JP2000258464A - 電流センサ - Google Patents

電流センサ

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JP2000258464A
JP2000258464A JP11062415A JP6241599A JP2000258464A JP 2000258464 A JP2000258464 A JP 2000258464A JP 11062415 A JP11062415 A JP 11062415A JP 6241599 A JP6241599 A JP 6241599A JP 2000258464 A JP2000258464 A JP 2000258464A
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magneto
magnetic
impedance element
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Osamu Yamamoto
修 山本
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Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
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    • G01R15/14Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks
    • G01R15/20Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks using galvano-magnetic devices, e.g. Hall-effect devices, i.e. measuring a magnetic field via the interaction between a current and a magnetic field, e.g. magneto resistive or Hall effect devices
    • G01R15/207Constructional details independent of the type of device used
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/02Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小な電流でも簡易な構成で安定して検出す
ることができる電流センサを提供することを目的として
いる。 【解決手段】 電流センサ1は、通電された被検出電線
Dの周囲に生じる磁界Hiの強さに応じて電圧を発生す
る磁気インピーダンス素子2と、この磁気インピーダン
ス素子2を駆動するための駆動回路を備えた回路部5
と、磁気インピーダンス素子2に発生する電圧に基づい
て被検出電線Dに通電された電流値を求める演算部9と
を具備している。磁気インピーダンス素子2は、非磁性
体からなる匡体部11に保持されており、匡体部11の
外周には外乱磁界を遮断するための磁気シールド13が
設けられている。磁界Hiは、高感度な磁気インピーダ
ンス素子2によって検出されるため、被検出電流Dに通
電される電流は安定して検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通電された被検出
電線の電流を検出するための電流センサに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、通電された電線の電流を検出
するには、電流計を用いる方法がある。これは、被検出
電線を備えた回路の一部に電流計を組み込んで検出を行
うものである(従来例1)。
【0003】また、他の電流検出方法としては、通電さ
れた被検出電線の周囲に発生する磁界を観測し、この磁
界の強さから電流値を検出する方法がある。これは、被
検出電線の近傍に、例えばトランスやコイル、あるいは
検出ヘッドとしてMR素子やホール素子などを用いた磁
気センサを配置し、通電された被検出電線の周囲に発生
する磁界を観測し、この観測値から被検出電線の電流値
を検出するものである(従来例2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通電さ
れた被検出電線の電流値を検出するにあたり従来例1に
おいては、電流計を組み込むために被検出電線を備えた
回路を変更する必要があり、作業性が低下するという問
題があった。
【0005】また、従来例2において例えばトランスや
コイルを用いる方法は、磁界の変化を電磁誘導作用を利
用して観測するものであるため、直流電流を検出するこ
とができなかった。また、検出ヘッドとしてMR素子や
ホール素子を用いた磁気センサによる検出方法において
は、直流電流の検出は可能であるが、前記検出ヘッドの
感度が低いため、この検出ヘッド周囲に磁気回路を構成
する必要があり、磁気回路の持つヒステリシスによって
微小電流を検出することができないといった問題があっ
た。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、微小な直流電流でも簡易な構成で安定して検
出することができる電流センサを提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、通電された被検出電線の
外周に近接配置されるとともに、前記被検出電線の周囲
に生じる磁界の強さに応じて電圧を発生する磁気インピ
ーダンス素子と、前記磁気インピーダンス素子に電流を
供給してこの磁気インピーダンス素子を駆動させる駆動
部と、前記磁気インピーダンス素子に発生する電圧に基
づいて、前記被検出電線に通電された電流値を求める演
算部とを備えていることを特徴とする。
【0008】本発明によれば、通電されることによって
周囲に磁界を生じさせる被検出電線の外周に磁気インピ
ーダンス素子を配置させることにより、この磁気インピ
ーダンス素子は、被検出電線の電流値に応じた磁界を検
出するとともにこの磁界の強さに応じた電圧を発生させ
る。磁気インピーダンス素子から発生した出力電圧は演
算部に送られるようになっており、この演算部にはあら
かじめ、磁気インピーダンス素子から発生する出力電圧
と被検出電線の電流値との関係が与えられているため、
被検出電線の電流値はこの演算部から出力される。この
ように、被検出電線に通電された電流は、磁気インピー
ダンス素子によって非接触で容易に検出することができ
る。また、磁気インピーダンス素子は磁電変換作用のあ
る素子であるため直流電流を検出することができるとと
もに、磁気高感度素子であるため、例えば磁気インピー
ダンス素子周囲に磁気回路を構築することなく、微小電
流を検出することができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、通電された被検
出電線の外周に各々近接配置されるとともに、前記被検
出電線の周囲に生じる磁界の強さに応じて電圧を発生す
る複数の磁気インピーダンス素子と、前記複数の磁気イ
ンピーダンス素子に電流を供給してこれらの磁気インピ
ーダンス素子を駆動させる駆動部と、前記複数の磁気イ
ンピーダンス素子に発生する電圧に基づいて、前記被検
出電線に通電された電流値を求める演算部とを備えてい
ることを特徴とする電流センサである。
【0010】本発明によれば、磁気インピーダンス素子
を複数設けたため、それぞれの磁気インピーダンス素子
からの出力を加算することによってさらなる微小電流の
検出が可能となり、高感度な電流センサを構築すること
ができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、通電された被検
出電線の外周を囲むように円環状に形成されるととも
に、前記被検出電線の周囲に生じる磁界の強さに応じて
電圧を発生する磁気インピーダンス素子と、前記磁気イ
ンピーダンス素子に電流を供給してこの磁気インピーダ
ンス素子を駆動させる駆動部と、前記磁気インピーダン
ス素子に発生する電圧に基づいて、前記被検出電線に通
電された電流値を求める演算部とを備えていることを特
徴とする電流センサである。
【0012】本発明によれば、磁気インピーダンス素子
を、被検出電線の外周を囲むように円環状に形成させた
ことにより、磁気インピーダンス素子の感度方向と被検
出電線の周囲に生じる磁界の方向とを一致させることが
でき、安定した電流検出を行うことができる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の電流センサであって、前記複数の磁気インピーダンス
素子は、前記被検出電線を基準に対向配置されているこ
とを特徴とする電流センサである。
【0014】本発明によれば、磁気インピーダンス素子
を被検出電線を基準として対向させたことにより、磁気
インピーダンス素子と被検出電線との間の距離が変化し
た場合でも、それぞれの磁気インピーダンス素子からの
出力を演算部で処理することにより、距離の変化による
検出誤差の補正をすることができる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の電流センサであって、対向されたそれぞれの磁気イン
ピーダンス素子は、感度方向を平行にして配置されてい
ることを特徴とする電流センサである。
【0016】本発明によれば、例えば一様な外乱磁界が
作用された場合でも、それぞれの磁気インピーダンス素
子には同様な外乱磁界が作用されるため、それぞれの磁
気インピーダンス素子からの出力を演算部によって処理
することにより外乱磁界成分を相殺することができる。
そのため、被検出電線の電流を正確に検出することがで
きる。
【0017】請求項6に記載の発明は、通電された被検
出電線の外周に近接配置されるとともに、前記被検出電
線の周囲に生じる磁界の強さに応じて電圧を発生する磁
気インピーダンス素子と、前記磁気インピーダンス素子
に電流を供給してこの磁気インピーダンス素子を駆動さ
せる駆動部と、前記磁気インピーダンス素子に発生する
電圧に基づいて、前記被検出電線に通電された電流値を
求める演算部とを備え、前記磁気インピーダンス素子を
内部に固定するための、非磁性体からなる匡体部と、前
記匡体部の一部に設けられ、前記被検出電線を保持する
ための被検出電線保持部と、前記匡体部の外周に設けら
れ、前記磁気インピーダンス素子に作用する前記被検出
電線による磁界以外の磁気を遮断するための磁気シール
ドとを具備することを特徴とする電流センサである。
【0018】本発明によれば、非磁性体からなる匡体部
内部に磁気インピーダンス素子を配置させるとともに、
この匡体部の一部に被検出電線を保持するための被検出
電線保持部を設けたため、被検出電線から生じる磁界
は、匡体部を伝わって磁気インピーダンス素子に検出さ
れる。また、この匡体部の外周に外乱磁界を遮断するた
めの磁気シールドを設けたため、被検出電線から生じる
磁界の検出は正確に行われ、被検出電線の電流値の検出
を安定して実現することができる。さらに、磁気インピ
ーダンス素子は匡体部内部に固定されたため、取扱いが
容易となり、作業性は向上される。
【0019】請求項7に記載の発明は、通電された被検
出電線の外周に各々近接配置されるとともに、前記被検
出電線の周囲に生じる磁界の強さに応じて電圧を発生す
る複数の磁気インピーダンス素子と、前記複数の磁気イ
ンピーダンス素子に電流を供給してこれらの磁気インピ
ーダンス素子を駆動させる駆動部と、前記複数の磁気イ
ンピーダンス素子に発生する電圧に基づいて、前記被検
出電線に通電された電流値を求める演算部とを備え、前
記複数の磁気インピーダンス素子を内部に固定するため
の、非磁性体からなる匡体部と、前記匡体部の一部に設
けられ、前記被検出電線を保持するための被検出電線保
持部と、前記匡体部の外周に設けられ、前記複数の磁気
インピーダンス素子に作用する前記被検出電線による磁
界以外の磁気を遮断するための磁気シールドとを具備す
ることを特徴とする電流センサである。
【0020】本発明によれば、非磁性体からなる匡体部
内部に複数の磁気インピーダンス素子を配置させるとと
もに、この匡体部の一部に設けられた被検出電線保持部
に被検出電線を保持させるようにしたため、被検出電線
から生じる磁界は匡体部を伝わって複数の磁気インピー
ダンス素子に検出される。そのため、被検出電線に通電
される電流が微小なものであっても、演算部によってそ
れぞれの磁気インピーダンス素子からの出力の和を求め
ることにより、微小電流を確実に検出することができ、
したがって高感度な電流センサを構築することができ
る。また、この匡体部の外周に外乱磁界を遮断するため
の磁気シールドを設けたため、被検出電線から生じる磁
界の検出を正確に行うことができ、安定した電流値の観
測を行うことができる。さらに、匡体部内部に磁気イン
ピーダンス素子を固定させたため、取扱いが容易とな
り、作業性を向上させることができる。
【0021】請求項8に記載の発明は、通電された被検
出電線の外周を囲むように円環状に形成されるととも
に、前記被検出電線の周囲に生じる磁界の強さに応じて
電圧を発生する磁気インピーダンス素子と、前記磁気イ
ンピーダンス素子に電流を供給してこの磁気インピーダ
ンス素子を駆動させる駆動部と、前記磁気インピーダン
ス素子に発生する電圧に基づいて、前記被検出電線に通
電された電流値を求める演算部とを備え、前記磁気イン
ピーダンス素子を内部に固定するための、非磁性体から
なる匡体部と、前記磁気インピーダンス素子の円環内部
に設けられ、前記被検出電線を保持するための被検出電
線保持部と、前記匡体部の外周に設けられ、前記磁気イ
ンピーダンス素子に作用する前記被検出電線による磁界
以外の磁気を遮断するための磁気シールドとを具備する
ことを特徴とする電流センサである。
【0022】本発明によれば、非磁性体からなる匡体部
内部に円環状の磁気インピーダンス素子を配置させると
ともに、この磁気インピーダンス素子の円環内部に被検
出電線を保持するための被検出電線保持部を設けたた
め、磁気インピーダンス素子の感度方向と被検出電線の
周囲に生じる磁界の方向とを一致させることができ、安
定した電流検出を行うことができる。また、この匡体部
の外周に外乱磁界を遮断するための磁気シールドを設け
たため、被検出電線から生じる磁界の検出は正確に行わ
れ、被検出電線の電流値の検出を安定して実現すること
ができる。さらに、磁気インピーダンス素子は匡体部内
部に固定されたため、取扱いが容易となり作業性は向上
される。
【0023】請求項9に記載の発明は、通電された被検
出電線を基準に対向配置されるとともに、前記被検出電
線の周囲に生じる磁界の強さに応じて電圧を発生する複
数の磁気インピーダンス素子と、前記複数の磁気インピ
ーダンス素子に電流を供給してこれらの磁気インピーダ
ンス素子を駆動させる駆動部と、前記複数の磁気インピ
ーダンス素子に発生する電圧に基づいて、前記被検出電
線に通電された電流値を求める演算部と、前記被検出電
線を案内するためのガイド部とを備え、前記被検出電線
は前記ガイド部によって、前記対向配置された磁気イン
ピーダンス素子の中間部に案内されることを特徴とする
電流センサである。
【0024】本発明によれば、ガイド部に被検出電線を
支持させることによって、被検出電線は対向配置された
磁気インピーダンス素子の中間部に安定して配設され
る。このため、被検出電線の電流検出は安定して行われ
るとともに、作業性は向上される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態によ
る電流センサ1を図1を参照して説明する。図1におい
て、電流センサ1は、検出部としての磁気インピーダン
ス素子2と、この磁気インピーダンス素子2を駆動させ
るための駆動回路(駆動部)3及び増幅回路4を具備し
た回路部5と、回路部5からの出力を受け取る演算部9
とを備えている。このうち磁気インピーダンス素子2
は、通電状態の被検出電線Dの外周面と、一定距離をお
いた位置に近接配置されている。
【0026】被検出電線Dには、図1(a)中、左方向
に電流Iが通電されている。そして、被検出電線Dの周
囲には、この電流Iの値に応じた強さを有する磁界Hi
が、図1(b)中、反時計方向に発生している。
【0027】磁気インピーダンス素子2は、CoSiB
系、FeCoSiB系、その他の組成のアモルファス合
金が線状に形成されたものである。この磁気インピーダ
ンス素子2は、高周波電流iが通電されている状態にお
いて、図24に示すような外部磁界Ho −電圧e特性を
有している。
【0028】すなわち、磁気インピーダンス素子2は、
素子の長手方向の外部磁界Ho が正方向に増加するに従
ってその両端に生ずる電圧eが増加した後、減少し、逆
に外部磁界Ho が負方向に増加するに従って上記電圧e
が増加した後、減少するという正負対称型の外部磁界H
o −電圧e特性を有したものであり、外部磁界Ho の値
に応じて、電圧eを生じさせるものである。また、磁気
インピーダンス素子2は、素子中の矢印方向の外部磁界
を正方向の外部磁界と感じるように特性づけておく。以
下、その方向を感度方向と定義する。
【0029】磁気インピーダンス素子2は、上述したよ
うな感度特性を有するものであり、この感度方向と被検
出電線Dの電流Iの方向とを垂直にさせて配置されてい
る。すなわち、磁気インピーダンス素子2の感度方向
が、図1中、矢印方向になるように、円環状に発生する
磁界Hiの接線方向に沿うように配置されている。この
ため、電流Iの値に応じて発生する磁界Hiの強さを検
出することができるとともに、被検出電線Dに通電され
る電流Iの向きが変わっても、この正逆両方の電流Iを
検出することができるようになっている。
【0030】図20に示すように、回路部5は、方形波
発振回路6及びこの方形波発振回路6からの電流を受け
取る微分回路7を備えた駆動回路3と、磁気インピーダ
ンス素子2からの出力を検波するための検波回路8と、
この検波回路8に接続された増幅回路4とを備えてお
り、増幅回路4からの出力は演算部9に入力される。磁
気インピーダンス素子2は、微分回路7を介した方形波
発振回路6からの電流によって駆動される。
【0031】磁界Hiが印加された磁気インピーダンス
素子2に発生する電圧eは、検波回路8及び増幅回路4
を介して演算部9に入力される。演算部9には、図24
に示したような被検出電線Dに通電されている電流Iに
応じて発生する外部磁界Ho(この場合、磁界Hi)
と、磁気インピーダンス素子2に発生する電圧eとの関
係を示すテーブル或いは演算関数があらかじめ記録され
ており、磁気インピーダンス素子2に発生する電圧eに
基づいて、被検出電線Dに通電された電流Iの値を出力
するようになっている。
【0032】なお、磁気インピーダンス素子2に、この
磁気インピーダンス素子2の動作点を決定するための磁
気バイアスHB を印加することも可能である。すなわ
ち、図19(a)に示すように、磁気インピーダンス素
子2に磁気バイアスHB を印加させない形態と、図19
(b)、(c)に示すように、磁気インピーダンス素子
2の近傍にバイアス磁界コイル10を配置させ、磁気バ
イアスHB を印加させる形態とが可能である。
【0033】このとき、例えば図19(b)に示すよう
に、磁気インピーダンス素子2の下流側をバイアス磁界
コイル10として磁気インピーダンス素子2の側方に配
置させ、磁気インピーダンス素子2に対して磁気バイア
スHB をかける自己バイアス型と、図19(c)に示す
ように別の回路から構成されるバイアス磁界コイル10
を磁気インピーダンス素子2の側方に配置させ、磁気バ
イアスHB を印加させる直流バイアス型とがあり、いず
れかを選択することによって、磁気インピーダンス素子
2の動作点Aを決定することが可能である(図24参
照)。
【0034】このように構成された電流センサ1の動作
について説明する。図1(a)中、電流Iを左方向に通
電させた被検出電線Dに対して、磁気インピーダンス素
子2が一定距離をおいて接近される。このとき、被検出
電線Dの周囲には電流Iの値に応じた強さの磁界Hiが
生じている。そして磁気インピーダンス素子2は、被検
出電線Dの周囲に生じる磁界Hiの向きと磁気インピー
ダンス素子2の感度方向の向きとを一致させるように配
置させる。
【0035】磁気インピーダンス素子2は、駆動回路3
から供給された電流によって駆動され、磁界Hiの強さ
に応じた電圧eを発生する。電圧eは、検波回路8を介
して増幅回路4に入力されたあと演算部9に送られる。
演算部9は増幅回路4から入力された値に基づいて、前
記テーブル或いは演算関数を用いて被検出電線Dに通電
された電流Iの値を出力する。
【0036】このように、高感度、高速応答という特徴
を有する磁気インピーダンス素子2を用いたため、従来
のような磁気センサ(MR素子やホール素子など)のよ
うに周囲に磁気回路を構築することなく、微小電流まで
も安定かつ高速に検出することができる。また、この磁
気インピーダンス素子2は磁電変換作用のある素子であ
るため、被検出電線Dに通電される電流Iが直流電流で
あっても高感度に検出することができる。
【0037】また、磁気インピーダンス素子2の磁気に
対する周波数応答特性は、直流からMHz単位の周波数
領域まで応答可能となっており、高周波の交流電流も高
感度に検出することができる。そして、被検出電線Dに
通電される電流Iを非接触で検出することができるた
め、電流Iの検出作業は容易となり作業性を向上させる
ことができる。
【0038】以上説明した第1実施形態は、図8、図9
に示したような形態で実施することができる。図8にお
いて、電流センサ1は、非磁性体からなる匡体部11
と、この匡体部11内部に設けられた磁気インピーダン
ス素子2と、同じく匡体部11内部に固定された回路部
5とを備えている。
【0039】匡体部11は上下に2つ分割された部材1
1a、11bから構成されており、これらを突き合わせ
ることにより一体的になるように設けられている。ま
た、これらの部材11a、11bを突き合わせることに
より突き合わせ面に貫通孔である被検出電線保持部12
が形成されるように、それぞれの部材11a、11bに
は円弧部12a、12bが形成されている。被検出電線
保持部12は、保持されるべき被検出電線Dとほぼ同じ
径を有しており、被検出電線Dは匡体部11に安定して
保持されるようになっている。
【0040】匡体部11の外周部分には、被検出電線D
及び磁気インピーダンス素子2と演算部9に接続された
回路部5とを内包するように磁気シールド13が設けら
れており、匡体部11の上下の部材11a、11bを突
き合わせることにより、磁気インピーダンス素子2と回
路部5とに作用する外部からの外乱磁界を遮断するよう
になっている。
【0041】このように構成された電流センサ1におい
て、被検出電線Dに通電された電流Iの検出を行う場合
は、まず、分割された匡体部11のうち、どちらか片方
の部材11a(11b)の円弧部12a(12b)に被
検出電線Dを係合させる。そして、この部材にもう一方
の部材を当接させることにより、被検出電線Dは匡体部
11に保持されて、電流Iの検出が可能な状態とされ
る。
【0042】被検出電線Dの周囲に生じた磁界Hiは、
匡体部11内部を通って磁気インピーダンス素子2に検
出される。このとき匡体部11は非磁性体によって形成
されているため、磁界Hiは磁気インピーダンス素子2
に検出されるようになっている。また、被検出電線Dに
通電されている電流Iの方向に対して磁気インピーダン
ス素子2を垂直に配置したため、被検出電線Dの周囲に
発生する磁界Hiの向きと磁気インピーダンス素子2の
感度方向とは一致し、磁界Hiは安定して検出される。
【0043】このように、匡体部11内部に磁気インピ
ーダンス素子2及び回路部5を配置させたため、取扱い
は容易となり作業性は向上される。さらに、非検出電線
Dは、被検出電線保持部12によって固定された状態と
なるため、磁気インピーダンス素子2と被検出電線Dと
の距離は一定となり、電流Iの検出を安定して行うこと
ができる。
【0044】また、匡体部11の外周には、外乱磁界を
遮断するための磁気シールド13が設けられたため、被
検出電線Dから生じる磁界Hiの検出を正確に行うこと
ができ、安定した電流Iの検出を行うことができる。
【0045】なお、上述した形態は、図11に示すよう
なクリップ14の先端部分に適用可能である。すなわ
ち、図11においてクリップ14は、ヒンジ部14aの
作用によって開閉自在な先端部15を備えたものであ
り、磁気インピーダンス素子2及び回路部5はこの先端
部15に装填されることができる。このとき、被検出電
線Dに通電される電流Iの検出は、被検出電線Dを図1
1に示す被検出電線保持部12に保持させることによっ
て可能となっており、電流Iの検出は容易に行われる。
【0046】次に、本発明の第2実施形態について図2
を参照しながら説明する。図2において、電流センサ2
0は、複数の磁気インピーダンス素子2と、これら磁気
インピーダンス素子2を駆動させるための駆動回路(駆
動部)23を有した回路部25と、この回路部25から
の出力を受け取る演算部29とを備えている。そして、
それぞれの磁気インピーダンス素子2は、通電状態の被
検出電線Dの外周面と一定距離をおいた位置で、感度方
向と被検出電線Dに通電された電流Iの方向とを垂直に
させて配置されている。また、それぞれの磁気インピー
ダンス素子2は、感度方向をお互いに平行且つ同方向に
向くように配置されている。
【0047】また、被検出電線Dには、図2中、左方向
に電流Iが通電されており、その周囲には、この電流I
の値に応じた強さを有する磁界Hiが発生している。
【0048】図21に示すように、回路部25は、方形
波発振回路26及び微分回路27を備えた駆動回路23
を備えており、方形波発振回路26からの電流は、微分
回路27を介してそれぞれの磁気インピーダンス素子2
に並列に送られる。そして、これら複数の磁気インピー
ダンス素子2はこの駆動回路23によってそれぞれ駆動
されるようになっている。
【0049】それぞれの磁気インピーダンス素子2に発
生する電圧eは、それぞれの磁気インピーダンス素子2
に接続された検波回路28を介して信号和回路24に入
力される。信号和回路24は演算部29に接続されてお
り、信号和回路24で加算された出力信号は、演算部2
9に送られるようになっている。演算部29は、磁気イ
ンピーダンス素子2の数や、被検出電線Dに通電されて
いる電流Iに応じて発生する外部磁界Ho(この場合、
磁界Hi)とそれぞれの磁気インピーダンス素子2に発
生する電圧eとの関係を示すテーブル或いは演算関数が
あらかじめ記録されており、それぞれの磁気インピーダ
ンス素子2から発生する電圧eに基づいて、被検出電線
Dに通電された電流Iの値を出力するようになってい
る。
【0050】このように構成された電流センサ20の動
作について説明する。複数設けられた磁気インピーダン
ス素子2は、図2中、左方向に通電され周囲に磁界Hi
を発生している被検出電線Dの近傍に一定距離をおいて
配置される。このとき磁気インピーダンス素子2は、被
検出電線Dの周囲に生じる磁界Hiの向きと、それぞれ
の磁気インピーダンス素子2の感度方向の向きとを一致
させるように配置される。
【0051】それぞれの磁気インピーダンス素子2は、
磁界Hiの強さに応じた電圧eを発生させ、この電圧e
は検波回路28を介したあと信号和回路24に入力され
る。演算部29は信号和回路24からの出力に基づい
て、前記テーブル或いは演算関数を用いて被検出電線D
に通電された電流Iの値を出力する。
【0052】このように、複数の磁気インピーダンス素
子2は、それぞれの感度方向を平行にして設けられたた
め、それぞれの磁気インピーダンス素子2からの電圧e
の和を検出し演算することによって、演算部29は被検
出電線Dに通電された電流Iを検出することができる。
このとき、磁気インピーダンス素子2は複数設けられて
いるため、電流Iが微小電流であっても安定した検出を
行うことができ、高感度な電流センサ20を構築するこ
とができる。
【0053】なお、以上説明した第2実施形態は、図1
0に示したような形態で実施することができる。すなわ
ち、図10において、電流センサ20は、第1実施形態
同様、非磁性体からなる2つに分割された匡体部21
と、この匡体部21内部に設けられた磁気インピーダン
ス素子2と、同じく匡体部21内部に固定された回路部
25と、回路部25からの出力を受け取る演算部29と
を備えている。また、2つの部材を突き合わせることに
よって、貫通孔である被検出電線保持部12が形成され
るようになっている。
【0054】匡体部21の外周部分には、被検出電線D
及び磁気インピーダンス素子2と回路部25とを内包す
るように磁気シールド22が設けられており、磁気イン
ピーダンス素子2と回路部25とに作用する外部からの
外乱磁界を遮断するようになっている。
【0055】このように、匡体部21内部に複数の磁気
インピーダンス素子2及び回路部25を配置させたた
め、被検出電線Dに通電される電流Iは微小電流であっ
てもそれぞれの出力の和を求めることにより検出可能と
なる。また、電流Iの検出時における電流センサ20の
取扱いは容易となり、作業性は向上される。そして非検
出電線Dは磁気シールド22によって外乱磁界が遮断さ
れつつ被検出電線保持部12によって固定されることに
より、磁気インピーダンス素子2と被検出電線Dとの距
離は検出時において常に一定となり、電流Iの検出を安
定して行うことができる。
【0056】なお、第2実施形態においても、図11の
ようなクリップ14の先端部15に適用することがで
き、被検出電線Dを図11に示す被検出電線保持部12
に挟ませることによって、容易な動作で電流Iの検出が
可能となる。
【0057】次に、本発明の第3実施形態について図3
を参照しながら説明する。図3において、電流センサ3
0は、円環状に形成された磁気インピーダンス素子31
と、この磁気インピーダンス素子31を駆動させるため
の駆動回路(駆動部)を有した回路部35と、回路部3
5からの出力を受け取る演算部39とを備えている。
【0058】円環状に形成された磁気インピーダンス素
子31は、被検出電線Dの外周を囲むように配置され
る。そのため、被検出電線Dの周囲に生じる磁界Hiの
方向に沿うように磁気インピーダンス素子31の感度方
向が配置される。
【0059】この回路部35には、図20に示したよう
な回路を用いることができる。すなわち、回路部35
は、方形波発振回路6と微分回路7とを備えた駆動回路
3と、検波回路8と、増幅回路4とを備えており、磁気
インピーダンス素子2は微分回路7を介した方形波発振
回路6からの電流によって駆動されるようになってい
る。
【0060】磁気インピーダンス素子31に発生する電
圧eは、検波回路8を介して増幅回路4に入力されたあ
と演算部39に送られる。演算部39には、被検出電線
Dに通電されている電流Iに応じて発生する外部磁界H
o(この場合、磁界Hi)と、磁気インピーダンス素子
31に発生する電圧eとの関係を示すテーブル或いは演
算関数があらかじめ記録されており、演算部39は、磁
気インピーダンス素子31に発生する電圧eに基づい
て、被検出電線Dに通電された電流Iの値を出力するよ
うになっている。
【0061】このような電流センサ30において、被検
出電線Dに通電された電流Iの値を検出する場合、磁気
インピーダンス素子31は円環内部に被検出電線Dを挿
通させる。このとき、発生する磁界Hiの接線方向と磁
気インピーダンス素子31の感度方向とは常に一致した
ものである。
【0062】磁界Hiが印加された磁気インピーダンス
素子31には電圧eが発生する。電圧eは検波回路8、
増幅回路4を介して演算部39に入力され、演算部39
は前記テーブル或いは演算関数に基づいて被検出電線D
に通電された電流Iの値を出力する。
【0063】このように、磁気インピーダンス素子31
を円環状に形成し、被検出電線Dの周囲に巻回ように配
置させたことにより、磁界Hiの方向と磁気インピーダ
ンス素子31の感度方向とは常に一致され、高感度な電
流センサ30を構築することができる。
【0064】また、磁気インピーダンス素子31の円環
内部に被検出電線Dを配置した構成のため、例えば電流
Iの検出中に被検出電線Dが揺動したりして、磁気イン
ピーダンス素子31と被検出電線Dとの距離が変動した
場合でも、演算部39は回路部35からの信号を積分処
理することにより、距離の変動を補償した検出結果を出
力することができる。
【0065】上述した第3実施形態は、図12、図13
のような形態とすることが可能である。すなわち、図1
2において、電流センサ30は、非磁性体からなる匡体
部32と、この匡体部32内部に設けられた一巻き円環
状の磁気インピーダンス素子31と、同じく匡体部32
内部に固定され演算部39に接続した回路部35と、磁
気インピーダンス素子31の円環内部に設けられた貫通
孔である被検出電線保持部34とを備えており、被検出
電線Dは被検出電線保持部34に挿通されるようになっ
ている。また、匡体部32の外周部分に設けられた磁気
シールド36によって、磁気インピーダンス素子31と
回路部35とは外乱磁界を受けないようになっている。
【0066】あるいは、図13に示すように、電流セン
サ30は、2つの部材32a、32bに分割された匡体
部32と、それぞれの部材32a、32bに配置された
円弧状の磁気インピーダンス素子31a、31bとを備
えた構成とされてもよい。この場合、それぞれの部材3
2a、32bは、外周に断面コ字状の磁気シールド36
a、36bを配置させており、このうち片方の部材32
aは磁気インピーダンス素子31aに接続するとともに
演算部39に接続された回路部35を備えている。ま
た、それぞれの部材32a、32bの突き合わせ面に
は、各々の磁気インピーダンス素子31a、31bに接
続した電極部37a、37bが表面上に現れるように設
置されており、これらの部材32a、32bを合わせた
とき、電極部37aと電極部37bとが接続し導通され
るようになっている。また、各部材32a、32bを突
き合わせることによって被検出電線保持部34が形成さ
れる。被検出電線保持部34に保持された被検出電線D
に通電される電流Iの検出は、円環状の磁気インピーダ
ンス素子31によって高感度に行われるようになる。
【0067】次に、本発明の第4実施形態について図
4、図5を参照しながら説明する。図4において、電流
センサ40は、被検出電線Dを基準として対向配置され
た2つの磁気インピーダンス素子41、41と、これら
の磁気インピーダンス素子41を駆動させる駆動回路
(駆動部)を有した回路部42と、これらの磁気インピ
ーダンス素子41に発生する電圧eに基づいて被検出電
線Dに通電されている電流Iの値を求める演算部43と
を備えたものであり、被検出電線Dとそれぞれの磁気イ
ンピーダンス素子41、41との距離は等しくなるよう
に配置されている。
【0068】一方、図5に示す電流センサ50は、2つ
の磁気インピーダンス素子41、41を被検出電線Dを
基準として対向配置させたものであるが、被検出電線D
とそれぞれの磁気インピーダンス素子41との距離が異
なるように配置されたものである。
【0069】このような電流センサ40、50は図1
4、図15に示すような形態で実施される。すなわち、
図14において、電流センサ40は非磁性体からなる匡
体部44と演算部43とを備えており、この匡体部44
は第1部材44aと第2部材44bとから構成されてい
る。このうち第1部材44aは断面下向き凸状に形成さ
れたものであり、外周には断面コ字状の磁気シールド4
5aが設けられている。また凸状先端には円弧部46a
が切り欠かれている。一方、第2部材44bは断面凹状
に形成されたものであり、凹部内部には円弧部46bが
切り欠かれているとともに、外周には磁気シールド45
bが設けられている。この第2部材44bは、凹部下方
中央部に配された回路部42と、この回路部42に接続
され円弧部46bを基準として対向するように等間隔に
配置された2つの磁気インピーダンス素子41とを固定
させている。
【0070】第1部材44aの凸部と第2部材44bの
凹部とは係合されるようになっており、これらを組み合
わせることによってそれぞれに形成された円弧部46
a、46bが合わせられ、被検出電線保持部46が形成
されるようになっている。この被検出電線保持部46
は、保持されるべき被検出電線Dの径とほぼ同径に形成
されており、匡体部44内部において、被検出電線Dは
それぞれの磁気インピーダンス素子41と等間隔になる
ように保持される。
【0071】このため被検出電線Dに通電される電流I
は、被検出電線Dとそれぞれの磁気インピーダンス素子
41との距離を変化することなく、安定して検出され
る。
【0072】一方、図15に示す電流センサ50は、非
磁性体からなる匡体部47を備えており、この匡体部4
7は、第1部材47aと第2部材47bとに分割される
構成となっている。このうち第1部材47aは断面下向
き凸状に形成されており、この凸部には大径の円弧部4
8aが切り込まれている。一方、第2部材47bは断面
凹状に形成されており、凹部内部には大径の円弧部48
bが切り込まれている。
【0073】第2部材47bの中央部には演算部43と
接続した回路部42が配置されているとともに、この回
路部42接続した複数の磁気インピーダンス素子41が
左右対称に配置されている。また、それぞれ第1、第2
部材47a、47bの外周には、磁気シールド49a、
49bが設けられている。そして、第1部材47aの凸
部と第2部材47bの凹部とを係合させることにより、
それぞれの円弧部48a、48bが合わせられて被検出
電線保持部48が形成される。形成された被検出電線保
持部48は大径であるため、大径の被検出電線Dを保持
することができる。
【0074】4つの設けられた磁気インピーダンス素子
41は、被検出電線保持部48を基準にして対向するよ
うに配置されている。
【0075】演算部43は、被検出電線Dとそれぞれの
磁気インピーダンス素子41との距離の変動による検出
誤差を補正する機能を備えている。そのため被検出電線
保持部48内部において被検出電線Dが揺動し、磁気イ
ンピーダンス素子41との距離を変動させた場合でも、
演算部43は誤差の少ない検出結果を出力するようにな
っている。
【0076】このように、磁気インピーダンス素子41
を複数配置させたことにより、被検出電線Dに通電され
る電流Iが微小なものであっても、電流Iの検出は安定
して行われる。また、磁気インピーダンス素子41は被
検出電線Dを基準として対向されているため、磁気イン
ピーダンス素子41と被検出電線Dとの間の距離が変動
した場合でも、演算部43はそれぞれの磁気インピーダ
ンス素子41からの出力を演算処理することにより距離
変動による検出誤差の補正を行うようになっているた
め、安定した検出結果を導き出すことができる。
【0077】また、被検出電線Dと磁気インピーダンス
素子41との距離の変動による誤差は補正されるため、
大径な被検出電線保持部48を備えた電流センサ50
は、小径な被検出電線Dに通電される電流Iを安定して
検出することができる。すなわち、小径な被検出電線D
は、大径な被検出電線保持部48内部で揺動状態となる
が、演算部43によって磁気インピーダンス素子41と
の距離の変動を補正することにより、電流Iは安定して
検出される。このように、被検出電線Dの径が多岐にわ
たっても、一つの電流センサ50で対応することができ
る。
【0078】ところで、磁気インピーダンス素子を、被
検出電線Dを基準として対向させるとともにそれぞれの
感度方向を平行に配置させることにより、被検出電線D
及びこれら磁気インピーダンス素子に作用される一様な
外乱磁界Hexを相殺させた検出結果が得られる。この
ことを図6、図7を用いて説明する。
【0079】図6に示すように、被検出電線Dを基準と
して対向するように配置させた磁気インピーダンス素子
51a、51bは、それぞれの感度方向を平行且つ逆方
向にさせて配置されている。
【0080】一方、通電状態の被検出電線Dの周囲には
磁界Hiが、図6中、反時計方向に発生しているととも
に、それぞれの磁気インピーダンス素子51a、51b
には磁界Hiが印加されている。このとき、それぞれの
磁気インピーダンス素子51a、51bは、磁界Hiの
接線方向に沿って配置されているため、磁界Hiが検出
される。
【0081】磁気インピーダンス素子51a、51bに
は一様な外乱磁界Hexが、図6中、左側から作用して
いる。このとき、磁気インピーダンス素子51aの感度
方向は左側、磁気インピーダンス素子51bの感度方向
は右側に向けて配されているので、外乱磁界Hexは、
磁気インピーダンス素子51aに対しては負方向に、磁
気インピーダンス素子51bに対しては正方向に作用す
る。すなわち、磁気インピーダンス素子51aに作用す
る磁界Haは、 Ha=Hi−Hex (1) であり、磁気インピーダンス素子51bに作用する磁界
Hbは、 Hb=Hi+Hex (2) である。したがって、これら磁気インピーダンス素子5
1a、51bの出力を加算した磁界Habは、 Hab=Ha+Hb=2Hi (3) となり、外乱磁界Hexを相殺させた磁界Habに基づ
く電圧eが、回路部42を介して演算部43に入力され
る。
【0082】一方、図7に示すように、磁気インピーダ
ンス素子52a、52bのそれぞれの感度方向を平行且
つ同方向に配置させた場合においては、磁気インピーダ
ンス素子52aに作用する磁界Haは、被検出電線Dか
ら発生し正方向に作用する磁界Hiと、負方向に作用す
る一様な外乱磁界Hexとの和であって、 Ha=Hi−Hex (4) である。また、磁気インピーダンス素子52bに作用す
る磁界は、被検出電線Dから発生し負方向に作用する磁
界Hiと、負方向に作用する一様な外乱磁界Hexとの
和であって、 Hb=−Hi−Hex (5) である。したがって、これら磁気インピーダンス素子5
2a、52bの出力を減算した磁界Habは、 Hab=Ha−Hb=2Hi (6) となり、外乱磁界Hexを相殺させた磁界Habに基づ
く電圧eが、回路部42を介して演算部43に入力され
る。
【0083】このような構成を持つ電流センサ40、5
0としては、図14に示したような形態が可能であると
ともに、図16、図17、図18に示す形態とすること
が可能である。 すなわち、図16において、ガイド部
60に支持された被検出電線Dの両側には磁気インピー
ダンス素子52a、52bが対向して配置されていると
ともに、それぞれの感度方向を平行且つ同方向にして基
盤61上面に設置されている。
【0084】ガイド部60は、図18に示すようにV字
溝を有したものであり、被検出電線Dは、このV字溝に
保持されるようになっている。このとき、ガイド部60
の設置位置やV字溝の深さなどを調節することによっ
て、被検出電線Dは、図17に示すように、高さaを有
したそれぞれの磁気インピーダンス素子52a、52b
の中間において最適な位置に配設される。そして被検出
電線Dには一様な外乱磁界Hexが作用している。
【0085】また、基盤61上には、磁気インピーダン
ス素子52a、52bを駆動させるための駆動回路(駆
動部)62及び磁気インピーダンス素子52a、52b
からの電圧eを入力させる増幅回路63を備えた回路部
64が設けられているとともに、回路部64の信号は演
算部69に出力されるようになっている。
【0086】回路部64は、図22に示すように、発振
回路65を備え磁気インピーダンス素子52a、52b
に駆動電流を通電させるための駆動回路62と、それぞ
れの磁気インピーダンス素子52a、52bからの出力
を受ける整流回路67と、この整流回路67に接続され
た増幅回路63とを備えており、増幅回路63の出力は
演算部69に入力される。
【0087】それぞれの磁気インピーダンス素子52
a、52bの側方にはバイアス磁界コイル70a、70
bが配置されており、自身に磁気バイアスHB が印加さ
れる構成となっている。磁気インピーダンス素子52
a、52bは、磁気バイアスHBによって動作点を決ら
れて駆動されるようになっている。そして、増幅回路6
3は、それぞれの磁気インピーダンス素子52a、52
bからの出力を受けるとともに、この差を求めて外乱磁
界Hexに基づく成分を相殺させる。外乱磁界Hex成
分が除かれた増幅回路63からの信号は演算部69に送
られ、演算部69からは被検出電線Dの電流Iの値が出
力される。
【0088】一方、磁気インピーダンス素子51a、5
1bのそれぞれの感度方向を逆方向に配置させた場合
は、それぞれの磁気インピーダンス素子51a、51b
からの出力の和を求めることにより、外乱磁界Hex成
分は相殺される。すなわち、図23に示すように、バイ
アス磁界コイル70a、70bによって動作点が決定さ
れる磁気インピーダンス素子51a、51bは、発振回
路65を有する駆動回路62から出力された電流によっ
て駆動され、磁界Hiに応じた電圧eを発生させる。そ
れぞれの電圧eを整流回路67を介して信号和回路71
に入力することにより外乱磁界Hex成分は相殺され
る。そして信号和回路71からの出力を演算部69に送
ることにより、演算部69は被検出電線Dの電流Iの値
を出力する。
【0089】このように、磁気インピーダンス素子51
a、51b(52a、52b)は、感度方向を互いに正
あるいは逆方向にして平行に配置させたことにより、例
えば一様な外乱磁界Hexが作用された場合でも、それ
ぞれの磁気インピーダンス素子51a、51b(52
a、52b)には同様な外乱磁界Hexが作用するた
め、それぞれの出力の和(あるいは差)を求めることに
より、演算部69は外乱磁界Hex成分を除いた検出結
果を導き出すことができる。
【0090】そのため、例えば磁気シールドなどの磁気
遮断手段を設ける必要性は最小限に抑えられ、簡単な構
成で、高感度且つ正確な検出を行うことができる電流セ
ンサが構築される。
【0091】以上のように、通電された被検出電線Dの
周囲に発生する磁界Hiの検出部として、高感度で高速
応答性を有する磁気インピーダンス素子を採用したこと
により、簡易な構成で高感度な電流センサを構築するこ
とができる。
【0092】
【発明の効果】本発明の電流センサは、以下のような効
果を有するものである。
【0093】請求項1に記載の発明によれば、通電され
ることによって周囲に磁界を生じさせる被検出電線の外
周に磁気インピーダンス素子を配置させることにより、
この磁気インピーダンス素子は、被検出電線の電流値に
応じた磁界を検出するとともにこの磁界の強さに応じた
電圧を発生させる。磁気インピーダンス素子から発生し
た出力電圧は演算部に送られるようになっており、この
演算部にはあらかじめ、磁気インピーダンス素子から発
生する出力電圧と被検出電線の電流値との関係が与えら
れているため、被検出電線の電流値はこの演算部から出
力される。このように、被検出電線に通電された電流
は、磁気インピーダンス素子によって非接触で容易に検
出することができる。また、磁気インピーダンス素子は
磁電変換作用のある素子であるため直流電流を検出する
ことができるとともに、磁気高感度素子であるため、例
えば磁気インピーダンス素子周囲に磁気回路を構築する
ことなく、微小電流を検出することができる。
【0094】請求項2に記載の発明によれば、磁気イン
ピーダンス素子を複数設けたため、それぞれの磁気イン
ピーダンス素子からの出力を加算することによってさら
なる微小電流の検出が可能となり、高感度な電流センサ
を構築することができる。
【0095】請求項3に記載の発明によれば、磁気イン
ピーダンス素子を、被検出電線の外周を囲むように円環
状に形成させたことにより、磁気インピーダンス素子の
感度方向と被検出電線の周囲に生じる磁界の方向とを一
致させることができ、安定した電流検出を行うことがで
きる。
【0096】請求項4に記載の発明によれば、磁気イン
ピーダンス素子を被検出電線を基準として対向させたこ
とにより、磁気インピーダンス素子と被検出電線との間
の距離が変化した場合でも、それぞれの磁気インピーダ
ンス素子からの出力を演算部で処理することにより、距
離の変化による検出誤差の補正をすることができる。
【0097】請求項5に記載の発明によれば、例えば一
様な外乱磁界が作用された場合でも、それぞれの磁気イ
ンピーダンス素子には同様な外乱磁界が作用されるた
め、それぞれの磁気インピーダンス素子からの出力を演
算部によって処理することにより外乱磁界成分を相殺す
ることができる。そのため、被検出電線の電流を正確に
検出することができる。
【0098】請求項6に記載の発明によれば、非磁性体
からなる匡体部内部に磁気インピーダンス素子を配置さ
せるとともに、この匡体部の一部に被検出電線を保持す
るための被検出電線保持部を設けたため、被検出電線か
ら生じる磁界は、匡体部を伝わって磁気インピーダンス
素子に検出される。また、この匡体部の外周に外乱磁界
を遮断するための磁気シールドを設けたため、被検出電
線から生じる磁界の検出は正確に行われ、被検出電線の
電流値の検出を安定して実現することができる。さら
に、磁気インピーダンス素子は匡体部内部に固定された
ため、取扱いが容易となり、作業性は向上される。
【0099】請求項7に記載の発明によれば、非磁性体
からなる匡体部内部に複数の磁気インピーダンス素子を
配置させるとともに、この匡体部の一部に設けられた被
検出電線保持部に被検出電線を保持させるようにしたた
め、被検出電線から生じる磁界は匡体部を伝わって複数
の磁気インピーダンス素子に検出される。そのため、被
検出電線に通電される電流が微小なものであっても、演
算部によってそれぞれの磁気インピーダンス素子からの
出力の和を求めることにより、微小電流を確実に検出す
ることができ、したがって高感度な電流センサを構築す
ることができる。また、この匡体部の外周に外乱磁界を
遮断するための磁気シールドを設けたため、被検出電線
から生じる磁界の検出を正確に行うことができ、安定し
た電流値の観測を行うことができる。さらに、匡体部内
部に磁気インピーダンス素子を固定させたため、取扱い
が容易となり、作業性を向上させることができる。
【0100】請求項8に記載の発明によれば、非磁性体
からなる匡体部内部に円環状の磁気インピーダンス素子
を配置させるとともに、この磁気インピーダンス素子の
円環内部に被検出電線を保持するための被検出電線保持
部を設けたため、磁気インピーダンス素子の感度方向と
被検出電線の周囲に生じる磁界の方向とを一致させるこ
とができ、安定した電流検出を行うことができる。ま
た、この匡体部の外周に外乱磁界を遮断するための磁気
シールドを設けたため、被検出電線から生じる磁界の検
出は正確に行われ、被検出電線の電流値の検出を安定し
て実現することができる。さらに、磁気インピーダンス
素子は匡体部内部に固定されたため、取扱いが容易とな
り作業性は向上される。
【0101】請求項9に記載の発明によれば、ガイド部
に被検出電線を支持させることによって、被検出電線は
対向配置された磁気インピーダンス素子の中間部に安定
して配設される。このため、被検出電線の電流検出は安
定して行われるとともに、作業性は向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電流センサにおける実施形態の一例を
示す模式図である。
【図2】本発明の電流センサにおける実施形態の一例を
示す模式図である。
【図3】本発明の電流センサにおける実施形態の一例を
示す模式図である。
【図4】本発明の電流センサにおける実施形態の一例を
示す模式図である。
【図5】被検出電線と磁気インピーダンス素子との距離
が変化した場合を説明する図である。
【図6】外乱磁界が作用された状態を説明する図であ
る。
【図7】外乱磁界が作用された状態を説明する図であ
る。
【図8】本発明の電流センサにおける実施形態の一例を
説明するための断面図である。
【図9】図8の斜視図である。
【図10】本発明の電流センサにおける実施形態の一例
を説明するための斜視図である。
【図11】電流センサがクリップに装着された状態を説
明する図である。
【図12】本発明の電流センサにおける実施形態の一例
を説明するための断面図である。
【図13】本発明の電流センサにおける実施形態の一例
を説明するための断面図である。
【図14】本発明の電流センサにおける実施形態の一例
を説明するための断面図である。
【図15】本発明の電流センサにおける実施形態の一例
を説明するための断面図である。
【図16】本発明の電流センサにおける実施形態の一例
を説明するための平面図である。
【図17】図16の側面図である。
【図18】ガイド部を説明する図である。
【図19】磁気インピーダンス素子に磁気バイアスが印
加される状態を説明する図である。
【図20】回路構成の一例を説明する図である。
【図21】回路構成の一例を説明する図である。
【図22】回路構成の一例を説明する図である。
【図23】回路構成の一例を説明する図である。
【図24】磁気インピーダンス素子の特性を説明する図
である。
【符号の説明】
1、20、30、40、50 電流センサ 3、23、62 駆動回路(駆動部) 9、29、39、43、69 演算部 11、21、32、44、47 匡体部 12、34、46、48 被検出電線保持部 13、22、36a、36b 磁気シールド 45a、45b、49a、49b 磁気シールド 60 ガイド部 Hi 磁界 Hex 外乱磁界 D 被検出電線 I 電流

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電された被検出電線の外周に近接配置
    されるとともに、前記被検出電線の周囲に生じる磁界の
    強さに応じて電圧を発生する磁気インピーダンス素子
    と、 前記磁気インピーダンス素子に電流を供給してこの磁気
    インピーダンス素子を駆動させる駆動部と、 前記磁気インピーダンス素子に発生する電圧に基づい
    て、前記被検出電線に通電された電流値を求める演算部
    とを備えていることを特徴とする電流センサ。
  2. 【請求項2】 通電された被検出電線の外周に各々近接
    配置されるとともに、前記被検出電線の周囲に生じる磁
    界の強さに応じて電圧を発生する複数の磁気インピーダ
    ンス素子と、 前記複数の磁気インピーダンス素子に電流を供給してこ
    れらの磁気インピーダンス素子を駆動させる駆動部と、 前記複数の磁気インピーダンス素子に発生する電圧に基
    づいて、前記被検出電線に通電された電流値を求める演
    算部とを備えていることを特徴とする電流センサ。
  3. 【請求項3】 通電された被検出電線の外周を囲むよう
    に円環状に形成されるとともに、前記被検出電線の周囲
    に生じる磁界の強さに応じて電圧を発生する磁気インピ
    ーダンス素子と、 前記磁気インピーダンス素子に電流を供給してこの磁気
    インピーダンス素子を駆動させる駆動部と、 前記磁気インピーダンス素子に発生する電圧に基づい
    て、前記被検出電線に通電された電流値を求める演算部
    とを備えていることを特徴とする電流センサ。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の電流センサであって、 前記複数の磁気インピーダンス素子は、前記被検出電線
    を基準に対向配置されていることを特徴とする電流セン
    サ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の電流センサであって、 対向されたそれぞれの磁気インピーダンス素子は、感度
    方向を平行にして配置されていることを特徴とする電流
    センサ。
  6. 【請求項6】 通電された被検出電線の外周に近接配置
    されるとともに、前記被検出電線の周囲に生じる磁界の
    強さに応じて電圧を発生する磁気インピーダンス素子
    と、 前記磁気インピーダンス素子に電流を供給してこの磁気
    インピーダンス素子を駆動させる駆動部と、 前記磁気インピーダンス素子に発生する電圧に基づい
    て、前記被検出電線に通電された電流値を求める演算部
    とを備え、 前記磁気インピーダンス素子を内部に固定するための、
    非磁性体からなる匡体部と、 前記匡体部の一部に設けられ、前記被検出電線を保持す
    るための被検出電線保持部と、 前記匡体部の外周に設けられ、前記磁気インピーダンス
    素子に作用する、前記被検出電線による磁界以外の磁気
    を遮断するための磁気シールドとを具備することを特徴
    とする電流センサ。
  7. 【請求項7】 通電された被検出電線の外周に各々近接
    配置されるとともに、前記被検出電線の周囲に生じる磁
    界の強さに応じて電圧を発生する複数の磁気インピーダ
    ンス素子と、 前記複数の磁気インピーダンス素子に電流を供給してこ
    れらの磁気インピーダンス素子を駆動させる駆動部と、 前記複数の磁気インピーダンス素子に発生する電圧に基
    づいて、前記被検出電線に通電された電流値を求める演
    算部とを備え、 前記複数の磁気インピーダンス素子を内部に固定するた
    めの、非磁性体からなる匡体部と、 前記匡体部の一部に設けられ、前記被検出電線を保持す
    るための被検出電線保持部と、 前記匡体部の外周に設けられ、前記複数の磁気インピー
    ダンス素子に作用する、前記被検出電線による磁界以外
    の磁気を遮断するための磁気シールドとを具備すること
    を特徴とする電流センサ。
  8. 【請求項8】 通電された被検出電線の外周を囲むよう
    に円環状に形成されるとともに、前記被検出電線の周囲
    に生じる磁界の強さに応じて電圧を発生する磁気インピ
    ーダンス素子と、 前記磁気インピーダンス素子に電流を供給してこの磁気
    インピーダンス素子を駆動させる駆動部と、 前記磁気インピーダンス素子に発生する電圧に基づい
    て、前記被検出電線に通電された電流値を求める演算部
    とを備え、 前記磁気インピーダンス素子を内部に固定するための、
    非磁性体からなる匡体部と、 前記磁気インピーダンス素子の円環内部に設けられ、前
    記被検出電線を保持するための被検出電線保持部と、 前記匡体部の外周に設けられ、前記磁気インピーダンス
    素子に作用する前記被検出電線による磁界以外の磁気を
    遮断するための磁気シールドとを具備することを特徴と
    する電流センサ。
  9. 【請求項9】 通電された被検出電線を基準に対向配置
    されるとともに、前記被検出電線の周囲に生じる磁界の
    強さに応じて電圧を発生する複数の磁気インピーダンス
    素子と、 前記複数の磁気インピーダンス素子に電流を供給してこ
    れらの磁気インピーダンス素子を駆動させる駆動部と、 前記複数の磁気インピーダンス素子に発生する電圧に基
    づいて、前記被検出電線に通電された電流値を求める演
    算部と、 前記被検出電線を案内するためのガイド部とを備え、 前記被検出電線は前記ガイド部によって、前記対向配置
    された磁気インピーダンス素子の中間部に案内されるこ
    とを特徴とする電流センサ。
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