JP7356939B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、ディスクブレーキに関する。
摩擦パッドの凸部を、取付部材の凹形状のパッドガイドに挿入して支持する構造のディスクブレーキにおいて、パッドスプリングで摩擦パッドを付勢するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-308011号公報
ディスクブレーキにおいては、パッドスプリングの耐久性を向上させることが望まれている。
本発明の目的は、パッドスプリングの耐久性を向上させることが可能となるディスクブレーキを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向外方に凹んだ凹部を有する取付部材と、前記取付部材に前記ディスクの軸方向へ移動可能に設けられたキャリパと、前記凹部に挿入される突出部を有し、前記取付部材に移動可能に設けられ、前記キャリパにより前記ディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、前記取付部材に設けられ、前記摩擦パッドを弾性的に支持するパッドスプリングであって、前記凹部の底面と当接する基板部と、前記基板部から前記ディスクの周方向内方に延出する延出板部と、前記延出板部から前記ディスクの軸方向において前記ディスクに対して反対側に延出した後、前記ディスクの軸方向において前記ディスクの側に折り返されて延出するバネ板部と、前記凹部のうち前記延出板部と対向する面に対して面当たりするように、前記バネ板部から前記延出板部の側に折り曲げられている突片部と、を有するパッドスプリングと、を備える、構成とした。
本発明によれば、パッドスプリングの耐久性を向上させることが可能となる。
実施形態のディスクブレーキを示す平面図。 実施形態のディスクブレーキを示す背面図。 実施形態のディスクブレーキを示す正面図。 実施形態のディスクブレーキを示す部分拡大背面図。 実施形態のディスクブレーキの自然状態のパッドスプリングを示す正面図。 実施形態のディスクブレーキの自然状態のパッドスプリングを示す側面図。 実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングの基板部、延出板部、バネ板部および突片部を示す、バネ板部を弾性変形させた状態の平面図。 実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングのバネ板部および突片部を示す図7のVIII-VIII断面図。 実施形態のディスクブレーキを示す断面図。 実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングの変形例を示す斜視図。
実施形態を図面を参照して以下に説明する。図1~図3に示す実施形態のディスクブレーキ10は、自動車等の車両用であって車両に制動力を付与するものであり、具体的には四輪自動車の制動用のものである。ディスクブレーキ10は、図示略の車輪と共に回転する円板状のディスク11の回転を止めることで車両を制動する。
図1に示すように、ディスクブレーキ10は、取付部材21と、キャリパ22と、一対のピンブーツ23とを備えている。また、ディスクブレーキ10は、図2,図3に示すように、一対の摩擦パッド25と、一対のパッドスプリング26とを備えている。
以下、ディスク11の中心軸線をディスク軸線、ディスク軸線の延びる方向をディスク軸方向と称す。また、ディスクブレーキ10内におけるディスク11の径方向をディスク径方向、ディスクブレーキ10内におけるディスク11の周方向つまり回転方向をディスク周方向と称す。ディスク径方向におけるディスク11の中心側をディスク径方向内側、ディスク径方向におけるディスク11の中心とは反対側をディスク径方向外側と称す。また、ディスク周方向における中央側をディスク周方向内側、ディスク周方向における中央とは反対側をディスク周方向外側と称す。また、ディスク軸線と、ディスクブレーキ10のディスク周方向の中央とを通ってディスク径方向に沿う線を径方向基準線と称す。この径方向基準線はディスク軸線に直交する。また、車両の車幅方向における外側をアウタ側と称し、内側をインナ側と称す。
取付部材21は、図2に示すように、インナビーム部31および一対のインナ側トルク受部32を有しており、図1に示すように一対のピン挿嵌部33を有している。また、取付部材21は、図3に示すように、一対のアウタ側トルク受部36およびアウタビーム部37を有している。取付部材21は、車両の非回転部に固定され、ディスク11の外周側を跨いで設けられる。取付部材21は、ディスク周方向の中央を基準面とする鏡面対称の形状となっている。径方向基準線は、取付部材21のディスク周方向の中央位置を通り、この基準面内に配置される。
図1に示すように、インナビーム部31は、ディスク11に対しディスク軸方向の一側に配置されて車両の非回転部分に取り付けられる。ここで、取付部材21が取り付けられる車両の非回転部分は、ディスク11に対しインナ側に配置されており、この非回転部分に取り付けられるインナビーム部31も、ディスク11に対しインナ側に配置されている。図2に示すように、インナビーム部31は、ディスク周方向に延びるように配置されており、ディスク周方向両端側に、それぞれディスク軸方向に沿う取付穴41が形成されている。取付部材21は、インナビーム部31が、一対の取付穴41に螺合されるボルトによって車両の非回転部分に取り付けられる。
一対のインナ側トルク受部32は、一方のインナ側トルク受部32が、インナビーム部31のディスク周方向一側の端部からディスク径方向外側に延出している。また、一対のインナ側トルク受部32は、他方のインナ側トルク受部32が、インナビーム部31のディスク周方向他側の端部からディスク径方向外側に延出している。図1に示すように、一対のインナ側トルク受部32は、インナビーム部31と同様、ディスク11に対しインナ側に配置されている。
一対のピン挿嵌部33は、一方のピン挿嵌部33が、ディスク周方向一側のインナ側トルク受部32のディスク径方向外側の端部から、ディスク軸方向にディスク11の外周側を跨いで、アウタ側に向け延出している。また、一対のピン挿嵌部33は、他方のピン挿嵌部33が、ディスク周方向他側のインナ側トルク受部32のディスク径方向外側の端部から、ディスク軸方向にディスク11の外周側を跨いで、アウタ側に向け延出している。
一方のインナ側トルク受部32およびこれに繋がる一方のピン挿嵌部33と、他方のインナ側トルク受部32およびこれに繋がる他方のピン挿嵌部33とには、それぞれ、ディスク軸方向に沿って延びる図示略のピン挿入穴が形成されている。これら一対のピン挿入穴は、それぞれ、インナ側トルク受部32のインナ側の端面から、ピン挿嵌部33内の途中位置まで形成されている。
取付部材21には、一対のピン挿入穴に、キャリパ22のディスク周方向両側の一対のスライドピン45が摺動可能に嵌合する。これにより、取付部材21は、その一対のピン挿嵌部33において、キャリパ22をディスク軸方向に摺動可能に支持する。言い換えれば、キャリパ22は、ディスク周方向両側に設けられた一対のスライドピン45が、それぞれ、取付部材21の対応する図示略のピン挿入穴に摺動可能に嵌合されることになる。これにより、キャリパ22は、取付部材21に、ディスク軸方向に移動可能に設けられる。
一対のアウタ側トルク受部36は、一方のアウタ側トルク受部36が、ディスク周方向一側のピン挿嵌部33のインナ側トルク受部32とは反対側すなわちアウタ側の端部から、図3に示すようにディスク径方向内側に延出している。一対のアウタ側トルク受部36は、他方のアウタ側トルク受部36が、ディスク周方向他側のピン挿嵌部33のアウタ側の端部からディスク径方向内側に延出している。図1に示すように、一対のアウタ側トルク受部36は、ディスク11に対しアウタ側に配置されている。
図3に示すように、アウタビーム部37は、ディスク周方向に延びて一対のアウタ側トルク受部36のディスク径方向内側の端部同士を連結している。アウタビーム部37は、一対のアウタ側トルク受部36と同様、ディスク11に対しアウタ側に配置されている。
以上により、取付部材21は、ディスク11の外周側を跨いで配置されて車両の非回転部分に取り付けられる。インナビーム部31および一対のインナ側トルク受部32は、取付部材21において、車両の非回転部分への取り付け側となるインナ側に配置されており、一対のアウタ側トルク受部36およびアウタビーム部37は、取付部材21において、インナ側とは反対となるアウタ側に配置されている。
取付部材21は、図2に示す一対のインナ側トルク受部32および図3に示す一対のアウタ側トルク受部36に、同様の凹形状の凹部48を2箇所ずつ有している。
すなわち、図2に示すように、一方のインナ側トルク受部32には、そのディスク周方向内側に向くディスク径方向外側の内面46およびディスク径方向内側の内面47からディスク周方向外方に向かって凹む形状の凹部48が形成されており、他方のインナ側トルク受部32にも、そのディスク周方向内側に向くディスク径方向外側の内面46およびディスク径方向内側の内面47からディスク周方向外方に向かって凹む形状の凹部48が形成されている。よって、一対のインナ側トルク受部32には、相互対向側に、ディスク周方向に沿って互いに離れる方向に凹む凹状の凹部48が形成されている。凹部48は、その形成先のインナ側トルク受部32をディスク軸方向に貫通している。
一対のインナ側トルク受部32に設けられた一対の凹部48に、一対の摩擦パッド25のうちの一方の摩擦パッド25が支持される。一対のインナ側トルク受部32の内面46および内面47は、いずれもディスク軸線および径方向基準線に平行に広がっている。
また、図3に示すように、一方のアウタ側トルク受部36には、そのディスク周方向内側に向くディスク径方向外側の内面46およびディスク径方向内側の内面47からディスク周方向外方に向かって凹む形状の凹部48が形成されており、他方のアウタ側トルク受部36にも、そのディスク周方向内側に向くディスク径方向外側の内面46およびディスク径方向内側の内面47からディスク周方向外方に向かって凹む形状の凹部48が形成されている。よって、一対のアウタ側トルク受部36には、相互対向側に、ディスク周方向に沿って互いに離れる方向に凹む凹状の凹部48が形成されている。凹部48は、その形成先のアウタ側トルク受部36をディスク軸方向に貫通している。
一対のアウタ側トルク受部36に設けられた一対の凹部48に、一対の摩擦パッド25のうちの他方の摩擦パッド25が支持される。一対のアウタ側トルク受部36においても、内面46および内面47は、いずれもディスク軸線および径方向基準線に平行に広がっている。
よって、取付部材21は、ディスク周方向外方に凹む形状の凹部48を四箇所有しており、これらは同様の形状をなしている。四箇所の凹部48のうちの一箇所の凹部48を例にとり図4を参照してさらに説明する。図4は、具体的にはディスク周方向一側のインナ側トルク受部32の凹部48の周辺を示している。
凹部48は、その凹み方向奥側にあってディスク周方向内側に向く底面51と、ディスク径方向外側にあってディスク径方向内側に向く壁面52と、ディスク径方向内側にあってディスク径方向外側に向く壁面53と、を有している。底面51、壁面52および壁面53は、いずれも平面状である。壁面52は、底面51のディスク径方向外側の端縁部からディスク周方向内側に広がっている。壁面53は、底面51のディスク径方向内側の端縁部からディスク周方向内側に広がっている。
底面51は、ディスク軸線および径方向基準線に平行に広がっている。壁面52および壁面53は、いずれも径方向基準線に垂直に広がっている。よって、壁面52および壁面53は、平行に広がっており、これらに対し底面51は垂直に広がっている。底面51、壁面52および壁面53は、いずれもディスク軸方向に沿って広がっている。
図1に示すように、取付部材21には、ディスク周方向の位置が合う一側のインナ側トルク受部32および一側のアウタ側トルク受部36に、これらに対して一つのパッドスプリング26が取り付けられている。また、取付部材21には、ディスク周方向の位置が合う他側のインナ側トルク受部32および他側のアウタ側トルク受部36にも、これらに対して一つのパッドスプリング26が取り付けられている。つまり、一つの取付部材21に、二つのパッドスプリング26が取り付けられている。これらのパッドスプリング26は、同形状の共通部品となっている。これらのパッドスプリング26は、取付部材21に設けられて摩擦パッド25を弾性的に支持するものである。
パッドスプリング26は、図5に示すように、鏡面対称の形状をなしている。パッドスプリング26は、一定厚さの一枚の板材からプレス成形により形成されている。パッドスプリング26は、一対のパッド支持部61と、一対のパッド支持部61を接続する接続部62と、を有している。パッドスプリング26は、一対のパッド支持部61がディスク11に対しディスク軸方向の両側に配置され、接続部62がディスク11に対しディスク径方向の外側に配置される。言い換えれば、パッドスプリング26は、一対のパッド支持部61の間にディスク11が配置される。
一つのパッドスプリング26において、一対のパッド支持部61は、鏡面対称の形状をなしているため、一方のパッド支持部61について説明する。
図5,図6に示すように、パッド支持部61は、接続部62側の外端板部71と、外端板部71の接続部62とは反対側の端縁部から外端板部71に垂直に延出する外側支持板部72と、外側支持板部72の外端板部71とは反対側の端縁部から外側支持板部72に垂直をなして外端板部71とは反対側に延出する基板部73と、基板部73の外側支持板部72とは反対側の端縁部から基板部73に対して鋭角をなして外側支持板部72と同側に延出する延出板部74と、を有している。
外端板部71、外側支持板部72、基板部73および延出板部74は、いずれも平板状である。外端板部71に対する外側支持板部72の折り曲げ線と、外側支持板部72に対する基板部73の折り曲げ線と、基板部73に対する延出板部74の折り曲げ線とは平行である。
図6に示すように、外端板部71と基板部73とは、互いに平行をなすようにそれぞれ広がっており、延出板部74は基板部73から離れるほど外側支持板部72に近づくように傾斜して広がっている。言い換えれば、外側支持板部72および延出板部74は、基板部73から離れるほど間隔が狭くなっている。
連続する外側支持板部72と基板部73と延出板部74とが、全体として凹状に連結されてガイド板部75を構成している。ガイド板部75は、基板部73から延出板部74よりも外側支持板部72とは反対側に突出する係合爪78を有している。係合爪78は、基板部73に対し鈍角をなして、延出板部74と同側に突出している。
図5に示すように、一方のパッド支持部61は、延出板部74の他方のパッド支持部61とは反対側の端縁部から他方のパッド支持部61とは反対側に延出した後、外側支持板部72側に折り返されて他方のパッド支持部61側に延出するバネ板部80を有している。バネ板部80は、その基端側の延出板部74に対して外側支持板部72側に位置する。
一方のパッド支持部61は、そのバネ板部80が、延出板部74の他方のパッド支持部61とは反対側の端縁部から外側支持板部72から離れ且つ他方のパッド支持部61から離れる方向に延出した後、外側支持板部72に近づき且つ他方のパッド支持部61から離れる方向に延出するように円弧状に湾曲するカール板部82と、このカール板部82の延出板部74とは反対側の端縁部から他方のパッド支持部61の方向に、他方のパッド支持部61側ほど、延出板部74の板厚方向において延出板部74から離れるように直線状に延出する内側支持板部83と、を有している。
カール板部82は、平面状に広がる延出板部74に平行な線であって延出板部74と基板部73との間の折り曲げ線に垂直な平面内に配置される線を中心とする円筒の半分よりも大きい一部の形状をなしている。このカール板部82の中心軸線は、平面視で基板部73と垂直をなす。
図6に示すように、内側支持板部83は、平板状の主板部91と、主板部91よりも外側支持板部72側に膨出する膨出板部92とを有している。主板部91は、カール板部82の中心軸線と平行に広がっている。バネ板部80は、主にカール板部82において弾性変形することになるが、カール板部82の形状によって、主板部91は、基本的には、カール板部82の中心軸線に平行に広がる状態を維持したまま、延出板部74に近づいたり、延出板部74から離れたりする。よって、バネ板部80が弾性変形すると、主板部91は、延出板部74の広がる方向と平行に広がる状態を生じる。
膨出板部92は、図7に示すように、内側支持板部83のカール板部82からの延出方向において、内側支持板部83のカール板部82側の中間所定位置からカール板部82とは反対側の端部まで形成されている。また、膨出板部92は、主板部91の広がる方向であって内側支持板部83の延出方向に直交する方向において、内側支持板部83の基板部73側の中間所定位置と基板部73とは反対側の中間所定位置との間の所定範囲に形成されている。この方向において、膨出板部92は、主板部91内に基板部73側に寄って配置されている。
ここで、内側支持板部83はカール板部82からの延出方向に長いため、内側支持板部83の延出方向は、内側支持板部83の延在方向となる。また、内側支持板部83の延在方向において、内側支持板部83はカール板部82よりも長いため、内側支持板部83の延在方向は、内側支持板部83およびカール板部82からなるバネ板部80の延在方向となる。膨出板部92は、図8に示すように、断面が円弧状となる円筒の一部の形状をなしている。言い換えれば、膨出板部92は、主板部91から湾曲しつつ膨出している。
図6に示すように、一方のパッド支持部61は、バネ板部80のうち基板部73側の外縁から延出板部74の側に折り曲げられた突片部101を有している。突片部101は、主板部91の基板部73側の外縁から、延出板部74の側に突出している。突片部101は、バネ板部80の主板部91に対して略直角に折り曲げられている。
図5に示すように、突片部101は、バネ板部80の延在方向において、内側支持板部83の中間所定範囲に形成されている。突片部101は、内側支持板部83からの突出方向における内側支持板部83とは反対側の端面部102が、平面状であって主板部91と平行な平行部103と、平面状であって主板部91に対し傾斜する傾斜部104とを有している。バネ板部80の延在方向において、傾斜部104は、平行部103のカール板部82とは反対側に設けられている。傾斜部104は、バネ板部80の延在方向において、平行部103から離れるほど主板部91に近づくように傾斜している。言い換えれば、突片部101の先端は、バネ板部80側に傾斜する傾斜部104を備えている。
図7に示すように、延出板部74には、バネ板部80の延在方向における中間所定範囲に、厚さ方向に貫通する中間開口110が形成されている。バネ板部80が内側支持板部83を延出板部74に近づける方向に弾性変形すると、突片部101は、この中間開口110内に入り込んで延出板部74を厚さ方向に通過する。
中間開口110は、バネ板部80の延在方向に直交する方向であって主板部91の広がる方向において、バネ板部80に対して基板部73とは反対側の部分およびバネ板部80と重なる部分からなる第1開口部111と、バネ板部80よりも基板部73側の第2開口部112と、を備えている。バネ板部80の延在方向における第1開口部111の幅は、バネ板部80の延在方向における第2開口部112の幅と略等しく、第1開口部111の幅の方が、第2開口部112の幅よりも若干広くなっている。
延出板部74は、バネ板部80の延在方向に直交する方向であって主板部91の広がる方向において、バネ板部80に対して基板部73とは反対側の部分およびバネ板部80と重なる部分からなる第1部位121と、バネ板部80よりも基板部73側の第2部位122と、を備えている。この方向において、第1部位121は第1開口部111と位置を重ね合わせており、第2部位122は第2開口部112と位置を重ね合わせている。延出板部74は、バネ板部80の延在方向の長さが略一定となっている。よって、バネ板部80の延在方向における第1部位121の幅は、バネ板部80の延在方向における第2部位122の幅と略等しく、バネ板部80の延在方向における第1部位121の幅の方が、バネ板部80の延在方向における第2部位122の幅よりも若干小さくなっている。
図5に示すように、一方のパッド支持部61と、これと鏡面対称状をなす他方のパッド支持部61とを繋ぐ接続部62は、これら一対のパッド支持部61の外端板部71の外側支持板部72とは反対側同士を接続する接続板部131と、接続板部131における一対の外側支持板部72側に設けられた位置決め部132と、を有している。
図1に示すように、一方のパッドスプリング26は、取付部材21のいずれもディスク周方向の同じ一側にあるインナ側トルク受部32およびアウタ側トルク受部36に取り付けられる。その際に、一方のパッドスプリング26は、図3に示すように、接続部62をパッド支持部61よりもディスク径方向外側に配置した状態で、一方のパッド支持部61の凹状のガイド板部75を、アウタ側トルク受部36の凹部48に嵌合させると共に、図2に示すように他方のパッド支持部61の凹状のガイド板部75を、インナ側トルク受部32の凹部48に嵌合させる。また、その際に、一方のパッドスプリング26は、位置決め部132をインナ側トルク受部32とアウタ側トルク受部36との間に嵌合させる。
これにより、この一方のパッドスプリング26は、一対のパッド支持部61がディスク11のディスク軸方向の両面側に配置される状態となる。また、この状態で、この一方のパッドスプリング26は、一方のパッド支持部61のガイド板部75およびバネ板部80が取付部材21のディスク周方向一側のアウタ側トルク受部36の凹部48内に配置され、他方のパッド支持部61のガイド板部75およびバネ板部80が取付部材21のディスク周方向一側のインナ側トルク受部32の凹部48内に配置される状態となる。
この一方のパッドスプリング26は、位置決め部132をインナ側トルク受部32およびアウタ側トルク受部36の間に嵌合させると、取付部材21にディスク軸方向の移動が規制されて設けられる。その結果、この一方のパッドスプリング26は、ディスク11に対してもディスク軸方向の移動が規制される。
このようにディスク周方向一側に設けられたパッドスプリング26は、インナ側トルク受部32およびアウタ側トルク受部36に取り付けられた状態で、一対の凹部48に嵌合する一対のガイド板部75がディスク周方向に凹む形状となる。具体的には、一対のガイド板部75がディスク周方向の外側に向けて凹む形状となる。
この一方のパッドスプリング26は、取付部材21に取り付けられた状態で、図4に示すように、ガイド板部75の基板部73が、このガイド板部75におけるディスク周方向の外側に配置されて、このガイド板部75の嵌合先の凹部48の凹み方向奥側の底面51に対向し、この底面51に面当たりすることになる。このとき、基板部73は、底面51と同様、ディスク軸線および径方向基準線に平行に広がる。
また、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、ガイド板部75の外側支持板部72が、このガイド板部75におけるディスク径方向外側に配置されて、このガイド板部75の嵌合先の凹部48の壁面52に対向し、この壁面52に面当たりすることになる。このとき、外側支持板部72は、壁面52と同様、径方向基準線に垂直に広がる。
また、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、凹部48に嵌合するガイド板部75の係合爪78が、このガイド板部75におけるディスク径方向内側に配置されて、このガイド板部75の嵌合先の凹部48の壁面53に対向し、この壁面53に当接することになる。
また、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、ガイド板部75の延出板部74が、このガイド板部75におけるディスク径方向内側に配置されて、このガイド板部75の嵌合先の凹部48の壁面53に対向することになる。このとき、延出板部74は、壁面53と同様、ディスク軸方向に平行に広がるものの、壁面53とは異なり、ディスク周方向における基板部73側が、ディスク径方向において壁面53に最も近づき、ディスク周方向における基板部73とは反対側ほど、ディスク径方向において壁面53から離間するように径方向基準線に対し傾斜して広がる。
このように、この一方のパッドスプリング26は、取付部材21に取り付けられた状態で、凹状のガイド板部75が、外側支持板部72、基板部73および係合爪78において凹状の凹部48に対向して凹部48に当接する。
この一方のパッドスプリング26は、この状態で、外側支持板部72が基板部73のディスク径方向外側の端縁部から、延出板部74が基板部73のディスク径方向内側の端縁部から、それぞれ、ディスク周方向内方に向かって広がっている。外側支持板部72、基板部73および延出板部74は、いずれもディスク軸方向に沿って広がっている。
また、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、バネ板部80のカール板部82が、ディスク軸方向において、延出板部74のディスク11とは反対側に設けられてディスク11に対して反対側に延出した後、ディスク径方向外側に折り返されることになり、バネ板部80の内側支持板部83が、カール板部82の先端からディスク軸方向へディスク11に近づく方向に延出する。言い換えれば、バネ板部80は、延出板部74からディスク軸方向においてディスク11に対して反対側に延出した後、ディスク軸方向においてディスク11の側に折り返されて延出している。
また、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、突片部101が、バネ板部80の内側支持板部83のうちディスク周方向外方の外縁から、ディスク径方向内側、すなわち延出板部74の側に、折り曲げられて形成されている。このとき、突片部101は、ディスク径方向内側の端部に端面部102が配置される。
また、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、延出板部74が、バネ板部80に対してディスク周方向内方に位置する第1部位121と、内側支持板部83に対してディスク周方向外方に位置する第2部位122とを有する。
他方のパッドスプリング26も、取付部材21のいずれもディスク周方向他側にあるインナ側トルク受部32およびアウタ側トルク受部36に、一方のパッドスプリング26と同様にして取り付けられる。このようにして、一対のパッドスプリング26がディスク周方向に離間した状態で互いに対向して取付部材21に取り付けられる。
一対のパッドスプリング26の互いに反対向きに凹んでディスク周方向両側のインナ側トルク受部32の凹部48内に配置された、それぞれのガイド板部75およびバネ板部80に、インナ側の摩擦パッド25が、ディスク軸方向に移動可能となるように支持される。また、一対のパッドスプリング26の互いに反対向きに凹んでディスク周方向両側のアウタ側トルク受部36の凹部48内に配置された、それぞれのガイド板部75およびバネ板部80に、アウタ側の摩擦パッド25が、ディスク軸方向に移動可能となるように支持される。
インナ側の摩擦パッド25とアウタ側の摩擦パッド25とは、略共通する形状の部品である。摩擦パッド25は、鏡面対象の形状をなしており、図9に示すように、裏板151と、裏板151の板厚方向の一面側に貼着されたライニング152と、を有している。ここで、裏板151は、インナ側の摩擦パッド25とアウタ側の摩擦パッド25とで共通部品となっている。裏板151は、図2,図3に示すように、主体部155と、主体部155の幅方向の両端部からこの幅方向に沿って互いに反対向きに突出する一対の突出部156と、を有している。裏板151には、図9に示すように、主体部155にライニング152が貼着されている。
そして、図2に示すインナ側の摩擦パッド25は、ディスク周方向一側の突出部156が、ディスク周方向一側のパッドスプリング26に対して、そのインナ側のバネ板部80の内側支持板部83をインナ側の延出板部74に近づけるように弾性変形させて、インナ側のガイド板部75内に挿入される。これにより、この突出部156が、取付部材21のディスク周方向一側のインナ側トルク受部32の凹部48内に挿入される。このとき、図8に示すように、内側支持板部83は膨出板部92において突出部156に当接する。
また、図2に示すインナ側の摩擦パッド25は、ディスク周方向他側の突出部156が、ディスク周方向他側のパッドスプリング26に対して、そのインナ側のバネ板部80の内側支持板部83をインナ側の延出板部74に近づけるように弾性変形させて、インナ側のガイド板部75内に挿入される。これにより、この突出部156が、取付部材21のディスク周方向他側のインナ側トルク受部32の凹部48内に挿入される。このときも、内側支持板部83は膨出板部92において突出部156に当接する。
図4に示すように、突出部156は、ディスク径方向内側の平坦な内側面部161と、ディスク径方向外側の平坦な外側面部162と、ディスク周方向外端の平坦な先端面部163と、を有している。内側面部161、外側面部162および先端面部163は、いずれも裏板151の板厚方向に沿って広がっている。内側面部161と外側面部162とは平行に広がっており、先端面部163は、内側面部161および外側面部162に対し垂直に広がっている。
インナ側の摩擦パッド25は、ディスク周方向一側の突出部156が、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のインナ側のガイド板部75に挿入されて、このガイド板部75から延出するバネ板部80の付勢力でディスク径方向外方に押圧されることになり、ディスク周方向他側の突出部156が、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のインナ側のガイド板部75に挿入されて、このガイド板部75から延出するバネ板部80の付勢力でディスク径方向外方に押圧されることになる。言い換えれば、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のインナ側のバネ板部80が、インナ側の摩擦パッド25のディスク周方向一側の突出部156をディスク径方向外方に向かって付勢し、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のインナ側のバネ板部80が、インナ側の摩擦パッド25のディスク周方向他側の突出部156をディスク径方向外方に向かって付勢する。このとき、バネ板部80は、膨出板部92において突出部156の内側面部161に当接する。
上記のようにディスク径方向外方に向かって付勢されたインナ側の摩擦パッド25は、ディスク11からの入力がない状態では、ディスク周方向一側の突出部156が、外側面部162において、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のインナ側のガイド板部75の外側支持板部72に押し付けられて面当たりし、ディスク周方向他側の突出部156が、外側面部162において、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のインナ側のガイド板部75の外側支持板部72に押し付けられて面当たりする。
インナ側の摩擦パッド25は、ディスク11からの入力によって、ディスク周方向一側の突出部156が、ディスク径方向内方に移動すると、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のインナ側のバネ板部80を弾性変形させて、その内側支持板部83をディスク径方向内方に移動させることになる。このとき、図8に示すように、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のインナ側の突片部101が、基本的には、その端面部102の平行部103において、ディスク周方向一側のインナ側トルク受部32の壁面53に面当たりする。あるいは、この突片部101は、インナ側の摩擦パッド25の角度等によっては、その端面部102の図5に示す傾斜部104において、ディスク周方向一側のインナ側トルク受部32の壁面53に面当たりする。このように、この突片部101は、同じパッド支持部61を構成するバネ板部80のディスク11の周方向外方の外縁から、同じパッド支持部61を構成する延出板部74の側に、この延出板部74に対向する壁面53に対して面当たりするように折り曲げられている。
インナ側の摩擦パッド25は、ディスク11からの入力によって、ディスク周方向他側の突出部156が、ディスク径方向内方に移動すると、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のインナ側のバネ板部80を弾性変形させて、その内側支持板部83をディスク径方向内方に移動させることになる。このとき、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のインナ側の突片部101が、基本的には、その端面部102の平行部103において、ディスク周方向他側のインナ側トルク受部32の壁面53に面当たりする。あるいは、この突片部101は、インナ側の摩擦パッド25の角度等によっては、その端面部102の傾斜部104において、ディスク周方向他側のインナ側トルク受部32の壁面53に面当たりする。このように、この突片部101も、同じパッド支持部61を構成するバネ板部80のディスク11の周方向外方の外縁から、同じパッド支持部61を構成する延出板部74の側に、この延出板部74に対向する壁面53に対して面当たりするように折り曲げられている。
このように一対のパッドスプリング26を介して取付部材21に取り付けられた状態で、インナ側の摩擦パッド25は、一対の突出部156がディスク周方向の両外側に突出する状態となり、言い換えれば、ディスク周方向両側に突設される突出部156を有する。インナ側の摩擦パッド25のこれら突出部156と、取付部材21のインナ側の一対の凹部48とが、それぞれの間にパッドスプリング26のインナ側のガイド板部75およびバネ板部80を介在させて嵌合する。
取付部材21は、ディスク周方向に凹んでインナ側の摩擦パッド25の突出部156が挿入される一対の凹部48をインナ側に有し、これら凹部48には、それぞれ、ディスク周方向における突出部156の外側に底面51が設けられている。パッドスプリング26のインナ側のガイド板部75の基板部73は、嵌合先の凹部48の底面51に面当たりするように配置され、挿入される突出部156のディスク周方向外側の先端面部163に対向する。
アウタ側の摩擦パッド25も、インナ側と同様の形状の両側の突出部156が、インナ側と同様の形状の両側のパッドスプリング26のアウタ側のガイド板部75およびバネ板部80を介して、両側のアウタ側トルク受部36のインナ側と同様の形状の凹部48に支持される。
以上により、一方のパッドスプリング26が、インナ側およびアウタ側の一対の摩擦パッド25のそれぞれのディスク周方向一側の突出部156を、バネ板部80でディスク径方向に弾性的に支持することになり、他方のパッドスプリング26が、インナ側およびアウタ側の一対の摩擦パッド25のそれぞれのディスク周方向他側の突出部156を、バネ板部80でディスク径方向に弾性的に支持することになる。
図1~図3に示すように、キャリパ22は、ほぼ鏡面対称の形状となっており、径方向基準線は、キャリパ22のディスク周方向の中央位置を通る。キャリパ22は、図9に示すように、キャリパボディ171と、ピストン172と、ピストンシール173と、ピストンブーツ174と、を備えている。
キャリパボディ171は、鋳造により一体成形されており、ディスク11に対しディスク軸方向のインナ側に配置されるシリンダ部181と、シリンダ部181のディスク径方向外側の部分からディスク11の外周を跨ぐようにディスク軸方向に沿ってアウタ側に延出するブリッジ部182と、ブリッジ部182のシリンダ部181とは反対側の部分からディスク径方向内側に延出してディスク11のディスク軸方向のアウタ側に配置される押圧爪183と、を有している。また、キャリパボディ171は、図1に示すように、シリンダ部181からディスク周方向の両側に延出する一対のピン取付部184を有している。
キャリパボディ171は、ディスク周方向一側のピン取付部184にスライドピン45がボルト185で取り付けられており、ディスク周方向他側のピン取付部184にもスライドピン45がボルト185で取り付けられている。図示略の一対のピン挿入穴に、キャリパ22のディスク周方向両側の一対のスライドピン45が摺動可能に嵌合する。これにより、キャリパボディ171を含むキャリパ22が取付部材21にディスク軸方向に移動可能に設けられることになる。一対のピンブーツ23は、それぞれ、対応するスライドピン45の取付部材21から突出する部分を被覆する。
図9に示すように、シリンダ部181には、ピストン172がディスク軸方向に移動可能となるように収容されている。ピストンシール173は、シリンダ部181とピストン172との隙間をシールする。ピストンブーツ174は、ピストン172のシリンダ部181から突出する部分を被覆する。
ディスクブレーキ10には、図示略のブレーキ配管を介して、キャリパ22のシリンダ部181内にブレーキ液が導入される。すると、シリンダ部181においてピストン172にブレーキ液圧が作用する。その結果、ピストン172が、ディスク11側に前進し、これらピストン172とディスク11との間に配置されたインナ側の摩擦パッド25をディスク11に向かって押圧する。すると、インナ側の摩擦パッド25は、一対の突出部156が、一対のパッドスプリング26のインナ側のパッド支持部61を介して一対のインナ側の凹部48で案内されてディスク軸方向に移動し、ライニング152においてディスク11に接触する。その際に、インナ側の摩擦パッド25は、基本的には、一対の突出部156が、それぞれ、対応するパッドスプリング26のインナ側のガイド板部75の外側支持板部72とバネ板部80の内側支持板部83の膨出板部92とに挟持されて移動する。
また、この押圧の反力で、キャリパボディ171が取付部材21に対しスライドピン45をスライドさせてディスク軸方向に移動し、押圧爪183が、押圧爪183とディスク11との間に配置されたアウタ側の摩擦パッド25をディスク11に向かって押圧する。すると、アウタ側の摩擦パッド25は、一対の突出部156が、一対のパッドスプリング26のアウタ側のパッド支持部61を介して一対のアウタ側の凹部48で案内されてディスク軸方向に移動し、図示略のライニングにおいてディスク11に接触する。その際に、アウタ側の摩擦パッド25は、基本的には、一対の突出部156が、それぞれ、対応するパッドスプリング26のアウタ側のガイド板部75の外側支持板部72とバネ板部80の内側支持板部83の膨出板部92とに挟持されて移動する。
取付部材21に摺動可能に支持されたキャリパ22は、このようにして、ピストン172の作動により、このピストン172と押圧爪183とで一対の摩擦パッド25をディスク軸方向の両側から挟持してこれら摩擦パッド25をディスク11の両面に押圧する。その結果、キャリパ22は、ディスク11に摩擦抵抗を付与して、制動力を発生させることになる。言い換えれば、取付部材21に移動可能に設けられた一対の摩擦パッド25は、キャリパ22によりディスク11の両面に押圧される。キャリパ22は、いわゆるフィスト型(スライド型)のキャリパである。
上記した特許文献1には、摩擦パッドの凸部を、取付部材の凹形状のパッドガイドに挿入して支持する構造のディスクブレーキにおいて、パッドスプリングで摩擦パッドを付勢するものが開示されている。このパッドスプリングは、摩擦パッドを付勢する付勢片部がディスク径方向内側に向けて変位したときに、付勢片部から突出する突片部がパッドガイドの下側壁面に弾性的に当接するようになっている。突片部は付勢片部に対して鈍角をなしており、下側壁面に線接触する。
ところで、ディスクブレーキにおいては、パッドスプリングの耐久性を向上させることが望まれている。上記のように、突片部が付勢片部に対して鈍角をなしていてパッドガイドの下側壁面に線接触する構造であると、パッドスプリングの耐久性が十分ではない可能性がある。
実施形態のディスクブレーキ10は、パッドスプリング26が、凹部48の底面51に当接する基板部73と、基板部73からディスク周方向内方に延出する延出板部74と、延出板部74からディスク軸方向においてディスク11に対して反対側に延出した後、ディスク軸方向においてディスク11の側に折り返されて延出するバネ板部80と、バネ板部80から延出板部74の側に折り曲げられた突片部101と、を有している。この突片部101は、摩擦パッド25からバネ板部80にディスク径方向内方への荷重が加わった場合に、凹部48の壁面53に当接してバネ板部80のそれ以上のディスク径方向内方への変位を規制して、バネ板部80が延出板部74に当接することを規制する。
そして、この突片部101が、壁面53に対して面当たりするように設けられている。このように、突片部101が壁面53に面当たりするため、摩擦パッド25からバネ板部80に加わる荷重を、突片部101で壁面53の広範囲に分散させることができる。よって、バネ板部80に強い荷重が加わったり、荷重が繰り返し加わったりしても、バネ板部80および突片部101に生じる折損を抑制することができる。したがって、パッドスプリング26の耐久性を向上させることが可能となる。
また、突片部101が、バネ板部80のうちディスク周方向外方の外縁から延出板部74の側に折り曲げられているため、突片部101をバネ板部80のディスク周方向外側に配置することができる。よって、突片部101を、壁面53の、よりディスク周方向外側に面当たりさせることができるため、壁面53のディスク周方向の長さが短くても、突片部101を、壁面53に面当たりさせることができる。
また、突片部101が、バネ板部80に対して略直角に折り曲げられているため、突片部101の支持剛性を高めることができる。よって、バネ板部80および突片部101に生じる折損を一層抑制することができる。したがって、パッドスプリング26の耐久性を一層向上させることが可能となる。
また、突片部101が、凹部48の壁面53と当接する際に、壁面53に対して略垂直に当接するため、突片部101による支持剛性を高めることができる。よって、バネ板部80および突片部101に生じる折損を一層抑制することができる。したがって、パッドスプリング26の耐久性を一層向上させることが可能となる。
また、突片部101の先端の端面部102は、バネ板部80側に傾斜する傾斜部104を備えているため、バネ板部80と平行な場合と比べて端面部102の面積を増やすことができる。これにより、例えば、バネ板部80にディスク径方向内方への強い荷重が加わることで突片部101の先端が変形して端面部102の全面で壁面53に当接することになった場合の接触面積を増やすことができる。よって、バネ板部80に強い荷重が加わっても、バネ板部80および突片部101に生じる折損を抑制することができる。したがって、パッドスプリング26の耐久性を向上させることが可能となる。
また、延出板部74は、バネ板部80に対してディスク周方向内方に位置する第1部位121と、バネ板部80に対してディスク周方向外方に位置する第2部位122とを備え、バネ板部80の延在方向における第1部位121の幅は、バネ板部80の延在方向における第2部位122の幅より小さくなっている。よって、バネ板部80の延在方向における第2部位122の幅が、バネ板部80の延在方向における第1部位121の幅より小さい場合よりも延出板部74に生じる応力を分散させることができる。したがって、パッドスプリング26の耐久性を向上させることが可能となる。
また、バネ板部80の延在方向における第2部位122の幅は、バネ板部80の延在方向における第1部位121の幅と略等しくなっている。よって、バネ板部80の延在方向における第2部位122の幅が、バネ板部80の延在方向における第1部位121の幅より小さい場合よりも延出板部74に生じる応力を分散させることができる。したがって、パッドスプリング26の耐久性を向上させることが可能となる。
なお、突片部101を、バネ板部80の主板部91に対して略直角に折り曲げるのが良いが、突片部101が主板部91に対して60°~90°の範囲で鋭角をなすように突片部101を折り曲げても良い。
また、内側支持板部83のうちディスク周方向外方の外縁から延出板部74の側に突片部101を折り曲げるのではなく、図10に示すように、内側支持板部83の内側所定範囲に厚さ方向に貫通する開口部201を形成し、この開口部201のディスク周方向内方の内縁部から突片部101を折り曲げて形成しても良い。あるいは、開口部201のディスク周方向外方の内縁部から突片部101を折り曲げて形成しても良い。
以上に述べた実施形態の第1の態様は、車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向外方に凹んだ凹部を有する取付部材と、前記取付部材に前記ディスクの軸方向へ移動可能に設けられたキャリパと、前記凹部に挿入される突出部を有し、前記取付部材に移動可能に設けられ、前記キャリパにより前記ディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、前記取付部材に設けられ、前記摩擦パッドを弾性的に支持するパッドスプリングであって、前記凹部の底面と当接する基板部と、前記基板部から前記ディスクの周方向内方に延出する延出板部と、前記延出板部から前記ディスクの軸方向において前記ディスクに対して反対側に延出した後、前記ディスクの軸方向において前記ディスクの側に折り返されて延出するバネ板部と、前記凹部のうち前記延出板部と対向する面に対して面当たりするように、前記バネ板部から前記延出板部の側に折り曲げられている突片部と、を有するパッドスプリングと、を備える。これにより、パッドスプリングの耐久性を向上させることが可能となる。
第2の態様は、第1の態様において、前記突片部は、前記バネ板部に対して略直角に折り曲げられている。
第3の態様は、第1の態様において、前記突片部の先端は、前記バネ板部側に傾斜する傾斜部を備える。
第4の態様は、第1の態様において、前記延出板部は、前記バネ板部に対して前記ディスクの周方向内方に位置する第1部位と、前記バネ板部に対して前記ディスクの周方向外方に位置する第2部位と、を備え、前記バネ板部の延在方向における前記第1部位の幅は、前記バネ板部の延在方向における前記第2部位の幅より小さい。
第5の態様は、第4の態様において、前記バネ板部の延在方向における前記第2部位の幅は、前記バネ板部の延出方向における前記第1部位の幅と略等しい。
10 ディスクブレーキ
11 ディスク
48 凹部
21 取付部材
22 キャリパ
156 突出部
25 摩擦パッド
26 パッドスプリング
51 底面
53 壁面
73 基板部
74 延出板部
80 バネ板部
101 突片部
104 傾斜部
121 第1部位
122 第2部位

Claims (4)

  1. 車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向外方に凹んだ凹部を有する取付部材と、
    前記取付部材に前記ディスクの軸方向へ移動可能に設けられたキャリパと、
    前記凹部に挿入される突出部を有し、前記取付部材に移動可能に設けられ、前記キャリパにより前記ディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、
    前記取付部材に設けられ、前記摩擦パッドを弾性的に支持するパッドスプリングであって、
    前記凹部の底面と当接する基板部と、
    前記基板部から前記ディスクの周方向内方に延出する延出板部と、
    前記延出板部から前記ディスクの軸方向において前記ディスクに対して反対側に延出した後、前記ディスクの軸方向において前記ディスクの側に折り返されて延出するバネ板部と、
    前記凹部のうち前記延出板部と対向する面に対して面当たりするように、前記バネ板部から前記延出板部の側に折り曲げられている突片部と、
    を有するパッドスプリングと、
    を備え、
    前記突片部は、前記バネ板部に対して略直角に折り曲げられている、
    ディスクブレーキ。
  2. 車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向外方に凹んだ凹部を有する取付部材と、
    前記取付部材に前記ディスクの軸方向へ移動可能に設けられたキャリパと、
    前記凹部に挿入される突出部を有し、前記取付部材に移動可能に設けられ、前記キャリパにより前記ディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、
    前記取付部材に設けられ、前記摩擦パッドを弾性的に支持するパッドスプリングであって、
    前記凹部の底面と当接する基板部と、
    前記基板部から前記ディスクの周方向内方に延出する延出板部と、
    前記延出板部から前記ディスクの軸方向において前記ディスクに対して反対側に延出した後、前記ディスクの軸方向において前記ディスクの側に折り返されて延出するバネ板部と、
    前記凹部のうち前記延出板部と対向する面に対して面当たりするように、前記バネ板部から前記延出板部の側に折り曲げられている突片部と、
    を有するパッドスプリングと、
    を備え、
    前記突片部の先端は、前記バネ板部側に傾斜する傾斜部を備える、
    ディスクブレーキ。
  3. 車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向外方に凹んだ凹部を有する取付部材と、
    前記取付部材に前記ディスクの軸方向へ移動可能に設けられたキャリパと、
    前記凹部に挿入される突出部を有し、前記取付部材に移動可能に設けられ、前記キャリパにより前記ディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、
    前記取付部材に設けられ、前記摩擦パッドを弾性的に支持するパッドスプリングであって、
    前記凹部の底面と当接する基板部と、
    前記基板部から前記ディスクの周方向内方に延出する延出板部と、
    前記延出板部から前記ディスクの軸方向において前記ディスクに対して反対側に延出した後、前記ディスクの軸方向において前記ディスクの側に折り返されて延出するバネ板部と、
    前記凹部のうち前記延出板部と対向する面に対して面当たりするように、前記バネ板部から前記延出板部の側に折り曲げられている突片部と、
    を有するパッドスプリングと、
    を備え、
    前記延出板部は、
    前記バネ板部に対して前記ディスクの周方向内方に位置する第1部位と、
    前記バネ板部に対して前記ディスクの周方向外方に位置する第2部位と、
    を備え、
    前記バネ板部の延在方向における前記第1部位の幅は、前記バネ板部の延在方向における前記第2部位の幅より小さい、
    ディスクブレーキ。
  4. 請求項1または2に記載のディスクブレーキであって、
    前記延出板部は、
    前記バネ板部に対して前記ディスクの周方向内方に位置する第1部位と、
    前記バネ板部に対して前記ディスクの周方向外方に位置する第2部位と、
    を備え、
    前記バネ板部の延在方向における前記第2部位の幅は、前記バネ板部の延在方向における前記第1部位の幅と略等しい、
    ディスクブレーキ。
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