JP2010101635A - 磁気平衡式電流センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】リング状磁気コアに線材を巻回する場合よりも生産性が良く小型化も容易な負帰還用コイルを用いた磁気平衡式電流センサを提供する。
【解決手段】第1及び第2のプリント基板31,32は、リング状磁気コア15を厚さ方向の両側から挟み込んで対向する。第1及び第2のプリント基板31,32には第1及び第2の導電パターン41,42がそれぞれ形成され、第1及び第2の導電パターン41,42は導通手段としての導通ピンによって相互に接続されている。第1及び第2の導電パターン41,42と前記導通ピンとによってリング状磁気コア15の周りにコイル導体を構成したものが負帰還用コイルLである。
【選択図】図1
【解決手段】第1及び第2のプリント基板31,32は、リング状磁気コア15を厚さ方向の両側から挟み込んで対向する。第1及び第2のプリント基板31,32には第1及び第2の導電パターン41,42がそれぞれ形成され、第1及び第2の導電パターン41,42は導通手段としての導通ピンによって相互に接続されている。第1及び第2の導電パターン41,42と前記導通ピンとによってリング状磁気コア15の周りにコイル導体を構成したものが負帰還用コイルLである。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばハイブリットカーや電気自動車のバッテリー電流やモータ駆動電流、工作機械のモータに流れる電流をホール素子等の磁気検出素子を用いて測定する磁気平衡式電流センサに関する。
ホール素子等の磁気検出素子を用いてバスバーに流れる電流(被測定電流)を非接触状態で検出する電流センサとして、磁気比例式のものが従来から知られている。磁気比例式電流センサは、図9(A)に例示のように、ギャップGを有するリング状の磁気コア820(高透磁率で残留磁気が少ない珪素鋼板やパーマロイコア等)と、ギャップGに配置されたホール素子816(磁気検出素子の例示)とを有する。磁気コア820は、被測定電流Iinの流れるバスバー810が貫通する配置である。したがって、被測定電流IinによってギャップG内に磁界が発生し、これがホール素子816の感磁面に印加される。磁界の強さは被測定電流Iinに比例するので、ホール素子816の出力電圧から被測定電流Iinが求められる。
一方、磁気平衡式電流センサは、図9(B)に例示のように、磁気比例式電流センサの構成に加え、磁気コア820に巻線を設けてなる負帰還用コイルLFBを有する。この構成においては、被測定電流IinによってギャップG内に第1の磁界が発生してこれがホール素子816の感磁面に印加される一方、ホール素子816の感磁面に印加される前記第1の磁界を相殺する(ゼロにする)第2の磁界を発生するように負帰還用コイルLFBに電流が供給される。この供給した電流から被測定電流Iinが求められる。
磁気検出素子を使用した電流センサに関する公知文献には以下のものがある。
特開平8−304468号公報
特許文献1は、磁気平衡式の測定原理に基づく非接触型の電流センサに関し、上記図9(B)に示したのと同様に、被測定電流が貫通する磁気コアに線材を所定回数だけ巻きつけるとともに、磁気コアのギャップにホール素子を配置している。
リング状磁気コアに線材を巻回して負帰還用コイルを形成する場合、手作業あるいはトロイダル巻線のための特殊な巻線機の使用が必要であり、生産性が良くないという問題がある。また、負帰還用コイルの小型化も難しい。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、リング状磁気コアに線材を巻回する場合よりも生産性が良く小型化も容易な負帰還用コイルを用いた磁気平衡式電流センサを提供することにある。
本発明のある態様は、磁気平衡式電流センサである。この磁気平衡式電流センサは、
被測定電流の経路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
前記リング状磁気コアが内側を貫通する負帰還用コイルとを備える磁気平衡式電流センサであって、
前記リング状磁気コアを少なくとも部分的に挟み込んで対向する第1及び第2のプリント基板を有し、
前記負帰還用コイルは、前記第1及び第2のプリント基板にそれぞれ形成された第1及び第2の導電パターンと、前記第1及び第2の導電パターンを相互に接続する導通手段とによって前記リング状磁気コアの周りにコイル導体を構成したものである。
被測定電流の経路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
前記リング状磁気コアが内側を貫通する負帰還用コイルとを備える磁気平衡式電流センサであって、
前記リング状磁気コアを少なくとも部分的に挟み込んで対向する第1及び第2のプリント基板を有し、
前記負帰還用コイルは、前記第1及び第2のプリント基板にそれぞれ形成された第1及び第2の導電パターンと、前記第1及び第2の導電パターンを相互に接続する導通手段とによって前記リング状磁気コアの周りにコイル導体を構成したものである。
ある態様の磁気平衡式電流センサにおいて、
前記第1及び第2のプリント基板はそれぞれ、前記リング状磁気コアの内側に延在した内側延在部と、前記リング状磁気コアの外側に延在した外側延在部とを有し、
前記導通手段は、前記第1及び第2のプリント基板の双方を前記内側延在部又は前記外側延在部においてそれぞれ貫く複数のピンであるとよい。
前記第1及び第2のプリント基板はそれぞれ、前記リング状磁気コアの内側に延在した内側延在部と、前記リング状磁気コアの外側に延在した外側延在部とを有し、
前記導通手段は、前記第1及び第2のプリント基板の双方を前記内側延在部又は前記外側延在部においてそれぞれ貫く複数のピンであるとよい。
ある態様の磁気平衡式電流センサにおいて、前記被測定電流の経路は前記被測定電流を所定の比率で分流するように高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐したバスバーであり、前記リング状磁気コアが前記高抵抗電流路を囲んでいるとよい。
ある態様の磁気平衡式電流センサにおいて、前記被測定電流の流れる第1の方向に関して前記バスバーの中間部の所定位置に2つの開口が形成され、前記第1の方向と垂直な第2の方向に関して前記2つの開口によって挟まれた部分が前記高抵抗電流路であるとよい。
ある態様の磁気平衡式電流センサにおいて、前記リング状磁気コアの前記ギャップ部の長さが前記高抵抗電流路の厚み若しくは幅よりも大きいとよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、負帰還用コイルは、リング状磁気コアを少なくとも部分的に挟み込んで対向する第1及び第2のプリント基板にそれぞれ形成された第1及び第2の導電パターンと、前記第1及び第2の導電パターンを相互に接続する導通手段とによって前記リング状磁気コアの周りにコイル導体を構成したものであり、第1及び第2の導電パターンがそれぞれ形成された第1及び第2のプリント基板を利用したことにより大量生産及び小型化に適するものとなっている。このため、リング状磁気コアに線材を巻回する場合よりも生産性が良く小型化も容易な負帰還用コイルを用いた磁気平衡式電流センサを実現可能である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気平衡式電流センサ100の、(A)は一部を断面とした正面図、(B)は(A)のB-B'断面図である。なお、同図(B)において導通ピンは手前にあるもの(P1〜P13)のみを図示している。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気平衡式電流センサ100の、(A)は一部を断面とした正面図、(B)は(A)のB-B'断面図である。なお、同図(B)において導通ピンは手前にあるもの(P1〜P13)のみを図示している。
磁気平衡式電流センサ100は、リング状磁路を成すリング状磁気コア15と、磁気検出素子としてのホール素子25と、負帰還用コイルLと、回路基板26と、第1及び第2のプリント基板31,32とを備える。
被測定電流Iinの経路を囲むようにリング状磁気コア15(高透磁率で残留磁気が少ない珪素鋼板やパーマロイコア、アモルファス等の薄板からなる)が配置され、リング状磁気コア15のギャップ部にホール素子25が位置し、リング状磁気コア15が内側を貫通するように負帰還用コイルLが設けられる。なお、リング状磁気コア15は、周方向に関して好ましくは分割されていないものであり、例えば厚さ1.0mmのパーマロイ板(1枚)や厚さ0.23mmの珪素鋼板(5枚積層)を用いることができる。
第1及び第2のプリント基板31,32は、リング状磁気コア15を厚さ方向の両側から挟み込んで対向する(例えば、リング状磁気コア15の厚さ方向の前面及び背面にそれぞれ接着剤等で接着される)。第1及び第2のプリント基板31,32には第1及び第2の導電パターン41,42がそれぞれ形成(印刷)され、第1及び第2の導電パターン41,42は導通手段としての導通ピン(図1において一部の導通ピンにのみ符号P1〜P13を付している)によって相互に接続されている。なお、導通ピンは、例えば銅等の導体からなる。第1及び第2の導電パターン41,42と前記導通ピンとによってリング状磁気コア15の周りにコイル導体を構成したものが負帰還用コイルLである。以下、より具体的に説明する。
第1及び第2のプリント基板31,32は、リング状磁気コア15の内側に延在した内側延在部93と、リング状磁気コア15の外側に延在した外側延在部94とを有する。第1及び第2の導電パターン41,42はそれぞれ、内側延在部93と外側延在部94とを渡す複数(負帰還用コイルLの巻線数に対応した数)の導電パターンである。そして前記導通ピンは、第1及び第2のプリント基板31,32の双方を内側延在部93又は外側延在部94においてそれぞれ貫いて例えば半田付けにより第1及び第2の導電パターン41,42とそれぞれ電気的に接続される。これにより、第1及び第2の導電パターン41,42が相互に電気的に接続される。
負帰還用コイルLの作製する際には、まず第1及び第2のプリント基板31,32に第1及び第2の導電パターン41,42を形成(印刷)し、第1及び第2のプリント基板31,32をリング状磁気コア15の厚さ方向の前面及び背面にそれぞれ接着して一体化する。次に、導通ピンをマウンタ等の自動機により、第1及び第2のプリント基板31,32の内側延在部93又は外側延在部94の貫通孔を貫くように挿通する。そして、前記導通ピンを半田付けにより第1及び第2の導電パターン41,42とそれぞれ電気的に接続する。負帰還用コイルLの両端子19は例えばLピン端子であり、電子部品を搭載した回路基板26の貫通孔に挿通されて回路基板26上の導電パターンと例えば半田付けにより電気的に接続される。ホール素子25の端子ピンも同様に接続される。なお、負帰還用コイルLの巻数は、第1及び第2の導電パターン41,42のピッチを狭くすることにより、例えば数百ターンも可能である。
図2は、図1に示される磁気平衡式電流センサ100の例示的な回路図である。本図において、ホール素子25は等価的に4つの抵抗のブリッジ接続で表され、端子a,c間に一定のホール素子駆動電流を流しておくことにより出力端子b,d間にホール素子25に印加された磁界に比例した(換言すれば被測定電流Iinに比例した)電圧を得る構成としている。なお、抵抗R1及びR2(電流制限用抵抗器)によって電源(電圧Vcc、Ex.12V)からホール素子25への供給電流が制限される。ホール素子25の出力端子b,dは、負帰還用差動増幅器35の入力端子にそれぞれ接続される。負帰還用差動増幅器35の出力端子と接地(GND:基準電圧端子)とを接続する経路に負帰還用コイルLと検出抵抗RSとが直列接続される。検出抵抗RSと並列に電圧計37が接続される。
ホール素子25の出力電圧VHは負帰還用差動増幅器35に入力される。負帰還用差動増幅器35は、出力端子から電流を吸い込む又は吐き出すことにより、端子b,d間の電位差が常にゼロとなるように、すなわちホール素子25の感磁面において被測定電流Iinによって発生する第1の磁界と負帰還用コイルLの発生する第2の磁界とが相殺するように、負帰還用コイルLに負帰還電流IFBを供給する。供給された負帰還電流IFBは検出抵抗RSで電圧に変換されて電圧計37によって検出(モニタ)される(又はセンサ出力として外部に取り出される)。なお、被測定電流Iinは負帰還用コイルLへの供給電流と巻線総和とから「等アンペアターンの原理」により求められる。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) 負帰還用コイルLは、リング状磁気コア15を挟み込んで対向する第1及び第2のプリント基板31,32にそれぞれ形成された第1及び第2の導電パターン41,42と、第1及び第2の導電パターン41,42を相互に電気的に接続する導通ピンとによってリング状磁気コア15を周回するコイル導体を構成したものである。ここで、第1及び第2の導電パターン41,42がそれぞれ形成された第1及び第2のプリント基板31,32は容易に大量生産が可能であり、また小型化もしやすい。さらに、導通ピンはマウンタ等の自動機により高速に第1及び第2のプリント基板31,32に挿通可能である。したがって、従来のようにリング状磁気コアに線材を巻回する場合よりも生産性が良く小型化も容易な負帰還用コイルを用いた磁気平衡式電流センサを実現可能である。
(2) 電流検出の方式が「磁気平衡式」であるため、「磁気比例式」の場合よりも高精度の電流検出が可能である。すなわち、例えば±400A(F.S.:フルスケール)において温度特性(−40℃〜+100℃)を含む精度が「磁気比例式」では±3%であったところ、本実施の形態では「磁気平衡式」にしたことにより同精度を±1%以下に高精度化できた。その原因は、「磁気比例式」の場合、±400A(F.S.)時にはコア内ギャップに発生する磁束密度が最大となり、ホール素子に例えば20mT(F.S.)が印加され、そのときのホール素子の温度特性がそのまま電流センサの精度悪化に影響するためである。本実施の形態の「磁気平衡式」の場合には、ギャップ内磁束密度が常時0mTで動作するため、原理的にホール素子のオフセットの温度特性のみしか精度に影響しないため、比較的高精度な電流センサが構成可能となる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では被測定電流の経路について特に限定しなかったが、本実施の形態では被測定電流の経路は前記被測定電流を所定の比率で分流するように高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐したバスバーであるものとし、前記高抵抗電流路をリング状磁気コアが囲むものとする。磁気平衡式電流センサの構成自体は第1の実施の形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
第1の実施の形態では被測定電流の経路について特に限定しなかったが、本実施の形態では被測定電流の経路は前記被測定電流を所定の比率で分流するように高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐したバスバーであるものとし、前記高抵抗電流路をリング状磁気コアが囲むものとする。磁気平衡式電流センサの構成自体は第1の実施の形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
図3は、本発明の第2の実施の形態の平面図である。なお、本図において、回路基板26の図示は省略し、磁気平衡式電流センサ200は簡略的に示される。図4は、同実施の形態の正面図(バスバー12に関しては断面図)である。図5は、同バスバー12の(A)は平面図、(B)は右側面図、(C)は正断面図である。
図3〜図5に示されるように、バスバー12は、一体形成された平板形状(例えば銅板)であり、長手方向の両端部に位置する取付け孔91,92を介して例えばネジやリベットによって被測定電流Iinの経路を成すように取り付けられる。バスバー12の長手方向の中間部に前記長手方向に沿う所定長の第1及び第2の開口部61,62(空隙部あるいは切欠部)が形成され、第1及び第2の開口部61,62によってバスバー12が長手方向の中間部で部分的に高抵抗電流路50と第1及び第2の低抵抗電流路51,52とに分岐している。
より詳細には、被測定電流Iinの流れる第1の方向(前記長手方向)に関してバスバー12の中間部の所定位置(例えば中央)に第1及び第2の開口部61,62が形成され、前記第1の方向と垂直な第2の方向(バスバー12の幅方向)に関して第1及び第2の開口部61,62によって挟まれた部分が高抵抗電流路50であり、前記第2の方向に関して第1及び第2の開口部61,62の外側に位置する部分がそれぞれ第1及び第2の低抵抗電流路51,52である。換言すれば、被測定電流Iinの全てが流れる未分岐電流路(バスバー12の両端部の分岐していない電流路)の間に高抵抗電流路50と第1及び第2の低抵抗電流路51,52とが挟まれている。したがって、被測定電流Iinは所定の比率で高抵抗電流路50と第1及び第2の低抵抗電流路51,52とに分流される。
図5に示すように、高抵抗電流路50に流れる電流をIsub、第1及び第2の低抵抗電流路51,52に流れる電流をそれぞれI1,I2としたとき、被測定電流Iin(全電流)は、次式
Iin(全電流)=I1+I2+Isub
で表される。なお、分流比は高抵抗電流路50と第1及び第2の低抵抗電流路51,52の抵抗の逆数の比に等しい。
Iin(全電流)=I1+I2+Isub
で表される。なお、分流比は高抵抗電流路50と第1及び第2の低抵抗電流路51,52の抵抗の逆数の比に等しい。
リング状磁気コア15は高抵抗電流路50を囲んでいる。ここで、図3に示すように、リング状磁気コア15のギャップ部の幅WGは高抵抗電流路50の幅Wsubよりも大きい(WG>Wsub)ため、リング状磁気コア15が分割されていなくても、リング状磁気コア15のギャップ部を高抵抗電流路50に通すことで負帰還用コイルLをリング状磁気コア15に実装可能である。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加えて、下記の効果を奏することができる。
(1) 被測定電流Iinよりも小さな電流が流れる高抵抗電流路50をリング状磁気コア15で囲む構成としているので、被測定電流Iinの全てが流れる電流路を囲む場合と比較してリング状磁気コア15が小型で済み、負帰還用コイルLの巻数も少なくてよいため、コスト安である。
(2) 高抵抗電流路50はバスバー12の幅方向に関して中間部に位置し、リング状磁気コア15は高抵抗電流路50を囲んでいるため、高抵抗電流路50がバスバー12の幅内に存在しない場合と比較してリング状磁気コア15がバスバー12の幅方向に関して出っ張る量(はみ出る量)を低減する(又はゼロにする)ことができ、電流センサを幅狭(小型)に構成できる。この点、例えば三相交流電流を検出する電流センサの場合、リング状磁気コアがバスバーの幅方向に大きく出っ張っているとU相、V相、W相の各相のバスバーをある程度離して配置しなければならず小型化が困難であるところ、本実施の形態によればリング状磁気コアがバスバーの幅方向に出っ張る量を低減(又はゼロ)にできるのでそのような問題が好適に解決される。
(3) バスバー12が一体形成されているため、すなわち高抵抗電流路50と第1及び第2の低抵抗電流路51,52、及びそれらの両側の分岐していない部分がネジやリベット等による結合ではなく一体形成されているため、分岐箇所をネジやリベット等で結合する分離構造のバスバーを用いる場合と比較して、分岐箇所の接触抵抗の変化による分流割合への影響がないので、分流割合の変化による電流検出精度の悪化を防止して高精度に電流検出することが可能となる。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
実施の形態では第1及び第2のプリント基板31,32がリング状磁気コア15の厚さ方向の前面及び背面にそれぞれ接着されて全面的に覆うように配置される場合を説明したが、変形例では第1及び第2のプリント基板31,32はリング状磁気コア15の厚さ方向の前面及び背面を部分的に覆うように配置されてもよい。負帰還用コイルLの巻数が少なくてよい場合は、そのようにすることでさらに小型化とコスト低減を図ることができる。
第2の実施の形態ではリング状磁気コア15のギャップ部の長さが高抵抗電流路50の幅よりも大きい場合を説明したが、前記ギャップ部の長さが高抵抗電流路50の厚み又は幅の少なくともいずれかよりも大きければ、高抵抗電流路50を前記ギャップ部に通すことで、高抵抗電流路50を囲むようにリング状磁気コア15を配置することができる。
第2の実施の形態におけるバスバーの分流構造に関し、変形例では図6(B)のような折曲げ構造としてもよい。以下、これについて説明する。
図6は、変形例に関するバスバー12の、(A)は折曲げ前の斜視図、(B)は折曲げ後の斜視図である。図7は、同バスバー12に磁気平衡式電流センサ300を取り付けた場合の正断面図である。磁気平衡式電流センサ300の構成自体は第1及び第2の実施の形態と同様である。
バスバー12は、折曲げ前においては一体形成された平板形状(例えば銅板)であり、長手方向の両端部に位置する取付け孔91,92を介して例えばネジやリベットによって被測定電流の経路を成すように取り付けられる。バスバー12の長手方向の中間部に前記長手方向に沿う所定長の開口57が形成され、開口57によってバスバー12は長手方向の中間部で部分的に高抵抗電流路50と低抵抗電流路51とに分岐している。換言すれば、被測定電流Iinの全てが流れる未分岐電流路(バスバー12の両端部の分岐していない電流路)の間に高抵抗電流路50と低抵抗電流路51とが挟まれている。したがって、被測定電流Iinは所定の比率で高抵抗電流路50と低抵抗電流路51とに分流される。
高抵抗電流路50は好ましくは、バスバー12の長手方向の中間部にコの字型に形成され、被測定電流Iinの流れる方向に略平行で低抵抗電流路51に近い(コの字型の先端側の)第1の折曲げライン53と、第1の折曲げライン53と平行で低抵抗電流路51から遠い(コの字型の中間部の)第2の折曲げライン54とに沿ってそれぞれ略直角に折り曲げられて庇状になっている(図6(A)→(B))。そしてコの字型の高抵抗電流路50の底辺(底部55)は低抵抗電流路51の幅内(例えば幅方向の中間部)で低抵抗電流路51の上方(又は下方)に位置する。
図7に示すように、高抵抗電流路50のうち低抵抗電流路51の幅内に存在する部分(すなわちコの字型の高抵抗電流路50の底辺(底部55))の長手方向の中間部を囲むようにリング状磁気コア15が配置される。
本変形例も、第2の実施の形態と同様に、リング状磁気コア15がバスバー12の幅方向に関して出っ張る量(はみ出る量)を低減する(又はゼロにする)ことができ、電流センサを幅狭(小型)に構成できる。
なお、本変形例のようにバスバー12が2箇所で折り曲げられて高抵抗電流路50が部分的に低抵抗電流路51の幅内に存在することに替えて、バスバー12が図8に示すように湾曲していることにより高抵抗電流路50が部分的に低抵抗電流路51の幅内に存在してもよい。
12 バスバー
15 リング状磁気コア
25 ホール素子
26 回路基板
31 第1のプリント基板
32 第2のプリント基板
41 第1の導電パターン
42 第2の導電パターン
50 高抵抗電流路
51 第1の低抵抗電流路
52 第2の低抵抗電流路
61 第1の開口部
62 第2の開口部
100,200,300 磁気平衡式電流センサ
L 負帰還用コイル
15 リング状磁気コア
25 ホール素子
26 回路基板
31 第1のプリント基板
32 第2のプリント基板
41 第1の導電パターン
42 第2の導電パターン
50 高抵抗電流路
51 第1の低抵抗電流路
52 第2の低抵抗電流路
61 第1の開口部
62 第2の開口部
100,200,300 磁気平衡式電流センサ
L 負帰還用コイル
Claims (5)
- 被測定電流の経路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
前記リング状磁気コアが内側を貫通する負帰還用コイルとを備える磁気平衡式電流センサであって、
前記リング状磁気コアを少なくとも部分的に挟み込んで対向する第1及び第2のプリント基板を有し、
前記負帰還用コイルは、前記第1及び第2のプリント基板にそれぞれ形成された第1及び第2の導電パターンと、前記第1及び第2の導電パターンを相互に接続する導通手段とによって前記リング状磁気コアの周りにコイル導体を構成したものである、磁気平衡式電流センサ。 - 請求項1に記載の磁気平衡式電流センサにおいて、
前記第1及び第2のプリント基板はそれぞれ、前記リング状磁気コアの内側に延在した内側延在部と、前記リング状磁気コアの外側に延在した外側延在部とを有し、
前記導通手段は、前記第1及び第2のプリント基板の双方を前記内側延在部又は前記外側延在部においてそれぞれ貫く複数のピンである、磁気平衡式電流センサ。 - 請求項1又は2に記載の磁気平衡式電流センサにおいて、前記被測定電流の経路は前記被測定電流を所定の比率で分流するように高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐したバスバーであり、前記リング状磁気コアが前記高抵抗電流路を囲んでいる、磁気平衡式電流センサ。
- 請求項3に記載の磁気平衡式電流センサにおいて、前記被測定電流の流れる第1の方向に関して前記バスバーの中間部の所定位置に2つの開口が形成され、前記第1の方向と垂直な第2の方向に関して前記2つの開口によって挟まれた部分が前記高抵抗電流路である、磁気平衡式電流センサ。
- 請求項3又は4に記載の磁気平衡式電流センサにおいて、前記リング状磁気コアの前記ギャップ部の長さが前記高抵抗電流路の厚み若しくは幅よりも大きい、磁気平衡式電流センサ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015210272A (ja) * | 2014-04-28 | 2015-11-24 | タイコ エレクトロニクス アンプ コリア カンパニーTyco Electronics AMP Korea Co.,Ltd | ハイブリッド電流センサアセンブリ |
US9329116B2 (en) | 2013-06-17 | 2016-05-03 | Horiba, Ltd. | Particle size distribution measuring device |
CN109073684A (zh) * | 2016-07-29 | 2018-12-21 | 株式会社高本技术 | 具有多层印刷电路板芯结构的电流检测元件 |
JP2021081450A (ja) * | 2017-05-08 | 2021-05-27 | ティディケイ−ミクロナス ゲー・エム・ベー・ハー | 磁場補償装置 |
-
2008
- 2008-10-21 JP JP2008270711A patent/JP2010101635A/ja not_active Withdrawn
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