JP4740416B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車等の車両に制動力を付与するのに好適に用いられるディスクブレーキに関する。
一般に、自動車等の車両に設けられるディスクブレーキは、ディスクの回転方向に離間してディスクの外周側を軸方向に跨ぐ一対の腕部を有し車両の非回転部分に取付けられる取付部材と、該取付部材の各腕部に摺動可能に設けられ一対の摩擦パッドをディスクの両面に押圧するキャリパと、前記取付部材の各腕部側にそれぞれ取付けられ前記一対の摩擦パッドを各腕部間で弾性的に支持するパッドスプリング等とにより構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−308011号公報
この種の従来技術によるディスクブレーキは、車両の運転者等がブレーキ操作を行ったときに、キャリパのインナ側に設けたピストンを外部からの液圧供給によりディスク側に摺動変位させ、インナ側の摩擦パッドをディスクに押圧する。そして、キャリパは、このときの反力で取付部材に対して摺動変位し、そのアウタ爪部とピストンとの間で各摩擦パッドをディスクの両面に押圧することによって、回転するディスクに制動力を付与するものである。
この場合、取付部材の各腕部には、一対の摩擦パッドをディスクの軸方向に摺動可能にガイドするためのパッドガイドが設けられている。そして、前記パッドスプリングは、摩擦パッドが各腕部のパッドガイド等に対してガタ付いたりするのを抑え、摩擦パッドの摺動変位を滑らかにするものである。
即ち、このパッドスプリングは、ばね性を有する金属板等をプレス加工することにより形成されている。そして、パッドスプリングは、前記取付部材のパッドガイドに嵌合して取付けられ該パッドガイドと一緒に摩擦パッドを軸方向に案内する案内板部と、該案内板部と摩擦パッドとの間をディスクの軸方向に延びるように形成され前記摩擦パッドをディスクの径方向外側に向けて弾性的に付勢する径方向付勢部等とにより構成されている。
さらに、前記パッドスプリングの案内板部と径方向付勢部との間には、例えば逆U字形状をなす切欠き部が形成され、前記径方向付勢部が弾性変形することによる影響(例えば、弾性変形に伴う応力、歪み等)が案内板部側に及んでしまうのを、当該切欠き部により遮断して防ぐ構成としている。
ところで、上述した従来技術では、パッドスプリングの径方向付勢部を、基端側が案内板部からディスクの径方向外側に向けて円弧状に折返され前記案内板部と摩擦パッドとの間をディスクの軸方向に延びる細長板状体として形成し、この径方向付勢部により摩擦パッドをディスクの径方向外側に向けて弾性的に付勢する構成としている。
そして、前記径方向付勢部の基端側と案内板部との間には、逆U字形状をなす切欠き部を形成することにより、前記径方向付勢部の弾性変形に伴った応力(歪み)が案内板部に伝わるのを抑え、該案内板部により摩擦パッドをディスクの軸方向へと円滑に案内(ガイド)できるようにしている。
しかし、パッドスプリングの案内板部は、前記切欠き部によって途中部位に切込み等が入れられるため切欠き部の近傍となる周囲位置で、例えばディスクの回転方向における曲げ剛性が低下し、下記のようにブレーキ鳴き、引摺りトルクの増大を招く原因になるという問題がある。
即ち、ブレーキ操作が解除されて摩擦パッドがディスクの軸方向外側(待機位置)に向けて摺動変位しようとするときに、前記パッドスプリングの案内板部は、前記切欠き部の周囲位置でディスクの回転方向に折曲がるように撓んでしまうことがある。この結果、摩擦パッドが待機位置に戻る動作が不安定となって、摩擦パッドがディスクの表面に接触したままの状態となることがあり、パッドの引摺りやブレーキ鳴きが発生する原因になるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、パッドスプリングの曲げ剛性を容易に増大させることができ、ブレーキ操作の解除時に摩擦パッドを待機位置へと円滑に戻すことができると共に、パッドの引摺りやブレーキ鳴き等を防止することができるようにしたディスクブレーキを提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、ディスクの回転方向に離間して該ディスクの外周側を軸方向に跨ぐ一対の腕部を有し該各腕部にパッドガイドが設けられた取付部材と、該取付部材の各腕部に摺動可能に設けられたキャリパと、前記取付部材の各腕部に前記パッドガイドを介して摺動可能に取付けられ該キャリパによりディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、前記取付部材の各腕部側にそれぞれ取付けられ該各摩擦パッドを前記各腕部の間で弾性的に支持するパッドスプリングとからなるディスクブレーキに適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記パッドスプリングは、前記摩擦パッドを軸方向に案内するため前記取付部材のパッドガイドに嵌合して取付けられ、該パッドガイドよりも前記ディスクの軸方向外側に張出して延びる案内板部と、基端側が該案内板部に一体形成され、先端側が弾性変形した状態で該案内板部と前記摩擦パッドとの間をディスクの軸方向に延びることにより、前記摩擦パッドをディスクの径方向外側に向けて弾性的に付勢する径方向付勢部と、該径方向付勢部の弾性変形による影響が前記案内板部に及ぶのを防ぐため該径方向付勢部の基端側と前記案内板部とを前記ディスクの軸方向で切離すように形成された切欠き部と、該切欠き部に近い位置で前記案内板部に設けられ、該案内板部がディスクの回転方向に撓み変形するのを抑える補強部とを含んで構成したことにある。
また、請求項2の発明によると、前記補強部は、前記案内板部を部分的に窪ませることにより形成されディスクの軸方向に延びた凹凸形状部により構成している。
さらに、請求項3の発明によると、前記補強部は、前記案内板部のうち前記パッドガイドよりもディスクの軸方向外側へと張出した部位に形成する構成としている。
上述の如く、請求項1の発明によれば、取付部材の各腕部の間で各摩擦パッドを弾性的に支持するパッドスプリングは、案内板部、径方向付勢部、切欠き部および補強部を含む構成とし、この補強部は、前記切欠き部に近い位置で案内板部がディスクの回転方向に撓み変形するのを抑える構成としているので、前記切欠き部の近傍となる周囲位置で案内板部の曲げ剛性を高めることができる。これにより、ブレーキ操作が解除されて摩擦パッドがディスクの軸方向外側(待機位置)に向けて摺動変位しようとするとき等に、前記案内板部が切欠き部の周囲位置でディスクの回転方向に折曲がるように撓むのを防ぐことができる。
従って、ブレーキ操作の解除時にパッドスプリングの径方向付勢部等によって摩擦パッドを待機位置へと円滑に戻すことができ、摩擦パッドの戻り動作を安定化できると共に、パッドスプリングの曲げ剛性を容易に増大させることができ、パッドの引摺りやブレーキ鳴き等を防止することができる。また、パッドスプリングの曲げ剛性を高めることにより、パッドスプリングを取付部材に組付けるときの変形を小さく抑えることができ、組付け時の作業を向上することができる。
また、請求項2の発明によれば、パッドスプリングの補強部は、案内板部を部分的に窪ませることにより形成されディスクの軸方向に延びた凹凸形状部により構成しているので、例えばパッドスプリングの案内板部に切欠き部の近傍位置で、例えばエンボス加工を施すことによって補強部を容易に形成することができ、案内板部の板厚や外形寸法(ディスクの径方向における幅寸法)等を大きくすることなく、案内板部の曲げ剛性を確実に高めることができる。
さらに、請求項3の発明によれば、案内板部のうちパッドガイドよりもディスクの軸方向外側へと張出した部位に補強部を形成しているので、パッドスプリングの案内板部を取付部材のパッドガイドに嵌合して取付けるときに、例えばエンボス加工等によって形成される補強部がパッドガイドに突当たるように接触、干渉するのを防止でき、前記案内板部をパッドガイド内に安定して組付けることができる。しかも、案内板部のうちパッドガイドよりもディスクの軸方向外側へと張出した部位の曲げ剛性を、補強部により効果的に増大させることができ、この張出し部位がディスクの回転方向に撓み変形して摩擦パッドの戻り動作が不安定になるのを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態によるディスクブレーキを、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図10は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は回転するディスクを示し、このディスク1は、例えば車両が前進方向に走行するときに車輪(図示せず)と共に図1中の矢示A方向に回転するものである。
2は車両の非回転部分に取付けられるキャリアとしての取付部材で、該取付部材2は、図1、図2に示すように、ディスク1の回転方向(周方向)に離間してディスク1の外周を跨ぐように、ディスク1の軸方向に延びた一対の腕部2A,2Aと、該各腕部2Aの基端側を一体化するように連結して設けられ、ディスク1のインナ側となる位置で前記車両の非回転部分に固定される厚肉の支承部2B等とから構成されている。
また、取付部材2には、ディスク1のアウタ側となる位置で腕部2A,2Aの先端側を互いに連結する補強ビーム2Cが図1に示す如く弓形状をなして一体に形成されている。これにより、取付部材2の各腕部2A,2Aは、ディスク1のインナ側で支承部2Bにより一体的に連結され、アウタ側では補強ビーム2Cにより一体的に連結されるものである。
そして、腕部2Aの長さ方向(ディスク1の軸方向)中間部には、図2中に示すようにディスク1の外周(回転軌跡)に沿って円弧状に延びるディスクパス部3が形成され、該ディスクパス部3の両側(ディスク1の軸方向両側)には、後述する寸法範囲L内に位置してインナ側,アウタ側のパッドガイド4がそれぞれ形成されている。また、各腕部2Aには、例えば図3中に点線で示すようにピン穴2Dがそれぞれ設けられ、これらのピン穴2D内には、後述の摺動ピン6が摺動可能に挿嵌されるものである。
4,4,…は取付部材2の各腕部2Aにそれぞれ設けられたパッドガイドで、これらのパッドガイド4は、図1および図3に示す如く断面コ字形状をなす凹溝として形成され、後述の摩擦パッド7が摺動変位する方向(ディスク1の軸方向)に延びている。そして、これらのパッドガイド4は、図2に示すようにディスクパス部3の軸方向両側に位置し、各腕部2Aの基端側(インナ側)と先端側(アウタ側)とにそれぞれ配設されている。
即ち、インナ側,アウタ側のパッドガイド4,4は、ディスク1の軸方向に延びる取付部材2の腕部2Aのうち、図2中に例示する寸法範囲L内に配置されるもので、その中間(寸法範囲Lの中央側)に位置するディスクパス部3を挟んで左,右両側(ディスク1の軸方向両側)に形成されている。なお、図1および図3中ではアウタ側のパッドガイド4を示している。
ここで、パッドガイド4は、図3に示す如くディスク1の径方向外側寄りに位置する外径壁面(以下、上側壁面4Aという)と、ディスク1の径方向内側寄りに位置した内径壁面(以下、下側壁面4Bという)と、これらの壁面4A,4B間を奥所側で連結する奥側壁面4Cとにより構成されている。そして、パッドガイド4は、これらの壁面4A,4B,4Cにより断面コ字形状をなし、上側壁面4Aと下側壁面4Bとは、図3中の上,下に離間して互いに平行に配設されている。
即ち、パッドガイド4は、後述する摩擦パッド7の耳部8A,8Bを上側壁面4Aと下側壁面4Bとの間で上,下方向(ディスク1の径方向)から挟むように形成され、これらの壁面4A,4B間で摩擦パッド7をディスク1の軸方向にガイドするものである。また、パッドガイド4の奥側壁面4Cは、所謂トルク受部として機能し、ブレーキ操作時に摩擦パッド7がディスク1から受ける制動トルクを後述する回出側の耳部8Bを介して受承するものである。
5は取付部材2に摺動可能に設けられたキャリパで、該キャリパ5は、図1に示す如くディスク1の一側(インナ側)に設けられたインナ脚部5Aと、取付部材2の各腕部2A間でディスク1の外周側を跨ぐようにインナ脚部5Aからディスク1の他側(アウタ側)へと延設されたブリッジ部5Bと、該ブリッジ部5Bの先端側(アウタ側)からディスク1の径方向内向きに延び、先端側が二又状をなしたアウタ脚部5Cとにより構成されている。
そして、キャリパ5のインナ脚部5Aには、ピストンが摺動可能に挿嵌されるシリンダ(いずれも図示せず)が形成されている。また、インナ脚部5Aには、図1中の左,右方向に突出する一対の取付部5D,5Dが設けられ、該各取付部5Dは、キャリパ5全体を後述の摺動ピン6を介して取付部材2の各腕部2Aに摺動可能に支持させるものである。
6はキャリパ5を取付部材2に摺動可能に支持させる支持部材としての摺動ピン(図3中に一方のみ図示)で、これらの摺動ピン6は、キャリパ5の各取付部5Dにそれぞれボルト等を用いて締結され、その先端側は取付部材2の各腕部2B(ピン穴2D)内に向けて延びている。そして、各摺動ピン6の先端側は、図3中に点線で示すように取付部材2の各ピン穴2D内に摺動可能に挿嵌され、キャリパ5は、これらの摺動ピン6を介して取付部材2の各腕部2Aに摺動可能に支持されるものである。
7,7はディスク1の両面に対向して配置されたインナ側,アウタ側の摩擦パッドで、これらの摩擦パッド7は、図1、図3に示す如く、ディスク1の回転方向に延びる平板状の裏金8と、該裏金8の表面側に固着して設けられディスク1の表面に摩擦接触する摩擦材としてのライニング(図示せず)等とにより構成されている。そして、摩擦パッド7の裏金8には、その長さ方向(ディスク1の周方向)両端側に凸部としての耳部8A,8Bが突設されている。
この場合、摩擦パッド7(裏金8)の耳部8A,8Bは、例えば図1に示す如く互いに同一形状をなして左,右対称に形成されている。しかし、一方の耳部8Aは、矢示A方向に回転するディスク1の回転方向入口側(以下、回入側という)に配置され、他方の耳部8Bは、ディスク1の回転方向出口側(以下、回出側という)に配置されるものである。
ここで、裏金8の耳部8A,8Bは、後述するパッドスプリング9,20の各案内板部13,24を介して取付部材2の各パッドガイド4内にそれぞれ摺動可能に挿嵌されている。そして、インナ側,アウタ側の摩擦パッド7は、ブレーキ操作時にキャリパ5によってディスク1の両面に押圧され、このときに裏金8の耳部8A,8Bがパッドガイド4に沿ってディスク1の軸方向に摺動変位するものである。
また、摩擦パッド7の裏金8には、その長さ方向両側(ディスク1の回入側,回出側)に平坦面部8C,8Dが形成され、これらの平坦面部8C,8Dは、図1に示すように耳部8A,8Bの突出方向に対してほぼ垂直な方向で、ディスク1の径方向内向きに延びている。
そして、摩擦パッド7(裏金8)の平坦面部8C,8Dのうちディスク1の回入側に位置する平坦面部8Cには、後述するパッドスプリング9の回転方向付勢部18が弾性的に当接し、これにより摩擦パッド7は、ディスク1の回転方向(例えば、図3中の矢示A1 方向)に常時付勢されるものである。
一方、ディスク1の回出側に位置する耳部8Bは、このときの付勢力により後述するパッドスプリング20のガイド底板24Cを介してパッドガイド4の奥側壁面4Cに弾性的に押付けられる。そして、ブレーキ操作時には、摩擦パッド7がディスク1から受ける制動トルク(図1中の矢示A方向の回転トルク)により回出側の耳部8Bが奥側壁面4Cにガイド底板24Cを介して当接し続け、両者の当接面間でブレーキ操作時の制動トルクは受承されるものである。
9はディスク1の回入側に配置される回入側のパッドスプリングで、該パッドスプリング9は、取付部材2の各腕部2Aのうち回入側に位置する腕部2Aに取付けられ、後述する回出側のパッドスプリング20との間でインナ側,アウタ側の摩擦パッド7を弾性的に支持すると共に、これらの摩擦パッド7の摺動変位を滑らかにするものである。
そして、パッドスプリング9は、ばね性を有するステンレス鋼板をプレス加工等の手段を用いて、図3ないし図9に示すように折曲げることにより一体形成され、後述の連結板部10、案内板部13,13、径方向付勢部15,15および回転方向付勢部18,18等により構成されている。
10はパッドスプリング9の各案内板部13等を連結する連結板部で、該連結板部10は、ディスク1の外周側を跨ぐように軸方向に延びて形成され、その長さ方向両端側には、一対の平板部11,11がディスク1の径方向内向きに延びて一体形成されている。そして、連結板部10は、平板部11に対して外側へと反るように略「く」字状に屈曲され、取付部材2の腕部2Aの内側面に沿って配置されるものである。
また、連結板部10の長さ方向中間部には、例えばディスク1の回転方向において連結板部10の曲げ剛性を高めるためにエンボス加工部10Aが設けられている。そして、このエンボス加工部10Aは、一対の平板部11,11間で連結板部10がディスク1の回転方向等に撓み変形するのを抑え、パッドスプリング9全体の曲げ強度(剛性等)を増大させるものである。
12は一対の平板部11,11間に位置して連結板部10に一体形成された係合板部で、該係合板部12は、図4ないし図9に示すように連結板部10に対して略「く」字状に折曲げられ、連結板部10から下向き(ディスク1の径方向内側)に傾斜して延びるように形成されている。そして、係合板部12は、図2に示す如く腕部2Aのディスクパス部3に径方向内側から係合するように取付けられ、これにより、パッドスプリング9を取付部材2の腕部2Aに対してディスク1の軸方向で位置決めするものである。
13,13は連結板部10の両端側に各平板部11を介して設けられた案内板部で、該各案内板部13は、平板部11の先端側(図3に示す下端側)から略コ字状に折曲げられることにより形成され、摩擦パッド7(裏金8)の耳部8Aをディスク1の軸方向に案内するものである。そして、これらの案内板部13,13のうち一方の案内板部13は、図2、図3に示すようにアウタ側のパッドガイド4内に嵌合して取付けられ、他方の案内板部13は、インナ側のパッドガイド4に嵌合して取付けられるものである。
ここで、パッドスプリング9の案内板部13は、図3に示す如くパッドガイド4の上側壁面4A,下側壁面4Bに対向する上面板13A,下面板13Bと、これらの上面板13A,下面板13B間をディスク1の径方向で連結すると共に、平坦面状をなしてディスク1の軸方向に延び、パッドガイド4の奥側壁面4Cに当接されるガイド底板13Cとにより構成されている。
この場合、案内板部13の各ガイド底板13Cは、上面板13A,下面板13Bよりも幅広(ディスク1の軸方向で幅広)な平板状に形成され、図2に示すパッドガイド4,4の寸法範囲Lよりもディスク1の軸方向外側へと張出して延びている。そして、各ガイド底板13Cのうち前記寸法範囲Lよりも外側に張出した部位には、後述する径方向付勢部15の舌板部15Aがそれぞれ形成されると共に、後述の補強部19が形成されるものである。
また、各ガイド底板13C,13Cの張出し部位には、その先端側(ディスク1の軸方向両端側となる位置)に折曲片部13D,13Dが形成され、これらの折曲片部13Dは、ガイド底板13Cの平面に対してディスク1の周方向(回転方向)外側へと斜めに折曲している。また、案内板部13の上面板13A,13Aには、その幅方向(ディスク1の軸方向)に突出してガイド片部13E,13Eが一体形成されている。そして、これらのガイド片部13Eは、摩擦パッド7の耳部8Aをパッドスプリング9に組付ける際にガイドとして機能するものである。
14,14は各案内板部13の下面板13Bとガイド底板13Cとの間に設けられた爪部で、該各爪部14は、図4、図7〜図9に示す如くガイド底板13Cの下端側から後述の空隙部17内に向けて突出する略U字状に爪片として形成されている。そして、爪部14は、図3に示す如く案内板部13と一緒にパッドガイド4内に嵌合され、その先端側は、パッドガイド4の下側壁面4Bに弾性的に接触する。
これにより、爪部14は、その先端がパッドガイド4の下側壁面4Bに弾性変形状態で掛止めされると共に、このときの反力によって案内板部13の上面板13Aをパッドガイド4の上側壁面4Aに向けて弾性的に押付け、上面板13Aを上側壁面4Aに当接(面接触)させると共に、案内板部13の下面板13Bをパッドガイド4の下側壁面4Bから微小隙間をもって離間させ、案内板部13をパッドガイド4内で抜止め状態に保持するものである。
15,15は摩擦パッド7,7をディスク1の径方向外側に向けて付勢する径方向付勢部で、該各径方向付勢部15は、案内板部13の下面板13Bよりも幅方向(ディスク1の軸方向)外側となる位置で、下面板13Bとほぼ平行にガイド底板13Cから突出した舌板部15Aと、基端側が該舌板部15Aに一体形成された折返し部15Bおよび付勢片部15C等とにより構成されている。
ここで、径方向付勢部15の折返し部15Bと付勢片部15Cは、舌板部15Aの幅方向側端(後述の切欠き部16とは反対側の端部)からディスク1の軸方向に延設される細長板状体として形成され、その基端側をディスク1の径方向外側に向けて略U字状または略C字状に折返すことにより、折返し部15Bは円弧状の折曲げ部として形成されている。
また、付勢片部15Cは、折返し部15Bの先端側からディスク1の径方向外側へと斜めに傾斜して延びる細長板状のばね片として形成され、その先端側は、自由端となって案内板部13の下面板13Bの上方位置まで延在している。そして、径方向付勢部15の付勢片部15Cは、図2、図3に示す如く摩擦パッド7の耳部8Aを案内板部13内に組込むときに、案内板部13の下面板13Bの方向に押付けられるように弾性的に撓み変形される(図7、図9参照)。
これにより、径方向付勢部15の付勢片部15Cは、案内板部13の下面板13Bと摩擦パッド7の耳部8Aとの間をディスク1の軸方向に延びるように配置され、このときの弾性反力で摩擦パッド7の耳部8Aをディスク1の径方向外側に向けて図3中の矢示B方向に付勢するものである。
そして、摩擦パッド7の耳部8Aは、径方向付勢部15の付勢力(弾性反力)により案内板部13の上面板13A(パッドガイド4の上側壁面4A)に向けて弾性的に押付けられる。これにより、摩擦パッド7の耳部8Aは、パッドガイド4(案内板部13)内で図3中の矢示B方向等にガタ付くのが抑えられるものである。
また、径方向付勢部15の付勢片部15Cは、図4、図8に示す如く外力等を加えていない自由状態で、折返し部15Bの先端側から斜め上向き(ディスク1の径方向外側へと斜め)に傾斜して延びている。このため、車両のブレーキ操作を解除したときには、これらの付勢片部15Cが各摩擦パッド7を待機位置(ディスク1の軸方向外側)へと戻す方向の力(弾性力)をも発揮するものである。
さらに、径方向付勢部15の付勢片部15Cには、その長さ方向途中に位置して略「く」字状に屈曲した突片部15Dが形成され、該突片部15Dは、ディスク1の径方向内向きに折曲げられた突片として形成されている。そして、この突片部15Dは、図4、図7、図8に示すように後述の空隙部17と対応(対向)する位置に配置されている。
これにより、後述の如く径方向付勢部15の付勢片部15Cが案内板部13の下面板13Bの方向、即ちディスク1の径方向内側に向けて変位したときには、図3に示す如く突片部15Dがパッドガイド4の下側壁面4Bに弾性的に当接し、径方向付勢部15の付勢片部15Cが下面板13Bに当接することなく、下面板13B等に過大な応力が作用するのを防ぐものである。
16,16は案内板部13の下面板13Bと径方向付勢部15の舌板部15Aとの間に設けた切欠き部で、これらの切欠き部16は、ほぼ同一の平面上に配置される下面板13Bと舌板部15Aとを、その幅方向(ディスク1の軸方向)で互いに切離すように逆U字状をなしたスリットとして形成されている。
この場合、各切欠き部16は、案内板部13のガイド底板13Cのうち、パッドガイド4の寸法範囲L(図2参照)よりもディスク1の軸方向外側に張出した部位を径方向内側から部分的に切欠くように形成されている。また、切欠き部16は、後述の補強部19に対してディスク1の径方向内側となる位置に配置されるものである。
そして、切欠き部16は、例えば径方向付勢部15の弾性変形が案内板部13の下面板13Bおよび後述の回転方向付勢部18等に対して影響(応力、歪みとなって影響)を与えるのを抑え、径方向付勢部15と回転方向付勢部18とを互いに独立して弾性変形させる機能を有するものである。
17,17は案内板部13の下面板13B等に形成された空隙部で、これらの空隙部17は、図4、図7〜図9に示す如く略長方形状をなす開口(切取り穴)として形成され、その一側(案内板部13のガイド底板13C側)は、爪部14の両側となる位置に細幅なスリット状をなして延びている。また、空隙部17の他側は、後述する回転方向付勢部18の途中位置まで幅広なコ字状をなして延びている。
そして、空隙部17は、図7、図8に示すように径方向付勢部15の突片部15Dと対応(対向)する位置に配置され、径方向付勢部15の付勢片部15Cが案内板部13の下面板13Bの方向、即ちディスク1の径方向内側に向けて変位したときに、図3に示す如く突片部15Dがパッドガイド4の下側壁面4Bに当接するのを許すものである。
18,18は摩擦パッド7,7をディスク1の回転方向に付勢する回転方向付勢部で、該各回転方向付勢部18は、図4、図7〜図9に示すように案内板部13の下面板13Bよりも幅広な板状体として成形され、下面板13Bの先端からディスク1の径方向内側へと斜めに折曲げられている。
そして、回転方向付勢部18は、その幅方向全長にわたって「く」字状に屈曲した幅広板状のばね片として形成され、その屈曲部位が図3に示す如く摩擦パッド7の平坦面部8Cに弾性的に当接される。これによって、回転方向付勢部18は、摩擦パッド7の平坦面部8Cをディスク1の回転方向(図1中の矢示A方向)にほぼ対応した矢示A1 方向(図3参照)に付勢するものである。そして、このときの付勢力は、回転方向付勢部18と一緒に案内板部13の下面板13Bによっても付与されるものである。
19,19は各案内板部13のガイド底板13Cに設けられた補強部で、これらの補強部19は、ガイド底板13Cのうちパッドガイド4の寸法範囲L(図2参照)よりも外側に張出した部位に、例えばエンボス加工等を施すことにより形成されている。即ち、補強部19は、図6、図7に示す如く案内板部13のガイド底板13Cをエンボス加工等で部分的に窪ませることにより、ディスク1の軸方向に細長く延びた略I字状の凹凸形状部として形成されている。また、補強部19は、ガイド底板13Cの裏金8の当接面からみて凹形状となっている。これにより、摩擦パッド7(裏金8)の耳部8Aをパッドスプリング9の案内板部13内に挿入するときに、補強部19が耳部8Aに当たることがなく、パッドスプリング9に対する摩擦パッド7の組付け作業性を阻害することがないようになっている。
また、補強部19は、図2に示すように案内板部13のガイド底板13Cのうち切欠き部16に近い位置で、ディスク1の軸方向において切欠き部16を跨いで配置され、ガイド底板13Cの曲げ剛性が切欠き部16によって低下されるのを抑えるものである。そして、補強部19は、切欠き部16の近傍となる周囲位置で案内板部13(ガイド底板13C)の曲げ剛性を高めることにより、ブレーキ操作が解除されて摩擦パッド7が待機位置に向けて摺動変位しようとするとき等に、ガイド底板13Cの張出し部位(図2に示す寸法範囲Lよりも軸方向外側に張出した部位)がディスク1の周方向に折曲がるように撓むのを防ぐものである。
20はディスク1の回出側に配置される回出側のパッドスプリングで、該パッドスプリング20は、取付部材2の各腕部2Aのうち回出側に位置する腕部2Aに取付けられ、前述した回入側のパッドスプリング9との間でインナ側,アウタ側の摩擦パッド7を弾性的に支持すると共に、これらの摩擦パッド7の摺動変位を滑らかにするものである。
そして、回出側のパッドスプリング20は、前述した回入側のパッドスプリング9とほぼ同様に構成され、図10に示すように連結板部21、平板部22,22、係合板部23、案内板部24,24、爪部25,25、径方向付勢部26,26、切欠き部27,27および空隙部28,28等から形成されている。
しかし、回出側のパッドスプリング20は、回入側のパッドスプリング9のように回転方向付勢部18,18を有するものではなく、これに替えて、折曲げ板部29,29が形成されている。即ち、この折曲げ板部29は、後述する案内板部24の下面板24Bに対して一体に形成され、下面板13Bの先端からディスク1の径方向内側へとほぼ垂直に折曲げられている点で、回転方向付勢部18とは異なっているものである。
また、回出側のパッドスプリング20は、連結板部21がエンボス加工部21Aを有し、各案内板部24は、上面板24A、下面板24B、ガイド底板24C、折曲片部24Dおよびガイド片部24E等により構成されている。そして、径方向付勢部26は、舌板部26A、折返し部26B、付勢片部26Cおよび突片部26Dにより構成されている。
そして、回出側のパッドスプリング20は、図1に示す如く折曲げ板部29が摩擦パッド7の平坦面部8Dから常に離間した状態に配置され、摩擦パッド7が回入側のパッドスプリング9の回転方向付勢部18により矢示A1 方向(図3参照)に付勢されるのを許すものである。
30,30は各案内板部24のガイド底板24Cに設けられた補強部を示し、これらの補強部30は、回入側のパッドスプリング9に設けた補強部19と同様に構成され、ガイド底板24Cの曲げ剛性が切欠き部27によって低下されるのを抑えるものである。
そして、補強部30は、切欠き部27の近傍となる周囲位置で案内板部24(ガイド底板24C)の曲げ剛性を高めることにより、ブレーキ操作が解除されて摩擦パッド7が待機位置に向けて摺動変位しようとするとき等に、ガイド底板24Cの張出し部位(図2に示す寸法範囲Lの外側部位)がディスク1の周方向に折曲がるように撓むのを防ぐものである。
本実施の形態によるディスクブレーキは上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、車両のブレーキ操作時には、キャリパ5のインナ脚部5A(シリンダ)にブレーキ液圧を供給することによりピストンをディスク1に向けて摺動変位させ、これによりインナ側の摩擦パッド7をディスク1の一側面に押圧する。そして、このときにはキャリパ5がディスク1からの押圧反力を受けるため、キャリパ5全体が取付部材2の腕部2Aに対してインナ側に摺動変位し、アウタ脚部5Cがアウタ側の摩擦パッド7をディスク1の他側面に押圧する。
これにより、インナ側とアウタ側の摩擦パッド7は、図1中の矢示A方向に回転しているディスク1を、両者の間で軸方向両側から強く挟持することができ、このディスク1に制動力を与えることができる。そして、ブレーキ操作を解除したときには、前記ピストンへの液圧供給が停止されることにより、インナ側とアウタ側の摩擦パッド7がディスク1から離間し、再び非制動状態に復帰する。
また、このようなブレーキ操作時、解除時(非制動時)には、摩擦パッド7の平坦面部8C,8Dのうちディスク1の回入側に位置する平坦面部8Cが、パッドスプリング9の回転方向付勢部18によって図3中の矢示A1 方向に付勢され、摩擦パッド7は、ディスク1の回転方向(図1中の矢示A方向)に常時付勢される。そして、ディスク1の回出側に位置する耳部8Bは、このときの付勢力によりパッドスプリング20の案内板部24(ガイド底板24C)を介してパッドガイド4の奥側壁面4Cに弾性的に押付けられる。
このため、摩擦パッド7が車両走行時の振動等でディスク1の周方向にガタ付いたりするのを、回入側のパッドスプリング9に設けた回転方向付勢部18により規制することができる。そして、ブレーキ操作時には、摩擦パッド7がディスク1から受ける制動トルク(矢示A方向の回転トルク)を受け、このときには回出側の耳部8Bが奥側壁面4Cにガイド底板24Cを介して当接し続けるので、ブレーキ操作時の制動トルクを回出側の腕部2A(パッドガイド4の奥側壁面4C)により受承することができる。
また、摩擦パッド7の耳部8A,8Bは、ディスク1の回入側,回出側に位置するパッドガイド4,4内にパッドスプリング9,20の案内板部13,24を介して摺動可能に挿嵌され、径方向付勢部15,26の付勢片部15C,26C等により図3中の矢示B方向に付勢されている。これにより、摩擦パッド7の耳部8A,8Bを案内板部13,24の上面板13A,24Aに弾性的に押付けることができる。
このため、走行時の振動等により摩擦パッド7がディスク1の径方向にガタ付いたりするのを、パッドスプリング9,20の径方向付勢部15,26により規制することができる。そして、ブレーキ操作時には、摩擦パッド7の耳部8A,8Bを案内板部13,24の上面板13A,24Aに摺接させた状態に保持しつつ、インナ側,アウタ側の摩擦パッド7を案内板部13,24に沿ってディスク1の軸方向へと円滑に案内することができる。
ここで、ディスク1の回入側に位置するパッドスプリング9を例に挙げると、その径方向付勢部15は、舌板部15A、折返し部15Bおよび付勢片部15C等からなり、その付勢片部15Cは、細長板状のばね片として形成されているので、摩擦パッド7の耳部8Aを図3中の矢示B方向に付勢する付勢力が過大になるのを抑えることができる。
また、径方向付勢部15の付勢片部15Cには突片部15Dを形成しているので、径方向付勢部15の付勢片部15Cが下向きに変位したときに、突片部15Dはパッドガイド4の下側壁面4Bに当接して図3中の矢示C方向の振動に伴う外力等を受承でき、案内板部13の下面板13Bおよび回転方向付勢部18に過大な応力が作用する防ぐことができる。
即ち、車両のブレーキ操作時等に制動トルク等の影響で摩擦パッド7が図3中の矢示C方向に振動し、径方向付勢部15の付勢片部15Cが案内板部13の下面板13Bに重なり合うようにディスク1の径方向に変位しても、突片部15Dをパッドガイド4の下側壁面4Bに弾性的に当接させることができ、径方向付勢部15の付勢片部15Cが下面板13Bに当接することがなく、下面板13Bと回転方向付勢部18とに過大な応力が作用するのを防ぐことができる。
このため、パッドスプリング9の径方向付勢部15は、前述の如き振動発生時に付勢片部15Cが案内板部13の下面板13Bに強く重なり合うように変形するのを突片部15Dにより防止でき、パッドスプリング9全体の耐久性、寿命等を高め、信頼性を向上することができる。
また、パッドスプリング9に前述の如く設けた径方向付勢部15と回転方向付勢部18とにより、ディスク1の径方向、回転方向における摩擦パッド7のガタ付きを抑えることができ、摩擦パッド7の振動を良好に抑制できると共に、ブレーキ鳴き等の発生を防止することができる。
また、案内板部13のガイド底板13Cと径方向付勢部15の舌片部15Aとの間には、逆U字形状をなす切欠き部16を形成することにより、径方向付勢部15の弾性変形に伴った応力(歪み)が案内板部13のガイド底板13C等に伝わるのを抑え、該案内板部13により摩擦パッド7をディスク1の軸方向へと円滑に案内(ガイド)できるようにしている。
しかし、案内板部13のガイド底板13Cのうちパッドガイド4の寸法範囲L(図2参照)よりも外側に張出した部位は、切欠き部16によって途中部位に切込み等が入れられるため切欠き部16の近傍となる周囲位置で、例えばディスク1の回転方向における曲げ剛性が低下し、ブレーキ鳴き、引摺りトルクの増大を招く原因になる。
そこで、本実施の形態では、案内板部13のガイド底板13Cのうちパッドガイド4の寸法範囲L(図2参照)よりも外側に張出した部位には、切欠き部16に近い位置に例えばエンボス加工等を施すことにより、ディスク1の軸方向に細長く延びた凹凸形状部からなる補強部19を形成する構成としている。
これにより、補強部19は、案内板部13のガイド底板13Cのうち切欠き部16に近い部位の曲げ剛性が、当該切欠き部16によって低下されるのを抑え、案内板部13(ガイド底板13C)がディスク1の周方向(回転方向)に撓み変形するのを防止すると共に、その曲げ強度等を増大させることができる。
そして、この点は、ディスク1の回出側に配置される回出側のパッドスプリング20についても同様であり、回出側のパッドスプリング20は、それぞれの補強部30により案内板部24(ガイド底板24C)の曲げ強度等を増大させることができる。
即ち、案内板部13,24(ガイド底板13C,24C)は、その板厚や外形寸法(ディスク1の径方向における幅寸法)等を大きくすることなく、補強部19,30によって案内板部13,24全体の曲げ剛性を容易に高めることができる。これにより、ブレーキ操作が解除されて摩擦パッド7がディスク1の軸方向外側(待機位置)に向けて摺動変位しようとするとき等に、案内板部13,24のガイド底板13C,24Cが切欠き部16,27の周囲位置でディスク1の周方向(回転方向)に折曲がるように撓むのを防ぐことができる。
従って、本実施の形態によれば、ブレーキ操作の解除時にパッドスプリング9,20の径方向付勢部15,26等によって摩擦パッド7を待機位置へと円滑に戻すことができ、摩擦パッド7の戻り動作を安定化できると共に、パッドスプリング9,20の曲げ剛性を容易に増大させることができ、パッドの引摺りやブレーキ鳴き等を防止することができる。
また、パッドスプリング9,20(案内板部13,24)の曲げ剛性を高めることにより、パッドスプリング9,20を取付部材2のパッドガイド4等に組付けるときの変形を小さく抑えることができ、組付け時の作業を向上することができる。
しかも、パッドスプリング9,20の案内板部13,24のうちパッドガイド4(図2中に示す寸法範囲L)よりもディスク1の軸方向外側へと張出した部位に補強部19,30を形成しているので、パッドスプリング9,20の案内板部13,24を取付部材2のパッドガイド4に嵌合して取付けるときに、例えばエンボス加工等によって形成される補強部19,30がパッドガイド4の奥側壁面4Cに突当たるように接触、干渉するのを防止でき、案内板部13,24をパッドガイド4内に安定して組付けることができる。
また、パッドスプリング9には、案内板部13の下面板13Bと径方向付勢部15の舌板部15Aとの間にスリット状の切欠き部16を形成しているので、径方向付勢部15と回転方向付勢部18とを互いに独立して弾性変形させることができ、例えば径方向付勢部15の変形が回転方向付勢部18に影響を及ぼすのを防ぐことができる。
このため、径方向付勢部15と回転方向付勢部18とに余分な応力が作用するのを防止でき、応力集中等の発生を抑えることができる。しかも、摩擦パッド7に対する径方向付勢部15と回転方向付勢部18との付勢力を互いに独立させ、パッド姿勢を安定させることができる。
なお、前記実施の形態では、案内板部13,24のガイド底板13C,24Cにエンボス加工を施して窪ませることにより補強部19,30を形成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えばガイド底板13C,24Cの表面からみて凸形状をなし、裏面からみて凹形状に窪ませた補強部であってもよい。また、別体のリブ状突起等からなる補強部を案内板部(例えば、ガイド底板13C,24C)に設ける構成としてもよい。
また、補強部19,30はディスク1の軸方向に細長く延びる略I字状の凹凸形状部により構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばディスク1の軸方向に対して斜めに傾斜した方向に延ばして補強部を形成する構成としてもよいものである。
また、前記実施の形態では、回入側のパッドスプリング9に回転方向付勢部18を設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば回出側のパッドスプリング20と同様に回転方向付勢部等を有していないパッドスプリングを、回入側に用いてもよいものである。
さらに、前記実施の形態では、パッドスプリング9,20をディスク1の外周側を跨ぐように略コ字状に形成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばパッドスプリング9,20を連結板部10,21の中間位置等で切離したような形状をもつ2個のパッドスプリングを、ディスク1のインナ側、アウタ側にそれぞれ配設する構成としてもよいものである。
本発明の実施の形態によるディスクブレーキの正面図である。 キャリパを取外した状態で取付部材、摩擦パッドおよびパッドスプリングを図1中の矢示II-II方向からみた拡大断面図である。 取付部材のパッドガイド、パッドスプリングおよび摩擦パッド等を図2中の矢示 III−III 方向からみた拡大断面図である。 図2中のパッドスプリングを弾性変形前の状態で単体として示す正面図である。 パッドスプリングを図4中の矢示V−V方向からみた拡大側面図である。 パッドスプリングを図4中の矢示VI−VI方向からみた拡大断面図である。 図4中の径方向付勢部を案内板部の下面板上に撓ませた状態を示すパッドスプリングの正面図である。 弾性変形前の状態にある図4のパッドスプリングを斜めからみた斜視図である。 図8中の径方向付勢部を案内板部の下面板上に撓ませた状態を示すパッドスプリングの斜視図である。 回出側のパッドスプリングを単体として示す斜視図である。
符号の説明
1 ディスク
2 取付部材
2A 腕部
3 ディスクパス部
4 パッドガイド
5 キャリパ
6 摺動ピン
7 摩擦パッド
8 裏金
8A,8B 耳部(凸部)
9,20 パッドスプリング
13,24 案内板部
13A,24A 上面板
13B,24B 下面板
13C,24C ガイド底板
15,26 径方向付勢部
15A,26A 舌片部
15B,26B 折返し部
15C,26C 付勢片部
16,27 切欠き部
19,30 補強部

Claims (3)

  1. ディスクの回転方向に離間して該ディスクの外周側を軸方向に跨ぐ一対の腕部を有し該各腕部にパッドガイドが設けられた取付部材と、該取付部材の各腕部に摺動可能に設けられたキャリパと、前記取付部材の各腕部に前記パッドガイドを介して摺動可能に取付けられ該キャリパによりディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、前記取付部材の各腕部側にそれぞれ取付けられ該各摩擦パッドを前記各腕部間で弾性的に支持するパッドスプリングとからなるディスクブレーキにおいて、
    前記パッドスプリングは、
    前記摩擦パッドを軸方向に案内するため前記取付部材のパッドガイドに嵌合して取付けられ、該パッドガイドよりも前記ディスクの軸方向外側に張出して延びる案内板部と、
    基端側が該案内板部に一体形成され、先端側が弾性変形した状態で該案内板部と前記摩擦パッドとの間をディスクの軸方向に延びることにより、前記摩擦パッドをディスクの径方向外側に向けて弾性的に付勢する径方向付勢部と、
    該径方向付勢部の弾性変形による影響が前記案内板部に及ぶのを防ぐため該径方向付勢部の基端側と前記案内板部とを前記ディスクの軸方向で切離すように形成された切欠き部と、
    該切欠き部に近い位置で前記案内板部に設けられ、該案内板部がディスクの回転方向に撓み変形するのを抑える補強部とを含んで構成したことを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記補強部は、前記案内板部を部分的に窪ませることにより形成されディスクの軸方向に延びた凹凸形状部により構成してなる請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記補強部は、前記案内板部のうち前記パッドガイドよりもディスクの軸方向外側へと張出した部位に形成してなる請求項1または2に記載のディスクブレーキ。
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