JP5633142B2 - 多結晶シリコン製造方法及び製造装置 - Google Patents

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本発明は、多結晶シリコン製造工程における反応によって生じた排ガスを冷却して気液分離し、精製又は蒸留することにより、原料ガスの一部として再利用するようにした多結晶シリコン製造方法及び製造装置に関する。
多結晶シリコンの製造方法としては、シーメンス法による製造方法が知られている。この多結晶シリコンの製造方法では、反応炉内に種棒となるシリコン芯棒を多数配設して加熱しておき、この反応炉にクロロシランガスと水素ガスとを含む原料ガスを供給して、加熱したシリコン芯棒に接触させ、その表面に原料ガスの熱分解及び水素還元によって生じた多結晶シリコンを析出させる方法である。
また、反応炉からの排ガスには、未反応ガスや副生物である四塩化珪素、水素等が含まれているため、熱交換器を通じて−30℃以下に冷却されることでクロロシラン類や塩化物(ポリマー)は分離され、分離されたクロロシラン成分やポリマー成分は蒸留工程を経て再び半導体純度のクロロシランとなり、原料ガスの一部として多結晶シリコン製造工程に投入される。残りの水素ガスは精製され、同様に原料ガスの一部として再び多結晶シリコン製造工程に投入される。
このような多結晶シリコンの一連の製造方法において、反応炉からの排ガスの冷却により凝縮液を分離されたガス分は、特許文献1に示されるように、圧縮機により昇圧された後、冷却器を経由することにより、塩化物が除去され、その後、純度の高い水素ガスへと精製される。
特開2003−95635号公報
ところで、反応炉から排出される排ガスは系内を通過していく中で温度が下がり、例えば熱交換器によって200℃前後の高温状態から−30℃以下にまで冷却される場合、急激な温度低下による冷却凝縮が行われると液状ミストが発生し、排ガス中に浮遊して流れてしまう場合がある。そして、その排ガスが液状ミスト分を含んだまま圧縮機に送られると、液圧縮により圧縮機の故障を招き、開放整備の頻度が多くなり、排ガスの原料化処理が不安定になって多結晶シリコンの生産性を妨げる原因となり易い。また、液状ミストは凝縮時に排ガス中に含まれるポリマーの場合もあるため、圧縮機内部や周辺設備への付着による故障や除去を行う際の開放整備の場合には、空気中でのポリマーの発火による危険性も伴う場合もあることから、その処理には時間とコストがかかる作業となる。さらには、圧縮機の開放整備時は加水分解等による系内または装置の腐食なども生じるため、リン,ボロン、砒素などの不純物汚染により半導体級シリコン製造の品質を妨げる原因となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、液状ミストを発生させることなく排ガスを冷却して、気液を適切に分離することにより、その原料化処理を安定させ、多結晶シリコンの生産性を高めるとともに、品質の向上と安定を図ることを目的とする。
本発明の多結晶シリコン製造方法は、クロロシランを含む原料ガスを高温下で反応させて多結晶シリコンを析出させるとともに、その排ガスを熱交換器により冷却して気液分離し、そのガス分及び液分を精製・蒸留することにより前記原料ガスの一部とする多結晶シリコン製造方法において、前記熱交換は、伝熱管内を流通する流体とその外側に流通される流体との間で熱交換する多管式熱交換器であり、前記熱交換器で排ガスを冷却する前に、該排ガス中のダストを、ワイヤメッシュ状のフィルターを多数枚積層状態に設けたダスト分離装置により分離除去しておき、前記排ガスを冷却する際に、前記熱交換器内を0.03〜0.3MPaの圧力とし、4m/秒〜7m/秒の流速で通過させることを特徴とする。
すなわち、排ガスを熱交換器内に通すと、冷却されてクロロシラン類及びポリマーが凝縮し、熱交換機内で液滴となってガス流から落下することにより、ガスから分離される。その際のガスの流速が速いと、凝縮して液滴となって落下する前に、細かい液状ミスト分がガス流に乗って後工程に流されてしまう。本発明では、この熱交換器を通過する際のガス流速を制限して、比較的遅い流速で熱交換器を通過させることにより、十分に液滴として成長する時間を確保するとともに、熱交換器内の冷却された側壁に液滴を付着し易くさせて確実に凝縮液として回収できるようにするのである。流速が7m/秒を超えると、液状ミスト分の多くがガス流に流されてしまい、また、4m/秒未満の流速であると、生産性が低下する。
本発明の多結晶シリコン製造方法において、前記排ガスの冷却を複数の熱交換器により段階的に行うとともに、各熱交換器から前記排ガスの凝縮液を回収する構成としてもよい。
複数の熱交換器を順に通過させることにより、排ガスを段階的に冷却していくことで、ガスの流れが各熱交換器への出入りの際に緩和され、過冷却現象の発生を防止することができ、排ガス中へのミストの持ち込みを確実に防止することができる。
また、排ガスからダストを分離除去しておくことにより、その後に冷却された際のミストの発生が抑制され、効率的に気液分離するとともに、熱交換器の効率を維持し、閉塞を防止することができる。
また、本発明の多結晶シリコン製造装置は、クロロシランを含む原料ガスを高温下で反応させて多結晶シリコンを析出させる反応炉と、該反応炉からの排ガスを熱交換器により冷却して気液分離する冷却装置と、そのガス分及び液分を精製・蒸留することにより前記原料ガスの一部とする精製・蒸留装置とを備える多結晶シリコン製造装置において、前記反応炉と前記冷却装置との間に、前記排ガス中のダストを分離除去するためにワイヤメッシュ状のフィルターを多数枚積層状態に設けたダスト分離装置が設けられており、前記熱交換は、伝熱管内を流通する流体とその外側に流通される流体との間で熱交換する多管式熱交換器であり、前記熱交換器内の圧力が0.03〜0.3MPaとされ、前記冷却装置には、前記熱交換器内での前記排ガスの流速を4m/秒〜7m/秒に制御する流速制御手段が設けられていることを特徴とする。
流速制御手段としては熱交換器の後流側に弁を設けるなどの構成を採用することができる。
本発明の多結晶シリコン製造装置において、前記熱交換器は、前記排ガスの入り口側から出口側にかけて水平方向に対して1〜5°の角度の下り勾配に傾斜しており、その出口側に前記排ガスの凝縮液を移送する凝縮液移送管が接続されているとよい。
熱交換器の出口側が低くなるので、凝縮液を効率よく排出することができる。
本発明の多結晶シリコン製造方法によれば、熱交換器内を通過する際の排ガスの流速を制限したことにより、熱交換器内で排ガスを確実に凝縮させて液滴化させることにより、熱交換器以降への液状ミストの持ち込みを極力少なくし、連続生産中の設備の稼動を安定させて、生産性の向上を図ることができる。
本発明に係る多結晶シリコン製造装置の一実施形態の全体構成を示すフロー図である。 図1における冷却装置の詳細構成を示すフロー図である。
以下、本発明に係る多結晶シリコン製造方法の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の製造方法を実施するための多結晶シリコン製造装置の全体フローを示している。
この多結晶シリコン製造装置1は、クロロシラン及び水素ガスを含む原料ガスを高温下で反応させて多結晶シリコンを析出させる反応炉2と、該反応炉2からの排ガス中のシリコン粉末及びポリマー化合物を含むダスト分をフィルターに捕集するダスト分離装置3と、該ダスト分離装置3を経由した排ガスを冷却して気液分離する冷却装置4と、そのガス分及び液分を精製・蒸留して前記原料ガスの一部とする精製・蒸留装置5とを備えている。
反応炉2は、内部に多数のシリコン芯棒6が設けられ、これらシリコン芯棒6を赤熱させた状態として原料ガス供給系7から供給される原料ガスを接触させることにより、該原料ガスの熱分解及び水素還元によってシリコン芯棒6の表面に多結晶シリコンSを析出するようになっている。反応に供された後のガスは排ガス管8から排出され、ダスト分離装置3に送られる。
ダスト分離装置3は、配管の途中にワイヤメッシュ状のフィルター(図示略)を多数枚積層状態に設けた構成とされ、そのフィルターを通過させることにより、ダストを捕集するようになっている。
冷却装置4は、図2に詳細に示したように複数の熱交換器11〜15が直列に接続された構成とされ、これら熱交換器11〜15を経由することにより排ガスを例えば200℃程度から−50℃程度まで冷却し、排ガス中のトリクロロシラン、四塩化珪素等を凝縮して液状にするとともに、ガス状のまま残る水素等を分離するものである。
具体的には、第1〜第5熱交換器の5基の熱交換器を備えており、第1〜第5熱交換器は順に熱交換器11〜15に相当し、これら熱交換器11〜15を順次経由させることにより、排ガスを段階的に冷却するようにしている。
第1熱交換器11は、ダスト分離装置3から排ガス移送管16を経由して送られてきた排ガスが200℃程度と高温であるために、これを40℃程度にまで冷却するものである。この場合、2台の熱交換器11A,11Bが並列に設けられており、そのうちの1台を稼動し、他方を待機させておき、ダスト分離装置3により除去し切れなかったポリマー化合物等の付着により圧損が大きくなったら、待機していた熱交換器と稼動を切り替え、今まで使用していた熱交換器は整備することが行われる。それぞれの熱交換器11A,11Bは、水冷式であり、冷媒として水が用いられる。
第2熱交換器12は、第1熱交換器11から排ガス移送管17を経由して送られる40℃程度の排ガスを−10℃程度までに冷却するものであり、後述の第5熱交換器15を経由した−50℃程度の排ガスとの間で熱交換されるようになっている。
また、第3〜第5熱交換器13〜15は、それぞれ冷凍機51〜53から供給される冷媒(ガス)との間で熱交換されるようになっており、第3熱交換器13が第2熱交換器12を経由した−10℃程度の排ガスを−17℃程度に冷却し、第4熱交換器14がさらに−37℃程度にまで冷却し、第5熱交換器15で−50℃程度までに冷却する構成である。符号18〜21は各熱交換器11〜15間で排ガスを移送する排ガス移送管を示しており、これら排ガス移送管18〜21により各熱交換器11〜15を順に経由した排ガスは、第2熱交換器12からガス流通管22によって後工程の精製装置に送られる。
また、これら第1熱交換器11から第5熱交換器15を通過する際の排ガスの流速は4m/秒〜7m/秒とされる。図1中、符号55はガス流通管22内を流れる排ガスの流量を計測する流量計、符号56はその流量計55の計測結果から流量を制御する制御弁であり、これら流量計55及び制御弁56によって、熱交換器11〜15内を流れる排ガスの流速を4m/秒〜7m/秒に調整する流速制御手段が構成される。
本実施形態の場合、第1〜第5熱交換器のいずれにも多管式熱交換器が用いられている。すなわち、多管式熱交換器は、図2では熱交換器11B及び熱交換器14に代表して符号を付したように、円筒状シェル25の内部には、両端のカバー26,27と胴体部28との間を仕切る一対の管板29が配設されるとともに、これら管板29の間の胴体部28に、両カバー26,27の内部空間を連通する多数の伝熱管30が挿入状態に設けられている。そして、一方の入り口側カバー26内に流入した排ガスを各伝熱管30内に流通させて他方の出口側カバー27の内部空間から排出し、また、円筒状シェル25の胴体部28内の伝熱管30の外側空間には外部から熱媒体が流通され、これら伝熱管30内を流通する流体とその外側に流通される熱媒体との間で熱交換する構成である。
図2に示す例では、第2熱交換器12以外は外部の熱媒体が胴体部28内に流通させられるが、第2熱交換器12においては、前述したように第5熱交換器15の出口側カバー27の内部空間から送り出される排ガスが排ガス移送管21を経由して胴体部28に案内され、該胴体部28内で伝熱管30内を流通する排ガスとの間で熱交換され、ガス流通管22を介して後工程の精製装置に送られる構成とされている。
また、第1熱交換器11においては、円筒状シェル25が上下方向に沿って配置され、その上方の入り口側カバー26から排ガスが供給され、下方の出口側カバー27内から排ガス及び冷却によって生じた凝縮液が排出されるようになっている。また、第2〜第5熱交換器12〜15においては、円筒状シェル25が横向きに配置されるとともに、入り口側カバー26より出口側カバー27の方が下方位置となる(低くなる)ように、入り口側カバー26から出口側カバー27に向けて若干下り勾配に傾斜して設けられており、伝熱管30内で生じた凝縮液が下り勾配によって出口側カバー27内に集まり易くなっている。この傾斜角度としては、水平方向に対して1〜5°の角度とされる。符号35〜39は各熱交換器11〜15の出口側カバー27の底部に接続された凝縮液移送管を示しており、これら熱交換器11〜15の出口側カバー27内から排出された凝縮液は、各凝縮液移送管35〜39を介して集液管40に集められ、タンク41に一旦回収されて貯留される。
なお、各熱交換器11〜15の大きさとしては、例えば、直径が0.8〜1m、長さが5〜9mとされ、伝熱面積が150〜300m2である。
精製・蒸留装置5は、冷却装置4からガス流通管22を介して送られてくる排ガス中の水素ガスを精製する精製装置42と、タンク41から液流通管43を介して送られてくる凝縮液を蒸留する蒸留装置44とを備えており、精製された水素、及び蒸留で得たトリクロロシランを水素供給管45及びトリクロロシラン供給管46を経由して原料ガス供給系7に送り、原料の一部として再利用するものである。この場合、精製装置42は、圧縮機47でクロロシラン類を凝縮分離した排ガスを圧縮して2次冷却装置48で冷却し、排ガス中に含まれる塩化水素ガスを分離した後に、吸着塔49において不純物を吸着して精製する構成とされている。
このように構成した多結晶シリコン製造装置1において、多結晶シリコンを製造するには、反応炉2内に多数本のシリコン芯棒6を配置して、これを赤熱させた状態とし、これに原料ガス供給系7からトリクロロシラン及び水素を含む原料ガスを供給して、シリコン芯棒6の表面に熱分解及び水素還元によって多結晶シリコンSを析出する。一方、反応に供された後の排ガスは、反応炉2から排ガス管8に排出され、ダスト分離装置3によってシリコン粉末やポリマー化合物が除去された後、冷却装置4で気液分離され、ガス分は精製装置42により水素ガスとして精製され、液分は蒸留装置44を経てトリクロロシラン、四塩化珪素等に精製される。そして、特に、その水素ガス及びトリクロロシランは再び多結晶シリコン製造用原料として利用され、原料ガス供給系7から再び反応炉2に供給される。
この一連の製造プロセスにおいて、反応炉2で生じた排ガス中に含まれる水素ガスを精製し、クロロシラン類を蒸留して、それぞれ原料ガスとして再利用するには、排ガス中に含まれるトリクロロシラン(SiHCl3)及び四塩化珪素(SiCl4)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)等を水素ガスを含む排ガスから確実に分離することが重要である。
本実施形態では、まず反応炉2で発生した排ガスをそのままダスト分離装置3に通して、そのフィルターよって排ガス中のダストを捕集して除去した後、冷却装置4により冷却してクロロシラン分とポリマーとを凝縮分離する。そして、この冷却装置4を複数の熱交換器11〜15の直列接続構造とし、排ガスを段階的に冷却するようにするとともに、各熱交換器11〜15における流速を4m/秒〜7m/秒としたことから、排ガスを比較的遅い速度で徐々に冷却している。熱交換器11〜15内の圧力としては、例えば0.03〜0.3MPaとされる。
すなわち、排ガスを冷却していくと、クロロシラン類やポリマーが露点温度で飽和状態に達し、この飽和蒸気がその温度よりも低温の固体面に接触することにより凝縮が起こるが、そのときの排ガスの流速が速いと、排ガスから凝縮する際にできる霧状の細かい液状ミストが伝熱管30や出口側カバー27の内面に接触して液滴となって落下する前に排ガスの流れに乗って下流に流れてしまい易い。そこで、この流速を制限することにより、飽和蒸気を伝熱管30や出口側カバー27の内面に十分に接触させて、液状ミストを大きく成長させ、その液滴を伝熱管30や出口側カバー27の内底面に落下させ易くしているのである。特に、各熱交換器11〜15の出口側カバー27内においては、伝熱管30から流路面積が急拡大することも相俟って確実に凝縮させ、その凝縮液を出口側カバー27の内底面に沿って流れ落とし、該出口側カバー27内から排出してタンク41に集めることができる。この場合、熱交換器12〜15が入り口側カバー26から出口側カバー27にかけて下り勾配に傾斜しているので、出口側カバー27内に凝縮液を集めて排出し易いが、その傾斜角度を5°を超えて大きくすると、ガスの流速も大きくなり易いので、5°以下の傾斜角度として、流速を制限している。
また、ダスト分離装置3を経由した排ガスは200℃前後と高温状態であり、これを−50℃程度まで冷却するものであるため、過冷却現象が生じ、液状の細かいミストが発生して系内を通過し、後工程の圧縮機47に持ち込まれてしまうおそれがあるが、複数の熱交換器11〜15を経由させながら冷却していることにより、各熱交換器11〜15において入り口側カバー26、伝熱管30、出口側カバー27と流れる際に流れが適度に緩和され、過冷却現象の発生を防止することができる。この場合、排ガス中にダストが存在したまま冷却すると、そのダストが核となってミストが大量に発生するが、排ガスを冷却する前にダスト分離装置3によってダストを分離除去しているので、その後の冷却の際のミストの発生を抑制し、効率よく気液分離することができる。
したがって、第1熱交換器11から第5熱交換器15までの各熱交換器において排ガスを確実に凝縮させて、後工程の圧縮機47への液状ミストの持ち込みを極力少なくし、該圧縮機47におけるトラブル発生を防止して、安定した連続生産を行わせることができるものである。また、ダストが残存したまま熱交換器11〜15に送られると、伝熱管30の内面等に付着して閉塞等を引き起こすおそれがあるが、予め除去されているので、伝熱管30の閉塞等も生じにくい。
熱交換器内の流速を変えて、ガス流通管22の流量計55におけるガスの流出量の変動、精製・蒸留装置5における圧縮機47への影響を調査したところ、表1に示す通りであった。この表1から明らかなように、本発明の4〜7m/秒の流速とすることにより、ガスの流出量の変動もなく、その後の圧縮機への影響はないことがわかる。したがって、多結晶シリコン製造装置の健全性を長期に維持することができる。
Figure 0005633142
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、冷却装置を複数の多管式熱交換器により構成したが、必ずしも多管式に限定されるものではなく、他の形式の熱交換器を用いてもよい。
また、第1熱交換器から第5熱交換器まで排ガスを経由させることにより、排ガスの温度を200℃程度から−50℃程度にまで冷却することとしたが、例えば−70℃程度まで冷却する場合に適用可能である。
1 多結晶シリコン製造装置
2 反応炉
3 ダスト分離装置
4 冷却装置
5 精製・蒸留装置
6 シリコン芯棒
7 原料ガス供給系
8 排ガス管
11〜15 熱交換器
16〜21 排ガス移送管
22 ガス流通管
25 円筒状シェル
26 入り口側カバー
27 出口側カバー
28 胴体部
29 管板
30 伝熱管
35〜39 凝縮液移送管
40 集液管
41 タンク
42 精製装置
43 液流通管
44 蒸留装置
45 水素供給管
46 トリクロロシラン供給管
47 圧縮機
48 2次冷却装置
49 吸着塔
51〜53 冷凍機
55 流量計
56 制御弁
S 多結晶シリコン

Claims (4)

  1. クロロシランを含む原料ガスを高温下で反応させて多結晶シリコンを析出させるとともに、その排ガスを熱交換器により冷却して気液分離し、そのガス分及び液分を精製・蒸留することにより前記原料ガスの一部とする多結晶シリコン製造方法において、
    前記熱交換は、伝熱管内を流通する流体とその外側に流通される流体との間で熱交換する多管式熱交換器であり、
    前記熱交換器で排ガスを冷却する前に、該排ガス中のダストを、ワイヤメッシュ状のフィルターを多数枚積層状態に設けたダスト分離装置により分離除去しておき、
    前記排ガスを冷却する際に、前記熱交換器内を0.03〜0.3MPaの圧力とし、4m/秒〜7m/秒の流速で通過させることを特徴とする多結晶シリコン製造方法。
  2. 前記排ガスの冷却を複数の熱交換器により段階的に行うとともに、各熱交換器から前記排ガスの凝縮液を回収することを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコン製造方法。
  3. クロロシランを含む原料ガスを高温下で反応させて多結晶シリコンを析出させる反応炉と、該反応炉からの排ガスを熱交換器により冷却して気液分離する冷却装置と、そのガス分及び液分を精製・蒸留することにより前記原料ガスの一部とする精製・蒸留装置とを備える多結晶シリコン製造装置において、
    前記反応炉と前記冷却装置との間に、前記排ガス中のダストを分離除去するためにワイヤメッシュ状のフィルターを多数枚積層状態に設けたダスト分離装置が設けられており、
    前記熱交換は、伝熱管内を流通する流体とその外側に流通される流体との間で熱交換する多管式熱交換器であり、前記熱交換器内の圧力が0.03〜0.3MPaとされ、
    前記冷却装置には、前記熱交換器内での前記排ガスの流速を4m/秒〜7m/秒に制御する流速制御手段が設けられていることを特徴とする多結晶シリコン製造装置。
  4. 前記熱交換器は、前記排ガスの入り口側から出口側にかけて水平方向に対して1〜5°の角度の下り勾配に傾斜しており、その出口側に前記排ガスの凝縮液を移送する凝縮液移送管が接続されていることを特徴とする請求項記載の多結晶シリコン製造装置。
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