JP2007303952A - 電流測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で測定電流のワイドレンジ化が可能な電流測定装置を提供すること。
【解決手段】電線20の導体21aに流れる電流を測定する電流測定装置1であって、電線20をクランプするクランプ部10と、クランプ部10にクランプされる電線20の導体21aに対して異なる距離となる位置にそれぞれ位置決めされ、導体21aを流れる電流により発生する磁界に基づいて前記電流を検出する複数の電流センサ5,6と、複数の電流センサ5,6のうちの1つを選択してその検出電圧を出力するための選択手段11とを備えている。
【選択図】図6
【解決手段】電線20の導体21aに流れる電流を測定する電流測定装置1であって、電線20をクランプするクランプ部10と、クランプ部10にクランプされる電線20の導体21aに対して異なる距離となる位置にそれぞれ位置決めされ、導体21aを流れる電流により発生する磁界に基づいて前記電流を検出する複数の電流センサ5,6と、複数の電流センサ5,6のうちの1つを選択してその検出電圧を出力するための選択手段11とを備えている。
【選択図】図6
Description
本発明は、VVF等の電線に流れる電流を測定する電流測定装置に関する。
電気回路内の電流の測定は、電流計を直列に接続するか、測定対象箇所の電気配線にクランプCT(電流トランス)を接続して行う作業が一般的である。前者は、回路の電気配線を一時的に切断しなければならないが、後者は切断する必要がない。このため、後者の切断作業を必要としないクランプCTを用いて測定する方法が用いられることが多い。
しかしながら、クランプCTは、その構造上コアが必要であるため、測定箇所のスペースにより制約される場合がある。このため、測定対象箇所のスペースに関する制約が小さい方法として、ホール素子を用いる方法がある。この方法では、電流により生じた磁界をホール素子で検出して、電流を検出する。このような方法は、たとえば、下記の特許文献1や、出願人が先に提案した特願2005−269804号に開示されている。
特許第3327899号公報
この方法を用いれば、VVFのような電線が平行しておりクランプCTでもそのままで測定ができないものでも、電流の測定が可能となる。
しかしながら、ホール素子は検出可能な磁界が限られており、また測定可能な電流のワイドレンジ化と電流検出精度は相反する特性であるため、検出精度を保ちつつ測定可能な電流のワイドレンジ化は、単一構造では困難である。
そこで、本発明は、上記のような課題に着目し、簡単な構成で測定電流のワイドレンジ化が可能な電流測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、電線の導体に流れる電流を測定する電流測定装置であって、前記電線をクランプするクランプ部と、前記クランプ部にクランプされる前記電線の前記導体に対して異なる距離となる位置にそれぞれ位置決めされ、前記導体を流れる電流により発生する磁界に基づいて前記電流を検出する複数の電流センサと、前記複数の電流センサのうちの1つを選択してその検出電圧を出力するための選択手段とを備えていることを特徴とする電流測定装置に存する。
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、請求項1記載の電流測定装置において、前記クランプ部は、開閉自在であり、前記電線を弾性的に挟持すると共に前記電流センサに対して常に所定位置に画一的に挟持することを特徴とする電流測定装置に存する。
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の電流測定装置において、第1の凹部を有する第1のハウジングと、第2の凹部を有する第2のハウジングと、前記第1のハウジングと前記第2のハウジングを相対的に移動可能に連結する連結手段と、前記第1および第2のハウジングを相対的に付勢する付勢手段とをさらに備え、前記クランプ部は、前記付勢手段で付勢されて前記第1の凹部および前記第2の凹部が対向するように合わせられることにより形成されることを特徴とする電流測定装置に存する。
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の電流測定装置において、前記電流センサは、コアのない表面実装型ホールICであることを特徴とする電流測定装置に存する。
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の電流測定装置において、前記クランプ部を取り囲むように配置され、ギャップを有するコアをさらに備え、前記複数の電流センサは、前記クランプ部にクランプされる前記電線の前記導体に対して異なる距離となるように前記ギャップ内にそれぞれ位置決めされていることを特徴とする電流測定装置に存する。
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の電流測定装置において、前記選択手段は、手動スイッチまたはオートレンジ切替手段であることを特徴とする電流測定装置に存する。
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の電流測定装置において、前記電流センサで検出された電流値を表示する表示部をさらに備えていることを特徴とする電流測定装置に存する。
請求項1記載の発明によれば、電線の導体に流れる電流を測定する電流測定装置であって、電線をクランプするクランプ部と、クランプ部にクランプされる電線の導体に対して異なる距離となる位置にそれぞれ位置決めされ、導体を流れる電流により発生する磁界に基づいて電流を検出する複数の電流センサと、複数の電流センサのうちの1つを選択してその検出電圧を出力するための選択手段とを備えているので、導体に近い位置に位置決めされている電流センサを選択した時は、微少電流を検出することができ、導体から遠い位置に位置決めされている電流センサを選択した時は、大電流を検出することができ、簡単な構成で測定電流のワイドレンジ化を実現できる。また、小型で簡便に電流の測定が可能となる。
請求項2記載の発明によれば、クランプ部は、開閉自在であり、電線を弾性的に挟持すると共に電流センサに対して常に所定位置に画一的に挟持するので、電線を容易にクランプすることができる。
請求項3記載の発明によれば、第1の凹部を有する第1のハウジングと、第2の凹部を有する第2のハウジングと、第1のハウジングと第2のハウジングを相対的に移動可能に連結する連結手段と、第1および第2のハウジングを相対的に付勢する付勢手段とをさらに備え、クランプ部は、付勢手段で付勢されて第1の凹部および前記第2の凹部が対向するように合わせられることにより形成されるので、クランプ部を形成する第1および第2の凹部を互いに離脱させて電線を容易にクランプすることができる。
請求項4記載の発明によれば、電流センサは、コアのない表面実装型ホールICであるので、コアの配置が不要であり、構造が小型になる。また、コアを用いず局部的な磁界を計測して電流を測定することができる。
請求項5記載の発明によれば、クランプ部を取り囲むように配置され、ギャップを有するコアをさらに備え、複数の電流センサは、クランプ部にクランプされる電線の導体に対して異なる距離となるように前記ギャップ内にそれぞれ位置決めされているので、電線の導体を流れる電流で発生する磁束が収束され、コアがない場合よりも微少な電流を検出することができると共にノイズ低減を行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、選択手段は、手動スイッチまたはオートレンジ切替手段であるので、電流の大きさにしたがって測定レンジを切り替えることができる。
請求項7記載の発明によれば、測定された電流値を表示する表示部をさらに有するので、測定作業の現場で測定された電流値を確認することができる。
以下、本発明に係る電流測定装置の実施の形態について、図面に基づき説明する。
(第1の実施形態)図1は、本発明に係る電流測定装置の第1の実施形態を示す概略図、図2は斜視図、図3は平面図である。
電流測定装置1は、図1に示すように、第1のハウジングとしての上側ハウジング2と第2のハウジングとしての下側ハウジング3との連結により形成される。上側ハウジング2には、その一方の面に第1の凹部としての凹部2aが形成されると共に、電流測定動作のための電気部品として2つの電流センサ5,6と表示部7と選択手段としての押ボタンスイッチ11とが内蔵されている。表示部7は、たとえばLCD(液晶ディスプレイ)からなり、その表示面が上側ハウジング2の上面に露出するように配置されている。
押ボタンスイッチ11は、上側ハウジング2の上面で切り替え操作できるように配置され、電流センサ5,6のどちらか一方を選択するものである。押ボタンスイッチ11により選択された電流センサで検出された電流に相当する検出電圧が、表示部7へ出力され、電流値が表示される。電流センサ5,6は、凹部2aの場所の上側ハウジング2の内部に配置されている。下側ハウジング3には、第2の凹部としての凹部3aが形成されると共に、電流測定動作のための電気部品として電源/駆動回路9が内蔵されている。
図2に示すように、上側ハウジング2には、表示部7が設けられている面の反対側の面の中間に間隔をおいて2個の突起部2bが一体形成されている。また、下側ハウジング3には、その一方の面の中間に間隔をおいて2個の突起部3bが一体形成されている。上側ハウジング2と下側ハウジング3は、突起部2bと突起部3bの穴に通された連結手段としてのボルト12とナット(図示しない)により回動可能に連結されている。また、上側ハウジング2と下側ハウジング3は、ボルト12に挿入され、2個の突起部3b間に配置された付勢手段としてのねじりスプリング4によって回動方向に付勢されている。上側ハウジング2と下側ハウジング3は、突起部2Bおよび3b部分で連結され一体化される。
そして、一体化された際に、ねじりスプリング4の付勢力によって凹部2aおよび凹部3aが対向するように合わせられ、それによりクランプ部10が形成される。すなわち、クランプ部は、開閉自在であり、電線を弾性的に挟持すると共に電流センサ5,6に対して常に所定位置に画一的に挟持するように構成されている。クランプ部10の形状は、クランプすべき電線の外径にほぼ合わせてある。この実施の形態では、クランプ部10の形状は、2線心を含むVVFケーブルの形状に合わせてある。一方、連結された状態において、上側ハウジング2および下側ハウジング3は、クランプ部10が形成される側と対向する側の端部間に、若干の隙間が空くように形成されている。
また、一体化された際に、上側ハウジング2と下側ハウジング3を電気的に接続する電力・通信複合ケーブル8により、電源/駆動回路9と、電流センサ5,6および表示部7が互いに電気的に接続されて、電流測定装置としての動作が可能となる。
電流センサ5,6は、電流により発生する磁界に基づいて電流を検出するホール効果を利用するコアのない(コアレス)ホールICを用いた電流センサであり、たとえば、旭化成電子(株)製の表面実装型電流センサ「CM8201」を用いることができる。また、電流センサ5,6は、それらの感度方向がクランプ部10に挟まれる2線心タイプのVVFにおける各線心中の1つの導体の方向を向くように、その1つの導体の位置に合わせると共に上下方向の位置を少しずらして、上側ハウジング2内で導体との距離が異なる位置に位置決めされている。この実施形態では、電流センサ5が電流センサ6よりも導体との距離が近くなる位置に位置決めされている。電流センサ5,6は、導体を流れる電流値に応じた検出電圧を出力する。
電源/駆動回路9における電源は、電池である。電流センサ5,6は、電源/駆動回路9で駆動される。図4に示すように、電流センサ5および6の検出電圧は、押ボタンスイッチ10の手動操作により表示部7側へ切り替え接続され、それにより、切り替え接続された電流センサで検出された電流値が表示部7の表示面に表示される。
クランプ部10に挟まれる電線の導体に電流が流れた場合に発生する磁界の強さは導体に近いほど強く遠いほど弱くなる、つまり導体からの距離に反比例する。また、電流センサ5および6は、図5に示すように、電流が流れることにより磁界を発生する導体から離れるほどその検出電圧出力が減少する。したがって、同じ導体に対して、クランプ部10に近い位置にある電流センサ5の検出電圧は、クランプ部10から遠い位置にある電流センサ6の検出電圧より小さくなるので、微少電流を測定する場合は、導体に近くなるように配置した電流センサ5で測定し、大電流を測定する場合は、電流センサ5よりも導体から離れた位置に配置された電流センサ6で測定する。
次に、上述の構成を有する電流測定装置1の使用方法について説明する。まず、電流測定装置1の押ボタンスイッチ11は、電流センサ5の検出電圧を出力する側に切り替えられている。そこで、電流測定装置1を持ち、隙間が空いている側の上側ハウジング2と下側ハウジング3の両端部をねじりスプリング4の付勢力に対抗して押して凹部2aと凹部3aを離脱させ、図6に示すように、電流測定を行うべき2線心タイプのVVFケーブル20をクランプ部10でクランプする。VVFケーブル20は、導体21aとビニル絶縁体21bからなる第1線心21と、導体22aとビニル絶縁体22bからなる第2線心22とがビニルシース23で被覆された平形ケーブルの構造を有する。
クランプされたVVFケーブル20の第1線心21中の導体21aの上には電流センサ5および6が位置する。それにより、第1線心21中の導体21aを流れる電流は電流センサ5で検出される。検出された電流値は、表示部7で表示される。このとき、電流センサ5は、電流センサ6よりも電流測定を行うべき2線心タイプのVVFケーブル20の第1線心21中の導体21aに近い位置にあるので、導体21aを流れる電流が微少な場合にも十分検出することができる。
一方、電流測定を行うべき2線心タイプのVVFケーブル20の第1線心21中の導体21aを流れる電流が電流センサ5で検出できないほど大きい場合は、スイッチ10aを電流センサ6側に切り替える。それにより、電流センサ6は、電流センサ5よりも電流測定を行うべき2線心タイプのVVFケーブル20の第1線心21中の導体21aから遠い位置にあるので、導体21aを流れる電流が大きい場合にも十分検出することができる。
(第2の実施形態)次に図7は、本発明に係る電流測定装置の第2の実施形態を示す概略図である。この第2の実施例では、導体21aを流れる電流を検出する電流センサ5,6に加えて、電流センサ5,6と同一タイプの電流センサ15,16が、VVFケーブル20のもう一方の線心22中の導体22aの位置に合うように配置され、電流センサ5,6と同様に、上側ハウジング2内で導体22aとの距離が異なる位置に位置決めされている。この第2の実施形態では、電流センサ15が電流センサ16よりも導体22aとの距離が近くなる位置に位置決めされている。電流センサ15,16は、導体22aを流れる電流値に応じた検出電圧を出力する。
第1の実施の形態で電流センサ5,6として使用した表面実装型電流センサは、外部ノイズの影響を受けやすいので、この第2の実施形態では、このノイズを除去するためにさらに2個の電流センサ15,16を追加している。
この第2の実施形態では、微小電流の測定時には、電流センサ5で検出される電流値と電流センサ15で検出される電流値の差分をとることで、また大電流の測定時には、電流センサ5で検出される電流値と電流センサ15で検出される電流値の差分をとることで、一定方向からの外部ノイズ(磁界)の影響をキャンセルすることができる。以下、キャンセルの原理について説明する。
図8(A)に示すように、クランプ部10にクランプされた2線心タイプVVFケーブル20に対して、導体21aおよび22aの軸方向に対して直角に交差する外部ノイズ(磁界)(Hg)が存在し、導体21aに流れる電流により反時計回りの黒相磁界(Hb)が発生し、導体22aに導体21aとは反対方向に流れる電流により時計回りの赤相磁界(Hr)が発生している状況を考える。
黒相磁界(Hb)、赤相磁界(Hr)および外部ノイズ(Hg)は、それぞれ、図8(B)に示すような方向に、電流センサ5および15に影響を与える。すなわち、電流センサ5においては、測定対象の導体21aを流れる電流によって発生する黒相磁界(Hb)が図の右から左に通過し、非測定対象の導体22aを流れる電流によって発生する赤相磁界(Hr)の影響分(hr)が左から右に通過し、さらに、外部ノイズ(Hg)が左から右に通過する。
したがって、電流センサ5における総合磁界(H1)は、以下の(1)式で表される。
H1=Hb−hr−Hg・・・(1)
H1=Hb−hr−Hg・・・(1)
また、電流センサ15においては、測定対象の導体22aを流れる電流によって発生する赤相磁界(Hr)が図の左から右に通過し、非測定対象の導体21aを流れる電流によって発生する黒相磁界(Hb)の影響分(hb)が右から左に通過し、さらに、外部ノイズ(Hg)が左から右に通過する。
したがって、電流センサ15における総合磁界(H2)は、以下の(2)式で表される。
H2=−Hr+hr−Hg・・・(2)
H2=−Hr+hr−Hg・・・(2)
電流センサ5の総合磁界(H1)と電流センサ15の総合磁界(H2)の差分をとると、以下の(3)式で表される。
H1−H2=Hb−hb+Hr−hr・・・(3)
H1−H2=Hb−hb+Hr−hr・・・(3)
ここで、2線心タイプのVVFケーブルの場合、理論的には、Hr=Hb,hb=hrが成り立つ。よって、Hr=Hb=H,hb=hr=hとすると、以下の(4)式が得られる。
H1−H2=2H−2h・・・(4)
H1−H2=2H−2h・・・(4)
上記(4)式により、電流センサ5で検出される電流値と電流センサ15で検出される電流値の差分をとることで、一定方向からの外部ノイズ(磁界)の影響をキャンセルできることがわかる。このことは、電流センサ6および16の組み合わせ時も同様である。
(第3の実施形態)上記第2の実施形態では、外部ノイズの影響を除去する構成としている。しかし、上記の構成でもノイズの除去には限界がある。また、絶縁体の厚さなどの影響により、電流センサと被測定対象導体との距離を短くすることに物理的な限界があるために、微少電流を検出しにくい問題がある。
そこで、この第3の実施形態では、コア(珪素合金、パーマロイ等)を用いて、測定すべき電流で発生する磁界を収束し、微少電流検出およびノイズ低減を図ることができる構成とする。コアを用いる構成の場合、微少電流用に設計されたコアの場合、電流レンジが固定されるため、大電流を測定することが困難となる。ただし、コアは、その性質上中心部分の磁束が強くなり、端に行くほど磁束が弱くなる。このため、コアのギャップにホール素子からなる電流センサを配置し、その配置位置により電流レンジを変えることが可能となる。
図9は、本発明に係る電流測定装置の第3の実施形態を示す斜視図、図10は分解斜視図、図11は電流測定装置の第1本体の下側ハウジング内部を示す斜視図、図12は電流測定装置の第2本体の下側ハウジング内部を示す斜視図、図13は、図11における丸で囲まれた部分(A)の部分部拡大図である。
電流測定装置1は、第1本体31とこの第1本体31に対してスライド可能に支持された第2本体41とから構成される。第1本体31は、下側ハウジング32と上側ハウジング33の連結により形成される。第1本体31には、その一方の面に第1の凹部としての凹部31aが形成されると共に、電流測定動作のための電気部品として、2つの電流センサ55,56と、3分割コアのうちの2個のコア部品61,62と、表示部7と、押ボタンスイッチ11が取り付けられている。表示部7は、たとえばLCD(液晶ディスプレイ)からなり、その表示面が第1本体31の上面に露出するように配置されている。
第1本体31の下側ハウジング32は、図11に示すように、コア取付部32a,32bと、電源/駆動回路9を搭載した基板を取り付けるための取付部32cと、電源/駆動回路9と電流センサ55,56を電気的に接続するための基板を取り付けるための取付部32d,32eと、バネ取付部32fと、付勢手段としての引っ張りバネの一方の端部を取り付けるためのバネ取付用ネジ部32gと、第2本体スライド部32hとを有する。コア取付部32aおよび32bには、それぞれ、3分割コアのうちの90度の円弧状コア部品が取り付けられる。なお、図10〜12においては、ハウジングのみが示されており、ハウジングに取り付けられる基板、引っ張りバネ、コア等の各部品は図示されていない。
第2本体41は、下側ハウジング42と上側ハウジング43の連結により形成される。第2本体41には、その一方の面に第2の凹部としての凹部41aが形成されると共に、3分割コアのうちの1個のコア部品が内蔵されている。
第2本体41の下側ハウジング42は、図11に示すように、コア取付部42aと、スライド部42bと、把手42cと、引っ張りバネの他方の端部を取り付けるためのバネ取付用ネジ部42dとを有する。凹部41aと凹部31aは、引っ張りバネの付勢力により合わせられてクランプ部10を形成している。コア取付部42aには、3分割コアのうちの180度の円弧状コア部品が取り付けられる。
電流センサ55および56は、コアを用いるホール素子である。電流センサ55および56は、図12に示すように、第1本体31の基板取付部32eに取り付けられた基板51から延長されるサブ基板52上に実装され、コア取付部32aおよび32b間のギャップ70に配置される。
図14に示すように、電流センサ55および56は、それらの感度方向がクランプ部10に挟まれる電線中の導体の方向を向くように、コア61および62間のギャップ70に位置すると共に、コア61および62の内周側(クランプ部10にクランプされる導体から近い側)に電流センサ55が位置しかつ外周側(クランプ部10にクランプされる導体から遠い側)に電流センサ56が位置するように位置決めされている。
このように位置決めした場合、コアは、その性質上中心部分の磁束が強くなり、端に行くほど磁束が弱くなるので、電流センサ55および56の測定すべき電流に対する検出電圧特性は、図15に示すように、電流センサ55の方が電流センサ56よりも感度が良くなる。そこで、電流センサ55を微少電流測定用とし、電流センサ56を大電流測定用として使用する。
次に、上述の構成を有する第3の実施形態に係る電流測定装置1の使用方法について説明する。
まず、第2本体41の把手42cをつかみ、引っ張りバネの付勢力に抗して凹部31aと凹部41aが離脱するように第2本体41を第1本体31に対してスライド移動させ、クランプ部10を開ける。開いたクランプ部10に、電流測定を行うべきVVFケーブル中の1本の導体を入れ、次いで、引っ張りバネの付勢力により凹部31aと凹部41aが接近するように第2本体41を第1本体31に対してスライド移動させ、クランプ部10にVVFケーブルをクランプする。
クランプされたVVFケーブルの導体中を流れる電流で発生する磁界は、3分割コアで収束される。この時、導体中を流れる電流が微少の場合は、押ボタンスイッチ11により電流センサ55が選択され、電流センサ55で検出された微小電流値が表示部7に表示される。また、導体中を流れる電流が電流センサ55の電流レンジ外になるほど大きくなった場合は、押ボタンスイッチ11により電流センサ55から電流センサ56に切り替えられ、電流センサ56で検出された大電流値が表示部7に表示される。
以上の通り、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
たとえば、いずれの実施形態においても、電流センサの切り替えを手動の押ボタンスイッチ11に代えてオートレンジ切替手段を使用するように構成することができる。このオートレンジ切替手段は周知であり、測定電流の大きさに応じて自動的に電流レンジを選択することができる機能である。このオートレンジ切替手段を、たとえば電源/駆動回路9に備え、電流センサ55による電流レンジと、電流センサ56による電流レンジを自動的に切り替える。
また、上述の第3の実施形態では、電流センサ56は完全にギャップ70内に入っているが、その一部がギャップ70から外周側にはみ出るように配置してもかまわない。
また、上述の実施の形態では、2線心タイプのVVFケーブルの電流を測定しているが、これに限らず、3線心以上の電線における電流測定にも適用可能になるように変形可能であり、また、VVR、ICVケーブル、FFC、IV、高圧ケーブルやラッシング形ケーブル等における電流測定にも適用可能である。
また、上述の第1の実施形態では、表示部7を上側ハウジングに設けているが、これに限らず、分離されたハウジングのどちらに設けても良い。
また、上述の実施の形態では、測定された電流値を表示部7に表示しているが、電流値データを外部に送信する信号伝送部(コネクタ等)を、ハウジングのいずれかの場所にさらに備えることができる。
1 電流測定装置
2 上側ハウジング(第2のハウジング)
2a 凹部(第2の凹部)
2b 突起部(連結手段の一部)
3 下側ハウジング(第1のハウジング)
3a 凹部(第1の凹部)
3b 突起部(連結手段の一部)
4 ねじりスプリング(付勢手段)
5 電流センサ
6 電流センサ
7 表示部
9 電源および駆動回路
10 クランプ部
11 押ボタンスイッチ(選択手段)
20 VVFケーブル(電線)
21 線心
21a 導体
22 線心
22a 導体
2 上側ハウジング(第2のハウジング)
2a 凹部(第2の凹部)
2b 突起部(連結手段の一部)
3 下側ハウジング(第1のハウジング)
3a 凹部(第1の凹部)
3b 突起部(連結手段の一部)
4 ねじりスプリング(付勢手段)
5 電流センサ
6 電流センサ
7 表示部
9 電源および駆動回路
10 クランプ部
11 押ボタンスイッチ(選択手段)
20 VVFケーブル(電線)
21 線心
21a 導体
22 線心
22a 導体
Claims (7)
- 電線の導体に流れる電流を測定する電流測定装置であって、
前記電線をクランプするクランプ部と、
前記クランプ部にクランプされる前記電線の前記導体に対して異なる距離となる位置にそれぞれ位置決めされ、前記導体を流れる電流により発生する磁界に基づいて前記電流を検出する複数の電流センサと、
前記複数の電流センサのうちの1つを選択してその検出電圧を出力するための選択手段とを備えていることを特徴とする電流測定装置。 - 請求項1記載の電流測定装置において、
前記クランプ部は、開閉自在であり、前記電線を弾性的に挟持すると共に前記電流センサに対して常に所定位置に画一的に挟持することを特徴とする電流測定装置。 - 請求項1又は2記載の電流測定装置において、
第1の凹部を有する第1のハウジングと、
第2の凹部を有する第2のハウジングと、
前記第1のハウジングと前記第2のハウジングを相対的に移動可能に連結する連結手段と、
前記第1および第2のハウジングを相対的に付勢する付勢手段とをさらに備え、
前記クランプ部は、前記付勢手段で付勢されて前記第1の凹部および前記第2の凹部が対向するように合わせられることにより形成されることを特徴とする電流測定装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の電流測定装置において、
前記電流センサは、コアのない表面実装型ホールICであることを特徴とする電流測定装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の電流測定装置において、
前記クランプ部を取り囲むように配置され、ギャップを有するコアをさらに備え、
前記複数の電流センサは、前記クランプ部にクランプされる前記電線の前記導体に対して異なる距離となるように前記ギャップ内にそれぞれ位置決めされていることを特徴とする電流測定装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の電流測定装置において、
前記選択手段は、手動スイッチまたはオートレンジ切替手段であることを特徴とする電流測定装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の電流測定装置において、
前記電流センサで検出された電流値を表示する表示部をさらに備えている
ことを特徴とする電流測定装置。
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