JPWO2014157160A1 - 酸化珪素の製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応させて酸化珪素ガスを生成させる反応室と、この反応室内に上記混合原料粉末を供給する原料供給機構と、上記酸化珪素ガスから酸化珪素固体を析出させるベルト状基体と、上記基体に酸化珪素固体を析出させる析出室と、上記酸化珪素ガスを上記反応室から上記析出室に搬送する搬送管と、析出室に連結された回収室と、上記ベルト状基体は析出室と回収室間で回転可能に配置され、析出室と回収室間で上記ベルト状基体を回転させる回転機構と、回収室にゲート弁を介して連結されたロードロック室とを具備する酸化珪素の製造装置に関するものであり、本発明によれば、効率的かつ長期間安定的に、高純度の酸化珪素を連続的に製造することができる。

Description

本発明は、包装用フィルム蒸着用、リチウムイオン二次電池負極活物質等として好適に使用される酸化珪素の製造方法及び製造装置に関するものである。
従来、酸化珪素粉末の製造方法として、二酸化珪素系酸化粉末からなる原料混合物を減圧非酸化性雰囲気中で熱処理することにより酸化珪素蒸気を発生させ、この酸化珪素蒸気を気相中で凝縮させて、0.1μm以下の微細アモルファス状の酸化珪素粉末を連続的に製造する方法(特許文献1:特開昭63−103815号公報)、及び原料珪素を加熱蒸発させて、表面組織を粗とした基体の表面に蒸着させる方法(特許文献2:特開平9−110412号公報)が知られている。また、二酸化珪素を含む混合原料粉末を反応炉内に供給し、酸化珪素ガスを発生させ、冷却した基体表面に析出させ、ついでこの酸化珪素析出物を連続的に回収する方法(特許文献3:特開2001−220123号公報)がある。
しかしながら、上述した特開昭63−103815号公報の方法は、連続的な製造が可能であるが、生成したSiO粉末は微粉であり、大気に取り出した際の酸化反応により高純度の酸化珪素粉末が製造できない問題がある。一方で、特開平9−110412号公報に記載の方法は、高純度酸化珪素はできるものの回分法を前提としているため、量産化が困難であり、結果として高価な酸化珪素粉末しか製造できない。特開2001−220123号公報に記載の方法は、高純度酸化珪素粉末を連続的に回収することはできるが、酸化珪素が硬いため回収機構である掻き取り装置のブレードが磨耗し易く、長期の使用に耐えないという問題点があった。
特開昭63−103815号公報 特開平9−110412号公報 特開2001−220123号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、効率的かつ長期間安定的に、高純度の酸化珪素を連続的に製造することができる酸化珪素の製造方法、及び製造装置を提供する。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、酸化珪素ガスを発生させ、これを基体に析出させる酸化珪素の製造方法において、ベルト状基体を有する製造装置を用いて、酸化珪素ガスを析出室内に導入し、ベルト状基体を回転させ、析出室内で基体表面に酸化珪素固体を析出させると共に、回収室内で基体表面に析出した酸化珪素固体を剥離させて回収することにより、効率的かつ長期間安定的に、酸化珪素の連続的な製造が可能となることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記発明を提供する。
[1].二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応させて酸化珪素ガスを生成させる反応室と、この反応室内に上記混合原料粉末を供給する原料供給機構と、上記酸化珪素ガスから酸化珪素固体を析出させるベルト状基体と、上記基体に酸化珪素固体を析出させる析出室と、上記酸化珪素ガスを上記反応室から上記析出室に搬送する搬送管と、析出室に連結された回収室と、上記ベルト状基体が析出室と回収室間で回転可能に配置され、析出室と回収室間で上記ベルト状基体を回転させる回転機構と、回収室にゲート弁を介して連結されたロードロック室とを具備する酸化珪素の製造装置。
[2].[1]記載の装置を用い、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応炉室に供給し、この反応室内で、常圧又は減圧下で1,200〜1,600℃に加熱して酸化珪素ガスを発生させ、この酸化珪素ガスを反応室と同じ温度以上に保持された搬送管を通して析出室内に導入し、ベルト状基体を回転させ、析出室内で基体表面に酸化珪素固体を析出させると共に、回収室内で基体表面に析出した酸化珪素固体を剥離させ、これを回収する酸化珪素の製造方法。
[3].混合原料粉末が、二酸化珪素と金属珪素粉末との混合物である[2]記載の製造方法。
[4].析出室の基体の温度が、200〜1,000℃である[2]又は[3]記載の製造方法。
[5].さらに、得られた酸化珪素固体を粉砕し、得られた酸化珪素粉末の平均粒径が0.01〜30μmであり、BET比表面積が0.5〜30m2/gである[2]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6].酸化珪素が、包装用フィルム蒸着用である[2]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7].酸化珪素が、リチウムイオン二次電池負極活物質用である[2]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、効率的かつ長期間安定的な、高純度酸化珪素の連続製造が可能となる。
本発明の一実施例を示す概略断面図である。 比較例1で使用した装置の概略断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の製造方法は、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応させて酸化珪素ガスを生成させる反応室と、この反応室内に上記混合原料粉末を供給する原料供給機構と、上記酸化珪素ガスから酸化珪素固体を析出させるベルト状基体と、上記基体に酸化珪素固体を析出させる析出室と、上記酸化珪素ガスを上記反応室から上記析出室に搬送する搬送管と、析出室に連結された回収室と、上記ベルト状基体は析出室と回収室間で回転可能に配置され、析出室と回収室間で上記ベルト状基体を回転させる回転機構と、回収室にゲート弁を介して連結されたロードロック室とを具備する酸化珪素の製造装置を用いて、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応炉室に供給し、この反応室内で、常圧又は減圧下で1,200〜1,600℃に加熱して酸化珪素ガスを発生させ、この酸化珪素ガスを反応室と同じ温度以上に保持された搬送管を通して析出室内に導入し、ベルト状基体を回転させ、析出室内で基体表面に酸化珪素固体を析出させると共に、回収室内で基体表面に析出した酸化珪素固体を剥離させ、これを回収する酸化珪素の製造方法である。
二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末としては、二酸化珪素粉末とこれを還元する粉末との混合物を用いる。具体的な還元粉末としては、金属珪素化合物、炭素含有粉末等が挙げられるが、反応性を高め、収率を高めるといった点から、金属珪素粉末が好ましい。二酸化珪素粉末と金属珪素粉末の場合、下記の反応スキームによって進行する。
Si(s)+SiO2(s)→2SiO(g)
本発明に用いる二酸化珪素粉末の平均粒径は0.1μm以下であり、通常0.005〜0.1μm、好ましくは0.005〜0.08μmである。また金属珪素粉末の平均粒径は30μm以下であり、通常0.05〜30μm、好ましくは0.1〜20μmである。二酸化珪素粉末の平均粒径が0.1μmより大きい、又は金属珪素粉末の平均粒径が30μmより大きいと、反応性が低下し、生産性が低下するおそれがある。なお、本発明において、平均粒径はレーザー光回折法による粒度分布測定における累積重量平均値D50で表すことができる。
本発明では、上記混合原料粉末を反応室内において1,200〜1,600℃、好ましくは1,300〜1,500℃の温度に加熱、保持し、酸化珪素ガスを生成させる。反応温度が1,200℃未満では反応が進行しがたく、生産性が低下してしまい、一方、1,600℃を超えると、混合原料粉末が溶融して炉材料の選定が困難になる場合がある。
一方、炉内(反応室)雰囲気は、常圧又は減圧(好ましくは1,000Pa以下)下で行う。酸化珪素がガスとして発生しやすい減圧下で行うことが好ましい。炉内を不活性ガス中としてもよい。不活性ガスとしては、アルゴンガス、ヘリウムガス等が挙げられる。
上記反応室には、原料供給機構にて、上記混合原料粉末を適宜間隔ごと、又は連続的に供給し、反応を連続的に行うものである。上記原料供給機構としては、スクリューフィーダー等による連続供給や、上下にダンパーを設けた中間ホッパーによる間欠供給、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
上記反応室で生成した酸化珪素ガスは、搬送管を介して析出室に連続的に供給される。搬送管は反応室と同じ温度以上に保持される。搬送管の温度が反応室以下の温度では、酸化珪素ガスが搬送管内壁に析出、付着して運転上の支障をきたし、安定的な運転ができなくなる。逆に、反応室を著しく超える温度に加熱しても、電力コストの上昇を招くだけで効果が得られないため、反応室と同じ温度〜反応室温度+200℃が妥当である。
酸化珪素ガスを酸化珪素固体としてその表面に析出させるベルト状基体が、析出室内及び回収室内に配置されており、析出室7と回収室9間を回転している。析出室に導入された上記酸化珪素ガスが、析出室内の基体に接触し、冷却されることにより、この基体表面に厚膜状の酸化珪素(固体)として析出する。この際、酸化珪素ガスが回収室に流入しないように、析出室と回収室の間に、ベルト状基体が移動可能なスリット状の開口部を有する隔壁を設けることが好ましい。さらに、回収室にアルゴンガスやヘリウムガス等の不活性ガスを少量供給し、回収室の圧力が析出室より若干高くなるようにすることが好ましい。析出室の基体の温度(析出温度)は、200〜1,000℃に保持することが好ましく、300〜900℃がより好ましく、300〜800℃がさらに好ましい。1,000℃より高いと酸化珪素が析出し難くなるおそれがあり、200℃より低いと、得られた酸化珪素は微粉となり、活性が強すぎるものとなるおそれがある。
基体表面に析出した酸化珪素は、ベルト状基体の回転により回収室へ輸送される。回収室では、酸化珪素ガスによって基体に持ち込まれる熱量がなくなるため、基体の温度が低下する。この温度低下により基体と酸化珪素との間に熱収縮差が発生し、酸化珪素が基体から自然に剥離するので、酸化珪素を容易に回収することができる。この際に、空冷や水冷等の冷却手段によって、基体を強制冷却してもよい。回収室の基体の温度は、析出温度より100℃以上低下させることが好ましく、200℃以上低下させることがより好ましい。また、剥離を促進するためにベルト状基体を回収室で屈曲させてもよい。なお、基体温度の測定は、酸化珪素蒸気が直接当たる面の裏側を測定する。測定は、熱電対を基体に接触させる方法、放射温度計により非接触で測定する方法等で行えるが、本発明における温度は、熱電対を基体に接触させる方法で測定した値である。
基体の形状は、ベルト状であれば特に限定されないが、例えば、箔状,網状,編物状,織物状,チェーン状のエンドレスベルトが好適に用いられる。基体の材質は特に限定されないが、析出温度での耐熱性と酸化珪素ガスに対する耐蝕性があるもの、具体的には金属材料やセラミックス(SUS)材料が好ましい。また、酸化珪素との線膨張係数の差が大きいものは、基体と酸化珪素との熱収縮差によって、酸化珪素が基体表面から剥離し易く、回収が容易になるのでより好ましい。具体的には金属材料が好ましく、加工性の点でステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金等が好適に用いられる。ベルト状基体の幅や全ての長さは酸化珪素ガスの量等により適宜選定されるが、幅30〜300cmが好ましく、全長100〜1,000cmが好ましい。
ベルト状基体を回転させるための回転機構は特に制限されないが、例えば、少なくとも2本のローラーと駆動用モーターからなる回転機構が挙げられる。さらに、ベルト状基体のテンションを一定に保つためのテンショナーを具備することが好ましい。
ベルト状基体の回転は、適宜間隔ごと又は連続でもよいが、連続が好ましい。基体の回転速度(線速度)は、原料の供給速度、基体の冷却速度等により適宜選定され、線速1cm/min〜10m/minが好ましい。ベルト状基体は、全体の長さ中、析出室:回収室=10:1〜1:10となるように、ベルト状基体を析出室と回収室に配置したり、回転速度を調整することが好ましい。
酸化珪素が剥離した後の基体は、ベルト状基体の回転により析出室に戻る。析出室の温度を所定の範囲に保つため、基体をヒーター等の加熱機構により予熱しておいてもよい。上記のように、ベルト状基体を回転させながら、析出室内での固体の酸化珪素の析出と、回収室内での剥離・蓄積を並行して、しかも析出と剥離・蓄積とが連続して行われ、効率的に酸化珪素が連続製造できる。
さらに、回収室に蓄積された酸化珪素は、装置の運転を停止させずに、連続運転中に適宜ゲート弁を開閉しロードロック室を通して取り出すことができ、効率的に酸化珪素が連続製造できる。その場合、回収室内の基体の下方に回収トレーが予め配置されていると、より早く取り出すことができる。なお、回収室が減圧雰囲気の場合、ゲート弁を開く前には、ロードロック室を減圧して回収室と均圧にする必要があり、ロードロック室から酸化珪素を取り出す前には、ロードロック室を大気圧まで復圧しておく必要がある。なお、この場合でも運転を停止せず、酸化珪素ガスの析出室への導入等を停止することなく、回収室に蓄積された酸化珪素の取り出し、回収トレーの配置が可能である。
得られた酸化珪素中の酸化珪素の純度は99.9〜99.95質量%であり、高純度のものを得ることができる。
得られた塊状の酸化珪素固体は、適切な粉砕機と分級器を使用することによって酸化珪素粉末とすることができる。例えば、平均粒径0.01〜30μm、BET比表面積0.5〜30m2/gの酸化珪素粉体とすることができる。このような酸化珪素粉末は、包装用フィルム蒸着用、リチウムイオン二次電池負極活物質用等として好適である。
上記方法に用いる装置としては、例えば、図1に示すような、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応させて酸化珪素ガスを生成させる反応室と、この反応室内に上記混合原料粉末を供給する原料供給機構と、上記酸化珪素ガスから酸化珪素固体を析出させるベルト状基体と、上記基体に酸化珪素固体を析出させる析出室と、上記酸化珪素ガスを上記反応室から上記析出室に搬送する搬送管と、析出室に連結され基体に析出した酸化珪素固体を回収する回収室と、上記ベルト状基体が析出室と回収室間で回転可能に配置され、析出室と回収室間で上記ベルト状基体を回転させる回転機構と、回収室にゲート弁を介して連結されたロードロック室とを具備する酸化珪素の連続製造装置が挙げられる。
装置の一例について、図1を用いてより詳細に説明する。
反応炉1はその内部に反応室2を有する。反応室2は反応室ヒーター3が備えられており、反応室2には原料供給機構5が連結し、反応室2は搬送管6を介して析出室7と連結している。搬送管6は搬送管ヒーター8を具備している。析出室7は回収室9と、スリット状の開口部を有する隔壁10を挟んで連結している。ベルト状基体11は、析出室7内と回収室9内に、上記スリット状の開口部を通り、析出室7と回収室9間を回転可能に配置されている。開口部は、ベルト状基体11が通過できる範囲でできるだけ小さいほうがよい。ベルト状基体11を回転させるための回転機構は、析出室内ローラー12a、回収室内ローラー12b、ローラーの駆動用モーター13からなり、ベルト状基体11が析出室内ローラー12a、回収室内ローラー12bに巻かれている。析出室7には析出室ヒーター14、回収室9には冷却機構15が備えられている。回収室9内のベルト状基体11下方には、回収トレー16aが配置されている。回収室9はゲート弁17を介してロードロック室18と連結されており、ロードロック室18にはロードロック室扉19が備えられている。ロードロック室18内には、回収トレー16aと交換する予備の回収トレー16bが配置されている。20a〜20cは真空ポンプであり、それぞれ、析出室7、ロードロック室18、原料供給機構5と連結している。
反応室2は反応室ヒーター3によって1,200〜1,600℃に加熱される。二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末4が、原料供給機構5によって、反応室2に連続もしくは間欠的に供給される。反応室2内で発生した酸化珪素ガスは、搬送管6により析出室7に搬送される。搬送管6は搬送管ヒーター8により、反応室2の温度以上に保持されている。駆動用モーター13により回収室内ローラー12bを回転させることにより、ベルト状基体11が図1の矢印方向に回転する。析出室7内のベルト状基体11は、析出室ヒーター14によって所定温度に保持され、回収室9内のベルト状基体11は、冷却機構15によって所定温度に冷却される。酸化珪素ガスは析出室7内のベルト状基体11の表面で酸化珪素固体となって析出する。析出した酸化珪素は、ベルト状基体11の回転によって回収室9に運ばれ、熱収縮差により自然剥離し、回収室9内の回収トレー16aに蓄積する。蓄積した酸化珪素は、連続運転中にゲート弁17を適宜開閉し、ロードロック室18内に配置された予備の回収トレー16bと交換され、ロードロック室18を経由してロードロック室扉19から取り出すことができる。酸化珪素ガスを発生させる反応を減圧下で行う場合は、ゲート弁17を閉じた状態で真空ポンプ20aを用いて炉内を減圧させる。剥離した酸化珪素固体を回収する場合、回収室9が減圧雰囲気であれば、ゲート弁17を開く前には、ロードロック室18を減圧して、回収室9と均圧にし、さらにロードロック室から酸化珪素を取り出す前には、ロードロック室18を大気圧まで復圧してから取り出す。
上記製造方法及び装置によれば、ベルト状基体を回転させながら、酸化珪素の析出と剥離を連続的に行い、回収を順次行うことにより、酸化珪素を連続的に安定して、低コストで製造できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
図1に示す連続製造装置を用いて酸化珪素を製造した。原料は、二酸化珪素粉末(平均粒径0.02μm、BET比表面積200m2/g)と金属珪素粉末(平均粒径10μm、BET比表面積3m2/g)を等量モルの割合で撹拌混合機を用いて混合した混合粉末であり、反応炉1内の反応室2(容積0.5m3)に20kgの混合原料粉を初期仕込した。次に、ゲート弁17を閉じた状態で真空ポンプ20aを用いて炉内を10Pa以下に減圧した後、ステンレス鋼エンドレスベルトからなる基体11を駆動用モーター13で回転させながら(線速度10cm/min)、反応室ヒーター3に通電し、反応室の温度を1,400℃に保持した。一方で、搬送管ヒーター8に通電し、搬送管6を1,400℃に保持すると共に、析出室ヒーター14に通電し、析出室7内のベルト状基体11を650℃に保持した。反応室2の圧力上昇から、酸化珪素ガスが発生していることを確認できたので、冷却機構15を作動させ、回収室9内ベルト状基体11を500℃に冷却した。酸化珪素ガスが析出室7に導入されて、析出室7内でベルト状基体表面に酸化珪素固体が析出した。回収室9内で、析出した酸化珪素固体はベルト状基体から、酸化珪素固体に直接物理的な力を加えることなく自然剥離して、回収室9内の回収トレー16a上蓄積した。次に、原料供給機構5を作動させ、混合原料粉末を2kg/hの割合で連続供給した。その後も反応室圧力が安定していることから、連続反応していることを確認した。反応室2が1,400℃に達してから4時間運転後、真空ポンプ20bによりロードロック室18を回収室9とほぼ同じ圧力になるまで減圧し、ゲート弁17を開き、酸化珪素が入った回収トレー16aを空の回収トレー16bと交換し、ゲート弁17を再度閉じた。ロードロック室18を大気圧に復圧し、ロードロック室扉19からトレー16aを取り出した。上記運転を600時間連続して行った結果、酸化珪素は1.9kg/h(収率=95%)で回収された。このようにして得られた酸化珪素をボールミルで粉砕して得られた平均粒径D50が5μmの粉末は、BET比表面積8m2/g、純度99.9質量%以上の非晶質粉末であった。また、運転終了後、装置内を観察して特に問題がないことが確認された。
[比較例1]
特開2001−220123号公報の図1(図2)に示された連続製造装置を用いて酸化珪素粉末を製造した。原料は、実施例1と同一の二酸化珪素粉末と金属珪素粉末の混合粉末であり、実施例1と同様に反応炉内の反応室(容積0.5m3)に20kgの混合原料粉を初期仕込した。次に、真空ポンプを用いて炉内を10Pa以下に減圧した後、ヒーターに通電し、実施例1と同じ1,400℃に昇温、保持した。一方で、搬送管を1,400℃に加熱、保持し、冷媒導入管に水を流入し、SUS製の基体を冷却した。次に、フィーダーを作動させ、混合原料粉末を2kg/hの割合で連続供給し、連続反応を行った。基体上に析出した酸化珪素は、超硬材であるタングステンカーバイド製のブレードをもつスクレーパーにより連続的に掻き取り、回収室に回収した。上記運転を120時間連続して行った時点で、酸化珪素固体は1.9kg/h(収率=95%)で回収された。このようにして得られた酸化珪素固体をボールミルで粉砕して得られた平均粒径D50が5μmの粉末は、BET比表面積8m2/g、純度99.9%以上の非晶質粉末であり、不純物元素として微量のタングステンが確認された。その後、連続運転が300時間を過ぎた時点から回収率が急激に低下し始めたため運転を終了し、装置内を観察したところ、スクレーパーの先端のブレードが磨耗し、これ以上は掻き取ることができない状態になっていた。
1 反応炉
2 反応室
3 反応室ヒーター
4 混合原料粉末
5 原料供給機構
6 搬送管
7 析出室
8 搬送管ヒーター
9 回収室
10 隔壁
11 ベルト状基体
12a 析出室内ローラー
12b 回収室内ローラー
13 駆動用モーター
14 析出室ヒーター
15 冷却機構
16a,16b 回収トレー
17 ゲート弁
18 ロードロック室
19 ロードロック室扉
20a〜20c 真空ポンプ
101 反応炉
102 反応室
103 混合原料粉末
104 ヒーター
105 断熱材
106 原料供給機構
107 補給ホッパー
108 フィーダー
109 原料供給管
110 搬送管(搬送ライン)
111 析出槽
112 析出室
113 基体
114 冷媒導入管
115 冷媒排出管
116 掻き取り装置(回収機構)
117 回収管
118 回収槽
119 真空ポンプ
120 真空ポンプ
121 真空ポンプ

Claims (7)

  1. 二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応させて酸化珪素ガスを生成させる反応室と、この反応室内に上記混合原料粉末を供給する原料供給機構と、上記酸化珪素ガスから酸化珪素固体を析出させるベルト状基体と、上記基体に酸化珪素固体を析出させる析出室と、上記酸化珪素ガスを上記反応室から上記析出室に搬送する搬送管と、析出室に連結された回収室と、上記ベルト状基体が析出室と回収室間で回転可能に配置され、析出室と回収室間で上記ベルト状基体を回転させる回転機構と、回収室にゲート弁を介して連結されたロードロック室とを具備する酸化珪素の製造装置。
  2. 請求項1記載の装置を用い、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応炉室に供給し、この反応室内で、常圧又は減圧下で1,200〜1,600℃に加熱して酸化珪素ガスを発生させ、この酸化珪素ガスを反応室と同じ温度以上に保持された搬送管を通して析出室内に導入し、ベルト状基体を回転させ、析出室内で基体表面に酸化珪素固体を析出させると共に、回収室内で基体表面に析出した酸化珪素固体を剥離させ、これを回収する酸化珪素の製造方法。
  3. 混合原料粉末が、二酸化珪素と金属珪素粉末との混合物である請求項2記載の製造方法。
  4. 析出室の基体の温度が、200〜1,000℃である請求項2又は3記載の製造方法。
  5. さらに、得られた酸化珪素固体を粉砕し、得られた酸化珪素粉末の平均粒径が0.01〜30μmであり、BET比表面積が0.5〜30m2/gである請求項2〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 酸化珪素が、包装用フィルム蒸着用である請求項2〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 酸化珪素が、リチウムイオン二次電池負極活物質用である請求項2〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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