JP2020165716A - 勾配磁界センサ - Google Patents

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一郎 笹田
雅夫 中島
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雅夫 中島
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Abstract

【課題】センサヘッドと直交する方向に着磁された磁力成分を有する異物をセンサヘッドを形成する磁気コアの全長に亘り不感帯を生じさせない勾配磁界センサを提供する。【解決手段】U字状に形成され、励磁用の交流電流VEX及び直流電流Eが通電される第1の磁気コア10のU字状の基端側半分部分に巻回される第1の検出コイル11を配設形成される第1センサヘッド1と、U字状に形成され、且つ、第1の磁気コア10に通電される励磁用の交流電流VEX及び直流電流Eと共通の電流が通電され、第1の磁気コア10に対向して平行に配設される第2の磁気コア20の先端側の半分部分に、第1の検出コイル11と回転対称の位置で差動磁気結合する第2の検出コイル21が配設された第2センサヘッド2と、第1及び第2の各センサヘッド1,2から出力される検出電圧に基づいて、勾配磁界を出力するフラックスゲートセンサ回路3と電源部4とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は一様磁界に対して不感で着磁された検出対象物の通過を検出する磁界センサに関し、特にセンサヘッドと直交する方向に着磁された磁力成分を有する異物をセンサヘッドを形成する磁気コアの全長に亘り不感帯を生じさせない勾配磁界センサに関する。
従来、この種の勾配磁界センサは、グラディオメータとして知られ、空間中の2地点での磁界の強さの差に反応して出力を生じるものである。これによって磁性を有する検出対象物による磁界の強さの差に反応して検出できることとなる。この検出に際して、前記検出対象物を励磁して一様に分布する磁界中を通過させ、この磁界中に局所的な磁束密度の乱れを生じさせてこの磁界の乱れを検出するようにしている。
この従来の勾配磁界センサとして、特許文献1ないし3及び非特許文献1が存在する。
この特許文献1に記載の勾配磁界センサは、励磁用の交流電流及びバイアス直流電流を供給する電源部11と、磁気コア1と、磁気コアに通電されるバイアス直流電流を調整可能な第1調整部と、磁気コア2に並列に接続され、磁気コアに通電される前記バイアス直流電流を調整可能な第2調整部と、磁気コアに巻回される検出コイルと、磁気コア及び検出コイルからなるセンサヘッドが外部からの一様磁界に対して出力する検出信号を打ち消すように、磁気コアに巻回され、検出コイル12と直列接続される検出コイル11及び検出コイル12が出力する検出電圧に基づいて、局所磁界を出力するセンサ回路とを備える構成である。
特に、前記各磁気コアに巻回される各検出コイルは、各磁気コアの全長に亘って各々巻回される構成である。
また、前記特許文献2,3及び非特許文献1のいずれの検出コイルも、前記特許文献1と同様に、磁気コアの全長に亘って各々巻回された構成が開示されている。
このように各々構成される勾配磁界センサは、一様な外部から磁界、地磁気に影響を受けることなく、磁気微粒子等が誘発する微小な磁界を検出できることとなる。
特開2019−2688 特開2017−215256 国際公開第2015/060344号公報
Ichiro Sasada, Shoumu Harada, "Fundamental Mode Orthogonal Fluxgate Gradiometer", IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS, VOL. 50, NO.11, NOV 2014
しかしながら、前記従来の各勾配磁界センサは、いずれも一対の各磁気コア全長に亘って各検出コイルを巻回し、磁気コアと検出コイルからなる一対のセンサヘッドを線対象に配設していたことから、各々の検出コイルにて生じる各不感帯における勾配磁界を検出できないという課題を有していた。
即ち、前記検出コイルにて生じる不感帯は、直線状の磁性体で形成される磁気コアに対してこの磁性体に直交する方向に励磁された磁気微粒子の検出対象物が近接通過した場合には、前記検出コイルの中間位置で発生する。この不感帯発生について、シュミレーション結果を示す図5及び図6に基づいて説明する。
まず、本シュミレーション動作を実行するに当って、磁気コアの長さを30mmとし、磁気微粒子(直径50μm)の異物が磁気コア(直径10μm)の直下2mmの距離で離隔しており、異物の磁化の向きが磁気コアと異物を結ぶ直線に平行(磁気コアの長手方向に対して直交)しているものとする。
センサヘッドは一対の磁気コアで構成されており、異物が2つの磁気コアに対して離隔距離を保ちながら磁気コアの長さ方向に対して直角に通過することとなる。この磁気コア間の距離をd[m]、異物の速度をv[m/s]とすると、異物が一方の磁気コアの直下を通過して他方の磁気コアの直下を通過するのに要する時間Δtは、Δt=d/v[s]であり、異物の磁束がコアに鎖交することによってセンサヘッドに出力を生じる(この間における出力演算過程の詳細については省略する)。このセンサヘッドは1対の磁気コアから形成されるので、一般に出力は2峰性(正の電圧ピークと負の電圧ピークが時差Δtで合成された形)をとる。
図5は、磁気微粒子である異物が先端の直下にある場合から末端の直下にある場合まで、場所を5mm間隔でずらして計算したコア内磁束密度分布を表している。磁気コアに巻回されている検出コイルに鎖交する磁束は曲線とコイル長に対応する横軸の区間で挟まれた面積から計算できることとなる。この磁気コア全体に磁気コイルが巻回されている場合は、全区間0−30mmに亘って面積計算し、この計算結果を図5に示す。横軸は異物が通過する場所を磁気コアの先端からmm単位で計ったものである。この図5の磁束密度分布は磁気コアの直下を通過しているときの磁束密度分布であり、磁気コアの直下から遠ざかると磁束密度分布は全領域で0になる。
また、異物が磁気コアの先端付近を通過するときと基端付近を通過するときでは磁束密度の極性が反転する。この理由は、先端付近にあるときは異物からの磁束は磁気コア内を先端方向から末端方向に通過するのに対し、末端付近にあるときは、末端方向から先端方向へ通過するので方向が逆転するからである。正の値から負の値に連続的に変化する場合は、その途中で必ず0が出現するように、磁気コアの全長に亘って磁束を計算すれば磁束密度分布が丁度正と負の領域が等しく現れその積分が0になる点が現れる。
図6(A)は、磁気コアの全体に巻回された検出コイルに鎖交する磁束の量、横軸は先端からの距離、一方の磁気コイルに鎖交する磁束が実線、他方の検出コイルに鎖交する磁束が鎖線で示している。これらの各検出コイルを各々差動結合した場合には、実線で示した鎖交磁束が現れΔt後に鎖線で示した鎖交磁束が現れる。
これらの各検出コイルが磁気コアの全長に亘って全体に巻回されている場合は、図3の鎖交磁束が発生しそれに対応した電圧が生じる。センサヘッドは2つの磁気コアからなるので、Δt後にはもう1つのコイルにも全く同じ鎖交磁束を与えられる。ここで、一方の磁気コアの検出コイルと他の磁気コアの検出コイルは差動結合されているので、磁気コアで正のピーク電圧を発生すれば磁気コアでは負のピーク電圧を生じる。電圧波形を時間軸で見れば(オシロスコープで観測する波形が時間軸で観測した波形)定性的には図6(B)のようになり、2つのピークが生起する時間差はΔtとなる。
特に、前記図5から導き出せるもう1つの重要な点は、異物が先端から15mmの付近を通過すると、一方の磁気コアの検出コイルにも他方の磁気コアの検出コイルにも磁気反応がなくなる。一般的に言えば、検出コイルが磁気コア全体に施され得る場合、検出コイルが磁気コアに一様に巻回された中間点は、磁気反応がなくなるという盲点になることであり、技術的にはその周辺でも異物信号をとらえることが困難になる。このように、検出コイルを磁気コアの全長に亘って全体に一様に施している場合には必ず不感帯がその中心付近に現れることとなる。
本発明は前記課題を解消するためになされたものであり、センサヘッドと直交する方向に着磁された磁力成分を有する異物をセンサヘッドを形成する磁気コアの全長に亘り不感帯を生じさせない勾配磁界センサを提供することを目的とする。
本発明に係る勾配磁界センサは、直線形状を含む磁性体で形成され、且つ当該磁性体に励磁用の交流電流及び直流電流が通電される第1の磁気コアに、前記磁性体における直線形状の一部に磁気結合する第1の検出コイルを配設して形成される第1センサヘッドと、直線形状を含む磁性体で形成され、且つ当該磁性体に前記第1の磁気コアに通電される励磁用の交流電流及び直流電流と共通の電流が通電され、前記第1の磁気コアに対向して平行に配設される第2の磁気コアに、前記磁性体における直線形状の一部であって前記第1の検出コイルとは回転対称位置に差動結合で磁気結合する第2の検出コイルを配設して形成される第2センサヘッドと、前記第1及び第2の各センサヘッドから出力される検出電圧に基づいて、勾配電界を出力するセンサ回路とを備えるものである。
このように本発明においては、第1のセンサヘッドの第1の検出コイルと第2のセンサヘッドの第2の検出コイルとが回転対称位置に差動結合で配設され、これらの第1及び第2の各センサヘッドからの検出電圧に基づいてセンサ回路が第1及び第2のセンサヘッドを形成する各第1及び第2の各コア間に生じる勾配磁界を検出するように構成したことから、第1及び第2の各コアに励磁用の交流電流及び直流電流を共通して通電して検出(測定)領域に一様に存在する磁界を不感状態とし、且つ第1及び第2の各検出コイルの配設範囲で生じる各不感帯を相互に補完できることとなり、検出領域の不感帯で生じる検出漏れを防止してより正確な勾配磁界の検出ができるという効果を奏する。
本発明に係る勾配磁界センサは必要に応じて、勾配磁界センサにおいて、第1センサヘッド及び第2センサヘッドの各第1及び第2の各検出コイルが、第1の磁気コア及び第2の磁気コアの各端部に配設されるように構成したことから、第1及び第2の各センサヘッドの第1及び第2の検出コイルの各中間部分に生じる不感帯を第1及び第2の各コアの外側にシフトさせることにより、この不感帯を相互に補完する第1及び第2のセンサヘッドの検出範囲をより広くできるという効果を有する。
本発明に係る勾配磁界センサは必要に応じて、勾配磁界センサにおいて、第1センサヘッド及び第2センサヘッドの各第1及び第2の各検出コイルが、第1の磁気コア及び第2の磁気コアの各端部から他の各端部に向かってコイルの巻回数を減じて形成するものである。
このように本発明においては、勾配磁界センサにおいて、第1センサヘッド及び第2センサヘッドの各第1及び第2の各検出コイルが、第1の磁気コア及び第2の磁気コアの各端部から他の各端部に向かってコイルの巻回数を減じて形成するように構成したことから、第1及び第2の各センサヘッドの第1及び第2の検出コイルにより生じる各磁界強度を第1及び第2の各コアの外側をよりシフトさせることにより、この不感帯を相互に補完する第1及び第2のセンサヘッドの検出範囲をより広くできるという効果を有する。
本発明に係る勾配磁界センサは必要に応じて、勾配磁界センサにおいて、第1の検出コイルに対向する対応部分の第2の磁気コアに、第1の検出コイルの不感帯位置で差動結合される第3及び第4のコイルと、前記第2の検出コイルに対向する対応部分の第1の磁気コアに、前記第2の検出コイルの不感帯位置で差動結合される第5及び第6のコイルとを備え、前記第3、第4及び第5、第6の各コイルを直列接続して補助コイルを形成し、この補助コイルの補助検出電圧に基づいて補助出力を出力する補助センサ回路を備えるものである。
このように本発明においては、第1及び第2の検出コイルが磁気結合する部分以外の第1及び第2の各磁気コアの部分に第3、第4及び第5、第6の各コイルを配設してこれらを直接続して補助コイルを形成し、この補助コイルの補助検出電圧に基づいて補助センサ回路が補助出力を出力するようにしているので、前記第1及び第2の各センサヘッドの検出電圧に基づいてセンサ回路が出力する勾配磁界に補助出力を加えて判断できることとなり、より高精度に勾配磁界の検出が可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る勾配磁界センサの全体回路ブロック図である。 図1に記載の実施形態に係る勾配磁界センサの動作説明図で、同図(A)は各磁気コアに対応する検出コイルからの出力態様図、同図(B)、(C)は磁気コア先端から2mm付近を通過する場合の出力波形図及び他の出力波形図である。 本発明の第2の実施形態に係る勾配磁界センサの全体回路ブロック図である。 本発明のその他の実施形態に係る勾配磁界センサの各種センサヘッドの概略構成図である。 従来の勾配磁界センサによって生じる不感帯を説明するための磁気コア内における磁束密度分布特性図である。 従来の勾配磁界センサの特性図で、同図(A)は勾配磁界センサの鎖交磁束特性図、同図(B)は磁気コア先端から2mm付近を通過する場合のオシロスコープ出力波形図である。
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る勾配磁界センサを図1及び図2に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る勾配磁界センサは、U字状に二つ折りにされた線状の磁性体で形成され、且つこの磁性体に励磁用の交流電流VEX及び直流電流Eが通電される第1の磁気コア10に、このU字状の磁性体における基端側の半分部分に巻回されて磁気結合する第1の検出コイル11を配設して形成される第1センサヘッド1と、二つ折りにされた線状の磁性体で形成され、且つこの磁性体に前記第1の磁気コア10に通電される励磁用の交流電流VEX及び直流電流Eと共通の電流が通電され、前記第1の磁気コア10に対向して平行に配設される第2の磁気コア20に、前記磁性体における先端側の半分部分であって前記第1の検出コイル11とは回転対称位置に差動結合で磁気結合する第2の検出コイル20を配設して形成される第2センサヘッド2と、前記第1及び第2の各センサヘッド1,2から出力される検出電圧V,Vに基づいて、勾配磁界を出力するフラックスゲートセンサ回路3と、前記磁気コア10及び検出コイル20に交流電流VEX及び直流電流Eを供給する電源部4とを備える構成である。
前記第1センサヘッド1及び第2センサヘッド2は、U字状に二つ折りにされた線状の磁性体からなる磁気コア10及び磁気コア20の各一端部を接続して直列接続されると共に、第1の磁気コア10及び第2の磁気コア20の各他端部を前記電源部4の二つの出力端に接続される構成である。前記第1の磁気コア10及び第2の磁気コア20は、各々のU字状の磁性体の全長L,L((L=L)が平行に対向配設され、この全長L,Lの一部(長さL11,L21とする。)に第1の検出コイル11、第2の検出コイル12が巻回される構成である。
また、図1に示すように、検出コイル11と検出コイル12とは、前記平行に対向配設される磁気コア10、磁気コア20の配設中心に対して回転対称となるように配設され、各々が直列接続となるように各々の一端が電気配線12で結線される。また、検出コイル12の他端側がフラックスゲートセンサ回路3に接続されるとともに、検出コイル11の他端側がグラウンドに接続される。また、検出コイル11と検出コイル12とは、同一方向の磁界に対して生じる誘起電圧(検出電圧V,V)が互いに打ち消し合うように(互いの極性が逆向きとなるように)接続される。これにより、同一の方向の磁界に対しては、センサヘッド1の検出電圧V及びセンサヘッド2の検出電圧V2の合成電圧(センサ出力)として、それぞれのセンサヘッド1,2から出力される検出電圧の差分を取ったもの(Vy−V)が現れる。このようにすることで、遠方から到達してくるような一様磁界に関しては、センサヘッド1,2の両方で同様にピックアップされて線sな出力には現れない。しかし、局所的な磁界に対しては、一方のセンサヘッド(例えば、センサヘッド2)でのみピックアップされるので、センサ出力として観測される。これにより、一様磁界の雑音を除去して信号を検出することができるようになり、対雑音性能を向上させることができる。
前記フラックスゲートセンサ回路3は、同期検波回路30(PSD:Phase Sensitive Detector)、平滑回路31(smoothing filter)、及び誤差増幅器32(Error Amplifier)を有して負帰還回路(参考文献:笹田一郎・村上雅則:「負帰還構成にした基本波型直交フラックスゲートの動作と特性」、電気学会研究会資料、MAG-08-133(2008)を参照)を構成する。センサヘッド1,2からのセンサ出力V−Vは、コンデンサC31、高周波増幅器31、同期検波回路32、及び平滑回路33を通じて、センサ出力V−Vに応じた所定電圧となって、誤差増幅器34に送られる。その後、誤差増幅器34への入力(センサ出力V−V)が0になるように、帰還抵抗Rを通して帰還電流ifが検出コイル11,12に流される。このときに帰還抵抗Rに生じる電圧の偏移(局所磁界検出信号V)がセンサ出力V−Vに相当する。
次に、前記構成に基づく本実施形態に係る勾配磁界センサの検出動作について説明する。
まず、電源部4からセンサヘッド1の磁気コア10及びセンサヘッド2の磁気コア20から成る直列回路に対して交流電流VEX及びこの振幅より大きな値が持つ直流電流Eを通電し、センサヘッド1及びセンサヘッド2が励磁される。この励磁状態のセンサヘッド1,2は、各々の延在方向に沿う磁界に応じた検出電圧を出力可能な、いわゆる直交フラックスゲートセンサ(基本波型直交フラックスゲート(MF−OFG:Fundamental mode orthogonal fluxgate))を形成することとなり、バルクハウゼンノイズの低減及びセンサの高感度化を図ることができる。
前記センサヘッド1及びセンサヘッド2の励磁状態において、検出コイル11が磁気コア10の基端側に配設されると共に、検出コイル21が磁気コア20の先端側に配設される構成で、この検出コイル11及び検出コイル21の長さL11=L21が例えば、15mmとする(図5の従来の勾配磁界センサの場合は長さが30mmである)。この図5で示す検出コイルが巻回されている個所での磁性密度を検出することから、この個所に応じて積分区間を設定する。
このように設定された積分区間は、検出コイル11,12の長さが15mmとすると、磁気コア10の基端(0mm)から中央(15mm)若しくは磁気コア20の中央(15mm)から先端(30mm)までの区間となる。
また、検出コイル11,21の長さL、Lの(1/2)で形成され、一方の検出コイル11(又は21)はその端を先端に合せ、他方の検出コイル21(又は11)はその端を末端へ合せて配置された場合の差動結合されたコイルへの鎖交磁束、検出コイル11,21の巻き数は一様に巻かれている場合と同じとしている(巻線密度が2倍)。図6の場合と同じく鎖線で支援した鎖交磁束分布はΔt後に現れる。横軸mmで0は基端側である。
このようにして計算した結果を図2(A)に示す。同図(A)中の実線の曲線が基端側にある検出コイル11に鎖交する磁束、鎖線の曲線が先端側にある検出コイル21の鎖交磁束を表す。このように両方とも0になるところが無いので不感帯は原理的に現れない。
このような鎖交磁束t=0及びt=Δtで現れるので、異物が例えば基端から2mmのところを通過するときは図2(B)のような出力が現れる。
また、一方の検出コイル11(又は検出コイル21)への鎖交磁束が「0」になる10mm付近や20mm付近では、他方の検出コイル21(又は検出コイル11)のピーク値が1/3程度の単峰性の電圧として現れる。磁気コア10、磁気コア20の中央付近を通過するときは、2つの類似の山形のピークが図2(C)に示すように2つ連続して出現する。
以上のように、検出コイル11、検出コイル21の中間位置(図2(A)では10mm、及び20mm)に鎖交磁束が「0」となるが、これらの各検出コイル11、検出コイル21の鎖交磁束「0」が時間差Δtをおいて生じているので、一方の検出コイル11(又は検出コイル21)の鎖交磁束「0」のとき、他方の検出コイル21(又は検出コイル11)が逆方向に鎖交磁束を生じさせて補完し合い、不感帯の出現を確実に防止して、磁気コア10、磁気コア20の全領域に亘って磁気微粒子の異物を検出できることとなる。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る勾配磁界センサを図3に基づいて説明する。
同図において本実施形態に係る勾配磁界センサは、前記第1の実施形態と同様に第1のセンサヘッド1、第2のセンサヘッド2、フラックスゲートセンサ回路3及び電源部4を共通して備え、この構成に加え、前記第1の検出コイル11に対向する対応部分の第2の磁気コア21に、前記第1の検出コイル11の不感帯位置で差動結合される第3及び第4のコイル22,23と、前記第2の検出コイル21に対向する対応部分の第1の磁気コア1に、前記第2検出コイル21の不感帯位置で差動結合される第5及び第6のコイル12,13と、前記第3、第4及び第5、第6の各コイル22・23、12・13を直列接続して補助コイル50を形成し、この補助コイル50の補助検出電圧に基づいて補助出力zSを出力する補助センサ回路5と、前記フラックスゲートセンサ回路3から出力される勾配磁界出力S及び補助センサ回路5から出力される補助出力Sに基づいて勾配磁界の有無を判別する勾配磁界判別手段6とを備える構成である。
前記補助センサ回路5は、コイル22,23及びコイル12,13が直列接続された補助コイル50から出力される補助検出電圧Vsを積分するコンデンサC5と、これを高周波増幅する増幅器51と、これを同期検波する同期検波回路52と、同期検波後の信号を低周波増幅する平滑回路53とを備える構成である。
つぎに、前記構成に基づく本実施形態の勾配磁界の検出動作について説明する。
前記磁気コア10、磁気コア20の前兆を30mmとし、検出コイル11、検出コイル21の全長を15mmとして設計した場合に、検出コイル11の全長中の(1/3)の部位及び検出コイル21の全長の(1/3)の部位に検出感度が低くなる現象が生じる。この検出感度低下現象は、前記第1の実施形態のシュミレーションデータとして示した図2(A)における磁気コア10、磁気コア20の基端部(0mm)から先端部(30mm)の積分区間内において(10mm)と(20mm)の部位に鎖交磁束「0」が現れる。
前記検出コイル11、検出コイル21の全長を二分割した巻回長を有する各コイル22,23及びコイル12,13を形成し、このコイル22,23及びコイル12,13を、前記磁気コア10、磁気コア20の非巻回部分(検出コイル11、検出コイル21の対向部分)に巻回配設することとなる。
このコイル12,13は、磁気コア10の基端部から見てcw(時計回り)からccw(反時計回り)の順となるように巻回して形成され、差動結合で構成される。また、コイル22,23は、磁気コア20の先端部から見てccw(反時計回り)からcw(時計回り)の順となるように巻回して形成され、差動結合で構成される。そして、これらのコイル12,13とコイル22,23は直列接続されて形成される。このように直列接続されたコイル12,13とコイル22,23の補助コイル50は前記検出コイル11及び検出コイル21の鎖交磁束の低下を補助検出電圧により補助できることとなりる。
(本発明の他の実施形態)
本発明の他の実施形態に係る勾配磁界センサは、図4(A),(B),(C),(D)に示すように検出コイル11、検出コイル21の長さ若しくは対向位置を変えて、又は巻回形状(一重、二重、三重等の巻回形態)を異ならせて構成することもできる。
なお、磁性コア10及び磁性コア20は、U字型の他に、W型、I字型(棒状)等の他の形状であってもよい。その場合、折り返し部分を導線などの配線で構成するようにしてもよい。
また、磁性コア10及び磁性コア20に用いる材料は、導電率が高く適切な軟磁性を有する材料であればこれに限定されない。例えば、磁気歪みが小さい、幅1mm、厚さ20μm程度の断面を持つ細長いコバルト基アモルファス磁性薄帯を用いることができる。さらに、直径0.1mm程度のパーマロイワイヤや、断面が幅1mm、厚さ10〜20μm程度のパーマロイ薄帯を用いることもできる。
1 センサヘッド
2 センサヘッド
3 フラックスゲートセンサ回路
4 電源部
5 補助センサ回路
6 判別手段
10 磁気コア
11 電源部
12,13 コイル
20 磁気コア
21 検出コイル
22,23 コイル
31 平滑回路
32,52 検波回路
33,53 平滑回路
34 誤差増幅器

Claims (4)

  1. 直線形状を含む磁性体で形成され、且つ当該磁性体に励磁用の交流電流及び直流電流が通電される第1の磁気コアに、前記磁性体における直線形状の一部に磁気結合する第1の検出コイルを配設して形成される第1センサヘッドと、
    直線形状を含む磁性体で形成され、且つ当該磁性体に前記第1の磁気コアに通電される励磁用の交流電流及び直流電流と共通の電流が通電され、前記第1の磁気コアに対向して平行に配設される第2の磁気コアに、前記磁性体における直線形状の一部であって前記第1の検出コイルとは回転対称位置に差動結合で磁気結合する第2の検出コイルを配設して形成される第2センサヘッドと、
    前記第1及び第2の各センサヘッドから出力される検出電圧に基づいて、勾配磁界を出力するセンサ回路とを備えることを
    特徴とする勾配磁界センサ。
  2. 前記請求項1に記載の勾配磁界センサにおいて、
    前記第1センサヘッド及び第2センサヘッドの各第1及び第2の各検出コイルが、第1の磁気コア及び第2の磁気コアの各端部に配設されることを
    特徴とする勾配磁界センサ。
  3. 前記請求項1又は2に記載の勾配磁界センサにおいて、
    前記第1センサヘッド及び第2センサヘッドの各第1及び第2の各検出コイルが、第1の磁気コア及び第2の磁気コアの各端部から他の各端部に向かってコイルの巻回数を減じて形成することを
    特徴とする勾配磁界センサ。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の勾配磁界センサにおいて、
    前記第1の検出コイルに対向する対応部分の第2の磁気コアに、前記第1の検出コイルの不感帯位置で差動結合される第3及び第4のコイルと、
    前記第2の磁気コイルに対向する対応部分の第1の磁気コアに、前記第2の検出コイルの不感帯位置で差動結合される第5及び第6のコイルとを備え、
    前記第3、第4及び第5、第6の各コイルを直列接続して補助コイルを形成し、この補助コイルの補助検出電圧に基づいて補助電界を出力する補助センサ回路を備えることを
    特徴とする勾配磁界センサ。
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