JP5708332B2 - トリクロロシラン製造装置 - Google Patents
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Description
4SiHCl3 → Si+3SiCl4+2H2 ・・・[2]
多結晶シリコン製造工程においては、図1に示すように、原料のトリクロロシラン、水素、及び四塩化珪素を含む原料ガスが多結晶シリコン反応炉10に導入されて、多結晶シリコンが製造されるとともに、未反応ガスや副生ガスを含む排ガスが多結晶シリコン反応炉10から排出される。
4SiHCl3 → Si+3SiCl4+2H2 ・・・[2]
トリクロロシラン製造装置100は、図1および図3に示すように、供給ガス中の四塩化珪素と水素とにより反応ガスを生成する転換炉40と、この反応ガスを冷却する冷却装置50と、冷却後の反応ガスを蒸留してトリクロロシランを回収する蒸留分離装置90とを備える。
多結晶シリコン反応炉10の排ガスから冷却器20を経て蒸留装置30により蒸留分離されて得られた四塩化珪素は、水素と共に転換炉40に供給ガスとして導入される。転換炉40では、1000℃以上且つ1900℃以下の温度下で、下記式[3]に示す転換反応によってトリクロロシラン(SiHCl3)が生成される。
SiCl4+H2 → SiHCl3+HCl ・・・[3]
ここで、転換炉40における反応温度について説明する。転換反応において、反応温度に対する反応ガスの組成の一例(平衡値)を図5に示す。図示するように、転換反応によって生成するガスには、目的物であるトリクロロシラン(SiHCl3)と共に、未反応のH2、SiCl4、およびHCl、SiCl2、ポリマーなどの副生物が含まれている。
この転換炉40から導入される反応ガスを冷却する冷却装置50は、図6に示すように、所望の速度で反応ガスを冷却する一次冷却工程を行う一次冷却器60と、一次冷却器60で冷却された一次冷却ガスを昇温加熱する昇温加熱部71および保温する温度保持部75を備え中間反応工程を行う中間反応器70と、中間反応器70から供給された昇温ガスを冷却してトリクロロシランを含むクロロシランを液化して分離回収する二次冷却工程を行う二次冷却器80とを備える。
一次冷却器60は、反応ガスを急冷するためのいわゆる多管式(シェルアンドチューブ式)熱交換器であり、図7,8に示すように、内部を反応ガスが流通する複数の伝熱チューブ61と、これら伝熱チューブ61を収容する円筒状のシェル62と、各伝熱チューブ61の反応ガス流通方向上流側端部を貫通させる複数の開口部63aを有するとともにシェル62の反応ガス流通方向上流側開口部を閉鎖する円板状の上流側チューブプレート63と、各伝熱チューブ61の反応ガス流通方向下流側端部を貫通させる複数の開口部64aを有するとともにシェル62の反応ガス流通方向下流側開口部を閉鎖する円板状の下流側チューブプレート64と、上流側チューブプレート63の反応ガス流通方向上流側を覆って供給室(ヘッダ)C1を形成する上流側ドーム65と、下流側チューブプレート64の反応ガス流通方向下流側を覆って回収室C2を形成する下流側ドーム66とを有している。
この一次冷却器60において所望の急冷効果を得るために、伝熱チューブ61の伝熱面積Am2と冷却器容積(伝熱チューブ61の内容積)Vm3との関係がV/A=0.002m以上0.03m以下となるように設定する。V/Aをこのような範囲に設定することにより、適切な冷却速度が得られ、伝熱チューブ61の閉塞などのトラブルも回避できる。
このように構成された一次冷却器60において、転換炉40から排気管42を通じて供給室C1に導入された反応ガスは、シェル62内で冷却されている伝熱チューブ61内に流入する。この伝熱チューブ61が傾斜して配置されていることにより、伝熱チューブ61内を流通する反応ガスが冷却されて生じたポリマーが伝熱チューブ61内を下方に向けて流れるので、ポリマーを回収しやすく、流路が閉塞しにくい。反応ガスは、シェル62内で冷却されながら伝熱チューブ61内を流れて回収室C2に流入し、排気管68を通じて一次冷却器60から排出され、一次冷却ガスとして中間反応器70に供給される。一次冷却器60は、この一次冷却工程において反応ガスが冷却開始から0.01秒以内に600℃以上かつ2秒以内に500℃以下に冷却されるように構成される。
上流側ドーム65の二重壁内およびシェル62内を流通させる冷却媒体として水、油などの液体を用いると、冷却効率が向上する。本実施形態では、好ましくは50℃以上、より好ましくは90℃以上300℃以下の温水または熱媒油を冷却媒体として用い、反応ガスの急冷を行うことができる。冷却媒体が50℃未満であると、ポリマーの沈着が起きやすく、伝熱チューブ61内が閉塞したりするおそれがある。
以上説明した一次冷却器60から500℃以下に冷却された一次冷却ガスを供給される中間反応器70は、図6に示すように、一次冷却ガスを100℃程度昇温する昇温加熱部71および昇温されたガスの温度を保つ温度保持部75を備え、中間反応工程を行う。中間反応器70においては、昇温加熱部71と温度保持部75とが分離して備えられることにより、温度制御や滞留時間制御が容易となっている。
この中間反応器70において、一次冷却器60から供給された一次冷却ガスは、中間反応器70により到達温度500℃以上950℃以下、より好ましくは550℃以上600℃以下の温度範囲に加熱昇温され、0.01秒以上5秒以下の間保持される。これにより、トリクロロシランの分解を抑制しつつ、一次冷却工程において生成したポリマーを分解することができる。このように、一次冷却工程で急激に反応ガスの温度を低下させた後、温度低下によって生じたポリマーを中間反応工程で分解させると、ポリマーの発生を防ぐことが可能な温度の範囲内で温度管理がしやすい。
Si2Cl6+HCl → SiCl4+SiHCl3 ・・・[4]
Si2HCl5+HCl → 2SiHCl3 ・・・[5]
Si2H2Cl4+HCl → SiHCl3+SiH2Cl2 ・・・[6]
Si3Cl8+2HCl → SiCl4+2SiHCl3 ・・・[7]
中間反応器70で加熱昇温された昇温ガスを供給される二次冷却器80においては、昇温ガスを冷却してトリクロロシランを含むクロロシランを液化して分離回収する二次冷却工程が行われる。二次冷却器80は、複数の冷却器80A,80B,80C,80D,80Eが直列に接続されており、各冷却器80A〜80Eにおいて適正な範囲の温度の冷却媒体が用いられ、昇温ガスが徐々に冷却されるように構成されている。なお、本実施形態においては5基の冷却器80A〜80Eが接続されているが、冷却器(熱交換器)の数は5基に限定されず、適宜変更してもよい。
これら冷却器80B〜80Eにおいて、まず、冷却器80Aで冷却された昇温ガスが冷却器80Bのガス供給室85aに供給される。昇温ガスは、ガス供給室85aに連通する伝熱チューブ81を通じて液回収室86aへと流れる。伝熱チューブ81はシェル82内を流れる冷却媒体によって冷却されているため、伝熱チューブ81を流通する昇温ガスが冷却される。この冷却により発生した凝縮液は、伝熱チューブ81から流れ落ちて液回収室86aに溜まり、次工程の蒸留分離装置90に供給される。
このトリクロロシラン製造装置100において、適切な急冷効果が得られるように一次冷却器60を構成するために、一次冷却器60における反応ガスの冷却時間を算出することが求められる。
まず、一次冷却器60における入口ガス温度ti(K)、最低1点の冷却器内の温度t1,t2,…(K)、ガス流量w(kg/s)を測定する。このとき、一次冷却器60内の温度t1(K)は573〜773K(300〜500℃)の範囲となる場所で測定する。この場所の特定は、運転条件や設計値から計算により予測することも可能であるが、ガスが外に漏れないような構造で複数の測定孔が一定間隔に設けられていれば、さらに適切な位置を特定することもできる。なお、複数の箇所で温度を測定した場合、500℃以下であって最も500℃に近い温度をt1とする。
T=V/Fa=Vρa/w ・・・[8]
ただし、ρaは入口ガス温度tiおよび温度t1でのガス密度の算術平均値(kg/m3)、Faは平均体積流量(m3/s)である。
θ=a/t+b・・・[9]
ここで、
a=T{ti×ti÷(ti−t1)}・・・[10]
b=−T{t1÷(ti−t1)}・・・[11]
11 基台
12 ベルジャ
13 噴出ノズル
14 ガス排出口
15 シリコン芯棒組立体
20 冷却器
30 蒸留装置
40 転換炉
41 供給口
42 排気管(接続管)
43 ヒータ
44 仕切り壁
45 開口部
50 冷却装置
60 一次冷却器
61 伝熱チューブ
62 シェル
63 上流側チューブプレート
63a 開口部
64 下流側チューブプレート
64a 開口部
65 上流側ドーム
65a ドーム部
65b 管状部(二重被覆管)
66 下流側ドーム
67 耐食プレート
68 排気管
69 熱回収器
70 中間反応器
71 昇温加熱部
72 加熱容器
73 加熱管
75 温度保持部
80 二次冷却器
80A,80B,80C,80D,80E 冷却器
81 伝熱チューブ
82 シェル
83,84 チューブプレート
85 第1ドーム
85a ガス供給室
85b ガス回収室
86 第2ドーム
86a 液回収室
90 蒸留分離装置
100 トリクロロシラン製造装置
C1 供給室(ヘッダ)
C2 回収室
Claims (5)
- テトラクロロシランと水素とを含む原料ガスを転換反応させて反応ガスを生成する転換炉と、前記転換炉から供給された前記反応ガスを冷却する冷却装置とを備えるトリクロロシラン製造装置であって、
前記冷却装置は、
内部を前記反応ガスが流通するとともに、前記反応ガス流通方向上流側が下流側よりも高くなるようにかつ互いに略平行となるように配列された複数の伝熱チューブと、
これら伝熱チューブを収容するとともに、内部を冷却媒体が流通する円筒状のシェルと、
前記伝熱チューブの両端をそれぞれ貫通させて保持するとともに、前記シェルの両端を閉鎖する上流側チューブプレートおよび下流側チューブプレートと、
内部に冷却媒体を流通させる空間が形成された二重壁構造を有し、前記上流側チューブプレートの前記反応ガス流通方向上流側を覆うことにより前記上流側チューブプレートとの間に前記伝熱チューブに連通する供給室を形成する上流側ドームと、
前記下流側チューブプレートの前記反応ガス流通方向下流側を覆うことにより前記下流側チューブプレートとの間に前記伝熱チューブに連通する回収室を形成する下流側ドームと
を有する一次冷却器を備えることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。 - 前記伝熱チューブは、伝熱面積Am2と容積Vm3との関係がV/A=0.002m以上0.03m以下となるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトリクロロシラン製造装置。
- 前記下流側ドームは、内部に熱媒体を流通させる空間が形成された二重壁構造を有することを特徴とする請求項1に記載のトリクロロシラン製造装置。
- さらに、前記転換炉と前記一次冷却器の前記上流側ドームとを接続する接続管と、この接続管の外周面を覆うとともに内部に冷却媒体を流通させる空間が形成された二重被覆管とを有することを特徴とする請求項2に記載のトリクロロシラン製造装置。
- 前記冷却装置はさらに、前記一次冷却器の前記回収室から排出された冷却ガスを再度加熱昇温する中間反応器を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトリクロロシラン製造装置。
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