JP2014167323A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦パッドをディスクから離間させる過程における摩擦パッドのディスクの被押圧面に対する傾きを抑制することができるディスクブレーキを提供する。
【解決手段】摩擦パッド6と取付部材2との間に、摩擦パッド6をディスク1から離間する戻し方向に付勢する戻しばね14を設ける。戻しばね14は、基端側が摩擦パッド6に固定され先端側が取付部材2側に対向配置される。この場合、戻しばね14は、基端側おける摩擦パッド6への固定箇所をディスク径方向に間隔をおいて複数有する構成とする。具体的には、摩擦パッド6の各耳部7B,7Cのディスク径方向中央部位を結ぶ線を中央線X−Xとした場合に、戻しばね14は、その基端側となる固定脚部14Aを、中央線X−Xを跨ぐ2箇所位置で固定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に制動力を付与するディスクブレーキに関する。
一般に、自動車等の車両に設けられるディスクブレーキは、ディスクを跨いで車両の非回転部分に取付けられ、ディスクの回転方向に凹む凹溝として形成されるパッドガイドを有する取付部材と、該取付部材に摺動可能に設けられるキャリパと、パッドガイドに摺動可能に嵌合する嵌合部がディスクの周方向の両端部にそれぞれ延びて形成され、キャリパによりディスクに押圧される摩擦パッドと、パッドガイドに取付けられ、摩擦パッドの嵌合部が摺動するとともに、摩擦パッドをディスクの径方向外側へ付勢するパッドスプリングと、摩擦パッドに基端側が固定され先端側が取付部材側に対向配置されて、該摩擦パッドをディスクから離間する戻し方向に付勢する戻しばねとを含んで構成されている(例えば、特許文献1参照)。
車両の運転者等がブレーキ操作を行ったときは、例えばキャリパのピストンを外部からの液圧供給によりディスク側に摺動変位させ、該ピストンによって摩擦パッドをディスクに向けて押圧することにより、該ディスクに制動力が付与される。一方、ブレーキ操作を解除したときは、ピストンへの液圧供給が停止され、摩擦パッドは、戻しばねによりディスクから離間した戻し位置に戻される。
特開2009−41769号公報
上述した従来技術の場合は、摩擦パッドに対する戻しばねの固定箇所が1箇所となっている。そして、摩擦パッドの摺動においては、ディスクの径方向における摩擦パッドの嵌合部とパッドスプリングとの各当接面の経年的な摩擦係数の変化に伴う相違により、摩擦パッドをディスクから離間させる過程で、ディスクの被押圧面に対して摩擦パッドが傾く場合がある。この場合、戻しばねの固定箇所が1箇所であるため、摩擦パッドの傾きを抑制しきれず、摩擦パッドの嵌合部とパッドスプリングとの間で摺動抵抗が大きくなり、戻しばねによる摩擦パッドのディスクからの離間が不十分となって、引き摺りを抑制しきれないおそれがある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、摩擦パッドをディスクから離間させる過程における摩擦パッドのディスクの被押圧面に対する傾きを抑制することができるディスクブレーキを提供することにある。
上述した課題を解決するため本発明は、ディスクを跨いで車両の非回転部分に取付けられ、ディスクの回転方向に凹む凹溝として形成されるパッドガイドを有する取付部材と、該取付部材に摺動可能に設けられるキャリパと、前記パッドガイドに摺動可能に嵌合する嵌合部が前記ディスクの周方向の両端部にそれぞれ延びて形成され、前記キャリパにより前記ディスクに押圧される摩擦パッドと、前記パッドガイドに取付けられ、前記摩擦パッドの前記嵌合部が摺動するとともに、前記摩擦パッドをディスクの径方向外側へ付勢するパッドスプリングと、前記摩擦パッドに基端側が固定され先端側が前記取付部材側に対向配置されて、該摩擦パッドを前記ディスクから離間する戻し方向に付勢する戻しばねと、を備えたディスクブレーキに適用される。
そして、本発明が採用する構成の特徴は、前記戻しばねは、基端側における前記摩擦パッドへの固定箇所をディスク径方向に間隔をおいて複数有する構成としたことにある。
本発明によれば、摩擦パッドをディスクから離間させる過程における摩擦パッドのディスクの被押圧面に対する傾きを抑制することができる。
第1の実施の形態によるディスクブレーキを上方(ディスク径方向外側)からみた平面図である。 ディスクブレーキをアウタ側からみた正面図である。 ディスクブレーキを図2中のIII−III方向からみた断面図である。 キャリパを取外した状態の図2中の(IV)部に相当する拡大図である。 取付部材、摩擦パッド、パッドスプリング、戻しばね等を図4中のV−V方向からみた平面図である。 アウタ側の摩擦パッド、戻しばね等を図2と同方向からみた正面図である。 戻しばねを単体で示す斜視図である。 第2の実施の形態による戻しばねを摩擦パッド等と共に示す図6と同様位置の正面図である。 戻しばねを単体で示す斜視図である。
以下、実施の形態によるディスクブレーキを、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図7は、第1の実施の形態を示している。車輪(図示せず)と共に回転するディスク1(図2および図3参照)は、例えば車両が前進方向に走行するときに、矢示A方向(図2参照)に回転し、車両が後退するときには矢示B方向(図2参照)に回転するものである。
キャリアと呼ばれる取付部材2は、ディスク1の外周側を跨いで車両の非回転部(図示せず)に取付けられている。ここで、取付部材2は、一対の腕部2A,2Aと、支承部2Bと、補強ビーム2Cとにより大略構成されている。各腕部2A,2Aは、ディスク1の回転方向(図1および図2の左,右方向、図3の表,裏方向、本出願においてはディスク回転方向、ディスク周方向という)に離間してディスク1の外周を跨ぐようにディスク1の軸方向(図1の上,下の方向、図2の表,裏方向、図3の左,右方向、本出願においてはディスク軸方向という)に延びている。
支承部2Bは、各腕部2Aの基端側を一体化するように接続して設けられ、ディスク1のインナ側となる位置で車両の非回転部に固定されている。補強ビーム2Cは、ディスク1のアウタ側となる位置で各腕部2Aの先端側を互いに連結している。これにより、取付部材2の各腕部2Aは、ディスク1のインナ側で支承部2Bにより一体的に連結されるとともに、アウタ側で補強ビーム2Cにより一体的に連結されている。
取付部材2の各腕部2Aのうちディスク軸方向に関する中間部には、ディスク1の外周(回転軌跡)に沿って弧状に延びるディスクパス部(図示せず)が形成されている。取付部材2のうちディスクパス部の両側(ディスク軸方向の両側)には、インナ側,アウタ側のパッドガイド3がそれぞれ形成されている。換言すれば、取付部材2は、ディスク周方向の両側位置に、インナ側とアウタ側とでそれぞれパッドガイド3を有している。これら各パッドガイド3は、ディスク回転方向に凹む全体としてコ字形状の凹溝として形成され、後述の摩擦パッド6が摺動変位する方向、即ち、ディスク軸方向に延びている。
各パッドガイド3は、摩擦パッド6を構成する裏板7の耳部7B,7Cを介して、該摩擦パッド6をディスク軸方向にガイドするものである。このために、各パッドガイド3には、摩擦パッド6(裏板7)の耳部7B,7Cが、ディスク1の径方向(図1の表,裏方向、図2および図3の上,下方向、本出願においてはディスク径方向という)に挟まれるように挿嵌(凹凸嵌合)している。即ち、パッドガイド3は、図4に示すように、ディスク1の径方向外側寄りに位置する外径側壁面3Aと、ディスク1の径方向内側寄りに位置する内径側壁面3Bとを有し、これら外径側壁面3Aと内径側壁面3Bとの間で摩擦パッド6の耳部7B,7Cをディスク径方向に挟持している。これにより、パッドガイド3は、摩擦パッド6を後述のパッドスプリング13の案内板部13Aを介してディスク1の軸方向へとガイドする。
また、パッドガイド3の奥側壁面、即ち、外径側壁面3Aと内径側壁面3Bとの間を奥所側で連結する奥側壁面は、所謂トルク受部としてのトルク受面4を構成するものである。このトルク受面4は、ブレーキ操作時に摩擦パッド6がディスク1から受ける制動トルクを、摩擦パッド6の耳部7B,7Cとパッドスプリング13の案内板部13Aとを介して受承する。
取付部材2には、キャリパ5がディスク軸方向に摺動可能(移動可能)に設けられている。キャリパ5は、インナ脚部5Aと、ブリッジ部5Bと、アウタ脚部5Cと、シリンダ5Dと、ピストン5Eと、取付部5Fとにより大略構成されている。インナ脚部5Aは、ディスク1の軸方向一側であるインナ側に設けられている。ブリッジ部5Bは、取付部材2の各腕部2A間でディスク1の外周側を跨ぐようにインナ脚部5Aからディスク1の軸方向他側であるアウタ側へと延設されている。アウタ脚部5Cは、ブリッジ部5Bの先端側であるアウタ側からディスク径方向の内向きに延び、先端側が複数の爪部5C1となっている。
キャリパ5のインナ脚部5Aには、例えばツインボアとなる2個のシリンダ5D(図3に一方のみ図示)がディスク回転方向に並んで設けられている。これら各シリンダ5D内には、ピストン5E(図3に一方のみ図示)がそれぞれ摺動可能に挿嵌されている。インナ脚部5Aには、図1および図2に示すように、ディスク回転方向に突出する一対の取付部5F,5Fが一体に設けられている。これら各取付部5F,5Fは、キャリパ5全体を摺動ピン(図示せず)を介して取付部材2の各腕部2Aに摺動可能に支持するものである。
インナ側,アウタ側の摩擦パッド6,6は、ディスク1の軸方向両側面に対向して配置されている。各摩擦パッド6は、取付部材2にディスク軸方向の移動を可能に取付けられ、キャリパ5によりディスク1の両面に押圧されるものである。ここで、各摩擦パッド6は、図4ないし図6に示すように、ディスク回転方向に延びる平板状の裏板7と、該裏板7の表面のうちディスク対向面7Aに接合(固着)されディスク1の表面(軸方向側面)に摩擦接触する摩擦材としてのライニング8とにより大略構成されている。なお、裏板7は金属や樹脂等で成形することができる。
摩擦パッド6の裏板7には、ディスク周方向の両端部に位置してそれぞれディスク周方向に延びる嵌合部としての耳部7B,7Cが形成されている。これら各耳部7B,7Cは、後述するパッドスプリング13の各案内板部13Aを介して取付部材2のパッドガイド3にそれぞれ摺動可能に嵌合(挿嵌)されている。そして、各耳部7B,7Cは、車両のブレーキ操作時にディスク1から摩擦パッド6が受ける制動トルクを、取付部材2のトルク受面4に(パッドスプリング13を介して)伝達するトルク伝達部を構成するものである。
摩擦パッド6(裏板7)の耳部7B,7Cは、左,右対称に形成され、互いに同一の凸形状をなしている。ここで、一方(図2および図6の右方)の耳部7Bは、車両の前進時に矢示A方向に回転するディスク1の回転方向入口側(回入側)に配置され、他方(図2および図6の左方)の耳部7Cは、ディスク1の回転方向出口側(回出側)に配置される。摩擦パッド6の裏板7のうちディスク1の回入側に位置する一方の耳部7Bの近傍には、後述の戻しばね14が取付けられている。なお、本実施の形態では、ディスク1の回入側にのみ戻しばね14を設け、回出側には設けていない。但し、必要に応じて回出側にも設けてもよい。
図6に示すように、耳部7B,7Cは、パッドガイド3の外径側壁面3Aに対向する外側対向面7B1,7C1と、パッドガイド3の内径側壁面3Bに対向する内側対向面7B2,7C2と、パッドガイド3の奥側壁面であるトルク受面4に対向する周方向対向面7B3,7C3との3つの面を有している。耳部7B,7Cは、外側対向面7B1,7C1と内側対向面7B2,7C2と周方向対向面7B3,7C3との3つの面により、略コ字形の凸形状に形成されている。
この場合、耳部7B,7Cのディスク径方向中央部位を結ぶ線を中央線X−Xとすると、外側対向面7B1,7C1は、中央線X−Xよりもディスク径方向の外側に位置してパッドガイド3(の外径側壁面3A)とディスク径方向に対向している。内側対向面7B2,7C2は、中央線X−Xよりもディスク径方向の内側に位置してパッドガイド3(の内径側壁面3B)とディスク径方向に対向している。周方向対向面7B3,7C3は、中央線X−Xと直交するように配置され、パッドガイド3(のトルク受面4)とディスク周方向に対向している。
摩擦パッド6の裏板7には、回入側の耳部7Bの近傍に位置して一対の突起9が設けられ、回出側の耳部7Cの近傍に位置して一対の突起10が設けられている。これら各突起9,10は、裏板7の背面7D(ライニング8が設けられるディスク対向面7Aに対して反対側となる面、裏面)側に突出して設けられており、その横断面形状は、非円形(例えば楕円形、小判形)に形成されている。各突起9,10のうちディスク1の回入側に位置する一方の突起9は、後述する戻しばね14の基端側を裏板7に対して固定するためのものである。即ち、一方(回入側)の突起9には、戻しばね14のかしめ穴14A3が係合(かしめ結合)される。
ここで、突起9,10は、中央線X−Xをディスク径方向に跨いで2箇所に設けられている。より具体的には、各耳部7B,7Cの外側対向面7B1,7C1を結ぶ線を外側線Y−Yとし、各耳部7B,7Cの内側対向面7B2,7C2を結ぶ線を内側線Z−Zとすると、各突起9,10は、各線Y−Y,Z−Zよりもディスク径方向中央部位(中央線X−X)に対してディスク径方向外側に配置されている。即ち、一対の突起9(10)のうちディスク径方向外側の突起9(10)は、外側線Y−Yよりもディスク径方向の外側に配置され、一対の突起9(10)のうちディスク径方向内側の突起9(10)は、内側線Z−Zよりもディスク径方向の内側に配置されている。
この場合、一対の突起9(10)のディスク径方向の離間寸法をH1とし、外側対向面7B1,7C1と内側対向面7B2,7C2との離間寸法H2とすると、離間寸法H1は離間寸法H2よりも大きく(H1>H2)なっている。後述するように、戻しばね14は、その基端側が一方(回入側)の突起9に固定されることに伴って、その固定箇所は、各線Y−Y,Z−Zよりもディスク径方向中央部位(中央線X−X)に対してディスク径方向外側に配置される。
インナ側,アウタ側の摩擦パッド6には、裏板7の背面7D側に位置して鳴き防止用のシム板11,12が着脱可能に取付けられている。アウタ側のシム板11は、キャリパ5のアウタ脚部5Cと裏板7との間に配置され、両者が直に接触することを防止することにより、両者の間で所謂ブレーキ鳴きの発生を抑えるものである。一方、インナ側のシム板12は、キャリパ5のインナ脚部5Aに挿嵌されたピストン5Eと裏板7との間に配置され、両者が直に接触することを防止することにより、両者の間でブレーキ鳴きの発生を抑えるものである。
これら各シム板11,12は、例えば金属製のシム板と弾性材製のシム板とを重ね合わせてなる積層シムとして構成されている。図6に示すように、アウタ側のシム板11は、ディスク径方向の外側に位置して略L字状に折曲げ形成された3個の外側爪部11Aと、ディスク径方向の内側に位置して略L字状に折曲げ形成された4個の内側爪部11Bとを有している。アウタ側のシム板11のうち、キャリパ5の中央の爪部5C1と対応する位置には、該爪部5C1を挟むよう一対の切片11Cが切り起こしにより形成されている。アウタ側のシム板11は、各切片11Cと中央の爪部5C1との当接により、ディスク周方向の位置決めが図られる。
取付部材2の各腕部2Aには、それぞれパッドスプリング13が取付けられている。これら各パッドスプリング13は、それぞれインナ側,アウタ側の摩擦パッド6を弾性的に支持すると共に、これら各摩擦パッド6の摺動変位を滑らかにするもので、ばね性を有するステンレス鋼板等の金属製の板材を曲げ加工(プレス成形)することにより形成されている。換言すれば、パッドスプリング13は、取付部材2のパッドガイド3に取付けられ、摩擦パッド6の耳部7B,7Cが摺動するとともに、該摩擦パッド6をディスク径方向の外側へ付勢するものである。
このために、パッドスプリング13は、一対の案内板部13Aと、連結板部13Bと、径方向付勢板部13Cと、当接板部13Dとを含んで構成されている。一対の案内板部13Aは、取付部材2の各パッドガイド3内に嵌合するように、パッドガイド3に沿う形状に折曲げて形成され、ディスク1のインナ側とアウタ側とで互いに離間して形成されている。
連結板部13Bは、各案内板部13Aをディスク1のインナ側とアウタ側とで一体的に連結するため、ディスク1の外周側を跨いだ状態で軸方向に延びて形成されている。径方向付勢板部13Cは、各案内板部13Aのディスク径方向内側部位に一体形成されている。当接板部13Dは、各案内板部13Aのディスク軸方向外側部位(ディスク1とは反対側の部位)にそれぞれ設けられ、該各案内板部13Aから略90度屈曲してディスク周方向に延びるように一体形成されている。
パッドスプリング13の各案内板部13Aは、取付部材2の各パッドガイド3内に嵌合して取付けられ、摩擦パッド6の裏板7を凸形状の耳部7B,7Cを介してディスク軸方向に案内する機能を有している。各径方向付勢板部13Cは、案内板部13Aのディスク径方向内側の部分からディスク軸方向の外側(ディスク1から離れる方向)に延び、略360度円弧状に向きを変え、先端が各摩擦パッド6(裏板7)の耳部7B,7Cのディスク径方向内側まで延びている。
各径方向付勢板部13Cは、取付部材2の各パッドガイド3内で各摩擦パッド6(裏板7)の耳部7B,7Cに弾性的に当接し、各摩擦パッド6の裏板7をディスク径方向の外側に向けて付勢している。これにより、各摩擦パッド6の耳部7B,7Cは、各案内板部13Aの外径側板部13A1に当接するようになっている。したがって、耳部7B,7Cのディスク径方向内方の内側対向面7B2,7C2が各径方向付勢板部13Cに摺動可能に当接する当接面となっており、また、耳部7B,7Cのディスク径方向外方の外側対向面7B1,7C1が各案内板部13Aの外径側板部13A1に摺動可能に当接する当接面となっている。このような構成により、各摩擦パッド6のがたつきを抑えつつ、ブレーキ操作時には、摩擦パッド6を案内板部13Aに沿ってディスク軸方向へと円滑に案内することができる。
パッドスプリング13の当接板部13Dは、図5に示すように、後述する戻しばね14の先端側(当接部14C)が弾性変形状態で当接する受け座面となるものである。なお、本実施の形態の場合は、図2に示すように、回入側と回出側との両方のパッドスプリング13に当接板部13Dを設ける構成としている。しかし、これに限らず、戻しばね14が設けられる側である回入側のパッドスプリング13にのみ当接板部13Dを設ける構成としてもよい。即ち、戻しばね14が設けられない側となる回出側のパッドスプリング13は、当接板部13Dを省略することができる。ただし、回入側と回出側のパッドスプリング13の部品共通化や組み付け作業の容易化の面からは、本実施の形態のような、当接板部13Dを設けたパッドスプリング13を回入側と回出側との両方に組み込む構成とすることが好ましい。
次に、摩擦パッド6をディスク1から離間する戻し方向に付勢する戻しばね14について説明する。
即ち、戻しばね14は、ばね性を有するステンレス鋼板等の金属製の板材を曲げ加工(プレス成形)することにより形成されたもので、基端側が摩擦パッド6に固定され、先端側が取付部材2側に対向配置される。そして、戻しばね14は、図5に二点鎖線で示す自由状態から実線で示すように弾性変形した状態で、摩擦パッド6と取付部材2との間に組み付けられることにより、摩擦パッド6をディスク1から離間する方向に付勢するものである。
戻しばね14は、インナ側,アウタ側の摩擦パッド6を構成する裏板7の側縁(耳部7B,7Cの近傍)のうち、車両前進時にディスク回入側となる側縁(耳部7Bの近傍)に設けられている。なお、インナ側の戻しばね14(図1参照)とアウタ側の戻しばね14とは、同様の構成となっている。
戻しばね14は、基端側における摩擦パッド6への固定箇所を複数、具体的には2箇所有する構成としている。このために、戻しばね14は、摩擦パッド6に固定されると共に該摩擦パッド6からディスク軸方向外側(ディスク1から離れる方向)に延びる一対の固定脚部14Aと、該各固定脚部14Aの先端側が接続されると共にその接続部位からディスク回転方向の回入側に延びる延出部14Bと、該延出部14Bの先端側からディスク1に向けて折り曲げられると共に先端側が小さく反り返るように湾曲した略円弧状ないし略U字状の当接部14Cとにより大略構成されている。
ここで、各固定脚部14Aは、戻しばね14の基端側を構成するもので、裏板7の背面7Dに当接する固定板14A1と、該固定板14A1からディスク軸方向に延びる脚板14A2とを有している。固定板14A1の中央部位には、突起9にかしめ結合するかしめ穴14A3が設けられている。即ち、戻しばね14は、固定板14A1のかしめ穴14A3を突起9にかしめ付けることにより、摩擦パッド6(裏板7)に固定される構成となっている。
一方、延出部14Bは、固定脚部14Aが接続される基端側から先端側(当接部14C側)に向けて幅寸法が漸次小さくなる先細り形状となっている。当接部14Cは、戻しばね14の先端側を構成するもので、湾曲した部位がパッドスプリング13の当接板部13Dに当接ないし摺接する。そして、戻しばね14は、図5に実線で示す弾性変形状態で、当接部14Cが当接板部13Dに当接ないし摺接することにより、摩擦パッド6(裏板7)をディスク1から離れる戻し方向に常に付勢し、例えば車両のブレーキ操作を解除したときに摩擦パッド6を初期位置(待機位置)に向け安定して戻すものである。なお、本実施の形態においては、延出部14Bを1つとしているが、これに限らず、例えば、図4の点線で示すように延出部を2つにし、それぞれの当接部が当接板部13Dに当接するようにしてもよく、また、延出部を3つ以上とするようにしてもよい。
ここで、戻しばね14は、基端側となる一対の固定脚部14Aを摩擦パッド6の突起9にかしめ結合することにより摩擦パッド6(裏板7)に固定されている。この場合、戻しばね14は、固定箇所となる固定脚部14Aが、各耳部7B,7Cのディスク径方向中央部位を結ぶ中央線X−Xを跨いで2箇所設けられている。即ち、戻しばね14は、その基端側が中央線X−Xを跨ぐ2箇所位置でディスク径方向に間隔をおいて固定されている。
さらに詳しく説明すると、戻しばね14の固定脚部14A(のかしめ穴14A3)は、パッドガイド3に対する各耳部7B,7Cの対向面、即ち、外側対向面7B1,7C1と内側対向面7B2,7C2を結ぶ線Y−Y,Z−Zよりもディスク径方向中央部位(中央線X−X)に対してディスク径方向外側に配置されている。即ち、一対の固定脚部14Aのうちディスク径方向外側の固定脚部14A(のかしめ穴14A3)は、外側線Y−Yよりもディスク径方向の外側に固定され、一対の固定脚部14Aのうちディスク径方向内側の固定脚部14A(のかしめ穴14A3)は、内側線Z−Zよりもディスク径方向の内側に固定されている。これにより、摩擦パッド6をディスク1から安定した姿勢で離間させることができ、摩擦パッド6のディスク1の被押圧面に対する傾きを抑制することができ、ひいては、摩擦パッド6の引き摺りを抑制することができる。
本実施の形態によるディスクブレーキは、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、車両のブレーキ操作時には、キャリパ5のシリンダ5Dにブレーキ液圧を供給することによりピストン5Eをディスク1に向けて摺動変位させ、これによりインナ側の摩擦パッド6をディスク1の一側面に押圧する。そして、このときにはキャリパ5がディスク1からの押圧反力を受けるため、キャリパ5全体が取付部材2の腕部2Aに対してインナ側に摺動変位し、アウタ脚部5Cがアウタ側の摩擦パッド6をディスク1の他側面に押圧する。
これにより、インナ側とアウタ側の摩擦パッド6は、例えば図2中の矢示A方向(車両の前進時)に回転しているディスク1を、両者の間で軸方向両側から挟持することができ、このディスク1に制動力を与えることができる。そして、ブレーキ操作を解除したときには、シリンダ5D内の液圧が減少していくことにより、インナ側とアウタ側の摩擦パッド6がディスク1から離間し、再び非制動状態に復帰する。このとき、インナ側とアウタ側の摩擦パッド6は、戻しばね14によりディスク1から離間した戻し位置(初期位置、待機位置)に戻される。
ところで、従来技術によれば、摩擦パッドに対する戻しばねの固定箇所が1箇所となっている。そして、摩擦パッドの摺動においては、ディスクの径方向における摩擦パッドの嵌合部とパッドスプリングとの各当接面の経年的な摩擦係数の変化に伴う相違により、摩擦パッドをディスクから離間させる過程で、ディスクの被押圧面に対して摩擦パッドが傾く場合がある。この場合、戻しばねの固定箇所が1箇所であるため、摩擦パッドの傾きを抑制しきれないことがあった。また、別の観点では、摩擦パッドに対する戻しばねの1箇所の固定箇所は、摩擦パッドの嵌合部(耳部)がパッドスプリングに対して摺動する2つのディスク径方向対向面における摺動抵抗力の中心となる摺動中心を考慮してこれらがディスク径方向で同じになるように設定されるようになっている。そして、2つのディスク径方向対向面の経年的な摩擦係数の変化に伴う相違により摺動中心がディスク径方向に移動(変動)することがある。すなわち、摩擦パッドの嵌合部(耳部)のディスク径方向内方の内側対向面と径方向付勢板部とが当接する当接面の摩擦係数を内側摩擦係数とし、摩擦パッドの嵌合部(耳部)のディスク径方向外方の外側対向面と案内板部の外径側板部とが当接する当接面との摩擦係数を外側摩擦係数とした場合、両摩擦係数の相違により摺動中心がディスク径方向に移動(変動)することがある。このような場合に、摺動中心と固定箇所とのオフセットに伴って、摩擦パッドをディスクから離間させる過程で、ディスクの被押圧面に対して摩擦パッドが傾く場合がある。この場合、摩擦パッドの嵌合部(耳部)と取付部材のパッドガイド(パッドスプリング)との間で摺動抵抗が大きくなり、戻しばねによる摩擦パッドのディスクからの離間が不十分となって、引き摺りを抑制しきれないおそれがある。
これに対し、本実施の形態によれば、摩擦パッド6に対する戻しばね14の基端側の固定箇所をディスク径方向に間隔をおいて2つ有している。このため戻しばね14が摩擦パッド6を2点で支持することになるので、戻しばね14が固定箇所同士を水平にしようとする作用によって摩擦パッド6のディスク1の被押圧面に対する傾きを抑制することが可能となる。また、別の観点では、図4および図6に示す摩擦パッド6の摺動中心Cが、摩擦パッド6の耳部7B,7Cとパッドスプリング13との各当接面の経年的な摩擦係数の変化に伴う相違によってディスク径方向に変動しても、摩擦パッド6をディスク1から離間させるときに、摩擦パッド6がディスク1の被押圧面に対して傾くことを抑制することができる。即ち、戻しばね14の基端側の固定箇所を複数とすることで、摺動中心Cと固定箇所とのオフセットを低減することができ、摩擦パッド6をディスク1に対してほぼ平行に離間させる(戻す)ことができる。これにより、ディスク1の被押圧面に対する摩擦パッド6の傾きによって生じる、摩擦パッド6の耳部7B,7Cと取付部材2のパッドガイド3(パッドスプリング13の案内板部13A)との間の摺動抵抗の増大を抑制することができる。この結果、摩擦パッド6をディスク1から安定した姿勢で離間させることができ、摩擦パッド6の引き摺りを抑制することができる。
本実施の形態によれば、戻しばね14の基端側を、各耳部7B,7Cのディスク径方向中央部位を結ぶ中央線X−Xを跨ぐ2箇所で固定しているので、この2箇所の固定位置を、ディスク径方向に離間して配置することができる。これにより、摩擦パッド6の摺動中心Cがディスク径方向に変動しても、この摺動中心Cを、戻しばね14の基端側の2箇所の固定位置の間に位置させることができる。この結果、摩擦パッド6をディスク1に対して平行のまま安定して離間させる(戻す)ことができ、摩擦パッド6の引き摺りをより高次元で抑制することができる。
本実施の形態によれば、戻しばね14の基端側の2箇所の固定位置(かしめ穴14A3)を、各耳部7B,7Cの外側対向面7B1,7C1,内側対向面7B2,7C2を結ぶ線Y−Y,Z−Zよりもディスク径方向中央部位(中央線X−X)に対してディスク径方向外側に配置している。このため、戻しばね14の2箇所の固定位置(かしめ穴14A3)のディスク径方向に関する間隔(離間寸法H1)を大きくすることができる。これにより、摩擦パッド6の摺動中心Cのディスク径方向に関する許容変動量を大きく確保することができる。このため、この面からも、摩擦パッド6の引き摺りを抑制することができる。
次に、図8および図9は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、戻しばねの基端側の2箇所の固定位置を、パッドガイドに対する各嵌合部の対向面を結ぶ線よりもディスク径方向中央部位に対してディスク径方向内側に配置したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
摩擦パッド6の裏板7には、回入側の耳部7Bの近傍に位置して一対の突起21が設けられ、回出側の耳部7Cの近傍に位置して一対の突起22が設けられている。これら各突起21,22は、上述した第1の実施の形態の突起9,10と同様に、裏板7の背面7D側に突出して設けられており、その横断面形状は、非円形(例えば楕円形、小判形)に形成されている。各突起21,22のうちディスク1の回入側に位置する一方の突起21は、後述する戻しばね23を裏板7に対して固定するためのものである。即ち、一方(回入側)の突起21には、戻しばね23のかしめ穴23A3が係合(かしめ結合)される。
ここで、突起21,22は、耳部7B,7Cのディスク径方向中央部位を結ぶ中央線X−Xをディスク径方向に跨いで2箇所に設けられている。より具体的には、突起21,22は、各耳部7B,7Cの外側対向面7B1,7C1を結ぶ外側線Y−Yと内側対向面7B2,7C2を結ぶ内側線Z−Zよりも、ディスク径方向中央部位(中央線X−X)に対してディスク径方向内側に配置されている。即ち、一対の突起21(22)のうちディスク径方向外側の突起21(22)は、外側線Y−Yよりもディスク径方向の内側に配置され、一対の突起21(22)のうちディスク径方向内側の突起21(22)は、内側線Z−Zよりもディスク径方向の外側に配置されている。
この場合、一対の突起21(22)のディスク径方向の離間寸法をH3とし、外側対向面7B1,7C1と内側対向面7B2,7C2との離間寸法H2とした場合に、離間寸法H3を離間寸法H2よりも小さくしている(H3<H2)。後述するように、戻しばね23は、その基端側が一方(回入側)の突起21に固定されることに伴って、その固定箇所は、各線Y−Y,Z−Zよりもディスク径方向中央部位(中央線X−X)に対してディスク径方向内側に配置される。
一方(回入側)の突起21に固定される戻しばね23は、上述した第1の実施の形態の戻しばね14と同様に、摩擦パッド6をディスク1から離間する戻し方向に付勢するものである。ここで、本実施の形態の戻しばね23も、第1の実施の形態の戻しばね14と同様に、一対の固定脚部23Aと、延出部23Bと、当接部23Cとにより大略構成されている。戻しばね23の基端側を構成する各固定脚部23Aは、裏板7の背面7Dに当接する固定板23A1と、該固定板23A1からディスク軸方向に延びる脚板23A2とを有し、固定板23A1の中央部位には、突起21にかしめ結合するかしめ穴23A3が設けられている。
ここで、戻しばね23は、基端側となる一対の固定脚部23Aを摩擦パッド6の突起21にかしめ結合することにより摩擦パッド6(裏板7)に固定されている。この場合、戻しばね23は、固定箇所となる固定脚部23Aが、各耳部7B,7Cのディスク径方向中央部位を結ぶ中央線X−Xを跨いで2箇所設けられている。即ち、戻しばね23は、その基端側が中央線X−Xを跨ぐ2箇所位置で固定されている。
さらに詳しく説明すると、戻しばね23の固定脚部23A(のかしめ穴23A3)は、パッドガイド3に対する各耳部7B,7Cの対向面、即ち、外側対向面7B1,7C1と内側対向面7B2,7C2を結ぶ線Y−Y,Z−Zよりもディスク径方向中央部位(中央線X−X)に対してディスク径方向内側に配置されている。即ち、一対の固定脚部23Aのうちディスク径方向外側の固定脚部23A(のかしめ穴23A3)は、外側線Y−Yよりもディスク径方向の内側に固定され、一対の固定脚部23Aのうちディスク径方向内側の固定脚部23A(のかしめ穴23A3)は、内側線Z−Zよりもディスク径方向の外側に固定されている。
このように構成される第2の実施の形態においても、上述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態では、戻しばね23の基端側の2箇所の固定位置(かしめ穴23A3)を、各耳部7B,7Cの外側対向面7B1,7C1,内側対向面7B2,7C2を結ぶ線Y−Y,Z−Zよりもディスク径方向中央部位(中央線X−X)に対してディスク径方向内側に配置している。このため、戻しばね23の2箇所の固定位置(かしめ穴23A3)のディスク径方向に関する間隔(離間寸法H3)を小さくすることができる。これにより、戻しばね23の基端側を小型に構成することができ、戻しばね23の基端側の周囲の空間の自由度を向上することができる。具体的には、例えば、戻しばね23の基端側に近接するキャリパ5の回入側の爪部5C1(図2参照)を大きくし、その分、キャリパ5の剛性を確保することができ、ペダルフィーリングの向上、ブレーキ鳴きの抑制を図ることができる。
なお、上述した各実施の形態では、戻しばね14,23の摩擦パッド6への固定箇所を2個とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、戻しばねの摩擦パッドへの固定箇所を3個以上としてもよい。例えば、戻しばねの摩擦パッドへの固定箇所を3個とする場合は、戻しばねの固定箇所を、各嵌合部のディスク径方向中央部位を結ぶ線上に1箇所と該結ぶ線を跨いで2箇所との合計3箇所設ける構成とすることができる。
上述した各実施の形態では、ディスク1の回入側にのみ戻しばね14,23を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、ディスクの回入側と回出側との両方に戻しばねを設ける構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、戻しばね14,23を摩擦パッド6にかしめ固定する例を示したが、これに限らず、例えば、戻しばねを摩擦パッドの裏板にクランプすることで固定してもよく、固定方法は、適宜設計可能である。
上述した各実施の形態では、ディスク1のインナ側とアウタ側とに各案内板部13A、径方向付勢板部13C等を有した所謂一体型のパッドスプリング13を用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えばパッドスプリングをディスクのインナ側とアウタ側とで切り離したような形状をもつ2個のパッドスプリングを、ディスクのインナ側、アウタ側にそれぞれ配設する構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、キャリパ5のインナ脚部5Aに2個のピストン5Eを設ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、キャリパのインナ脚部に1個のピストンを設ける構成としてもよいし、キャリパのインナ脚部に3個以上のピストンを設ける構成としてもよい。
以上の実施の形態によれば、摩擦パッドの引き摺りを抑制することができる。
即ち、実施の形態によれば、摩擦パッドに対する戻しばねの基端側の固定箇所をディスク径方向に間隔をおいて複数有しているので、摩擦パッドをディスクから離間させるときに、摩擦パッドがディスクの被押圧面に対して傾くことを抑制することができる。即ち、戻しばねの基端側の固定箇所を複数とすることで、戻しばねが固定箇所同士を水平にしようとする作用によって、摩擦パッドをディスクに対してほぼ平行に離間させる(戻す)ことができる。これにより、摩擦パッドの嵌合部と取付部材との間の摺動抵抗の増大を抑制することができる。この結果、摩擦パッドをディスクから安定して離間させることができ、摩擦パッドの引き摺りを抑制することができる。
実施の形態によれば、戻しばねの基端側を、嵌合部のディスク径方向中央部位を結ぶ線を跨ぐ2箇所で固定しているので、この2箇所の固定位置を、ディスク径方向に離間して配置することができる。これにより、摩擦パッドの摺動中心がディスク径方向に変動しても、この摺動中心を、戻しばねの基端側の2箇所の固定位置の間に位置させることができる。この結果、摩擦パッドをディスクに対してほぼ平行のまま安定した姿勢で離間させる(戻す)ことができ、摩擦パッドの引き摺りをより高次元で抑制することができる。
実施の形態によれば、戻しばねの基端側の2箇所の固定位置を、パッドガイドに対する各嵌合部の対向面を結ぶ線よりもディスク径方向中央部位に対してディスク径方向外側に配置しているので、戻しばねの2箇所の固定位置のディスク径方向に関する間隔を大きくすることができる。これにより、摩擦パッドの摺動中心のディスク径方向に関する許容変動量を大きく確保することができる。
実施の形態によれば、戻しばねの基端側の2箇所の固定位置を、パッドガイドに対する各嵌合部の対向面を結ぶ線よりもディスク径方向中央部位に対してディスク径方向内側に配置しているので、戻しばねの2箇所の固定位置のディスク径方向に関する間隔を小さくすることができる。これにより、戻しばねの基端側を小型に構成することができ、戻しばねの基端側の周囲の空間の自由度を向上することができる。具体的には、例えば、戻しばねの基端側に近接するキャリパの爪部を大きくし、その分、キャリパの剛性を確保することができ、ペダルフィーリングの向上、ブレーキ鳴きの抑制を図ることができる。
1 ディスク
2 取付部材
3 パッドガイド
5 キャリパ
6 摩擦パッド
7B,7C 耳部(嵌合部)
13 パッドスプリング
14,23 戻しばね
14A,23A 固定脚部

Claims (3)

  1. ディスクを跨いで車両の非回転部分に取付けられ、ディスクの回転方向に凹む凹溝として形成されるパッドガイドを有する取付部材と、
    該取付部材に摺動可能に設けられるキャリパと、
    前記パッドガイドに摺動可能に嵌合する嵌合部が前記ディスクの周方向の両端部にそれぞれ延びて形成され、前記キャリパにより前記ディスクに押圧される摩擦パッドと、
    前記パッドガイドに取付けられ、前記摩擦パッドの前記嵌合部が摺動するとともに、前記摩擦パッドをディスクの径方向外側へ付勢するパッドスプリングと、
    前記摩擦パッドに基端側が固定され先端側が前記取付部材側に対向配置されて、該摩擦パッドを前記ディスクから離間する戻し方向に付勢する戻しばねと、を備えたディスクブレーキにおいて、
    前記戻しばねは、基端側における前記摩擦パッドへの固定箇所をディスク径方向に間隔をおいて複数有することを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記戻しばねの固定箇所は、前記各嵌合部のディスク径方向中央部位を結ぶ線を跨いで2箇所設けられていることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記戻しばねの固定箇所は、前記パッドガイドに対する前記各嵌合部の対向面を結ぶ線よりもディスク径方向中央部位に対してディスク径方向外側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ。
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