JP4805155B2 - シリコン製造装置 - Google Patents

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    • C30B33/00After-treatment of single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure

Description

本発明は、反応管の上部側に設けられたガス供給口からクロロシラン類と水素とを該反応管へ供給し、加熱された該反応管の内壁にシリコンを析出させ、該反応管の下端部開口から析出シリコンを取り出すシリコン製造装置に関する。
従来、半導体、太陽光発電用電池などの原料として使用されるシリコンを製造するための種々の方法が知られており、これらのうちで、幾つかの方法は既に工業的に実施されている。
例えば、その一つはジーメンス法と呼ばれる方法であり、この方法では、通電によりシリコンの析出温度に加熱したシリコン棒をベルジャーの内部に配置し、このシリコン棒にトリクロロシラン(SiHCl3)やモノシラン(SiH4)を、水素等の還元性ガスとともに接触させてシリコンを析出させる。
この方法では高純度なシリコンが得られ、一般的な方法として工業的に実施されているが、バッチ式でシリコンの析出を行うため、種となるシリコン棒の設置、シリコン棒の通電加熱、析出、冷却、取り出し、ベルジャーの洗浄などの一連の過程を、バッチごとに繰り返す必要があり、煩雑な操作を要する。
一方、連続的に多結晶シリコンを製造可能な方法として、図9に示した装置による方法が提案されている(例えば特許文献1、2を参照)。このシリコン製造装置は、密閉容器1内に、炭素材料等を基材とする反応管11と、この反応管11の上部側に設置され、クロロシラン類、またはクロロシラン類と水素とを反応管11の内部へ供給する原料ガス供給口6と、反応管11の外周に設置した高周波加熱コイル15とを備えている。
反応管11は、その外周の高周波加熱コイル15からの電磁波で加熱され、反応管11の内面はシリコンの融点以上の温度か、あるいはこれ未満のシリコンが析出可能な温度に加熱される。
そして、この加熱された反応管11の内面へ、原料ガス供給口6から供給されたクロロシラン類を接触させてシリコンを析出させる。
反応管11の内面をシリコンの融点以上の温度にしてシリコン析出を行う場合(第1の方法)では、溶融状態で析出したシリコン融液を、反応管11の下端部11aの開口から連続的に落下させて、落下方向に設置された冷却回収室21で回収する。
また、反応管11の内面をシリコンが析出可能な融点未満の温度にしてシリコン析出を行う場合(第2の方法)では、反応管11の内面に一度シリコンを固体として析出させた後、この内面をシリコンの融点以上に加熱して、析出物の一部または全部を溶融させて落下させ、落下方向に設置された冷却回収室21で回収する。
密閉容器1内におけるシリコンの析出を防止する必要がある領域、例えば反応管11と原料ガス供給管5との間隙、あるいは反応管11の外周側領域および反応管11の下端部11aには、シールガス供給口12,2を設けて水素等のシールガスを供給し、シールガス雰囲気で満たしている。
特開2003−2627号公報 特開2002−29726号公報
しかしながら、従来のこうした反応装置では、反応管11の下端部11aを加熱するための機器、保温材などが設置される反応管11の外周側領域、および反応管11の下端部11aにシールガスを供給しても、長時間に渡る装置の運転下においてこれらの領域におけるシリコン析出を完全に防止することは難しい。そのため、従来の反応装置では、この領域に設置される機器、部材等には、シリコンの析出を考慮して特殊な部材、構造等を使用することが反応継続の点から望ましい。
また、従来の反応装置では、上記の領域をシールガスで満たすために多量のガスを要していた。
本発明は、上記したような従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、反応管の下端部および、その他の反応管内面以外の部分へのシリコン析出を抑制し、これにより長時間に渡る安定的な運転が可能なシリコン製造装置を提供することを目的としている。
また、本発明は、反応管の下端部および、その他の反応管内面以外の部分へのシリコン析出を少ない供給ガス量で抑制可能なシリコン製造装置を提供することを目的としている。
本発明のシリコン製造装置は、筒状の反応管と、該反応管の少なくとも下端部を含む反応領域をシリコンの融点以上に加熱する手段とを備え、前記反応管の上部側に設けられたガス供給管からクロロシラン類と水素とを前記反応管へ供給し、加熱された該反応管の内壁にシリコンを析出させ、該反応管の下端部開口から析出シリコンを取り出すシリコン製造装置であって、
前記反応管の下端部近傍の外周側に、環状のスリットからなり、該下端部に向かってシールガスおよび/またはエッチングガスを供給する第1ガス供給口が設けられ、
前記第1ガス供給口から離間した位置に、第1ガス供給口を形成する部材における第1ガス供給口の外側周囲の壁面に向けてシールガスおよび/またはエッチングガスを供給する第2ガス供給口が設けられていることを特徴とする。
本発明における好ましい態様では、前記第1ガス供給口は、前記反応管の外周面と、前記反応管の外周側に隣接して設けられた環状部材の内周面との間隙により形成され、
前記第2ガス供給口は、前記環状部材における第1ガス供給口の外側周囲の壁面に向けてシールガスおよび/またはエッチングガスを供給する。
具体的には、例えば、前記第2ガス供給口は、前記環状部材における第1ガス供給口の外側周囲の底面または内周面に向けてシールガスおよび/またはエッチングガスを供給する。
上記の発明では、例えば反応管に巻回された保温部材、反応管の下端部を加熱する加熱装置などが設置される反応管の外周側領域を環状部材等で隔離し、シールガス等を、反応管の下端部近傍の外周に沿って設けられた環状のスリットを通して反応管の下端部へ供給している。
このようにすることで、上記の反応管の外周側領域および反応管の下端部へのシリコン析出を抑制でき、さらに、これらの領域へのシリコン析出を少ない供給ガス量で抑制できる。
そのため、反応管の外周側領域に設置される部材および機器について、シリコン析出に対処するための特殊な部材、構造を用いる必要が無い。
さらに上記の発明では、第1ガス供給口から離間した位置に、第2ガス供給口を設けて、第1ガス供給口を形成する部材における第1ガス供給口の外側周囲の壁面に向けてシールガス等を供給するようにしている。
反応管の下端部におけるシリコンの析出を抑制するために反応管の下端部へシールガス等を供給する第1ガス供給口は、反応管の下端部外周に沿って設けられているので、反応管の外周側に配置され第1ガス供給口のスリットを形成する部材の壁面、例えば、前記環状部材における第1ガス供給口の外側周囲の底面または内周面には、経時でシリコンが析出する。
すなわち、上記部材における第1ガス供給口の外側周囲の壁面は、反応管下端部に近接しているため反応管からの輻射熱等によって高温に加熱され、その結果、反応管内部からの反応ガスによってシリコンが析出する。
しかし、本発明では第2ガス供給口から上記部材における第1ガス供給口の外側周囲の壁面に向けてシールガス等を供給するようにしたので、第1ガス供給口を形成する部材の壁面へのシリコン析出を抑制することができる。そのため、第1ガス供給口の形状は長時間維持され、その間、第1ガス供給口から反応管の下端部へのシールガス等の供給は阻害されない。
このように、上記の第1ガス供給口および第2ガス供給口を設けた本発明の装置によれば、反応管の下端部および、その他の反応管内面以外の部分へのシリコン析出が充分に抑制され、これにより長時間に渡る安定的な運転が可能である。
また、第2ガス供給口からのシールガス等によって、反応管の下端部などへのシリコン析出をさらに抑制する作用を与えることも可能である。
さらに、上記のような第2ガス供給口を設けることによって、第1ガス供給口からのシールガス等の供給量と、第2ガス供給口からのシールガス等の供給量との総量としての、シールガス等の時間あたりの供給量をさらに低減しても、反応管の下端部などへのシリコンの析出を充分に抑制することができ、その結果、より少ない供給ガス量で、長時間に渡る安定的な運転が可能となる。
例えば、製造装置をスケールアップするとともに、第1ガス供給口のスリット幅が充分に狭くなるようにその形成部材を配置することが実際的には困難になるが、第2ガス供給口は、少量で充分な線速のシールガス等を供給できるように充分に細く形成することができる。したがって、この第1ガス供給口からのシールガス等の供給量と、第2ガス供給口からのシールガス等の供給量との総量としての、シールガス等の時間あたりの供給量をさらに低減しても、反応管の下端部などへのシリコンの析出を充分に抑制することができ、その結果、より少ないガス供給量で、長時間に渡る安定的な運転が可能となる。
なお、場合によっては、第1ガス供給口からのシールガス等は、スリット下方からのガスの逆流を防止する程度に供給してもよく、必ずしも反応管の下端部まで流通させる必要はない。
本発明では、第1ガス供給口または第2ガス供給口、あるいはこれらの両方から、エッチングガスを供給することが好ましい。ここで、エッチングガスはシールガスと併用してもよい。この場合、エッチングガスとシールガスとの混合ガスを供給してもよく、エッチングガスの供給とシールガスの供給とを時間的に切り替えるようにしてもよい。エッチングガスを用いることにより、きわめて少ない供給ガス量でシリコンの析出を充分に防止することができる。
本発明のシリコン製造装置によれば、反応管の下端部および、その他の反応管内面以外の部分へのシリコン析出を充分に抑制することができ、長時間に渡る安定的な運転が可能である。
また、本発明のシリコン製造装置によれば、反応管の下端部および、その他の反応管内面以外の部分へのシリコン析出を少ない供給ガス量で充分に抑制できる。
図1(a)は、本発明の一実施形態におけるシリコン製造装置の反応管下端部周辺を示した断面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A線による断面図である。 図2は、本発明の他の実施形態におけるシリコン製造装置の反応管下端部周辺を示した断面図である。 図3は、本発明の他の実施形態におけるシリコン製造装置の反応管下端部周辺を示した断面図である。 図4は、第1ガス供給口および第2ガス供給口の具体例を示した断面図である。 図5は、第1ガス供給口および第2ガス供給口の具体例を示した断面図である。 図6は、第1ガス供給口および第2ガス供給口の具体例を示した断面図である。 図7は、環状部材の内周側形状の具体例を示した断面図である。 図8は、本発明の一実施形態におけるシリコン製造装置の概略構成を示した断面図である。 図9は、従来のシリコン製造装置の概略構成を示した断面図である。
符号の説明
1 密閉容器
2 シールガス供給口
3 ガス排出口
4 上部空間
5 原料ガス供給管
6 原料ガス供給口
7 冷却媒体供給口
8 冷却媒体排出口
11 反応管
11a 下端部
12 シールガス供給口
15 高周波加熱コイル
16a,16b 冷却ジャケット
17a,17b 冷却媒体供給口
18a,18b 冷却媒体排出口
21 冷却回収室
22 冷却ガス供給口
23 シリコン取出口
24 回収シリコン
31 第1ガス供給口
32 環状部材
32a 下面
32b 内周面
33 第2ガス供給口
34 リング状部材
35 筒状部材
36 保温部材
37 シールガスの流れ
38 シールガスの流れ
39 底板
40 第2ガス供給口の形成用部材
41 ガス供給口
42 細孔
43 細孔
51a 内側部材
51b 外側部材
52 ガス通路孔
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図8は、本発明の一実施形態におけるシリコン製造装置を示した断面図である。なお、図9に示した従来のシリコン製造装置と同様の構成部材等は同一の符号で示している。図示したように、本実施形態のシリコン製造装置は、密閉容器1内に筒状の反応管11を備えている。この反応管11の上部側に配置された原料ガス供給口6からクロロシラン類を供給することにより、高周波加熱コイル15で加熱された反応管11の内壁にシリコンが析出される。
反応に使用するクロロシラン類としては、例えば、トリクロロシラン(SiHCl3、以下TCSという)、四塩化ケイ素(SiCl4、以下STCという)を挙げることができ、この他、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、モノクロロシラン(SiH3Cl)、およびヘキサクロロジシラン(Si2Cl6)に代表されるクロロジシラン類、さらにはオクタクロロトリシラン(Si3Cl8)に代表されるクロロトリシラン類も好適に使用できる。これらのクロロシラン類は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのクロロシラン類のうち、TCSまたはSTCを主成分とするクロロシランを用いれば、ガス下流域に悪影響を及ぼすシリコン微粉や発火性のある高沸点シラン類(ポリマー)の発生を低減できるため、より長時間安定した運転が可能になる。
クロロシラン類と共に析出反応に供される水素は、例えば、原料ガス供給口6、シールガス供給口12などから供給される。あるいは、クロロシラン類の供給管とは別途の供給管を反応管11の適当な位置に接続して供給することも可能である。
反応管11は、例えば円筒状に形成され、その下端部11aの開口から下方へ開放されている。その形成材料としては、高周波による加熱が可能で、シリコンの融点で耐性がある、グラファイトなどの炭素材料が好適に使用される。
また、析出するシリコンと直接接触する管内面を、シリコンの融液に対して比較的耐性の高いもの、例えば、窒化珪素、炭化珪素、熱分解炭素などで被覆することが、反応管11の耐久性を向上し、シリコン製品の純度を向上する点から好ましい。
反応管11の断面形状は、好ましくは円状であるが、多角状等の他の形状であってもよい。また、反応管11は、断面積が各部分で等しい直胴状の他、原料ガスの滞在時間を長くしてクロロシラン類のへの転化率を向上させるために、断面の一部が他の部分よりも拡大された形状であってもよい。
反応管11の下端部11aにおける開口の仕方は、管厚を一定としてストレートに開口した態様でもよく、あるいは下方に向かって徐々に径が減少するように絞り部を形成した態様でもよい。開口の周縁は、水平である態様の他、周縁が傾斜するように構成するか、あるいは周縁を波状に構成するようにしてもよく、これにより開口周縁からのシリコン液滴の落下が容易となるとともに、シリコン融液の液滴が揃い、シリコン粒子の粒径をより小さく均一に調整することができる。
反応管11の上部には、原料ガス供給管5が設置され、その原料ガス供給口6から、例えば、クロロシラン類と水素とが同時にもしくは別々に供給される。この原料ガス供給管5は、管の熱劣化を防止し、管内でクロロシラン類が熱分解することを防止するために、原料ガス供給管5を冷却するための冷却手段を備えることが望ましい。この冷却手段としては、例えば、図示したように、水、熱媒油等の冷媒液体を供給する冷媒供給口7から冷媒排出口8への流路を原料ガス供給管5に設けて冷却する液体ジャケット方式、あるいは、原料ガス供給管5の外周に1または2以上のノズルを略同心円状に設置して、原料ガス供給管5およびその外周の各ノズル間の間隙に冷却ガスをパージして空冷で原料ガス供給管5を冷却する空冷ジャケット方式が挙げられる。
原料ガス供給管5の冷却温度は、供給するクロロシラン類の分解温度未満に設定すればよいが、TCSもしくはSTCを原料として用いる場合は、管内温度は好ましくは800℃以下、より好ましくは600℃以下、最も好ましくは500℃以下である。原料ガス供給管5の材質としては、反応管11と同様の材質の他、石英ガラス、鉄、ステンレス鋼なども使用できる。
シールガス供給口12は、原料ガス供給管5の開口位置よりも上部における反応管11内部の空間にシールガスを供給するために設けられる。ガス供給管5は、反応管11の内部に挿入され、これにより反応管11の高温空間にクロロシラン類を直接供給するようにしている。これは、反応管11に原料として供給されたクロロシラン類が、反応管11の上部における低温領域で析出するのを防止するためであるが、この際、原料ガス供給管5の開口位置より上部に位置する壁面では、シリコンの溶融温度からシリコンの析出温度未満の温度に至る温度勾配が存在し、クロロシラン類あるいはクロロシラン類と水素との混合ガスがこの箇所に至ると、シリコンが固体状で析出する温度となる位置から上部側において、シリコンの析出・成長が起こり、シリコン製造装置を長期間運転する際に装置を閉塞するという問題が生じる。
上記問題に対して、シールガス供給口12を原料ガス供給管5の開口位置よりも上部に設けることにより、シールガスが上記温度勾配の存在する空間を満たし、クロロシラン類あるいはクロロシラン類と水素との混合ガスの侵入を防止し、固体シリコンの析出を効果的に防止することができる。
なお、反応管11の内面をシリコンが析出可能な融点未満の温度にしてシリコンを析出させる方法(前述した第2の方法)でシリコンを製造する場合には、図8のように原料ガス供給口6を反応管11の内部に設けるのではなく、反応管11の上面から上に設けてもよい。この場合、反応管11の上面近傍から別途に水素ガスを供給するようにしてもよい。
シールガスとしては、シリコンを生成せず、且つクロロシラン類が存在する領域においてシリコンの生成に悪影響を与えないガスが好適である。具体的には、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス、水素などが使用できるが、原料の一つである水素が好適である。この場合、シールガスの供給量は、前記温度勾配の存在する空間を常に満たす圧力を保つ程度に供給されていれば充分であり、かかる供給量を低減するには、該空間の全体あるいは下部の断面積を小さくするように、反応管11の形状あるいは原料ガス供給管5の外壁の形状等を決定すればよい。
原料ガスの一つである水素は、その一部または全部をシールガス供給管12から反応系内に導入することもできる。
シールガスは、密閉容器1に設置された別途のシールガス供給口2などからも供給され、例えば、反応管11の外部側の領域や、反応管11の下端部11a近傍など、密閉容器1内においてシリコンの析出を防止する必要がある領域に供給される。
反応管11は、その外周の高周波加熱コイル15からの電磁波(高周波)で加熱され、反応管11の内面はシリコンの融点以上の温度か、あるいはこれ未満のシリコンが析出可能な温度に加熱される。この加熱領域は通常、下端部11aから上方へ、密閉容器1内における反応管11の全長に対して30〜90%の長さの領域である。
反応管11の内面をシリコンの融点以上の温度にしてシリコン析出を行う方法(前述した第1の方法)では、反応管11の内面の温度をシリコンの融点(概ね1410〜1430℃)以上としてシリコンを溶融状態で析出させる。
反応管11の内面をシリコンが析出可能な融点未満の温度にしてシリコンを析出させる方法(前述した第2の方法)では、反応管2の内面の温度を、好ましくは950℃以上、より好ましくは1200℃以上、さらに好ましくは1300℃以上としてシリコンを析出させる。
高周波加熱コイル15は、図示しない電源からコイルへ通電することにより電磁波を発生して反応管11を加熱する。この電磁波の周波数は、反応管11等の、加熱対象の材質もしくは形状に応じて適切な値に設定され、例えば、数十Hz〜数十GHz程度に設定される。
なお、反応管11を外部から加熱する手段としては、高周波加熱の他、電熱線を用いる方法、赤外線を用いる方法等が挙げられる。
反応管11の内面に析出したシリコンは、反応管11の下端部11aの開口から落下させて、落下方向に設置された冷却回収室21で回収する。前述した第1の方法では、溶融状態で析出したシリコン融液を、反応管11の下端部11aの開口から連続的に落下させて、落下方向に設置された冷却回収部21で回収する。この場合、析出したシリコン融液は、反応管11の内面に沿って下方へ流れ、下端部11aから液滴として自由落下して、落下中もしくは落下後に固化する。冷却回収部21に落下したシリコンは、必要に応じて、シリコン、銅、モリブテン等の固体冷却材、液体四塩化珪素、液体窒素等の液体冷却材、または冷却回収部21に設けた冷却ガス供給口22から供給される冷却ガスにより冷却される。
また、前述した第2の方法では、反応管11の内面に一度シリコンを固体として析出させた後、この内面をシリコンの融点以上となるまで加熱、昇温して、析出物の一部または全部を溶融させて落下させ、落下方向に設置された冷却回収室21で回収する。
冷却回収室21の材質としては、金属材料、セラミックス材料、ガラス材料等が使用できるが、工業装置としての頑丈さと、高純度のシリコンを回収することを両立するために、金属製回収室の内部に、シリコン、テフロン(登録商標)、石英ガラス、タンタル、タングステン、モリブテン等でライニングを施すことが好ましい。冷却回収室21の底部にシリコン粒子を敷いてもよい。なお、反応管11での反応後の排ガスは、ガス排出口3より取り出される。
また、冷却回収室21には、必要に応じて、固化したシリコンを連続的あるいは断続的に抜き出す取出口23を設けることも可能である。また、シリコンの冷却をより効果的に行うために、冷却回収室21に冷却ジャケット16bを設けることが好ましい。冷却ジャケット16bの内部に水、熱媒油、アルコール等の冷媒液体を通液して冷却する。
本実施形態のシリコン製造装置における製造条件は、特に制限されないが、冷却回収装置における固体シリコンの析出をより効果的に防止する点からは、該シリコン製造装置にクロロシラン類と水素とを供給し、該クロロシラン類からシリコンへの転化率が20%以上、好ましくは30%以上となる条件下でシリコンを生成させるように、クロロシラン類と水素との供給比率、供給量、滞在時間等を決定することが望ましい。反応容器の大きさに対して経済的なシリコンの製造速度を得るためには、供給ガス中のクロロシラン類のモル分率は、0.1〜99.9モル%とすることが好ましく、より好ましくは5〜50モル%である。また、反応圧力は高い方が装置を小型化できるメリットがあるが、0〜1MPaG程度が工業的に実施し易い。
ガスの滞在時間については、一定容量の反応容器に対して、圧力と温度の条件によって変化するが、反応条件下において、反応管11内でのガスの平均的な滞在時間は、0.001〜60秒、好ましくは0.01〜10秒に設定すれば、充分に経済的なクロロシラン類の転化率を得ることが可能である。
本実施形態では、反応管11の外周側に、環状部材32を設置し、この環状部材32の内周面と反応管11の外周面との間で形成された環状スリットからなる第1ガス供給口31を通して反応管11の下端部11aへシールガスを供給している。
そして、環状部材32の下方に、別途の部材により形成した第2ガス供給口33を設けて、第2ガス供給口33から環状部材32の底面へシールガスを供給している。
環状部材32の上部空間4は、底板39等によって仕切られ、密閉容器1内におけるクロロシラン類等の反応ガスが流通する空間とは隔離されている。なお、この上部空間4には、高周波加熱コイル15のような反応管11を加熱する装置の他、図示はしないが、反応管11の温度を維持するための保温部材など、必要に応じて各種の部材、機器等が設置される。
このように本発明では、反応管の外周側領域を環状部材等で隔離し、シールガスを、反応管の下端部近傍の外周に沿って設けられた環状のスリットを通して反応管の下端部へ供給している。
このようにすることで、反応管の外周側領域および反応管の下端部へのシリコン析出を抑制でき、さらに、これらの領域へのシリコン析出を少ない供給ガス量で抑制できる。
さらに、第1ガス供給口から離間した位置に、第2ガス供給口を設けて、第1ガス供給口を形成する部材における第1ガス供給口の外側周囲の壁面に向けてシールガス等を供給するようにしている。
反応管の下端部におけるシリコンの析出を抑制するために反応管の下端部へシールガス等を供給する第1ガス供給口は、反応管の下端部外周に沿って設けられているので、反応管の外周側に配置され第1ガス供給口のスリットを形成する部材の壁面には、経時でシリコンが析出する。
すなわち、上記部材における第1ガス供給口の外側周囲の壁面は、反応管下端部に近接しているため反応管からの輻射熱等によって高温に加熱され、その結果、反応管内部からの反応ガスによってシリコンが析出する。
しかし本発明では、第1ガス供給口の上記部分に第2ガス供給口よりガスが供給されるので、当該部分へのシリコンの析出を効果的に防止できる。しかも、第2ガス供給口は、反応管からの輻射熱を受けるものの、第1ガス供給口ほどには反応管には近接していないため、シリコンの析出が問題となるほどには高温に加熱されにくい。したがって、第2ガス供給口の機能および形状は長時間維持され、それによって、高温に曝される第1ガス供給口の形状も維持され、その結果として、反応管下端部へのシリコン析出も長時間防止できる。
このように、上記の第1ガス供給口および第2ガス供給口を設けた本発明の装置によれば、反応管の下端部および、その他の反応管内面以外の部分へのシリコン析出が充分に抑制され、これにより長時間に渡る安定的な運転が可能である。
第1ガス供給口、第2ガス供給口、またはこれらの両方から、生成した固体シリコンと反応し得るエッチングガス、あるいはシールガスとエッチングガスとの混合ガスを、連続的または断続的に供給してもよい。
シリコンと反応し得るエッチングガスとしては、例えば塩化水素(HCl)、塩素(Cl2)および四塩化ケイ素を挙げることができる。塩化水素は例えば水素ガスで希釈して、好ましくは塩化水素濃度0.01〜100容積%で反応系内に導入され、代表的な反応:Si+3HCl→SiHCl3+H2により、固体シリコン(Si)を気体(SiHCl3)に転化する。この他、固体シリコン(Si)はSiCl4、SiH2Cl2等にも転化する。これらの反応が円滑に進行するように、反応系内の気体雰囲気中の塩化水素濃度はシリコンの析出速度よりもエッチング速度が大きくなるような濃度に維持される。
四塩化ケイ素(SiCl4)は、水素と混合する場合、水素のモル比が大きい時は析出反応の速度が大きく、逆に水素のモル比が小さい場合はエッチング反応の速度が大きくなる。また、その値も反応させる温度によって変化するため、目的によって温度と濃度を使い分けることが望ましい。エッチングを優先させる場合、反応温度1,400℃では、例えば水素ガスで希釈して、好ましくは四塩化ケイ素濃度30〜50容積%の混合ガスとして反応系内に導入され、代表的な反応:Si+3SiCl4+2H2→4SiHCl3により、同様にシリコンを気体に転化する。この他、固体シリコン(Si)はSiCl4、SiH2Cl2等にも転化する。この場合にも、反応が円滑に進行するように、四塩化ケイ素濃度はシリコンの析出速度よりもエッチング速度が大きくなるような濃度に維持される。
エッチングガスを用いることにより、反応管の下端部におけるシリコン析出防止のためのガス量をさらに低減することができると共に、ガス流れに偏りがあってもシリコン析出による運転阻害が発生しにくい。
以下、具体的な実施形態を挙げながら本発明のシリコン製造装置における第1ガス供給口および第2ガス供給口について説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態におけるシリコン製造装置の反応管下端部の周辺を示した断面図、図1(b)はそのA−A線による断面図である。図示したように、反応管11の外周側には環状部材32が設けられており、保温部材36、高周波加熱コイル15等が設置された反応管11の外側領域は、環状部材32および底板39等によって、その下方の空間から離隔されている。
環状部材32の内周面と反応管11の外周面との間で形成された環状スリットからなる第1ガス供給口31を通して、シールガス37が反応管11の下端部11aへ供給される。
ここで、反応管11の下端部11aとは、同図の破線で囲った領域内における管表面のことを示している。
環状部材32の下方には、リング状部材34が配置されている。リング状部材34には周状の第2ガス供給口33が設けられ、外部に連通するガス供給管等が接続されている。リング状部材34の第2ガス供給口33から環状部材32の底面に向けてシールガス38が供給され、これにより、環状部材32の底面へのシリコン析出を抑制している。
図2は、本発明の他の実施形態におけるシリコン製造装置の反応管下端部の周辺を示した断面図である。図示したように、反応管11の外周側には環状部材32が設けられており、保温部材36、高周波加熱コイル15等が設置された反応管11の外側領域は、環状部材32等によって、その下方の空間から離隔されている。
環状部材32の内周面と反応管11の外周面との間で形成された環状スリットからなる第1ガス供給口31を通して、シールガス37が反応管11の下端部11aへ供給される。
環状部材32には多数の細孔42が設けられており、これらの細孔42の出口は環状部材32の内周面に、周に沿って配置されている。これらの細孔42によって第2ガス供給口33が構成され、第2ガス供給口33から環状部材32における第1ガス供給口31の外側周囲の壁面(細孔42の出口の上部側における内周面)に向けてシールガス38が供給され、これにより、該壁面へのシリコン析出を抑制している。
図3は、本発明の他の実施形態におけるシリコン製造装置の反応管下端部の周辺を示した断面図である。図示したように、反応管11の外周側には環状部材32が設けられており、保温部材36、高周波加熱コイル15等が設置された反応管11の外側領域は、環状部材32および底板39等によって、その下方の空間から離隔されている。
環状部材32の内周面と反応管11の外周面との間で形成された環状スリットからなる第1ガス供給口31を通して、シールガス37が反応管11の下端部11aへ供給される。
環状部材32の下方には、筒状部材35によって形成された周状の間隙による第2ガス供給口33が設けられ、第2ガス供給口33から環状部材32の底面に向けてシールガス38が供給され、これにより、環状部材32の底面へのシリコン析出を抑制している。
本発明において、環状部材は、反応管との間にスリット状の第1ガス供給口を形成する構造であれば、その形状は特に限定されない。環状部材の形成材料としては、例えば、窒化珪素、炭化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどを含有するセラミックス材料、あるいは石英ガラスなどが挙げられる。
環状部材は、第1ガス供給口の出口が、反応管の下端部近傍に位置するように配置されることが好ましい。第1ガス供給口の出口が反応管11の下端部よりもあまり上側になると、第1ガス供給口からのシールガスにより反応管の下端部のシリコン析出を防止するために多量のシールガスを要することがある。
環状部材を設ける位置は、第1ガス供給口の出口が、反応管の下端部を基準として上方に0〜100mmの範囲内となるような位置であることが、反応管の下端部へのシリコン析出を有効に防止する点から好ましい。また、第1ガス供給口の幅は、例えば2.5〜25mmとされる。
第1ガス供給口からのシールガス、エッチングガス、あるいはこれらの混合ガスの線速は、好ましくは0.05m/s以上である。なお、図8のシールガス供給口12からのシールガスは、原料ガスであるクロロシラン類等の流量が大きい場合、シールガスの流れに乱れを生じ、シールガス線速によっては充分なシール効果が得られないことがあるが、第1ガス供給口31からのシールガスは、原料ガスであるクロロシラン類等の流量が大きい場合であっても小さい線速で充分なシール効果が得られる。
また、第2ガス供給口からのシールガスを、反応管の下端部にも供給することで、反応管の下端部へのシリコン析出も同時に抑制できる。この場合、第2ガス供給口からのシールガスの流れ方向を反応管の下端部へ向けることが好ましい。
第2ガス供給口を設ける位置は、例えば図1または図3のように環状部材の底面へガスを供給する場合には、環状部材の下端部を基準として、下方に0〜200mmの範囲内であることが、環状部材の底面へのシリコン析出を有効に抑制し、反応管の下端部へのシリコン析出を有効に防止する点から好ましい。
第2ガス供給口は、例えば1〜10mmの幅で形成することができ、少量で充分な線速のシールガスを供給できるように充分に細く形成することができる。したがって、この第2ガス供給口からのシールガス供給量と、第1ガス供給口からのシールガス供給量との総量としての、シールガスの時間あたりの供給量を従来よりも大幅に低減しても、反応管の下端部におけるシリコンの析出を充分に抑制することができる。
本発明において、第2ガス供給口からのシールガスおよび/またはエッチングガスを、環状部材における第1ガス供給口の外側周囲の壁面に接触させる態様は、当該ガスの自然対流によるものであってもよく、当該ガスを壁面へ噴き付けるようにしてもよい。
図4〜図6は、第1ガス供給口および第2ガス供給口の具体例を示した断面図である。なお、これらの図では、反応管11は片側断面の下端部近傍のみ示し、シールガスおよび/またはエッチングガス(以下、シールガス等という)の流れを点線矢印で示している。図4(a)〜(c)では、図3と同様に環状部材32の下方に周状に第2ガス供給口33を設け、環状部材32の底面32aに向けてシールガス等を供給している。第2ガス供給口33を形成する下側の部材が反応管11の下端部11aからの輻射熱等で高温になり、当該部材にシリコンが析出するおそれがある場合には、図4(c)に示したように、第2ガス供給口33を形成する部材40の下方にさらにガス供給口41を設けて、この部材40における第2ガス供給口33の外側周囲にシールガス等を供給するようにしてもよい。
図5(a)では、環状部材32に多数の細孔42が設けられており、これらの細孔42の出口は環状部材32の底面に、周に沿って配置されている。これらの細孔42の出口によって第2ガス供給口33が構成され、第2ガス供給口33から環状部材32の底面32aに向けてシールガス等を供給するようにしている。
図5(b)では、反応管11と環状部材32との間隙からなるスリットに対して、スリット上方からシールガス等を供給すると共に、環状部材32における多数の細孔43の出口を環状部材32の内周面に周に沿って多段に配置し、これらの細孔43からもシールガス等を供給して、これらのガスを第1ガス供給口31の出口から噴き出すようにしている。そして、環状部材32の下方に周状に第2ガス供給口33を設け、環状部材32の底面32aに向けてシールガス等を供給している。
図5(c)では、内側部材51aと外側部材51bにより形成されたガス通路孔52を通して第1ガス供給口31へシールガスを供給している。図5(d)は、これらの部材の水平方向の部分断面図である。図示したように、内側部材51aの外周に所定間隔を置いて形成された多数の凹部と、外側部材51bの内周面との間でガス通路孔52が形成される。外側部材51bは、反応管11の動きに応じて環状部材32と一体に移動できるようになっている。外側部材51bと環状部材32は、互いに固定されていてもよく、これらを同一部材で一体に形成してもよい。
製造装置をスケールアップすると、反応管11の長さが大きくなり、反応管11の下端部近傍において反応管11と環状部材32とが位置ズレする場合がある。すると、反応管11と環状部材32とのスリット幅が均一にならなくなり、場合によっては反応管11と環状部材32が接触することもある。このようにスリット幅が均一でないと、第1ガス供給口を設けたことによる所望の性能が低下することがある。
そこで、図5(c)のように、外側部材51bを環状部材32に固定し、内側部材51aを反応管11と外側部材51bとの間に挟むことによって、反応管11と環状部材32とのスリット幅が常に均一となるように維持することができる。すなわち、内側部材51aと外側部材51bとによって、反応管11の中心と環状部材32の中心とを一致させるセンタリング機能が与えられる。
図6(a)〜(c)では、環状部材32に多数の細孔42が設けられており、これらの細孔42の出口は環状部材32の内周面に、周に沿って配置されている。これらの細孔42の出口によって第2ガス供給口33が構成され、反応管11と環状部材32との間隙からなるスリット状の第1ガス供給口31の出口から外側の周囲における環状部材32の内周面32bに向けて第2ガス供給口33からシールガス等を供給するようにしている。
図6(a)〜(c)のように、第2ガス供給口33から送り出すシールガス等を細孔42から供給する場合、細孔42の出口が配置された周方向に沿ってスリットを形成し、このスリットの凹部に細孔42の出口が配置されるようにしてもよい。
また、細孔42の出口からのシールガス等の噴出方向は、中心へ向かう水平方向以外に、上方もしくは下方への傾斜方向であってもよく、あるいは、細孔42の出口を基点として環状部材32の中心へ向かう方向から環状部材32の内周接線方向に傾斜した方向、すなわち環状部材32の周方向に沿った方向であってもよい。
図6(a)〜(c)のように細孔42の出口を周状に配列した第2ガス供給口33を設けた環状部材32の形成材料としては、反応管11の加熱手段により異なるが、電磁波を用いる加熱方式の場合には、例えばセラミックス多孔板などを挙げることができる。
図7は、環状部材の内周形状の具体例を示した図である。なお、同図において、点線で囲った位置における壁面が第2ガス供給口からのシールガス等によってシリコン析出を防止すべき箇所である。図示したように、環状部材の内周における断面形状の具体例としては、図7(a)のような反応管11の外周面と略平行な直線状、図7(b)のような曲面状、図7(c)、(d)のような角度を有する先鋭状、図7(e)のような反応管11の下端部11aよりも下方へ延びる長い直線状、図7(f)のような山切り先鋭状などが挙げられる。なお、反応管11の下端部11aと、環状部材32との相対位置は、同図に限定されず場合に応じて適切に配置される。
実施例
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜14]
材質がカーボンであり、円筒形で寸法が外径100mm、内径70mm、長さ1000mmである反応管11を多結晶シリコン製造装置(図8および図9を参照)に装着した。そして、図3に示したように環状部材32および筒状部材35を設置した。これにより、反応管11と環状部材32との間のスリットで第1ガス供給口31を形成すると共に、環状部材32の底面と筒状部材35との間の周状の隙間によって第2ガス供給口33を形成した。なお、環状部材32および筒状部材35の材質として窒化ケイ素セラミックスを使用した。
トリクロロシラン20kg/Hと水素40Nm3/Hとの混合ガスを反応管11の内部に流通させ、高周波加熱によって反応管11を1450℃以上に昇温させ、多結晶シリコンを溶融状態で析出させた。50時間の反応を行い、環状部材32の直上における反応管11の表面状態(シリコン付着量)を観察しシール効果を確認した。各実施例における第1ガス供給口31および第2ガス供給口33の幅の寸法、シールガスの種類、供給量および線速、エッチングガス(HCl)の濃度等の条件と、表面状態の結果を表1に示した。
なお、実施例1〜14では環状部材32の底面へのシリコン付着はほとんど観察されなかった。
[実施例15〜19]
環状部材32および筒状部材35の材質として、表2に示した材質を使用した以外は、実施例10と同条件で連続反応を行い、反応管11の表面状態(シリコン付着量)を観察しシール効果を確認した。その結果を表2に示した。
なお、実施例15〜19では環状部材32の底面へのシリコン付着はほとんど観察されなかった。
[比較例1]
第2のガス供給口を設けず、第1ガス供給口からの窒素ガスの線速を1.6Nm/sとした以外は実施例1と同じ条件で連続反応を行った。反応終了後、環状部材32の直上における反応管11の表面状態を観察しシール効果を確認したところ、反応管11の表面へのシリコン付着量は0.1mm/Hであった。
なお、比較例1では、反応終了後の環状部材32の底面に相当量のシリコンが付着しており、シリコンが析出していることが確認された。
[比較例2]
第1ガス供給口31となるスリットを形成する環状部材32と、筒状部材35とを用いず、反応管11の外周側空間の間隙幅を50mmとし、この間隙からの線速を5Nm/Sとした以外は、実施例1と同条件で連続反応を行った。反応終了後、環状部材32の直上における反応管11の表面状態を観察しシール効果を確認したところ、反応管11の表面へのシリコン付着量は0.2mm/Hであった。
Figure 0004805155
Figure 0004805155

Claims (3)

  1. 筒状の反応管と、該反応管の少なくとも下端部を含む反応領域をシリコンの融点以上に加熱する手段とを備え、前記反応管の上部側に設けられたガス供給管からクロロシラン類と水素とを前記反応管へ供給し、加熱された該反応管の内壁にシリコンを析出させ、該反応管の下端部開口から析出シリコンを取り出すシリコン製造装置であって、
    前記反応管の下端部近傍の外周側に、環状のスリットからなり、該下端部に向かってシールガスおよび/またはエッチングガスを供給する第1ガス供給口が設けられ、
    前記第1ガス供給口から離間した位置に、第1ガス供給口を形成する部材における第1ガス供給口の外側周囲の壁面に向けてシールガスおよび/またはエッチングガスを供給する第2ガス供給口が設けられていることを特徴とするシリコン製造装置。
  2. 前記第1ガス供給口は、前記反応管の外周面と、前記反応管の外周側に隣接して設けられた環状部材の内周面との間隙により形成され、
    前記第2ガス供給口は、前記環状部材における第1ガス供給口の外側周囲の壁面に向けてシールガスおよび/またはエッチングガスを供給することを特徴とする請求項1に記載のシリコン製造装置。
  3. 前記第2ガス供給口は、前記環状部材における第1ガス供給口の外側周囲の底面または内周面に向けてシールガスおよび/またはエッチングガスを供給することを特徴とする請求項2に記載のシリコン製造装置。
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