JP6745997B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば四輪自動車等の車両に制動力を付与するディスクブレーキに関する。
一般に、四輪自動車等の車両に設けられるディスクブレーキは、摩擦パッドを取付部材にパッドスプリングを介して取付けた状態で、キャリパにより一対の摩擦パッドをディスクの両面に押圧することにより、車両に制動力を付与する構成としている。この場合、前記パッドスプリングには、摩擦パッドの耳部をディスク径方向の外側に向けて弾性的に付勢する径方向付勢部と、前記摩擦パッドをディスク回転方向(周方向)に向けて付勢する回転方向付勢部とが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−308011号公報
ところで、上述した従来技術によるパッドスプリングでは、径方向付勢部と回転方向付勢部とが互いに異なる位置で別々に設けられている。このため、パッドスプリングの材料費が嵩み、生産性も向上させるのが難しいという問題がある。
本発明の目的は、パッドスプリングの材料費を低減することができ、生産性も向上することができるようにしたディスクブレーキを提供することにある。
本発明の一実施形態は、ディスクの回転方向に離間して該ディスクの外周側を跨ぐ一対の腕部を有し、該各腕部にパッドガイドがそれぞれ設けられた取付部材と、該取付部材の各腕部にディスク軸方向へ移動可能に設けられたキャリパと、前記取付部材の各パッドガイドに挿入される耳部を有し、前記キャリパによって前記ディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、前記取付部材の各腕部にそれぞれ取付けられ前記一対の摩擦パッドを前記各腕部間で弾性的に支持する一対のパッドスプリングと、を備えてなるディスクブレーキに適用される。
そして、本発明の一実施形態に係る構成の特徴は、前記一対のパッドスプリングのうち少なくとも一方のパッドスプリングは、前記摩擦パッドの耳部をディスク軸方向に案内するため、前記耳部のディスク径方向外側面に沿ってディスク軸方向に延びる第1板部と、前記耳部のディスク径方向内側面に沿ってディスク軸方向に延びる第2板部と、前記耳部のディスク回転方向外側面に沿ってディスク軸方向に延びる底板部と、からなる案内板部と、基端側が前記案内板部の前記第2板部からディスク軸方向外側に延出される基端部と、該基端部からディスク軸方向内側へとU字状に折返して形成される折返し部と、該折返し部から前記第2板部と前記摩擦パッドの耳部との間をディスク軸方向に延びる先端部とからなり、該先端部により前記摩擦パッドをディスク径方向外側に向けて弾性的に付勢する径方向付勢部と、前記径方向付勢部の前記先端部から前記摩擦パッドのディスク回転方向における前記摩擦パッドの中央側に向けて延出され、前記摩擦パッドのディスク回転方向側面に当接する当接部と、を有していることにある。
本発明の一実施形態によれば、径方向付勢部の先端部に設けた当接部が摩擦パッドをパッドガイドの回転方向入口側と出口側の中央位置に付勢できる。これにより、パッドスプリングの径方向付勢部のうち先端部に形成した当接部を回転方向付勢部として活用することができる。従って、パッドスプリングの材料費を低減することができ、生産性も向上できる。
本発明の実施の形態によるディスクブレーキを上方からみた平面図である。 ディスクブレーキを図1中の矢示II−II方向からみた一部破断の正面図である。 図2中のキャリパ(シリンダ)を取外した状態で、取付部材、摩擦パッドおよびパッドスプリング等を拡大して示す部分断面図である。 摩擦パッドの耳部を取付けた仮想状態でパッドスプリングを拡大して示す図2と同様位置での断面図である。 パッドスプリングを斜め上方からみた斜視図である。 図5に示すパッドスプリングの正面図である。 図6のパッドスプリングを摩擦パッドの耳部で弾性変形させた仮想状態を示す正面図である。 パッドスプリングを図7中の矢示VIII−VIII方向からみた拡大断面図である。 制動トルクにより弾性変形した状態のパッドスプリングを示す図8と同様位置での拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態によるディスクブレーキを、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図9は本発明の実施の形態を示している。図1において、二点鎖線で示す円板状のディスク1は、例えば車両が前進方向に走行するときに車輪(図示せず)と共に図1中の矢示A方向に回転し、車両が後退するときには矢示A方向とは逆方向に回転するものである。なお、以下の説明では、ディスク1の軸方向を「ディスク軸方向」、ディスク1の径方向を「ディスク径方向」、ディスク1の回転方向を「ディスク回転方向」として述べる。
取付部材2は車両の非回転部分に取付けられる。この取付部材2は、図1、図2に示す如く、ディスク回転方向(周方向)に離間してディスク1の外周を跨ぐようにディスク軸方向に延びた左,右一対の腕部2Aと、該各腕部2Aの基端側を一体化するように連結して設けられ、ディスク1のインナ側となる位置で前記車両の非回転部分に固定される厚肉の支承部2B等とを含んで構成されている。また、取付部材2には、ディスク1のアウタ側となる位置で各腕部2Aの先端側を互いに連結する補強ビーム2Cが図2に示す如く弓形状をなして一体に形成されている。これにより、取付部材2の各腕部2Aは、ディスク1のインナ側で支承部2Bにより一体的に連結されると共に、アウタ側で補強ビーム2Cにより一体的に連結されている。
取付部材2の各腕部2Aには、ディスク1の軸方向中間部となる位置に図2中に示すように、ディスク1の外周(回転軌跡)に沿って円弧状に延びるディスクパス部3が形成されている。ディスクパス部3のディスク1の軸方向両側には、インナ側,アウタ側のパッドガイド4がそれぞれ形成されている。また、各腕部2Aには、ピン穴2D(図2中に1個のみ図示)がそれぞれ設けられている。これらのピン穴2D内には、後述の摺動ピン7が摺動可能に挿嵌される。
各腕部2Aのパッドガイド4は、図2に示す如く断面コ字形状をなす凹溝として形成され、後述の摩擦パッド10が摺動変位する方向、即ちディスク軸方向に延びている。パッドガイド4は、後述する摩擦パッド10の各耳部11Aを上,下方向(ディスク径方向)から挟むように夫々の耳部11Aに対して凹凸嵌合される。これにより、各パッドガイド4は、これらの耳部11Aを介して摩擦パッド10をディスク軸方向にガイドするものである。凹溝からなるパッドガイド4の奥側壁面は、所謂トルク受部としてのトルク受面5を構成している。このトルク受面5は、ブレーキ操作時に発生する制動トルクを摩擦パッド10から耳部11Aを介して受承することができる。
即ち、図2中に示す左,右のパッドガイド4のうち、矢示A方向に回転するディスク1の回転方向出口側(以下、回出側という)に位置する左側のパッドガイド4(特に、底部側のトルク受面5)は、ブレーキ操作時に後述の摩擦パッド10がディスク1から受ける制動トルクを裏板11の耳部11Aおよび後述のパッドスプリング14(案内板部18)を介して受承する。また、矢示A方向に回転するディスク1の回転方向入口側(以下、回入側という)に位置するパッドガイド4の底部側(即ち、トルク受面5)は、後述する当接部20からのばね力により摩擦パッド10の耳部11Aから僅かに離間した状態に配置される。
一方、ディスク1が矢示B方向(逆向き)に回転している状態では、図2の右側に位置するパッドガイド4の底部側(即ち、トルク受面5)が制動時に摩擦パッド10がディスク1から受ける制動トルク(矢示B方向の回転トルク)を、裏板11の耳部11Aおよびパッドスプリング14(案内板部18)を介して受承する。このときには、矢示B方向に回転するディスク1の回入側に位置するパッドガイド4の底部側(即ち、トルク受面5)が、当接部20からのばね力により摩擦パッド10の耳部11Aから僅かに離間した状態に配置される。
換言すると、図2中における左,右のパッドガイド4のうち、矢示A方向に回転するディスク1の回出側に位置する左側のパッドガイド4の底部側(トルク受面5)は、車両が前進しているときのブレーキ操作時に、摩擦パッド10がディスク1から受ける制動トルクを摩擦パッド10の裏板11(図2中の左側の耳部11Aおよびパッドスプリング14の案内板部18)を介して受承する。一方、車両が後退して矢示B方向にディスク1が回転している状態でのブレーキ操作時に、図2の右側に位置するパッドガイド4の底部側(トルク受面5)は、摩擦パッド10がディスク1から受ける制動トルクを摩擦パッド10の裏板11(図2中の右側の耳部11Aおよびパッドスプリング14の案内板部18)を介して受承する。
キャリパ6は、取付部材2に摺動(変位)可能に設けられている。該キャリパ6は、図1に示す如く、ディスク1の一側であるインナ側に設けられたインナ脚部6Aと、取付部材2の各腕部2A間でディスク1の外周側を跨ぐようにインナ脚部6Aからディスク1の他側であるアウタ側へと延設されたブリッジ部6Bと、該ブリッジ部6Bの先端側であるアウタ側からディスク1の径方向内向きに延び、先端側が二又状をなした爪部としてのアウタ脚部6Cとにより構成されている。キャリパ6のインナ脚部6Aには、ピストンが摺動可能に挿嵌されるシリンダ(いずれも図示せず)が形成されている。また、インナ脚部6Aには、図1中の左,右方向に突出する一対の取付部6D,6Dが設けられている。該各取付部6Dは、キャリパ6全体を後述の摺動ピン7を介して取付部材2の各腕部2Aに変位可能に支持する。
摺動ピン7は、図1に示す如くキャリパ6の各取付部6Dにそれぞれボルト8を用いて締結されている。各摺動ピン7の先端側は、取付部材2の各腕部2Aのピン穴2Dに向けて延びており、図2中に例示するように取付部材2の各ピン穴2D内に摺動可能に挿嵌されている。各腕部2Aと各摺動ピン7との間には、図1に示す如く保護ブーツ9がそれぞれ取付けられ、摺動ピン7と腕部2Aのピン穴2Dとの間に雨水等が浸入するのを防いでいる。
インナ側の摩擦パッド10とアウタ側の摩擦パッド10は、ディスク1の両面に対向して配置されている。各摩擦パッド10は、図2および図3に示す如く、ディスク1の周方向(回転方向)に略扇形状をなして延びる平板状の裏板11と、該裏板11の表面側に固着して設けられディスク1の表面に摩擦接触する摩擦材としてのライニング12(図2参照)とを含んで構成されている。
各摩擦パッド10の裏板11には、ディスク回転方向(即ち、ディスク1の周方向)両側に位置する側面部からそれぞれ凸形状をなして突出する嵌合部としての各耳部11Aが設けられている。裏板11の各耳部11Aは、ディスク1の回入側,回出側に位置する取付部材2の各パッドガイド4内にそれぞれ挿入され、奥側のトルク受面5に当接可能となっている。これにより、各摩擦パッド10の各耳部11Aは、車両のブレーキ操作時にディスク1から摩擦パッド10が受ける制動トルクを、取付部材2のトルク受面5に当接して伝達するトルク伝達部を構成する。このうち、一方の耳部11Aは、車両の前進時に矢示A方向に回転するディスク1の回転方向入口側(回入側)に配置され、他方の耳部11Aは、ディスク1の回転方向出口側(回出側)に配置される。
各摩擦パッド10の裏板11には、ディスク回転方向(即ち、ディスク1の周方向)両側で各耳部11Aの基端(根元)側に位置し、かつ各耳部11Aのディスク径方向内側寄りの位置(ディスク回転方向側面)が略L字状の被当接面11Bとなっている。換言すると、各耳部11Aは、裏板11のディスク回転方向両側面(図2中に示す左,右の被当接面11B)の位置からディスク回転方向両側に突出して形成されている。これらの被当接面11Bには、後述する各パッドスプリング14の当接部20が弾性的に当接され、これにより、インナ側,アウタ側の摩擦パッド10は、非制動状態で共にディスク回転方向のパッドガイド中央位置にセンタリングされる。
ここで、摩擦パッド10(裏板11)の各耳部11Aおよび各被当接面11B等は、例えば図2に示すように左,右対称に形成され、互いに同一の形状をなしている。これにより、摩擦パッド10は、ディスク1のインナ側とアウタ側とで部品の共通化を図ることが可能となり、ディスクブレーキの部品点数を削減して、その製造上の煩雑さを解消することができる。なお、図2に示すアウタ側の摩擦パッド10には、裏板11の背面側に鳴き防止用のシム板13が着脱可能に設けられている。また、図2に示すインナ側の摩擦パッド10にも、裏板11の背面側に鳴き防止用のシム板(図示せず)が着脱可能に設けられている。
取付部材2の各腕部2Aには、一対のパッドスプリング14,14が取付けられている。該各パッドスプリング14は、それぞれインナ側,アウタ側の摩擦パッド10を弾性的に支持すると共に、これらの摩擦パッド10のディスク軸方向における摺動変位を滑らかにするものである。そして、各パッドスプリング14は、ばね性を有するステンレス鋼板等を図4〜図6に示すように曲げ加工(プレス成形)することにより形成されている。
パッドスプリング14は、後述の連結板部15、平板部16、係合板部17、案内板部18、径方向付勢部19および当接部20を含んで構成されている。なお、パッドスプリング14の各部位に関して、以下の説明では、「上側」、「上面」または「上向き」という語句を、ディスク1の径方向外側、径方向外側の面または径方向外向きを意味するものとして用い、「下側」、「下面」または「下向き」という語句は、ディスク1の径方向内側、径方向内側の面または径方向内向きを意味するものとして用いることとする。
パッドスプリング14の連結板部15は、パッドスプリング14の一対の平板部16間を各案内板部18と一緒に連結するため、即ち各案内板部18をディスク1のインナ側とアウタ側とで一体的に連結するため、ディスク1の外周側を跨いだ状態で軸方向に延びて形成されている。連結板部15の長さ方向(ディスク軸方向)両端側には、一対の平板部16,16がディスク1の径方向内向きに延びて一体に形成されている。係合板部17は、一対の各平板部16間に位置して連結板部15と一体に形成されている。係合板部17は、腕部2Aのディスクパス部3に径方向内側から係合するように取付部材2に取付けられる。これにより、パッドスプリング14は、取付部材2の腕部2Aに対してディスク軸方向で位置決めされる。
一対の案内板部18,18は、連結板部15の両端側に各平板部16を介して設けられている。各案内板部18は、平板部16の下側端(先端側)から略コ字状に折曲げられることにより形成されている。一対の案内板部18のうち一方の案内板部18は、インナ側のパッドガイド4内に嵌合して取付けられ、他方の案内板部18は、アウタ側のパッドガイド4に嵌合して取付けられる。
各案内板部18は、パッドガイド4の上,下の壁面に対向して配置される第1板部としての上面板18A,第2板部としての下面板18Bと、これらの上面板18A,下面板18B間をディスク1の径方向で連結すると共に、平坦面状をなしてディスク軸方向に延び、パッドガイド4の奥側壁面(即ち、トルク受面5)に当接される底板部としてのガイド底板18Cと、該ガイド底板18Cからディスク軸方向外側に向けて延設され先端側がディスク1の周方向外側へと斜めに傾斜した軸方向延設部18Dとを含んで構成されている。
換言すると、各パッドスプリング14は、案内板部18の上面板18Aが耳部11Aのディスク径方向外側面に沿ってディスク軸方向に延びている。そして、下面板18Bは、耳部11Aのディスク径方向内側面に沿ってディスク軸方向に延びている。また、ガイド底板18Cは、耳部11Aのディスク回転方向外側面に沿ってディスク軸方向に延びている。
また、案内板部18の上面板18Aには、ディスク軸方向外側に向けて突出し先端(突出端)側が図5〜図7中の上側(即ち、ディスク1の径方向外側)へと斜めに傾斜した挿入ガイド部18Eが一体に形成されている。該挿入ガイド部18Eは、摩擦パッド10の各耳部11Aを各案内板部18の上面板18Aと下面板18Bとの間にそれぞれ挿入するときに、軸方向延設部18Dと一緒に各耳部11Aを各案内板部18の内側に滑らかに案内するために設けられている。
さらに、各案内板部18には、図6および図7に示すように、下面板18Bとガイド底板18Cとの間に位置して、ガイド底板18Cのディスク軸方向中央位置より外側に係止爪部18Fが設けられている。これらの係止爪部18Fは、パッドスプリング14の各案内板部18をインナ側とアウタ側のパッドガイド4内に嵌合して取付けたときに弾性変形し、この状態でパッドスプリング14の各案内板部18をインナ側とアウタ側のパッドガイド4に対して抜止め状態に保持するものである。この係止爪部18Fは、ガイド底板18Cの軸方向中央位置より外側に配置されているため、ガイド底部18Cのディスク軸方向位置において摩擦パッド10が配置される領域から離して配置されることになる。これによりパッドガイド4に対する抜止め効果を確実にすることができる。
また、図6に示されるように、案内板部18の上面板18Aと軸方向延設部18Dとが接続された領域の軸方向外側には、切欠部18Gが形成されている。この切欠部18Gの長さを調整することにより、上面板18Aと軸方向延設部18Dとの接続領域の剛性を調節することができる。摩擦パッド10で発生した振動によるディスク径方向の力は、主に上面板18Aと径方向付勢部19とで受けることになる。切欠部18Gを設けることで、上面板18Aと軸方向延設部18Dとの接続領域の剛性を抑えて変形を容易にすることができる。これにより、上面板18Aと軸方向延設部18Dとの接続領域に撓みを発生させて振動によるディスク径方向の力をより多く許容することができる。
摩擦パッド10の各耳部11Aをディスク1の径方向外側(即ち、図5中の上側)に向けて付勢する一対の径方向付勢部19は、各案内板部18の下面板18Bからディスク軸方向に延出して設けられている。ここで、径方向付勢部19は、案内板部18の下面板18Bからディスク軸方向外側へと延出された基端部としての第1延出部19Aと、該第1延出部19Aの先端側を略C字状または略U字状にディスク軸方向内側へと折返して形成された折返し部としてのカール部19Bと、該カール部19Bからディスク1に近付く方向に延びて斜め上向き(即ち、ディスク1の径方向外向き)に傾斜し摩擦パッド10の耳部11Aが当接する先端部としての第2延出部19Cとを含んで構成されている。
摩擦パッド10の耳部11Aを案内板部18の上面板18Aと下面板18Bとの間に挿入したときに、径方向付勢部19は、図4および図7に示すように弾性的に撓み変形され、摩擦パッド10の耳部11Aを矢示C方向(ディスク径方向外向き)に付勢する。即ち、径方向付勢部19は、その第2延出部19Cが摩擦パッド10の耳部11Aと下面板18Bとの間に挟まれるように弾性変形する。この状態で、径方向付勢部19の第2延出部19Cは、摩擦パッド10(裏板11)の耳部11Aをディスク1の径方向外側へと上面板18Aに向けて矢示C方向へと弾性的に付勢し、摩擦パッド10が取付部材2に対してディスク径方向にガタ付くのを抑えるものである。
パッドスプリング14の当接部20は、径方向付勢部19の先端部(即ち、第2延出部19C)から摩擦パッド10のディスク回転方向における摩擦パッド10(裏板11)の中央側に向けて延出されている。図4および図5に示す如く、当接部20は、第2延出部19Cからディスク周方向(回転方向)で斜め下向きに「く」字状またはL字状(即ち、庇形状)に折曲げるように延出して形成されている。これにより、パッドスプリング14の当接部20は、摩擦パッド10(裏板11)のディスク回転方向側面としての被当接面11Bに面接触状態で当接し、図4、図8中に示す矢示D方向の付勢力(セット荷重)を摩擦パッド10(裏板11)に付与する。
即ち、取付部材2の各腕部2Aに取付けられた一対のパッドスプリング14は、前記案内板部18,径方向付勢部19および当接部20をそれぞれ有し、これらの当接部20は、例えば図2に示すように、摩擦パッド10(裏板11)の各被当接部11Cをディスク回転方向(図3中の矢示D方向)両側から挟むように弾性的に押圧する。これにより、摩擦パッド10は非制動状態でディスク回転方向の中央位置にセンタリングされる。
換言すると、当接部20は、摩擦パッド10の裏板11のうち、ディスク回転方向側面となる被当接面11Bに面接触状態で当接し、図4、図8中に示す矢示D方向の付勢力(セット荷重)を摩擦パッド10(裏板11)に付与する。これにより、当接部20は、摩擦パッド10を回転方向に付勢する回転方向付勢部材として機能する。即ち、当接部20は、摩擦パッド10をディスク回転方向(周方向)内側へとセンタリングさせるように付勢し、摩擦パッド10が車両走行時の振動等でディスク1の周方向にガタ付いたりするのを防ぐ。
ディスク軸方向に関する当接部20の長さは、例えば新品状態の摩擦パッド10(ライニング12)が摩耗して交換時期に達するまでに、裏板11の被当接面11Bに対して当接部20が少なくとも当接し続けるような長さ寸法に設定されている。これにより、当接部20は、摩擦パッド10を新品状態から交換時期に達するまでの間にわたってディスク回転方向(周方向)内側へとセンタリングさせるように、裏板11の被当接面11Bに当接し続ける。
ここで、パッドスプリング14の各径方向付勢部19は、図8のように、二点鎖線で示すディスク1の軸方向両側(インナ側とアウタ側)に配置される。ブレーキ操作が解除されている初期状態(図8の状態)で、各径方向付勢部19は、第2延出部19Cがガイド底板18Cの平面に対しディスク軸方向で斜めに傾いて延びるように、例えばカール部19Bを少し斜めに捩るように折返して形成されている。即ち、ガイド底板18Cと第2延出部19Cとは、ディスク回転方向における間隔が、ディスク軸方向外側よりもディスク軸方向内側の方が大きくなるように、平面視において第2延出部19Cは、ガイド底板18Cに対し予め斜め(図8中の矢示D方向)に傾斜して形成されている。これにより、当接部20も、第2延出部19Cと同様にガイド底板18Cに対し予め斜めに傾斜して形成されている。
これに対し図9は、例えば矢示B方向に回転しているディスク1に対し一対の摩擦パッド10により制動力を付与した状態を示している。各摩擦パッド10(裏板11)の耳部11Aは、制動時に摩擦パッド10がディスク1から受ける制動トルクによりパッドスプリング14(案内板部18)のガイド底板18Cに当接する位置まで矢示B方向に移動され、このときには、矢示B方向に回転するディスク1の回出側に位置するパッドガイド4の底部側(即ち、図3に示すトルク受面5)が制動トルクを受承する。
このため、各径方向付勢部19の第2延出部19Cと当接部20とは、図9に示すように、矢示B方向の制動トルクによりディスク回転方向へと弾性的に撓み変形される。この状態で、第2延出部19Cはガイド底板18Cに対しほぼ平行となってディスク軸方向に延びるように弾性変形され、当接部20も、第2延出部19Cと同様にガイド底板18Cに対しほぼ平行となるようにディスク軸方向に延びて配置される。このとき、各径方向付勢部19のカール部19Bは、弾性的に捩られるように変形し、第2延出部19Cおよび当接部20に対して弾性的な反力(矢示D方向の付勢力)を発生させることができる。
なお、図8および図9では、矢示B方向に回転するディスク1に対して一対の摩擦パッド10により制動力を付与する場合を例に挙げて説明した。しかし、これはあくまでも図3、図4に示す摩擦パッド10の耳部11Aとパッドスプリング14との関連で説明を簡素化するためであり、例えば図1、図2中の矢示A方向に回転するディスク1に対して一対の摩擦パッド10により制動力を付与する場合も、パッドスプリング14の各第2延出部19Cおよび各当接部20は、同様にガイド底板18Cに対してほぼ平行となるように弾性的変形され、一対の摩擦パッド10に対する弾性的な戻し力(矢示D方向の付勢力)を発生させることができる。
また、当接部20は、径方向付勢部19のうち、例えば第2延出部19Cの長さ方向ほぼ全長からディスク1の周方向内側(即ち、摩擦パッド10の中央方向)へと突出し斜め下向きに傾斜した折曲げ部として形成されている。このため、径方向付勢部19の第2延出部19Cに一体形成した当接部20は、摩擦パッド10の耳部11Aを案内板部18の上面板18Aと径方向付勢部19の第2延出部19Cとの間に挿入するときに、軸方向延設部18Dおよび挿入ガイド部18Eと一緒に耳部11Aを案内板部18の内側に滑らかに案内する機能をも有している。
図4〜図6に示すように、パッドスプリング14は、ばね性を有するステンレス鋼板等を曲げ加工(プレス成形)することにより形成されている。このうち、例えば径方向付勢部19の基端部(第1延出部19A)、折返し部(カール部19B)、先端部(第2延出部19C)および当接部20は、フォーミング曲げ等の手段を用いて図5および図6に示す如く曲げ加工される。この場合、径方向付勢部19の自由長状態(外力を加えていないフリーな状態)では、案内板部18の下面板18Bと当接部20との間に隙間が存在するので、径方向付勢部19および当接部20を形成するときのフォーミング曲げを有利に行うことができる。
本実施の形態によるディスクブレーキは、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、車両のブレーキ操作時には、キャリパ6のインナ脚部6A(シリンダ)にブレーキ液圧を供給することにより前記ピストンをディスク1に向けて摺動変位させ、これによって、インナ側の摩擦パッド10をディスク1の一側面に押圧する。このときに、キャリパ6はディスク1からの押圧反力を受けるため、キャリパ6全体が取付部材2の腕部2Aに対してインナ側に摺動変位し、アウタ脚部6Cがアウタ側の摩擦パッド10をディスク1の他側面に押圧する。
これにより、インナ側とアウタ側の摩擦パッド10は、図1、図2中の矢示A方向(車両の前進時)に回転しているディスク1を、両者の間で軸方向両側から強く挟持することができ、このディスク1に制動力を与えることができる。そして、ブレーキ操作を解除したときには、前記ピストンへの液圧供給が停止されることにより、インナ側とアウタ側の摩擦パッド10がディスク1から離間し、再び非制動状態に復帰する。
また、例えばブレーキ操作の解除時(非制動時)には、摩擦パッド10の各耳部11Aが、取付部材2の各腕部2A(即ち、ディスク1の回入側と回出側)に設けられた一対のパッドスプリング14によりディスク径方向と回転方向とに弾性的に付勢されている。このため、摩擦パッド10が車両走行時の振動等でディスク1の径方向および周方向にガタ付いたりするのを、一対のパッドスプリング14により防ぐことができる。
即ち、各パッドスプリング14に設けた当接部20は、摩擦パッド10が車両走行時の振動等でディスク1の周方向にガタ付いたりするのを規制することができる。この場合、当接部20は、摩擦パッド10の裏板11のうち、ディスク回転方向側面となる被当接面11Bに面接触状態で当接するので、摩擦パッド10をディスク回転方向(周方向)内側へとセンタリングさせるように付勢でき、摩擦パッド10が車両走行時の振動等でディスク1の周方向にガタ付いたりするのを防ぐことができる。
一方、車両のブレーキ操作時には、ディスク回入側と回出側のパッドスプリング14(当接部20)によりセンタリングされていたインナ側,アウタ側の摩擦パッド10(各耳部11A)が、ディスク1から受ける制動トルク(矢示A方向またはB方向の回転トルク)により、パッドガイド4のトルク受面5に当接する位置まで変位する。しかし、このときのパッド移動量(ディスク回転方向での移動量)は、前記センタリング機能により相対的に小さくなり、車両前進時および後進時のいずれの方向でもパッド移動量を小さく抑えることができ、例えばクロンク音に対して有利となる。
このようなクロンク音対策の当接部20は、摩擦パッド10の各耳部11Aの基端(根元)側でディスク回転方向側面となる被当接面11Bに面接触状態で当接するので、例えばパッド摩耗を検知するセンサ(図示せず)との干渉を容易に回避することができ、レイアウト性を高め、パッド組付時の作業性を向上することができる。
また、摩擦パッド10の裏板11に一体形成した各耳部11Aは、ディスク1の回入側,回出側に位置するパッドガイド4,4内にパッドスプリング14の案内板部18を介して摺動可能に挿嵌され、各径方向付勢部19によってディスク1の径方向外側へと付勢されている。これにより、摩擦パッド10の各耳部11Aを案内板部18の上面板18A(ディスク1の径方向外側の面)側へと弾性的に押付けることができる。
このため、走行時の振動等により摩擦パッド10がディスク1の径方向にガタ付いたりするのを、パッドスプリング14の径方向付勢部19により規制することができる。そして、ブレーキ操作時には、摩擦パッド10の各耳部11Aを案内板部18の上面板18A側に摺接させた状態に保持しつつ、インナ側,アウタ側の摩擦パッド10を案内板部18に沿ってディスク軸方向へと円滑に案内することができる。
かくして、本実施の形態では、パッドスプリング14の径方向付勢部19のうち、第2延出部19Cから摩擦パッド10のディスク回転方向における摩擦パッド10の中央側に向けて当接部20が延出される構成としている。即ち、パッドスプリング14の径方向付勢部19は、案内板部18の下面板18Bからディスク軸方向外側に延びる第1延出部19Aと、該第1延出部19Aの先端側で折返されるカール部19Bと、該カール部19Bからディスク1へと近付く方向に延出して摩擦パッド10の耳部11Aが当接する第2延出部19Cとからなり、当接部20は、径方向付勢部19の第2延出部19Cからディスク1の周方向内側(即ち、摩擦パッド10の中央方向)へと突出し斜め下向きに傾斜した庇状の折曲げ部として形成されている。
このように形成された当接部20は、摩擦パッド10(裏板11)のディスク回転方向側面としての被当接面11Bに面接触状態で当接し、図4、図8中に示す矢示D方向の付勢力(セット荷重)を摩擦パッド10(裏板11)に付与することができる。これにより、当接部20は、摩擦パッド10を回転方向に付勢する回転方向付勢部材として機能し、摩擦パッド10をディスク回転方向(周方向)内側へとセンタリングさせるように付勢でき、摩擦パッド10が車両走行時の振動等でディスク1の周方向にガタ付いたりするのを防ぐことができる。
また、パッドスプリング14の各径方向付勢部19は、図8に示す如く、第2延出部19Cがガイド底板18Cの平面に対しディスク軸方向で斜めに傾いて延び、例えばカール部19Bを少し斜めに捩るように折返して形成されている。そして、例えば図9に示すように、矢示B方向に回転しているディスク1に対し一対の摩擦パッド10により制動力を付与した状態では、各径方向付勢部19の第2延出部19Cと当接部20とが、例えば矢示B方向の制動トルクによりディスク回転方向へと弾性的に撓み変形され、この状態で、第2延出部19Cはガイド底板18Cに対しほぼ平行にディスク軸方向に延びるように弾性変形され、当接部20も、第2延出部19Cと同様にガイド底板18Cに対しほぼ平行となるようにディスク軸方向に延びて配置される。
このとき、各径方向付勢部19のカール部19Bは、弾性的に捩られるように変形し、第2延出部19Cおよび当接部20に対して弾性的な反力を発生させることができる。このため、パッド摩耗時にも各耳部11Aがパッドスプリング14(径方向付勢部19および当接部20)に対して摺動変位するときの摺動抵抗をほぼ一定に保つことができ、その信頼性および寿命(パッドスプリング14としての安定性)を向上することができる。
即ち、摩擦パッド10が新品のときには、当接部20による図8中に示すD方向の付勢力(セット荷重)をパッド質量に応じて大きく設定することができる。そして、パッド摩耗に応じて摩擦パッド10の質量が徐々に小さくなると、インナ側,アウタ側の摩擦パッド10がディスク1の両面に近付いていくため、当接部20による図8中に示すD方向の付勢力(セット荷重)が漸次小さくなり、パッドスプリング14と摩擦パッド10との摺動抵抗をほぼ一定に保つことができる。これにより、パッドスプリング14としての安定性、信頼性および寿命を向上することができる。
また、パッドスプリング14の当接部20は、摩擦パッド10の各耳部11Aの基端(根元)側でディスク回転方向側面となる被当接面11Bに面接触状態で当接するので、例えば摩擦パッド10を取付部材2の各パッドガイド4内にパッドスプリング14を介して組付けたときに、パッドスプリング14の姿勢を安定させることができ、取付け作業性を向上することができると共に、当接部20に起因した不完全組付け等の発生を防ぐことができる。
さらに、本実施の形態によれば、径方向付勢部19の先端部(第2延出部19C)に設けた当接部20が摩擦パッド10を回転方向の中央側に付勢できるようにしているので、パッドスプリング14の径方向付勢部19のうち先端部に形成した当接部20を回転方向付勢部として活用することができる。従って、径方向付勢部と回転方向付勢部とを別々に設ける従来技術に比較して、パッドスプリング14の材料費を低減することができ、生産性を向上することができる。
なお、前記実施の形態では、取付部材2の各腕部2A(ディスク回入側と回出側)に取付けられる一対のパッドスプリング14が、それぞれ案内板部18、径方向付勢部19および当接部20を含んで構成される場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば車両前進時のディスク回出側またはディスク回入側に位置するパッドスプリングには、摩擦パッドのディスク回転方向側面に当接する当接部を必ずしも設ける必要はない。例えば、ディスク回出側またはディスク回入側のどちらか一方に位置するパッドスプリングは、現行品のパッドスプリングと同様に構成してもよい。
また、前記実施の形態では、コ字形状の凹溝からなるパッドガイド4の奥側壁面によりトルク受部となるトルク受面5を構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばパッドガイドから離間した位置(パッドガイドとは異なる位置)にトルク受けとしてのトルク受面を設ける構成とした型式のディスクブレーキにも適用できるものである。
以上説明した実施形態に基づくディスクブレーキとして、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
ディスクブレーキの第1の態様としては、ディスクの回転方向に離間して該ディスクの外周側を跨ぐ一対の腕部を有し、該各腕部にパッドガイドがそれぞれ設けられた取付部材と、該取付部材の各腕部にディスク軸方向へ移動可能に設けられたキャリパと、前記取付部材の各パッドガイドに挿入される耳部を有し、前記キャリパによって前記ディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、前記取付部材の各腕部に取付けられ前記一対の摩擦パッドを前記各腕部間で弾性的に支持する一対のパッドスプリングと、を備えてなるディスクブレーキにおいて、前記一対のパッドスプリングのうち少なくとも一方のパッドスプリングは、前記摩擦パッドの耳部をディスク軸方向に案内するため、前記耳部のディスク径方向外側面に沿ってディスク軸方向に延びる第1板部と、前記耳部のディスク径方向内側面に沿ってディスク軸方向に延びる第2板部と、前記耳部のディスク回転方向外側面に沿ってディスク軸方向に延びる底板部と、からなる案内板部と、基端側が前記案内板部の前記第2板部からディスク軸方向外側に延出される基端部と、該基端部からディスク軸方向内側へとU字状に折返して形成される折返し部と、該折返し部から前記第2板部と前記摩擦パッドの耳部との間をディスク軸方向に延びる先端部とからなり、該先端部により前記摩擦パッドをディスク径方向外側に向けて弾性的に付勢する径方向付勢部と、前記径方向付勢部の前記先端部から前記摩擦パッドのディスク回転方向における前記摩擦パッドの中央側に向けて延出され、前記摩擦パッドのディスク回転方向側面に当接する当接部と、を有していることを特徴としている。
第2の態様としては、第1の態様において、前記当接部は、前記摩擦パッドのうち前記耳部の基端側に位置するディスク回転方向側面に弾性的に当接されることを特徴としている。これにより、パッドスプリングの径方向付勢部のうち、その先端側に一体形成するように設けた当接部は、前記摩擦パッドのうち前記耳部の基端側に位置するディスク回転方向側面に弾性的に当接され、摩擦パッドを回転方向の中央側に付勢できる。これにより、パッドスプリングの径方向付勢部のうち先端部に形成した当接部を回転方向付勢部として活用することができ、パッドスプリングの材料費を低減して、生産性を向上することができる。
第3の態様としては、第1の態様または第2の態様において、前記一対のパッドスプリングは、前記案内板部と、前記径方向付勢部と、前記当接部とをそれぞれ有しており、前記各当接部によって、前記摩擦パッドがディスク回転方向における該摩擦パッドの両側から挟まれるように、前記摩擦パッドが弾性的に押圧されることを特徴としている。これにより、各パッドスプリングの当接部は、摩擦パッドをディスク回転方向(周方向)内側へとセンタリングさせるように付勢でき、摩擦パッドが車両走行時の振動等でディスクの周方向にガタ付いたりするのを防ぐことができる。
第4の態様としては、第1乃至第3の態様のいずれかにおいて、前記一対のパッドスプリングは、前記底板部の軸方向中央位置より外側に、該パッドスプリングを前記取付部材に係止させる係止爪部を備えることを特徴としている。第5の態様としては、第1乃至第4の態様のいずれかにおいて、前記一対のパッドスプリングは、前記第1板部と前記底板部とが接続された領域の軸方向外側に切欠部を備えることを特徴としている。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本願は、2017年7月11日付出願の日本国特許出願第2017−135561号に基づく優先権を主張する。2017年7月11日付出願の日本国特許出願第2017−135561号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書を含む全開示内容は、参照により本願に全体として組み込まれる。
1 ディスク 2 取付部材 2A 腕部 3 ディスクパス部 4 パッドガイド 5 トルク受面 6 キャリパ 7 摺動ピン 10 摩擦パッド 11 裏板 11A 耳部 11B 被当接部(ディスク回転方向側面) 12 ライニング 14 パッドスプリング 15 連結板部 18 案内板部 18A 上面板(第1板部) 18B 下面板(第2板部) 18C ガイド底板(底板部) 18F 係止爪部 18G 切欠部 19 径方向付勢部 19A 第1延出部(基端部) 19B カール部(折返し部) 19C 第2延出部(先端部) 20 当接部

Claims (5)

  1. ディスクブレーキであって、該ディスクブレーキは、
    ディスクの回転方向に離間して該ディスクの外周側を跨ぐ一対の腕部を有し、該各腕部にパッドガイドがそれぞれ設けられた取付部材と、
    該取付部材の各腕部にディスク軸方向へ移動可能に設けられたキャリパと、
    前記取付部材の各パッドガイドに挿入される耳部を有し、前記キャリパによって前記ディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、
    前記取付部材の各腕部にそれぞれ取付けられ前記一対の摩擦パッドを前記各腕部間で弾性的に支持する一対のパッドスプリングと、を備え、
    前記一対のパッドスプリングのうち少なくとも一方のパッドスプリングは、
    前記摩擦パッドの耳部をディスク軸方向に案内するための案内板部を備えており、
    該案内板部は、前記耳部のディスク径方向外側面に沿ってディスク軸方向に延びる第1板部と、前記耳部のディスク径方向内側面に沿ってディスク軸方向に延びる第2板部と、前記耳部のディスク回転方向外側面に沿ってディスク軸方向に延びる底板部とを備えており、
    前記少なくとも一方のパッドスプリングは、また、
    基端側が前記案内板部の前記第2板部からディスク軸方向外側に延出される基端部と、該基端部からディスク軸方向内側へとU字状に折返して形成される折返し部と、該折返し部から前記第2板部と前記摩擦パッドの耳部との間をディスク軸方向に延びる先端部とからなり、該先端部により前記摩擦パッドをディスク径方向外側に向けて弾性的に付勢する径方向付勢部と、
    前記径方向付勢部の前記先端部から前記摩擦パッドのディスク回転方向における前記摩擦パッドの中央側に向けて延出され、前記摩擦パッドのディスク回転方向側面に当接する当接部と、を有していることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 請求項1に記載のディスクブレーキにおいて、
    前記当接部は、前記摩擦パッドのうち前記耳部の基端側に位置するディスク回転方向側面に弾性的に当接されることを特徴とするディスクブレーキ。
  3. 請求項1または2に記載のディスクブレーキにおいて、
    前記一対のパッドスプリングは、前記案内板部と、前記径方向付勢部と、前記当接部とをそれぞれ有しており、
    前記各当接部によって、前記摩擦パッドがディスク回転方向における該摩擦パッドの両側から挟まれるように前記摩擦パッドが弾性的に押圧されることを特徴とするディスクブレーキ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディスクブレーキにおいて、
    前記一対のパッドスプリングは、前記底板部の軸方向中央位置より外側に、該パッドスプリングを前記取付部材に係止させる係止爪部を備えることを特徴とするディスクブレーキ。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のディスクブレーキにおいて、
    前記一対のパッドスプリングは、前記第1板部と前記底板部とが接続された領域の軸方向外側に切欠部を備えることを特徴とするディスクブレーキ。
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