JP4816980B2 - 電流センサ - Google Patents

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Description

本発明は、例えばハイブリットカーや電気自動車のバッテリー電流やモータ駆動電流、工作機械のモータに流れる電流をホール素子等の磁気検出素子を用いて測定する電流センサに関する。
ホール素子等の磁気検出素子を用いてバスバーに流れる電流(被測定電流)を非接触状態で検出する電流センサとして、以下に示す磁気比例式や磁気平衡式のものが従来から知られている。
磁気比例式電流センサは、図13に例示のように、ギャップGを有するリング状の磁気コア820(高透磁率で残留磁気が少ない珪素鋼板やパーマロイコア等)と、ギャップGに配置されたホール素子816(磁気検出素子の例示)とを有する。磁気コア820は、被測定電流Iinの流れるバスバー810が貫通する配置である。したがって、被測定電流IinによってギャップG内に磁界が発生し、これがホール素子816の感磁面に印加される。磁界の強さは被測定電流Iinに比例するので、ホール素子816の出力電圧から被測定電流Iinが求められる。なお、磁気比例式電流センサの回路構成は、例えば図14に示されるものである。この回路では、定電流駆動されるホール素子816の出力電圧を差動増幅回路で増幅してセンサ出力としている。
磁気平衡式電流センサは、磁気比例式電流センサの構成に加えて、図15に例示のように、磁気コア820に巻線を設けてなる負帰還用コイルLFBを有する。この構成においては、被測定電流IinによってギャップG内に第1の磁界が発生してこれがホール素子816の感磁面に印加される一方、ホール素子816の感磁面に印加される前記第1の磁界を相殺する(ゼロにする)第2の磁界を発生するように負帰還用コイルLFBに電流が供給される。この供給した電流から被測定電流Iinが求められる。なお、磁気平衡式電流センサの回路構成は、例えば図16に示されるものである。この回路では、負帰還電流を検出抵抗で電圧に変換し、これを差動増幅回路で増幅してセンサ出力としている。
ハイブリッドカーやEV(電気自動車)のバッテリに流れる充放電電流をモニタする電流センサや、インバータ用の三相モータ駆動電流をモニタする電流センサ等は、バスバーに流れる電流(被測定電流)が例えば200A〜600Aあるいはそれ以上と非常に大きい。このため、バスバーの形状が必然的に大きくなるとともにバスバーを囲うコアが大型化し、電流センサ本体が大きくなり、コストアップの原因となっている。その改善策として、下記特許文献1では、被測定電流を小電流に分流して検出する電流センサが提案されている。
特開平6−273449号公報
特許文献1の電流センサは、同文献図1に示されるように、「入出力端子間に設けられた複数の電流導体2と、複数の電流導体2のうちの一の電流導体2(M)の近傍に配置され、電流導体2(M)を流れる電流により発生した磁束を集磁する磁心3と、磁心3により集磁された磁束を検出し、電流量検出信号4として出力する磁気検出素子5と」を備えるものである([要約]の[構成])。
特許文献1ではさらに「図3(a)に示すように、過渡的な電流変化(交流電流)を測定する場合には、信号の立上がり(立ち下がり)特性が劣化し、瞬時には電流を検出すべき導線に電流が流れず、他の導線を介して流れてしまうため、図3(b)に示すように、電流センサの応答特性が劣化することとなる」(段落[0019])との課題を指摘した上で、この応答特性の劣化を低減するために、「図4(a)に示すように、磁性コア3が近傍に配置されている導線2(M)以外の導線2にも同等のインダクタンス成分(=L)を発生させるため、近傍に磁性体6を配置してい」る(段落[0021])。
上記特許文献1で用いている磁性体6は同文献図4に示されるようなビーズ形状の分割されていない円筒形磁性体(以下「ビーズ型磁性体」と表記)であるため、導線2に実装する場合は導線2の少なくとも一端を分離した状態でビーズ型磁性体を通す必要がある。このため、ビーズ型磁性体を通した後に導線2の分離した部分をネジやリベットで機械的に接合する必要がある。そうすると、導線自体の抵抗は非常に小さいため、接合部の接触抵抗の微小変動が分流比を変動させ、電流検出精度が悪化するという欠点がある。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、バスバーを分離せずに実装できるインダクタンス整合用磁性体を用いることにより一体形成されたバスバーを使用可能とすることで、被測定電流の分流割合の変化を防止しながら応答特性も良好とすることの可能な電流センサを提供することにある。
本発明の第1の態様は、電流センサである。この電流センサは、
被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを前記低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側に配置されたインダクタンス整合用磁性体とを備え、
前記インダクタンス整合用磁性体は、前記低抵抗電流路の厚み又は幅以上の長さのギャップ部を有するリング形状であって前記低抵抗電流路を囲んでいて、
前記バスバーは、中間部に形成された開口によって前記高抵抗電流路と前記低抵抗電流路とに分岐し、
前記リング状磁気コア及び前記インダクタンス整合用磁性体は、前記被測定電流の流れる方向に関して異なる位置に配置されていて前記バスバーの幅方向に関する位置が部分的に重複している。
本発明の第2の態様も、電流センサである。この電流センサは、
被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを前記低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側に配置されたインダクタンス整合用磁性体とを備え、
前記インダクタンス整合用磁性体は、対向面間の距離が前記低抵抗電流路の厚み又は幅以上の長さのコの字型であり、前記コの字型の内側に前記低抵抗電流路が位置した状態で前記コの字型の先端部の少なくとも一方の前記低抵抗電流路からはみ出した部分が前記低抵抗電流路に沿って折り曲げられている。
本発明の第3の態様も、電流センサである。この電流センサは、
被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを前記低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側に配置されたインダクタンス整合用磁性体とを備え、
前記低抵抗電流路には所定位置に凹部又は貫通孔が形成されていて、
前記インダクタンス整合用磁性体は、対向面間の距離が前記低抵抗電流路の厚み又は幅以上の長さのコの字型であり、前記コの字型の内側に前記低抵抗電流路が位置した状態で前記コの字型の先端部の少なくとも一方が折り曲げられて前記低抵抗電流路に形成された前記凹部又は前記貫通孔に係合している。
本発明の第4の態様も、電流センサである。この電流センサは、
被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを前記低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側に配置されたインダクタンス整合用磁性体とを備え、
前記インダクタンス整合用磁性体は、ギャップ部を有するリング形状であって前記ギャップ部の長さが縮まる方向にスプリング性を有し、前記低抵抗電流路を前記リング形状の内側に前記スプリング性を利用して挟み込んでいる。
第4の態様の電流センサにおいて、前記インダクタンス整合用磁性体は、コの字型であり、前記コの字型の先端部の少なくとも一方の前記低抵抗電流路からはみ出した部分が前記低抵抗電流路に沿って折り曲げられているとよい。
第4の態様の電流センサにおいて、
前記低抵抗電流路には所定位置に凹部又は貫通孔が形成されていて、
前記インダクタンス整合用磁性体は、コの字型であり、前記コの字型の先端部の少なくとも一方が折り曲げられて前記低抵抗電流路に形成された前記凹部又は前記貫通孔に係合しているとよい。
2,第4の態様の電流センサにおいて、
前記バスバーは、中間部に形成された開口によって前記高抵抗電流路と前記低抵抗電流路とに分岐し、
前記リング状磁気コア及び前記インダクタンス整合用磁性体は、前記被測定電流の流れる方向に関して異なる位置に配置されていて前記バスバーの幅方向に関する位置が部分的に重複しているとよい。
第1から第4の態様の電流センサにおいて、前記低抵抗電流路には前記被測定電流の流れる方向に関して異なる位置にそれぞれ第1及び第2の突起が形成されていて、前記インダクタンス整合用磁性体は前記第1及び第2の突起の間に位置して前記被測定電流の流れる方向に関する位置が定められているとよい。
本発明の第5の態様も、電流センサである。この電流センサは、
被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを前記低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側に配置されたインダクタンス整合用磁性体とを備え、
前記インダクタンス整合用磁性体は、前記低抵抗電流路の相互に対向する幅広面にそれぞれ固着された第1及び第2の磁性体板である。
本発明の第6の態様も、電流センサである。この電流センサは、
被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを前記低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側に配置されたインダクタンス整合用磁性体とを備え、
前記インダクタンス整合用磁性体は、前記低抵抗電流路の厚み又は幅以上の長さのギャップ部を有するリング形状であって前記低抵抗電流路を囲んでいて、
前記低抵抗電流路には前記被測定電流の流れる方向に関して異なる位置にそれぞれ第1及び第2の突起が形成されていて、前記インダクタンス整合用磁性体は前記第1及び第2の突起の間に位置して前記被測定電流の流れる方向に関する位置が定められている。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の電流センサによれば、リング状磁気コアによる高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側にインダクタンス整合用磁性体を配置した構成で、前記インダクタンス整合用磁性体としてバスバーを分離せずに実装できるものを用いつつ一体形成されたバスバーを使用しているので、被測定電流の分流割合の変化を防止しながら応答特性も良好とすることが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電流センサ100の構成を示す、(A)は平面図、(B)は同平面図のB-B'断面図である。
電流センサ100(磁気比例式)は、被測定電流の経路としてのバスバー12と、リング状磁路を成すリング状磁気コア15と、磁気検出素子としてのホール素子25と、プリント基板31と、インダクタンス整合用磁性体70とを備える。
バスバー12は、一体形成された平板形状(例えば銅板)であり、長手方向の両端部に位置する取付け孔91,92を介して例えばネジやリベットによって被測定電流Iinの経路を成すように取り付けられる。バスバー12の長手方向(被測定電流Iinの流れる方向)の中間部に前記長手方向に沿う所定長の開口57(スリット)が形成され、開口57によってバスバー12が長手方向の中間部で部分的に高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とに分岐している。換言すれば、被測定電流Iinの全てが流れる未分岐電流路(バスバー12の両端部の分岐していない電流路)の間に高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とが挟まれている。したがって、被測定電流Iinは所定の比率(例えば1:2)で高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とに分流される。なお、分流比は高抵抗電流路51及び低抵抗電流路52の抵抗の逆数比に等しい。
高抵抗電流路51を囲むようにリング状磁気コア15(高透磁率で残留磁気が少ない珪素鋼板やパーマロイコア、アモルファス等からなる)が配置され、リング状磁気コア15のギャップ部Gにホール素子25が位置する。ホール素子25は電子部品(不図示)を搭載したプリント基板31に実装されて例えば図14に示す回路を成すように接続され、ホール素子25の出力電圧から被測定電流Iinが求められる。ギャップ部Gの長さLG1はバスバー12の厚みLB(高抵抗電流路51の厚み)よりも大きい(LG1>LB)ため、バスバー12が一体形成されかつリング状磁気コア15が分割されていなくても、高抵抗電流路51をギャップ部Gに通すことで、高抵抗電流路51を囲むようにリング状磁気コア15を配置することができる。バスバー12とリング状磁気コア15とプリント基板31は、例えばホルダ80によって保持されて位置関係が固定される。
好ましくは略コの字型のインダクタンス整合用磁性体70(例えばパーマロイや珪素鋼板、鉄板、ステンレス板)は、バスバー12の厚みLB(低抵抗電流路52の厚み)よりも長いギャップ部(すなわち先端部同士の間隔あるいは対向面間の距離LG2。LG2>LB)を有するリング形状であって低抵抗電流路52を囲んでいる。インダクタンス整合用磁性体70は低抵抗電流路52がコの字型の内側に位置するようにバスバー12の幅方向外側から実装される。リング状磁気コア15及びインダクタンス整合用磁性体70は、好ましくはバスバー12の長手方向に関して異なる位置に配置されていてバスバー12の幅方向に関する位置が部分的に重複している。インダクタンス整合用磁性体70は、バスバー12やリング状磁気コア15とともにホルダ80に保持されてもよいし、後述のように接着や所定の嵌合構造によってバスバー12(低抵抗電流路52)に取り付けられてもよい。
図2は、本実施の形態のバスバー12の等回路図である。高抵抗電流路51は、高抵抗電流路51自身による抵抗R1と、リング状磁気コア15によって発生するインダクタンスL1(誘導性リアクタンス)との直列接続で等価的に表される。低抵抗電流路52は、低抵抗電流路52自身による抵抗R2と、インダクタンス整合用磁性体70によって発生するインダクタンスL2(誘導性リアクタンス)との直列接続で等価的に表される。本実施の形態では、リング状磁気コア15による高抵抗電流路51のインダクタンスL1と同等のインダクタンスL2(L1=L2)を低抵抗電流路52が有するように低抵抗電流路52側にインダクタンス整合用磁性体70を配置している。なお、インダクタンス整合用磁性体70の厚みやギャップ長、材質等を適宜調整することで、所望のインダクタンスを得ることができる。
図3は、バスバー12に流れる被測定電流Iinと高抵抗電流路51に流れる電流Isubとの関係を示す特性図であり、(A)は被測定電流Iinの波形図、(B)はL1>L2の場合に高抵抗電流路51に流れる電流Isubの波形図、(C)はL1<L2の場合に高抵抗電流路51に流れる電流Isubの波形図、(D)はL1=L2の場合に高抵抗電流路51に流れる電流Isubの波形図である。ここでは、被測定電流Iinとして周期Tの方形波電流を流した場合を説明する。
図3(B)に示されるように、インダクタンス整合用磁性体70による低抵抗電流路52のインダクタンスL2がリング状磁気コア15による高抵抗電流路51のインダクタンスL1よりも小さい場合(L1>L2)、被測定電流Iinの立ち上がり時に高抵抗電流路51に流れる電流Isubは例えばT1期間だけ過渡的に抵抗比R1:R2(分流比)によって定まる電流と比較して小さい状態となる。これは、L1>L2であるために、被測定電流Iinの立ち上がり時に低抵抗電流路52に多くの電流が流れ、その分だけ高抵抗電流路51に流れる電流が少なくなるためである。したがって、被測定電流Iinと高抵抗電流路51に流れる電流Isubとの比が過渡的に一定とならず、電流検出精度が悪化する。
図3(C)に示されるように、インダクタンス整合用磁性体70による低抵抗電流路52のインダクタンスL2がリング状磁気コア15による高抵抗電流路51のインダクタンスL1よりも大きい場合(L1<L2)、被測定電流Iinの立ち上がり時に高抵抗電流路51に流れる電流Isubは例えばT1期間だけ過渡的に抵抗比R1:R2(分流比)によって定まる電流と比較して大きい状態となる。これは、L1<L2であるために、被測定電流Iinの立ち上がり時に高抵抗電流路51に多くの電流が流れ、その分だけ低抵抗電流路52に流れる電流が少なくなるためである。したがって、被測定電流Iinと高抵抗電流路51に流れる電流Isubとの比が過渡的に一定とならず、電流検出精度が悪化する。
図3(D)に示されるように、インダクタンス整合用磁性体70による低抵抗電流路52のインダクタンスL2がリング状磁気コア15による高抵抗電流路51のインダクタンスL1と等しい(L2=L1)場合、高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とでインダクタンスの整合がとれているため、上述した同図(B),(C)の場合のような過渡現象を抑えて高抵抗電流路51に流れる電流Isubと被測定電流Iinとを相似波形とすることができる。すなわち、被測定電流Iinと高抵抗電流路51に流れる電流Isubとの比が一定となり、電流検出精度が良好となる。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) バスバー12が一体形成されているため、すなわち高抵抗電流路51と低抵抗電流路52、及びそれらの両側の分岐していない部分がネジやリベット等による結合ではなく一体形成されているため、分岐箇所をネジやリベット等で結合する分離構造のバスバーを用いる場合と比較して、分岐箇所の接触抵抗の変化による分流割合への影響がないので、分流割合の変化による電流検出精度の悪化を防止して高精度に電流検出することが可能となる。
(2) インダクタンス整合用磁性体70は、特許文献1のようなギャップ無しの円筒形ではなく、バスバー12の厚みLB(低抵抗電流路52の厚み)よりも長いギャップ部(長さLG2。LG2>LB)を有するリング形状であるため、バスバー12が一体形成されていても低抵抗電流路52に横から差し込むことで簡単な作業で実装できる。これにより被測定電流Iinの変化に対する高抵抗電流路51に流れる電流Isubの応答特性を良好とすることができる。すなわち、直流電流だけでなく交流電流も正確にモニタすることができる。
(3) リング状磁気コア15のギャップ部Gの長さLG1がバスバー12の厚みLB(高抵抗電流路51の厚み)よりも大きい(LG1>LB)ため、一体形成されたバスバー12に対して分割されていないリング状磁気コア15を実装できる。リング状磁気コア15が分割されていないため、分割されたリング状磁気コアを用いる場合と比較して外部磁界の影響に強い電流センサを実現することができる。
(4) リング状磁気コア15及びインダクタンス整合用磁性体70がバスバー12の長手方向に関して異なる位置に配置されていてバスバー12の幅方向に関する位置が部分的に重複しているため、リング状磁気コア15及びインダクタンス整合用磁性体70がバスバー12の長手方向に関して同じ位置に配置されている場合と比較して電流センサ100の幅寸法を小さくすることができる。また、開口57の幅も小さくて済むため、高抵抗電流路51及び低抵抗電流路52の抵抗を小さくできて望ましい。
(5) インダクタンス整合用磁性体が特許文献1のようにギャップ無しの閉じた形状であると、低抵抗電流路52に高周波電流(例えばハイブリットカー用インバータの場合、数10kHz〜100kHz程度)が流れたときにインダクタンス整合用磁性体にショート電流が流れて損失P(=RI2)が発生し、これによりインダクタンス整合用磁性体が発熱するという問題があるが、本実施の形態ではインダクタンス整合用磁性体70はエアギャップを有するものであるため、そのような発熱の問題はない。
(6) 被測定電流Iinよりも小さな電流が流れる高抵抗電流路51をリング状磁気コア15で囲む構成としているので、被測定電流Iinの全てが流れる電流路を囲む場合と比較してリング状磁気コア15が小型で済みコスト安である。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る電流センサ200の正断面図である。本実施の形態の電流センサ200は、第1の実施の形態に係る電流センサ100と比較して、コの字型のインダクタンス整合用磁性体70が低抵抗電流路52に接着されている点で相違し、その他の点で一致している。すなわち、インダクタンス整合用磁性体70のコの字型の対向面間の距離はバスバー12の厚み(低抵抗電流路52の厚み)以上であり、好ましくは低抵抗電流路52の相互に対向する幅広面(上面と下面)及びバスバー12の幅方向外側の側面とインダクタンス整合用磁性体70の内面とがそれぞれ当接した状態で低抵抗電流路52とインダクタンス整合用磁性体70とが接着(固着)されている。なお、接着はいずれか一面のみであってもよい。本実施の形態も、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る電流センサ300の正断面図である。本実施の形態の電流センサ300は、第1の実施の形態の電流センサ100と比較して、インダクタンス整合用磁性体70がギャップ部の長さの縮まる方向にスプリング性(弾性)を有し低抵抗電流路52をリング形状の内側に前記スプリング性を利用して挟み込んでいる点で相違し、その他の点で一致している。インダクタンス整合用磁性体70のリング形状の内側に低抵抗電流路52が位置する状態で好ましくは低抵抗電流路52の外側の側面(バスバー12の幅方向外側の側面)とインダクタンス整合用磁性体70の底面とが当接しているとよい。本実施の形態も、第1の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、接着を伴わずにインダクタンス整合用磁性体70を低抵抗電流路52に取り付けることができるため作業性がよい。
(第4の実施の形態)
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る電流センサ400の正断面図である。本実施の形態の電流センサ400は、第1の実施の形態の電流センサ100と比較して、コの字型のインダクタンス整合用磁性体70の先端部の低抵抗電流路52からバスバー12の幅方向にはみ出した部分が低抵抗電流路52に沿って折り曲げられていて、インダクタンス整合用磁性体70のギャップ部の長さがバスバー12の厚み(低抵抗電流路52の厚み)よりも小さくなっている点で相違し、その他の点で一致している。
すなわち、インダクタンス整合用磁性体70のコの字型の対向面間の距離はバスバー12の厚み(低抵抗電流路52の厚み)以上であり、好ましくは低抵抗電流路52の相互に対向する幅広面(上面と下面)及びバスバー12の幅方向外側の側面とインダクタンス整合用磁性体70の内面(コの字型の底面)とがそれぞれ当接し、この状態でコの字型の先端部の低抵抗電流路52からバスバー12の幅方向にはみ出した部分が低抵抗電流路52に沿って折り曲げられ、開口57に係合している。なお、図6に示すようにコの字型の両方の先端部が折り曲げられていてもよいし、片方の先端部のみが折り曲げられていてもよい。
取付けの際には、インダクタンス整合用磁性体70のコの字型の内側に低抵抗電流路52が位置する状態にした後でコの字型の先端部を折り曲げてもよい。あるいは、インダクタンス整合用磁性体70がギャップ部の縮まる方向にスプリング性を有するものとすれば、コの字型の先端部は最初から折り曲げられていてもよく、この場合はスプリング性に逆らって一時的にインダクタンス整合用磁性体70のギャップ部を低抵抗電流路52の厚み以上に広げてコの字型の内側に低抵抗電流路52が位置するように取り付けてもよい。
本実施の形態も、第1の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、インダクタンス整合用磁性体70のコの字型の先端部の低抵抗電流路52からバスバー12の幅方向にはみ出した部分が低抵抗電流路52に沿って折り曲げられているので、バスバー12の幅方向に関するインダクタンス整合用磁性体70の低抵抗電流路52に対する位置ずれが防止できて好都合である。
(第5の実施の形態)
図7(A)は、本発明の第5の実施の形態に係る電流センサ500の正断面図である。図7(B)は、同電流センサで用いるバスバー12の部分的な平面図である。本実施の形態の電流センサ500は、第1の実施の形態の電流センサ100と比較して、低抵抗電流路52の長手方向の中間部に貫通孔13(スリット)が形成されている点と、コの字型のインダクタンス整合用磁性体70の先端部が低抵抗電流路52に形成された貫通孔13に嵌るように折り曲げられていてインダクタンス整合用磁性体70のギャップ部の長さがバスバー12の厚み(低抵抗電流路52の厚み)よりも小さくなっている点とにおいて相違し、その他の点で一致している。
すなわち、インダクタンス整合用磁性体70のコの字型の対向面間の距離はバスバー12の厚み(低抵抗電流路52の厚み)以上であり、好ましくは低抵抗電流路52の相互に対向する幅広面(上面と下面)及びバスバー12の幅方向外側の側面とインダクタンス整合用磁性体70の内面(コの字型の底面)とがそれぞれ当接し、コの字型の先端部が折り曲げられて低抵抗電流路52に形成された貫通孔13に嵌っている。貫通孔13の長さは好ましくはインダクタンス整合用磁性体70の長さ(リング形状の厚み)とほぼ等しい。なお、図7に示すようにコの字型の両方の先端部が折り曲げられていてもよいし、片方の先端部のみが折り曲げられていてもよい。また、貫通孔13に替えて貫通していない凹部(溝)を形成してもよい。
インダクタンス整合用磁性体70をギャップ部の縮まる方向にスプリング性を有するものとすれば、コの字型の先端部は最初から折り曲げられていてもよく、この場合は取付けの際に、スプリング性に逆らって一時的にギャップ部を低抵抗電流路52の厚み以上に広げてコの字型の内側に低抵抗電流路52が位置するようにして、折り曲げられているコの字型の先端部を低抵抗電流路52の貫通孔13に嵌合(係合)させる。あるいは、インダクタンス整合用磁性体70のコの字型の内側に低抵抗電流路52が位置する状態にした後でコの字型の先端部を貫通孔13に沿って折り曲げて(係合させて)もよい。この場合はインダクタンス整合用磁性体70にスプリング性は不要である。
本実施の形態も、第1の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、インダクタンス整合用磁性体70のコの字型の先端部が低抵抗電流路52に形成された貫通孔13に嵌合(係合)するように折り曲げられているので、バスバー12の幅方向に関するインダクタンス整合用磁性体70の低抵抗電流路52に対する位置ずれが防止できて好都合である。また、貫通孔13の長さをインダクタンス整合用磁性体70の長さ(リング形状の厚み)とほぼ等しくすれば、バスバー12の長さ方向に関するインダクタンス整合用磁性体70の低抵抗電流路52に対する位置ずれも防止できる。
(第6の実施の形態)
図8は、本発明の第6の実施の形態に係る電流センサ600の平面図である。本実施の形態の電流センサ600は、上記各実施の形態の電流センサと比較して、低抵抗電流路52の両側面に低抵抗電流路52の長さ方向に関して所定距離(好ましくはインダクタンス整合用磁性体70のリング形状の厚みとほぼ等しい長さ)の間隔をもって突起14a,14bがそれぞれ形成されている点と、低抵抗電流路52の長さ方向に関して突起14a,14bの間にインダクタンス整合用磁性体70が位置している点とにおいて相違し、その他の点で一致している。本実施の形態によれば、第2〜第4の実施の形態の効果に加え、突起14a,14bによってインダクタンス整合用磁性体70を挟み込むこととなるため、バスバー12の長さ方向に関するインダクタンス整合用磁性体70の低抵抗電流路52に対する位置ずれが防止できて好都合である。なお、突起14a,14bは、低抵抗電流路52の片方の側面のみに形成されていてもよく、また、突起14a,14bの突出方向は低抵抗電流路52の幅方向に限らず、厚み方向であってもよい。
(第7の実施の形態)
図9は、本発明の第7の実施の形態に係る電流センサ700の正断面図である。本実施の形態の電流センサ700は、第1の実施の形態に係る電流センサ100と比較して、インダクタンス整合用磁性体70が、低抵抗電流路52の相互に対向する幅広面(上面及び下面)にそれぞれ固着(例えば接着)された第1及び第2の磁性体板171,172である点において相違し、その他の点で一致している。本実施の形態も、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(第8の実施の形態)
図10は、本発明の第8の実施の形態に係る電流センサ800の正断面図である。図11は、同電流センサ800のバスバー78の構成を示す、(A)は平面図、(B)は右側面図である。本実施の形態では、上記各実施の形態とは異なる形状のバスバー78を用いる。
バスバー78は、一体形成された平板形状(例えば銅板)であり、その長手方向の中間部が前記長手方向に関して所定長だけ離れた2カ所(折曲げ基点73,74)を基点として部分的に切り起こされて前記長手方向に関して部分的に分岐している。この切り起こされた部分(切起し片)が本実施の形態の高抵抗電流路71であり、バスバー78の長手方向に関して折曲げ基点73,74の間に位置する切り起こされていない部分が低抵抗電流路72である。具体的には、バスバー78の長手方向の中間部に前記長手方向に沿う(前記長手方向と平行な)2つの所定長の開口75,76がバスバー78の幅方向に並んで形成され、この2つの開口75,76に挟まれた部分が上方(又は下方)に突出されて切起し片が形成されている。なお、2つの開口75,76に替えて、幅のない2つの切込みを形成してもよい。高抵抗電流路71を囲むようにリング状磁気コア15が配置され、低抵抗電流路72を囲むようにインダクタンス整合用磁性体70が配置される。本実施の形態も、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(第9の実施の形態)
図12は、本発明の第9の実施の形態に係る電流センサ900の説明図であり、(A)は正断面図、(B)は同電流センサ900のバスバー95の折曲げ前の斜視図、(C)は同折曲げ後の斜視図である。本実施の形態では、上記各実施の形態とは異なる形状のバスバー95を用いる。
図12(B)に示すように、バスバー95は、折曲げ前においては一体形成された平板形状(例えば銅板)であり、長手方向の両端部に位置する取付け孔91,92を介して例えばネジやリベットによって被測定電流の経路を成すように取り付けられる。バスバー95の長手方向の中間部に前記長手方向に沿う所定長の開口57が形成され、開口57によってバスバー95は長手方向の中間部で部分的に高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とに分岐している。
高抵抗電流路51は好ましくは、バスバー95の長手方向の中間部にコの字型に形成され、被測定電流Iinの流れる方向に略平行で低抵抗電流路52に近い(コの字型の先端側の)第1の折曲げライン53と、第1の折曲げライン53と平行で低抵抗電流路52から遠い(コの字型の中間部の)第2の折曲げライン54とに沿ってそれぞれ略直角に折り曲げられて庇状になっている(図12(B)→(C))。そしてコの字型の高抵抗電流路51の底辺(底部55)は低抵抗電流路52の幅内(例えば幅方向の中間部)で低抵抗電流路52の上方(又は下方)に位置する。
図12(A)に示すように、高抵抗電流路51のうち低抵抗電流路52の幅内に存在する部分(すなわちコの字型の高抵抗電流路51の底辺(底部55))の長手方向の中間部を囲むようにリング状磁気コア15が配置される。リング状磁気コア15は好ましくは分割されていないものとする。低抵抗電流路52を囲むようにインダクタンス整合用磁性体70が配置される。本実施の形態も、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
実施の形態ではリング状磁気コアのギャップ部の長さがバスバーの厚みよりも大きい場合を説明したが、ギャップ部の長さが高抵抗電流路の幅よりも大きい場合も、高抵抗電流路をギャップ部に通すことで、高抵抗電流路を囲むようにリング状磁気コアを配置することができる。
実施の形態では電流検出の方式が磁気比例式である場合を説明したが、変形例では、リング状磁気コアに巻線を施して負帰還用コイルを構成し、図16に例示の回路を用いることで電流検出の方式を磁気平衡式としてもよい。
また、第8及び第9の実施の形態のインダクタンス整合用磁性体70の代わりに、図5〜図7,図9に示されるインダクタンス整合用磁性体70を用いてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る電流センサの構成を示す、(A)は平面図、(B)は同平面図のB-B'断面図。 本実施の形態のバスバーの等回路図。 バスバーに流れる被測定電流と高抵抗電流路に流れる電流との関係を示す特性図であり、(A)は被測定電流の波形図、(B)はL1>L2の場合に高抵抗電流路に流れる電流の波形図、(C)はL1<L2の場合に高抵抗電流路に流れる電流の波形図、(D)はL1=L2の場合に高抵抗電流路に流れる電流の波形図。 本発明の第2の実施の形態に係る電流センサの正断面図。 本発明の第3の実施の形態に係る電流センサの正断面図。 本発明の第4の実施の形態に係る電流センサの正断面図。 (A)は、本発明の第5の実施の形態に係る電流センサの正断面図、(B)は、同電流センサで用いるバスバーの部分的な平面図。 本発明の第6の実施の形態に係る電流センサの平面図。 本発明の第7の実施の形態に係る電流センサの正断面図。 本発明の第8の実施の形態に係る電流センサの正断面図。 同電流センサのバスバーの構成を示す、(A)は平面図、(B)は右側面図。 本発明の第9の実施の形態に係る電流センサの説明図であり、(A)は正断面図、(B)は同電流センサのバスバーの折曲げ前の斜視図、(C)は同折曲げ後の斜視図。 磁気比例式電流センサの基本的構成図。 磁気比例式電流センサの基本的回路図。 磁気平衡式電流センサの基本的構成図。 磁気平衡式電流センサの基本的回路図。
符号の説明
12、78、95 バスバー
15 リング状磁気コア
25 ホール素子
31 プリント基板
51 高抵抗電流路
52 低抵抗電流路
57 開口
70 インダクタンス整合用磁性体
100,200,・・・,900 電流センサ

Claims (10)

  1. 被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
    前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
    前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
    前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを前記低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側に配置されたインダクタンス整合用磁性体とを備え、
    前記インダクタンス整合用磁性体は、前記低抵抗電流路の厚み又は幅以上の長さのギャップ部を有するリング形状であって前記低抵抗電流路を囲んでいて、
    前記バスバーは、中間部に形成された開口によって前記高抵抗電流路と前記低抵抗電流路とに分岐し、
    前記リング状磁気コア及び前記インダクタンス整合用磁性体は、前記被測定電流の流れる方向に関して異なる位置に配置されていて前記バスバーの幅方向に関する位置が部分的に重複している、電流センサ。
  2. 被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
    前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
    前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
    前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを前記低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側に配置されたインダクタンス整合用磁性体とを備え、
    前記インダクタンス整合用磁性体は、対向面間の距離が前記低抵抗電流路の厚み又は幅以上の長さのコの字型であり、前記コの字型の内側に前記低抵抗電流路が位置した状態で前記コの字型の先端部の少なくとも一方の前記低抵抗電流路からはみ出した部分が前記低抵抗電流路に沿って折り曲げられている、電流センサ。
  3. 被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
    前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
    前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
    前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを前記低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側に配置されたインダクタンス整合用磁性体とを備え、
    前記低抵抗電流路には所定位置に凹部又は貫通孔が形成されていて、
    前記インダクタンス整合用磁性体は、対向面間の距離が前記低抵抗電流路の厚み又は幅以上の長さのコの字型であり、前記コの字型の内側に前記低抵抗電流路が位置した状態で前記コの字型の先端部の少なくとも一方が折り曲げられて前記低抵抗電流路に形成された前記凹部又は前記貫通孔に係合している、電流センサ。
  4. 被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
    前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
    前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
    前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを前記低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側に配置されたインダクタンス整合用磁性体とを備え、
    前記インダクタンス整合用磁性体は、ギャップ部を有するリング形状であって前記ギャップ部の長さが縮まる方向にスプリング性を有し、前記低抵抗電流路を前記リング形状の内側に前記スプリング性を利用して挟み込んでいる、電流センサ。
  5. 請求項4に記載の電流センサにおいて、前記インダクタンス整合用磁性体は、コの字型であり、前記コの字型の先端部の少なくとも一方の前記低抵抗電流路からはみ出した部分が前記低抵抗電流路に沿って折り曲げられている、電流センサ。
  6. 請求項4に記載の電流センサにおいて、
    前記低抵抗電流路には所定位置に凹部又は貫通孔が形成されていて、
    前記インダクタンス整合用磁性体は、コの字型であり、前記コの字型の先端部の少なくとも一方が折り曲げられて前記低抵抗電流路に形成された前記凹部又は前記貫通孔に係合している、電流センサ。
  7. 請求項2,4又は5に記載の電流センサにおいて、
    前記バスバーは、中間部に形成された開口によって前記高抵抗電流路と前記低抵抗電流路とに分岐し、
    前記リング状磁気コア及び前記インダクタンス整合用磁性体は、前記被測定電流の流れる方向に関して異なる位置に配置されていて前記バスバーの幅方向に関する位置が部分的に重複している、電流センサ。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の電流センサにおいて、前記低抵抗電流路には前記被測定電流の流れる方向に関して異なる位置にそれぞれ第1及び第2の突起が形成されていて、前記インダクタンス整合用磁性体は前記第1及び第2の突起の間に位置して前記被測定電流の流れる方向に関する位置が定められている、電流センサ。
  9. 被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
    前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
    前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
    前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを前記低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側に配置されたインダクタンス整合用磁性体とを備え、
    前記インダクタンス整合用磁性体は、前記低抵抗電流路の相互に対向する幅広面にそれぞれ固着された第1及び第2の磁性体板である、電流センサ。
  10. 被測定電流を所定の比率で分流するように中間部で部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐している、一体形成されたバスバーと、
    前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
    前記ギャップ部に位置する磁気検出素子と、
    前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを前記低抵抗電流路が有するように前記低抵抗電流路側に配置されたインダクタンス整合用磁性体とを備え、
    前記インダクタンス整合用磁性体は、前記低抵抗電流路の厚み又は幅以上の長さのギャップ部を有するリング形状であって前記低抵抗電流路を囲んでいて、
    前記低抵抗電流路には前記被測定電流の流れる方向に関して異なる位置にそれぞれ第1及び第2の突起が形成されていて、前記インダクタンス整合用磁性体は前記第1及び第2の突起の間に位置して前記被測定電流の流れる方向に関する位置が定められている、電流センサ。
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