JPH0680412A - 多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

多結晶シリコンの製造方法

Info

Publication number
JPH0680412A
JPH0680412A JP25587292A JP25587292A JPH0680412A JP H0680412 A JPH0680412 A JP H0680412A JP 25587292 A JP25587292 A JP 25587292A JP 25587292 A JP25587292 A JP 25587292A JP H0680412 A JPH0680412 A JP H0680412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluidized bed
reactor
preheater
gas
polycrystalline silicon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25587292A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiro Ishikawa
延宏 石川
大助 ▲廣▼田
Daisuke Hirota
Yoshinori Komatsu
善徳 小松
Masaaki Ishii
正明 石井
Kazutoshi Takatsuna
和敏 高綱
Yasuhiro Saruwatari
康裕 猿渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp, Toagosei Co Ltd filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
Priority to JP25587292A priority Critical patent/JPH0680412A/ja
Publication of JPH0680412A publication Critical patent/JPH0680412A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】流動層法により多結晶シリコンを製造するに際
して、反応器内壁へのシリコン析出を防止でき、加熱エ
ネルギーのロスが少なく、製品の多結晶シリコンの品質
を向上させることができる方法を提供する。 【構成】流動層法により多結晶シリコンを製造するに際
し、粒子状熱媒体の流動層を有する予熱器により、希釈
ガス又は流動層反応器からの排ガスの全部若くは一部を
反応温度以上に予熱して、流動層反応器に供給する方
法。前記方法において、流動層反応器で製造した加熱状
態にある多結晶シリコンを予熱器に供給して流動化され
た熱媒体として使用し、希釈ガス又は流動層反応器から
の排ガスの全部若くは一部を流動層を有する予熱器によ
り反応温度以上に予熱すると同時に、多結晶シリコン表
面に付着する微粉及び含有水素を除去する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シランを原料とし、流
動層法により高純度の多結晶シリコンを製造する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】多結晶シリコンの製造方法としては、代
表的な方法としてシーメンス法や小松法がある。これら
の方法は、ベルジャー炉内に配置したシリコンロッドを
通電加熱し、そこにガス状のクロロシラン(シーメンス
法)やモノシラン(小松法)を流通させ、該シラン類の
熱分解、還元によりシリコンを生成させ、シリコンロッ
ド上に多結晶シリコンを析出させるものである。シリコ
ンロッドは、所定のサイズまで成長させた後に回収して
製品とする。現在、大部分の多結晶シリコンはこれらの
方法で製造されており、製品の高純度を維持することが
比較的容易であるという特長を有している。しかしなが
ら、これらの方法は、基本的にバッチ操作であることか
ら、生産効率が悪く、大量生産に際しては、ベルジャー
の数を増やして対処する必要があること、設備費用がか
さむこと、与えるエネルギーは大部分が熱となって放散
されてしまうこと等の欠点を有している。
【0003】このような状況の下、最近開発が進められ
ているのが、流動層法による多結晶シリコンの製造であ
る。これは図1に示すような、円筒状の流動層反応器内
で顆粒状の多結晶シリコンを種シリコン粒子として、そ
の表面上に多結晶シリコンの析出を行うものである。こ
の方法では通常、反応器1が外部加熱器2により加熱さ
れ、反応器の上方より種シリコン粒子3が供給され、下
方の原料ガス供給ライン4より原料であるシラン類を含
む原料ガスが供給される。供給された種シリコン粒子
は、反応器内を上昇する原料ガスにより流動化されて流
動層を形成する。原料ガスは反応器内を通過する間に流
動層内シリコン粒子5により加熱され、熱分解してシリ
コンを生成し、流動化している種シリコン粒子の表面に
析出する。製品である顆粒状の多結晶シリコンは、製品
抜出ライン6により系外に抜き出される。流動層法によ
る多結晶シリコンの製造は、連続的に運転することが可
能であり、大規模な工業化に適しているのみでなく、熱
効率的にも電力原単位がシーメンス法の1/10以下で
あり、運転コストが少なく済むという有利な点を持つ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】多結晶シリコンの製造
は、原料ガスの化学的気相成長(CVD)によるが、流
動層反応器内で原料ガスを反応温度まで加熱する際に
は、通常、上記の様に反応器外部に設けた加熱器により
加熱する方法がとられるため、流動層内のシリコン粒子
と比較して、反応器内壁がより高温になり、その結果、
クロロシランガスまたはシランガスの還元反応または分
解反応が反応器内壁上で起こり、内壁にシリコンが析出
してしまう。このような反応器内壁へのシリコン析出
は、反応の継続とともに進行し、反応器内径の減少、ま
たは析出物の流動層内部への混入を引き起こし、最悪の
場合には反応器が閉塞してしまう等、反応の継続を著し
く妨げるものである。また、内壁厚みが増すことによ
り、層内への伝熱係数も低下し、反応を定常的に行うた
めには電力原単位が大きくなり、流動層法採用の最大の
目標である高い省エネルギー性が損なわれてしまう。
【0005】又、流動層法で製造した製品の多結晶シリ
コン粒子上には、気相で生成した微粉が通常付着してい
る。この付着した微粉は、製品の外観を損なうのみなら
ず、表面積が増大するため製品が環境中の不純物質に汚
染され易くなり、純度維持の観点から問題であり、加え
て単結晶シリコン製造の工程でも、均一な単結晶製造の
阻害要因になる等、はなはだ好ましくないものである。
又、原料ガスとして特にシランを用いた場合には、多結
晶シリコン粒子中へ水素が取り込まれている。この水素
は、単結晶シリコンを製造する際に坩堝中で粒子からの
脱ガスにより、坩堝内の液面を振動させたり、溶融シリ
コンの飛沫を生じさせ単結晶シリコンや周囲にシリコン
を付着させたりして、単結晶製造の障害になることが知
られている。
【0006】これらの微粉や含有水素は、従来のベルジ
ャーを使用した製造法により得られる多結晶シリコンで
は、ほとんど存在しないのでこれまで問題になっていな
いが、流動層法で製造された多結晶シリコンでは避ける
ことができない問題であり、今後単結晶製造の原料とし
て使用されるためには、これらの低減、除去が不可欠な
課題である。
【0007】これらの問題の解決のために、従来より種
々の提案がなされている。反応器内壁へのシリコン析出
防止方法としては、例えば、特開昭60−77116号
では、反応器内部にシリコン製電極による加熱装置を設
け、内壁へのシリコンの析出を防止する方法が提案され
ている。また、特開昭60−77115号では、反応器
を二重管構造とし、シリコン粒子を有する内管内に発熱
体を設け、外管中に充填層を形成させ、この充填層に水
素または不活性ガスを流通させ、内管側から外管へ放散
する熱量により当該ガスを予熱することにより外部への
熱放散を低減し、かつ反応器内壁を流動層の温度より低
くすることにより、反応器内壁へのシリコンの析出を防
止する方法が提案されている。しかしながら、上記いず
れの方法においても、流動層内では、シリコン電極等の
発熱体が最も高温の部分となり、電極への析出反応が最
優先で起こるため、従来のシーメンス法と同様の原理に
より、シリコン電極が次第に太く成長してしまい、定期
的に電極を交換する必要があり、連続的に反応の継続が
できない等、高純度の多結晶シリコンを製造することは
現実的には困難である。
【0008】一方、製品の多結晶シリコン中の水素を除
去する方法に関しては、特開平2−153814号にお
いて、反応後の多結晶シリコン粒子を1,000〜1,
200℃で2〜4時間加熱し、水素を減らす方法が提案
されている。この方法を採用すれば、水素低減させるこ
とができるが、現実的な手段としては、反応器とは別に
脱水素用の機器を設置することが必要になるので、工程
的に煩雑になり、かつコスト的にも不利となることが避
けられない。
【0009】微粉の低減方法に関しては、特開昭63−
129012号において、粒子表面に微粉の付着した反
応後のシリコン粒子を、微粉状シリコンが析出しない反
応条件下でシラン類を含有するガスと接触させることに
より、微粉をシリコン粒子表面に融着させる方法が提案
されている。この方法はシランの濃度を下げることによ
って、シリコン微粉を生成させないようにしているが、
実際に有効な濃度範囲は著しく低いので、微粉を融着せ
しめるには非常に長い時間を要する他に、現実的な設備
としては2段反応にならざるを得ない等、商業的製造設
備に採用するためには多くの問題が残されている。
【0010】本発明者らは、反応器内壁へのシリコンの
析出を防止することができ、加熱エネルギーのロスが少
なく、反応を連続的に継続できると同時に、さらに製品
の多結晶シリコンの品質を向上させることができる多結
晶シリコンの製造方法を見いだすため鋭意検討を行った
のである。
【0011】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決には、希釈ガス又流動層反応器からのは排ガスの
全部若くは一部を、流動層を有する予熱器により反応温
度以上に予熱し、該予熱されたガスを流動層反応器に供
給すること、及び流動層反応器で製造した多結晶シリコ
ンを予熱器に供給して、予熱器の流動層及び熱媒体とし
て使用することが有効であることを見出し本発明を完成
した。即ち、本発明は、流動層法により多結晶シリコン
を製造するに際し、粒子状熱媒体の流動層を有する予熱
器により希釈ガスの全部若しくは一部を反応温度以上に
予熱して流動層反応器に供給することを特徴とする多結
晶シリコンの製造方法、流動層法により多結晶シリコン
を製造するに際し、粒子状熱媒体の流動層を有する予熱
器により流動層反応器からの排ガスの全部若くは一部を
反応温度以上に予熱して流動層反応器に供給し循環させ
ることを特徴とする多結晶シリコンの製造方法、及び上
記いずれかの方法において、流動層反応器で製造した加
熱状態にある多結晶シリコンを予熱器に供給して流動化
された熱媒体として使用し、希釈ガス又は流動層反応器
からの排ガスの全部若くは一部を該流動層を有する予熱
器により反応温度以上に予熱すると同時に、多結晶シリ
コンの表面に付着する微粉及び含有水素分を除去するこ
とを特徴とする多結晶シリコンの製造方法に関するもの
である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】第1の発明において、希釈ガスは、反応原
料のシランガスを希釈するもので、具体的には、水素又
は窒素、アルゴン等の不活性ガスを挙げることができ、
特に水素を使用することが好ましい。本発明では、粒子
状熱媒体の流動層を有する予熱器により該希釈ガスの全
部若しくは一部を反応温度以上に予熱し、流動層反応器
に供給する。粒子状熱媒体の流動層を有する予熱器を用
いて予熱することにより、希釈ガスの加熱効率を上げる
ことができる。予熱を流動層がない一般的な熱交換器に
より行うと、予熱温度がかなり高いため、伝熱効率が悪
く、伝熱面積を非常に大きなものにする必要があるた
め、流動層反応器のメリットである省エネルギー面が相
殺されてしまう。予熱器の流動層を形成する粒子状熱媒
体としては、石英、ケイ砂、窒化ケイ素、炭化ケイ素、
アルミナ、多結晶シリコン等の固体粒子が挙げられ、特
に多結晶シリコン粒子を使用することが、製品の汚染を
防ぐことができるため好ましい。
【0013】粒子状熱媒体の流動層を有する予熱器にお
ける希釈ガスは、反応温度より高い温度である。希釈ガ
スを反応温度より高い温度で予熱し、流動層反応器に供
給することにより、流動層反応器を加熱する必要がなく
なるか、或いは流動層反応器の加熱器の負荷を著しく低
減することが可能となり、又同時に流動層反応器内壁の
温度を流動層温度より低くすることができるため、反応
器内壁へのシリコン析出量を著しく低減することができ
る。反応温度は600〜800℃で行うことが好ましい
ため、予熱温度としては、具体的には700〜1200
℃が好ましい。700℃に満たない場合は、好ましい反
応温度まで加熱することが困難となり、他方1200℃
を越える場合には、反応器内の温度を好ましい反応温度
以上に加熱してしまうか、或いは予熱器の耐熱性が問題
となる。
【0014】予熱された希釈ガスは、流動層反応器へ供
給する直前でシランガス或いは予熱されない希釈ガスで
希釈されたシランガスと混合され、流動層反応器内へ供
給される。希釈ガスと共に流動層反応器へ供給するシラ
ンガスの濃度としては、5〜40体積%が好ましく、よ
り好ましくは10〜30体積%である。これらのガスの
供給速度としては、ガス供給速度を全体として反応器内
空塔速度が最小流動化速度より大きくなるように供給す
ればよい。反応温度としては、600〜800℃が好ま
しい。反応温度が600℃に満たない場合は、反応が充
分に進行せず、排ガス中のシラン濃度が増加してしま
い、他方800℃を越える場合は、微粉の生成、反応器
内壁へのシリコンの析出が起こり易くなる。予熱された
希釈ガスの供給のみで、上記好ましい反応温度に維持で
きる場合は、流動層反応器を加熱する必要がなく、ま
た、予熱温度が低い場合でも、流動層反応器を加熱する
ことによって好ましい反応温度に維持することが容易で
あり、その時に要する加熱負荷量は、予備加熱がない場
合に比べ著しく低減することができると同時に、反応器
内壁の温度を流動層の温度より低くすることができるた
め、反応器内壁へのシリコン析出が著しく低減され、反
応を問題なく連続的に運転することができる。
【0015】第2の発明は、粒子状熱媒体の流動層を有
する予熱器により流動層反応器からの排ガスの全部若く
は一部を反応温度以上に予熱し、流動層反応器に希釈ガ
スとして供給し、循環させるものである。流動層法によ
る多結晶シリコン製造において、原料のシランガスを1
00%反応させることは、反応条件を著しく過酷にしな
い限りほとんど不可能であるため、排ガス中には通常未
反応シランガスが含有されている。従って、流動層法に
よる多結晶シリコン製造において、反応器からの排ガス
を希釈ガスとしてリサイクルして使用する場合、この排
ガス中の未反応シランガスが反応器導入部にシリコンと
して析出し、閉塞してしまうという問題がある。又排ガ
スを通常の予熱器により予熱して、流動層反応器に供給
してリサイクルする場合、予熱器内壁にシリコンが析出
し、熱効率の低下を引き起こし、最悪の場合には予熱器
の閉塞を引き起こしてしまう。排ガス中の未反応シラン
を通常の方法で除外して反応器へ供給することも、工程
が煩雑になるのみである。これに対して、本発明では、
粒子状熱媒体の流動層を有する予熱器により該排ガスを
加熱するため、流動層を形成する粒子状熱媒体の表面に
シリコンが析出し、その結果予熱器内壁にシリコンが析
出することなく、安定に反応器からの排ガスを循環再使
用できる。さらに、該排ガスを反応温度以上に予熱して
流動層反応器に供給するため、流動層反応器内壁へのシ
リコン析出を低減させることができると同時に、希釈ガ
スの使用量を低減させることができる。流動層反応器か
らの排ガス中のシラン濃度としては、5体積%以下が好
ましく、2体積%以下がより好ましい。排ガス中のシラ
ン濃度が5体積%を越えると、予熱温度はかなり高温で
あるため、該シランが流動層を有する予熱器内壁で分
解、析出する量が増加し、又微粉が発生も多くなってし
まう。排ガス中のシラン濃度は、多結晶シリコンの製造
を上記の好ましい反応条件で反応を行うことにより、
0.1〜5体積%、好ましくは0.1〜2体積%に維持
することができる。また、排ガス中のシラン濃度が高す
ぎる場合は、排ガスに希釈ガスを混入して濃度を低下さ
せることもできる。流動層を有する予熱器へ供給された
排ガス中のシランガスは、シランガス濃度が低濃度であ
り、予熱器の温度が高温であるため、そのほとんどを流
動層の固体粒子上に析出或いは捕捉することができる。
このため予熱器内壁に、排ガスに由来するシリコンが析
出・堆積することはなく、また、微粉となって予熱器外
に排出されることもほとんどない。予熱器により予熱さ
れ排ガスは、再び希釈ガスとして反応器に供給し、循環
再使用する。
【0016】また、第3の発明は、上記第1又は第2の
発明において、流動層で製造した加熱状態にある多結晶
シリコン粒子を、予熱器に供給し、流動層を形成する熱
媒体として利用して、希釈ガス又は反応排ガスの全部若
くは一部を該多結晶シリコン流動層に供給し予熱を行う
と同時に、多結晶シリコン粒子表面に付着する微粉並び
に含有水素を除去するものである。流動層反応器で製造
した多結晶シリコン粒子は加熱された状態で予熱器へ供
給する。これにより、該粒子を予熱器の熱媒体として使
用でき、予熱器の負荷を低減することができると同時
に、反応装置全体としての熱効率を高くすることができ
る。また該粒子を予熱器の流動層としても使用するた
め、該予熱器による加熱により、流動層法で製造した多
結晶シリコンの品質上の問題である、粒子表面に付着す
る微粉並びに含有水素を同時に除去することができる。
この場合、製品に付着する微粉、含有水素の除去をより
有利に行うためには、予熱温度を900〜1200℃と
することが好ましい。本発明は、製品多結晶シリコンを
流動層とする予熱器を使用することにより、排ガス又は
希釈ガスの予熱と多結晶シリコン粒子表面に付着する微
粉並びに含有水素の除去を一工程で行うため、従来法の
ような、反応器とは別に、製品の脱微粉、脱含有水素の
ための特別の設備を必要としない。以上のように、本法
を採用することにより、多結晶シリコンの製造、排ガス
の予熱、リサイクル、反応器内壁へのシリコン析出防
止、熱効率の向上、製品多結晶シリコンの品質向上を同
時に行うことができる。
【0017】図2、図3、図5により、本発明を実施す
るための多結晶シリコンの製造装置の例について説明す
る。図2の装置は、希釈ガスを粒子状熱媒体の流動層を
有する予熱器により予熱し流動層反応器に供給する装置
の例である。流動層反応器の原料ガス導入ライン11
は、原料のシランガスが供給され直ちに反応を開始しな
いように、流動層の分散板部も含めて原料のシランガス
と希釈ガスとが容易に熱交換、混合されないような構造
となっている。流動層を有する予熱器15は、加熱器1
6により加熱され、予熱温度は、希釈ガスにより流動層
反応器を加熱するために、800〜1200℃に調節さ
れている。流動層反応器9及び流動層を有する予熱器1
5は、それぞれ断熱材による保温部10及び17により
保温されている。また、反応器9内部での反応の状況に
よっては、反応温度が最適温度の600〜800℃より
も上昇することがあり、その制御のため冷却水による冷
却器13が用いられることがある。シランガス或いは希
釈ガスに希釈されたシランガスは、原料ガス供給ライン
8より原料ガス導入部11を通って流動層反応器9へ供
給される。希釈ガスは、希釈ガス供給ライン14より流
動層を有する予熱器内に導入され、該予熱器により加熱
され、反応器ガス導入部11を通って流動層反応器9へ
供給される。成長反応の核となる種シリコン粒子7は、
反応器上方より供給され、反応器9内で成長する。製品
の多結晶シリコンは、12より抜き出される。
【0018】図3の装置は、流動層反応器からの排ガス
を、希釈ガスとしてリサイクルする装置の例である。流
動層反応器及び流動層を有する予熱器は図2の反応装置
と同じものである。流動層反応器より排出された排ガス
は、集塵フィルター19を通りシリコン微粉を除去さ
れ、コンプレッサー保護用冷却器20を通って冷却され
た後、リサイクルコンプレッサー21により予熱器15
へ導入される。この時排ガスの一部は、必要に応じて2
2より系外へ排気される。排ガスは、予熱器内で加熱さ
れ、希釈ガス冷却器18、反応器ガス導入部11を通っ
て流動層反応器9へ供給される。
【0019】図5の装置は、反応器からの排ガスをリサ
イクルし、製品の多結晶シリコン粒子を予熱器の流動層
として使用する装置の例である。流動層反応器及び流動
層を有する予熱器は図2の反応装置と同じものである。
反応器9内にて成長した多結晶シリコンは、12を通っ
て予熱器15へ導入される。多結晶シリコンは、ここで
排ガスとの熱交換及び脱微粉・脱水素が行われ、製品粒
子として24より抜き出される。多結晶シリコン粒子の
脱微粉・脱水素の程度は、予熱器15内での多結晶シリ
コン粒子の滞留時間により調節されるが、一般に、予熱
器15内での流動層高により調節される。
【0020】
【作用】本発明が、工業的に有利な方法で反応器内壁へ
のシリコンの析出を防止することができるのは、希釈ガ
ス又は流動層反応器からの排ガスを、流動層を有する予
熱器により、反応温度より高い温度で予熱させ反応器に
導入させ、流動層反応器を直接加熱する必要がないか、
或いは少量の加熱量で済むため、反応器内壁の温度を流
動層温度よりも低くくすることができるからである。さ
らに、本発明は、流動層反応器で製造した多結晶シリコ
ン粒子を、予熱器に供給し、熱媒体及び流動層として利
用するため、流動層反応器からの排ガスを予熱すると共
に、多結晶シリコンの微粉、含有水素分を低減・除去す
ることができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。しかし、本発明はこれらの形態に限定されるも
のではない。 ○実施例1 図2の装置を用いて、以下の条件により多結晶シリコン
を製造した。反応器9、予熱器15は内径がそれぞれ1
00mm、200mmの石英製管を用いた。この反応器
内に、毎時74gで150〜250μmの粒度分布を持
つ種シリコン粒子を供給し、原料となるモノシランガス
13.0L/min(25℃、1気圧換算)を水素ガス
9.8L/min(25℃、1気圧換算)に混合して反
応器へ供給した。一方希釈ガスとして、水素ガスを予熱
器へ97.0L/min(25℃、1気圧換算)供給し
た。予熱器内には、粒子状熱媒体として反応器内の種シ
リコン粒子と同じ常温の多結晶シリコン粒子を流動層高
で50cmとなるよう仕込んだ。予熱器の層温度は10
00℃となるよう加熱器16により加熱し、反応器へ導
入される希釈ガスが約900℃を保つようにした。又、
反応温度は700℃で反応した。以上の条件で、150
〜1500μmの粒度分布を持つ顆粒状多結晶シリコン
を毎時994gで反応器外へ抜き出した。この条件下で
約200時間連続運転した時点での電気加熱器における
電力消費は約4kwであった。その後、運転を停止し、
反応器内部を点検したところ、反応器内壁上へのシリコ
ンの析出は最大約2mm程度の厚みで、反応の継続には
支障無いものであった。
【0022】○実施例2 図3の装置を用いて、反応器からの排ガスの一部をリサ
イクルして予熱器に導入したこと以外は、実施例1と同
じ条件で多結晶シリコンを製造した。この条件下で約2
00時間連続運転した時点で、予熱器入口のリサイクル
ガスおよび反応器入口の希釈ガス中のシラン濃度を測定
したところ、前者の濃度は約1%、後者は不検出であ
り、各ガスの温度は前者で約100℃、後者で約900
℃であった。またこの時点での電気加熱器における電力
消費は約3kwであった。反応終了後、反応器内部を点
検したところ、反応器内壁上へのシリコンの析出は最大
約2mm程度の厚みで、反応の継続には支障無いもので
あった。
【0023】○比較例1 図1に示す装置を用い、反応器1の外部加熱器2により
層内を約650℃となるよう加熱を行い、希釈ガスの予
熱を行わなかったこと以外は実施例1と同じ条件で連続
的に運転した。約30時間運転した時点から製品粒子内
にシリコン膜片の混入が目だち始め、約100時間運転
した時点で反応の継続が不可能となった。加熱された状
態で反応器内部を点検したところ、内壁部に析出したシ
リコンにより、反応器内は閉塞していた。抜き出された
製品粒子は、表面に付着した微粉により、黄土色ないし
茶褐色を呈しており、付着量ならびに水素含有量を測定
したところ、約2wt%の微粉が付着しており、水素含
有率は約200wtppmであった。
【0024】○比較例2 予熱器として内径14.3mm、長さ約7m分ステンレ
ス鋼管の管状炉23を有する、図4に示す装置を用い、
実施例2と同じ条件で連続的に運転した。反応器内へ導
入する希釈ガス温度を、実施例1と同じにするため電気
加熱器を昇温したところ、運転開始後約3時間の時点で
約4.5kwの電力消費量であった。約30時間の運転
後、予熱器内部がシリコン微粉により閉塞した。反応装
置を冷却した後、反応器内部を点検したところ、内壁上
には5ないし9mmの厚みでシリコンの析出が確認され
た。
【0025】○実施例3 図5に示す装置を用い、流動層反応器9で製造された加
熱状態にある温度700℃の多結晶シリコン粒子を、予
熱器15へ毎時994gで導入する以外は、実施例2と
同じ条件で連続的に運転した。該多結晶シリコン粒子の
含有水素は200ppmで、微粉の付着量は2wt%で
あった。予熱器内では流動層高を50cmに保つよう、
製品多結晶シリコン抜き出し量を調節した。約200時
間連続運転した時点で運転を停止し、反応器内部を点検
したところ反応器内壁上へのシリコンの析出は最大約
2.1mm程度の厚みで、反応の継続には支障無いもの
であった。また、予熱器から最後に抜き出された多結晶
シリコン粒子の表面を確認したところ、又該多結晶シリ
コン粒子中の微粉の付着量は0.02wt%であり、ま
た含有水素を測定したところ、約1wtppmであっ
た。一方、予熱器内部を確認したところ、石英製内壁上
へのシリコンの析出はほとんど認められなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、流動層法による多結晶
シリコン製造において、反応器内壁へのシリコンの析出
を防止し、加熱エネルギーのロスを少なくし、反応を連
続的に行うことができると同時に、製品の多結晶シリコ
ンの品質上の問題であった微粉及び含有水素分を低減・
除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1における反応装置である。
【図2】実施例1における反応装置である。
【図3】実施例2における反応装置である。
【図4】比較例2における反応装置である。
【図5】実施例3における反応装置である。
【符号の説明】
1:流動層反応器 2:加熱器 3:種シリコン粒子 4:原料ガス供給ライン 5:流動層内シリコン粒子 6:製品多結晶シリコン抜き出しライン 7:種シリコン粒子 8:原料ガス供給ライン 9:流動層反応器 10:保温部 11:原料ガス導入部 12:多結晶シリコン粒子抜き出しライン 13:希釈ガス冷却器 14:希釈ガス供給ライン 15:流動層を有する予熱器 16:加熱器 17:保温部 18:リサイクルガス冷却器 19:集塵用フィルター 20:コンプレッサー保護用冷却器 21:リサイクルコンプレッサー 22:排ガス抜き出しライン 23:予熱器(管状炉) 24:多結晶シリコン抜き出しライン
フロントページの続き (72)発明者 小松 善徳 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号東燃 化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 石井 正明 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号東燃 化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 高綱 和敏 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号東燃 化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 猿渡 康裕 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号東燃 化学株式会社技術開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流動層法により多結晶シリコンを製造する
    に際し、粒子状熱媒体の流動層を有する予熱器により希
    釈ガスの全部若しくは一部を反応温度以上に予熱して流
    動層反応器に供給することを特徴とする多結晶シリコン
    の製造方法。
  2. 【請求項2】流動層法により多結晶シリコンを製造する
    に際し、粒子状熱媒体の流動層を有する予熱器により流
    動層反応器からの排ガスの全部若くは一部を反応温度以
    上に予熱して流動層反応器に供給し循環させることを特
    徴とする多結晶シリコンの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2において、流動層反
    応器で製造した加熱状態にある多結晶シリコンを予熱器
    に供給して流動化された熱媒体として使用し、希釈ガス
    又は流動層反応器からの排ガスの全部若くは一部を流動
    層を有する予熱器により反応温度以上に予熱すると同時
    に、多結晶シリコンの表面に付着する微粉及び含有水素
    を除去することを特徴とする多結晶シリコンの製造方
    法。
JP25587292A 1992-08-31 1992-08-31 多結晶シリコンの製造方法 Pending JPH0680412A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25587292A JPH0680412A (ja) 1992-08-31 1992-08-31 多結晶シリコンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25587292A JPH0680412A (ja) 1992-08-31 1992-08-31 多結晶シリコンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0680412A true JPH0680412A (ja) 1994-03-22

Family

ID=17284749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25587292A Pending JPH0680412A (ja) 1992-08-31 1992-08-31 多結晶シリコンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0680412A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009167093A (ja) * 2008-01-14 2009-07-30 Wacker Chemie Ag 多結晶シリコンの堆積方法
JP2010502542A (ja) * 2006-08-30 2010-01-28 ヘムロック・セミコンダクター・コーポレーション シーメンスタイププロセスに組み込まれた流動床反応器によるシリコンの製造
KR20110076930A (ko) * 2008-09-16 2011-07-06 써니사이드 테크놀로지스, 인코포레이티드 고순도의 입상 실리콘을 제조하기 위한 반응기 및 방법
CN105246827A (zh) * 2013-05-29 2016-01-13 瓦克化学股份公司 用于制造颗粒状多晶硅的方法
JP2018523625A (ja) * 2015-08-20 2018-08-23 ジルトロニック アクチエンゲゼルシャフトSiltronic AG 粒状シリコンの熱処理プロセス、粒状シリコン、およびシリコン単結晶の製造プロセス

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8609058B2 (en) 2006-08-30 2013-12-17 Hemlock Semiconductor Corporation Silicon production with a fluidized bed reactor integrated into a Siemens-type process
JP2010502542A (ja) * 2006-08-30 2010-01-28 ヘムロック・セミコンダクター・コーポレーション シーメンスタイププロセスに組み込まれた流動床反応器によるシリコンの製造
KR101447494B1 (ko) * 2006-08-30 2014-10-06 헴로크세미컨덕터코포레이션 지멘스형 공정으로 일체화되는 유동상 반응기를 사용한 규소 생산
JP2009167093A (ja) * 2008-01-14 2009-07-30 Wacker Chemie Ag 多結晶シリコンの堆積方法
US20130336845A1 (en) * 2008-09-16 2013-12-19 Sunnyside Technologies, Inc. Reactor for producing high-purity granular silicon
US8535614B2 (en) * 2008-09-16 2013-09-17 Sunnyside Technologies, Inc. Reactor and method for producing high-purity granular silicon
US20110212011A1 (en) * 2008-09-16 2011-09-01 Sunnyside Technologies, Inc. Reactor and method for producing high-purity granular silicon
KR20110076930A (ko) * 2008-09-16 2011-07-06 써니사이드 테크놀로지스, 인코포레이티드 고순도의 입상 실리콘을 제조하기 위한 반응기 및 방법
US9751066B2 (en) * 2008-09-16 2017-09-05 Sunnyside Technologies, Inc Reactor for producing high-purity granular silicon
US20170361292A1 (en) * 2008-09-16 2017-12-21 Xi Chu System for producing high-purity granular silicon
US10576438B2 (en) * 2008-09-16 2020-03-03 Xi Chu System for producing high-purity granular silicon
CN105246827A (zh) * 2013-05-29 2016-01-13 瓦克化学股份公司 用于制造颗粒状多晶硅的方法
JP2016520034A (ja) * 2013-05-29 2016-07-11 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフトWacker Chemie AG 顆粒状ポリシリコンの製造方法
JP2018523625A (ja) * 2015-08-20 2018-08-23 ジルトロニック アクチエンゲゼルシャフトSiltronic AG 粒状シリコンの熱処理プロセス、粒状シリコン、およびシリコン単結晶の製造プロセス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1437327B1 (en) Method for producing silicon
US4084024A (en) Process for the production of silicon of high purity
US6007869A (en) Process for preparing highly pure silicon granules
JP3518869B2 (ja) 発熱反応を利用したポリシリコンの調製方法
US4102765A (en) Arc heater production of silicon involving alkali or alkaline-earth metals
US8828324B2 (en) Fluidized bed reactor systems and distributors for use in same
CN101318654B (zh) 一种流化床制备高纯度多晶硅颗粒的方法及流化床反应器
CA1102886A (en) Arc heater method for the production of single crystal silicon
JP4038110B2 (ja) シリコンの製造方法
CN101696013B (zh) 等离子体辅助流化床工艺生产多晶硅的方法及装置
JPS6228083B2 (ja)
US6451277B1 (en) Method of improving the efficiency of a silicon purification process
JPH0680412A (ja) 多結晶シリコンの製造方法
JP2004210594A (ja) 高純度シリコンの製造方法
GB1570131A (en) Manufacture of silicon
WO2004013044A1 (en) Methods for heating a fluidized bed silicon manufacture apparatus
JPH02164711A (ja) 高純度ボロンの製造方法
JPH06127924A (ja) 多結晶シリコンの製造方法
JP2003002628A (ja) シリコン製造装置および製造方法
JP3737863B2 (ja) 粒状ポリシリコンの製造方法
JPH02279513A (ja) 高純度多結晶シリコンの製造方法
CN206985723U (zh) 一种生产硅的装置
JP2003002627A (ja) シリコンの製造方法
JPS59121109A (ja) 高純度シリコンの製造方法
JPH06127926A (ja) 粒状多結晶シリコンの製造方法