JP2010121983A - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】応答特性の改善のために特許文献1に記載のように部品を別途追加する必要のない電流センサを提供する。
【解決手段】低抵抗電流路52には、開口57に臨む縁部に部分的に切欠58が形成されている。リング状磁気コア15は、ギャップ部Gを含むリング形状が開口57のうち切欠58によって幅広となっている部分を通るように配置されて高抵抗電流路51を囲んでいる。リング状磁気コア15のリング形状が低抵抗電流路52に形成された切欠58を通るように配置されているので、リング状磁気コア15により高抵抗電流路51のみならず低抵抗電流路52にもインダクタンスが発生する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばハイブリットカーや電気自動車のバッテリー電流やモータ駆動電流、工作機械のモータに流れる電流をホール素子等の磁気検出素子を用いて測定する電流センサに関する。
ホール素子等の磁気検出素子を用いてバスバーに流れる電流(被測定電流)を非接触状態で検出する電流センサとして、以下に示す磁気比例式や磁気平衡式のものが従来から知られている。
磁気比例式電流センサは、図8に例示のように、ギャップGを有するリング状の磁気コア820(高透磁率で残留磁気が少ない珪素鋼板やパーマロイコア等)と、ギャップGに配置されたホール素子816(磁気検出素子の例示)とを有する。磁気コア820は、被測定電流Iinの流れるバスバー810が貫通する配置である。したがって、被測定電流IinによってギャップG内に磁界が発生し、これがホール素子816の感磁面に印加される。磁界の強さは被測定電流Iinに比例するので、ホール素子816の出力電圧から被測定電流Iinが求められる。なお、磁気比例式電流センサの回路構成は、例えば図9に示されるものである。この回路では、定電流駆動されるホール素子816の出力電圧を差動増幅回路で増幅してセンサ出力としている。
磁気平衡式電流センサは、磁気比例式電流センサの構成に加えて、図10に例示のように、磁気コア820に巻線を設けてなる負帰還用コイルLFBを有する。この構成においては、被測定電流IinによってギャップG内に第1の磁界が発生してこれがホール素子816の感磁面に印加される一方、ホール素子816の感磁面に印加される前記第1の磁界を相殺する(ゼロにする)第2の磁界を発生するように負帰還用コイルLFBに電流が供給される。この供給した電流から被測定電流Iinが求められる。なお、磁気平衡式電流センサの回路構成は、例えば図11に示されるものである。この回路では、負帰還電流を検出抵抗で電圧に変換し、これを差動増幅回路で増幅してセンサ出力としている。
ハイブリッドカーやEV(電気自動車)のバッテリに流れる充放電電流をモニタする電流センサや、インバータ用の三相モータ駆動電流をモニタする電流センサ等は、バスバーに流れる電流(被測定電流)が例えば200A〜600Aあるいはそれ以上と非常に大きい。このため、バスバーの形状が必然的に大きくなるとともにバスバーを囲うコアが大型化し、電流センサ本体が大きくなり、コストアップの原因となっている。その改善策として、下記特許文献1では、被測定電流を小電流に分流して検出する電流センサが提案されている。
特開平6−273449号公報
特許文献1の電流センサは、同文献図1に示されるように、「入出力端子間に設けられた複数の電流導体2と、複数の電流導体2のうちの一の電流導体2(M)の近傍に配置され、電流導体2(M)を流れる電流により発生した磁束を集磁する磁心3と、磁心3により集磁された磁束を検出し、電流量検出信号4として出力する磁気検出素子5と」を備えるものである([要約]の[構成])。
特許文献1ではさらに「図3(a)に示すように、過渡的な電流変化(交流電流)を測定する場合には、信号の立上がり(立ち下がり)特性が劣化し、瞬時には電流を検出すべき導線に電流が流れず、他の導線を介して流れてしまうため、図3(b)に示すように、電流センサの応答特性が劣化することとなる」(段落[0019])との課題を指摘した上で、この応答特性の劣化を低減するために、「図4(a)に示すように、磁性コア3が近傍に配置されている導線2(M)以外の導線2にも同等のインダクタンス成分(=L)を発生させるため、近傍に磁性体6を配置してい」る(段落[0021])。
特許文献1の技術は、電流センサの応答特性を改善する観点で一定の成果を上げるものと考えられるが、上述のとおり「磁性コア3が近傍に配置されている導線2(M)以外の導線2にも同等のインダクタンス成分(=L)を発生させるため、近傍に磁性体6を配置」することが必須であるため、磁性体6(例えばビーズ型磁性体)を追加する分だけ部品点数が増えて磁性体6を実装する手間が増え、コストアップにつながるという問題がある。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、応答特性の改善のために特許文献1に記載のように部品を別途追加する必要のない電流センサを提供することにある。
本発明のある態様は、電流センサである。この電流センサは、
被測定電流を所定の比率で分流するように部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐したバスバーと、
前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
前記ギャップ部に位置する磁気検出素子とを備え、
前記低抵抗電流路には、前記高抵抗電流路との間隙に臨む縁部に部分的に切欠が形成され、
前記リング状磁気コアは、前記ギャップ部を含むリング形状が前記切欠を通るように配置されている。
ある態様の電流センサにおいて、前記バスバーは、一体形成されていて、かつ中間部に形成された開口によって前記高抵抗電流路と前記低抵抗電流路とに分岐しているとよい。
この場合、前記切欠は、前記開口の幅が前記低抵抗電流路側に向かって部分的に広くなるように形成されているとよい。
さらに、前記開口は、前記切欠の形成されている部分は前記リング状磁気コアの厚みよりも幅広であり、前記切欠の形成されていない部分は前記リング状磁気コアの厚みよりも幅狭であるとよい。
ある態様の電流センサにおいて、前記リング状磁気コアの前記リング形状が前記切欠を通るように配置されていることにより、前記低抵抗電流路は前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを有しているとよい。
ある態様の電流センサにおいて、前記リング状磁気コアは、前記切欠の位置における断面の一部又は全部が前記切欠の内側に存在するとよい。
ある態様の電流センサにおいて、
前記高抵抗電流路は、前記低抵抗電流路との間隙に臨む縁部とは反対側の縁部に部分的に切欠が形成され、
前記リング状磁気コアは、前記ギャップ部を含むリング形状が前記高抵抗電流路に形成された前記切欠も通るように配置されているとよい。
ある態様の電流センサにおいて、前記リング状磁気コアの前記ギャップ部が前記低抵抗電流路に形成された前記切欠とその近傍を除く位置に存在するとよい。
ある態様の電流センサにおいて、前記リング状磁気コアの前記ギャップ部が、前記ギャップ部を含むリング形状のうち前記低抵抗電流路に形成された前記切欠を通る部分の反対側となる位置に存在するとよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の電流センサによれば、高抵抗電流路を囲むリング状磁気コアのリング形状が低抵抗電流路に形成された切欠を通るように配置されているので、前記リング状磁気コアにより前記高抵抗電流路のみならず前記低抵抗電流路にもインダクタンスが発生し、前記リング形状が前記切欠を通らない場合と比較して応答特性が改善され、かつ応答特性の改善のために特許文献1に記載のように部品を別途追加する必要もない。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電流センサ100の構成を示す、(A)は平面図、(B)は同平面図のB-B'断面図である。
電流センサ100(磁気比例式)は、被測定電流の経路としてのバスバー12と、リング状磁路を成すリング状磁気コア15と、磁気検出素子としてのホール素子25とを備える。
バスバー12は、一体形成された平板形状(例えば銅板)であり、長手方向の両端部に位置する取付け孔91,92を介して例えばネジやリベットによって被測定電流Iinの経路を成すように取り付けられる。バスバー12の長手方向(被測定電流Iinの流れる方向)の中間部に前記長手方向に沿う所定長の開口57(スリット)が形成され、開口57によってバスバー12が長手方向の中間部で部分的に高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とに分岐している。換言すれば、被測定電流Iinの全てが流れる未分岐電流路(バスバー12の両端部の分岐していない電流路)の間に高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とが挟まれている。したがって、被測定電流Iinは所定の比率(例えば1:2)で高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とに分流される。分流比は高抵抗電流路51及び低抵抗電流路52の抵抗の逆数比に等しい。なお、開口57は、高抵抗電流路51と低抵抗電流路52との間隙に相当する。
低抵抗電流路52には、開口57に臨む縁部に部分的に切欠58が形成されている。切欠58により、開口57はバスバー12の長手方向に関して一部(切欠58の存在位置)がリング状磁気コア15の径方向(リング形状の内側と外側とを結ぶ方向)の厚みWCよりも幅広となっている(図1(A)でWD>WC)。つまり、切欠58により開口57は長手方向の中間部で部分的に幅が広くなっている。なお、開口57は、切欠58によって幅広となっている前記一部以外の部分はリング状磁気コア15の径方向の厚みよりも幅狭となっている(図1(A)でWB<WC)。開口57の前記一部以外の部分の幅WBはなるべく狭く(例えばバスバー12の厚み程度に)したほうが、高抵抗電流路51及び低抵抗電流路52の抵抗を小さくできて望ましい。
好ましくは分割されていない方形のリング状磁気コア15(高透磁率で残留磁気が少ない珪素鋼板やパーマロイコア、アモルファス等からなる)は、ギャップ部Gを含むリング形状が開口57のうち切欠58によって幅広となっている部分を通るように配置されて高抵抗電流路51を囲んでいる。リング状磁気コア15のギャップ部Gにホール素子25が位置する。ホール素子25は不図示のプリント基板に実装されて例えば図9に示す回路を成すように接続され、ホール素子25の出力電圧から被測定電流Iinが求められる。ギャップ部Gは好ましくは切欠58とその近傍を除く位置に存在するとよく、図1(B)ではギャップ部Gはギャップ部Gを含むリング形状のうち切欠58を通る部分の反対側となる位置(高抵抗電流路51の開口57に臨む縁部とは反対の縁部の近傍)に存在する。ギャップ部Gの長さLGはバスバー12の厚みLB(高抵抗電流路51の厚み)よりも大きい(LG>LB)ため、バスバー12が一体形成されかつリング状磁気コア15が分割されていなくても、高抵抗電流路51をギャップ部Gに通すことで、高抵抗電流路51を囲むようにリング状磁気コア15を配置することができる。
図2は、本実施の形態のバスバー12の等回路図である。高抵抗電流路51は、高抵抗電流路51自身による抵抗R1と、リング状磁気コア15によって発生するインダクタンスL1(誘導性リアクタンス)との直列接続で等価的に表される。ここで、本実施の形態では、リング状磁気コア15のリング形状が低抵抗電流路52に形成された切欠58を通るように配置されているので、リング状磁気コア15により高抵抗電流路51のみならず低抵抗電流路52にもインダクタンスが発生する。これは、低抵抗電流路52において切欠58の周囲にリング状磁気コア15の切欠58を通る部分を半周するように電流が流れるためと考えられる。したがって、低抵抗電流路52は、低抵抗電流路52自身による抵抗R2と、リング状磁気コア15によって発生するインダクタンスL2(誘導性リアクタンス)との直列接続で等価的に表される。
低抵抗電流路52のインダクタンスL2は、リング状磁気コア15のリング形状が切欠58のどの程度の深さ位置を通るか及び切欠58に対するギャップ部Gの位置等によって決まる。すなわち、リング状磁気コア15の切欠58の位置における断面の全部が切欠58の内側に存在する場合は同断面の一部のみが切欠58の内側に存在する場合よりも低抵抗電流路52のインダクタンスL2が大きく、同断面の全部が切欠58の内側に存在する場合同士では同断面が切欠58の内側の深い位置(切欠58内の奥の位置)にあるほど低抵抗電流路52のインダクタンスL2が大きく、同断面の一部のみが切欠58の内側に存在する場合同士では同断面のうち切欠58の内側にある部分の面積が大きいほど低抵抗電流路52のインダクタンスL2が大きい。また、ギャップGが切欠58とその近傍に存在する場合よりもギャップ部Gが切欠58とその近傍を除く位置に存在する場合の方が低抵抗電流路52のインダクタンスL2が大きく、切欠58とその近傍を除く位置の中でもギャップ部Gがリング状磁気コア15のリング形状のうち切欠58を通る部分の反対側となる位置に存在する場合は低抵抗電流路52のインダクタンスL2を最大限に大きくすることができる。本実施の形態では、高抵抗電流路51のインダクタンスL1と低抵抗電流路52のインダクタンスL2とが等しくなる(L1=L2となる)ようにリング状磁気コア15のリング形状の切欠58を通る位置とギャップ部Gの位置とを定めている。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) 高抵抗電流路51を囲むリング状磁気コア15のリング形状が低抵抗電流路52に形成された切欠58を通るように配置されているので、リング状磁気コア15により高抵抗電流路51のみならず低抵抗電流路52にもインダクタンスが発生し、前記リング形状が切欠58を通らない場合と比較して応答特性が改善され、かつ応答特性の改善のために特許文献1に記載のように部品を別途追加する必要もない。したがって、高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とのインダクタンス整合のために低抵抗電流路52側に磁性体を追加する場合よりも部品点数を削減して磁性体を実装する手間を減らすことができ、コスト安である。
(2) 高抵抗電流路51のインダクタンスL1と低抵抗電流路52のインダクタンスL2とが等しくなるようにリング状磁気コア15のリング形状の切欠58を通る位置とギャップ部Gの位置とを定めているので、図4(B)で後述するように、高抵抗電流路51に流れる電流Isubと被測定電流Iinとを相似波形とすることができ、すなわち被測定電流Iinと高抵抗電流路51に流れる電流Isubとの比が一定となり、電流検出精度が良好となる。
(3) バスバー12が一体形成されているため、すなわち高抵抗電流路51と低抵抗電流路52、及びそれらの両側の分岐していない部分がネジやリベット等による結合ではなく一体形成されているため、分岐箇所をネジやリベット等で結合する分離構造のバスバーを用いる場合と比較して、分岐箇所の接触抵抗の変化による分流割合への影響がないので、分流割合の変化による電流検出精度の悪化を防止して高精度に電流検出することが可能となる。
(4) リング状磁気コア15のギャップ部Gの長さLGがバスバー12の厚みLB(高抵抗電流路51の厚み)よりも大きい(LG>LB)ため、一体形成されたバスバー12に対して分割されていないリング状磁気コア15を実装できる。リング状磁気コア15が分割されていないため、分割されたリング状磁気コアを用いる場合と比較して外部磁界の影響に強い電流センサを実現することができる。
(5) 被測定電流Iinよりも小さな電流が流れる高抵抗電流路51をリング状磁気コア15で囲む構成としているので、被測定電流Iinの全てが流れる電流路を囲む場合と比較してリング状磁気コア15が小型で済みコスト安である。
以下、本実施の形態による応答特性改善の効果を説明するために、図3を参照して比較例について説明する。
図3(A)は、比較例1に関し、第1の実施の形態の電流センサ100の切欠58をなくした場合の平面図である。切欠58がない分、開口57の幅を広げてリング状磁気コア15を通過可能としている。なお、リング状磁気コア15のギャップ部は第1の実施の形態と同様にバスバー12の外側に位置する。本比較例の場合、リング状磁気コア15によって低抵抗電流路52に十分なインダクタンスを発生させることができず、応答特性改善の効果は期待できない。
図3(B)は、比較例2に関し、同図(A)において高抵抗電流路51のバスバー12の幅方向外側の縁部に部分的に切欠55を設けた場合の平面図である。本比較例の場合も、リング状磁気コア15によって低抵抗電流路52に十分なインダクタンスを発生させることができず、応答特性改善の効果は期待できない。
図3(C)は、比較例3に関し、同図(A)において低抵抗電流路52にインダクタンス整合用磁性体70を取り付けた場合の平面図である。本比較例では、インダクタンス整合用磁性体70によって低抵抗電流路52を囲むことで低抵抗電流路52にインダクタンスを発生させて応答特性を改善できるが、インダクタンス整合用磁性体70を別途追加するため部品点数が増加して実装の手間が増え、コスト高である。
図3(D)は、比較例4に関し、第1の実施の形態の電流センサ100においてリング状磁気コア15のギャップ部Gが切欠58の近傍に存在する場合の平面図である。同図(E)は、同平面図のE-E'断面図である。本比較例の場合、リング状磁気コア15によって低抵抗電流路52にインダクタンスが発生しているので、比較例1及び2(図3(A),(B))の場合よりも応答特性は改善されるものの、ギャップ部Gが切欠58の近傍に存在するため、第1の実施の形態の電流センサ100ほどは応答特性は改善しない。もっとも、部品点数を増加させずに応答特性を改善できる点で本比較例は有意義といえる。また、本比較例においても、リング状磁気コア15のリング形状の切欠58を通る位置次第では第1の実施の形態の電流センサ100と同等の応答特性改善を実現できる場合もあると考えられる。
図4は、バスバー12に流れる被測定電流Iinと高抵抗電流路51に流れる電流Isubとの関係を示す説明図であり、(A)は被測定電流Iinの波形図、(B)は本実施の形態の場合の高抵抗電流路51に流れる電流Isubの波形図、(C)は比較例1及び2の場合の高抵抗電流路51に流れる電流Isubの波形図、(D)は比較例3の場合の高抵抗電流路51に流れる電流Isubの波形図、(E)は比較例4の場合の高抵抗電流路51に流れる電流Isubの波形図である。ここでは、被測定電流Iinとして方形波電流を流した場合を説明する。
図4(B)に示されるように、本実施の形態では高抵抗電流路51のインダクタンスL1と低抵抗電流路52のインダクタンスL2が等しくなるようにリング状磁気コア15のリング形状の切欠58を通る位置とギャップ部Gの位置とを定めているので、高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とでインダクタンスの整合がとれて高抵抗電流路51に流れる電流Isubと被測定電流Iinとが相似波形となっている。すなわち、被測定電流Iinと高抵抗電流路51に流れる電流Isubとの比が一定となり、電流検出精度が良好となる。
図4(C)に示されるように、比較例1及び2では、リング状磁気コア15によって低抵抗電流路52に十分なインダクタンスを発生させることができないため、被測定電流Iinの立ち上がり時に高抵抗電流路51に流れる電流Isubは過渡的に抵抗比R1:R2(分流比)によって定まる電流と比較して小さい状態となる。これは、被測定電流Iinの立ち上がり時に低抵抗電流路52に多くの電流が流れ、その分だけ高抵抗電流路51に流れる電流が少なくなるためである。したがって、被測定電流Iinと高抵抗電流路51に流れる電流Isubとの比が過渡的に一定とならず、電流検出精度が悪化する。
図4(D)に示されるように、比較例3では、低抵抗電流路52に別途インダクタンス整合用磁性体70を取り付けて低抵抗電流路52に高抵抗電流路51と同等のインダクタンスを発生させているため、本実施の形態(図4(B))と同様に高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とでインダクタンスの整合がとれて高抵抗電流路51に流れる電流Isubと被測定電流Iinとが相似波形となっている。しかし、本実施の形態と比較してインダクタンス整合用磁性体70を別途追加するため部品点数が増加する点は上述のとおりである。
図4(E)に示されるように、比較例4では、リング状磁気コア15によって低抵抗電流路52にインダクタンスが発生しているもののその大きさが本実施の形態ほどではないため、比較例1及び2よりは応答特性が改善しているものの本実施の形態(図4(B))のように高抵抗電流路51に流れる電流Isubと被測定電流Iinとが相似波形となるまでには応答特性が改善されていない。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る電流センサ200の構成を示す、(A)は平面図、(B)は同平面図のB-B'断面図である。図6は、同電流センサ200のプリント基板31の構成を示す、(A)は平面図、(B)は同平面図の部分的な拡大図、(C)は同拡大図のC-C'断面図である。本実施の形態の電流センサ200は、第1の実施の形態の電流センサ100と比較して、高抵抗電流路51のバスバー12の幅方向外側の縁部に部分的に切欠55が形成されている点と、リング状磁気コア15のリング形状が切欠55も通るように配置されている点と、バスバー12上に絶縁板29を介してプリント基板31が固定配置されている点と、ホール素子25がプリント基板31に表面実装されている点とにおいて相違し、その他の点で一致している。以下、相違点を中心に説明する。
好ましくは略コの字型であるプリント基板31は、図6(A)のように、基部32と、第1及び第2の延在部33,34とを有する。基部32は、高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とを跨ぐようにバスバー12の幅方向に広がった部分である。第1の延在部33は、基部32の幅方向の一部(高抵抗電流路51側の一部)からリング状磁気コア15のギャップ部Gに延びる部分である。第2の延在部34は、基部32の幅方向の一部(低抵抗電流路52側の一部)から第1の延在部33と同方向に延びる部分である。なお、絶縁板29もプリント基板31と同様の形状である。
基部32は、バスバー12の長さ方向の一端32a(第1及び第2の延在部33,34の延びる側の端部)がリング状磁気コア15に当接し、これによりプリント基板31がバスバー12の長さ方向に関してリング状磁気コア15に対して位置決めされる。なお、リング状磁気コア15は、図5(B)に示すようにホルダ80に保持されてバスバー12との相対位置が固定されている。リング状磁気コア15のギャップ部Gに位置する第1の延在部33にホール素子25が表面実装されてプリント基板31上の導電パターン39と例えば半田付けにより電気的に接続される。ホール素子25は好ましくは、図6(C)のように、プリント基板31に形成された開口37に落とし込んで表面実装される。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、高抵抗電流路51はバスバー12の幅方向外側の縁部の一部に切欠55が形成され、リング状磁気コア15はギャップ部Gを含むリング形状が切欠55を通るように配置されているので、リング状磁気コア15のリング形状の切欠55を通る部分の径方向(リング形状の内側と外側とを結ぶ方向)の厚みの分だけリング状磁気コア15がバスバー12の幅方向外側にはみ出す量を減らすことができ、電流センサ200の小型化を図ることが可能となる。特に、図5に示すようにリング状磁気コア15の径方向の厚みが切欠55内に収まるようにした場合、バスバー12の幅からリング状磁気コア15がはみ出さなくなり、小型化の効果が顕著である。
また、プリント基板31のうちリング状磁気コア15のギャップ部Gに位置する第1の延在部33にホール素子25を表面実装しているため、リード線タイプのホール素子をプリント基板のスルーホールに挿通実装する場合と比較して、ホール素子のリード線の変形や曲がり等によってリード線同士がショートする事故をなくすことができて信頼性が高い。さらに、プリント基板31に形成された開口37にホール素子25を落とし込んで表面実装することにより、プリント基板31及びホール素子25のトータル厚みhを薄くすることができ、ひいてはリング状磁気コア15のギャップ部Gの長さを短くでき、外部磁界の影響を受けにくくなって有利である。さらに、プリント基板31を略コの字型としているので、バスバー12の幅方向に関するプリント基板31の長さを抑えつつ十分な基板面積を確保でき、簡単な構成の1枚基板にホール素子25及び電子部品を全て配置することができて好都合である。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
実施の形態ではリング状磁気コア15の切欠58の位置における断面の全部が切欠58の内側に存在する場合を説明したが、変形例では同断面の一部のみが切欠58の内側に存在してもよい。同断面のどの程度を切欠58の内側に存在させるかは、低抵抗電流路52に必要とされるインダクタンスの大きさによって適宜設定すればよい。
実施の形態では電流検出の方式が磁気比例式である場合を説明したが、変形例では、リング状磁気コアに巻線を施して負帰還用コイルを構成し、図11に例示の回路を用いることで電流検出の方式を磁気平衡式としてもよい。
実施の形態ではバスバー12が一体形成されている場合を説明したが、変形例ではバスバー12の高抵抗電流路51と低抵抗電流路52、及び分岐していない部分をネジやリベット等によって結合する分離構造のバスバーを用いてもよい。本変形例の場合、分岐箇所の接触抵抗の変化による分流割合への影響の問題はあるとしても、高抵抗電流路51と低抵抗電流路52とのインダクタンス整合のために低抵抗電流路52側に磁性体を追加する場合よりも部品点数を削減して磁性体を実装する手間を減らすことができる点では実施の形態と同様の効果を奏することができる。
実施の形態では、リング状磁気コア15が分割されてなく、かつリング状磁気コア15のギャップ部Gの長さがバスバー12の厚み(高抵抗電流路51の厚み)よりも大きい場合を説明した。変形例では、リング状磁気コア15は周方向に関して例えば2分割されたものであってもよく、この場合はギャップ部Gの長さがバスバー12の厚みよりも小さくてもよい。本変形例の場合、外部磁界の影響の問題はあるとしても、部品点数を削減して磁性体を実装する手間を減らすことができる点では実施の形態と同様の効果を奏することができる。
実施の形態では開口57は切欠58によって幅広となっている前記一部以外の部分はリング状磁気コア15の径方向の厚みよりも幅狭となっている場合を説明したが、変形例では前記一部以外の部分もリング状磁気コア15の径方向の厚みよりも幅広となっていてもよい。本変形例の場合、高抵抗電流路51又は低抵抗電流路52の抵抗が実施の形態の場合と比較して大きくなるものの、部品点数を削減して磁性体を実装する手間を減らすことができる点では実施の形態と同様の効果を奏することができる。
実施の形態ではリング状磁気コア15のギャップ部Gがリング形状のうち切欠58と反対側となる位置に存在する場合を説明したが、変形例ではギャップ部Gは図7に示すようにリング状磁気コア15の上辺の切欠58から離れた位置(切欠58よりもバスバー12の幅方向外側寄りの位置)に存在してもよい。この場合、プリント基板31をリング状磁気コア15の上方に配置し、ホール素子25のリード線をプリント基板31の貫通孔(図には現れず)に挿通してプリント基板31上の導電パターンと例えば半田付けにより電気的に接続してもよい。バスバー12とリング状磁気コア15とプリント基板31は例えばホルダ80により保持される。
実施の形態では、切欠58が開口57の長手方向の中間部に形成される場合を説明したが、変形例では切欠58は開口57の長手方向の端部に形成されてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る電流センサの構成を示す、(A)は平面図、(B)は同平面図のB-B'断面図。 本実施の形態のバスバーの等回路図。 (A)は、比較例1に関し、第1の実施の形態の電流センサの切欠をなくした場合の平面図。(B)は、比較例2に関し、同図(A)において高抵抗電流路のバスバーの幅方向外側の縁部に部分的に切欠を設けた場合の平面図。(C)は、比較例3に関し、同図(A)において低抵抗電流路にインダクタンス整合用磁性体を取り付けた場合の平面図。(D)は、比較例4に関し、第1の実施の形態の電流センサにおいてリング状磁気コアのギャップ部が切欠の近傍に存在する場合の平面図。(E)は、同平面図のE-E'断面図。 バスバーに流れる被測定電流と高抵抗電流路に流れる電流との関係を示す説明図であり、(A)は被測定電流の波形図、(B)は本実施の形態の場合の高抵抗電流路に流れる電流の波形図、(C)は比較例1及び2の場合の同電流の波形図、(D)は比較例3の場合の同電流の波形図、(E)は比較例4の場合の同電流の波形図。 本発明の第2の実施の形態に係る電流センサの構成を示す、(A)は平面図、(B)は同平面図のB-B'断面図。 同電流センサのプリント基板の構成を示す、(A)は平面図、(B)は同平面図の部分的な拡大図、(C)は同拡大図のC-C'断面図。 変形例に係る電流センサの構成を示す正断面図。 磁気比例式電流センサの基本的構成図。 磁気比例式電流センサの基本的回路図。 磁気平衡式電流センサの基本的構成図。 磁気平衡式電流センサの基本的回路図。
符号の説明
12 バスバー
15 リング状磁気コア
25 ホール素子
51 高抵抗電流路
52 低抵抗電流路
55,58 切欠
57 開口
100,200 電流センサ

Claims (9)

  1. 被測定電流を所定の比率で分流するように部分的に高抵抗電流路と低抵抗電流路とに分岐したバスバーと、
    前記高抵抗電流路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアと、
    前記ギャップ部に位置する磁気検出素子とを備え、
    前記低抵抗電流路には、前記高抵抗電流路との間隙に臨む縁部に部分的に切欠が形成され、
    前記リング状磁気コアは、前記ギャップ部を含むリング形状が前記切欠を通るように配置されている、電流センサ。
  2. 請求項1に記載の電流センサにおいて、前記バスバーは、一体形成されていて、かつ中間部に形成された開口によって前記高抵抗電流路と前記低抵抗電流路とに分岐している、電流センサ。
  3. 請求項2に記載の電流センサにおいて、前記切欠は、前記開口の幅が前記低抵抗電流路側に向かって部分的に広くなるように形成されている、電流センサ。
  4. 請求項3に記載の電流センサにおいて、前記開口は、前記切欠の形成されている部分は前記リング状磁気コアの厚みよりも幅広であり、前記切欠の形成されていない部分は前記リング状磁気コアの厚みよりも幅狭である、電流センサ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の電流センサにおいて、前記リング状磁気コアの前記リング形状が前記切欠を通るように配置されていることにより、前記低抵抗電流路は前記リング状磁気コアによる前記高抵抗電流路のインダクタンスと同等のインダクタンスを有している、電流センサ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の電流センサにおいて、前記リング状磁気コアは、前記切欠の位置における断面の一部又は全部が前記切欠の内側に存在する、電流センサ。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の電流センサにおいて、
    前記高抵抗電流路は、前記低抵抗電流路との間隙に臨む縁部とは反対側の縁部に部分的に切欠が形成され、
    前記リング状磁気コアは、前記ギャップ部を含むリング形状が前記高抵抗電流路に形成された前記切欠も通るように配置されている、電流センサ。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の電流センサにおいて、前記リング状磁気コアの前記ギャップ部が前記低抵抗電流路に形成された前記切欠とその近傍を除く位置に存在する、電流センサ。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の電流センサにおいて、前記リング状磁気コアの前記ギャップ部が、前記ギャップ部を含むリング形状のうち前記低抵抗電流路に形成された前記切欠を通る部分の反対側となる位置に存在する、電流センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014055790A (ja) * 2012-09-11 2014-03-27 Alps Green Devices Co Ltd 電流センサ
JP2015064243A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 旭化成エレクトロニクス株式会社 電流センサ

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