に述べた種類の保持ばねを提供することである。 この課題は本発明に従い、保持ばねがディスクブレーキの部分、特に外側のブ レーキパッドに揺動可能に取付けられていることによって解決される。 本発明による解決策によって、ばねをケーシングに収容するために加工が不要 であることが驚くほど簡単に達成される。必要な支持部は鋳造可能である。本発 明の他の効果は、保持ばねが予め組み立てられた状態でキャリパに取付け可能で あり、その際外側のパッドが予想位置に固定されるので、キャリパの運搬時に部 品が弛むことがない。最終組み立ての際、ケーシング保持ばねはその回転軸線の 回りに揺動させられ、錠止される。本発明による保持ばねは特に、一体化された ディスクブレーキに適している。このディスクブレーキの場合、ブレーキ支持体 が自動車のステアリングナックルに一体化されている。 本発明の有利な実施形では、ばねアームの特に端範囲がブレーキ支持体によっ て形成されたブレーキ支持体アームに接触している。 本発明の他の有利な実施形では、ブレーキパッドにおけるケーシング保持ばね の保持のために、特に薄板で作られた保持要素が設けられている。 他の有利な実施形では、保持要素がＵ字形の固定体を形成し、この固定体がブ レーキパッドに保持要素を固定するために固定部分または基部を備えている。 保持要素が少なくとも１本の保持アームを備え、この保持アームがケーシング 保持ばねの自由端を揺動可能に保持していると有利である。 本発明の他の効果および特徴は、図に基づく本発明の次の説明から明らかにな る。 図１はスポット型ディスクブレーキの正面図、 図２は図１に示したディスクブレーキの部分平面図、 図３は図１，２に示したディスクブレーキの外側の脚部の断面図、 図４は予め組み立てられた状態と最終組み立て状態のケーシング保持ばねの原 理図である。 図に示したスポット型（部分パッド型）ディスクブレーキは一体化型のもので ある。ブレーキ支持体２は車両のステアリングナックル４に一体化されている。 ブレーキ支持体２は図示していないブレーキディスクに対してほぼ平行に延びる 区間６と、ブレーキディスクの軸線に対して平行に延びかつブレーキディスクの 縁を越えて突出する２本のブレーキ支持体アーム８，１０を備えている。ブレー キ支持体２にはブレーキケーシング１２が軸方向に摺動可能に支承されている。 このブレーキケーシングは、ブレーキディスクの外側の縁部と、ブレーキディス クの両側に配置された２個のブレーキパッド１４，１６を取り囲んでいる。ブレ ーキケーシング内には、図示していない操作装置が設けられている。この操作装 置によって、内側のブレーキパッド１４がブレーキディスクに押し付け可能であ るので、ブレーキケーシングは反対方向に摺動し、それによって外側のブレーキ パッド１６もブレーキディスクに押し付けられる。 ブレーキパッド１４，１６はそれぞれ、背板１８とそれに固定された摩擦要素 ２０を備えている。ブレーキパッドのこの背板１８は端部２２，２４を備えてい る。この端部によって、ブレーキパッドは支持アーム８，１０に支持および案内 されている。そのために、ブレーキ支持アーム８，１０は互いに角度をなして延 ひるそれぞれ２つの載置面２６，２８と載置面３０，３２を形成している。 外側のブレーキパッド１６の背板１８には、保持要素３４が固定されている。 この保持要素３４は薄板を備え、ほぼＵ字形である。Ｕ字形の基部３６は保持要 素を背板１８に固定するために役立つ。そのために、背板には、突起３８が形成 されている。この突起は保持要素３４の穴を通過し、固定状態でリベットヘッド を形成している。基部３６から、２本の脚４４，４６が背板に対してほぼ垂直に 延びている。脚４４，４６の端部には保持アーム４８，５０が形成されている。 この保持アーム４８，５０はＵ字状に曲げられているので、ケーシング保持ばね ５２のための保持部が形成されている。 ケーシング保持ばね５２は線材片を曲げられ、接線方向に延びる２つのばねア ーム５４，５６を備えている。ケーシング保持ばね５２は中央片５８を備えてい る。この中央片はブレーキケーシングの外側の脚の範囲においてほぼ真っ直ぐに 形成され、更に突出する範囲において約４５°の角度をなしてブレーキ支持体ア ーム８，１０の方に曲げられている。ブレーキ支持体アーム８，１０の下方には 、ケーシング保持ばね５２の端部分６０，６２が形成されている。そのために、 ばねの短い部分がブレーキ支持体アーム８，１０に対してほぼ平行に延び、ほぼ 接線方向に延びる自由端４，６６に接続している。自由端６４，６６は特に図３ に明瞭に示すように、保持アーム４８，５０の保持部によって取り囲まれている 。この場合、固定は次のように行われる。すなわち、ケーシング保持ばね５２の 自由端６４，６６が保持アーム４８，５０に係止可能であり、係止後揺動可能に 保持されるように固定されている。組み立て状態では、特に図１，２から判るよ うに、自由端６４，６６はブレーキケーシング１２の上面に形成された突出部６ ８，７０の方に曲げられ、ケーシング保持ばねの中央片５８は突出部６８，７０ によって形成された突起７２，７４に係合している。ケーシング保持ばねの端部 分６０，６２はブレーキ支持体アーム８，１０の支持面７６，７８に接触してい る。 この固定によって、ケーシング保持ばね５２は予め組み立てた状態でキャリパ ーに保持され、その際外側のパッドも予定位置に固定することができる。従って 、ブレーキケーシングの運転時に部品が弛むことがない。最終組み立て時に、ケ ーシング保持ばねは自由端６４，６６によって形成された回転軸線回りに揺動し 、それによってケーシング保持ばねの端部分１６，６２はブレーキ支持体アーム ８，１０の支持面７６，７８に支持されている。ケーシング保持ばね５２の予め 組み立てられた位置は図１，４において破線で示してある。一方、最終組み立て 状態は実線で示してある。 参照番号リスト ２ ブレーキ支持体 ４ ステアリングナックル ６ 部分 ８ ブレーキ支持体アーム １０ ブレーキ支持体アーム １２ ブレーキケーシング １４ ブレーキパッド １６ ブレーキパッド １８ 背板 ２０ 摩擦要素 ２２ 端部 ２４ 端部 ２６ 載置面 ２８ 載置面 ３０ 接触面 ３２ 接触面 ３４ 保持要素 ３６ 基部 ３８ 突起 ４０ 穴 ４２ リベット頭 ４４ 脚 ４６ 脚 ４８ 保持アーム ５０ 保持アーム ５２ ケーシング保持ばね ５４ ばねアーム ５６ ばねアーム ５８ 中央部分 ６０ 端部分 ６２ 端部分 ６４ 自由端 ６６ 自由端 ６８ 突出部 ７０ 突出部 ７２ 突起 ７４ 突起 ７６ 支持面 ７８ 支持面

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年７月９日（１９９８．７．９） 【補正内容】 請求の範囲 １．ディスクブレーキのブレーキ支持体（２）が車両のステアリングナックル（ ４）に一体化され、保持はね（５２）がほぼ周方向に延びる少なくとも１本の ばねアーム（５４，５６）を備え、このばねアームがケーシング（１２）とブ レーキ支持体（２）を互いに固定保持する、スポット型ディスクブレーキ、特 に自動車用の一体化されたディスクブレーキのケーシング（１２）のための保 持ばね（５２）において、保持ばね（５２）がディスクブレーキの部分、すな わち外側のブレーキパッド（１６）に揺動可能に取付けられていることを特徴 とする保持ばね（５２）。 ２．ばねアーム（５４，５６）の特に端部分（６０，６２）がブレーキ支持体（ ２）によって形成されたブレーキ支持体アーム（８，１０）に接触しているこ とを特徴とする請求項１記載の保持ばね（５２）。 ３．ブレーキパッド（１６）におけるケーシング保持ばね（５２）を保持するた めに、薄板で作られた保持要素（３４）が設けられていることを特徴とする請 求項１または２記載の保持ばね（５２）。 ４．保持要素（３４）が特にＵ字形の固定体を形成し、この固定体がブレーキパ ッド（１６）に保持要素（３４）を固定するために固定部分または基部（３６ ）を備えていることを特徴とする請求項３記載の保持ばね（５２）。 ５．保持要素（３４）が少なくとも１本の保持アーム（４８，５０）を形成し、 この保持アームがケーシング保持ばね（５２）の自由端を揺動可能に保持して いることを特徴とする請求項３または４記載の保持ばね（５２）。 ６．保持ばね（５２）がブレーキケーシングによって形成された突出部または突 起（６８，７０，７２，７４）に支持されていることを特徴とする請求項１〜 ５のいずれか一つに記載の保持ばね（５２）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フークス・エルマー ドイツ連邦共和国、Ｄ―64293 ダルムシ ュタット、カーラーストラーセ、５アー (72)発明者 ラングナー・ベルント ドイツ連邦共和国、Ｄ―61184 カルベン、 ラーモント・ヴィレ・ストラーセ、30

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ディスクブレーキのブレーキ支持体が車両のステアリングナックルに一体化 され、保持ばねがほぼ周方向に延びる少なくとも１本のばねアームを備え、こ のばねアームがケーシングとブレーキ支持体を互いに固定保持する、スポット 型ディスクブレーキ、特に自動車用の一体化されたディスクブレーキのケーシ ングのための保持ばねにおいて、保持ばね（５２）がディスクブレーキの部分 、特に外側のブレーキパッド（１６）に揺動可能に取付けられていることを特 徴とする保持ばね。 ２．ばねアームの特に端範囲がブレーキ支持体（２）によって形成されたブレー キ支持体アーム（８，１０）に接触していることを特徴とする請求項１記載の 保持ばね。 ３．ブレーキパッド（１６）におけるケーシング保持ばね（５２）の保持が、特 に薄板で作られた保持要素（３４）が設けられていることを特徴とする請求項 １または２記載の保持ばね。 ４．保持要素（３４）が特にＵ字形の固定体を形成し、この固定体がブレーキパ ッド（１６）に保持要素（３４）を固定するために固定部分または基部（３６ ）を備えていることを特徴とする請求項３記載の保持ばね。 ５．保持要素（３４）が少なくとも１本の保持アーム（４８，５０）を形成し、 この保持アームがケーシング保持ばね（５２）の自由端を揺動可能に保持して いることを特徴とする請求項３または４記載の保持ばね。 ６．保持ばね（５２）がブレーキケーシングによって形成された突出部または突 起（６８，７０，７２，７４）に支持されていることを特徴とする請求項１〜 ５のいずれか一つに記載の保持ばね。