JP2001220123A - 酸化珪素粉末の連続製造方法及び連続製造装置 - Google Patents
酸化珪素粉末の連続製造方法及び連続製造装置Info
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Abstract
応炉内に供給し、この反応炉内で不活性ガスもしくは減
圧下に1100〜1600℃に加熱して酸化珪素ガスを
発生させ、この酸化珪素ガスを1000℃を超え130
0℃以下に保持された搬送管を通して冷却室内に導入
し、冷却した基体表面に析出させ、次いでこの酸化珪素
析出物を連続的に回収することを特徴とする酸化珪素粉
末の連続製造方法。 【効果】 本発明の酸化珪素粉末の製造方法及び製造装
置によれば、高純度な非晶質酸化珪素粉末を連続的かつ
安定的に製造することができ、結果として安価な酸化珪
素を市場に供給することができる。
Description
着用、リチウムイオン2次電池負極活物質などとして好
適に使用される酸化珪素粉末の連続製造方法及び連続製
造装置に関する。
二酸化珪素系酸化物粉末からなる原料混合物を減圧非酸
化性雰囲気中で熱処理し、SiO蒸気を発生させ、この
SiO蒸気を気相中で凝縮させて、0.1μm以下の微
細アモルファス状のSiO粉末を連続的に製造する方法
(特開昭63−103815号公報)、及び原料珪素を
加熱蒸発させて、表面組織を粗とした基体の表面に蒸着
させる方法(特開平9−110412号公報)が知られ
ている。
た特開昭63−103815号公報の方法は、連続的な
製造が可能であるが、生成したSiO粉末は微粉であ
り、大気に取り出した際の酸化反応により高純度の酸化
珪素粉末が製造できない問題がある。一方で、特開平9
−110412号公報に記載の方法は、高純度の酸化珪
素粉末が製造できるものの、回分法を前提としているた
め、量産化が困難であり、結果として高価な酸化珪素粉
末しか製造できない。
で、高純度の酸化珪素粉末を効率的に低コストで製造す
ることができる酸化珪素粉末の連続製造方法及び連続製
造装置を提供することを目的とする。
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、少なくとも二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を
1100〜1600℃に加熱保持された反応室内に供給
し、反応室内で発生した酸化珪素蒸気を1000℃を超
え1300℃以下に保持された搬送ラインを介して析出
室に搬送し、析出室内で冷却された基体表面に析出さ
せ、この析出物を随時掻き取り、回収室で回収すること
で、酸化珪素粉末の連続的な製造が可能であることを見
出した。
を含む混合原料粉末を反応炉内に供給し、この反応炉内
で不活性ガスもしくは減圧下に1100〜1600℃に
加熱して酸化珪素ガスを発生させ、この酸化珪素ガスを
1000℃を超え1300℃以下に保持された搬送管を
通して冷却室内に導入し、冷却した基体表面に析出さ
せ、次いでこの酸化珪素析出物を連続的に回収すること
を特徴とする酸化珪素粉末の連続製造方法、及び、
(2)二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応させて
酸化珪素ガスを生成させる反応室と、この反応室内に上
記混合原料粉末を供給する原料供給機構と、上記酸化珪
素ガスを冷却した基体表面に析出させる析出室と、上記
酸化珪素ガスを上記反応室から上記析出室に搬送する搬
送ラインと、上記基体表面に析出した酸化珪素粉末を回
収する回収機構とを具備することを特徴とする酸化珪素
粉末の連続製造装置を提供する。
本発明の酸化珪素粉末の連続製造方法において、原料と
しては、二酸化珪素粉末とこれを還元する粉末との混合
物を用いる。具体的な還元粉末としては、金属珪素化合
物、炭素含有粉末などが挙げられるが、特に金属珪素粉
末を用いたものが、反応性を高める、収率を高める
といった点で効果的であり、好ましく用いられる。
において1100〜1600℃、好ましくは1200〜
1500℃の温度に加熱、保持し、酸化珪素ガスを生成
させる。反応温度が1100℃未満では、反応が進行し
難く生産性が低下してしまうし、1600℃を超える
と、混合原料粉末が熔融して逆に反応性が低下したり、
炉材の選定が困難になるおそれがある。
圧下であるが、熱力学的に減圧下の方が反応性が高く、
低温反応が可能となるため、減圧下で行うことが望まし
い。
(フィーダー)にて、上記混合原料粉末を適宜間隔ごと
に又は連続的に供給し、反応を連続的に行うものであ
る。
これを搬送ラインを介して析出室に連続的に供給する。
え1300℃以下、好ましくは1100〜1200℃に
加熱、保持する。搬送ラインの温度が1000℃以下で
は、酸化珪素蒸気が搬送管内壁に析出、付着し、運転上
支障を生じ、安定的な連続運転ができなくなる。逆に、
1300℃を超える温度に加熱しても、それ以上の効果
は見られないばかりか、電力コストの上昇を招いてしま
う。
され、この析出室内に導入された上記酸化珪素ガスがこ
の冷却基体に接触、冷却されることにより、この基体上
に酸化珪素粉末が析出する。ここで、基体を冷却する目
的は、非晶質な酸化珪素を製造するためであり、無冷却
の場合は、析出した酸化珪素が不均化反応により二酸化
珪素と金属珪素に分かれてしまったり、一部結晶質の金
属珪素が混入してしまう。冷媒の種類については特に限
定しないが、水、熱媒といった液体、空気、窒素といっ
た気体がその目的によって使われる。また、基体の種類
も特に限定しないが、加工性の点でSUSやモリブデ
ン、タングステンといった高融点金属が好適に用いられ
る。なお、基体の冷却温度は200〜500℃、特に3
00〜400℃が好ましい。
き取り等の適宜な手段により回収する。
1に示すような装置を用いることができる。ここで、図
1において、1は反応炉であり、その内部の反応室2に
上記混合原料粉末3が供給される。この反応炉1にはヒ
ーター4が配設され、ヒーター4を通電することにより
反応室2が1100〜1600℃に保持される。なお、
5は断熱材である。
と、原料供給管9を具備する原料供給機構で、ホッパー
7からフィーダー8に供給された混合原料粉末をフィー
ダー8を作動させることにより原料供給管9を介して上
記反応室2に供給する。供給は、反応室内炉圧Pを観察
し、反応室内の原料残存量を推測しながら間欠的又は連
続的に行うことができる。
00℃を超え1300℃以下に保持された搬送管(搬送
ライン)10を介して上記反応炉1と連結された析出槽
であり、その内部の析出室12には、基体13が配置さ
れる。この基体13内には冷媒通路が形成され、この冷
媒通路に冷媒導入管14及び冷媒排出管15がそれぞれ
連通し、基体13がこの冷媒によって所定温度に冷却さ
れるようになっている。また、上記基体13上には、こ
の基体13に析出した酸化珪素粉末を掻き取り回収する
掻き取り装置(酸化珪素粉末回収機構)16が配設され
ている。
出槽11と連結された回収槽であり、上記析出室12内
の基体13上に析出され、かつ上記掻き取り装置16に
よって掻き取り、回収された酸化珪素粉末が、回収管1
7を介して回収槽18に落下、回収されるものである。
なお、図中19,20,21はそれぞれ真空ポンプであ
る。
を連続して安定に製造できる。
化珪素粉末は、通常BET比表面積0.5〜300m2
/g、特に5〜100m2/gであり、また純度99.
9%以上、特に99.95%以上である。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるも
のではない。
て酸化珪素粉末を製造した。原料は、二酸化珪素粉末
(BET比表面積200m2/g)と金属珪素粉末(B
ET比表面積3m2/g)を等量モルの割合で撹拌混合
機を用いて混合した混合粉末であり、反応室2の容積が
0.5m3の反応炉1内に20kg仕込んだ。次に、真
空ポンプを用いて炉内を0.1Torr以下に減圧した
後、ヒーター4に通電し、1300℃の温度に昇温、保
持した。一方で、搬送管10を1100℃に加熱、保持
し、冷媒導入管14に水を流入し、SUS製の基体13
を冷却した。次に、フィーダー8を作動させ、混合原料
粉末を2kg/Hrの割合で連続供給し、連続反応を行
わせた。基体13上に析出した酸化珪素は、スクレーバ
ー16により連続的に掻き取られ、回収室18によって
回収した。上記運転を120時間連続して行った結果、
酸化珪素粉末は1.6kg/Hr(収率=80%)で回
収された。また、得られた酸化珪素粉末は、BET比表
面積8m2/g、純度99.9%以上の非晶質粉末であ
り、運転終了後、装置内観察においても特に問題がない
ことが確認された。
たほかは、実施例と同じ条件で酸化珪素を連続的に製造
した。得られた酸化珪素粉末は、BET比表面積8m2
/g、純度99.9%以上の非晶質粉末であったが、運
転開始25時間後に搬送管10が酸化珪素析出物により
閉塞し、運転継続が不可能な状態となった。
は、実施例と同じ条件で酸化珪素を連続的に製造した。
運転終了後の内部観察では特に問題は見られなかった
が、得られた酸化珪素粉末は、結晶質金属珪素の含有が
認められ、BET比表面積4m2/g、純度92%の低
純度粉末であった。
造装置によれば、高純度な非晶質酸化珪素粉末を連続的
かつ安定的に製造することができ、結果として安価な酸
化珪素を市場に供給することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反
応炉内に供給し、この反応炉内で不活性ガスもしくは減
圧下に1100〜1600℃に加熱して酸化珪素ガスを
発生させ、この酸化珪素ガスを1000℃を超え130
0℃以下に保持された搬送管を通して冷却室内に導入
し、冷却した基体表面に析出させ、次いでこの酸化珪素
析出物を連続的に回収することを特徴とする酸化珪素粉
末の連続製造方法。 - 【請求項2】 混合原料粉末が二酸化珪素粉末と金属珪
素粉末との混合物である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反
応させて酸化珪素ガスを生成させる反応室と、この反応
室内に上記混合原料粉末を供給する原料供給機構と、上
記酸化珪素ガスを冷却した基体表面に析出させる析出室
と、上記酸化珪素ガスを上記反応室から上記析出室に搬
送する搬送ラインと、上記基体表面に析出した酸化珪素
粉末を回収する回収機構とを具備することを特徴とする
酸化珪素粉末の連続製造装置。
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