JP2010038750A - 磁気平衡式電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】被測定電流の分流割合の変化を防止した構成を採りつつ、バスバーの分岐部分にリング状コアを実装可能とすることにより、電流検出精度の高い磁気平衡式電流センサを提供する。
【解決手段】バスバー10が長手方向の中間部で部分的に高抵抗電流路11と低抵抗電流路12とに分岐している。第1及び第2の磁気コア21,22は、ギャップ部Gを有するリング状コア20を成すように組み合わされて高抵抗電流路11を囲む。ギャップ部Gにホール素子25が位置する。第1及び第2の磁気コア21,22の底部が第1及び第2の負帰還用コイル31,32の内側に挿通されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばハイブリットカーや電気自動車のバッテリー電流やモータ駆動電流、工作機械のモータに流れる大電流をホール素子等の磁気検出素子を用いて測定する磁気平衡式電流センサに関する。
ホール素子等の磁気検出素子を用いてバスバーに流れる電流(被測定電流)を非接触状態で検出する電流センサとして、磁気比例式のものが従来から知られている。磁気比例式電流センサは、図11(A)に例示のように、ギャップGを有するリング状の磁気コア820(高透磁率で残留磁気が少ない珪素鋼板やパーマロイコア等)と、ギャップGに配置されたホール素子816(磁気検出素子の例示)とを有する。磁気コア820は、被測定電流Iinの流れるバスバー810が貫通する配置である。したがって、被測定電流IinによってギャップG内に磁界が発生し、これがホール素子816の感磁面に印加される。磁界の強さは被測定電流Iinに比例するので、ホール素子816の出力電圧から被測定電流Iinが求められる。
一方、磁気平衡式電流センサは、図11(B)に例示のように、磁気比例式電流センサの構成に加え、磁気コア820に巻線を設けてなる負帰還用コイルLFBを有する。この構成においては、被測定電流IinによってギャップG内に第1の磁界が発生してこれがホール素子816の感磁面に印加される一方、ホール素子816の感磁面に印加される前記第1の磁界を相殺する(ゼロにする)第2の磁界を発生するように負帰還用コイルLFBに電流が供給される。この供給した電流から被測定電流Iinが求められる。
ハイブリッドカーやEV(電気自動車)のバッテリに流れる充放電電流をモニタする電流センサや、インバータ用の三相モータ駆動電流をモニタする電流センサ等は、バスバーに流れる電流(被測定電流)が例えば200A〜600Aあるいはそれ以上と非常に大きい。このため、バスバーの形状が必然的に大きくなるとともにバスバーを囲うコアが大型化し、電流センサ本体が大きくなり、コストアップの原因となっていた。その改善策として、被測定電流を所定の比率(例えば20%と80%)で分流し、小電流の方を検出する電流センサが考案されている(下記特許文献1乃至3)。
特開2002-257866号公報 特開平9−93771号公報 特開2007−212306号公報
特許文献1の電流センサ(磁気比例式)は、「被検出電流が流れるバスバー(電流バー)1を分岐させて、複数の分岐バー1a,1bに分離し、所定の分岐バー1aに電流センサ2を介装」して、「この分岐バー1aに流れる電流を電流センサ2により検出し、その結果からバスバー1全体に流れる電流を検出する」ものである(図1及び要約)。この電流センサは、分岐バー1a,1bを別々に取付け台3にネジ止めしている(すなわち、バスバー1を分岐したまま取付け台3にネジ止めしている)ため、ネジ止め後の経時変化等で接触抵抗が変化し、分岐バー1a,1bによる分流割合が変化して電流検出精度が悪化する欠点がある。
特許文献2の電気接続箱のバスバー構造は、「車両に搭載される電気接続箱21と、電気接続箱21に配索され電流検出対象となるバスバー37と、電気接続箱21に取り付けられる電流センサ23と、電流センサ23の磁気コアを貫通して電流センサ23と一体に形成される分流バスバー31と」を具備し、「分流バスバー31の両端を電流検出対象となるバスバー37に並列に接続」したものである(図1及び要約)。この構造では、分流バスバー31はネジ等により電流検出対象となるバスバー37に接続されるため、ネジ止め部の接触抵抗の経時変化等で分流割合が変化してしまい、電流検出精度が悪化するという欠点がある。
特許文献3の電流センサ(磁気比例式)は、「バスバー2上に両端部7,7が固定されるサブバスバー5の中間部8をバスバー2から距離を置いて配置し、磁性体コア10を中間部8のみを取り囲むように配置」し、「サブバスバー5を流れる電流に起因して中間部8の回りの磁性体コア10内に生じる磁界を磁性体コア10内に組み込まれているホール素子のような磁気センサで測定する」ものである(図1及び要約)。この電流センサは、サブバスバー5の両端部7,7がバスバー2上にそれぞれリベット6,6によって固着されるため、リベットによる固着後の経時変化等で接触抵抗が変化し、分流割合が変化して電流検出精度が悪化する欠点がある。
本発明者は、分流割合の変化自体は、バスバーを端部まで分岐して別々に取り付ける構成(特許文献1)に替えて中間部で部分的に分岐することとし、かつ分岐箇所をネジ止め等する構成(特許文献2又は3)に替えて2つの電流路を一体形成することで防止できると考えた。しかし上記特許文献1乃至3の技術では、メインのバスバーから分岐した部分(以下「分岐バー」)を一体の磁気コア(リング状コア)に挿通する必要があるため、分流割合の変化を防止するために上記の構成を採ることができない。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、被測定電流の分流割合の変化を防止した構成を採りつつ、バスバーの分岐部分にリング状コアを実装可能とすることにより、電流検出精度の高い磁気平衡式電流センサを提供することにある。
本発明のある態様は、磁気平衡式電流センサである。この磁気平衡式電流センサは、
被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁路を成すように組み合わされた第1及び第2の磁気コアと、
前記第1及び第2の磁気コア間の前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
前記第1及び第2の磁気コアの少なくともいずれかに施された負帰還用コイル巻線とを備える。
ある態様の磁気平衡式電流センサにおいて、前記バスバーの長手方向の中間部に前記長手方向に沿う所定長の開口が形成され、前記開口によって前記バスバーが前記高抵抗電流路と前記低抵抗電流路とに分岐しているとよい。
ある態様の磁気平衡式電流センサにおいて、前記バスバーの長手方向の中間部に前記長手方向に沿う所定長の切込み又は開口が前記バスバーの幅方向に並んで2つ形成され、前記高抵抗電流路は前記2つの切込み又は開口に挟まれた部分が上方又は下方に突出されたものであるとよい。
ある態様の磁気平衡式電流センサにおいて、前記高抵抗電流路は、前記バスバーの長手方向の中間部が前記長手方向に関して所定長だけ離れた2カ所を基点として部分的に切り起こされたものであるとよい。
ある態様の磁気平衡式電流センサにおいて、前記第1及び第2の磁気コアのいずれか又は両方が内側に挿通されたボビンをさらに備え、前記負帰還用コイル巻線が前記ボビンに施されているとよい。
ある態様の磁気平衡式電流センサにおいて、前記第1及び第2の磁気コアがコの字状であるとよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の磁気平衡式電流センサによれば、被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している一体形成されたバスバーを用いるので、被測定電流の分流割合の変化を防止することができる。また、第1及び第2の磁気コアの組合せでリング状磁路を成しているため、一体形成されたバスバーを用いつつ前記高抵抗電流路を囲むリング状コアを実装可能である。さらに、電流センサを磁気平衡式としているので、第1及び第2の磁気コアの組合せ時にリング状コアのギャップ部の寸法が多少ばらついても、磁気比例式の場合と比較して電流検出精度が高い。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電流センサ100の概略形状の例示的な説明図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。図2は、同電流センサ100の正断面図(図1(A)のII-II'の断面図)である。図3は、同電流センサ100の第1及び第2の磁気コア21,22の正断面図であり、(A)はコイル未装着状態を、(B)はコイル装着状態をそれぞれ示す。図4は、同電流センサ100の分解斜視図である。但し、本図において第1及び第2の負帰還用コイル31,32の図示は省略している。図5は、同電流センサ100のバスバー10の等価回路図である。
電流センサ100は、バスバー10と、第1及び第2の磁気コア21,22と、磁気検出素子の例示であるホール素子25と、第1及び第2の負帰還用コイル31,32とを備える。
バスバー10は、一体形成された平板形状(例えば銅板)であり、長手方向の両端部に位置する取付け孔91,92を介して例えばネジやリベットによって被測定電流の経路を成すように取り付けられる。バスバー10の長手方向の中間部に前記長手方向に沿う所定長の開口80が形成され、開口80によってバスバー10が長手方向の中間部で部分的に高抵抗電流路11と低抵抗電流路12とに分岐している。換言すれば、被測定電流Iinの全てが流れる未分岐電流路(バスバー10の両端部の分岐していない電流路)の間に高抵抗電流路11と低抵抗電流路12とが挟まれている。したがって、被測定電流Iinは所定の比率で高抵抗電流路11と低抵抗電流路12とに分流される。なお、バスバー10は図5に示す回路図で等価的に表され、分流比は高抵抗電流路11と低抵抗電流路12の抵抗の逆数の比に等しい。高抵抗電流路11と低抵抗電流路12の長さを等しく設定することで、高抵抗電流路11と低抵抗電流路12の抵抗比はそれらの断面積比で表される。
第1及び第2の磁気コア21,22(高透磁率で残留磁気が少ない珪素鋼板やパーマロイコア、アモルファス等からなる)は、図3(A)に例示のようなコの字状であり、図2に例示のようにギャップ部Gを有するリング状コア20(リング状磁路)を成すように組み合わされて高抵抗電流路11を囲む。本実施の形態では、第1及び第2の磁気コア21,22はそれぞれ、底部211,221の一端から長脚212,222が立ち上がり、他端からは短脚213,223が立ち上がったものである。そして長脚212,222が互いに突き合わされ、短脚213,223間にギャップ部Gが存在する。ギャップ部Gはバスバー10(高抵抗電流路11)の側方に位置し、ギャップ部Gにホール素子25が位置する。
第1及び第2の負帰還用コイル31,32は、それぞれ第1及び第2のボビン41,42に第1及び第2の負帰還用コイル巻線51,52を施したものである。図2及び図3(B)に示すように、第1及び第2の磁気コア21,22の底部211,221が第1及び第2の負帰還用コイル31,32の内側(第1及び第2のボビン41,42の内側)に挿通されている。なお、第1及び第2のボビン41,42として分割ボビンを用いることで、底部211,221に第1及び第2のボビン41,42を実装でき、この状態で巻線機(不図示)によって第1及び第2のボビン41,42に第1及び第2の負帰還用コイル巻線51,52を施すことが可能である。
図6は、図1に示される同電流センサ100の例示的な回路図である。本図において、ホール素子25は等価的に4つの抵抗のブリッジ接続で表され、端子a,b間に一定のホール素子駆動電流を流しておくことにより出力端子c,d間にホール素子25に印加された磁界に比例した(換言すれば被測定電流Iinに比例した)電圧を得る構成としている。ホール素子25の出力端子c,dは、負帰還用差動増幅器35の入力端子にそれぞれ接続される。負帰還用差動増幅器35の出力端子と接地(GND:基準電圧端子)とを接続する経路に第1及び第2の負帰還用コイル31,32と検出抵抗RSとが直列接続される。検出抵抗RSと並列に電圧計35が接続される。
ホール素子25の出力電圧VHは負帰還用差動増幅器35に入力される。負帰還用差動増幅器35は、出力端子から電流を吸い込む又は吐き出すことにより、端子c、d間の電位差が常にゼロとなるように、すなわちホール素子25の感磁面において被測定電流Iinによって発生する第1の磁界と第1及び第2の負帰還用コイル31,32の発生する第2の磁界とが相殺するように、第1及び第2の負帰還用コイル31,32に負帰還電流IFBを供給する。供給された負帰還電流IFBは検出抵抗RSで電圧に変換されて電圧計35によって検出(モニタ)される(又はセンサ出力として外部に取り出される)。
高抵抗電流路11に流れる分流電流I1と負帰還電流IFBとの間には、等アンペアターンの原理より、次の関係が成立する。ここで、N1は第1の負帰還用コイル31の巻線数、N2は第2の負帰還用コイル32の巻線数である。
1[A]×1[ターン]=IFB[A]×(N1+N2)[ターン] …式(1)
また、高抵抗電流路11に流れる分流電流I1と低抵抗電流路12に流れる分流電流I2との分流比を例えば1:5とすれば、
2[A]=I1[A]×5 …式(2)
となり、被測定電流Iinは、
in[A]=I1[A]+I2[A]=I1[A]×6 …式(3)
となる。ここで、例として高抵抗電流路11に流れる分流電流I1が100[A]であれば、低抵抗電流路12に流れる分流電流I2は500[A]、被測定電流Iinは600[A]となる。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) バスバー10が長手方向の中間部で部分的に高抵抗電流路11と低抵抗電流路12とに分岐し、高抵抗電流路11と低抵抗電流路12の両側の分岐していない部分に存在する取付け孔91,92を介してバスバー10が被測定電流Iinの経路を成すようにネジやリベット等で取り付けられるので、特許文献1の電流センサのようにバスバーを端部まで分岐して別々に取付け台にネジ止めする場合と比較して、取付け部分の接触抵抗の変化が分流割合に影響しないため、分流割合の変化による電流検出精度の悪化を防止して高精度の電流検出が可能となる。
(2) バスバー10が一体形成されているため、すなわち高抵抗電流路11と低抵抗電流路12、及びそれらの両側の分岐していない部分がネジやリベット等による結合ではなく一体形成されているため、特許文献2又は3のように分岐箇所をネジやリベット等で結合する分離構造のバスバーを用いる場合と比較して、分岐箇所の接触抵抗の変化による分流割合への影響がないので、分流割合の変化による電流検出精度の悪化を防止して高精度の電流検出が可能となる。
(3) バスバー10が一体形成されていると特許文献1乃至3のように分岐バーを一体のリング状コアに挿通する組立方法は採れないところ、本実施の形態ではリング状コア20は第1及び第2の磁気コア21,22を組み合わせたものであるため、バスバー10が一体形成されていても高抵抗電流路11を囲むように第1及び第2の磁気コア21,22を組み合わせることでリング状コア20を実装することが可能であり、その作業性も良い。さらに再度の取外しや再度の組込み作業の容易なクランプ式構造を実現することも可能となる。
(4) 第1及び第2の磁気コア21,22を組み合わせてリング状コア20を成す場合、一体のリング状コアの場合と比較して組合せ時にギャップ部Gの寸法がばらつくことがあり、また組合せ部分の経時変化のためギャップ部Gの寸法が組合せ後に変化することも考えられるが、本実施の形態では電流センサ100を磁気平衡式としているため、磁気比例式の場合よりも原理的にギャップ部Gの寸法の変化が電流検出精度に及ぼす影響が少なく、高精度の電流検出が可能である。
(5) 被測定電流Iinよりも小さな電流が流れる高抵抗電流路11をリング状コア20で囲む構成としているので、被測定電流Iinの全てが流れる電流路を囲む場合と比較して、リング状コア20が小型で済み、また第1及び第2の負帰還用コイル31,32の巻線数も少なくてよいため、コスト安である。例えば、被測定電流Iin(定格)が±400A、高抵抗電流路11の分流比率が5%であれば、高抵抗電流路11に流れる分流電流I1は、
1[A]=Iin[A]×5%=400[A]×5%=20[A]
であり、負帰還電流IFB(定格)が±50mAとなるように第1及び第2の負帰還用コイル31,32を設計すると、第1の負帰還用コイル31の巻線数N1と第2の負帰還用コイル32の巻線数N2との和は、上記式(1)より、
(N1+N2)[ターン]
=(I1[A]×1[ターン])/IFB[A]
=20[A・ターン]/0.05[A]
=400[ターン]
となり、被測定電流Iinの全てが流れる電流路を囲む場合に必要な巻線数(8000[ターン]←400[A・ターン]/0.05[A])の1/20で足りる。
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る電流センサ200の正断面図である。本実施の形態の電流センサ200は、第1の実施の形態の電流センサ100と比較して、第2の負帰還用コイル32が無くなった点と、それに伴って第2の磁気コア22の高さが小さくなっている点とにおいて相違し、その他の点で一致している。なお、本実施の形態の場合、上記式(1)に相当する等アンペアターンの式は、高抵抗電流路11に流れる分流電流をI1、負帰還電流をIFB、第1の負帰還用コイル31の巻線数をN1として、
1[A]×1[ターン]=IFB[A]×N1[ターン] …式(4)
となる。本実施の形態も第1の実施の形態と同様の効果を奏する。また、コイルの巻線数が少なくてよい場合には本実施の形態のように第2の負帰還用コイル32を無くして第2の磁気コア22を小型化することで低コスト化を図ることができる。
(第3の実施の形態)
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る電流センサ300の正断面図である。本実施の形態の電流センサ300は、第1の実施の形態の電流センサ100と比較して、ギャップ部Gがバスバー10(高抵抗電流路11)の上方に位置するように第1及び第2の磁気コア21,22が組み合わせられてリング状コア20を成している点と、他の電子部品が搭載されたプリント基板26がリング状コア20の上面に不図示の絶縁スペーサを介して配置されている点と、ホール素子25がプリント基板26に接続されている点と、第1の負帰還用コイル31が無くなった点と、第2の負帰還用コイル32が第1及び第2の磁気コア21,22の長脚212,222同士の突き合わせ部分(嵌合部分)に実装されている点とにおいて相違し、その他の点で一致している。なお、本実施の形態の場合、上記式(1)に相当する等アンペアターンの式は、高抵抗電流路11に流れる分流電流をI1、負帰還電流をIFB、第2の負帰還用コイル32の巻線数をN2として、
1[A]×1[ターン]=IFB[A]×N2[ターン] …式(5)
となる。
本実施の形態も第1の実施の形態と同様の効果を奏する。また、第2の負帰還用コイル32が第1及び第2の磁気コア21,22の長脚212,222同士の突き合わせ部分に実装されるので、第2の負帰還用コイル32のボビン(第2のボビン42)は分割ボビンでなくてもよく、巻線済みの第2のボビン42の内側に長脚212,222を挿通することで組立て可能であり作業性がよい。
(第4の実施の形態)
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る電流センサ400の正断面図である。図10は、同電流センサ400のバスバー70の、(A)は平面図、(B)は右側面図である。本実施の形態では、第1乃至第3の実施の形態とは異なる形状のバスバー70を用いる。
バスバー70は、一体形成された平板形状(例えば銅板)であり、その長手方向の中間部が前記長手方向に関して所定長だけ離れた2カ所(折曲げ基点73,74)を基点として部分的に切り起こされて前記長手方向に関して部分的に分岐している。この切り起こされた部分(切起し片)が本実施の形態の高抵抗電流路71であり、バスバー70の長手方向に関して折曲げ基点73,74の間に位置する切り起こされていない部分が低抵抗電流路72である。具体的には、バスバー70の長手方向の中間部に前記長手方向に沿う(前記長手方向と平行な)2つの所定長の開口75,76がバスバー70の幅方向に並んで形成され、この2つの開口75,76に挟まれた部分が上方(又は下方)に突出されて切起し片が形成されている。なお、2つの開口75,76に替えて、幅のない2つの切込みを形成してもよい。本実施の形態のバスバー70も、図5に示される回路図で等価的に表される。
第1及び第2の磁気コア21,22は、上述の図3(A)に示されたものと同様であり、ギャップ部Gがバスバー70(高抵抗電流路71)の上方に位置するように組み合わせられてリング状コア20を成す。また、第3の実施の形態と同様に、他の電子部品が搭載されたプリント基板26がリング状コア20の上面に不図示の絶縁スペーサを介して配置され、ギャップ部Gに位置するホール素子25がプリント基板26に接続されている。また、同実施の形態と同様に、第1の負帰還用コイル31は無く、第2の負帰還用コイル32が第1及び第2の磁気コア21,22の長脚212,222同士の突き合わせ部分(嵌合部分)に実装されている。第2の負帰還用コイル32のボビン42の鍔部端面がバスバー70の上面(幅広主面)に当接している。半角筒状の上部ケース94及び下部ケース95を組み合わせてなる角筒状外装ケース93(樹脂等)は、バスバー70の中間部と、第1及び第2の磁気コア21,22と、ホール素子25と、プリント基板26と、第2の負帰還用コイル32とを内側に囲む。
本実施の形態も第1の実施の形態と同様の効果を奏する。また、高抵抗電流路71をバスバー70から上方への切起し片としているため、リング状コア20をバスバー70の幅内に配置することかでき、電流センサ400の幅を狭くすることが可能である。また、第3の実施の形態と同様に、第2の負帰還用コイル32が第1及び第2の磁気コア21,22の長脚212,222同士の突き合わせ部分に実装されるので、第2の負帰還用コイル32のボビン(第2のボビン42)は分割ボビンでなくてもよく、巻線済みの第2のボビン42の内側に長脚212,222を挿通することで組立て可能であり作業性がよい。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
実施の形態ではボビンに巻線を施したものを負帰還用コイルとしたが、変形例ではボビンなしで負帰還用コイル巻線を磁気コアに施してもよい。
実施の形態では図6に示される両電源駆動の回路を例示したが、変形例では単電源駆動の回路を用いてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る電流センサの概略形状の例示的な説明図であり、(A)は平面図、(B)は正面図。 同電流センサの正断面図(図1(A)のII-II'の断面図)。 同電流センサの第1及び第2の磁気コアの正断面図であり、(A)はコイル未装着状態を、(B)はコイル装着状態をそれぞれ示す。 同電流センサの分解斜視図(第1及び第2の負帰還用コイルの図示は省略)。 同電流センサのバスバーの等価回路図。 図1に示される同電流センサの例示的な回路図。 本発明の第2の実施の形態に係る電流センサの正断面図。 本発明の第3の実施の形態に係る電流センサの正断面図。 本発明の第4の実施の形態に係る電流センサの正断面図。 同電流センサのバスバーの、(A)は平面図、(B)は右側面図。 (A)は磁気比例式電流センサの基本的構成を示す概略斜視図。(B)は磁気平衡式電流センサの基本的構成を示す概略斜視図。
符号の説明
10 バスバー
11 高抵抗電流路
12 低抵抗電流路
20 リング状コア
21 第1の磁気コア
22 第2の磁気コア
25 ホール素子
26 プリント基板
31 第1の負帰還用コイル
32 第2の負帰還用コイル
41 第1のボビン
42 第2のボビン
51 第1の負帰還用コイル巻線
52 第2の負帰還用コイル巻線
80 開口
100 電流センサ

Claims (6)

  1. 被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
    前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁路を成すように組み合わされた第1及び第2の磁気コアと、
    前記第1及び第2の磁気コア間の前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
    前記第1及び第2の磁気コアの少なくともいずれかに施された負帰還用コイル巻線とを備える、磁気平衡式電流センサ。
  2. 請求項1に記載の磁気平衡式電流センサにおいて、前記バスバーの長手方向の中間部に前記長手方向に沿う所定長の開口が形成され、前記開口によって前記バスバーが前記高抵抗電流路と前記低抵抗電流路とに分岐している、磁気平衡式電流センサ。
  3. 請求項1に記載の磁気平衡式電流センサにおいて、前記バスバーの長手方向の中間部に前記長手方向に沿う所定長の切込み又は開口が前記バスバーの幅方向に並んで2つ形成され、前記高抵抗電流路は前記2つの切込み又は開口に挟まれた部分が上方又は下方に突出されたものである、磁気平衡式電流センサ。
  4. 請求項1に記載の磁気平衡式電流センサにおいて、前記高抵抗電流路は、前記バスバーの長手方向の中間部が前記長手方向に関して所定長だけ離れた2カ所を基点として部分的に切り起こされたものである、磁気平衡式電流センサ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の磁気平衡式電流センサにおいて、前記第1及び第2の磁気コアのいずれか又は両方が内側に挿通されたボビンをさらに備え、前記負帰還用コイル巻線が前記ボビンに施されている、磁気平衡式電流センサ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の磁気平衡式電流センサにおいて、前記第1及び第2の磁気コアがコの字状である、磁気平衡式電流センサ。
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