JP2014043384A - 排ガスの処理装置およびそれを用いた排ガスの処理方法 - Google Patents

排ガスの処理装置およびそれを用いた排ガスの処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多結晶シリコンの製造の際に生じる排ガスが流送される、反応容器から塩化亜鉛回収装置に至るプロセスラインの閉塞を低減または防止することが可能な排ガス処理装置の提供。
【解決手段】本発明の排ガス処理装置は、特定の、導入連結部[A]と、加熱処理管部[B]と、前記加熱処理管部[B]で加熱処理された排ガスを冷却処理する冷却処理管部[C]と、排出連結部[D]とが順次結合し、排ガスが、導入連結部[A]から排出連結部[D]まで流通できるようになっていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、四塩化ケイ素ガスを亜鉛ガスで還元して多結晶シリコンを製造する際に生じる排ガスの処理装置およびそれを用いた排ガスの処理方法に関する。
近年、地球温暖化を防止するための有力な手段として、太陽電池に対する関心が益々高まってきている。太陽電池は、シリコン系、化合物系、有機系などに大別できるが、シリコン系の太陽電池の実用化が最も進んでいる。さらに、シリコン系太陽電池として、結晶シリコン系、アモルファスシリコン系などが挙げられる。この結晶シリコン系太陽電池では、その原料として高純度多結晶シリコンが使用されている。
高純度多結晶シリコンの製造法としては、シーメンス法や亜鉛還元法などが知られている。中でも、反応効率が良いことや未反応の原料の再利用が容易なこと、さらには低コスト高純度の結晶シリコンを低コストで製造し得ることから、亜鉛還元法が注目されている。この方法は、四塩化ケイ素(テトラクロロシラン:SiCl4)が亜鉛(還元剤)によって還元されて、シリコンおよび塩化亜鉛が生じる反応に基づくものである。この還元反応は、通常、高温の温度条件(例:800〜1200℃)下にある反応容器内で実施され、四塩化ケイ素ガスの供給ノズルに管状集合多結晶シリコンが付着するとともに、排ガスとして、未反応の原料ガス(四塩化ケイ素ガスおよび亜鉛ガス)、塩化亜鉛ガスや微粒子状のシリコンを含むガスが生じる。排ガスは、多結晶シリコンを回収するに先だって、反応容器外に排出される。
具体的には、特許文献1〜2には、上述のような亜鉛還元法に基づいて、高純度多結晶シリコンの製造法および、それに用いるための反応容器が開示されている。また、上記排ガスは、反応容器外に排出された後、通常、塩化亜鉛等を回収するための装置に供される。
ところで、非特許文献1には、バテル・コロンバス研究所の実験報告が開示されている。その実験報告は、シリコン粒子(粒径:250〜590μm)を10cmの深さに敷き詰めた流動床を用いて、反応温度900℃で亜鉛ガスと四塩化ケイ素ガスを用いて行った亜鉛還元法に関する。
また、非特許文献1には、本発明における亜鉛還元反応と同様に、水素や不活性ガス等の希釈ガスを伴わずに、四塩化ケイ素ガスと亜鉛ガスのみで還元反応を行う場合の四塩化ケイ素ガスからシリコンへの転換効率の計算結果が示されている。ここでの転換効率は、反応温度に反比例し、反応温度1050℃付近では略60%、反応温度727℃付近では略88%であり、また塩化亜鉛の凝縮相となる727℃以下の温度領域では略100%となる。
なお、反応温度を塩化亜鉛の沸点以下にすることは、熱力学的な観点から、実用性に乏しいと考えられる。この理由としては、蓄積する液体塩化亜鉛が流動床に積層されたシリコン粒子と凝塊を形成することが挙げられている。この凝塊は、取り込まれる不純物の濃度の高さを考慮しても、さらには現時点での精製技術を適用したとしても、高い精製度が求められる用途のシリコンとして利用することは困難である。
すなわち、反応容器の排ガス排出口が、管構造を介して塩化亜鉛回収装置と連結している場合、反応容器の排ガス排出口から塩化亜鉛回収装置にいたるまでの間に、排ガスが管壁等で局部的に亜鉛または塩化亜鉛の沸点以下の温度に曝されると、亜鉛および塩化亜鉛が液化することが考えられる。そのため、平衡反応の条件が崩れ、急激にシリコンが生成する(追反応が生じる)ことになる。そして、液化した塩化亜鉛は、液化した亜鉛やシリコン微粒子等とともにゲル状物や凝固物を形成すると考えられる。このゲル状物や凝固物が、上記管構造の特に連結管等の狭隘な箇所において生ずると、管構造を閉塞してしまう。
また、塩化亜鉛を再利用するために、排ガスに含まれる塩化亜鉛をそのまま溶融塩電解等に供することがあるが、その塩化亜鉛に不純物として含まれるシリコン微粒子が電解効率を悪化させたり、極端な場合には溶融塩電解が不可能になったりする。そのため、排ガス由来の塩化亜鉛を溶融塩電解の原料として使用するためには、溶融ろ過法や蒸留法等の精製工程が別途必要になる。
特開2007−145663号公報 特開2007−223822号公報
FINAL REPORT (Oct.,9.1975 to July, 9, 1978) on Evaluation of selected chemical Processes for Production of Low Cost Silicon (phase I-II) JPL Contract 954339/Silicon Material Task Low-cost Solar Array Project, BATTELLE Columbus Laboratories
本発明者は鋭意検討の結果、導入連結部、加熱処理管部、冷却処理管部および排出連結部を備えた、排ガス処理装置を用いることで、上記のような課題を解決することを見出した。
すなわち、本発明は、多結晶シリコンの製造の際に生じる排ガスが流送される、反応容器から排ガス回収装置に至るプロセスラインの閉塞を低減または防止することが可能である排ガス処理装置の提供を目的とする。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1] 反応容器内で四塩化ケイ素ガスを亜鉛ガスで還元して多結晶シリコンを製造した際に生じる排ガスを導入する導入連結部[A]と、
導入された排ガスを800〜1200℃の温度で加熱処理するための加熱処理管部[B]と、
前記加熱処理管部[B]で加熱処理された排ガスを、塩化亜鉛の沸点よりも低い温度で冷却処理するための冷却処理管部[C]と、
前記冷却処理管部[C]で冷却処理された排ガスを排出するための排出連結部[D]とが順次結合し、
排ガスが、導入連結部[A]から排出連結部[D]まで流通できるようになっていることを特徴とする排ガス処理装置。
[2] 前記冷却処理管部[C]内において、ゲル状物および/または凝固物を取り除くための排出口[E]が設置されていることを特徴とする[1]に記載の排ガス処理装置。
[3] 前記加熱処理管部[B]および/または冷却処理管部[C]において、不活性ガスを供給するための供給口[F]が設置されていることを特徴とする[1]または[2]に記載の排ガス処理装置。
[4] 下記工程(1)〜(4)を順次実施することを特徴とする、亜鉛ガスと四塩化ケイ素ガスとを反応させて多結晶シリコンを製造した際に生じる排ガスの処理方法;
工程(1):亜鉛ガス供給ノズル、四塩化ケイ素ガス供給ノズルおよび排ガス排出管を有する多結晶シリコン製造用縦型反応器を用いて、亜鉛ガス供給ノズルから亜鉛ガスと、四塩化ケイ素ガス供給ノズルから四塩化ケイ素ガスとを反応容器内に供給し、亜鉛ガスと四塩化ケイ素ガスとを反応させて多結晶シリコンを製造した際に生じた排ガスを、[1]〜[3]の何れかに記載の排ガス処理装置に導入連結部[A]を介して導入する工程、
工程(2):加熱処理管部[B]において、導入された排ガスを800〜1200℃の温度で加熱処理する工程
工程(3):冷却処理管部[C]において、前記加熱処理管部[B]で加熱処理された排ガスを塩化亜鉛の沸点よりも低い温度で冷却処理してゲル状物および/または凝固物を生成させ、該ゲル状物および/または凝固物を冷却処理管部[C]の内壁面で捕捉する工程、および
工程(4):排出連結部[D]より、冷却処理管部[C]で冷却処理された排ガスを排出する工程。
本発明の排ガス処理装置によれば、多結晶シリコンの製造の際に生じる排ガスによって、反応容器から排ガス回収装置に至るプロセスラインの閉塞を低減または防止することができる。また、排ガスからシリコン微粒子を捕捉することが可能になるために、塩化亜鉛を再利用するために、排ガスをそのまま溶融塩電解等に供する際に、溶融塩電解等の装置に対して負荷を低減することができるとともに、溶融ろ過法や蒸留法等の精製工程を省略あるいは小型化することができる。
図1は、高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器の一態様を示す断面図である。 図2は、反応容器から排出された排ガスを流通させるための連結管と、それに結合した塩化亜鉛ガス凝縮器とを示すための断面図である。 図3は、図2に記載の塩化亜鉛ガス凝縮器に結合した、本発明の排ガス処理装置の一態様を示すための断面図である。 図4は、図2に記載の塩化亜鉛ガス凝縮器に結合した、本発明の排ガス処理装置の一態様を示すための断面図である。
以下、本発明に係る排ガス処理装置およびそれを用いた排ガスの処理方法について、図面(図3〜4)を適宜使用しながら説明する。
本発明に係る排ガス処理装置は、反応容器内で四塩化ケイ素ガスを亜鉛ガスで還元して多結晶シリコンを製造した際に生じる排ガスを導入する導入連結部[A]と、導入された排ガスを800〜1200℃の温度で加熱処理するための加熱処理管部[B]と、前記加熱処理管部[B]で加熱処理された排ガスを、塩化亜鉛の沸点よりも低い温度で冷却処理するための冷却処理管部[C]と、前記冷却処理管部[C]で冷却処理された排ガスを排出するための排出連結部[D]とが順次結合している。ここで、排ガスが、導入連結部[A]から排出連結部[D]まで流通できるようになっており、冷却処理管部[C]が延設されている。
上記排ガスには、塩化亜鉛ガス、亜鉛ガス、シリコン微粒子、ケイ素酸化物および亜鉛酸化物等が含まれ、典型的には、これらの成分を、塩化亜鉛ガス88重量%以上、亜鉛ガス10重量%以下、シリコン微粒子2重量%以下、および、ケイ素酸化物と亜鉛酸化物との合計量が1重量%以下で含む。
本発明の排ガス処理装置において、導入連結部[A]は、通常、反応容器の排ガス排出口に結合して、反応容器の排ガスを導入する。導入された排ガスは、導入連結部[A]から、加熱処理管部[B]、冷却処理管部[C]、排出連結部[D]の順に流通する。
排ガス処理装置の形状は、直線の形状を有していてもよいし、図3〜4に示されるように、十字管などによって、折れ曲がりがある管状の形状を有していてもよい。また、排ガス処理装置の材質およびサイズは、本発明の排ガス処理装置の使用中において、冷却処理管部[C]の管内にゲル状物および/または凝固物によって閉塞することがない十分な空間と壁表面積を有する限り、特に限定されないが、排ガス処理装置の内部が耐薬品性および/または耐熱性のセラミック等で保護された鋼製またはステンレス製であり、内径が100mm以上であり、長さが500〜5000mmであることが好ましい。
加熱処理管部[B]は、導入された排ガスを800〜1200℃の温度で加熱処理する部位であり、反応容器から排気された排ガスが800〜1200℃の温度に維持されるため、平衡反応条件の変化に伴う追反応の発生を低減することができる。導入された排ガスの温度を800〜1200℃にするために、加熱手段として、内挿式電気加熱器などの、公知の加熱手段が設置されている。加熱手段の設置場所は、管の内部であってもよいし外部であってもよい。たとえば、図3〜4では、付番14で示されるように、十字管10の中央部まで加熱手段が管内に設置されている。
冷却処理管部[C]は、加熱処理管部[B]で加熱処理された排ガスを、塩化亜鉛の沸点(凝固点)よりも低い温度で冷却処理する部位である。ここで、加熱処理管部[B]で800〜1200℃の温度に維持された排ガスが、上記のように冷却処理されると、排ガスに含まれる亜鉛ガスと塩化亜鉛ガスは、凝縮して管壁に付着し始め、四塩化ケイ素が、急激にシリコンへと還元される追反応が発生する。この追反応で生じるシリコン微粒子は、結晶成長が不十分であって、また多くの不純物を含むので太陽電池用途の製品にはなりにくい。
前記の冷却処理に伴い、管壁に集積される亜鉛や塩化亜鉛は、これらのガスの凝縮と並行する追反応で生じるシリコン微粒子等とゲル状化や固化を繰り返す。そうして形成されたゲル状物および/または凝固物は、図3〜4の付番Eに示されるように、管壁から管の中心部分に向かって成長して、塩化亜鉛、亜鉛、シリコン微粒子等を冷却処理管部[C]の管壁に捕捉することができる。
冷却処理管部[C]には、塩化亜鉛の沸点(凝固点)よりも低い温度で冷却処理するために、二重管式熱交換器等の公知の冷却手段が設置されていることが好ましい。
また、前記排出口[E]として、図4の付番15に示されるように、冷却処理管部[C]には、冷却処理管部[C]に付着したゲル状物および/または凝固物を掻き落とすための、気密可能なフランジや開閉装置等の排出口が形成されていることが好ましい。この排出口を開口し、突き棒等を用いて、ゲル状物および/または凝固物を掻き落とすことができる。なお、排出口の設置位置は、加熱処理管部[B]や冷却処理管部[C]における中心軸の延長線上など、突き棒等を用いて、ゲル状物および/または凝固物を除去するのに都合の良い場所が任意に選ばれる。
突き棒を用いた、ゲル状物および/または凝固物を除去する操作は、手動であってもよく、自動であってもよい。突き棒の形状、材質等は、ゲル状物および/または凝固物を除去し、冷却処理管部[C]の閉塞を防止する限りにおいて特に限定されない。
なお、本発明の排ガス処理装置には、排ガスの酸化防止のため、必要に応じて前記不活性ガスの供給口[F](図示されない)が設置されていてもよい。
上記反応容器は、下記化学反応式に基づく亜鉛還元法による高純度多結晶シリコンを製造するために用いられる公知の反応容器である。
Figure 2014043384
たとえば、原料ガスが、鉛直方向へ(上から下へ)流れる縦型の構造を有しているもの(縦型反応容器)が挙げられる。
図1の付番1は、典型的な縦型反応容器を示しており、該反応容器は、亜鉛ガス供給ノズル3と、四塩化ケイ素ガス供給ノズル2と、排ガス用連結管4とを備える。
縦型反応容器の形状および大きさは特に限定されないが、形状としては円筒状であることが好ましい。また、管状の多結晶シリコンの生成および結晶成長の観点から、直径250mm以上であり、管状の多結晶シリコンの落下衝撃による損傷を防ぐために、高さは500〜5000mmであることが望ましい。縦型反応容器の材質としては、石英ガラス、炭化ケイ素または窒化ケイ素の何れかであってもよいが、加工の容易性から、石英ガラスが好ましい。
亜鉛ガス供給ノズルおよび四塩化ケイ素ガス供給ノズルは、それぞれ、亜鉛ガスおよび四塩化ケイ素ガスを反応容器内に供給するための、管状構造を有するノズル(パイプ)であれば特に限定されない。
亜鉛ガス供給ノズルの口径、肉厚、反応器内部への挿入長さは特に限定されないが、四塩化ケイ素ガスと亜鉛ガスとの供給バランスおよび亜鉛ガスの供給速度を考慮すると、口径を10〜100mm、肉厚を2〜14mm、反応器内部への挿入長さを0〜500mmとすることが好ましい。また、亜鉛ガス供給ノズルの材質は、石英ガラス、炭化ケイ素または窒化ケイ素の何れかであってもよいが、加工の容易性から、石英ガラスが好ましい。
また、四塩化ケイ素ガス供給ノズルの口径、肉厚、反応器内部への挿入長さは特に限定されないが、管状の多結晶シリコンの生成および結晶成長を考慮すると、口径を10〜100mm、肉厚を2〜14mm、反応器内部への挿入長さを0〜500mmとすることが好ましい。また、反応容器の内壁からの隔離距離を50mm以上とすることが好ましい。
四塩化ケイ素ガス供給ノズルの材質は、石英ガラス、炭化ケイ素または窒化ケイ素の何れかであってもよいが、加工の容易性から、石英ガラスが好ましい。
反応容器内に供給される四塩化ケイ素ガスと亜鉛ガスとのモル比(四塩化ケイ素ガス/亜鉛ガス)は、亜鉛還元法によるシリコンの生成反応(すなわち上記反応式(I)の反応)が進行する限り特に限定されないが、好ましくは1/10〜10/1であり、より好ましくは1/4〜4/1である。このようなモル比で、原料ガスを反応容器内に供給することで、安定的に多結晶シリコンを生成させ、生成したシリコンを成長させて、四塩化ケイ素ガス供給ノズル2の先端に管状の多結晶シリコンCを形成することができる。
排ガス用連結管の口径、長さ、本数、材質および設置場所は、四塩化ケイ素ガスの流れを乱すことなく、排ガスを十分に排気できる限り、特に限定されない。
亜鉛ガスおよび四塩化ケイ素ガス(原料ガス)は、公知の加熱手段で調製される。このような加熱手段としては、たとえば、図1で示される亜鉛溶融炉5および亜鉛蒸発炉6や、図1における四塩化ケイ素気化装置8が挙げられる。このような加熱手段によって、亜鉛ガスおよび四塩化ケイ素ガスが調製され、それぞれ、亜鉛ガス供給ノズル3および四塩化ケイ素ガス供給ノズル2を介して反応容器内に供給される。
また、原料ガスが反応容器内に供給されるに先だって、原料ガスを、反応容器内において亜鉛還元法に適した温度にするために、図1の付番7で示されるような、過熱炉を備えていることが好ましい。ここで、亜鉛還元法に適した温度とは、たとえば、800〜1200℃である。
また、図1の付番9で示されるように、製品への汚染防止という観点からは、反応容器の外側(外周部)に、反応容器内において亜鉛還元法に適した温度(例:800〜1200℃)を維持するために、電気式過熱炉等の加熱手段を有することが好ましい。
上記化学反応(I)を経て生じる排ガスは、シリコン、塩化亜鉛ガス、未反応の原料ガス(四塩化ケイ素ガス、亜鉛ガス)を含む。反応容器の排気ガスは、反応容器の排ガス抜き出し口から、本発明の排ガス処理装置の導入連結部[A]へ導入される。導入された排ガスは、加熱処理管部[B]、冷却処理管部[C]、排出連結部[D]の順に流通する。
導入連結部[A]は、例えば図3または4においては、反応器排ガス出口と図1の付番4の連結管との結合部であり、
加熱処理管部[B]は、例えば図3または4においては、付番14の加熱装置、付番4の連結管および付番10の十字管から成り、
冷却処理管部[C]は、例えば図3または4においては、付番16の冷却装置および付番11の管部から成り、
排出連結部[D]は、例えば図3または4においては、付番11の管部と付番19の排ガス凝縮装置の排ガス導入部との結合部を表わす。
このような態様にすると、下記工程(1)〜(4)を含む排ガスの処理方法を実施することができる。
工程(1):亜鉛ガス供給ノズル、四塩化ケイ素ガス供給ノズルおよび排ガス排出管を有する多結晶シリコン製造用縦型反応器を用いて、亜鉛ガス供給ノズルから亜鉛ガスと、四塩化ケイ素ガス供給ノズルから四塩化ケイ素ガスとを反応容器内に供給し、亜鉛ガスと四塩化ケイ素ガスとを反応させて多結晶シリコンを製造した際に生じた排ガスを、本発明の排ガス処理装置に導入連結部[A]を介して導入する工程、
工程(2):加熱処理管部[B]において、導入された排ガスを800〜1200℃の温度で加熱処理する工程、
工程(3):冷却処理管部[C]において、前記加熱処理管部[B]で加熱処理された排ガスを塩化亜鉛の沸点よりも低い温度で冷却処理してゲル状物および/または凝固物を生成させ、該ゲル状物および/または凝固物を冷却処理管部[C]の内壁面で捕捉する工程、
工程(4):排出連結部[D]より、冷却処理管部[C]で冷却処理された排ガスを排出する工程。
本発明の排ガス処理装置を用いて、排ガスを処理することで、反応容器から排ガス回収装置に至るプロセスラインの閉塞を低減または防止することが可能となる。なお、回収された四塩化ケイ素は再利用してもよいが、四塩化ケイ素および塩化ケイ素の含有量が低減された排ガスは、適切に処理される。
以下、実施例に基づき、本発明について更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
[比較例1]
図1に示されるような縦型反応容器1の排ガス排出口に、図2で示されるように、連結管4、十字管10および塩化亜鉛回収装置を連結して、試験用装置(1)を作成した。塩化亜鉛回収装置には塩化亜鉛ガス凝縮装置12を用いた。すなわち、冷却処理管部[C]を経た排ガスを直に冷媒となる溶融塩化亜鉛に接触させる直接冷却方式を用いた。なお、塩化亜鉛ガスを主体とする排ガス中から塩化亜鉛を粉体として回収する場合、熱交換機の管壁を用いる間接冷却方式も利用できる。
連結管4の長さは900mm、十字管10の縦および横の軸方向の長さは400mmである。また、連結管4および十字管10の口径は400mmφである。塩化亜鉛ガス凝縮器12のガス導入部の口径は400mmφであり、上流側開口端から冷媒液体Fの液面までの距離は400mmである。連結管4、十字管10および塩化亜鉛ガス凝縮器12の材質は鋼であり、これらの内壁には、肉厚100mmの断熱セラミックで保護されている。
連結管4の内部に設置された加熱器14は、電気式加熱器(長さ:1000mm)であり、連結管4の内部の温度を、1000℃に設定した。
また、液体冷媒Fは、塩化亜鉛液体と亜鉛液体との混合液であり、その温度は500℃に設定された。なお、この設定温度は、塩化亜鉛の凝固点(732℃)よりも低く、亜鉛の融点(419.5℃)を超えている。
試験用装置(1)の反応容器内の圧力の上限を20cmH2O(約1.96kPaに相当)に設定した。試験用装置(1)の反応容器に、四塩化ケイ素ガスおよび亜鉛ガスをそれぞれ、84kg/hおよび40kg/hの供給量で供給して反応させた。ここで、容器内の温度は950℃であり、8時間40分間反応をさせたところ、容器内の圧力が上限値(20cmH2O)に達したので、緊急停止した。
排ガス凝縮装置を分解して、連結管4および十字管10に(管内温度1000℃に設定されていた領域に)僅かな排ガスに由来する凝固物を認めた。一方で、十字管10から排ガス導入部19の冷却冷媒Fの液面から上流側200mm辺りにかけて凝固物Eが管壁から管状に生成していた。
このように、冷却冷媒Fの液面から上流側200mm辺りでは、凝固物Eの管径方向の厚みが最大となり、排ガスが流通し得る内径は20mm程度までに著しく狭窄していた。また、排ガス導入部19の冷媒液体Fの液面にも多数の凝固物Eが浮遊していた。
なお、凝固物Eを採取して、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)によって分析したところ、凝固物Eは、塩化亜鉛88重量%以上、金属亜鉛10重量%以下、シリコン2重量%以下、ケイ素酸化物および亜鉛酸化物等1重量%以下を含んでいることが分かった。
このように、試験用装置(1)を用いたシリコンの製造方法では、反応容器から排ガス回収装置に至るプロセスラインの閉塞を低減または防止することが困難であることが理解できる。
[実施例1]
比較例1で使用の縦型反応容器1と塩化亜鉛ガス凝縮装置12とを、図3で示されるような排ガス処理装置を介して連結して試験用装置(2)を作成した。ここで、縦型反応容器の排ガス排出口と、比較例1で用いた、加熱器14を内蔵する連結管4および十字管10とを、この順で連結した。図3に示されるように、この十字管10には、外周囲が冷却装置16で覆われている冷却処理管11を連結した。ここで、冷却処理管11は、鉛直方向に向かって延設されている。なお、冷却処理管11の形状および材質は、それぞれ、長さ1000mm、口径400mmφの鋼管であり、管内は肉厚100mmの断熱性セラミックで保護されている。
試験用装置(2)において、連結管4内の加熱器14で、該管内の温度を1000℃に設定した。さらに、冷却装置16の設定温度を25℃に設定したところ、縦型反応容器1の安定運転時において、冷却処理管11と十字管10との結合部付近の管内温度は、850℃であり、冷却処理管11と排ガス導入部19との結合部付近の管内温度は703℃であった。
試験用装置(2)の反応容器に、四塩化ケイ素ガスおよび亜鉛ガスをそれぞれ84kg/hおよび40kg/hの供給量で供給して反応させた。ここで、容器内の温度は950℃であり、10時間24分間反応をさせた。反応停止後、排ガス凝縮装置を分解して、連結管4および十字管10に(管内温度1000℃に設定されていた領域に)僅かな排ガスに由来する凝固物を認めた。凝固物の付着量は比較例1と同様であった。
一方で、図3に示されるように、凝固物Eが冷却処理管内の管壁に管状に鉛直方向に向かって付着していた。ここで、冷却処理管11と排ガス凝縮装置との結合部付近の凝固物の管径方向の最大厚みは略20mmであり、排ガスが流通し得る内径は160mmであった。
したがって、本実施例は、比較例1よりも2時間ほど長く反応させたにもかかわらず、排ガスが流通し得る内径は反応実施前の略80%を確保できた。
なお、凝固物Eを採取して、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)によって分析したところ、凝固物Eは、塩化亜鉛88重量%以上、金属亜鉛10重量%以下、シリコン2重量%以下、ケイ素酸化物および亜鉛酸化物等1重量%以下を含んでいることが分かった。
以上のように、実施例1と比較例1とを対比すると、特定の冷却処理管を有する排ガス処理装置を用いて排ガスを処理することで、多結晶シリコンの製造の際に生じる排ガスが流送される、反応容器から排ガス回収装置に至るプロセスラインの閉塞を低減または防止することが理解される。
1:縦型反応器
2:四塩化ケイ素ガス供給ノズル
3:亜鉛ガス供給ノズル
4:連結管
5:亜鉛溶融炉
6:亜鉛蒸発炉
7:過熱炉
8:四塩化ケイ素気化装置
9:加熱手段
10:十字管
11、21:冷却処理管
12:塩化亜鉛ガス凝縮器
13:連結管
14:加熱器
15:排出口
16:冷却装置
17:冷却液体入口
18:冷却液体出口
19:塩化亜鉛ガス凝縮器12の排ガス導入部
20:塩化亜鉛ガス凝縮器12の排ガス排出部
A:亜鉛
B:四塩化ケイ素
C:管状多結晶シリコン
D:排ガス
E:ゲル状物および/または凝固物
F:冷媒液体
G:排ガス

Claims (4)

  1. 反応容器内で四塩化ケイ素ガスを亜鉛ガスで還元して多結晶シリコンを製造した際に生じる排ガスを導入する導入連結部[A]と、
    導入された排ガスを800〜1200℃の温度で加熱処理するための加熱処理管部[B]と、
    前記加熱処理管部[B]で加熱処理された排ガスを、塩化亜鉛の沸点よりも低い温度で冷却処理するための冷却処理管部[C]と、
    前記冷却処理管部[C]で冷却処理された排ガスを排出するための排出連結部[D]とが順次結合し、
    排ガスが、導入連結部[A]から排出連結部[D]まで流通できるようになっていることを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 前記冷却処理管部[C]内において、ゲル状物および/または凝固物を取り除くための排出口[E]が設置されていることを特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
  3. 前記加熱処理管部[B]および/または冷却処理管部[C]において、不活性ガスを供給するための供給口[F]が設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス処理装置。
  4. 下記工程(1)〜(4)を順次実施することを特徴とする、亜鉛ガスと四塩化ケイ素ガスとを反応させて多結晶シリコンを製造した際に生じる排ガスの処理方法;
    工程(1):亜鉛ガス供給ノズル、四塩化ケイ素ガス供給ノズルおよび排ガス排出管を有する多結晶シリコン製造用縦型反応器を用いて、亜鉛ガス供給ノズルから亜鉛ガスと、四塩化ケイ素ガス供給ノズルから四塩化ケイ素ガスとを反応容器内に供給し、亜鉛ガスと四塩化ケイ素ガスとを反応させて多結晶シリコンを製造した際に生じた排ガスを、請求項1〜3の何れか1項に記載の排ガス処理装置に導入連結部[A]を介して導入する工程、
    工程(2):加熱処理管部[B]において、導入された排ガスを800〜1200℃の温度で加熱処理する工程、
    工程(3):冷却処理管部[C]において、前記加熱処理管部[B]で加熱処理された排ガスを塩化亜鉛の沸点よりも低い温度で冷却処理してゲル状物および/または凝固物を生成させ、該ゲル状物および/または凝固物を冷却処理管部[C]の内壁面で捕捉する工程、および
    工程(4):排出連結部[D]より、冷却処理管部[C]で冷却処理された排ガスを排出する工程。
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