JP5155708B2 - クロロシラン類含有ガスの水素還元方法およびクロロシラン類の水素還元用装置 - Google Patents
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いう。)などのクロロシラン類と水素等の還元性ガスとを含むシリコン析出用原料ガスを供給して多結晶シリコンを析出させるシーメンス法などが挙げられる。
熱処理し、平衡状態に近い状態をある程度維持することにより、シラン類オリゴマーの生成を抑制することができ、次いで、反応排ガスを350℃以下に速やかに冷却することにより、その後反応排ガスが100℃以下となっても霧状物が発生しないことを見出し、本発明を完成するに至った。
〔クロロシラン類含有ガスの水素還元方法〕
本発明のクロロシラン類含有ガスの水素還元方法は、クロロシラン類と水素とを加熱下で反応させる反応域より排出される700〜1500℃、好ましくは700〜1300℃のクロロシラン類を含む反応排ガスを、700℃以上の温度に維持された熱処理域において2秒以上、好ましくは3秒以上の平均滞在時間となるように熱処理する工程を含む。
T=V/Q ・・・(1)
式(1)中、Vは、熱処理域(反応域の末端から、温度700℃以上の反応排ガスを急冷する直前位置までの空間)の全体積(m3)であり、Qは、熱処理域における反応排ガ
スの実流量(m3/秒)である。実流量とは、そのガスの温度と圧力の条件下における流
量であり、下記式(2)で算出される。
温度[℃])/273.15}×[100/(熱処理域のゲージ圧力[kPaG]+10
0)] ・・・(2)
ここで熱処理域での平均ガス温度[℃]は、熱処理域に流入するガス温度[℃]と熱処理域から流出するガス温度[℃]の単純平均値と定義する。
上述した本発明のクロロシラン類含有ガスの水素還元方法は、後述する本発明のクロロシラン類の水素還元用装置を用いて好適に行うことができる。
本発明のクロロシラン類の水素還元用装置は、上述した本発明のクロロシラン類含有ガスの水素還元方法に好適に用いることができ、金属製密閉容器に覆われている。ここで、密閉とは、プロセスガス(シリコン析出用原料ガス等)は流通しているが、外部の雰囲気からは遮断されていることを意味する。
上記クロロシラン類と水素との反応を行う反応室は、クロロシラン類の水素還元を良好に行うことができれば特に限定されるものではなく、たとえば、図1に示すように、下端に開口部を有する筒状反応容器6によって構成することができる。このような筒状反応容器によって反応室を構成することにより、たとえば、後述するシリコン製造方法によって析出したシリコンの一部もしくは全部を加熱して溶融することにより、シリコンを連続的
または断続的に落下させて回収することができる。
上記原料ガス供給管2は、上記反応室1に、クロロシラン類と水素とを含む原料ガスを供給するためのものである。上記原料ガス供給管は、図1に示すように1本単独で設けられていてもよく、2本以上設けられていてもよい。原料ガス供給管が複数設けられている場合は、同じ成分からなる混合ガスを複数の供給管で供給してもよく、また、成分ごとに、たとえば、クロロシラン類と水素ガスとを別々の供給管から供給してもよい。
上記加熱装置3は、上記反応室1を構成する筒状反応容器6の内壁をシリコンの融点温度(おおよそ1410〜1430℃)以上に加熱することができるものであれば特に制限されないが、エネルギー効率などを考慮すると、高周波コイルを用いることが好ましい。なお、上記加熱装置3は、筒状反応容器6の上部(補助反応部)と下部(主反応部)とを独立して温度制御できることが好ましい。また、加熱効率などを考慮して、図1に示すように筒状反応容器6と加熱装置3の間に断熱材7を介在させることが好ましい。
上記反応排ガス回収室4は、上記反応室1に連続しており、該反応室1から排出される反応排ガスを回収する、すなわち滞留させるためのものである。そして、反応排ガスを700℃以上に維持された反応排ガス回収室4に回収することにより、反応排ガスを熱処理することができる。上記反応排ガス回収室の大きさは、原料ガス供給量および該反応排ガス回収室における反応排ガスの滞留時間などを考慮して適宜設定することができる。
ス供給量および該副室における反応排ガスの滞留時間などを考慮して適宜設定することができる。
上記ガス排出管5は、上記反応ガス回収室4に回収された反応ガスを系外または副室11に排出するためのものであり、反応ガスの冷却系統や処理系統などに通じる。このガス排出管5の領域が700℃以上に保たれる場合には、ガス排出管5は熱処理室の一部とみなし、またガス排出管5の領域が700℃未満である場合には、ガス排出管5は冷却室の一部とみなすものとする。
上記ガス排出管5より排出され、熱処理された反応排ガスを冷却室にて、速やかに、好ましくは1秒以内に350℃以下、好ましくは0〜350℃、より好ましくは100〜3
00℃に冷却する。
<その他>
本発明のクロロシラン類の水素還元装置には、本発明の目的を損なわない限り、上記構成以外にも、必要に応じて公知の構成・手段を適宜設けてよい。
上述した本発明のクロロシラン類の水素還元装置を用いて、シリコンを製造することができる。具体的には、加熱したカーボン製筒状反応容器6内に、原料ガス供給管2からクロロシラン類および水素を供給して反応させ、該反応容器6の内表面にシリコンを析出させる工程と、析出したシリコンの一部または全部を溶融することにより、該反応容器6からシリコンを落下させて回収する工程と、該反応容器6から排出された700〜1500℃のクロロシラン類を含む反応排ガスを、700℃以上の温度に維持された熱処理域において2秒以上の平均滞在時間となるように熱処理する工程と、熱処理された反応排ガスを350℃以下に冷却する工程とを含む方法によりシリコンを製造することができる。なお、反応ガスの冷却方法の詳細については前述した通りである。
上記クロロシラン類と水素との反応を行う際のカーボン製筒状反応容器6の加熱は、上記加熱装置3によって行われ、シリコンの析出反応に適した温度、たとえば、該反応容器6の内表面を1200〜1700℃に加熱する。また、析出したシリコンを溶融する際の反応容器6の加熱は、シリコンが溶融する温度、すなわちシリコンの融点温度(おおよそ1410〜1430℃)以上となるように行えばよい。
〔実施例1〕
以下、図1の概略図に従って説明する。
構成とした。
100Nm3/h)の混合ガス(約1100Nm3/h)を供給して反応を開始し、筒状反応容器6の内表面に固体状シリコンを析出させた。このときの反応圧力は約50kPaGであった。
〔実施例2〕
実施例1において、反応ガス回収室4のチャンバー部の大きさを変更し、熱処理室の実効体積を約1.8m3とした以外は同様に反応排ガスの処理を行った。その結果、熱処理
室における反応ガスの平均滞在時間は2秒であった。反応中および反応後において、装置内、ガス排出管内および排ガス処理系統において霧状物の発生や付着等は確認されず、装置や配管を安全に開放することができた。
実施例1において、反応ガス回収室4のチャンバー部の大きさを変更するとともに、副室を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして反応を行った。このとき、反応室1から排出される反応ガスの温度は約1000℃であり、反応ガス回収室4、およびガス排出管5から排出された反応ガスの温度はいずれも約900℃であったことから、これらの単純平均値として算出した反応ガス回収室の温度は約950℃であった。このときの反応ガス回収室4の実効体積は約0.5m3であることから、反応ガス回収室4とガス排出管5
の合計における反応ガスの平均滞在時間は約0.6秒であった。
2・・・原料ガス供給管
3・・・加熱装置
4・・・排ガス回収室
5・・・ガス排出管
6・・・カーボン製筒状反応容器
7・・・断熱材
8・・・カーボン材
9・・・断熱材
10・・・金属壁
11・・・副室
12・・・冷却室
Claims (6)
- クロロシラン類と水素とを加熱下で反応させる反応域より排出される700〜1500℃のクロロシラン類を含む反応排ガスを、700℃以上の温度に維持された熱処理域において2秒以上の平均滞在時間となるように熱処理する工程(1)と、
前記熱処理された反応排ガスを350℃以下に冷却する工程(2)と
を含むことを特徴とするクロロシラン類含有ガスの水素還元方法。 - 前記工程(2)における冷却が、1秒以内に行われることを特徴とする請求項1に記載のクロロシラン類含有ガスの水素還元方法。
- 前記反応域が加熱したカーボン製筒状反応容器によって形成され、該反応容器内にクロロシラン類および水素を供給して反応させ、該筒状反応容器の内表面にシリコンを析出させ、析出したシリコンの一部または全部を溶融する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のクロロシラン類含有ガスの水素還元方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のクロロシラン類含有ガスの水素還元方法を実施するための装置であって、
クロロシラン類および水素を供給するための原料ガス供給管と、
クロロシラン類と水素との反応を行う反応室と、
該反応室を加熱するための加熱装置と、
該反応室に連続し、かつ、少なくとも内壁の一部が断熱構造を有する反応排ガス回収室を含む熱処理室と、
該熱処理室より排出された反応排ガスを冷却する冷却室と
を備えることを特徴とするクロロシラン類の水素還元用装置。 - 前記断熱構造が、前記反応排ガス回収室の内壁部にカーボン材が設けられた構造であることを特徴とする請求項4に記載のクロロシラン類の水素還元用装置。
- 前記内壁部とカーボン材との間に、さらに断熱材を介在させていることを特徴とする請求項5に記載のクロロシラン類の水素還元用装置。
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