JP2003002627A - シリコンの製造方法 - Google Patents

シリコンの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応装置のノズル部位が、クロロシラン類と
水素との反応によって生成したシリコンによって閉塞す
るのを防止してシリコンを工業的に円滑に製造すること
のできるシリコンの製造方法を提供すること。 【解決手段】 クロロシラン類と水素を反応せしめてシ
リコンを生成せしめる方法において、生成したシリコン
と反応し得る反応試剤を反応系内に連続的にあるいは断
続的に導入することを特徴とするシリコンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコンの新規な製
造方法に関する。詳しくは、シリコンの融点以上に加熱
された加熱体を備えた反応装置において、シリコンを生
成せしめ、該加熱体からシリコン融液として回収する
際、装置内にシリコンが固体で析出する現象を防止する
ことを目的としたシリコンの製造方法である。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体或いは太陽光発電用電
池の原料として使用されるシリコンを製造する方法は種
々知られており、そのうちのいくつかは既に工業的に実
施されている。例えば、その一つはシーメンス法と呼ば
れる方法であり、通電によりシリコンの析出温度に加熱
したシリコン棒をベルジャー内部に配置し、ここにトリ
クロロシラン(SiHCl3、以下TCSという)やモ
ノシラン(SiH4)を、水素等の還元性ガスと共に接
触させてシリコンを析出させる方法である。この方法は
高純度なシリコンが得られることが特徴であり、最も一
般的な方法として実施されているが、析出がバッチ式で
あるため、種となるシリコン棒の設置、シリコン棒の通
電加熱、析出、冷却、取り出し、ベルジャーの洗浄、等
の極めて煩雑な手順を行わなければならないという問題
点がある。
【0003】上記方法に対して、シリコンを連続的に製
造するための方法として、流動層による析出方法があ
る。この方法は流動層を用い、100μm程度のシリコ
ン微粒子を析出核として供給しながら、上述のシラン類
を供給してシリコン微粒子上にシリコンを析出し、1〜
2mmのシリコン粒として連続的に抜出す方法である。
この方法はシリコンを抜出すために反応停止する必要が
無く、比較的長期の連続運転が可能であることが特徴で
ある。
【0004】しかしながら、この方法で工業的に実施さ
れている態様においては、析出温度の低いモノシランを
シリコン原料として使用しているため、比較的低温域に
おいても該モノシランの熱分解による微粉シリコンの生
成や、反応器壁へのシリコンの析出等が起こり易く、反
応容器の定期的な洗浄または交換が必要となる。また、
流動状態にある析出途中のシリコン粒子が長時間に亘っ
て反応器壁と激しく接触して摩擦するために生成シリコ
ンの純度においても問題が残る。上記流動床による方法
における問題を回避し得るシリコンの連続的な製造方法
として、加熱体の表面でシリコンを生成、析出せしめ、
該シリコンを融液として該加熱体より連続的に回収する
方法がある。
【0005】例えば、特開平11−314996号公報
には、発熱体の下部表面に対向して高周波コイルを配置
し、該発熱固体を該高周波コイルにより誘導加熱し、そ
こにシリコン原料ガスを吹き付けてシリコンを析出させ
かつ溶融液として形成し、シリコン溶融液を滴下ないし
流下させシリコン結晶を製造する装置が開示されてい
る。また、上記発熱体の側面の周囲に沿って発熱体を取
り囲む外筒を設け、発熱体と外筒の間にシールガスとし
て不活性ガスを流し、発熱体或いはその周辺の壁におい
てシリコンの析出温度以上で且つシリコンの融点より低
い温度となる部位(以下低温部位ともいう)に原料ガス
が回り込むことによる多結晶シリコン析出を防止する工
夫も開示されている。
【0006】この工夫により低温部位における多結晶シ
リコン析出を少くすることはできるが、シリコンの析出
を完全に防止することは困難である。例えば、シールガ
スの偏流、シールガスの流量の不足等により、該低温部
位に原料ガスが回り込み、一旦シリコンが析出するとこ
れが成長し、原料ガス供給ノズルの閉塞等の問題が生じ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
反応装置の低温部位におけるシリコンの析出を防止し、
シリコンを工業的に安定して製造することのできるシリ
コンの製造方法を提供することにある。本発明の他の目
的および利点は以下の説明から明らかになろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、シリコンの融点以上に加熱さ
れた加熱体を備えた反応装置内で、該加熱体にクロロシ
ラン類と水素とを供給してシリコンを生成せしめ、生成
したシリコンを該加熱体から融液として回収するに際
し、該装置内においてシリコンの析出温度以上で且つシ
リコンの融点未満となる部位に、シリコンと反応し得る
反応試剤を連続的或いは断続的に導入することを特徴と
するシリコンの製造方法によって達成される。即ち、本
発明の方法によれば、低温部位にシリコンが析出した場
合も、後述する反応試剤をかかる部位に導入することに
より、析出したシリコンの一部又は全部を除去すること
が可能であり、該低温部位におけるシリコンの析出、成
長を効果的に防止することができ、工業的に安定してシ
リコンを製造することが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、シリコンの融点
以上に加熱された加熱体を備えた反応装置内で、クロロ
シラン類と水素とを反応させてシリコンを生成せしめ、
生成したシリコンを該加熱体から融液として回収する方
法に対して適用することができる。上記反応装置は、好
適な具体例を後に示すが、シリコンの融点以上に加熱さ
れる加熱体を備え、該加熱体に対してシリコンを生成す
るための原料ガスであるクロロシラン類と水素とを供給
する手段を有するものが、特に制限なく使用される。
【0010】また、上記クロロシラン類としては、例え
ばトリクロロシラン(SiHCl3)、四塩化ケイ素
(SiCl4)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、モ
ノクロロシラン(SiH3Cl)およびヘキサクロロジ
シラン(Si2Cl6)に代表されるクロロジシラン類お
よびオクタクロロトリシラン(Si3Cl8)に代表され
るクロロトリシラン類を好適なものとして挙げることが
できる。これらのクロロシラン類は単独でまたはお互い
に混合物として使用することができる。本発明の方法に
おいて、原料のクロロシラン類と水素は、上記融点以上
の温度に加熱された加熱体に供給され、その表面で反応
してシリコンを生成し、該シリコンは加熱体の内壁を溶
融状態で流下し、その下端よりら落下して回収される。
【0011】そして、上記装置を使用してシリコンを製
造する場合、該装置内に低温部位が必ず存在する。即
ち、装置内壁には、加熱手段によって加熱される部分と
加熱されない部分との境が存在し、かかる部分の付近が
低温部位となる。通常、このような部位には、シールガ
スを供給することにより、原料ガスがかかる内壁に接触
するのを防止している。しかし、前記したように、何ら
かの原因により該低温部位へのシールガスの供給が不足
し、或いは断たれた場合、原料ガスの回り込みにより、
シリコンが析出する場合がある。そして、この状態で反
応装置を長時間運転しつづけると、低温部位での固体シ
リコンの析出により、クロロシラン類供給管、水素供給
管等の原料ガスの供給ラインを閉塞するような不都合が
起こり易くなる。
【0012】本発明では、反応系内の低温部位に生成し
た固体シリコンと反応し得る反応試剤を反応系内に導入
してシリコンを反応試剤と反応させて結果的に固体シリ
コンが反応器のノズル部等に析出してそれを閉塞するよ
うな不都合を回避することができる。シリコンと反応し
得る反応試剤としては、例えば塩化水素(HCl)およ
び四塩化ケイ素を挙げることができる。塩化水素は例え
ば水素ガスで希釈して、好ましくは塩化水素濃度0.0
1〜100容積%反応系内に導入され下記反応:Si+
3HCl→SiHCl3+H2により、固体シリコン(S
i)を気体(SiHCl3)に転化する。この反応が円
滑に進行するように、反応系内の気体雰囲気中の塩化水
素濃度はシリコンの析出速度よりもエッチング速度が大
きくなるような濃度に維持される。
【0013】四塩化ケイ素(SiCl4)は、水素と混
合する場合、水素のモル比が大きい時は析出反応の速度
が大きく、逆に水素のモル比が小さい場合はエッチング
反応の速度が大きくなる。また、その値も反応させる温
度によって変化するため、目的によって温度と濃度を使
い分けることが望ましい。エッチングを優先させる場
合、反応温度1,400℃では、例えば水素ガスで希釈
して、好ましくは四塩化ケイ素濃度30〜50容積%の
混合ガスとして反応系内に導入され下記反応:Si+3
SiCl4+2H2→4SiHCl3により、同様にシリ
コンを気体に転化する。この場合にも、反応が円滑に進
行するように、四塩化ケイ素濃度はシリコンの析出速度
よりもエッチング速度が大きくなるような濃度に維持さ
れる。
【0014】シリコンと反応し得る反応試剤は、使用濃
度や低温部位におけるシリコンの析出速度等を勘案し
て、反応系内に連続的にまたは断続的に導入される。ま
た、反応系内に導入する手段は、反応装置に反応試剤を
反応系内に導入するための配管を別途設けても良いし、
前記低温部位をガスシールするためのシールガス供給配
管を利用することも可能である。また、反応試剤を断続
的に供給する場合、析出したシリコンがシールガスの流
路を妨げない時期、即ち、反応装置内壁に析出したシリ
コンの厚みが、10mm、好ましくは2mm、さらに好
ましくは0.2mmを超えない時期に反応試剤を導入す
ることが好ましい。
【0015】本発明で用いられる反応装置の好ましい一
実施態様に従って、本発明を更に具体的に説明する。上
記の一実施態様を示す添付図面の図1は、(1)下端に
シリコン取出口となる開口部2を有する筒状容器1、
(2)上記筒状容器1よりなる加熱体を融点以上の温度
に加熱するための加熱手段3、(3)上記内壁で囲まれ
た空間4内に下方に向かって開口するように設けられた
クロロシラン類供給管5、および(4)上記クロロシラ
ン類供給管5の開口位置より上部の筒状容器内空間にシ
ールガスを供給するシールガス供給管7より構成された
反応装置を示すものである。
【0016】図1の反応装置において、加熱体である筒
状容器1は、シリコン取出口として、後に詳述するよう
に、その内部で析出・融解したシリコンが自然流下によ
り容器外に落下し得る開口部2を有する。上記筒状容器
1は、1,430℃以上に加熱され、その内部はクロロ
シラン類やシリコン溶融液に接触するため、これらの温
度条件や接触物に対して十分に耐える材質を選択するこ
とが長期間の安定したシリコンの製造を行う上で望まし
い。本発明のシリコン製造装置において、上記筒状容器
1には、その下端から任意の高さまでの周壁をシリコン
の融点以上の温度に加熱するための加熱手段3が設けら
れる。上記温度に加熱する幅、即ち、筒状容器1の下端
からの加熱手段3を設ける高さは、筒状容器の大きさや
上記加熱温度、更に、供給されるクロロシラン類の量な
どを考慮して適宜決定すればよい。
【0017】この加熱手段3は、筒状容器の内壁をシリ
コンの融点以上、即ち、1430℃以上に加熱すること
ができるものであれば、公知の手段が特に制限なく採用
される。具体的な加熱手段を例示すれば、図1に示すよ
うに、外部からのエネルギーにより筒状容器内壁を加熱
する方法が挙げられる。より具体的には、高周波による
方法、電熱線を用いる方法、赤外線を用いる方法等があ
る。これらの方法のうち、高周波を用いる方法は、高周
波を放出する加熱コイルの形状をシンプルにしながら、
筒状容器を均質な温度に加熱することができるため、好
適である。
【0018】本発明のシリコン製造装置において、クロ
ロシラン類供給管5は、シリコンの融点以上に加熱され
た筒状容器1の内壁によって囲まれた空間4にクロロシ
ラン類11を直接供給するためのものであり、空間4内
に下方に向かって開口するように設けられる。クロロシ
ラン類供給管5の開口方向を示す「下方」とは、垂直方
向のみに限定されず、供給されたクロロシラン類が該開
口に再度接触しないように開口する態様が全て含まれ
る。しかし、最も好適な態様は、平面に対して垂直方向
に開口する態様である。
【0019】また、クロロシラン類供給管5には、該空
間4において管内が加熱され、クロロシラン類の熱分解
に伴うシリコンの析出が生じないように管の内壁をクロ
ロシランの自己分解温度未満に冷却するための冷却手段
6を設けることが好ましい。上記冷却の態様は、かかる
目的を達成することができればどのようなものでもよ
い。例えば、図1に示すような、内部に水、熱媒油等の
冷媒液体を通液可能な流路を設けて冷却する液体ジャケ
ット方法、図示されていないが、クロロシラン類供給管
に二重管以上の多重環ノズルを設け、中心部からクロロ
シラン類を供給し、外環ノズルから冷却ガスをパージし
て中心ノズルを冷却する空冷ジャケット方式などが挙げ
られる。
【0020】クロロシラン類供給管の冷却温度は、供給
するクロロシラン類の自己分解温度未満に設定すればよ
い。具体的には、トリクロロシランまたは四塩化ケイ素
(SiCl4、以下STCという)を原料として用いる
場合は、好ましくは800℃以下、より好ましくは60
0℃以下、最も好ましくは500℃以下とすることがよ
い。クロロシラン類供給管5の材質としては、筒状容器
1と同様の材質のほか、石英ガラス、鉄、ステンレス鋼
等も使用できる。原料ガスのクロロシラン類は、筒状容
器の高温部位、すなわちシリコンの融点以上の温度にな
り得る部分に供給するよう、クロロシラン類供給管を開
口させる事が好ましい。
【0021】また、シールガス供給管7は、クロロシラ
ン類供給管5の開口位置より上部であれば特に制限され
ないが、加熱手段3が存在しない筒状容器壁面部分に設
けることが好ましい。シールガス供給管7より供給され
るシールガスは、シリコンを生成せずかつクロロシラン
類が存在する領域においてシリコンの生成に悪影響を与
えないガスが好適である。具体的には、アルゴン、ヘリ
ウム等の不活性ガスや後記の水素等が好適である。原料
ガスの一つである水素は、その一部または前部を前記シ
ールガス供給管7から反応系内に導入することもでき
る。
【0022】上記反応装置において、筒状容器の保持部
等、反応器壁の末端部分は放熱が大きく温度が下がり易
い。このため保持部に近い壁面では、シリコンの溶融温
度からシリコンの析出温度未満の温度に至る温度勾配に
おいて低温部位が存在する。そして、クロロシラン類或
いはクロロシラン類と後記の水素との混合ガスが、上記
シールガスの供給の不足等によりかかる箇所に至ると、
シリコンの析出・成長が起こり易く、シリコン製造装置
の長期間の運転において、装置を閉塞するという問題が
生じる。
【0023】図1に示す装置においては、上記問題は、
上記筒状加熱体の内壁とクロロシラン類の供給管の外壁
とによって形成される間隙において起こり易い。この場
合、かかる部分にシールガスを供給する環状のシールガ
ス供給管7から、シールガスと一緒にあるいはシールガ
スと独立して、シリコンと反応し得る反応試剤を反応系
に導入することにより、シリコンの析出を防止すること
ができる。即ち、反応試剤を上記シールガスに混合して
連続的に供給することもできるし、シールガスと切り替
えて断続的に供給することができる。また、上記反応装
置において、筒状容器の外部において低温部位が存在す
る場合、シリコンと反応し得る反応試剤を後述するシー
ルガス供給管21あるいは冷却ガス供給管32から導入
することもできる。
【0024】本発明のシリコン製造装置において、筒状
容器1の下端の開口部2には、これより溶融落下するシ
リコン融液を外気と触れることなく冷却固化せしめて回
収するための外気と遮断された空間を与える室を接続す
ることが、高純度のシリコンを工業的に得るために好ま
しい。このような好ましい製造装置は、図1に記載した
ように、前記筒状容器1のシリコン取出口に当たる開口
部2に、シリコン融液が落下し得る冷却空間22を形成
すると共に、ガス排出口26、及び、必要に応じて、冷
却により固化したシリコンの取出口31を設けた冷却回
収室20を有する。
【0025】冷却回収室20においても固体シリコンの
析出を殆ど防止し、極めて長期間に亘る連続運転を可能
とするためには、図1に示すように、冷却回収室20の
上方部分すなわち筒状容器1との接続部分を、筒状容器
1の加熱手段3を覆う位置まで上方に設定することによ
り、加熱された筒状容器1の下端と該冷却回収室20の
内壁とを空間的に離して設け、それと共に、シールガス
供給管21を、筒状容器1の開口部2の開口位置より上
部に存在する空間に設けてシールガスを供給するのが好
適である。
【0026】シールガスをシールガス供給管から導入す
る場合、特にシールガスによる効果を十分に発揮させる
ためには、筒状容器1周囲を流通するシールガスの線速
は、少なくとも0.01m/s、好ましくは0.05m
/s、最も好ましくは0.1m/s以上とすることがよ
い。冷却回収室20の材質としては、例えば金属材料、
セラミックス材料、ガラス材料等がいずれも好適に使用
できる。工業装置として頑丈であり、かつ高純度のシリ
コンを回収することを両立するために、金属製回収室の
内部を、シリコン、テフロン(登録商標)、石英ガラス
等でライニングを施すことはより好適である。
【0027】一方、筒状容器1での反応後の排ガスは、
ガス排出口26より取り出される。筒状容器1より溶融
落下した溶融シリコンは、冷却回収室20の冷却空間2
2を落下する間および堆積物23上に冷却されて固化し
たシリコン23として、室下部に蓄積され、取り扱い容
易な温度までに冷却される。本発明においては、何れの
形状でもシリコンを得ることが可能であるが、取扱い易
さから、粒状で得ることが好ましい。上記冷却を促進す
るために、冷却ガスの供給管32を設けることは好適で
ある。
【0028】また、冷却回収室20には、必要に応じ
て、固化したシリコンを連続的或いは断続的に抜き出す
取出口31を設けることも可能である。また、上記シリ
コンの冷却をより効果的に実施するために、冷却回収室
20に冷却手段24を設けることが好ましい。かかる冷
却の態様は、例えば、図3に示すように、内部に水、熱
媒油、アルコール等の冷媒液体を通液可能な流路を設け
て冷却する液体ジャケットによる方法が最も好ましい。
図1に示す態様のように、冷却回収室20を上部に延長
し、加熱手段を覆うようにした場合、材質保護のために
適宜ジャケット構造にして熱媒油等の冷却媒27を流通
することもできるし、材質に耐熱性がある場合には熱効
果を高めるために断熱材を施して保温するともできる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するために実施例
を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0030】実施例1 図1に示すシリコン製造装置を使用した。内径25m
m、長さが50cmで、下部に開口部2を持つ形状のカ
ーボン製筒状容器1に、その上部10cmの位置から下
端までの周囲に加熱手段3として高周波加熱コイルを設
置した。通液可能なジャケット構造6をもつ、内径4m
m、外径20mmのステンレス製のクロロシラン類供給
管5を、該筒状容器の上端から15cmの高さまで挿入
した。冷却回収室20は、内径50mm、長さが3mの
ステンレス製とした。なお、上記筒状容器の下端の周縁
は図2に示す形状とした。
【0031】クロロシラン類供給管の冷却ジャケットに
通水して、管の内部を50℃以下に維持すると共に、冷
却回収室20の下部ジャケットにも通水し、筒状容器1
上部の水素ガス供給管7から水素ガス5L/minおよ
び塩化水素ガス0.03L/minを混合して流通させ
たのち、高周波加熱装置を起動して、筒状容器1を1,
500℃に加熱した。容器内の圧力は、ほぼ大気圧であ
った。クロロシラン類供給管5にトリクロロシランを1
0g/minの速度で供給したところ、約0.6g/m
inの速度でシリコンを得た。この場合トリクロロシラ
ンの転化率は30%であった。50時間反応を継続した
後、運転を停止してカーボン製筒状容器の外側を観察し
たところ、シリコンの析出は無かった。
【0032】比較例1 実施例1の水素ガス供給管7から塩化水素ガスの供給を
止めたこと以外は、実施例1と同様の条件で運転を実施
した。50時間反応を継続した後、運転を停止してカー
ボン製筒状容器の外側を観察したところ、シリコンの析
出が観察された。
【0033】実施例2 実施例1の水素ガス供給管7から水素と塩化水素ガスの
代わりに、四塩化ケイ素と水素の混合ガス(四塩化ケイ
素1容積%、水素99容積%)を流し、またクロロシラ
ン粒供給管5から水素ガス15L/minとトリクロロ
シランを混合して供給した以外は、実施例1と同様の条
件で運転を実施した。50時間反応を継続した後、運転
を停止してカーボン製筒状容器の外側を観察したとこ
ろ、シリコンの析出は無かった。
【0034】実施例3 比較例1と同様の反応を行った後、Si除去ガス供給管
21から供給している水素ガスに塩化水素ガスを10容
積%添加して5時間反応を継続した後、運転を停止して
カーボン製筒状容器の外側を観察したところ、シリコン
の析出は認められなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、反応装置のノズル部位
が、クロロシラン類と水素との反応によって生成された
シリコンによって閉塞するのを防止してシリコンを工業
的に円滑に製造しつづけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施に用いられるシリコン製造装置
の代表的な態様を示す概念図
【図2】 本発明におけるシリコン製造装置の筒状容器
下端の周縁の形状を示す概念図
【図3】 本発明におけるシリコン製造装置の筒状容器
下端の周縁の形状を示す概念図
【符号の説明】 1 筒状容器 3 加熱手段 5 クロロシラン類供給管 6 冷却手段 7、21 シールガス供給管 20 冷却回収室 24 冷却ジャケット 26 ガス排出ライン 31 シリコン取出口 32 冷却ガス供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G072 AA01 GG03 HH07 HH08 HH09 JJ01 MM01 RR04 RR12 UU01 UU02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンの融点以上に加熱された加熱体
    を備えた反応装置内で、該加熱体にクロロシラン類と水
    素とを供給してシリコンを生成せしめ、生成したシリコ
    ンを該加熱体から融液として回収するに際し、該装置内
    においてシリコンの析出温度以上で且つシリコンの融点
    未満となる部位に、シリコンと反応し得る反応試剤を連
    続的或いは断続的に導入することを特徴とするシリコン
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 シリコンと反応し得る反応試剤が塩化水
    素または四塩化ケイ素である請求項1に記載の方法。
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Cited By (4)

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