WO2014157154A1 - 酸化珪素の製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

 二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応させて酸化珪素ガスを生成させる反応室と、この反応室内に上記混合原料粉末を供給する原料供給機構と、上記酸化珪素ガスを酸化珪素固体としてその表面に析出させる2つ以上の基体と、上記基体に酸化珪素固体を析出させる析出室と、上記酸化珪素ガスを上記反応室から上記析出室に搬送する搬送管と、回収室と、酸化珪素固体を析出させる基体を配置する準備室とを具備し、上記析出室と回収室とが回収室側ゲート弁を介して連結され、上記析出室と準備室とが準備室側ゲート弁を介して連結されている、酸化珪素の製造装置に関するものであり、本発明によれば、効率的かつ長期間安定的に、高純度の酸化珪素を連続的に製造することができる。

Description

酸化珪素の製造装置及び製造方法
 本発明は、包装用フィルム蒸着用、リチウムイオン二次電池負極活物質等として好適に使用される酸化珪素の製造方法及び製造装置に関するものである。
 従来、酸化珪素粉末の製造方法として、二酸化珪素系酸化粉末からなる原料混合物を減圧非酸化性雰囲気中で熱処理することにより酸化珪素蒸気を発生させ、この酸化珪素蒸気を気相中で凝縮させて、0.1μm以下の微細アモルファス状の酸化珪素粉末を連続的に製造する方法(特許文献1:特開昭63-103815号公報)、及び原料珪素を加熱蒸発させて、表面組織を粗とした基体の表面に蒸着させる方法(特許文献2:特開平9-110412号公報)が知られている。また、二酸化珪素を含む混合原料粉末を反応炉内に供給し、酸化珪素ガスを発生させ、冷却した基体表面に析出させ、ついでこの酸化珪素析出物を連続的に回収する方法(特許文献3:特開2001-220123号公報)がある。
 しかしながら、上述した特開昭63-103815号公報の方法は、連続的な製造が可能であるが、生成したSiO粉末は微粉であり、大気に取り出した際の酸化反応により高純度の酸化珪素粉末が製造できない問題がある。一方で、特開平9-110412号公報に記載の方法は、高純度酸化珪素はできるものの回分法を前提としているため、量産化が困難であり、結果として高価な酸化珪素粉末しか製造できない。特開2001-220123号公報に記載の方法は、高純度酸化珪素粉末を連続的に回収することはできるが、酸化珪素が硬いため回収機構である掻き取り装置のブレードが磨耗し易く、長期の使用に耐えないという問題点があった。
特開昭63-103815号公報 特開平9-110412号公報 特開2001-220123号公報
 本発明は上記事情に鑑みなされたもので、効率的かつ長期間安定的に、高純度の酸化珪素を連続的に製造することができる酸化珪素の製造方法、及び製造装置を提供する。
 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、酸化珪素ガスを発生させ、これを基体に析出させる酸化珪素の製造方法において、2つ以上の基体と、上記基体に酸化珪素固体を析出させる析出室と回収室を有し、析出室と酸化珪素固体を析出させる基体を配置する準備室とが、それぞれゲート弁を介して連結された製造装置を用いて、酸化珪素ガスを、基体が配置された析出室内に導入し、(1)回収室側ゲート弁及び準備室側ゲート弁を閉じた状態で、析出室内の基体表面に酸化珪素を析出させる工程、次いで(2)両ゲート弁を開いて、酸化珪素が析出した基体を、析出室から回収室へ移動させると共に、準備室に配置された基体を析出室に移動させた後、回収室側ゲート弁及び準備室側ゲート弁を閉じる工程、次いで(3)酸化珪素が析出した基体、又は析出した酸化珪素及び基体を、回収室から取り出すと共に、準備室に別の基体を配置する工程を有し、上記(2)工程に引き続き、準備室から移動した基体を用いて上記(1)工程を行い、上記(1)~(3)を繰り返すことにより、効率的かつ長期間安定的に、高純度の酸化珪素を連続的に製造できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
 従って、本発明は下記発明を提供する。
[1].二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応させて酸化珪素ガスを生成させる反応室と、この反応室内に上記混合原料粉末を供給する原料供給機構と、上記酸化珪素ガスを酸化珪素固体としてその表面に析出させる2つ以上の基体と、上記基体に酸化珪素固体を析出させる析出室と、上記酸化珪素ガスを上記反応室から上記析出室に搬送する搬送管と、回収室と、酸化珪素固体を析出させる基体を配置する準備室とを具備し、上記析出室と回収室とが回収室側ゲート弁を介して連結され、上記析出室と準備室とが準備室側ゲート弁を介して連結されている、酸化珪素の製造装置。
[2].[1]記載の装置を用い、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応室内に供給し、この反応室内で、常圧又は減圧下で1,200~1,600℃に加熱して酸化珪素ガスを発生させ、反応室と同じ温度以上に保持された搬送管を通して、(1)回収室側ゲート弁及び準備室側ゲート弁を閉じた状態で、析出室内の基体表面に酸化珪素を析出させる工程、次いで(2)両ゲート弁を開いて、酸化珪素が析出した基体を、析出室から回収室へ移動させると共に、準備室に配置された基体を析出室に移動させた後、回収室側ゲート弁及び準備室側ゲート弁を閉じる工程、次いで(3)酸化珪素が析出した基体、又は析出した酸化珪素及び基体を、回収室から取り出すと共に、準備室に別の基体を配置する工程を有し、上記(2)工程に引き続き、準備室から移動した基体を用いて上記(1)工程を行い、上記(1)~(3)工程を繰り返す酸化珪素の製造方法。
[3].混合原料粉末が二酸化珪素と金属珪素粉末との混合物である[2]記載の製造方法。
[4].析出室の基体の温度が200~1,000℃である[2]又は[3]記載の製造方法。
[5].さらに、得られた酸化珪素固体を粉砕し、得られた酸化珪素粉末の平均粒径が0.01~30μmであり、BET比表面積が0.5~30m2/gである[2]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6].酸化珪素が、包装用フィルム蒸着用である[2]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7].酸化珪素が、リチウムイオン二次電池負極活物質用である[2]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
 本発明によれば、効率的かつ長期間安定的な、高純度酸化珪素の連続製造が可能となる。
本発明の一実施例を示す概略断面図である。 本発明の一実施例の態様の状態を示す概略断面図である。 比較例1で使用した装置の概略断面図である。
 以下、本発明につき更に詳しく説明する。
 本発明の製造方法は、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応室内に供給し、この反応室内で、常圧又は減圧下で1,200~1,600℃に加熱して酸化珪素ガスを発生させ、反応室と同じ温度以上に保持された搬送管を通して、(1)回収室側ゲート弁及び準備室側ゲート弁を閉じた状態で、析出室内の基体表面に酸化珪素を析出させる工程、次いで(2)両ゲート弁を開いて、酸化珪素が析出した基体を、析出室から回収室へ移動させると共に、準備室に配置された基体を析出室に移動させた後、回収室側ゲート弁及び準備室側ゲート弁を閉じる工程、次いで(3)酸化珪素が析出した基体、又は析出した酸化珪素及び基体を、回収室から取り出すと共に、準備室に別の基体を配置する工程を有し、上記(2)工程に引き続き、準備室から移動した基体を用いて上記(1)工程を行い、上記(1)~(3)工程を繰り返す酸化珪素の製造方法である。
 二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末としては、二酸化珪素粉末とこれを還元する粉末との混合物を用いる。具体的な還元粉末としては、金属珪素化合物、炭素含有粉末等が挙げられるが、反応性を高め、収率を高めるといった点から、金属珪素粉末が好ましい。二酸化珪素粉末と金属珪素粉末の場合、下記の反応スキームによって進行する。
 Si(s)+SiO2(s)→2SiO(g)
 本発明に用いる二酸化珪素粉末の平均粒径は0.1μm以下であり、通常0.005~0.1μm、好ましくは0.005~0.08μmである。また金属珪素粉末の平均粒径は30μm以下であり、通常0.05~30μm、好ましくは0.1~20μmである。二酸化珪素粉末の平均粒径が0.1μmより大きい、又は金属珪素粉末の平均粒径が30μmより大きいと、反応性が低下し、生産性が低下するおそれがある。なお、本発明において、平均粒径はレーザー光回折法による粒度分布測定における累積重量平均値D50で表すことができる。
 本発明では、上記混合原料粉末を反応室内において1,200~1,600℃、好ましくは1,300~1,500℃の温度に加熱、保持し、酸化珪素ガスを生成させる。反応温度が1,200℃未満では反応が進行しがたく、生産性が低下してしまい、一方、1,600℃を超えると、混合原料粉末が溶融して炉材料の選定が困難になる場合がある。
 一方、炉内(反応室)雰囲気は、常圧又は減圧(好ましくは1,000Pa以下)下で行う。酸化珪素がガスとして発生しやすい減圧下で行うことが好ましい。炉内を不活性ガス中としてもよい。不活性ガスとしては、アルゴンガス、ヘリウムガス等が挙げられる。
 上記反応室には、原料供給機構にて、上記混合原料粉末を適宜間隔ごと、又は連続的に供給し、反応を連続的に行うものである。上記原料供給機構としては、スクリューフィーダー等による連続供給や、上下にダンパーを設けた中間ホッパーによる間欠供給、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
 上記反応室で生成した酸化珪素ガスは、搬送管を介して析出室に連続的に供給される。搬送管は反応室と同じ温度以上に保持される。搬送管の温度が反応室以下の温度では、酸化珪素ガスが搬送管内壁に析出、付着して運転上の支障をきたし、安定的な運転ができなくなる。逆に、反応室を著しく超える温度に加熱しても、電力コストの上昇を招くだけで効果が得られないため、反応室と同じ温度~反応室温度+200℃が妥当である。
(1)回収室側ゲート弁及び準備室側ゲート弁を閉じた状態で、析出室内の基体表面に酸化珪素を析出させる工程
 基体が配置された析出室内に酸化珪素ガスを導入する場合、酸化珪素ガスが準備室や回収室に流入しないように、析出室と回収室との間にある回収室側ゲート弁、析出室と準備室との間にある準備室側ゲート弁を閉じた状態としておくことが必要である。上記析出室内には、酸化珪素を析出させる基体が配置され、この析出室に導入された上記酸化珪素ガスがこの基体に接触し冷却されることにより、この基体表面上に塊状の酸化珪素(固体)として析出する。析出室の基体の温度(析出温度)は、200~1,000℃に保持することが好ましく、300~900℃がより好ましく、300~800℃がさらに好ましい。1,000℃より高いと酸化珪素が析出し難くなるおそれがあり、200℃より低いと、得られた酸化珪素は微粉となり、活性が強すぎるものとなるおそれがある。なお、基体温度の測定は、酸化珪素蒸気が直接当たる面の裏側を測定する。測定は、熱電対を基体に接触させる方法、放射温度計により非接触で測定する方法等で行えるが、本発明における温度は、熱電対を基体に接触させる方法で測定した値である。
(2)両ゲート弁を開いて、酸化珪素が析出した基体を、析出室から回収室へ移動させると共に、準備室に配置された基体を析出室に移動させた後、回収室側ゲート弁及び準備室側ゲート弁を閉じる工程
 この際、両ゲート弁を同時に開いて、析出室から回収室への酸化珪素が析出した基体の移動と、準備室から析出室への基体の移動を同時に行って、両ゲート弁を同時に閉じてもよいし、回収室側ゲート弁を開いて、析出室から回収室への酸化珪素が析出した基体の移動を行い、回収室側ゲート弁を閉じた後で、準備室側のゲート弁を開いて、準備室から析出室への基体の移動を行い、準備室側のゲート弁を閉じてもよいが、前者の同時に行うことが好ましい。
 析出室の基体が移動した回収室では、酸化珪素ガスによって基体に持ち込まれる熱量がなくなるため、基体の温度が低下する。この際に、空冷や水冷等の冷却手段によって、基体を強制冷却してもよい。基体の温度は、基体に析出した酸化珪素が大気中で安定な500℃以下まで低下させることが好ましく、300℃以下まで低下させることがより好ましい。析出室中への酸化珪素蒸気の導入停止と基体の冷却とにより、析出した酸化珪素が基体表面から剥離し易くなる。
 基体の種類については特に限定されないが、析出温度での耐熱性と酸化珪素ガスに対する耐蝕性があるもの、具体的には金属材料やセラミックス材料が好ましい。また、酸化珪素との線膨張係数の差が大きいものは、基体と酸化珪素析出体との熱収縮差によって、析出した酸化珪素が基体表面から剥離し易く、回収が容易になるのでより好ましい。具体的には金属材料が好ましく、加工性の点でステンレス鋼(SUS)、ニッケル合金、チタン合金等が好適に用いられる。
 準備室に配置された基体が移動した析出室には、上記と同様に酸化珪素ガスが供給され、上記(2)工程に引き続き、準備室から移動した基体を用いて上記(1)工程を行い、 析出室の基体表面上に塊状の酸化珪素が析出し、酸化珪素ガスの連続供給、酸化珪素を連続的に析出させることが可能となる。
(3)酸化珪素が析出した基体、又は析出した酸化珪素及び基体を、回収室から取り出すと共に、準備室に別の基体を配置する工程
 回収室は析出室から回収室側ゲート弁によって隔離されているので、装置の運転を停止させずに、回収室から、酸化珪素が析出した基体、又は析出した酸化珪素及び基体を取り出すことができる。なお、回収室の基体は析出室から次の基体を移動させるために、回収室から取り出される。同様に、準備室は析出室から準備室側ゲート弁によって隔離されているので、運転を停止させずに、準備室に別の基体を配置することができる。基体の移動時の析出室温度を所定の範囲に保つため、準備室に配置された基体をヒーター等の加熱機構により予熱しておいてもよい。
 なお、析出室が減圧雰囲気の場合、ゲート弁を開く前には、準備室及び回収室を減圧して析出室と均圧にする必要があり、回収室から酸化珪素が付着した基体を取り出したり、準備室に次の基体を入れて配置する前には、準備室及び回収室を大気圧まで復圧しておく必要がある。なお、この場合でも運転を停止せず、酸化珪素ガスの析出室への導入等を停止することなく、基体の取り出し、配置が可能である。
 本発明においては、上記(2)工程に引き続き、準備室から移動した基体を用いて上記(1)工程を行い、上記(1)~(3)工程を繰り返す。これにより、運転を停止することなく、酸化珪素が析出した基体、又は析出した酸化珪素及び基体を取り出すこと、次の基体を準備室に配置することが可能である。また、析出室での酸化珪素の析出と、回収室での酸化珪素の剥離の進行、回収室からの酸化珪素が析出した基体等の取り出し、さらに準備室への新しい基体の配置とを並行して進行させることができ、析出等が順次又は連続して行われ、効率的に酸化珪素が連続製造できる。このため基体は2以上が必要であり、3以上でもよく、析出した酸化珪素が回収された後の基体を次の基体として用いてもよい。
 基体の移動方法は特に限定されるものではなく、ベルトコンベアやローラーコンベア等が例示される。基体を移動させる間隔は、原料の供給速度、基体の冷却速度等により適宜選定されるが、1~8時間が好ましい。
 酸化珪素中の酸化珪素の純度は99.9~99.95質量%であり、高純度のものを得ることができる。
 得られた塊状の酸化珪素固体は、適切な粉砕機と分級器を使用することによって酸化珪素粉末とすることができる。例えば、平均粒径0.01~30μm、BET比表面積0.5~30m2/gの酸化珪素粉末とすることができる。このような酸化珪素粉末は、包装用フィルム蒸着用、リチウムイオン二次電池負極活物質用等として好適である。
 上記方法に用いる装置としては、例えば、図1に示すような、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応させて酸化珪素ガスを生成させる反応室と、この反応室内に上記混合原料粉末を供給する原料供給機構と、上記酸化珪素ガスを酸化珪素固体としてその表面に析出させる2つ以上の基体と、上記基体に酸化珪素固体を析出させる析出室と、上記酸化珪素ガスを上記反応室から上記析出室に搬送する搬送管と、回収室と、酸化珪素固体を析出させる基体を配置する準備室とを具備し、上記析出室と回収室とが回収室側ゲート弁を介して連結され、上記析出室と準備室とが準備室側ゲート弁を介して連結されている酸化珪素の連続製造装置が挙げられる。
 装置の一例について、より詳細に説明する。
 反応炉1はその内部に反応室2を有する。反応室2には反応室ヒーター3が備えられており、反応室2には原料供給機構5が連結し、反応室2は搬送管6を介して析出室7と連結している。搬送管6は搬送管ヒーター8を具備しており、析出室7には基体9aが配置されている。析出室7は回収室側ゲート弁13aを介して回収室11が連結され、また、析出室7は準備室側ゲート弁13bを介して準備室15が連結されており、準備室15には基体9bが配置されており、予熱機構16及び準備室扉17が備えられている。回収室11は、冷却機構12を具備し、回収室扉14が設置されている。18a~18dは真空ポンプであり、それぞれ、析出室7、回収室11、準備室15、原料供給機構5と連結している。
 反応室2は反応室ヒーター3によって1,200~1,600℃に加熱される。二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末4が、原料供給機構5によって、反応室2に連続もしくは間欠的に供給される。反応室2内で発生した酸化珪素ガスは、搬送管6により析出室7に搬送される。搬送管6は搬送管ヒーター8により、反応室2の温度以上に保持されている。析出室7は基体9aが配置され、析出室ヒーター10によって所定温度に保持される。回収室側ゲート弁13a、準備室側ゲート弁13bの両ゲート弁を閉じ、析出室7が回収室11及び準備室15から隔離された状態で、酸化珪素ガスを析出室7に所望時間導入しし、基体9aの表面に酸化珪素を析出させる。準備室15は予熱機構16により適温にされており、準備室側ゲート弁13bによって析出室7と隔離されているため、基体9bは適宜連続運転中に準備室扉17から入れることができる。
 その後、両ゲート弁を開いて析出室7の基体9aを回収室11へ移動させると共に、準備室15に配置された基体9bを析出室7に移動させた後、両ゲート弁を閉じることにより、回収室11と析出室7とは回収室側ゲート弁13a、析出室7と準備室15とは準備室側ゲート弁13bによりそれぞれ隔離されている。
 回収室11は冷却機構12により所定温度に冷却されている。回収室11は回収室側ゲート弁13aによって析出室7と隔離されているため、酸化珪素が析出した基体、又は析出した酸化珪素及び基体9aは、連続運転中に回収室扉14から取り出すことができる。これと並行して、析出室7には準備室から移動してきた基体9bが配置され、酸化珪素ガスを析出室7に所望時間導入し、基体9bの表面に酸化珪素を析出させる。準備室15は予熱機構16により適温にされており、準備室側ゲート弁13bによって析出室7と隔離され、新しい基体9cは連続運転中に、準備室扉17から適宜入れることができる。なお、基体9cは、析出した酸化珪素が回収された後の基体9aを用いてもよい。なお、回収室11、析出室7、準備室15は真空ポンプにより減圧されていてもよい。
 上記製造方法及び装置によれば、基体を入れ替えることによって、酸化珪素を連続的に安定して、低コストで製造できる。
 以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
  [実施例1]
 図1に示す連続製造装置を用いて酸化珪素を製造した。原料は、二酸化珪素粉末(平均粒径0.02μm、BET比表面積200m2/g)と金属珪素粉末(平均粒径10μm、BET比表面積3m2/g)を等量モルの割合で撹拌混合機を用いて混合した混合粉末であり、反応炉1内の反応室2(容積0.5m3)に20kgの混合原料粉を初期仕込した。次に、回収室側ゲート弁13a,準備室側ゲート弁13bを閉じた状態で、真空ポンプ18aを用いて炉内を10Pa以下に減圧した後、反応室ヒーター3に通電し、反応室2の温度を1,400℃に保持した。一方で、搬送管ヒーター8に通電し、搬送管6を1,400℃に保持すると共に、析出室ヒーター10に通電し、あらかじめ析出室7に入れておいたSUS製の基体9aを650℃に保持した。反応室の圧力上昇から、酸化珪素ガスが発生していることを確認できた。次に、原料供給機構5を作動させ、混合原料粉末を2kg/hの割合で連続供給した。その後も反応室圧力が安定していることから、連続反応していることを確認した。その間に準備室15には準備室扉17から基体9bを入れ、予熱機構16(ヒーター)により300℃に予熱しておいた。酸化珪素ガスが析出室7に導入されて、析出室7内で基体9a表面に酸化珪素固体が析出した。反応室が1,400℃に達してから4時間運転後、真空ポンプ18b,18cにより回収室11,準備室15を析出室7とほぼ同じ圧力になるまで減圧し、回収室側ゲート弁13a,準備室側ゲート弁13bを開き、基体9aを析出室7から回収室11へ移動すると同時に、基体9bを準備室15から析出室7へ移動し、回収室側ゲート弁13a,準備室側ゲート弁13bを再度閉じた。基体9aを析出室7から回収室11へ、基体9bを準備室15から析出室7へ移動し、次の基体9cが準備されている状態を図2に示す。基体9bは酸化珪素ガスにより持ち込まれる熱量と、さらに析出室ヒーター10で加熱され、5分後に基体9bの温度は650℃で安定した。一方、基体9aは酸化珪素ガスにより持ち込まれる熱量がなくなり、さらに冷却機構12で冷やされ、基体9aの温度は次第に低下した。2時間後に基体9aの温度が200℃まで低下したので、回収室11を大気圧に復圧し、回収室扉14から基体9aを取り出した。基体9a表面に付着した酸化珪素は熱収縮差により容易に剥離し、回収することができた。同時に準備室15も大気圧に復圧し、準備室扉17から準備室15に次の基体9cを入れた。上記運転を600時間連続して行った結果、酸化珪素は1.9kg/h(収率=95%)で回収された。このようにして得られた酸化珪素をボールミルで粉砕して得られた平均粒径D50が5μmの粉末は、BET比表面積8m2/g、純度99.9質量%以上の非晶質粉末であった。また、運転終了後、装置内を観察して特に問題がないことが確認された。
  [比較例1]
 特開2001-220123号公報の図1(図3)に示された連続製造装置を用いて酸化珪素粉末を製造した。原料は、実施例と同一の二酸化珪素粉末と金属珪素粉末の混合粉末であり、実施例1と同様に反応炉内の反応室(容積0.5m3)に20kgの混合原料粉を初期仕込した。次に、真空ポンプを用いて炉内を10Pa以下に減圧した後、ヒーターに通電し、実施例1と同じ1,400℃に昇温、保持した。一方で、搬送管を1,400℃に加熱、保持し、冷媒導入管に水を流入し、SUS製の基体を冷却した。次に、フィーダーを作動させ、混合原料粉末を2kg/hの割合で連続供給し、連続反応を行った。基体上に析出した酸化珪素は、超硬材であるタングステンカーバイド製のブレードをもつスクレーパーにより連続的に掻き取り、回収室に回収した。上記運転を120時間連続して行った時点で、酸化珪素は1.9kg/h(収率=95%)で回収された。このようにして得られた酸化珪素をボールミルで粉砕して得られた平均粒径D50が5μmの粉末は、BET比表面積8m2/g、純度99.9質量%以上の非晶質粉末であり、不純物元素として微量のタングステンが確認された。その後、連続運転が300時間を過ぎた時点から回収率が急激に低下し始めたため運転を終了し、装置内を観察したところ、スクレーパーの先端のブレードが磨耗し、これ以上は掻き取ることができない状態になっていた。
1 反応炉
2 反応室
3 反応室ヒーター
4 混合原料粉末
5 原料供給機構
6 搬送管
7 析出室
8 搬送管ヒーター
9a、9b、9c 基体
10 析出室ヒーター
11 回収室
12 冷却機構
13a 回収室側ゲート弁
13b 準備室側ゲート弁
14 回収室扉
15 準備室
16 予熱機構
17 準備室扉
18a~18d 真空ポンプ
101 反応炉
102 反応室
103 混合原料粉末
104 ヒーター
105 断熱材
106 原料供給機構
107 補給ホッパー
108 フィーダー
109 原料供給管
110 搬送管(搬送ライン)
111 析出槽
112 析出室
113 基体
114 冷媒導入管
115 冷媒排出管
116 掻き取り装置(回収機構)
117 回収管
118 回収槽
119 真空ポンプ
120 真空ポンプ
121 真空ポンプ

Claims (7)

  1.  二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応させて酸化珪素ガスを生成させる反応室と、この反応室内に上記混合原料粉末を供給する原料供給機構と、上記酸化珪素ガスを酸化珪素固体としてその表面に析出させる2つ以上の基体と、上記基体に酸化珪素固体を析出させる析出室と、上記酸化珪素ガスを上記反応室から上記析出室に搬送する搬送管と、回収室と、酸化珪素固体を析出させる基体を配置する準備室とを具備し、上記析出室と回収室とが回収室側ゲート弁を介して連結され、上記析出室と準備室とが準備室側ゲート弁を介して連結されている、酸化珪素の製造装置。
  2.  請求項1記載の装置を用い、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を反応室内に供給し、この反応室内で、常圧又は減圧下で1,200~1,600℃に加熱して酸化珪素ガスを発生させ、反応室と同じ温度以上に保持された搬送管を通して、(1)回収室側ゲート弁及び準備室側ゲート弁を閉じた状態で、析出室内の基体表面に酸化珪素を析出させる工程、次いで(2)両ゲート弁を開いて、酸化珪素が析出した基体を、析出室から回収室へ移動させると共に、準備室に配置された基体を析出室に移動させた後、回収室側ゲート弁及び準備室側ゲート弁を閉じる工程、次いで(3)酸化珪素が析出した基体、又は析出した酸化珪素及び基体を、回収室から取り出すと共に、準備室に別の基体を配置する工程を有し、上記(2)工程に引き続き、準備室から移動した基体を用いて上記(1)工程を行い、上記(1)~(3)工程を繰り返す酸化珪素の製造方法。
  3.  混合原料粉末が二酸化珪素と金属珪素粉末との混合物である請求項2記載の製造方法。
  4.  析出室の基体の温度が200~1,000℃である請求項2又は3記載の製造方法。
  5.  さらに、得られた酸化珪素固体を粉砕し、得られた酸化珪素粉末の平均粒径が0.01~30μmであり、BET比表面積が0.5~30m2/gである請求項2~4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6.  酸化珪素が、包装用フィルム蒸着用である請求項2~5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7.  酸化珪素が、リチウムイオン二次電池負極活物質用である請求項2~5のいずれか1項に記載の製造方法。
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