JP6650828B2 - シリコンの精製方法 - Google Patents

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本発明は、シリコンの精製方法に関するものである。
Siは元素半導体材料として知られているが、これを簡便で高純度に精製することのできる精製(精錬)方法の実現が重要な課題になっている。
Siの精錬プロセス技術には、化学的方法と冶金学的方法とがある。Si精錬プロセスの主流は、シーメンス法と呼ばれる化学的方法である。シーメンス法は、SiHCl(トリクロロシラン)を精製後、水素を用いて高温で還元することにより高純度Siを製造する。この精製過程は、多量の水素と電力エネルギーを必要とし、またSiの生成収率が低い。したがって、太陽電池用Si等の製造方法としてコスト的に割が合わない。
一方、冶金学的精製プロセスは、半導体グレード(11N)ほどの高純度Siを得ることはできないが、プロセスコストが低く、Fe(鉄)などの遷移金属元素を初めとする不純物をある程度取り除くことができる。したがって、太陽電池用Siの精製プロセスとして、検討が進められている(非特許文献1参照)。この冶金学的プロセスによる金属不純物の除去方法では、Siの固相と液相との間での平衡分配係数が小さい不純物の元素を一方向凝固法で液相側に排出除去する原理を応用している。プロセスとしては、電子ビームで局所高温化することでP(リン)を蒸発除去する工程と、Fe等の金属成分を2回の一方向凝固法で偏析除去させる工程と、水蒸気添加プラズマでB(ホウ素)とC(炭素)を酸化物として除去する工程とから概略成っている。通常の凝固精錬では偏析係数の大きいBやP、Cを除去する事が難しいため、上記のような多段階かつ複雑な工程が必要となっている。Si中の不純物元素の多くは、平衡分配係数が極めて小さく、Siが凝固する際に液相中へ著しい濃縮挙動を示すため、不純物元素の除去には凝固偏析を活かした高純度化が有効である。しかし、Siの電気的性質に大きく寄与するBやPは、平衡分配係数が大きいためこの精錬では不純物を十分に取り除くことが出来ないという問題がある。さらに、Siの融点である1414℃以上の高温を要するプロセスであることが、依然コスト高の要因となっている。
そこで、Si凝固温度を低下させる方法として、低融点元素のAl(アルミニウム)を利用した方法(非特許文献2参照)等が提案されている。
しかし、この手法には、Si精練後に残存したAlを酸で除去する必要があることや、SiにAlが大量に取り込まれてしまうという問題点が残されている。製造時に莫大な電気エネルギーを要するAlを大量に消費してしまうという問題点もある。この他にも、In(インジウム)やGa(ガリウム)等の低融点金属を溶媒として用いたSi結晶の低温成長の報告があるが、Alと同様に、精練後に溶媒を除去する必要があり、溶媒の再利用には高コストであるという難問題があった。
これらの問題を解決する手段として、低純度原料Siとアルカリ金属(A)とのASi化合物(固相)の生成後に、ASi化合物の融液から晶出させることによるSiの精製方法であって、少なくとも、前記ASi化合物の一方向凝固による不純物除去の工程を含むシリコンの精製方法が知られている。(特許文献1を参照)
花澤和浩、中村尚道、湯下憲吉、阪口泰彦、加藤嘉英、まてりあ、45、712−715、2006 吉川健、森田一樹、溶融塩および高温化学、49、135−143、2006
特開2011−32158号公報
しかし、特許文献1の方法では、純度の高いシリコン結晶を比較的低温で得ることができるものの、シリコン結晶の表面に不純物が偏析しており、それを煩雑な操作によって除去する必要があった。
本発明は、簡便な手段によって、より低温で、かつ低コストでシリコン中の不純物を除去することのできる、高純度シリコンを得るための新しい精製(精錬)の方法を提供することを目的としている。
本発明者等は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、一方向凝固を行う容器に温度勾配を設けることにより、問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)不活性ガス雰囲気下、アルカリ金属とシリコンとを加熱して一方向凝固により、固相のアルカリ金属−シリコン化合物を生成する工程と、この工程で生成した前記アルカリ金属−シリコン化合物の融液からシリコンを晶出させる工程と、を有するシリコンの精製方法において、前記固相のアルカリ金属−シリコン化合物を生成する工程では、アルカリ金属とシリコンとを収容した容器の下部を前記アルカリ金属−シリコン化合物の融点以上に加熱するとともに、前記容器の上部を前記アルカリ金属−シリコン化合物の融点以下に加熱し、前記シリコンを晶出させる工程では、前記容器の上部から得られるアルカリ金属−シリコン化合物を加熱し、前記アルカリ金属−シリコン化合物の融液からシリコンを晶出させるシリコンの精製方法、に関し、
(2)好ましくは、前記固相のアルカリ金属−シリコン化合物を生成する工程で、前記容器の下部の領域の上端を、前記容器の底部から開口部までの高さの底部から40%以上50%以下の位置に設定し、前記容器の上部の領域の下端を、前記容器の底部から開口部までの高さの開口部から50%以上60%以下の位置に設定する(1)に記載のシリコンの精製方法、
(3)好ましくは、前記容器がチタン製である(1)または(2)に記載のシリコンの精製方法、
(4)好ましくは、前記シリコンを晶出させる工程で、アルカリ金属の蒸発をともなう(1)から(3)のいずれかに記載のシリコンの精製方法、
(5)好ましくは、前記固相のアルカリ金属−シリコン化合物を生成する工程の後、得られた前記固相のアルカリ金属−シリコン化合物を前記容器と共に切断して取り出す(1)から(4)のいずれかに記載のシリコンの精製方法に関する。
本発明の精製方法を用いることにより、結晶シリコンの表面から不純物を削り取る煩雑な操作をすることなく、高純度の結晶シリコンを得ることができる。
アルカリ金属−シリコン化合物の生成に使用される装置の一実施態様を示す。 アルカリ金属−シリコン化合物から、シリコンを晶出させるための装置の一実施態様を示す。 図1に示す装置においてルツボ炉を用いて加熱した際の加熱容器の温度分布を示す。
本発明のシリコンの精製方法は、アルカリ金属と低純度原料シリコンとによるアルカリ金属−シリコン化合物(固相)の生成の工程(A)と、前記アルカリ金属−シリコン化合物の融液からのシリコンの晶出の工程(B)とを含み、工程(A)では、アルカリ金属−シリコン化合物の一方向凝固による不純物除去の工程を含む。
<工程(A)>
アルカリ金属と低純度シリコンからなるアルカリ金属−シリコン化合物は、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属の蒸気または融液と、バルク状又は粉末状等の固相のシリコンとを接触及び加熱させることにより生成することができる。用いるアルカリ金属の量は、溶融させたアルカリ金属と共にシリコンを容器の下部と上部とに亘って対流させることができる量であれば特に制限されず、シリコン1モルに対して、1モル〜20モルが好ましく、2モル〜12モルの範囲がさらに好ましい。
具体的には、アルカリ金属の蒸気又は融液と、バルク状又は粉末状等の固相のシリコンとを筒状の容器に収容する。そして、容器の下部が、アルカリ金属−シリコン化合物の融点以上シリコンの融点以下の温度になるように加熱し、容器の上部がアルカリ金属の融点以上かつアルカリ金属−シリコン化合物の融点未満の温度になるように加熱する。
本実施形態において、容器の下部とは、容器の底部側の一定の領域を意味している。また、容器の上部とは、前記容器の下部と隣接する容器の開口部側の一定の領域を意味している。
容器が、前記のようにアルカリ金属−シリコン化合物の融点以上シリコンの融点以下の温度と、アルカリ金属の融点以上かつアルカリ金属−シリコン化合物の融点未満の温度とに分けて加熱されるのであれば、容器の下部と上部との境は軸線方向のどの位置に設けられていてもよい。尚、加熱するとは、指定された温度範囲に何等かの手段を用いて設定することを意味し、必ずしも熱を加えるだけでなく、高い温度を冷却して指定温度内に設定する場合も含むこととする。
ただし、温度勾配の設定及びアルカリ金属−シリコン化合物を効率よく生成し且つアルカリ金属−シリコン化合物の析出を効率的に行うために、容器の下部の上端は、容器の底部から開口部までの高さの容器の底部から40%以上50%以下の位置に設定されていることが好ましい。反対に、容器の上部の下端は、容器の底部から開口部までの高さの容器の開口部から50%以上60%以下の位置に設定されていることが好ましい。
より具体的に説明すると、アルカリ金属がナトリウムである場合には、モル比が1:1のナトリウム−シリコン化合物の融点798℃以上に容器の下部を加熱し、融点798℃未満かつナトリウム金属の融点以上に容器の上部を加熱する。
このように加熱することにより、容器の下部においては、溶融したアルカリ金属にシリコンが溶け出して、アルカリ金属−シリコン化合物の融液が漸次生成され、容器内を上下(軸線方向)に対流する。一方、容器の上部においては、容器がナトリウム金属の融点(97.79℃)以上でアルカリ金属−シリコン化合物の融点(798℃)未満の温度に加熱されているため、融液状態のアルカリ金属−シリコン化合物がこの容器の上部に析出して固相化されていく。
この際、他の不純物は、シリコンに比べてアルカリ金属に溶解しにくいので、溶融したアルカリ金属内に懸濁している状態となり、シリコンのみが一方向凝固する。これにより容器の上部に固相のナトリウム−シリコン化合物が得られ、一方向凝固にともなって、シリコン以外の不純物は、ケイ素化物となり、比重差により容器下部に沈降する。
上記工程(A)は、不活性ガス雰囲気条件下で行うのが好ましく、不活性ガスとして、具体的には、アルゴン、ヘリウム、または窒素等を例示することができる。ただし、アルカリ金属がリチウムの場合又は800℃以上の高温の場合には、窒素は使用できない。不活性ガスの圧力は、1気圧(大気圧)以上であれば特に制限されず、アルカリ金属の蒸発速度を制御するために、数気圧程度に加圧してもよい。また、不活性ガス雰囲気下の密閉容器内で行うこともできる。その場合、加熱に伴い内圧が上がることから耐圧容器を用いるのが好ましい。
従来は、不純物が集積した部分を機械的に切断、研磨等により、または、スパッタリング等の処理により除去する必要があったが、本発明では、アルカリ金属−シリコン化合物の融点未満に加熱した部分から、固相のアルカリ金属−シリコン化合物を回収するだけで、純度のよいものを得ることができる。アルカリ金属−シリコン化合物を回収する方法は、特に限定されないが、反応容器から固体を掻き出しても、その部分を容器ごと切断してもよい。この切断は機械的切断により行うことができる。
<工程(B)>
次に、容器上部において得られた固相のアルカリ金属−シリコン化合物を再び加熱することにより、シリコンを晶出することができる。この晶出方法としては徐冷と溶媒蒸発の2つの方法がある。アルカリ金属がナトリウムの場合、溶媒蒸発が好ましい。溶媒蒸発は、アルカリ金属−シリコン化合物の融液と平衡なアルカリ金属の蒸気圧よりも晶出する容器内のアルカリ金属の蒸気圧を低く設定することにより行われる。
本実施形態ではシリコンの晶出は、アルカリ金属−シリコン化合物の融点以上の温度において、アルカリ金属を蒸発させることにより行われるのが好ましい。すなわち、ナトリウム−シリコン(モル比1:1)化合物の場合には798℃以上の温度とすることでシリコンが800℃以上900℃以下の温度レベルにおいて晶出される。
この晶出においても不活性ガス雰囲気下にて行うのが好ましい。ただし、窒素を使用する場合には、500℃以下とするのが好ましい。不活性ガスの圧力は、特に制限されず、1気圧(大気圧)もしくは数気圧程度の加圧でも行うことができるが、溶媒蒸発の場合には、アルカリ金属の蒸発を促進するために、1気圧以下の減圧下に行うのが好ましい。
本発明に用いられる装置として、具体的には、図1に示す装置X1を例示することができる。
装置X1は、原料を収容する反応容器(以下、単に「容器」という)1,2と、容器1,2を内部に収容して不活性ガス雰囲気下で間接的に容器1,2を加熱する加熱容器3と、加熱容器3の閉栓部4と、閉栓部4から不活性ガスを流入及び流出させる流入管5a,流出管6a及び開閉弁5b,6bと、加熱容器3を収容する加熱装置7と、冷却機8とを備えている。
容器1,2は、蓋部材9により開閉自在で長尺な有底筒状に形成されている。容器1,2の周壁部10の内面10aの形状は、断面円形であっても角形であってもよいが、耐圧性を担保するために、断面円形であるのが好ましい。
容器1,2の底部11の寸法S1と周壁部10の軸線L方向の高さ寸法S2とは、容器1,2の下部P1と容器1,2の上部P2との間で温度差を設け易くし、又はアルカリ金属の流動及びアルカリ金属−シリコン化合物の析出を効率的に行うために、容器1,2の底部11の最大幅又は直径(S1)1に対して高さS2が3以上であることが好ましく、高さS2が10以上であることがより好ましく、高さS2が15以上であることが更に好ましい。
加熱容器3の底部3b近傍と、加熱装置7の開口部付近と、容器1,2を配置した状態で容器1,2の開口部が位置する付近には、それぞれ温度測定部51,52,53が設けられている。
容器1,2の材質は特に限定されないが、500℃以上の高温条件下、強塩基性条件下に耐えられる材質が好ましく、具体的には、窒化ホウ素、チタン、タンタル等を例示することができ、中でもチタンが好ましい。
容器1,2は、蓋部材9で密栓してそのまま容器1,2の下部P1をルツボ炉等の加熱装置7に直接入れて加熱することもできるが、不活性ガス雰囲気下で反応を行うために、図1に示すように、さらに不活性ガスの封入口もしくは、流出入口が形成された閉栓部4を有する加熱容器3の中に入れて不活性ガス雰囲気下で加熱するのが好ましい。この際、不活性ガスは、加熱容器3内に封入しても、また、不活性ガス気流下でも反応を行うことができる。
容器1,2の上部P2は、加熱装置7の外に露出させて容器1,2の下部P1と温度差を設けるようにしても、加熱装置7内でアルカリ金属−シリコン化合物の融点以下になるようにして下部P1との間で異なる温度に調節できる加熱装置7により温度制御をしてもよい。チタン等の熱伝導性の高い材質を用いた場合には、加熱装置7から露出させた部分については、扇風機等の冷却機8を用いた空冷もしくは熱吸収体により冷却することにより、温度調節した加熱をすることができる。
反応後、室温まで冷却する方法は特に限定されないが、冷却は急速に行うよりは時間を掛けて徐々に行うのが好ましい。冷却後、固化した内容物については、上方より順次掻き出すこともできるし、容器1,2そのものを切断して取り出すこともできる。
取り出したアルカリ金属−シリコン化合物を加熱処理してシリコンを晶出させる装置として、具体的には、図2に示す装置X2を例示することができる。
チタン、窒化ホウ素等で作成されたルツボ13に取り出したアルカリ金属−シリコン化合物を入れて、更に、不活性ガス雰囲気下で加熱できる加熱容器7内で加熱する。その際、容器1の上部P2を空冷することで、アルカリ金属(例えばナトリウム)を容器1内にて回収することができる。
以下実施例を用いて、本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
窒素ガス(露点:−52.0℃、温度:5.1℃)雰囲気下のグローブボックス(不図示)内で図1に示す容器1,2(チタン製、内径35mm、高さ400mm)内に、シリコン粉末(和光純薬社製、純度98%、粒度:150μm通過分が99.7%以上、メディアン径:489.548μm、不純物組成については表3に示す)30.12g(1.072モル)を充填した。次に、容器1,2を不図示のリボンヒーターで約120℃に加熱し、金属ナトリウム(日本曹達社製、不純物含量(単位はmg/kg)は表1に示す)120.33g(5.234モル)を容器1,2に充填し融解させた。その後、容器1,2を開口した状態で冷却した。
冷却後、容器1,2の上部P2の開放部はチタン製プラグの蓋部材9で手締めにより閉栓をした。この容器1,2を、不図示のグローブボックスより取出し、図1に示すように、ルツボ炉7に設置した加熱容器3内に移した。加熱容器3は、底部3bから200mmまでがルツボ炉7内に収容され、それ以外がルツボ炉7から突出するようにルツボ炉7に設置されているため、容器1,2も底部11から200mmまでが、加熱容器3を介してルツボ炉7内に収容され、底部11から200mm以上400m以下がルツボ炉7外に突出するように収容された。アルゴンガスパージを行いながら加熱容器3内に移した容器1,2を800℃まで3時間で昇温させ、そのまま800℃で維持されるよう24時間加熱を行った。その後、加熱容器3内部は、アルゴンガスをパージし、加熱容器3の外側のルツボ炉7の外部に露出させた加熱容器3の上部P2を扇風機等の冷却機8によって空冷した(図1を参照)。この際の各部位の温度分布を図3に示す。図3より、本実施例においては、容器1,2の底部11から50%までが容器の下部P1となり、残りの50%が容器の上部P2となった。
更にその後、常温まで冷却し、容器1,2を取出し、窒素雰囲気下のグローブボックス(不図示)内に移した後、容器1,2を約5cm間隔にパイプカッターで切断した。
各切断部をチタン製ルツボ13(図2参照)に入れた上で、図2に示すSUS製格納容器12内に移し、格納容器蓋を手締めで取付け、不図示のグローブボックスより取出し、図2に示すようにルツボ炉7に設置した加熱容器3内に移した。アルゴンガスパージを行いながら800℃で加熱容器3内に移した格納容器12を24時間加熱し、金属ナトリウムを蒸発させた。尚、蒸発させた金属ナトリウムを回収するため、ルツボ炉7の外に露出させた加熱容器3の上部P2を冷却機8によって空冷した(図2を参照)。
室温まで冷却後、加熱容器3より格納容器12を取出し、窒素雰囲気下のグローボックス内でチタン製ルツボ13内の残留物をシリコンとして回収した。回収物は重量測定を行い、底部11から20〜30cmの部位から回収したシリコンについて、各々200mlの水を入れた300mlのビーカーに入れ、超音波洗浄を約1時間実施後、濾過(濾紙:0.45μm、JH−吸引濾過)し、乾燥機で乾燥し、GD−MS分析及びNDIR分析による不純物測定を実施した。他の各部位についても同様にして不純物測定を実施した。重量測定の結果を表2に、不純物測定の結果を表3に示す。
この結果、不純分の97%を除去することができ、純度99.9669%のシリコンを得ることができた。
1,2:容器(反応容器), 3:加熱容器, 4:閉栓部
7:加熱装置(ルツボ炉), 9:蓋部材, 10:周壁部
11:底部, P1:容器の下部, P2:容器の上部

Claims (5)

  1. 不活性ガス雰囲気下、アルカリ金属とシリコンとを加熱して一方向凝固により、固相のアルカリ金属−シリコン化合物を生成する工程と、この工程で生成した前記アルカリ金属−シリコン化合物の融液からシリコンを晶出させる工程と、を有するシリコンの精製方法において、
    前記固相のアルカリ金属−シリコン化合物を生成する工程では、アルカリ金属とシリコンとを収容した容器の下部を前記アルカリ金属−シリコン化合物の融点以上に加熱するとともに、前記容器の上部を前記アルカリ金属−シリコン化合物の融点以下に加熱し、
    前記シリコンを晶出させる工程では、前記容器の上部から得られるアルカリ金属−シリコン化合物を加熱し、前記アルカリ金属−シリコン化合物の融液からシリコンを晶出させるシリコンの精製方法。
  2. 前記固相のアルカリ金属−シリコン化合物を生成する工程で、前記容器の下部の領域の上端を、前記容器の底部から開口部までの高さの底部から40%以上50%以下の位置に設定し、前記容器の上部の領域の下端を、前記容器の底部から開口部までの高さの開口部から50%以上60%以下の位置に設定する請求項1に記載のシリコンの精製方法。
  3. 前記容器がチタン製である請求項1または2に記載のシリコンの精製方法。
  4. 前記シリコンを晶出させる工程で、アルカリ金属の蒸発をともなう請求項1から3のいずれか一項に記載のシリコンの精製方法。
  5. 前記固相のアルカリ金属−シリコン化合物を生成する工程の後、得られた前記固相のアルカリ金属−シリコン化合物を前記容器と共に切断して取り出す請求項1から4のいずれか一項に記載のシリコンの精製方法。
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