JP4191329B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両等に制動力を与えるのに好適に用いられるディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の車両に用いられるディスクブレーキは、車両に取付けられる取付部材と、該取付部材によってディスクの軸方向に変位可能に支持されるキャリパと、ディスクを挟んでディスクの両側に設けられ、該キャリパによりディスクに押圧される一対の摩擦パッドとから構成されたものが知られている。
【0003】
この種の従来技術によるディスクブレーキでは、キャリパは、インナ側とアウタ側の摩擦パッドをディスクの両面に押圧するために、ディスクの外周を跨ぐように設けられている。そのために、キャリパは、ディスクのインナ側に配置されインナ側の摩擦パッドをディスクに押圧するピストンが摺動可能に設けられたインナ脚部と、ディスクのアウタ側に位置して該インナ脚部と一体に設けられ、アウタ側の摩擦パッドをディスクに押圧する爪部が設けられたアウタ脚部とを有する構成となっている。
【0004】
即ち、上記キャリパでは、インナ脚部が取付部材により軸方向に摺動可能に支持された固定端となり、アウタ脚部がディスクのアウタ側に延びた自由端となっている。
【0005】
そして、ブレーキの操作時には、インナ脚部のピストンがインナ側の摩擦パッドをディスクのインナ側面に押圧すると、このときの反力でキャリパ全体が取付部材に対してディスクのインナ側に摺動変位し、これによってアウタ脚部の爪部がアウタ側の摩擦パッドをディスクのアウタ側面に押圧する。この結果、キャリパは、車輪と共に回転するディスクに対して両面側から制動力を与える構成となっている。
【0006】
ところで、上記説明したディスクブレーキでは、図9に示すように、制動時、摩擦パッド112,117に作用する制動トルクを、ディスクDの回転方向出口側にある取付部材101の腕部102が受け止める。このため、ディスクDの回転方向出口側の腕部102は、ディスクDの回転方向出口側に変形し、これに伴い、アウタ側の摩擦パッド117はディスクDの回転方向出口側に移動する。
【0007】
このとき、アウタ側の摩擦パッド117と、該パッド117を押圧する爪部109のパッド117に対する当接面との間の摩擦係数が大きいと、該パッド117と爪部109のパッド117に対する当接面との間の摩擦力によって、キャリパ104にはモーメントMが発生する。
【0008】
これにより、アウタ側の摩擦パッド117に作用する面圧が、ディスクDの回転方向出口側で大きくなって、ディスクDの回転方向入口側と出口側とで不均等となり、パッド117の偏摩耗やブレーキ鳴き等の不具合が発生していた。
【0009】
そこで、上記のような不具合を解決するために、図10図11に示すように、アウタ側の摩擦パッド117と爪部109のパッド117に対する当接面との間に、例えばゴムをコーティングした第1のシム板120をアウタ側のパッド117の裏面側に固定して設けると共に、例えばステンレス鋼からなる第2のシム板124を裏面側が爪部109に接触した状態で設け、両シム板120,124間にグリスを塗布したディスクブレーキが知られている(例えば、特開平10−318301号公報等)。
【0010】
このディスクブレーキにあっては、ブレーキの操作時に、キャリパ104により第1,第2のシム板120,124を介して摩擦パッド117がディスクDに押圧されると、ディスクDの回転方向出口側の腕部102は、ディスクDの回転方向出口側に変形し、これに伴い、アウタ側の摩擦パッド117はディスクDの回転方向出口側に移動しようとする。
【0011】
しかしながら、アウタ側のパッド117と爪部109のパッド117に対する当接面との間には、グリスを間に塗布した第1,第2のシム板120,124が設けられ、両シム板120,124間でアウタ側のパッド117とキャリパ104の爪部109とが相対移動可能になっているため、キャリパ104の爪部109に接触する第2のシム板124に対して、アウタ側の摩擦パッド117と第1のシム板120とは、図12に示すように、取付部材101の腕部102の変形と共に、ディスクDの回転方向へと移動する。
【0012】
これにより、ディスクDの回転方向側へのアウタ側のパッド117の移動に対して、爪部109の同方向への移動が抑えられることによって、キャリパ104に発生するモーメントMも抑えることができるので、摩擦パッド117に作用する面圧が、ディスクDの回転方向入口側と出口側とで不均等となってパッドの偏摩耗やブレーキ鳴き等が発生するのを低減することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術は、制動中は、キャリパ104側に接触する第2のシム板124に対して、アウタ側の摩擦パッド117と第1のシム板120とが、取付部材101の腕部102の変形と共に、ディスクDの回転方向出口側へ移動する構成になっているため、第2のシム板124は、アウタ側の摩擦パッド117に対して、相対的にディスクDの回転方向入口側へずれることになる。
【0014】
これに対し、ブレーキの操作解除時すなわち制動解除時は、腕部102の変形復元に伴い、アウタ側の摩擦パッド117と第1のシム板120とはディスクDの回転方向出口側へ移動し、元の位置に戻ろうとする。
【0015】
しかしながら、この際は、アウタ側の摩擦パッド117に対して爪部109からの押圧力も作用しなくなっているので、爪部109に接触する第2のシム板124は、第1,第2のシム板120,124間に塗布したグリスの粘性によって、腕部102の変形復元に伴うアウタ側の摩擦パッド117と第1のシム板120とのディスクDの回転方向入口側への移動に連動して、取付部材101の両腕部102,102間で規定される空間内を、ディスクDの回転方向入口側へ移動してしまう。
【0016】
この結果、第2のシム板124は、制動解除の度毎に、アウタ側の摩擦パッド117と第1のシム板120に対して相対的にディスクDの回転方向入口側へずれることになり、取付部材101の両腕部102,102間で規定される空間内をディスクDの回転方向入口側へ移動して、しまいには、図13に示すように、取付部材101のディスクDの回転方向入口側の腕部102に接触するに到る。
【0017】
そして、この第2のシム板124がディスクDの回転方向入口側の腕部102に接触した状態で、大トルクの制動を行ったり、アンチスキッドブレーキシステム(ABS)が働いて制動および制動解除が頻繁に繰返された場合には、図14に示すように、第2のシム板124がディスクDの回転方向入口側の腕部102に乗上げる虞れがあった。
【0018】
さらに、この乗上げによって、第2のシム板124が損傷したり、反り等の塑性変形を生じたりする虞れがあった。
【0019】
また、この結果、第2のシム板124は第1のシム板120に対しても円滑な相対移動ができなくなるため、パッド117の偏摩耗やブレーキ鳴き等の不具合も再び生じ易くなり、ディスクブレーキの耐久性や信頼性が低下するという問題がある。
【0020】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、爪部に接触する第2のシム板がアウタ側の摩擦パッドに引摺られて過大に移動するのを防止でき、第2のシム板を保護できると共に、耐久性、信頼性を向上できるようにしたディスクブレーキを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明は、車両に取付けられる取付部材と、該取付部材によってディスクの軸方向に変位可能に支持されるキャリパと、該キャリパとディスクとの間に設けられ、該キャリパによりディスクに押圧されるインナ側,アウタ側の摩擦パッドと、該摩擦パッドのうち少なくともアウタ側の摩擦パッドの裏面側にディスクの回転方向と径方向とに不動に設けられた第1のシム板と、該第1のシム板の裏面側に設けられ該第1のシム板と前記摩擦パッドとをディスクの回転方向に移動可能に案内する第2のシム板とからなり、前記キャリパは、ディスクのインナ側に配置され前記インナ側の摩擦パッドをディスクに押圧するピストンが摺動可能に設けられたインナ脚部と、ディスクのアウタ側に位置して該インナ脚部と一体に設けられ、前記アウタ側の摩擦パッドをディスクに押圧する爪部が設けられたアウタ脚部とを備えてなるディスクブレーキに適用される。
【0022】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記第2のシム板の裏面側には、ディスクの回転方向で前記爪部の外側面に対し前記第2のシム板の板厚よりも広い幅でディスクのほぼ径方向に延びる直線に沿って当接可能な移動規制片を設け、該移動規制片は、前記第2のシム板が前記キャリパと相対移動するときに前記取付部材よりも先に前記爪部の外側面に当接することによって、前記第2のシム板のディスクの回転方向への移動規制する構成としたことにある。
【0023】
このように構成することにより、ブレーキの操作時には、ディスクから伝わる反力によって摩擦パッドがディスクの回転方向に引摺られると、この摩擦パッドと第1のシム板とは、第2のシム板に対してディスクの回転方向に相対移動することができる。このとき、第2のシム板の移動規制片はキャリパの爪部の外側面対し前記第2のシム板の板厚よりも広い幅でディスクのほぼ径方向に延びる直線に沿って当接し、キャリパの爪部と第2のシム板との接触位置を安定して保持できると共に、第2のシム板が摩擦パッドと第1のシム板に引摺られてキャリパに対しディスクの回転方向に移動するのを規制することができる。
特に、ブレーキの操作時に、例えばディスクからの反力等がアウタ側の摩擦パッドと第1のシム板とを介して第2のシム板に加わる場合、またはディスクからの反力等によってキャリパのアウタ脚部が傾くように変位する場合にも、第2のシム板の移動規制片はキャリパの爪部の外側面に当接し、キャリパの爪部と第2のシム板との接触位置を安定して保持でき、このシム板が爪部に対してディスクの回転方向に移動するのを防ぐことができる。
【0024】
また、請求項2の発明によると、前記移動規制片は、ディスクのほぼ径方向で前記キャリパの爪部の外側面に沿って延びる直線に沿って折曲げることにより形成している。
【0025】
これにより、第2のシム板がディスクの回転方向に移動しようとするときには、その移動規制片がキャリパの一部に広い面積で当接し、移動規制片によってキャリパに対するシム板の移動を防ぐことができる。
【0026】
さらに、請求項3の発明によると、前記移動規制片は、車両前進時でのディスク回転方 向の出口側に少なくとも形成している。
【0027】
この場合には、車両前進時でのブレーキ操作により、ディスクからの反力等がアウタ側の摩擦パッドに設けた第2のシム板に加わるときには、その移動規制片は、車両前進時でのディスク回転方向の出口側でアウタ脚部の爪部の外側面に当接することができ、この爪部と第2のシム板との接触位置を安定して保持することができる。
【0028】
一方、請求項4の発明が採用する構成の特徴は前記第2のシム板の裏面側には、ディスクの回転方向で前記爪部の内側面に対し前記第2のシム板の板厚よりも広い幅でディスクのほぼ径方向に延びる直線に沿って当接可能な移動規制片を設け、該移動規制片は、前記第2のシム板が前記キャリパと相対移動するときに前記取付部材よりも先に前記爪部の内側面に当接することによって、前記第2のシム板のディスクの回転方向への移動を規制する構成としたことにある。
【0029】
これにより、ディスクからの反力等がアウタ側の摩擦パッドに設けた第2のシム板に加わるときには、その移動規制片は、キャリパのアウタ脚部のうち爪部の内側面に広い面積で当接することができ、この爪部と第2のシム板との接触位置を安定して保持することができる。
【0030】
さらに、請求項5の発明によると、前記移動規制片は、前記キャリパの爪部の内側面に沿ってディスクのほぼ方向に延びる直線に沿って折曲げることにより形成している。
【0031】
これにより、第2のシム板がディスクの回転方向に移動しようとするときには、その移動規制片がキャリパの爪部の内側面に広い面積で当接し、このとき移動規制片は、キャリパに対する第2のシム板の移動を防ぐことができる。
【0032】
また、請求項6の発明によると、摩擦パッドはディスクの回転方向に延びる略扇形状に形成し、前記第2のシム板は、表面側が前記第1のシム板の裏面側に重ね合わされ裏面側に前記移動規制片が形成された平板部と、該平板部の外周縁に屈曲して設けられ、前記摩擦パッドの径方向内側端縁と径方向外側端縁にそれぞれ移動可能に係合する複数の係合爪部とにより構成している。
【0033】
これにより、第2のシム板は、複数の係合爪部を用いて摩擦パッドと第1のシム板の裏面側に移動可能に取付けることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるディスクブレーキを、自動車等の車両に適用した場合を例に挙げ、図1ないし図8を参照して詳細に説明する。ここで、図1ないし図6は本発明による第1の実施の形態を示している。
【0035】
1は自動車等の車輪と共に回転するディスクDのインナ側で車両の非回転部分に一体的に取付けられる取付部材で、該取付部材1は、ディスクDの回転方向に離間して、該ディスクDの外周を跨ぐように軸方向に伸長した一対の腕部2,2と、該各腕部2の基端側(インナ側)を連結し、車両の非回転部分に対する取付孔が形成された連結部3とから一体形成されている。
【0036】
また、各腕部2には、図1に示す如くディスクDの径方向内側に向けて突設され、ディスクDの回転方向入口側、出口側となる位置で互いに対向するトルク受部2A,2Aと、後述のパッドスプリング29と共にインナ側,アウタ側の摩擦パッド12,17をディスクDの軸方向へと摺動可能に案内する断面略凹形状のパッドガイド部2B,2Bが形成されている。
【0037】
4は取付部材1により一対の摺動ピン(図示せず)等を用いてディスクDの軸方向に摺動可能に支持されたキャリパで、該キャリパ4は、図1および図2に示す如く、ディスクDのインナ側に配設されたインナ脚部5と、該インナ脚部5からディスクDのアウタ側に延設されたブリッジ部6と、該ブリッジ部6の先端側に設けられ、後述の爪部9,10,11等が設けられたアウタ脚部7とから構成されている。
【0038】
ここで、インナ脚部5の内部にはシリンダ5Aが形成され、該シリンダ5A内には円形カップ状のピストン8が摺動可能に挿嵌されている。そして、ピストン8は、外部からブレーキ液圧が供給されることによりシリンダ5A内を摺動し、これによって摩擦パッド12,17をディスクDに押圧するものである。
【0039】
9,10,11は摩擦パッド17をディスクDに押圧するためアウタ脚部7に設けられた例えば3個の爪部で、該爪部9,10,11は、図1、図2に示す如く、基端側がディスクDのアウタ側でブリッジ部6に一体形成され、先端側が径方向内向きに延びると共に、ディスクDの回転方向に間隔をもって配置されている。
【0040】
そして、左側に位置する爪部9は、爪部10に面した内側面9Aと外側面9Bとを有し、中央の爪部10も側面10A,10Bを有している。さらに、右側の爪部11も、内側面11Aと外側面11Bとを有している。そして、爪部9,11の外側面9B,11Bには、後述する外側シム板24の移動規制片28,28がそれぞれ当接するものである。
【0041】
12はキャリパ4のインナ脚部5とディスクDとの間に配設されるインナ側の摩擦パッドで、該摩擦パッド12は、図2に示す如くディスクDの回転方向に延びる略扇形状の裏金13と、該裏金13の表面側に固着され、ブレーキ操作時にディスクDと摩擦接触するライニング14等とから構成されている。
【0042】
また、裏金13の裏面側には、ブレーキ鳴き等を低減させるために例えばゴム等の材料をコーティングしたシム板15と、該シム板15の保護およびピストン8による面圧の均等化を図るためステンレス等の防錆金属板により形成され、該シム板15上にディスクDの回転方向に移動可能に取付けられた他のシム板16とが配設されている。そして、摩擦パッド12は、ブレーキ操作時にシム板15,16を介してディスクDに押圧されるものである。
【0043】
17はインナ側の摩擦パッド12とほぼ同様に構成されたアウタ側の摩擦パッドで、該摩擦パッド17は、図1ないし図3に示す如く、ディスクDの回転方向に延設された略扇形状の裏金18と、該裏金18の表面側に固着され、ブレーキ操作時にディスクDと摩擦接触するライニング19等とから構成されている。
【0044】
ここで、裏金18は、ディスクDの径方向内側に位置して裏金18の板厚方向に延びる側面が略円弧状の内側端縁18Aとなり、該内側端縁18Aの左,右両側には後述する内側シム板20用の取付溝18B,18Bが設けられている。また、裏金18は、その径方向外側の側面が略円弧状の外側端縁18Cとなり、該外側端縁18Cの中央にはシム板20用の取付溝18Dが設けられている。
【0045】
また、裏金18は、その両端側に突設された凸形状の耳部18E,18Eがパッドスプリング29を介して各腕部2のパッドガイド部2Bに摺動可能に挿嵌されている。これにより、摩擦パッド17は、インナ側の摩擦パッド12と共に各パッドガイド部2BによりディスクDの軸方向に対して摺動可能に支持されている。
【0046】
そして、摩擦パッド17は、裏金18に後述の内側シム板20と外側シム板24が取付けられた状態で爪部9,10,11とディスクDとの間に配設され、ブレーキ操作時には、摩擦パッド17が爪部9,10,11により内側シム板20と外側シム板24とを介してディスクDに押圧される構成となっている。
【0047】
20は摩擦パッド17の裏面側に取付けられた第1のシム板としての内側シム板で、該内側シム板20は、図3、図4等に示す如く、例えば硬質ゴム、樹脂等の摩擦係数が比較的大きく裏金18よりも軟質な材料を鋼板(図示せず)等の両面側にコーティングすることによって形成されている。
【0048】
そして、内側シム板20は、ディスクDの回転方向に延設され裏金18の裏面側に重ね合わされた略扇形状の平板部21と、該平板部21の内周縁に一体形成され、左,右に離間した一対の係合爪部22,22と、平板部21の外周縁に一体形成された係合爪部23とから構成されている。
【0049】
また、これらの係合爪部22,23は、平板部21から摩擦パッド17の厚さ方向に屈曲して延び、それぞれ裏金18の取付溝18B,18Dに係合されている。これにより、内側シム板20は、摩擦パッド17の裏面側に一体的に固定され、裏金18に対してディスクDの回転方向および径方向に不動となっている。
【0050】
24は内側シム板20と重ね合わせて摩擦パッド17の裏面側に設けられた第2のシム板としての外側シム板で、該外側シム板24は、図3ないし図6に示す如く、例えばステンレス等の防錆金属板をプレス加工することによって形成されている。
【0051】
ここで、外側シム板24は、摩擦パッド17の裏面側に重り合うようにディスクDの回転方向に延設された略扇形状の平板部25と、該平板部25の内周縁に一体形成され、左,右に離間した一対の係合爪部26,26と、平板部25の外周縁に一体形成され、左,右に離間した一対の係合爪部27,27と、後述の移動規制片28,28とから構成されている。
【0052】
そして、平板部25は、表面側が内側シム板20の平板部21に摺動可能に重ね合わされ、この表面側と内側シム板20との間には、例えばグリス等の潤滑剤が塗布されている。また、平板部25は、裏面側がキャリパ4の爪部9〜11に接触している。この場合、平板部25は、内側シム板20に対する表面側での摩擦係数の方が、キャリパ4の爪部9〜11に対する裏面側での摩擦係数よりも小さくなるように構成されている。
【0053】
一方、係合爪部26,27は、平板部25から摩擦パッド17の厚さ方向に屈曲して延び、それぞれ裏金18の内側端縁18A、外側端縁18Cに対して図1、図3中の記号S−S′に示す接線方向、即ち取付部材1の一対の腕部2,2間(各トルク受部2A,2A間)の距離方向に移動可能に係合されると共に、外側シム板24を裏金18に対してディスクDの径方向に位置決めしている。
【0054】
28,28は外側シム板24の長さ方向両端側にキャリパ4と当接可能に設けられた移動規制片で、該各移動規制片28は、図4、図5に示す如く、平板部25の両端側をディスクDのほぼ径方向に延びる直線O1 −O1 に沿って裏金18と反対側に折曲げることにより形成され、平板部25からほぼ直角に屈曲して摩擦パッド17の裏面側に突出している。
【0055】
そして、図5中に示す左側の移動規制片28は、その表面側が爪部9の外側面9Bに 側シム板24の板厚よりも広い幅で当接可能となり、右側の移動規制片28は表面側が爪部11の外側面11Bに外側シム板24の板厚よりも広い幅で当接可能となっている。これにより、外側シム板24は、キャリパ4に対しディスクDの回転方向(取付部材1の一対の腕部2,2間の距離方向)に大きく変位するのを規制され、この状態で裏金18と内側シム板20とは、外側シム板24の係合爪部26,27によって案内されつつ腕部2,2間の距離方向に移動する構成となっている。
【0056】
29,29は各腕部2のパッドガイド部2Bに設けられた一対のパッドスプリングで、該各パッドスプリング29は、図1に示す如く裏金18の各耳部18E等を介して摩擦パッド12,17をディスクDの軸方向に摺動可能に案内するものである。
【0057】
本実施の形態によるディスクブレーキは上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0058】
まず、運転者がブレーキ操作を行うと、図2中のピストン8が外部からの液圧供給によりキャリパ4のシリンダ5A内でディスクD側に摺動し、シム板15,16を介してインナ側の摩擦パッド12をディスクDに押圧する。そして、キャリパ4は全体がピストン8からの反力によりディスクDのインナ側に向けて摺動変位し、そのアウタ脚部7が外側シム板24と内側シム板20とを介してアウタ側の摩擦パッド17をディスクDに押圧する。これにより、ディスクDは摩擦パッド12,17により両面側から制動力を与えられる。
【0059】
また、このとき摩擦パッド12,17はディスクDからの回転力(制動トルク)に引摺られ、図1中に示す各トルク受部2A,2AのうちディスクDの回転方向出口側の各トルク受部2Aへ、ディスクDからの回転力(制動トルク)を伝達する。
【0060】
これにより、摩擦パッド12,17を介してディスクDからの回転力が伝達される側のトルク受部2Aは、この回転力によって各トルク受部2A,2A間を拡開するように変形してしまうため、摩擦パッド17も、この拡開された各トルク受部2A,2A間内で、ディスクDの回転方向入口側から出口側へ向かう方向S−S′に変位しようとする。
【0061】
ところが、この場合、摩擦パッド17は、その外側シム板24の両面側での摩擦係数の差によって、摩擦パッド17と内側シム板20とが外側シム板24に対して、各トルク受部2A,2A間でディスクDの回転方向入口側から出口側に向かう方向S−S′に移動しようとする。
【0062】
この結果、ディスクDから摩擦パッド17を介してキャリパ4の自由端となっているアウタ脚部7の伝わる回転力(制動トルク)は、外側シム板24に対する摩擦パッド17と内側シム板20の相対移動によって吸収され、軽減される。
【0063】
これにより、キャリパ4は、その自由端となっているアウタ脚部7が、この移動する摩擦パッド17と内側シム板20に引摺られるのを防ぐことができ、キャリパ4に従来技術の図9で示したような回転モーメントMが発生するのを抑制でき、キャリパ4が摩擦パッド17をディスクDに押圧するときの面圧を均等化して、摩擦パッド12,17の偏摩耗や、ブレーキ鳴き等を防止することができる。
【0064】
そして、上述した従来技術では、制動中は、摩擦パッド17と内側シム板20とが、キャリパ4のディスクDの回転方向の出口側の変形と共に、各トルク受部2A,2A間内をディスクDの回転方向出口側へ移動する構成になっているため、爪部9,10,11からの押圧力(クランプ力)を受けた外側シム板24は、摩擦パッド17に対して、相対的にディスクDの回転方向入口側へずれることになる。
【0065】
これに対し、ブレーキの操作解除時すなわち制動解除時は、この回転方向出口側のトルク受部2A(腕部2)の変形復元に伴い、摩擦パッド17と内側シム板20とは外側シム板24に対してディスクDの回転方向出口側へ移動し、元の位置に戻ろうとする。
【0066】
この際には、外側シム板24に対する爪部9,10,11からの押圧力(クランプ力)も作用しなくなっているので、爪部9,10,11に接触する外側シム板24は、この腕部2の変形復元に伴い、内側シム板20との間に塗布したグリスの粘性によって、摩擦パッド17および内側シム板20とに対しディスクDの回転方向入口側へ相対移動し、キャリパ4の両腕部2,2間で規定される空間内をディスクDの回転方向入口側へ移動しようとする。
【0067】
この結果、外側シム板24は、制動解除の度毎に、摩擦パッド17と内側シム板20に対して相対的にディスクDの回転方向入口側へずれることになり、キャリパ4の両腕部2,2間で規定される空間内をディスクDの回転方向入口側へ移動し、しまいには、従来技術の図13に示す場合と同様に、キャリパ4のディスクDの回転方向入口側のトルク受部2A(腕部2)に接触するに到ろうとする。
【0068】
しかしながら、本実施の形態では、外側シム板24が回転方向入口側のトルク受部2A(腕部2)に接触する前に、外側シム板24に対して爪部9,11の外側面9B,11Bに当接可能となった左,右の移動規制片28,28を設ける構成としている。
【0069】
これにより、摩擦パッド17が制動解除の度毎にキャリパ4のディスクDの回転方向入口側へ移動していくときでも、外側シム板24が回転方向入口側のトルク受部2A(腕部2)に接触し、トルク受部2A(腕部2)に乗上げる前に、外側シム板24は左,右の移動規制片28,28の少なくとも一方が爪部9,11の外側面9B,11Bに当接して、摩擦パッド17のディスクDの回転方向入口側へのこれ以上の移動が規制されるので、大トルクの制動を行ったり、アンチスキッドブレーキシステム(ABS)が働いて制動および制動解除が頻繁に繰返された場合にも、外側シム板24がディスクDの回転方向入口側の腕部2に乗上げるのを防止することができる。
【0070】
特に、本実施の形態のディスクブレーキのように、各腕部2の基端側(インナ側)同士に連結し、車両の非回転部分に対する取付孔が形成された連結部3に加え、各腕部2の先端側(アウタ側)同士を連結する補助連結部3′を有するものでは、制動時に、ディスクDの回転方向出口側のトルク受部2A(腕部2)の変形が補助連結部3′を介して回転方向入口側のトルク受部2A(腕部2)に伝達され、回転方向入口側のトルク受部2Aも変形し易い。この場合、外側シム板24が回転方向入口側のトルク受部2A(腕部2)に近接または接触した状態にあると、外側シム板24は、回転方向入口側のトルク受部2Aが変形したときに該トルク受部2Aに乗り上げさせようとする力を受ける。
【0071】
このような場合においても、この制動時に変形する回転方向入口側のトルク受部2A(腕部2)が予め当接しないように、外側シム板24は左,右の移動規制片28,28の少なくとも一方が爪部9,11の外側面9B,11Bに当接して、外側シム板24の位置を規制することができるので、外側シム板24がディスクDの回転方向入口側の腕部2に乗り上げるのを防止することができる。
【0072】
従って、ブレーキの操作時には、ディスクDの回転方向側への摩擦パッド17の移動は、外側シム板24に対する摩擦パッド17と内側シム板20の相対移動によって吸収され、爪部9,10,11の同方向への移動が抑えられることによって、キャリパ4に発生するモーメントMを抑えることができるので、摩擦パッド17に作用する面圧が、ディスクDの回転方向入口側と出口側とで不均等となってパッドの偏摩耗やブレーキ鳴き等が発生するのを低減することができる。
【0073】
また、この外側シム板24には、ディスクDの回転方向に対して爪部9,11の両側に左,右の移動規制片28を設けたので、外側シム板24を安定的に保持でき、例えば大トルクの制動を行ったり、アンチスキッドブレーキシステムが働いて制動および制動解除が頻繁に繰返された場合でも、外側シム板24の保護を図ることができ、ブレーキ鳴き等を長期間に亘り安定的に抑制できると共に、ディスクブレーキとしての耐久性、信頼性を向上させることができる。
【0074】
さらに、移動規制片28を、平板部25の両端側をディスクDのほぼ径方向に延びる直線O1 −O1 に沿って折曲げることにより形成したので、移動規制片28を容易に形成できると共に、外側シム板24がディスクDの回転方向に移動しようとするときには、移動規制片28を爪部9,11の外側面9B,11Bに広い面積をもって当接させることができ、外側シム板24の移動を安定して規制することができる。
【0075】
次に、図7および図8は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0076】
31は摩擦パッド17の裏面側に内側シム板20を介して設けられる外側シム板で、該外側シム板31は、前記第1の実施の形態の外側シム板24とほぼ同様に、平板部32、係合爪部33,33,34,34と、後述の移動規制片35,35とから構成されている。
【0077】
35,35は平板部32に設けられた移動規制片で、該各移動規制片35は、左,右の切取穴35A,35Aの位置で平板部32の一部をディスクDのほぼ径方向に延びる直線O2 −O2 に沿って裏金18と反対側に折曲げることにより形成されている。そして、これらの移動規制片35は、キャリパ4の爪部9の内側面9Aの近傍、爪部11の内側面11Aの近傍にそれぞれ突出し、これらの内側面9A,11Aに外側シム板31の板厚よりも広い幅で当接可能となっている。
【0078】
そして、外側シム板31は、左,右の移動規制片35,35が爪部9,11の内側面9A,11Aに当接することによってキャリパ4に対しディスクDの回転方向に大きく変位するのを規制され、この状態で裏金18と内側シム板20とは、外側シム板31の係合爪部33,34によって案内されつつディスクDの回転方向に移動する構成となっている。
【0079】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、外側シム板31に対して、爪部9,11の内側面9A,11Aに当接可能となった移動規制片35を設ける構成としたので、外側シム板31の長さ方向両端側に移動規制片を設けなくてもよくなくなり、外側シム板31の長さ寸法をキャリパ4等の外形に制限されることなく形成できると共に、その小型化を図ることができる。
【0080】
なお、前記第1の実施の形態では、外側シム板24,31にそれぞれ移動規制片28,35を設ける構成としたが、本発明はこれに限らず、例えば移動規制片28,35のうち任意の移動規制片を組合わせて単一の外側シム板に対し一緒に設ける構成としてもよい。
【0081】
また、前記第2の実施の形態では、一対の移動規制片35が爪部9,11の内側面9A,11Aに当接する構成としたが、本発明はこれに限らず、例えば一対の移動規制片を爪部10の左,右両側に配設し、これらの移動規制片が爪部10の側面10A,10Bと当接する構成としてもよい。
【0082】
さらに、前記各実施の形態では、ディスクDの回転方向いずれの方向(車両前進回転方向または車両後進回転方向のうちのいずれ)に対しても、アウタ側の摩擦パッド17の外側シム板24,31に設けた移動規制片28,35がキャリパ4の爪部9,10,11と当接して、外側シム板24,31の移動を規制するようになっているが、移動規制片28,35は、少なくともディスクDの車両後進回転方向に対してのみ、外側シム板24,31,41の移動を規制するようになっていればよい。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、第2のシム板の裏面側には、ディスクの回転方向で前記爪部の外側面に対し前記第2のシム板の板厚よりも広い幅でディスクのほぼ径方向に延びる直線に沿って当接可能な移動規制片を設け、該移動規制片は、前記第2のシム板が前記キャリパと相対移動するときに取付部材よりも先に前記爪部の外側面に当接することによって、前記第2のシム板がキャリパに対しディスクの回転方向に移動するのを規制する構成としたので、第2のシム板が回転方向入口側のトルク受部(腕部)に接触する前に、第2のシム板はその移動規制片がキャリパの爪部の外側面に当接することによって、回転方向入口側のトルク受部(腕部)に接触するのを防ぐことができる。また、第1,第2のシム板を少なくともアウタ側の摩擦パッドに取付ける構成としたので、アウタ側の摩擦パッドがディスクからの反力等によって回転方向に移動したり、キャリパの爪部が外力等によって変位したりするときには、第2のシム板の移動規制片をキャリパの爪部の外側面に当接させることができ、このシム板がキャリパに対してディスクの回転方向に移動するのを規制することができる。
【0084】
しかも、移動規制片は、第2のシム板がディスクの回転方向に移動するときにキャリパの爪部の外側面に当接可能な構成としたので、ディスクからの反力等がアウタ側の摩擦パッドに設けた第2のシム板に加わるときには、その移動規制片をアウタ脚部の爪部に当接させることができ、この爪部と第2のシム板との接触位置を安定して保持することができる。従って、ブレーキの操作時には、ディスクの回転方向側への摩擦パッドの移動に対して、第2のシム板に対する摩擦パッドと第1のシム板の相対移動によって吸収され、キャリパに発生するモーメントを抑えることができるので、摩擦パッドに作用する面圧が、ディスクの回転方向入口側と出口側とで不均等となってパッドの偏摩耗やブレーキ鳴き等が発生するのを低減することができる。
【0085】
また、この第2のシム板には、ディスクの回転方向に移動するのを規制する移動規制片を設けたので、第2のシム板を安定的に保持でき、例えば大トルクの制動を行ったり、アンチスキッドブレーキシステム(ABS)が働いて制動および制動解除が頻繁に繰返された場合でも、第2のシム板の保護を図ることができ、ブレーキ鳴き等を長期間に亘り安定的に抑制できると共に、ディスクブレーキとしての耐久性、信頼性を向上させることができる。
【0086】
また、請求項2の発明によれば、移動規制片は、キャリパの爪部の外側面に沿ってディスクのほぼ径方向に延びる直線に沿って折曲げることにより形成する構成としたので、移動規制片を容易に形成できると共に、第2のシム板がディスクの回転方向に移動しようとするときには、の移動規制片をキャリパの爪部の外側面に広い面積で当接させることができ、第2のシム板移動を安定して規制することができる。
【0087】
さらに、請求項3の発明によれば、移動規制片は、車両前進時でのディスク回転方向の出口側に少なくとも形成する構成としたので、車両前進時でのブレーキ操作により、ディスクからの反力等がアウタ側の摩擦パッドに設けた第2のシム板に加わるときには、その移動規制片を、車両前進時でのディスク回転方向の出口側でアウタ脚部の爪部の外側面に当接させることができ、この爪部と第2のシム板との接触位置を安定して保持することができる。
【0088】
一方、請求項4の発明によれば、第2のシム板の裏面側には、ディスクの回転方向で前記爪部の内側面に対し前記第2のシム板の板厚よりも広い幅でディスクのほぼ径方向に延びる直線に沿って当接可能な移動規制片を設け、該移動規制片は、前記第2のシム板が前記キャリパと相対移動するときに取付部材よりも先に前記爪部の内側面に当接することによって、前記第2のシム板のディスクの回転方向への移動を規制する構成としたので、ディスクからの反力等がアウタ側の摩擦パッドに設けた第2のシム板に加わるときには、その移動規制片をキャリパの爪部の内側面に当接させることができ、この爪部と第2のシム板との接触位置を安定して保持することができる。そして、第2のシム板がディスクの回転方向に移動しようとするときには、その移動規制片をキャリパの爪部の内側面に広い面積で当接させることができ、第2のシム板の移動を安定して規制することができる。
【0089】
さらに、請求項5の発明によれば、移動規制片は、キャリパの爪部の内側面に沿ってディスクのほぼ方向に延びる直線に沿って折曲げることにより形成する構成としたので、移動規制片を容易に形成できると共に、第2のシム板がディスクの回転方向に移動しようとするときには、その移動規制片をキャリパの爪部の内側面に広い面積で当接させることができ、キャリパに対する第2のシム板の移動を防ぐことができる。
【0090】
また、請求項6の発明によれば、第2のシム板を、表面側が第1のシム板の裏面側に重ね合わされ裏面側に移動規制片が形成された平板部と、該平板部の内側端縁、外側端縁に屈曲して設けられた複数の係合爪部とから構成したので、第2のシム板を各係合爪部により摩擦パッドの裏面側でディスクの回転方向へと円滑に案内でき、この状態で第2のシム板をディスクの径方向に対して確実に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態によるディスクブレーキの正面図である。
【図2】 図1中の矢示II−II方向からみたディスクブレーキの縦断面図である。
【図3】 図1中の摩擦パッドを内側シム板と外側シム板と組付けた状態を示す正面図である。
【図4】 内側シム板と外側シム板とを示す斜視図である。
【図5】 アウタ脚部を仮想線として外側シム板を示す正面図である。
【図6】 図1中の矢示VI−VI方向からみた要部拡大断面図である。
【図7】 第2の実施の形態に用いる外側シム板を示す正面図である。
【図8】 第2の実施の形態に用いる外側シム板を示す斜視図である
図9】 従来技術のディスクブレーキを示す平面図である。
図10図9中のアウタ側の摩擦パッド等を示すディスクブレーキの縦断面図である。
図11】 アウタ側の摩擦パッド等を示すディスクブレーキの横断面図である。
図12】 ブレーキの制動時に第2のシム板が摩擦パッドに対してディスクの回転方向に位置ずれした状態を示す縦断面図である。
図13】 ブレーキの制動時に変形した取付部材が復元し第2のシム板がずれた位置に残された状態を示す縦断面図である。
図14図13に示す状態から再び制動を行ったときに第2のシム板が取付部材の腕部に乗上げた状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 取付部材
4 キャリパ
5 インナ脚部
7 アウタ脚部
8 ピストン
9,10,11 爪部
9A,11A 内側面
9B,11B 外側面
12,17 摩擦パッド
18 裏金
18A 内側端縁
18C 外側端縁
20 内側シム板(第1のシム板)
24,3外側シム板(第2のシム板)
25,3平板部
26,27,33,3係合爪部
28,3移動規制片
D ディスク

Claims (6)

  1. 車両に取付けられる取付部材と、該取付部材によってディスクの軸方向に変位可能に支持されるキャリパと、該キャリパとディスクとの間に設けられ、該キャリパによりディスクに押圧されるインナ側,アウタ側の摩擦パッドと、該摩擦パッドのうち少なくともアウタ側の摩擦パッドの裏面側にディスクの回転方向と径方向とに不動に設けられた第1のシム板と、該第1のシム板の裏面側に設けられ該第1のシム板と前記摩擦パッドとをディスクの回転方向に移動可能に案内する第2のシム板とからなり、
    前記キャリパは、ディスクのインナ側に配置され前記インナ側の摩擦パッドをディスクに押圧するピストンが摺動可能に設けられたインナ脚部と、ディスクのアウタ側に位置して該インナ脚部と一体に設けられ、前記アウタ側の摩擦パッドをディスクに押圧する爪部が設けられたアウタ脚部とを備えてなるディスクブレーキにおいて、
    前記第2のシム板の裏面側には、ディスクの回転方向で前記爪部の外側面に対し前記第2のシム板の板厚よりも広い幅でディスクのほぼ径方向に延びる直線に沿って当接可能な移動規制片を設け、
    該移動規制片は、前記第2のシム板が前記キャリパと相対移動するときに前記取付部材よりも先に前記爪部の外側面に当接することによって、前記第2のシム板のディスクの回転方向への移動規制する構成としたことを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記移動規制片は、ディスクのほぼ径方向で前記キャリパの爪部の外側面に沿って延びる直線に沿って折曲げることにより形成してなる請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記移動規制片は、車両前進時でのディスク回転方向の出口側に少なくとも形成してなる請求項1または2に記載のディスクブレーキ。
  4. 車両に取付けられる取付部材と、該取付部材によってディスクの軸方向に変位可能に支持されるキャリパと、該キャリパとディスクとの間に設けられ、該キャリパによりディスクに押圧されるインナ側,アウタ側の摩擦パッドと、該各摩擦パッドのうち少なくともアウタ側の摩擦パッドの裏面側にディスクの回転方向と径方向とに不動に設けられた第1のシム板と、該第1のシム板の裏面側に設けられ該第1のシム板と前記摩擦パッドとをディスクの回転方向に移動可能に案内する第2のシム板とからなり、
    前記キャリパは、ディスクのインナ側に配置され前記インナ側の摩擦パッドをディスクに押圧するピストンが摺動可能に設けられたインナ脚部と、ディスクのアウタ側に位置して該インナ脚部と一体に設けられ、前記アウタ側の摩擦パッドをディスクに押圧する爪部が設けられたアウタ脚部とを備えてなるディスクブレーキにおいて、
    前記第2のシム板の裏面側には、ディスクの回転方向で前記爪部の内側面に対し前記第2のシム板の板厚よりも広い幅でディスクのほぼ径方向に延びる直線に沿って当接可能な移動規制片を設け、
    該移動規制片は、前記第2のシム板が前記キャリパと相対移動するときに前記取付部材よりも先に前記爪部の内側面に当接することによって、前記第2のシム板のディスクの回転方向への移動を規制する構成としたことを特徴とするディスクブレーキ。
  5. 前記移動規制片は、前記キャリパの爪部の内側面に沿ってディスクのほぼ方向に延びる直線に沿って折曲げることにより形成してなる請求項に記載のディスクブレーキ。
  6. 前記摩擦パッドはディスクの回転方向に延びる略扇形状に形成し、前記第2のシム板は、表面側が前記第1のシム板の裏面側に重ね合わされ裏面側に前記移動規制片が形成された平板部と、該平板部の外周縁に屈曲して設けられ、前記摩擦パッドの径方向内側端縁と径方向外側端縁にそれぞれ移動可能に係合する複数の係合爪部とにより構成してなる請求項1,2,3,4または5に記載のディスクブレーキ。
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