JP5067574B2 - 電流センサ - Google Patents

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本発明は、例えばハイブリットカーや電気自動車のバッテリ電流やモータ駆動電流、工作機械のモータに流れる電流をホール素子等の磁気検出素子を用いて測定する電流センサに関する。
ホール素子等の磁気検出素子を用いてバスバーに流れる電流(被測定電流)を非接触状態で検出する電流センサとして、磁気比例式のものが従来から知られている。磁気比例式電流センサは、図12(A)に例示のように、ギャップGを有するリング状の磁気コア820(高透磁率で残留磁気が少ない珪素鋼板やパーマロイコア等)と、ギャップGに配置されたホール素子816(磁気検出素子の例示)とを有する。磁気コア820は、被測定電流Iinの流れるバスバー810が貫通する配置である。したがって、被測定電流IinによってギャップG内に磁界が発生し、これがホール素子816の感磁面に印加される。磁界の強さは被測定電流Iinに比例するので、ホール素子816の出力電圧から被測定電流Iinが求められる。
一方、磁気平衡式電流センサは、図12(B)に例示のように、磁気比例式電流センサの構成に加え、磁気コア820に巻線を設けてなる負帰還用コイルLFBを有する。この構成においては、被測定電流IinによってギャップG内に第1の磁界が発生してこれがホール素子816の感磁面に印加される一方、ホール素子816の感磁面に印加される前記第1の磁界を相殺する(ゼロにする)第2の磁界を発生するように負帰還用コイルLFBに電流が供給される。この供給した電流から被測定電流Iinが求められる。
ハイブリッドカーやEV(電気自動車)のバッテリに流れる充放電電流をモニタする電流センサや、インバータ用の三相モータ駆動電流をモニタする電流センサ等は、バスバーに流れる電流(被測定電流)が例えば200A〜600Aあるいはそれ以上と非常に大きい。このため、バスバーの形状が必然的に大きくなるとともにバスバーを囲うコアが大型化し、電流センサ本体が大きくなり、コストアップの原因となっていた。さらに、磁気比例式電流センサの場合、下記特許文献1に次の問題が指摘されている。すなわち、「バスバーに流れる電流値とホール素子から出力される電圧値の関係は、図17に示すように、電流値に比例した出力電圧が得られる線形領域と電流値に比例した出力電圧を得ることができない非線形領域に分かれる。これは、磁性体コアの特性に基づくものであり、線形領域では正確な電流検出を行うことができるが、非線形領域では正確な電流検出を行うことができない」(段落[0005])。「図からも明らかなように、バスバーに流れる電流値が大きくなると正確な電流値検出ができないことになる。この結果、この種の電流検出装置では、電流検出の可能範囲が比較的電流値の小さい領域に限られ、電流値が大きくなると検出精度が悪化する」(段落[0006])という問題もある。それらの改善策として、下記特許文献1では、被測定電流を分流し、小電流の方を検出する電流センサが提案されている。
特開平10−73619号公報
特許文献1の電流センサでは「金属板を、電流が流れる方向にほぼ平行でかつ切欠部を通る折り曲げラインに沿ってほぼ直角に折り曲げ、磁性体コアを、前記直角に折り曲げられた部分の電流分流路を覆うように配置」している(段落[0014])が、このような構成であると、2つの分流路が金属板の幅方向に関してずれた位置(異なる位置)に存在することとなり、「直角に折り曲げられた部分の電流分流路を覆うように配置」された磁性体コアが金属板の幅方向に関して大きく横に出っ張るため、電流センサの小型化の妨げとなる。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、被測定電流を分流して検出する構成において小型化を図ることの可能な電流センサを提供することにある。
本発明のある態様は、電流センサである。この電流センサは、
被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
前記ギャップ部に位置する磁気検出素子とを備え、
前記バスバーは、中間部に形成された開口によって前記高抵抗電流路と前記低抵抗電流路とに分岐し、前記高抵抗電流路が少なくとも部分的に前記低抵抗電流路の幅内に存在するように幅方向に湾曲し、ないし折り曲げられていて、
前記高抵抗電流路のうち前記低抵抗電流路の幅内に存在する部分を前記リング状磁気コアが囲んでいるものである。
ある態様の電流センサにおいて、前記バスバーは、前記被測定電流の流れる方向に略平行で前記低抵抗電流路に近い第1の折曲げラインと、前記第1の折曲げラインと平行で前記低抵抗電流路から遠い第2の折曲げラインとに沿ってそれぞれ略直角に折り曲げられているとよい。
ある態様の電流センサにおいて、前記高抵抗電流路に1つ以上の切欠部が形成されて前記高抵抗電流路の抵抗値が高められているとよい。
ある態様の電流センサにおいて、前記リング状磁気コアの前記ギャップ部の長さが前記高抵抗電流路の厚み若しくは幅よりも大きいとよい。
ある態様の電流センサにおいて、
この電流センサは、前記リング状磁気コアが内側を貫通する負帰還用コイルをさらに備える磁気平衡式電流センサであり、
前記磁気検出素子が実装されたプリント基板のスルーホールに前記負帰還用コイルの端子ピンが挿通されているとよい。
さらに、前記負帰還用コイルは複数存在し、複数の前記負帰還用コイルはそれぞれ、
巻軸方向の長さが少なくとも一部で前記リング状磁気コアの前記ギャップ部の長さよりも短く、内側を前記リング状磁気コアが貫通するボビンと、
前記ボビンに施され、前記ボビンから突き出た前記端子ピンに端末が電気的に接続された巻線とを有するものであり、
各端子ピンは前記プリント基板上の導電パターンと電気的に接続され、
複数の前記負帰還用コイルは、前記リング状磁気コアの周方向に関して磁気的極性が同一となるように、前記プリント基板上の前記導電パターンにより相互に電気的に接続されているとよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の電流センサによれば、高抵抗電流路のうち低抵抗電流路の幅内に存在する部分をリング状磁気コアが囲む構成であるため、高抵抗電流路が低抵抗電流路の幅内に存在しない場合と比較してリング状磁気コアがバスバーの幅方向に出っ張る量を低減することができ、被測定電流を分流して検出する構成において小型化が可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電流センサ100の説明図であり、(A)は正断面図、(B)は同電流センサ100のバスバー10の折曲げ前の斜視図、(C)は同折曲げ後の斜視図である。図2は、同バスバー10の説明図であり、(A)は折曲げ前の平面図、(B)は折曲げ後の正断面図、(C)は折曲げ後の左側面図、(D)は等価回路図である。
電流センサ100は、被測定電流の経路を成すバスバー10と、リング状磁路を成すリング状磁気コア15と、磁気検出素子としてのホール素子25と、負帰還用コイルLと、電子部品を搭載したプリント基板26と、絶縁板29と、ケース本体80と、蓋85とを備える。
図1(B)及び図2(A)に示すように、バスバー10は、折曲げ前においては一体形成された平板形状(例えば銅板)であり、長手方向の両端部に位置する取付け孔91,92を介して例えばネジやリベットによって被測定電流の経路を成すように取り付けられる。バスバー10の長手方向の中間部に前記長手方向に沿う所定長の開口57が形成され、開口57によってバスバー10は長手方向の中間部で部分的に高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とに分岐している。換言すれば、被測定電流Iinの全てが流れる未分岐電流路(バスバー10の両端部の分岐していない電流路)の間に高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とが挟まれている。したがって、被測定電流Iinは所定の比率で高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とに分流される。なお、バスバー10は図2(D)に示す回路図で等価的に表され、分流比は高抵抗電流路51と低抵抗電流路52の抵抗の逆数の比に等しい。
高抵抗電流路51は好ましくは、バスバー10の長手方向の中間部にコの字型に形成され、被測定電流Iinの流れる方向に略平行で低抵抗電流路52に近い(コの字型の先端側の)第1の折曲げライン53と、第1の折曲げライン53と平行で低抵抗電流路52から遠い(コの字型の中間部の)第2の折曲げライン54とに沿ってそれぞれ略直角に折り曲げられて庇状になっている(図1(B)→(C))。そしてコの字型の高抵抗電流路51の底辺(底部55)は低抵抗電流路52の幅内(例えば幅方向の中間部)で低抵抗電流路52の上方(又は下方)に位置する。
図1(A)に示すように、高抵抗電流路51のうち低抵抗電流路52の幅内に存在する部分(すなわちコの字型の高抵抗電流路51の底辺(底部55))の長手方向の中間部を囲むようにリング状磁気コア15(高透磁率で残留磁気が少ない珪素鋼板やパーマロイコア、アモルファス等からなる)が配置される。リング状磁気コア15は好ましくは分割されていないものとする。ここで、高抵抗電流路51の幅Lwはリング状磁気コア15のギャップ部Gの長さLgよりも短い(Lw<Lg)ため、バスバー10が一体形成されかつリング状磁気コア15が分割されていなくても、高抵抗電流路51をギャップ部Gに通すことで、高抵抗電流路51を囲むようにリング状磁気コア15を配置することができる。
リング状磁気コア15のギャップ部Gにホール素子25が位置し、リング状磁気コア15が内側を貫通するように負帰還用コイルLが実装される。負帰還用コイルLは、内側をリング状磁気コア15が貫通するように実装されたボビン17(分割ボビン)に巻線18を施したものであり、巻線18の端末はボビン17から突き出た端子ピン19に例えば絡げて半田付けすることで電気的に接続されている。端子ピン19はプリント基板26のスルーホールに挿通されてプリント基板26上の導電パターンと例えば半田付けにより電気的に接続される。ホール素子25の端子ピンも同様にプリント基板26のスルーホールに挿通されて電気的に接続される。リング状磁気コア15は好ましくは図1(A)に示されるような方形リング状(長方形リング状)であり、ギャップ部の存在する部分の反対側(下側)の直線状部が負帰還用コイルLの内側を貫通するとよい。なお、低抵抗電流路52と負帰還用コイルLとの間に絶縁板29が介在し、大電流の流れる低抵抗電流路52から負帰還用コイルLを絶縁している。
樹脂等からなるケース本体80は、上方が開口した例えば直方体形状であり、バスバー10の長手方向の一部と、リング状磁気コア15と、ホール素子25と、負帰還用コイルLと、プリント基板26と、絶縁板29とを内部に収容する。樹脂等からなる蓋85がケース本体80に例えば嵌合して被せられ、ケース本体80及び蓋85からなるケースが構成される。
図3は、図1に示される電流センサ100の例示的な回路図である。本図において、ホール素子25は等価的に4つの抵抗のブリッジ接続で表され、端子a,c間に一定のホール素子駆動電流を流しておくことにより出力端子b,d間にホール素子25に印加された磁界に比例した(換言すれば被測定電流Iinに比例した)電圧を得る構成としている。なお、抵抗R1及びR2(電流制限用抵抗器)によって電源(電圧Vcc)からホール素子25への供給電流が制限される。ホール素子25の出力端子b,dは、負帰還用差動増幅器35の入力端子にそれぞれ接続される。負帰還用差動増幅器35の出力端子と接地(GND:基準電圧端子)とを接続する経路に負帰還用コイルLと検出抵抗RSとが直列接続される。検出抵抗RSと並列に電圧計37が接続される。
ホール素子25の出力電圧VHは負帰還用差動増幅器35に入力される。負帰還用差動増幅器35は、出力端子から電流を吸い込む又は吐き出すことにより、端子b,d間の電位差が常にゼロとなるように、すなわちホール素子25の感磁面において被測定電流Iinによって発生する第1の磁界と負帰還用コイルLの発生する第2の磁界とが相殺するように、負帰還用コイルLに負帰還電流IFBを供給する。供給された負帰還電流IFBは検出抵抗RSで電圧に変換されて電圧計37によって検出(モニタ)される(又はセンサ出力として外部に取り出される)。なお、高抵抗電流路51に流れる電流は負帰還用コイルLへの供給電流と巻線総和とから「等アンペアターンの原理」により求められ、それに基づいて被測定電流Iinが分流比より算出される。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) 被測定電流Iinよりも小さな電流が流れる高抵抗電流路51をリング状磁気コア15で囲む構成としているので、被測定電流Iinの全てが流れる電流路を囲む場合と比較して、リング状磁気コア15が小型で済み、負帰還用コイルの巻線数も少なくてよいため、コスト安である。
(2) 高抵抗電流路51は折り曲げられて低抵抗電流路52に対して庇状とされ、高抵抗電流路51のうち低抵抗電流路52の上方(又は下方)に位置する部分をリング状磁気コア15が囲むため、高抵抗電流路51が低抵抗電流路52の幅内に存在しない場合と比較してリング状磁気コア15がバスバー10の幅方向に関して出っ張る量(はみ出る量)を低減する(又はゼロにする)ことができ、電流センサを幅狭(小型)に構成できる。この点、例えば三相交流電流を検出する電流センサの場合、リング状磁気コアがバスバーの幅方向に大きく出っ張っているとU相、V相、W相の各相のバスバーをある程度離して配置しなければならず小型化が困難であるところ、本実施の形態によればリング状磁気コアがバスバーの幅方向に出っ張る量を低減(又はゼロ)にできるのでそのような問題が好適に解決される。
(3) バスバー10が一体形成されているため、すなわち高抵抗電流路51と低抵抗電流路52、及びそれらの両側の分岐していない部分がネジやリベット等による結合ではなく一体形成されているため、分岐箇所をネジやリベット等で結合する分離構造のバスバーを用いる場合と比較して、分岐箇所の接触抵抗の変化による分流割合への影響がないので、分流割合の変化による電流検出精度の悪化を防止して高精度に電流検出することが可能となる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る電流センサ200の正断面図(図5のIV-IV'断面図)である。図5は、図4のV-V'矢視図である。図6は、同電流センサ200の概略斜視図である。但し、本図においてケース本体80と蓋85、ホール素子25、プリント基板26、コアホルダ70の図示を省略している。図7は、同電流センサ200の例示的な回路図である。
本実施の形態の電流センサ200は、第1の実施の形態と比較して、負帰還用コイルが複数に分割されている点と、リング状磁気コア15がコアホルダ70に保持されている点とにおいて主に相違し、その他の点で一致している。以下、相違点を中心に説明する。
ボビン17に巻線18を施してなる負帰還用コイルL1〜L4は、鍔部端面から端子台21(端子ピン19の植設部分)が出っ張っていて軸方向の長さがリング状磁気コア15のギャップ部の長さLgよりも長くなっているが、端子台21を除いた軸方向の長さLcはギャップ部の長さLgよりも短い(Lc<Lg)。したがって、リング状磁気コア15が分割されていなくても、負帰還用コイルL1〜L4をギャップ部Gからリング状磁気コア15に実装することができる。なお、リング状磁気コア15は好ましくは図4に示されるような方形リング状(長方形リング状)であり、ギャップ部Gの存在する直線状部が負帰還用コイルL1〜L4の内側を貫通するとよい。
負帰還用コイルL1〜L4の各ボビン17から突き出た端子ピン19はプリント基板26のスルーホールに挿通されてプリント基板26上の導電パターン(図5参照)と例えば半田付けにより電気的に接続される。またホール素子25の端子ピンもプリント基板26のスルーホールに挿通されて同様に接続される。なお、図5においては、プリント基板26上に負帰還用コイルL1〜L4を接続する導電パターンのみを図示し、その他の回路部品及び接続の図示は省略している。プリント基板26上の前記導電パターンにより負帰還用コイルL1〜L4は、図5及び図7に示されるように、リング状磁気コア15の周方向に関して磁気的極性が同一となるように(同じ向きの磁束を発生するように)直列に接続される。なお、図7に示される回路は、図3に示される第2の実施の形態の回路と比較して、負帰還用コイルLに替えて負帰還用コイルL1〜L4が直列に接続されている点と、単電源駆動となっている点と、検出抵抗RSの端子電圧を差動増幅回路37で増幅している点とにおいて相違し、その他の点で一致している。差動増幅回路37に含まれる抵抗R3〜抵抗R6の抵抗値はR3=R5、R4=R6であり、差動増幅回路37の増幅度はR4/R3である。差動増幅回路37の出力電圧Vout
out=−(R4/R3)VH+2.5[V]
となる。差動増幅回路37の出力電圧Voutは電流センサ100のセンサ出力となる。
図4に示されるように、樹脂等からなるコアホルダ70は、コの字型形状の内側にリング状磁気コア15を収容し、コの字型の両脚71,72でリング状磁気コア15を挟み込む。また、コの字型の底部73の外面には2カ所の平行な凸条74,75が形成され、凸条74,75で低抵抗電流路52を幅方向両側から挟み込む。なお、コアホルダ70の底部73の外面に凸条74,75に替えて所定数のボス(凸部)を形成しておき、それらを低抵抗電流路52に形成した所定数の穴に圧入する構成としてもよい。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加えてさらに、次の効果を奏することができる。
(1) 負帰還用コイルL1〜L4の端子台21を除いた軸方向の長さLcがリング状磁気コア15のギャップ部の長さLgよりも短い(Lc<Lg)ため、リング状磁気コア15が分割されていなくても、負帰還用コイルL1〜L4をギャップ部からリング状磁気コア15に実装することができる。したがって、トロイダル巻線のための特殊な巻線機の使用を不要としつつ、分割されていないリング状磁気コア15を用いることが可能となり、トロイダル巻線のための特殊な巻線機を使用する場合と比較して巻線スピードを改善するとともに、分割されたコアを組み合わせる場合と比較して電流検出精度の悪化のリスクが少ない。
(2) 複数の負帰還用コイルL1〜L4を直列に接続しているので、同じ構成の負帰還用コイルが1つの場合と比較して、被測定電流Iinが大きい場合に適している。
(3) リング状磁気コア15を方形リング状(長方形リング状)とし、ギャップ部の存在する直線状部が負帰還用コイルL1〜L4の内側を貫通しているので、リング状磁気コア15への負帰還用コイルL1〜L4の実装作業が容易である。また、負帰還用コイルL1〜L4とプリント基板26との接続もしやすい。
(4) 負帰還用コイルL1〜L4は低抵抗電流路52から離れた位置となるようにリング状磁気コア15に実装されている(例えば低抵抗電流路52に対して高抵抗電流路51よりも離れた位置となるようにリング状磁気コア15に実装されている)ため、大電流が流れる低抵抗電流路52からの熱の影響を受けにくく、信頼性が高いといえる。また、負帰還用コイルL1〜L4がリング状磁気コア15の上側部分に実装されているので、各コイルの端子ピン19をそのままプリント基板26のスルーホールに挿通しやすく実装容易である。
(5) コアホルダ70によってバスバー10とリング状磁気コア15との位置決めが容易かつ確実となり、組み立てやすい。
(第3の実施の形態)
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る電流センサ300の正断面図である。同電流センサ300は、第2の実施の形態の電流センサ200と比較して、電流検出の方式が磁気平衡式から磁気比例式に変わった点において主に相違し、その他の点で一致している。図9に示される同電流センサ300の回路は、図7に示される第2の実施の形態の電流センサ200の回路と比較して、ホール素子25の出力電圧VHが直接差動増幅回路37で増幅されてセンサ出力Voutとされている点で相違し、その他の点で一致している。本実施の形態も、第1及び第2の実施の形態と同様に、リング状磁気コア15を小型化できるとともに、コスト低減、電流センサの小型化(幅狭化)、高精度な電流検出が可能である。
(第4の実施の形態)
図10は、本発明の第4の実施の形態に係る電流センサで用いるバスバー10の概略斜視図である。同バスバー10は、第1〜第3の実施の形態で用いたものと比較して、高抵抗電流路51に所定数(図では6つ)の切欠59が形成されている点で相違し、その他の点で一致している。バスバー10の加工の都合上、高抵抗電流路51を細く形成して断面積を小さくし高抵抗電流路51の抵抗値を高めるには限界があるところ、本実施の形態によれば切欠59を形成することで高抵抗電流路51の抵抗値を高めることを可能としている。これによれば、切欠59を設けない場合と比較して高抵抗電流路51に流れる電流をより小さくすることができ、リング状磁気コアの更なる小型化に有利である。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
各実施の形態ではバスバー10が2箇所で折り曲げられて高抵抗電流路51が部分的に低抵抗電流路52の幅内に存在する場合を説明したが、変形例ではバスバー10が図11に示すように湾曲していることにより高抵抗電流路51が部分的に低抵抗電流路52の幅内に存在してもよい。
各実施の形態ではリング状磁気コア15のギャップ部Gの長さが高抵抗電流路51の幅よりも大きい場合を説明したが、ギャップ部Gの長さが高抵抗電流路51の厚み又は幅の少なくともいずれかよりも大きければ、高抵抗電流路51をギャップ部Gに通すことで、高抵抗電流路51を囲むようにリング状磁気コア15を配置することができる。
負帰還用コイルを第2の実施の形態では4個としたが、負帰還用コイルの個数は任意であり、被測定電流Iinの大きさや1個あたりの巻線数によって適宜決定される。
第2の実施の形態では負帰還用コイルはボビンに巻線を施したものとしたが、変形例ではボビンレス、例えば自己融着導線(セメントワイヤ)をボビンレスで巻回したもの、としてもよい。
第2の実施の形態ではプリント基板上の導電パターンにより負帰還用コイル同士を直列に電気的に接続する場合を説明したが、変形例では負帰還用コイル同士の接続にリード線を用いてもよい。
第4の実施の形態では切欠59が6つ形成されている場合を説明したが、切欠の数は任意であり、必要な分流比によって適宜決定される。
本発明の第1の実施の形態に係る電流センサの説明図であり、(A)は正断面図、(B)は同電流センサのバスバーの折曲げ前の斜視図、(C)は同折曲げ後の斜視図。 同バスバーの説明図であり、(A)は折曲げ前の平面図、(B)は折曲げ後の正断面図、(C)は折曲げ後の左側面図、(D)は等価回路図。 図1に示される電流センサの例示的な回路図。 本発明の第2の実施の形態に係る電流センサの正断面図(図5のIV-IV'断面図)。 図4のV-V'矢視図。 同電流センサの概略斜視図。 同電流センサの例示的な回路図。 本発明の第3の実施の形態に係る電流センサの正断面図。 同電流センサの例示的な回路図。 本発明の第4の実施の形態に係る電流センサで用いるバスバーの概略斜視図。 変形例に関し、バスバーが湾曲している場合の正断面図。 (A)は磁気比例式電流センサの基本的構成を示す概略斜視図。(B)は磁気平衡式電流センサの基本的構成を示す概略斜視図。
符号の説明
10 バスバー
15 リング状磁気コア
17 ボビン
18 巻線
19 端子ピン
25 ホール素子
26 プリント基板
29 絶縁板
51 高抵抗電流路
52 低抵抗電流路
70 コアホルダ
80 ケース本体
85 蓋
100,200,300 電流センサ
L,L1〜L4 負帰還用コイル

Claims (6)

  1. 被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
    前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
    前記ギャップ部に位置する磁気検出素子とを備え、
    前記バスバーは、中間部に形成された開口によって前記高抵抗電流路と前記低抵抗電流路とに分岐し、前記高抵抗電流路が少なくとも部分的に前記低抵抗電流路の幅内に存在するように幅方向に湾曲し、ないし折り曲げられていて、
    前記高抵抗電流路のうち前記低抵抗電流路の幅内に存在する部分を前記リング状磁気コアが囲んでいる、電流センサ。
  2. 請求項1に記載の電流センサにおいて、前記バスバーは、前記被測定電流の流れる方向に略平行で前記低抵抗電流路に近い第1の折曲げラインと、前記第1の折曲げラインと平行で前記低抵抗電流路から遠い第2の折曲げラインとに沿ってそれぞれ略直角に折り曲げられている、電流センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の電流センサにおいて、前記高抵抗電流路に1つ以上の切欠部が形成されて前記高抵抗電流路の抵抗値が高められている、電流センサ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の電流センサにおいて、前記リング状磁気コアの前記ギャップ部の長さが前記高抵抗電流路の厚み若しくは幅よりも大きい、電流センサ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の電流センサにおいて、
    この電流センサは、前記リング状磁気コアが内側を貫通する負帰還用コイルをさらに備える磁気平衡式電流センサであり、
    前記磁気検出素子が実装されたプリント基板のスルーホールに前記負帰還用コイルの端子ピンが挿通されている、電流センサ。
  6. 請求項5に記載の電流センサにおいて、
    前記負帰還用コイルは複数存在し、複数の前記負帰還用コイルはそれぞれ、
    巻軸方向の長さが少なくとも一部で前記リング状磁気コアの前記ギャップ部の長さよりも短く、内側を前記リング状磁気コアが貫通するボビンと、
    前記ボビンに施され、前記ボビンから突き出た前記端子ピンに端末が電気的に接続された巻線とを有するものであり、
    各端子ピンは前記プリント基板上の導電パターンと電気的に接続され、
    複数の前記負帰還用コイルは、前記リング状磁気コアの周方向に関して磁気的極性が同一となるように、前記プリント基板上の前記導電パターンにより相互に電気的に接続されている、電流センサ。
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