JP3660507B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両等に制動力を付与するのに好適に用いられるディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両等に用いられるディスクブレーキは、ディスクの周方向に離間して、該ディスクの外周を跨ぐように軸方向に伸長した一対の腕部を有する取付部材と、該取付部材の各腕部に摺動可能に支持され、該各腕部間で前記ディスクの両側を跨ぐようになったキャリパと、前記ディスクの両面側に位置して、前記取付部材の各腕部間に摺動可能に取付けられ、該キャリパによってディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、該各摩擦パッドを前記取付部材の各腕部側に弾性的に押圧すべく、前記取付部材の各腕部側に取付けられた一対のパッドスプリングとを備えている(特開平10−26157号公報等)。
【0003】
この種の従来技術によるディスクブレーキでは、ブレーキ操作時に、キャリパのインナ側に設けたピストンが外部からの液圧供給によってディスク側に摺動変位することにより、インナ側の摩擦パッドをディスクに押圧する。そして、このときキャリパはディスクからの反力を受けてインナ側に変位し、アウタ側の摩擦パッドをディスクに押圧することにより、ディスクに制動力を与える。
【0004】
また、この従来技術では、各摩擦パッドをディスクから離間させる方向に常時付勢する戻しばねをパッドスプリングに設けている。そして、ブレーキ操作を解除したときには、各摩擦パッドを戻しばねによりディスクから強制的に離間させ、ブレーキの引き摺り等が発生するのを防止する構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、戻しばねは、パッドスプリングからディスクの径方向に向けて細長く延びる舌片部を折曲げることによって形成している。これによりパッドスプリングの成形、加工時には、一枚の板材から型取りできるパッドスプリングの個数を増やし、材料コスト等の削減を図っている。
【0006】
しかし、この従来技術にあっては、戻しばねによって摩擦パッドをディスクから離間させる方向に付勢するときに、戻しばねが摩擦パッドからの反力を受ける。そして、この反力は戻しばねをパッドスプリングに対して捩る方向の力(以下、捩り力)となって、戻しばねの基端側に作用する。
【0007】
このため、パッドスプリングを長期に亘って使用し続けると、戻しばねの基端側には前記捩り力が作用し続けることにより、金属疲労等が生じ易くなり、戻しばねのばね力が低下する原因になるという問題がある。
【0008】
また、摩擦パッドの摺動抵抗が低い場合、戻しばね力により摩擦パッドが戻り易いために、摩擦パッドが振動して異音が発生したり、摩擦パッドの姿勢が悪化するという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明は、戻しばねを含めたパッドスプリング全体を一枚の板材からより多く型取りできる上に、戻しばねに作用する摩擦パッドからの反力に対して戻しばね全体の剛性を高めることができ、戻しばねによって摩擦パッドを常に安定したばね力をもって付勢し続けることができ、装置の性能を高めることができ、しかも、摩擦パッドに作用する戻しばね力に対して摩擦パッドの振動を抑えることで振動に起因する摩擦パッドの異音を低減し、また、摩擦パッドの傾きを抑えることで引き摺りの発生を防止できるようにしたディスクブレーキを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明によるディスクブレーキは、ディスクの周方向に離間して、該ディスクの外周を跨ぐように軸方向に伸長した一対の腕部を有する取付部材と、該取付部材の各腕部に摺動可能に支持され、該各腕部間で前記ディスクの両側を跨ぐようになったキャリパと、前記ディスクの両面側に位置して、前記取付部材の各腕部間に摺動可能に取付けられ、該キャリパによってディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、該各摩擦パッドを前記取付部材の各腕部側に弾性的に押圧すべく、前記取付部材の各腕部側に取付けられた一対のパッドスプリングとからなっている。
【0011】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、パッドスプリングには、摩擦パッドをディスクから離間させる方向に常時付勢するため、該パッドスプリングに一体成形された基端側が該パッドスプリングに対して略直角に折り曲げられ、先端側がディスク径方向の一方に延びる舌片部を折曲げることにより形成された戻しばねと、該戻しばねの基端側に前記ディスク径方向の一方とは逆向きに延びて一体形成され、該戻しばねにより前記摩擦パッドが前記ディスクから離間する方向に戻されているときに、該戻しばねが摩擦パッドを付勢する反力を受けるように前記摩擦パッドの裏面側に当接する当接板部とを設けたことにある。
【0012】
このように構成したことにより、戻しばねに設けた当接板部を摩擦パッドに弾性的に当接させることができるから、戻しばねが摩擦パッドを付勢するときの反力を当接板部と摩擦パッドとの間で荷重として支持することができる。また、戻しばねをディスクの径方向に向けて延びる舌片部を折曲げることにより形成できるから、戻しばねを含めたパッドスプリングの展開形状を全体的に小さく形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるディスクブレーキを図1ないし図6に従って詳細に説明する。
【0014】
図において、1は自動車の車輪と共に回転するディスク、2は該ディスク1のインナ側となる位置で車両の非回転部分に一体的に取付けられる取付部材を示し、該取付部材2は、ディスク1の周方向に離間して、該ディスク1の外周を跨ぐように軸方向に伸長した一対の腕部3,3と、該各腕部3の基端側を連結した連結部4と、各腕部3間を弓形状に細長く延びて該各腕部3の先端側を一体に連結した補強ビーム5等とから一体形成されている。
【0015】
ここで、腕部3の基端側(インナ側)および先端側(アウタ側)には、図1および図2に示すように、それぞれ略コ字状をなしたパッドガイド部3Aと、ディスク1の周方向に向けて突出したトルク受部3B(いずれもアウタ側のみ図示)とが形成されている。
【0016】
そして、取付部材2の各腕部3は、それぞれのパッドガイド部3Aに後述する摩擦パッド8の各耳部10Aが摺動可能に係合され、この摩擦パッド8をディスク1の軸方向へ摺動可能に案内すると共に、摩擦パッド8を介したディスク1からのトルクをトルク受部3Bで受承するものである。
【0017】
6は取付部材2に摺動可能に支持されたキャリパで、該キャリパ6は、図1および図2に示す如く、取付部材2の各腕部3間でディスク1の外周側を跨ぐように延びたブリッジ部6Aと、ディスク1のインナ側に配置され、シリンダボア(図示せず)が形成されたシリンダ部6Bと、ディスク1のアウタ側でブリッジ部6Aから径方向内向きに延設された爪部6Cと、シリンダ部6Bの両端から図2中の左,右にそれぞれ突設された一対の取付部6D(一方のみ図示)とによって構成されている。
【0018】
ここで、キャリパ6の取付部6Dには摺動ピン(図示せず)の一端側がボルト7等を介して一体的に取付けられ、該摺動ピンの他端側は腕部3に形成されたピン穴(図示せず)内に摺動可能に挿嵌されている。これにより、キャリパ6は、取付部材2に対してディスク1の軸方向に摺動変位可能に取付けられている。
【0019】
そして、シリンダ部6Bのシリンダボア内にはピストン(図示せず)が摺動可能に挿嵌され、このピストンは外部からブレーキ液圧が供給されることによりシリンダボア内を摺動し、爪部6Cとの間で各摩擦パッド8をディスク1の両面に押圧する構成となっている。
【0020】
8,8はディスク1の両側に配置されたインナ側およびアウタ側の摩擦パッドで、該摩擦パッド8は、図2に示す如くラインニング9と、横長の略扇形状に形成され、ラインニング9の裏面側には重なり合うように固着された裏金10とによって構成されている。
【0021】
そして、摩擦パッド8は、裏金10の長さ方向両端側に突設した耳部10Aがパッドスプリング12のガイド板部15内に僅かな隙間をもって摺動可能に挿嵌されている。これにより、摩擦パッド8は、取付部材2のパッドガイド部3Aに沿ってディスク1の軸方向に案内され、キャリパ6によってディスク1の両面に押圧される。
【0022】
11,11,…は摩擦パッド8の各耳部10Aに取付けられた摩耗警報部材で、該摩耗警報部材11は、細長の板材をプレス成形することによって図2および図3に示すように形成されている。
【0023】
そして、摩耗警報部材11は、基端側が裏金10の耳部10Aにカシメ固定され、そこから略U字状に屈曲して先端側がライニング9と裏金10との接合位置まで延びている。これにより摩耗警報部材11は、ライニング9が摩耗したときにディスク1に摺接して異音を発生し、摩擦パッド8の交換が必要であることを運転者に警報するものである。
【0024】
12,12は取付部材2の各腕部3に取付けられた一対のパッドスプリングで、該各パッドスプリング12は、図1ないし図5に示す如くディスク1の軸方向に延び、取付部材2の腕部3内側面に係合するように略「く」字状に屈曲した連結板部13と、該連結板部13の長さ方向両側からディスク1の径方向内側に向けて延びた一対の延設板部14,14と、該各延設板部14の先端から略コ字状に折曲げられ、各腕部3のパッドガイド部3Aに嵌合した一対のガイド板部15,15と、該各ガイド板部15の端部から略直角に折曲げられ、トルク受部3Bの端面に沿って延びた受け板部16,16と、該各受け板部16の先端側から略直角に折曲げられ、摩擦パッド8に弾性的に当接したパッド押圧板部17とによって大略構成されている。
【0025】
また、前記ガイド板部15は、摩擦パッド8の耳部10Aを挟んでディスク1の径方向内側と外側とに対向して配置された部位がそれぞれ内側板15A、外側板15Bとなり、該内側板15Aと外側板15Bとを一体に連結した部位が中間板15Cとなっている。そして、このガイド板部15の内側板15A端部には、図5に示すように後述する当接板部19との干渉を避けるための切欠き15Dが形成されている。
【0026】
そして、パッドスプリング12は、パッド押圧板部17のばね力によって摩擦パッド8の耳部10Aをガイド板部15の外側板15Bに押圧し、この状態で耳部10Aをガイド板部15に沿ってディスク1の軸方向に摺動可能に案内させる構成となっている。
【0027】
18,18はパッドスプリング12の各受け板部16に一体に設けられた一対の戻しばねで、該戻しばね18は、後述の舌片部18′を折曲げることにより図3ないし図5に示す如く形成されている。
【0028】
ここで、戻しばね18は、受け板部16の外側端部からディスク1の周方向にL字状に屈曲して延びた第1の屈曲板部18Aと、該屈曲板部18Aの先端側からU字状に屈曲した第2の屈曲板部18Bと、該屈曲板部18Bの先端側からV字状に屈曲し、先端側がクランク状に2段階に折曲げられた第3の屈曲板部18Cとによって構成されている。
【0029】
また、各戻しばね18は、それぞれの屈曲板部18Aがトルク受部3Bのインナ側端面およびアウタ側端面に係合することにより、パッドスプリング12を腕部3に対してディスク1の軸方向に位置決めしている。そして、戻しばね18は、屈曲板部18Cの先端側が摩耗警報部材11に弾性的に当接し、摩擦パッド8と一体となった摩耗警報部材11を図3中の矢示F方向へとディスク1から離間させる方向に常時付勢する構成となっている。
【0030】
19は戻しばね18の屈曲板部18Aに一体形成された当接板部で、該当接板部19は、戻しばね18の屈曲板部18Aからディスク1の径方向外側へとガイド板部15側に向けて延び、その先端側は折曲げ部19Aとなってディスク1の軸方向に向けて円弧状に折曲げられている。
【0031】
そして、当接板部19は、折曲げ部19Aが摩擦パッド8の耳部10Aに弾性的に当接し、戻しばね18が摩擦パッド8と一体となった摩耗警報部材11を付勢するときの反力を耳部10Aとの間で受ける構成となっている。
【0032】
このように構成されるパッドスプリング12は、図6に示すような板片12′をプレス成形することによって形成され、該板片12′は、ばね性を有するステンレス板等の板材からプレスによる打抜き等の手段を用いて略コ字形状に型取りされている。
【0033】
ここで、板片12′は、上部側が略凸形状をなすと共に下部側が略凹形状なす連結板部13′と、該連結板部13′の左右両端側から下方へと折曲線A,Aの位置まで延びた一対の延設板部14′,14′と、該各延設板部14′の下側端(各折曲線Aの位置)から下方へと折曲線B,Bの位置まで延びた一対のガイド板部15′,15′と、該各ガイド板部15′の下側端(各折曲線Bの位置)から下方へと折曲線C,Cの位置まで延びた一対の受け板部16′,16′と、該各受け板部16′の下側端(各折曲線Cの位置)からさらに下側へと延びた一対のパッド押圧板部17′,17′とから大略構成されている。
【0034】
また、各受け板部16′の外側には、受け板部16′および押圧板部17′と平行で、かつ図4中に一点鎖線で示すようにディスク1の径方向に細長く延びる一対の舌片部18′,18′が一体成形されている。
【0035】
そして、この舌片部18′は、受け板部16′の外側端(各折曲線Dの位置)から左右方向に延びた第1板部18A′と、該第1板部18A′から下方へと折曲線Eの位置まで延びた幅広の第2板部18B′と、該第2板部18B′の先端側からさらに下側に向けて延びた細長の第3板部18C′とからなっている。また、第1板部18A′には第2板部18B′とは逆向きに上方へと延びた突出板部19′が一体形成されている。
【0036】
ここで、パッドスプリング12の連結板部13は、板片12′の連結板部13′を折曲線F,Gに沿って略「く」字状に二段階に折曲げることにより形成され、延設板部14は、延設板部14′を折曲線Aに沿って略直角に折曲げることにより形成されると共に、ガイド板部15はガイド板部15′を折曲線H,Iに沿って略コ字状に折曲げることにより形成される。
【0037】
また、受け板部16は受け板部16′を折曲線Bに沿って略直角に折曲げることにより形成され、パッド押圧板部17はパッド押圧板部17′を折曲線Cに沿って手前に折曲げ、その先端部を折曲線J,Kに沿ってクランク状に二段階に折曲げることによって形成される。
【0038】
さらに、戻しばね18の屈曲板部18Aは、第1板部18A′を折曲線Dに沿って略直角に折曲げることにより形成され、屈曲板部18Bは第2板部18B′を折曲線Lに沿って略U字状に折曲げることにより形成されると共に、屈曲板部18Cは第3板部18C′を折曲線Eに沿って略V字状に折曲げ、その先端部を折曲線M,Nに沿って二段階にクランク状に折曲げることによって形成される。そして、当接板部19は、突出板部19′の先端側を折曲線Oに沿って折曲げることにより形成される。
【0039】
本実施の形態によるディスクブレーキは上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0040】
まず、運転者がブレーキ操作を行うと、キャリパ6のシリンダ部6B内に設けられたピストンが外部からの液圧供給により、ディスク1側に摺動して、アウタ側の爪部6Cとの間で各摩擦パッド8をディスク1の両面に押圧し、該ディスク1に制動力を与える。そして、ブレーキ操作を解除したときには、ピストンへの液圧供給が停止し、該ピストンがキャリパ6のシリンダ部6B内に押戻され、各摩擦パッド8をディスク1から自動的に離間させる。
【0041】
このとき、摩擦パッド8に一体に設けた摩耗警報部材11は、図3に示すようにパッドスプリング12の戻しばね18のばね力によって矢示F方向(ディスク1の軸方向外向き)に常時付勢されているから、この戻しばね18により摩擦パッド8の耳部10Aをパッドスプリング12のガイド板部15に沿って円滑に摺動させることができ、ブレーキの引き摺り等の低減を図ることができる。
【0042】
ところで、戻しばね18は、上述の如く摩耗警報部材11を矢示F方向へと押圧するときに矢示F′方向に向けた押圧反力を受ける。そして、戻しばね18は、第1の屈曲板部18Aがパッドスプリング12の受け板部16に対してディスク1の周方向に向けて折曲げられるのに対し、第2の屈曲板部18Bは屈曲板部18Aに対してディスク1の径方向、即ち屈曲板部18Aの折曲げ方向と直交する方向に向けて折曲げられている。
【0043】
このため、戻しばね18には、前記矢示F′方向に向けた押圧反力が、戻しばね18全体をパッドスプリング12の受け板部16に対して図3中の矢示m方向に捩る力(捩り力)となって作用する。
【0044】
また、ブレーキの解除時には、戻しばね18の戻し力により摩擦パッド8がディスク1から離間される。そして、このときに戻し力が強い場合、または摩擦パッド8の摺動抵抗が小さい場合等には、摩擦パッド8の振動による異音や、摩擦パッド8の姿勢の悪化による引き摺りが発生し易くなる。
【0045】
そこで、本実施の形態では、戻しばね18の基端側にはパッドスプリング12のガイド板部15側に向けて延びる当接板部19を設け、該当接板部19の先端側を摩擦パッド8の耳部10Aに弾性的に当接させる構成としている。これにより前述した捩り力の一部を当接板部19と耳部10Aとの間で受承することができ、摩擦パッド8の振動や摩擦パッド8の姿勢を安定させることができる。
【0046】
従って、本実施の形態によれば、摩擦パッド8の振動による異音や摩擦パッド8の傾きを防止することができる。これによって、ブレーキの異音や引き摺り等の発生を一層防止することができ、当該ディスクブレーキの性能を高めることができる。
【0047】
また、パッドスプリング12の戻しばね18は、ガイド板部15′、受板部16′およびパッド押圧板部17′と略平行に細長く延びた舌片部18′を折曲げることによって形成する構成としたから、板片12′全体の横幅寸法Wを小さく形成でき、板片12′を素材となる板材から有効に型取りできると共に、材料コスト等を削減することが可能となる。
【0048】
さらに、摩擦パッド8をパッドスプリング12と共に取付部材2に組付けるときには、当接板部19を摩擦パッド8の耳部10Aに突き当てることができるから、摩擦パッド8が戻しばね18のばね力によってパッドスプリング12から脱落するのを当接板部19によって抑えることができる。これにより当接板部19を摩擦パッド8の抜止め用のストッパとして用いることができ、摩擦パッド8の組付時の作業性を向上することができる。
【0049】
なお、実施の形態では、戻しばね18のばね力を、摩擦パッド8の耳部10Aに設けた摩耗警報部材11に作用させるものとして述べたが、本発明はこれに限らず、例えば各摩耗警報部材を廃止すると共に、先端部がディスクの軸方向内きに「し」字状に屈曲した屈曲部材を耳部に設け、この屈曲部材に戻しばねを弾性的に当接させる構成としてもよい。
【0050】
また、各実施の形態では、ディスクブレーキを自動車に適用するものとして述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、二輪車等の他の車両等にも広く適用されるものである。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述した通り本発明によれば、パッドスプリングには、摩擦パッドをディスクから離間させる方向に付勢する戻しばねを設け、この戻しばねの基端側には、該戻しばねによって摩擦パッドが前記ディスクから離間する方向に戻されているときに、前記摩擦パッドの裏面側に当接する当接板部を設ける構成としたから、戻しばねにより摩擦パッドが戻されて当接板部が摩擦パッドの裏面側に当接しているときには、戻しばねの基端側において戻しばねの戻し力とこれにより当接板部が受ける力とが釣り合っているので、戻しばね全体をパッドスプリングに対して捩じる捩り力が作用せず、戻しばねの基端側とパッドスプリングとの間の折曲部分に局所的に応力集中が発生するのを防止することができ、このような捩り力に対する戻しばね全体の剛性を高めることができる。
【0052】
これにより当該ディスクブレーキを長期に亘って使用した場合でも、戻しばねによって摩擦パッドを常に大きなばね力をもって付勢し続けることができ、ブレーキの引き摺り等の発生を一層防止することができ、当該ディスクブレーキの性能を高めることができる
【0053】
さらに、戻しばねは、パッドスプリングからディスクの径方向に対して細長く延びる舌片部を折曲げることにより形成したから、パッドスプリングの成形、加工時には、該パッドスプリングを板材から有効に型取りすることができ、パッドスプリングの製作コスト等を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるディスクブレーキの正面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた部分断面図である。
【図3】パッドスプリング、戻しばねおよび摩耗警報部材等を拡大して示す図1中の矢示III −III 方向からみた要部拡大断面図である。
【図4】パッドスプリングを拡大して示す斜視図である。
【図5】図4中の戻しばねおよび当接板部等を示す要部拡大図である。
【図6】パッドスプリングをプレス成形する前の展開図である。
【符号の説明】
1 ディスク
2 取付部材
3 腕部
6 キャリパ
8 摩擦パッド
12 パッドスプリング
18 戻しばね
19 当接板部

Claims (1)

  1. ディスクの周方向に離間して、該ディスクの外周を跨ぐように軸方向に伸長した一対の腕部を有する取付部材と、該取付部材の各腕部に摺動可能に支持され、該各腕部間で前記ディスクの両側を跨ぐようになったキャリパと、前記ディスクの両面側に位置して、前記取付部材の各腕部間に摺動可能に取付けられ、該キャリパによってディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、該各摩擦パッドを前記取付部材の各腕部側に弾性的に押圧すべく、前記取付部材の各腕部側に取付けられた一対のパッドスプリングとからなるディスクブレーキにおいて、
    前記パッドスプリングには
    記摩擦パッドをディスクから離間させる方向に常時付勢するため、該パッドスプリングに一体成形された基端側が該パッドスプリングに対して略直角に折り曲げられ、先端側がディスク径方向の一方に延びる舌片部を折曲げることにより形成された戻しばねと
    戻しばねの基端側に前記ディスク径方向の一方とは逆向きに延びて一体形成され、該戻しばねにより前記摩擦パッドが前記ディスクから離間する方向に戻されているときに、該戻しばねが摩擦パッドを付勢する反力を受けるように前記摩擦パッドの裏面側に当接する当接板部とを設けたことを特徴とするディスクブレーキ。
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