JP3792805B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両等に制動力を与えるのに好適に用いられるディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7ないし図10に従来技術によるディスクブレーキを示す。
【0003】
図中、1は自動車の車輪と共に回転するディスク、2は該ディスク1のインナ側となる位置で車両の非回転部分に一体的に取付けられる取付部材を示し、該取付部材2は、ディスク1の周方向に離間して、該ディスク1の外周を跨ぐように軸方向に伸長した一対の腕部3,3と、該各腕部3の基端側を連結する連結部4とから一体形成されている。
【0004】
ここで、各腕部3の基端側(インナ側)および先端側(アウタ側)に位置する内周面には、後述の各摩擦パッド8をパッドスプリング14と共にディスク1の軸方向へ摺動可能に案内する断面略凹形状のパッドガイド部3A,3Aが形成されている。
【0005】
5は取付部材2に摺動可能に支持されたキャリパを示し、該キャリパ5は、ディスク1のインナ側に配設され、内部にシリンダ(図示せず)が形成されたインナ脚部5Aと、該インナ脚部5Aからディスク1のアウタ側へと延設されたブリッジ部5Bと、該ブリッジ部5Bの先端側に一体形成され、ディスク1のアウタ側に配設されたアウタ脚部(図示せず)と、インナ脚部5Aの両端から図7中の左,右にそれぞれ突設された一対の取付部5C,5Cとから構成されている。
【0006】
また、各取付部5Cには、ボルト6,6等を介して一対の摺動ピン(図示せず)が一体的に取付けられ、キャリパ5は、これらの摺動ピンを介してディスク1の軸方向に摺動変位可能な状態で取付部材2に取付けられている。
【0007】
7は各摩擦パッド8をディスク1に押圧するためのピストンで、該ピストン7は図8に示す如く円形のカップ状に形成され、その底部側がインナ脚部5Aの前記シリンダ内に摺動可能に挿嵌されている。また、ピストン7はシリンダ内から突出する先端側が環状の押圧部7Aとなり、該押圧部7Aは後述するインナ側の摩擦パッド8に当接するものである。そして、ピストン7は外部からブレーキ液圧が供給されることにより前記シリンダ内を摺動し、各摩擦パッド8をディスク1に押圧する構成となっている。
【0008】
8,8はディスク1の両面に配設されるインナ側およびアウタ側の摩擦パッド(インナ側のみ図示)を示し、該各摩擦パッド8は図7ないし図9に示す如く、ディスク1の周方向に延びる横長の略扇形状に形成され、ブレーキ操作時にディスク1と摩擦接触するライニング(図示せず)と、このライニングの裏面側に重なるように固着され、両端側に凸形状の耳部9A,9Aが突設された裏金9とから構成されている。
【0009】
そして、インナ側の摩擦パッド8は図7に示す如く、キャリパ5のインナ脚部5Aとディスク1との間に配設され、図8に示すピストン7の押圧部7Aに後述のシム板11を介して当接している。また、アウタ側の摩擦パッド8はキャリパ5の前記アウタ脚部とディスク1との間に配設される。
【0010】
さらに、各摩擦パッド8は、裏金9の各耳部9Aがパッドスプリング14を介して各腕部3のパッドガイド部3A内に挿嵌され、該各パッドガイド部3Aにより摺動可能に支持されると共に、ブレーキ操作時にはピストン7(キャリパ5)によってディスク1の両面に押圧される。
【0011】
ここで、各摩擦パッド8は部品点数の増加を避けるため左右対称に形成され、例えば左側,右側の車輪に設けられる各ディスクブレーキに対して共通な部品として構成されている。そして、図7は例えば左側の車輪に設けられるディスクブレーキを示し、図8はこのディスクブレーキに設けられたインナ側の摩擦パッド8とシム板11とを示している。
【0012】
10A,10Bは後述の摩耗検知部材13を取付けるため裏金9の裏面側に設けられた一対の突起部で、該突起部10A,10Bは図9に示す如く、裏金9の長さ方向両端側で互いに左右対称となる位置に形成され、図7および図8に示すディスク1の回転方向Aに対して入口側、出口側に離間すると共に、直径D1 の短尺な円柱形状をなして裏金9の裏面側からほぼ垂直に突出している。
【0013】
11はピストン7との間に位置して摩擦パッド8に設けられたインナ側のシム板を示し、該シム板11は図8に示す如く硬質の金属板によって形成され、突起部10A,10B間で裏金9の裏面側に沿ってディスク1の周方向に延びるシム本体11Aと、ディスク1の径方向に対して該シム本体11Aの内径側、外径側に形成され、該シム本体11Aから摩擦パッド8の厚さ方向に屈曲して延びる例えば4個の係合爪11B,11B,…とから構成されている。
【0014】
また、シム板11には、摩擦パッド8側の突起部10A,10B(摩耗検知部材13)との干渉を避けるためその左,右両側に一対の切取り部11C,11Cが形成されている。そして、シム板11は各係合爪11Bを裏金9に係合させることにより、摩擦パッド8の裏面側に組付けられている。
【0015】
12はシム板11のシム本体11Aに形成された切欠き部で、該切欠き部12は図8に示す如く、例えばディスク1の回転方向Aに対して入口側寄りとなる位置に配設され、ピストン7の押圧部7Aに沿って略円弧状に延びている。そして、切欠き部12はピストン7の押圧部7Aと裏金9との間に部分的な隙間を介在させることによって、摩擦パッド8に対するピストン7の面圧を調整し、ブレーキ操作時にインナ側の摩擦パッド8が偏摩耗したり、金属音(スキール音)が発生したりするのを防止する。
【0016】
13は摩擦パッド8の突起部10Aにかしめ固定された金属製の摩耗検知部材を示し、該摩耗検知部材13の先端側は図7に示す如く、摩擦パッド8の裏面側から略U字状に屈曲してディスク1と所定の間隔をもって対向し、摩擦パッド8が所定の位置まで摩耗後退したときには、ディスク1に摺接して異音を発生することにより、摩擦パッド8の摩耗を検知して運転者に警報する。
【0017】
14,14は各腕部3のパッドガイド部3Aに設けられた一対のパッドスプリングで、該各パッドスプリング14は図7に示す如く、パッドガイド部3Aと共に裏金9の各耳部9Aを介して摩擦パッド8をディスク1の軸方向に摺動可能に案内させるものである。
【0018】
従来技術によるディスクブレーキは上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0019】
まず、運転者がブレーキ操作を行うと、ピストン7が外部からの液圧供給によりキャリパ5のインナ脚部5A内でディスク1側に摺動し、その押圧部7Aがシム板11を介してインナ側の摩擦パッド8をディスク1に押圧する。そして、キャリパ5はピストン7からの反力によりディスク1のインナ側に向けて摺動変位し、そのアウタ脚部がアウタ側の摩擦パッド8をディスクに押圧する。この結果、ディスク1は各摩擦パッド8により両面側から制動力を与えられる。
【0020】
ところで、従来技術のディスクブレーキでは、インナ側の摩擦パッド8がディスク1の回転方向Aに対して入口側となる部位で偏摩耗し易いという傾向がある。そこで、例えば左側車輪用の摩擦パッド8およびシム板11では図8に示すように、切欠き部12と摩耗検知部材13とをディスク1の回転方向Aに対して入口側となる突起部10A側に設けることにより、この位置で摩擦パッド8が偏摩耗したり、異音が発生したりするのを防止すると共に、摩擦パッド8の摩耗を早期に検知できるようにしている。
【0021】
これに対し、右側車輪用のディスクブレーキでは、摩擦パッド8の突起部10B側がディスク1の回転方向Aに対して入口側となるから、摩耗検知部材13は突起部10Bにかしめ固定される。また、シム板11を右側車輪に適用しようとすると、切欠き部12がディスク1の回転方向Aに対して出口側となるため、右側車輪用のディスクブレーキには、切欠き部12がシム板11に対して長手方向反対側の位置に設けられた他のシム板が用意される。
【0022】
そして、ディスクブレーキの組立時には、左側車輪用のシム板11と右側車輪用のシム板とをそれぞれ摩擦パッド8に組付けた後に、これらを左側車輪用と右側車輪用のディスクブレーキにそれぞれ取付ける。
【0023】
この場合、左側車輪用の摩擦パッド8では、突起部10Aに摩耗検知部材13をかしめ固定した後に、シム板11を各係合爪11Bによって裏金9に組付ける。また、右側車輪用の摩擦パッド8では、突起部10Bに摩耗検知部材13をかしめ固定した後に、右側車輪用のシム板を裏金9に組付ける。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、摩擦パッド8にシム板11を組付けるために、該シム板11にディスク1の径方向に対して内径側、外径側に離間した複数の係合爪11Bを設け、該各係合爪11Bにより摩擦パッド8(裏金9)の端面を径方向で挟持するようにしている。
【0025】
しかし、シム板11は各係合爪11Bにより径方向に位置決めされた状態で摩擦パッド8に組付けられているに過ぎないから、例えば車両走行中の振動等によりシム板11が図10に示す如く、摩擦パッド8上の所定位置から突起部10B側に向けて周方向に位置ずれしてしまうことがある。
【0026】
このため、従来技術では、シム板11と共に切欠き部12が位置ずれすることにより、ブレーキ操作時にピストン7の押圧部7Aと摩擦パッド8との間の面圧を切欠き部12によって適切に調整できなくなり、摩擦パッド8の偏摩耗や金属音(スキール音)の発生を抑制できなくなるという問題がある。
【0027】
一方、例えば左側車輪用のシム板11には、摩擦パッド8側との干渉を避けるため各切取り部11Cが左,右両側に形成されているため、シム板11は摩耗検知部材13が突起部10Bに取付けられた右側車輪用の摩擦パッド8に対しても組付可能となっている。
【0028】
このため、従来技術では、ディスクブレーキの組立作業時に、例えば右側車輪用の摩擦パッド8に対して左側車輪用のシム板11を誤組付けしてしまうことがあり、シム板11の切欠き部12がディスク1の回転方向Aに対して逆の位置となって、シム板11の組付け直し等に余分な手間がかかり、ディスクブレーキの組立作業を効率的に行うことができないという問題がある。
【0029】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明は、シム板を摩擦パッドに確実に組付けることができ、シム板が摩擦パッド上で周方向に位置ずれするのを防止できると共に、シム板が摩擦パッドに誤組付けされるのを確実に防ぐことができ、信頼性や組立効率を大幅に向上できるようにしたディスクブレーキを提供することを目的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明は、ディスクの軸方向に変位可能に設けられるキャリパと、該キャリパとディスクとの間に設けられ、該キャリパ内のピストンによりディスクに押圧される摩擦パッドと、前記キャリパとの間に位置して該摩擦パッドの裏面側に設けられ該摩擦パッドの裏面に沿って前記ディスクの周方向に延びるシム板とからなり、前記摩擦パッドには、前記ディスクの周方向に延びる両端側に位置して前記摩擦パッドの摩耗を検知する摩耗検知部材を設けるために前記摩擦パッドの裏面側から突出する一対の突起部を設け、該一対の突起部のうちいずれか一の突起部に前記摩耗検知部材をかしめ固定してなるディスクブレーキに適用される。
【0031】
そして、請求項1に記載の発明が採用する構成の特徴は、前記シム板には、前記ディスクの周方向一側に位置し前記摩耗検知部材を避けるように形成した切取り部と、該切取り部と反対側で前記ディスクの周方向他側に位置し前記一対の突起部のうち前記摩耗検知部材が設けられていない他の突起部に係合する係合穴が形成された張出し部とを設ける構成としたことにある。
【0032】
上記構成によれば、シム板を摩擦パッドに組付けるときには、摩擦パッド側の摩耗検知部材にシム板の切取り部を対応させ、該摩耗検知部材と反対側に位置する摩擦パッドの突起部にシム板の係合穴を係合させることにより、シム板を摩擦パッドに対して組付けることができ、誤組付けの発生を防止できる。そして、シム板の係合穴を摩擦パッドの突起部に係合させることにより、シム板を摩擦パッドの裏面側に安定した状態で位置決めでき、シム板と摩擦パッドとの間に周方向の力が作用した場合でも、シム板が摩擦パッドに対して周方向に相対変位するのを防止できる。
【0033】
また、請求項2に記載の発明では、前記シム板には、前記キャリパ側との当接部のうち前記ディスクの回転方向入口側または出口側寄りの位置に前記ピストンと摩擦パッドとの間に部分的な隙間を形成するための切欠き部を設けている。
【0034】
これにより、例えばシム板の切欠き部をディスクの回転方向入口側寄りの位置に設ける仕様のディスクブレーキにおいて、シム板を摩擦パッドに組付けるときには、摩擦パッド側の摩耗検知部材にシム板の切取り部を対応させ、該摩耗検知部材と反対側に位置する摩擦パッドの突起部にシム板の係合穴を係合させることにより、シム板を摩擦パッドに対して組付けることができ、この状態でシム板の切欠き部をディスクの回転方向入口側寄りの位置に配設できる。これに対し、切取り部、張出し部および切欠き部がディスクの周方向に対して前記シム板と反対側の位置に設けられた他のシム板を摩擦パッドに組付けようとした場合には、該シム板の張出し部が摩擦パッド側の摩耗検知部材に干渉するようになり、誤組付けの発生を防止できる。この結果、シム板の切欠き部がこのディスクブレーキの仕様と異なる位置に配設されるのを防止でき、該切欠き部により摩擦パッドの面圧を適切に調整できる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に従って詳細に説明する。
【0036】
ここで、図1および図2は本発明による第1の実施例を示し、本実施例では従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0037】
図中、21は本実施例のディスクブレーキに用いるインナ側のシム板を示し、該シム板21は硬質の金属板によって形成され、例えば左側車輪用のディスクブレーキに対してインナ側の摩擦パッド8の裏面側に取付けられるものである。
【0038】
そして、シム板21は、摩擦パッド8の裏金9の裏面側に当接し、この裏面側に沿ってディスク1の周方向に延びるシム本体21Aと、該シム本体21Aの長さ方向両端側に一体形成され、裏金9の各耳部9Aの外縁側近くまで延設された延設部21B,21Bと、ディスク1の径方向に対してシム本体21Aの外形側、内径側に形成され、シム本体21Aからほぼ直角に屈曲して裏金9の厚さ方向に延びる4個の係合爪21C,21C,…とを有している。
【0039】
ここで、シム板21には図1中の左,右両側に位置して切取り部21Dと張出し部21Eとが設けられている。そして、切取り部21Dはシム本体21Aの長さ方向一側の部位のうち、延設部21Bよりも内径側で係合爪21Cよりも周方向外側となる部位を切取ることにより、摩擦パッド8の突起部10Aにかしめ固定された摩耗検知部材13を避けるように形成されている。また、張出し部21Eは図2に示す如く、切取り部21Dと反対側でシム板21に一体形成され、シム本体21Aの長さ方向他側に位置して延設部21Bよりも内径側から周方向外側に向けて突出している。
【0040】
22は摩擦パッド8の突起部10Bに係合するための係合穴を示し、該係合穴22はシム板21の張出し部21Eに穴径D2 をもって形成され、この穴径D2 は突起部10Bの直径D1 よりも、例えば0.5〜2.0mm程度、好ましくは0.5〜1.0mm程度大径に形成されている。
【0041】
23は従来技術と同様にシム本体21Aの長手方向一側に形成された切欠き部を示し、該切欠き部23は、ディスク1の回転方向Aに対して入口側となる突起部10A寄りの位置に配設され、ピストン7の押圧部7Aに沿って略円弧状に延びている。
【0042】
そして、シム板21は摩擦パッド8の裏金9に各係合爪21Cを介して組付けられ、この状態で張出し部21Eの係合穴22を摩擦パッド8の突起部10Bに係合させることにより、摩擦パッド8に対してディスク1の周方向で位置決めされる。
【0043】
本実施例によるディスクブレーキは上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については従来技術によるものと格別差異はない。
【0044】
然るに、本実施例では、シム板21の長さ方向一側に摩耗検知部材13(突起部10A)を避けるように切取り部21Dを形成し、シム板21の長さ方向他側に張出し部21Eを形成すると共に、該張出し部21Eには摩擦パッド8の突起部10Bに係合する係合穴22を設ける構成としたから、シム板21を摩擦パッド8に組付けるときには、摩擦パッド8の突起部10Aに取付けた摩耗検知部材13にシム板21の切取り部21Dを対応させ、該摩耗検知部材13と反対側に位置する突起部10Bにシム板21の係合穴22を係合させることにより、シム板21を摩擦パッド8に円滑に組付けることができ、シム板21を摩擦パッド8に対してディスク1の周方向に安定した状態で位置決めすることができる。
【0045】
従って、本実施例によれば、シム板21および切欠き部23が摩擦パッド8に対して周方向に位置ずれするのを確実に防止でき、切欠き部23により摩擦パッド8に対するピストン7の面圧が適切に調整された状態を常に保持できると共に、従来技術に対して大きな仕様変更を行うことなく当該ディスクブレーキの耐久性や信頼性を大幅に向上させることができる。
【0046】
また、左側車輪用のディスクブレーキでは前述した如く、摩擦パッド8の突起部10Aに摩耗検知部材13がかしめ固定されている。そして、シム板21は、その長さ方向一側に設けられた切取り部21Dが該摩耗検知部材13に対応し、長さ方向他側に設けられた係合穴22が摩擦パッド8の突起部10Bに係合されると共に、切欠き部23が長手方向一側寄りの位置に設けられている。
【0047】
一方、右側車輪用のディスクブレーキでは反対に、摩擦パッド8の突起部10B側がディスク1の回転方向Aに対して入口側の位置となるから、該突起部10Bに摩耗検知部材13がかしめ固定される。そして、右側車輪用のシム板にはシム板21と反対に、長手方向一側に張出し部21E(係合穴22)が設けられ、長手方向他側に切取り部21Dが設けられると共に、切欠き部23も長手方向他側寄りの位置に形成される。
【0048】
これにより、例えば左側車輪用のシム板21を右側車輪用の摩擦パッド8に組付けようとすると、該シム板21の長さ方向他側で張出し部21Eが摩擦パッド8側の摩耗検知部材13に干渉するようになり、両者を組付けることができない。また、右側車輪用のシム板を左側車輪用の摩擦パッド8に組付けようとした場合も同様に、シム板の長さ方向一側で張出し部21Eが摩耗検知部材13と干渉することにより両者を組付けることができなくなるから、左側車輪用と右側車輪用のディスクブレーキ間でシム板21等が摩擦パッド8に誤組付けされるのを確実に防止でき、切欠き部23をディスク1の回転方向Aに対して適切な位置に配設できると共に、ディスクブレーキの組立作業を効率的に行うことができる。
【0049】
次に、図3および図4は本発明による第2の実施例を示し、本実施例では、前記第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施例の特徴は、摩耗検知部材13をディスク1の回転方向出口側に設けるタイプのディスクブレーキに対してシム板31を適用したことにある。
【0050】
ここで、本実施例によるディスクブレーキでは、左側車輪用の摩擦パッド8に対して突起部10Bに摩耗検知部材13が設けられ、該摩耗検知部材13はディスク1の回転方向Aに対して出口側寄りとなる位置に配設されている。
【0051】
そして、左側車輪用のシム板31は前記第1の実施例とほぼ同様に、シム本体31A、各延設部31B、各係合爪31Cおよび切欠き部32を備えているものの、本実施例では、シム板31の長さ方向一側に張出し部31Eが形成され、長さ方向他側に切取り部31Dが形成されている。
【0052】
かくして、このように構成される本実施例でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、特に本実施例では、摩耗検知部材13によりディスク1の回転方向Aに対して出口側となる位置で摩擦パッド8の摩耗を確実に検知することができる。
【0053】
次に、図5は本発明による第3の実施例を示し、本実施例では、前記第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施例の特徴は、左側車輪用のシム板41に、ディスク1の回転方向Aに対して出口側寄りとなる位置に切欠き部42を形成したことにある。
【0054】
ここで、シム板41は前記第1の実施例とほぼ同様に、シム本体41A、各延設部41B、各係合爪41C、切取り部41Dおよび張出し部41Eを備えているものの、本実施例では、シム板41Aの長さ方向他側(張出し部41E側)に切欠き部42が形成され、該切欠き部42はディスク1の回転方向Aに対して出口側寄りとなる位置に配設されている。
【0055】
かくして、このように構成される本実施例でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、特に本実施例では、切欠き部42によりディスク1の回転方向Aに対して出口側となる位置で摩擦パッド8の面圧を良好に調整でき、摩擦パッド8が偏摩耗したり、異音が生じたりするのを確実に防止することができる。
【0056】
次に、図6は本発明による第4の実施例を示し、本実施例では、前記第2の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施例の特徴は、左側車輪用のシム板51に、ディスク1の回転方向Aに対して出口側寄りとなる位置に切欠き部52を形成したことにある。
【0057】
ここで、シム板51は前記第2の実施例とほぼ同様に、シム本体51A、各延設部51B、各係合爪51C、切取り部51Dおよび張出し部51Eを備えているものの、本実施例では、シム板51の長さ方向他側(切取り部51D側)に切欠き部52が形成され、該切欠き部52はディスク1の回転方向Aに対して出口側寄りとなる位置に配設されている。
【0058】
かくして、このように構成される本実施例でも、前記第1ないし第3の実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0059】
なお、前記各実施例では、ディスクブレーキを自動車に適用するものとして述べたが、本発明はこれに限らず、例えば二輪車や自転車等の車両に適用してもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1に記載の発明によれば、シム板には、ディスクの周方向一側に位置する切取り部と、ディスクの周方向他側に位置する張出し部とを設け、前記切取り部は摩擦パッドの各突起部のうち一の突起に設けた摩耗検知部材を避けるように形成し、前記張出し部には前記各突起部のうち前記摩耗検知部材が設けられていない他の突起部に係合する係合穴を形成する構成としたから、シム板と摩擦パッドとを組付けるときには、摩擦パッド側の摩耗検知部材にシム板の切取り部を対応させ、該摩耗検知部材と反対側に位置する摩擦パッドの突起部にシム板の係合穴を係合させることにより、シム板を摩擦パッドに対して円滑に組付けることができ、シム板を摩擦パッド対してディスクの周方向に安定した状態で位置決めできると共に、他のシム板等が摩擦パッドに誤組付けされるのを確実に防止することができる。従って、シム板が摩擦パッドに対して周方向に位置ずれするのを確実に防止でき、当該ディスクブレーキの耐久性や信頼性を大幅に向上できると共に、その組立作業を効率よく行うことができる。
【0061】
また、請求項2に記載の発明によれば、シム板には、ディスクの回転方向入口側または出口側寄りの位置にピストンと摩擦パッドとの間に部分的な隙間を形成するための切欠き部を設ける構成としたから、シム板と摩擦パッドとを組付けるときには、摩擦パッド側の摩耗検知部材にシム板の切取り部を対応させ、該摩耗検知部材と反対側に位置する摩擦パッドの突起部にシム板の係合穴を係合させることにより、シム板の切欠き部をディスクブレーキの仕様に応じてディスクの回転方向入口側または出口側寄りの適切な位置に配設でき、該切欠き部により摩擦パッドに対するピストンの面圧を適切に調整することができる。また、切取り部、張出し部および切欠き部がディスクの周方向に対して前記シム板と反対側の位置に設けられた他のシム板を摩擦パッドに組付けようとした場合には、該シム板の張出し部を摩擦パッド側の摩耗検知部材に干渉させることができ、両者の誤組付けを確実に防止できると共に、当該ディスクブレーキの組立作業を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例によるディスクブレーキのシム板を摩擦パッドに組付けた状態を示す正面図である。
【図2】図1中のシム板を示す正面図である。
【図3】第2の実施例によるディスクブレーキのシム板を摩擦パッドに組付けた状態を示す正面図である。
【図4】図3中のシム板を示す正面図である。
【図5】第3の実施例によるディスクブレーキのシム板を示す正面図である。
【図6】第4の実施例によるディスクブレーキのシム板を示す正面図である。
【図7】従来技術によるディスクブレーキの正面図である。
【図8】図7中のシム板を摩耗検知部材と共に摩擦パッドに組付けた状態を示す正面図である。
【図9】図8中の摩擦パッドを示す正面図である。
【図10】図8中のシム板が摩擦パッド上で周方向に位置ずれした状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ディスク
5 キャリパ
8 摩擦パッド
10A,10B 突起部
13 摩耗検知部材
21,31,41,51 シム板
21D,31D,41D,51D 切取り部
21E,31E,41E,51E 張出し部
22 係合穴
23,32,42,52 切欠き部

Claims (2)

  1. ディスクの軸方向に変位可能に設けられるキャリパと、該キャリパとディスクとの間に設けられ、該キャリパ内のピストンによりディスクに押圧される摩擦パッドと、前記キャリパとの間に位置して該摩擦パッドの裏面側に設けられ該摩擦パッドの裏面に沿って前記ディスクの周方向に延びるシム板とからなり、前記摩擦パッドには、前記ディスクの周方向に延びる両端側に位置して前記摩擦パッドの摩耗を検知する摩耗検知部材を設けるために前記摩擦パッドの裏面側から突出する一対の突起部を設け、該一対の突起部のうちいずれか一の突起部に前記摩耗検知部材をかしめ固定してなるディスクブレーキにおいて、
    記シム板には、前記ディスクの周方向一側に位置し前記摩耗検知部材を避けるように形成した切取り部と、該切取り部と反対側で前記ディスクの周方向他側に位置し前記一対の突起部のうち前記摩耗検知部材が設けられていない他の突起部に係合する係合穴が形成された張出し部とを設ける構成としたことを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記シム板には、前記キャリパ側との当接部のうち前記ディスクの回転方向入口側または出口側寄りの位置に前記ピストンと摩擦パッドとの間に部分的な隙間を形成するための切欠き部を設けてなる請求項1に記載のディスクブレーキ。
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