JP5699993B2 - インバータ - Google Patents

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Description

本発明は、インバータに関する。特に、出力電流を計測する電流センサを備えたインバータに関する。
電流制御を行うインバータの場合、出力電流を計測する電流センサを備える。よく用いられる電流センサは、計測対象の導体(リード線やバスバと呼ばれる細長金属棒)を囲むC字型の磁性体と、その磁性体のギャップ(Cの字の両先端の間の空隙)に感磁素子を備える。感磁素子としては、典型的にはホール素子が用いられる。C字型の磁性体は一般にコアと呼ばれる。この電流センサは、導体に流れる電流が誘起する磁界(誘導磁界)の強さを感磁素子で計測する。誘導磁界の強さから電流を求める。C字状のコアは、誘導磁界の磁束線を集め(磁束密度を高め)、感磁素子を通る磁界の強さを強めることによって、電流センサの感度を高める。なお、「C字型の磁性体」とは、導体を囲む磁性体の一部にギャップが設けられていればよく、厳密な「C」のカーブを描く形状でなくともよい。
電気自動車は、3相交流モータを駆動するためのインバータを備える。インバータはUVW3相の交流を出力する。そして、モータを電流制御するために、3相出力の少なくとも2相の電流を計測する電流センサを備える(残りの1相の電流の大きさは、計測した2相の電流から求められる)。なお、電気自動車では大電流を扱うため、インバータの出力電流を伝達する導体としてバスバ(細長金属棒)が用いられる。そして、電流センサは、バスバに備えられることが多い。
電気自動車では全てのデバイスにコンパクト性が求められ、電流センサやそれを含むインバータも例外ではない。特許文献1、2は、インバータのバスバに適用する電流センサの小型化技術を開示している。いずれの文献が開示する技術も、電流センサ用の回路を実装した基板の形状、あるいは、基板とコアと感磁素子の取付構造を改善して電流センサ全体を小型化するものである。
前述したように、インバータでは、UVW3相を出力する3本のバスバのうち、少なくとも2本には電流センサが備えられる。複数の電流センサを備える場合、インバータ/電流センサを小型化しようとすると、隣接するバスバの間隔が小さくなり、隣接するコア同士の距離が短くなる。そうすると、一方のコアからの漏れ磁束が他方の電流センサの感磁素子に影響を与え、これにより電流計測精度が低下する虞がある。
隣接する電流センサの相互干渉を低減する技術が例えば特許文献3に開示されている。その技術は、所定のスペースに2個の電流センサを配置する場合、感磁素子同士ができるだけ離れるようにコアを配置する、というものである。
特開2007−147565号公報 特開2011−232086号公報 特開2011−191168号公報
インバータでは、3相電流出力用のバスバ(出力バスバ)のほかにも電流を計測するバスバを備えることがある。例えば、インバータが6個のスイッチング素子で構成される主回路の他に電圧変換回路を含む場合、その電圧変換回路を流れる電流計測用にも電流センサを備えることがある。あるいは、インバータの主回路に供給される電流を計測するために電流センサを備える場合がある。さらには、一つのインバータで2個のモータを駆動する場合、2個の主回路を備える場合がある。その場合、インバータは、UVW3相用の3本の出力バスバを2セット備える。本明細書は、3相交流電流出力用の3本のバスバ(出力バスバ)に加えて第4のバスバを備えたインバータにおいて、その構成の特徴を利用し、出力バスバの電流センサからの漏れ磁束による第4のバスバの電流センサへの影響を低減する技術を提供する。なお、「第4のバスバ」の典型例は、前述したように、電圧変換回路のバスバ、あるいは、2個のインバータ回路を備える場合の他方のインバータ回路の出力バスバである。
インバータのUVW3相の出力電流の合計は常にゼロである。即ち、3本の出力バスバを流れる電流の合計は常にゼロである。さらに、電気自動車用のインバータでは、出力用バスバと第4のバスバが平行に延びており、それぞれのバスバに電流センサが備えられていることが多い。即ち、電流センサも並んで配置される。本明細書が開示する技術は、これらの状況を利用して第4のバスバに備えられた電流センサの計測精度の低下を防止する。
計測精度低下を防止する技術の原理を説明する。説明を簡単にするために、3本の出力バスバの夫々に電流センサが備えられていると仮定する。それらの電流センサを出力電流センサと称する。3本の出力バスバに隣接して第4のバスバが配置されており、その第4のバスバにも電流センサが備えられている。その電流センサをターゲット電流センサと称する。
3本の出力バスバの夫々を流れる電流をIu、Iv、Iwとすると、Iu+Iv+Iw=0である。また、電流センサのコアから漏れる漏れ磁束Fは流れる電流に比例するので、各出力電流センサからの漏れ磁束Fu、Fv、Fwは、Fu=cu・Iu、Fv=cv・Iv、Fw=cw・Iwとなる。ここで、cu、cv、cwは比例係数である。なお、漏れ磁束の大きさは、ギャップ長に概ね比例する。ギャップ長は、C字型のコアの両端の間の距離である。従って、ギャップ長を大きくすれば、比例係数(cu、cv、あるいは、cw)が大きくなる。
他方、ターゲット電流センサの位置における、各出力電流センサの漏れ磁束の強さは距離の二乗に反比例する。3個の出力電流センサが発する漏れ磁束のターゲット電流センサの位置における総和Faは、Fa=du・Fu+dv・Fv+dw・Fwとなる。ここで、du、dv、dwは比例係数であり、ターゲット電流センサからの距離が大きいほど、小さくなる。なお、出力電流センサとターゲット電流センサの間の距離をLとすると、例えばdu=k/(L)となる(kは比例定数)。
3個の出力電流センサが生じる漏れ磁束のターゲット電流センサの位置における総和Faを3相の各電流値Iu、Iv、Iwで表すと、Fa=du・Fu+dv・Fv+dw・Fw=du・cu・Iu+dv・cv・Iv+dw・cw・Iwとなる。ここで、もし、du・cu=dv・cv=dw・cw=k(一定)であれば、Fa=k・(Iu+Iv+Iw)=0となり、ターゲット電流センサ位置での漏れ磁束の総和Faはゼロとなる。すなわち、出力電流センサが発する漏れ磁束のターゲット電流センサに与える影響をゼロにすることができる。前述したように、比例係数du、dv、dwは、ターゲット電流センサからの距離が大きいほど小さくなる。それゆえ、ターゲット電流センサからの距離が大きいほど比例係数の値が大きくなるようにcu、cv、cwの値を設定することによって、du・cu=dv・cv=dw・cw=k(一定)を実現することができる。比例係数cu、cv、cwはギャップ長に比例することから、ターゲット電流センサからの距離が遠いほど、ギャップ長を大きくすれば、du・cu=dv・cv=dw・cw=k(一定)を実現することができる。
なお、du・cu=dv・cv=dw・cw=k(一定)を厳密に実現できなくとも、du・cuとdv・cvとdw・cwが概ね近い値となれば、各相の電流センサの漏れ磁束はターゲット電流センサ位置で部分的に相殺し合うため、漏れ磁束の総和Faを小さくすることができる。出力電流センサからの漏れ磁束がターゲット電流センサに与える影響を小さくすることができ、ターゲット電流センサの計測精度の低下を抑制できる。
また、3本の出力バスバの全てに電流センサを備えずとも、少なくとも2本の出力バスバに電流を備える場合であっても、上記の原理を適用することができる。即ち、ターゲット電流センサから遠い方に配置された出力電流センサのギャップ長を、近い方に配置された出力電流センサのギャップ長よりも大きくすればよい。
上記の原理に基づき、本明細書が開示するインバータの一つの実施態様は次の構成を有する。モータを駆動するためのUVW3相の出力電流をモータに伝達する3本の出力バスバと、第4のバスバが平行に並んでいる。3本の出力バスバのうちの少なくとも2本の出力バスバと第4のバスバに電流センサが備えられている。電流センサは、バスバを囲むC字型の磁性体(コア)と、コアのC字のギャップに配置された感磁素子を備えている。そして、出力バスバに備えられた電流センサのうち、第4のバスバに備えられた電流センサに遠い方の電流センサのギャップ長が、近い方の電流センサのギャップ長よりも大きくなっている。なお、好ましくは、3本の出力バスバの夫々に電流センサが備えられており、3本の出力バスバの電流センサの夫々から発する漏れ磁束の総和が、第4のバスバの電流センサの位置にてゼロとなるように、ギャップ長が定められているとよい。前述したように、漏れ磁束の総和は、厳密にゼロにならずとも、ゼロに近い値となれば、漏れ磁束の影響を低減することができる。
前述したように、第4のバスバは、典型的には、インバータが備える他の回路(例えば電圧コンバータ)のバスバ、あるいは、インバータが2個のモータの出力電流を生成する2個の主回路を備えている場合には、他方の主回路の出力バスバである。後者の場合、即ち、インバータが、UVW3相出力電流を夫々のモータに供給する3本の出力バスバを2組備えている場合であって、2組のバスバの夫々に電流センサが備えられている場合には、2組のバスバ群が相互に、上記した漏れ磁束の影響を低減するように構成されているとよい。具体的には次の構成を備えているとよい。即ち、第1モータ用の3本の出力バスバと第2モータ用の3本の出力バスバが平行に並んでいる。第1モータ用の3本の出力バスバの少なくとも2本の出力バスバと、第2モータ用の3本の出力バスバの少なくとも2本の出力バスバに電流センサが備えられている。第1モータ用の出力バスバに備えられた電流センサのうち、第2モータ用の出力バスバの電流センサから遠い方の電流センサのギャップ長さが近い方の電流センサのギャップ長よりも大きく、第2モータ用の出力バスバに備えられた電流センサのうち、第1モータ用の出力バスバの電流センサから遠い方の電流センサのギャップ長が近い方の電流センサのギャップ長よりも大きくなっている。
一般に、隣接する電流センサにおいて一方の電流センサの漏れ磁束の他方の電流センサへの影響を小さくするには、ギャップ長をできるだけ小さくし、漏れ磁束そのものを抑制することを考える。しかし本明細書が開示する技術は、モータ駆動用の3相出力の電流の総和がゼロであることを利用し、複数の電流センサの漏れ磁束が別の電流センサに与える影響を抑制するため、その複数の電流センサにおいてギャップ長を異ならしめるという技術的思想に基づいている。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
インバータの回路のブロック図である。 インバータを構成する半導体積層ユニットと端子台の斜視図である。 バスバとコアの相対的配置を示す斜視図である。 電流センサの配置を示す平面図である。 電流センサのコアのギャップ長の相違を説明する図である。 変形例のインバータにおける電流センサのコアのギャップ長の相違を説明する図である。
図面を参照して実施例のインバータ2を説明する。まず、インバータ2の回路構成を説明する。図1は、インバータ2の回路構成を示すブロック図である。インバータ2は、走行用に2つのモータ(M1及びM2)を備える電気自動車のためのデバイスである。インバータ2は、バッテリ91の直流電流を所望の周波数の交流電流に変換する主回路を2セット備えている(主回路93a、93b)。なお、符号92が示すコンデンサは、主回路に入力される電流を平滑化するために備えられている。
3相交流電流を生成するインバータの主回路93a、93bは、良く知られているように、2個のスイッチング素子(IGBTなど)の直列接続回路が3セット並列に接続された回路構成を有している。直列に接続された2個のスイッチング素子の中間点から交流電流が出力される。それゆえ、2個のスイッチング回路の直列接続回路が3セットでUVW3相の交流電流が出力できる。3相の出力交流は相互に120度の位相差を有しているため、3相の出力電流の和は常にゼロとなる。
インバータ2は、UVW3相の夫々の出力電流を計測する電流センサを備えている。なお、図1では、3相夫々の出力電流を計測する3個の電流センサをまとめて符号5で示している。インバータ2は、主回路を2セット備えるので、合計6個の電流センサ5を備えている。後述するが、夫々の電流センサは符号5a、5b、5c、5d、5e、5fで識別される。夫々のスイッチング素子には、逆方向への電流の流れを許容する還流ダイオードが逆並列に接続されている。
電流センサ5の信号は、コントローラ94に送られる。また、コントローラ94は、上位のコンピュータ(不図示)から目標出力の指令を受ける。コントローラ94は、モータの出力が目標出力に一致するように、電流センサ5のセンサデータを使ってモータをフィードバック制御する。具体的には、コントローラ94は、目標出力の指令と電流センサ5のセンサデータから所定のPWM信号を生成し、主回路93a、93bに与える。
次に、インバータ2のハードウエア構成の中で、本明細書が開示する技術に特に関連する部品について説明する。実施例のインバータ2では、直列接続される2個のスイッチング素子(例えば図1中のトランジスタT1とT2)、及び、それらのスイッチング素子に付随する還流ダイオード(例えば図1中のダイオードD1とD2)を樹脂のモールドでパッケージしている。そのパッケージを半導体モジュール12と称する。図1の例では、3個の半導体モジュール12a、12b、12cが1つの主回路93aを構成し、別の3個の半導体モジュール12d、12e、12fが他の1つの主回路93bを構成する。以下では、6個の半導体モジュール12a〜12fの任意の1つを示す場合には「半導体モジュール12」と称することがある。
図2に、半導体モジュール12を集積したユニット(半導体積層ユニット20)と、端子台50(後述)の斜視図を示す。前述したように、1つの半導体モジュール(例えば図2の上方に示す半導体モジュール12f)には、直列接続される2個のスイッチング素子(例えば、トランジスタT1とT2)と、還流ダイオード(例えば、D1とD2)が樹脂でモールドされる。半導体モジュール12fは平板状であり、その下面から3本の平板状の接続端子13a〜13cが延びており、上面からは信号線Sが延びている。端子13bと13cは、それぞれ、2個のスイッチング素子(トランジスタT1とT2)の直列接続回路の高電圧側と低電圧側に繋がっており、直列接続回路に直流電圧を供給するための端子である。端子13aは、2個のスイッチング素子の直列接続回路の中間点から延びている。端子13aが、主回路の交流出力端に相当する。信号線Sは、スイッチング素子のゲートに印加する駆動信号(PWM信号)を供給するための線である。駆動信号は数十ボルトの低電圧であるので信号線Sには細いリード線が用いられるが、端子13a〜13cには大電流が流れるため、平板金属が用いられる。なお、図2では、半導体モジュール12a〜12eの信号線Sは図示を省略している。
図2に示すように、半導体積層ユニット20は、複数の半導体モジュール12と、内部を冷媒が通る複数の冷却プレート21を交互に積層した構造体である。積層に際して、夫々の半導体モジュール12の両面にはセラミック製の絶縁板23が取り付けられる。
端子台50は、半導体モジュール12から延びているバスバ9a〜9f(後述)を、モータから延びているパワーケーブル(不図示)と接続するための中継器である。端子台50は、インバータの筐体内部にて、半導体積層ユニット20に隣接して配置される。以下では、バスバ9a〜9fの中の任意の1本を示す場合には「バスバ9」と称することがある。バスバ9は、その一端が半導体モジュール12の端子13a(即ち、2個のスイッチング素子の直列接続の中間点である交流出力端)に接続しており、他端は、端子台50にて、モータのパワーケーブルと接続される。インバータの筐体の図示は省略するが、端子台50の一面51aがインバータの筐体に設けられた開口に向いており、バスバ9の端部がその面51aの表面にて筐体外部に露出する。なお、半導体モジュール12の他の端子13b、13cにも別のバスバが接続されるが、その図示は省略している。さらに、信号線Sは、半導体積層ユニット20の上方に配置される制御基板(不図示)に接続される。
端子台50の本体51は樹脂製であり、バスバ9がインサート成形される。また、本体51には、6本のバスバ9の夫々を流れる電流を計測するための6個の電流センサ5(後述)が取り付けられている。特に、バスバ9とともに、電流センサのコア4(後述)が、本体51にインサート成形される。後述するが、電流センサのプローブ(計測位置に配置されるセンサ本体)はコア4とホール素子3で構成される。また、ホール素子3と接続され、ホール素子3に電圧を供給するとともにホール素子3の出力を処理する回路基板15は、本体51の上面に固定される。回路基板15からは、センサ出力をインバータのコントローラ(インバータの制御回路を実装した基板)に伝達するための信号線16が上方に向けて延びている。
図3は、端子台50において、本体51の図示を省略してバスバ9とコア4の相対的配置を表した図である。C字状のコア4(4a〜4f)は、バスバ9(9a〜9f)を囲むように配置される。なお、図3では、一つの半導体モジュール12aのみを示しており、他の半導体モジュール12b〜12fの図示を省略しているが、バスバ9a〜9fの夫々は、半導体モジュール12aと同様に、半導体モジュール12a〜12fの夫々の端子13aに接続していることに留意されたい。バスバ9a、9b、及び、9cが、一つのインバータ主回路93aのUVW3相の出力電流を伝達し、バスバ9d、9e、9fが他の一つのインバータ主回路93bのUVW3相の出力電流を伝達する。一端が端子13aに接続しているバスバ9の他端は、端子台50の端面51aに相当する位置で直角に折れ曲がり、その端部に、モータのパワーケーブルを固定するための孔が設けられている。
図3では省略しているが、コア4のギャップ、即ち、C字の両端の間の空隙にホール素子3が配置される。なお、後述するが、コア4のギャップ長さは夫々異なるが、図3では図を簡略化し、全てのコアのギャップ長を同じ長さで描いていることに留意されたい。
図4に、バスバの延設方向からみた電流センサ5a〜5bの平面図を示す(ただし、バスバは断面を描いてある)。ホール素子3a〜3fは、それぞれ、コア4a〜4fのギャップに配置される。ホール素子3a〜3fは、回路基板15と接続され、回路基板15から電力の供給を受けるとともに、センサ信号を回路基板15へ送る。
図3、4からよく理解されるように、6本のバスバ9は平行に並んでいる。そして、主回路93aのUVW3相の出力電流をモータM1へ伝達する3本のバスバ9a、9b、9cと、他の主回路93bのUVW3相の出力電流をモータM2へ伝達する3本のバスバ9d、9e、9fが隣接して並んでいる。また、6個のコア4a〜4fは、2列に並んでいる。
本実施例のインバータ2では、複数のコアのギャップ長が相違する。図5は、ホール素子3の図示を省略してバスバ9とコア4とそのギャップ長の関係を示す図である。前述したように、電流センサ5のプローブは、バスバ9を囲むC字型のコア4と、コアのギャップに配置されたホール素子3で構成される。電流センサ5aのコア4aのギャップ長を符号gaで表す。同様に、コア4b〜4fの夫々のギャップ長をgb〜gfで表す。ギャップ長の大小関係は、ga=gf>gb=ge>gc=gdである。別言すると、モータM1用の3本のバスバ9a〜9cに備えられた電流センサのうち、モータM2用のバスバ(3本のバスバ9d〜9fのいずれでもよい)に備えられた電流センサから遠い方の電流センサのギャップ長が、近い方の電流センサのギャップ長よりも大きくなっている。
「発明の概要」で述べたように、ギャップ長ga、gb、gc(UVW3相の出力電流を計測する3個の電流センサのコアのギャップ長)を適宜に選定すれば、モータM1に駆動電流を供給する3本のバスバ9a〜9cに備えられた電流センサ5a〜5cの漏れ磁束の総和Faが、位置P1(電流センサ5eのホール素子3eの配置位置)においてゼロとすることができる。あるいは、ゼロでなくとも、漏れ磁束の総和Faを小さくすることができる。漏れ磁束の大きさは、ギャップ長に比例し、漏れ磁束を発生する位置(電流センサ5a、5b、5cのギャップ位置)から位置P1までの距離(図5における符号La、Lb、Lcが示す距離)の二乗に反比例する。それゆえ、具体的には、3個の電流センサ5a、5b、5cの漏れ磁束による位置P1における総和FP1は、FP1=k・(ga/La)・Ia+k・(gb/Lb)・Ib+k・(gc/Lc)・Icで表すことができる。ここで、係数kは、比例定数である。また、Ia、Ib、Icは、それぞれ、バスバ9a、9b、9cを流れる電流を示す。なお、バスバ9a、9b、9cは、UVW3相の出力電流を伝達するバスバであるから、Ia+Ib+Ic=0である。従って、理想的に、(ga/La)=(gb/Lb)=(gc/Lc)となれば、位置P1における漏れ磁束の総和FP1はゼロとなる。なお、位置P1は、電流センサ5eのギャップgeの位置であるので、モータM2用の他の電流センサ5d、5fのギャップの位置(図5にて符号P2、P3が示す位置)では、漏れ磁束の総和はゼロにはならない。それでも、電流センサ5d、5fのギャップの位置において、モータM1用の電流センサ5a〜5cが発する漏れ磁束は、一部が相殺し合い、その総和は小さくなる。
同様に、モータM2用の3本のバスバ9d〜9fに備えられた電流センサのうち、モータM1用のバスバ(3本のバスバ9a〜9cのいずれでもよい)に備えられた電流センサから遠い方の電流センサのギャップ長が、近い方の電流センサのギャップ長よりも大きくなっている。即ち、ギャップ長gd、ge、gfの間には、gd<ge<gfの関係が成立する。従って、モータM2の出力電流を計測する3個の電流センサ5d〜5fのギャップから漏れる漏れ磁束がモータM1用の電流センサに与える影響も抑制できる。
図6を参照して、本明細書が開示する技術の変形例を示す。図6に示すインバータ2aは、一つのモータにUVW3相交流出力を伝達するためのバスバ109a、109b、109cと、夫々のバスバの電流を計測する電流センサ105a、105b、105cのほか、インバータの主回路に電流を供給する第4バスバ109dと、第4バスバ109dを流れる電流を計測するための電流センサ105dを備える。なお、インバータ全体の構成は前述のインバータ2と類似であるので図示を説明は省略する。また、各電流センサはコア4a〜4dのみを示しており、コアのギャップに配置されるホール素子の図示は省略している。
図6のインバータ2aでは、モータ出力用の3本のバスバ109a〜109cと、第4バスバ109dが平行に並んでおり、各々のバスバに流れる電流を計測する電流センサ105a〜105dが一列に並んでいる。第4バスバ109dの電流を計測する電流センサ105dのギャップ位置P4から他の電流センサ103a、103b、103cのギャップまでの距離は、夫々、La、Lb、Lcである。ここで、図6から明らかなとおり、La>Lb>Lcである。そこで、コア4a〜4cのギャップga、gb、gcを、ga>gb>gcとなるように設定することによって、電流センサ105a〜105cの漏れ磁束が、図6の位置P2に配置されるホール素子(即ち、第4バスバ109dの電流を計測する電流センサ105d)に与える影響を小さくすることができる。
実施例の技術に関する留意点を説明する。ホール素子3a〜3fが、感磁素子の一例に相当する。バスバ9a〜9f、及び、109a〜109cが出力バスバに相当する。なお、主回路93aの3本のバスバ(9a〜9c)が他のバスバに与える影響に着目する場合は、別の主回路93bのバスバ(9d〜9f)はいずれも、第4のバスバの一例に相当する。逆に、主回路93bの3本のバスバ(9d〜9f)が他のバスバに与える影響に着目する場合は、主回路93aのバスバ(9a〜9c)はいずれも、第4のバスバの一例に相当する。
実施例ではいずれの出力バスバにも電流センサが取り付けられる。本明細書が開示する技術は、UVW3相交流を出力する3本の出力バスバのうち、2本のバスバにだけ電流センサが備えられているインバータに適用することも好適である。その場合であっても、出力バスバに備えられた電流センサのうち、第4のバスバに備えられた電流センサから遠い方の電流センサのギャップ長が、近い方の電流センサのギャップ長よりも大きければよい。
「C字型のコア」とは、バスバを囲む磁性体の一部にギャップが設けられていればよく、厳密な「C」の形状を有しなくともよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2、2a:インバータ
3a〜3f:ホール素子(感磁素子)
4a〜4f、104a〜104d:コア(磁性体)
5a〜5f、105a〜105d:電流センサ
9a〜9f、109a〜109d:バスバ
12a〜12f:半導体モジュール
13a〜13c:接続端子
15:回路基板
16:リード線
20:半導体積層ユニット
21:冷却プレート
23:絶縁板
50:端子台
51:本体
91:バッテリ
92:平滑化コンデンサ
93a、93b:主回路
M1、M2:モータ

Claims (4)

  1. モータを駆動するためのUVW3相の出力電流をモータへ伝達する3本の出力バスバと、第4のバスバが平行に並んでおり、
    3本の出力バスバのうちの少なくとも2本の出力バスバと第4のバスバに電流センサが備えられており、
    電流センサは、バスバを囲むC字型の磁性体と、磁性体のC字のギャップに配置された感磁素子を備えており、
    出力バスバに備えられた電流センサのうち、第4のバスバに備えられた電流センサから遠い方の電流センサのギャップ長が、近い方の電流センサのギャップ長よりも大きいことを特徴とするインバータ。
  2. 3本の出力バスバの夫々に電流センサが備えられており、
    3本の出力バスバの電流センサの夫々から発する漏れ磁束の総和が、第4のバスバの電流センサの位置にてゼロとなるように、ギャップ長が定められていることを特徴とする請求項1に記載のインバータ。
  3. 第1モータを駆動するためのUVW3相の出力電流を第1モータへ伝達する第1モータ用の3本の出力バスバと、第2モータを駆動するためのUVW3相の出力電流を第2モータへ伝達する第2モータ用の3本の出力バスバが平行に並んでおり、
    第1モータ用の3本の出力バスバの少なくとも2本の出力バスバと、第2モータ用の3本の出力バスバの少なくとも2本の出力バスバに電流センサが備えられており、
    電流センサは、バスバを囲むC字型の磁性体と、磁性体のC字のギャップに配置された感磁素子を備えており、
    第1モータ用の出力バスバに備えられた電流センサのうち、第2モータ用のいずれかの出力バスバの電流センサから遠い方の電流センサのギャップ長が近い方の電流センサのギャップ長よりも大きく、
    第2モータ用の出力バスバに備えられた電流センサのうち、第1モータ用のいずれかの出力バスバの電流センサから遠い方の電流センサのギャップ長が近い方の電流センサのギャップ長よりも大きい、
    ことを特徴とするインバータ。
  4. 第1モータ用の3本の出力バスバと第2モータ用の3本の出力バスバの夫々に電流センサが備えられており、
    第1モータ用の3本の出力バスバの電流センサの夫々から発する漏れ磁束の総和が、第2モータ用の3本の出力バスバのいずれかの電流センサの位置にてゼロとなるとともに、第2モータ用の3本の出力バスバの電流センサの夫々から発する漏れ磁束の総和が、第1モータ用の3本の出力バスバのいずれかの電流センサの位置にてゼロとなるように、ギャップ長が定められていることを特徴とする請求項3に記載のインバータ。
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